JP4035619B2 - Cnt表面改質方法 - Google Patents

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本発明は、カーボンナノチューブの表面を改質する方法に関する。
グラファイト六角網平面を丸めた形態のチューブ状物質であるカーボンナノチューブ(Carbon Nano Tube:CNT)は、固体電解質電池、燃料電池あるいは蓄電池等の電極材料、水素ガスあるいはアルカリ金属等を貯蔵する貯蔵材料、半導体デバイス中の導電性材料、樹脂と混合して潤滑性あるいは導電性等を発現させる充填材料(フィラー)、スピーカ等の音響機器用振動板材料、光ファイバー等の光伝送媒体材料、触媒等の担持材料または走査型プローブ顕微鏡等の探針材料などの広範囲な応用が期待されている。
CNTは、同じくナノマテリアルであるフラーレンと異なり、溶媒に溶けない。その上、溶媒中に均一に分散させることも困難である。このため、CNTを樹脂のフィラーとして用いる場合、CNTを樹脂原料流体中に均一に分散させるのが困難である。したがって、CNTを均一に分散させた樹脂複合材を作製するのは難しい。
上記問題点を解決するために、CNTの表面を酸化する方法が知られている。CNTの表面を酸化すると、CNTをバインダー中に分散しやすくなる。また、CNTを含有する複合材を作製する際、表面が酸化されたCNTを含有するバインダーを加熱する工程では、バインダーの凝離を最小限に抑えることができる(例えば、特許文献1参照)。この結果、CNTが均一に分散した複合材を作製しやすくなる。
特表2003−505332号公報(要約、第80段落、第95段落〜第97段落)
上記特許文献1に記載されているCNT表面の酸化方法は、管体内でCNTを多孔体で支持し、気相酸化剤をCNTに接触させながら通過させて、CNT表面を酸化するものである。この酸化は、気相中で行われるため、強力な酸化剤を使用しなければならず、取り扱いに充分な注意が必要である。また、CNTの炭素網の内部方向への酸化量を制御した酸化を行うのは困難である。
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、取り扱いが容易な改質剤を使用して、CNTを構成する炭素網の表面および内部方向への改質量を制御するCNT表面改質方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明のCNT表面改質方法は、炭素網が同軸に多層に重なった多層カーボンナノチューブを、超臨界水中で、濃度が0.4mol/L以上0.8mol/L以下のHNO と接触させて、上記カーボンナノチューブ表面および表面より内側の炭素網に、アルコール性水酸基またはエーテル基の少なくともいずれか一方を形成するものである。
この発明では、容器内の温度を摂氏374.0度以上、かつ、容器内の圧力を22.1MPa以上に維持することによって、硝酸の溶媒である水が、超臨界状態になる。そして、CNTと硝酸中のHNOとが、超臨界状態の水中でよく混ざり合い、改質剤であるHNOがCNTに作用して官能基を導入し、この結果、CNT表面を改質する。また、硝酸の濃度および処理時間を調整することによって、CNTの表面の炭素網の官能基の導入量およびCNTの内部方向への官能基の導入量を制御することができる。
質剤であるHNOは、超臨界水中で、十分速く、かつ、均一に拡散する。一方、カーボンナノチューブは、超臨界水と均一に接触する。このため、この発明では、カーボンナノチューブとHNOとが、超臨界水中で均一に接触する。併せて、HNOの超臨界水中での拡散が十分速いので、カーボンナノチューブとHNOとの反応速度も十分大きくなる。そして、改質剤であるHNOは、カーボンナノチューブに作用して官能基を導入し、この結果、カーボンナノチューブの表面を改質する。また、硝酸の濃度および処理時間を調整することによって、カーボンナノチューブの表面の炭素網の官能基の導入量およびカーボンナノチューブの内部方向への官能基の導入量を制御することができる。
NTは、炭素網が同軸に多層に重なった多層カーボンナノチューブにおける表面から複数の炭素網は、複数層に渡ってアルコール性水酸基またはエーテル基の少なくともいずれか一方が存在するため、CNTが親水性を有し、様々な物質、特に極性溶剤と均一に混合させることが可能となる。
他の発明の表面改質方法は、HNO の濃度が0.8mol/Lであり、接触させる時間が60分以上180分以下とするものである。
本発明によれば、CNTの炭素網の表面および内部方向の改質量が制御されたCNTを得ることができる。
本発明に用いられる原料のカーボンナノチューブ(Carbon Nano Tube:CNT)には、多層CNTが用いられる。また、原料のCNTは、アーク放電法、レーザ昇華法または化学気相析出(Chemical Vapor Deposition:CVD)法等のいかなる製法により得られるものでも使用できる。
CVD法の内、摂氏1100〜1200度の温度条件下で、ベンゼンまたはトルエン等の炭化水素を、Fe、CoまたはNi等の触媒存在下で熱分解する触媒合成法が、CNTの大量合成に適している。本発明の実施の形態では、原料のCNTとして、この触媒合成法で合成された気相成長炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)を使用した。
CNTは、改質剤の作用によって、その表面に官能基が導入される。この結果、CNT表面が改質される。本実施の形態では、改質剤として硝酸(HNO)を使用した。
HNOは、低濃度で使用でき、取り扱いが容易な改質剤である。HNO以外の他の改質剤、例えば、過酸化水素(H)またはオゾン(O)を超臨界水中でCNTと反応させると、CNTが燃焼してしまう。また、塩酸(HCl)または臭化水素酸(HBr)を熱水中でCNTと反応させると、それぞれCNT表面にCl基またはBr基が導入されるが、CNTが親水化されるには至らない。
CNTを超臨界水中でHNOと接触させる、すなわち、超臨界水中でCNTをHNOで処理すると、CNT表面にアルコール性水酸基が導入される。この結果、CNTの表面が改質されて、CNTは親水性を有するようなる。このとき、CNTの最表面だけではなく、より内側の炭素網にも、アルコール性水酸基が導入される。
上記表面改質方法によって得られたCNTと樹脂原料流体とを混合した場合、CNTは、樹脂原料流体中に均一に分散する。この状態の樹脂原料流体を硬化させれば、CNTを均一に含有する樹脂複合材が得られる。なお、後述するように、超臨界水中でCNTをHNOで処理したとき、CNT表面では、酸化反応および還元反応の両反応が起こっている。
また、上述したように、処理媒体として超臨界水を用いることによって、HNOの濃度を低く抑えることができる。HNOの濃度が低く抑えられるため、取り扱いが容易になる。好ましい超臨界水中のHNO濃度は、0.1mol/L以上1.0mol/L以下である。0.1mol/L未満では、CNTの表面改質が遅く、1.0mol/Lを超えると、短時間にうちにCNT全体が改質されてしまうおそれがあるからである。より好ましい超臨界水中のHNO濃度は、0.4mol/L以上0.8mol/L以下である。
また、HNOの濃度および処理時間を調整することによって、CNTの表面の改質量(官能基が導入される炭素原子の量)を制御することができる。さらに、HNOの濃度および処理時間を調整することによって、CNTの内側の炭素網の改質程度(官能基が導入される炭素網の表面からの深度)をも制御することができる。なお、超臨界水自体は、CNTに対して酸化作用を有しないため、CNTに超臨界水のみを接触させても、CNT表面は改質されない。
超臨界水とは、超臨界状態にある水のことをいう。超臨界状態とは、気体と液体とが共存できる限界の温度および圧力(この温度を臨界温度と、この圧力を臨界圧力という)を超えた状態である。超臨界状態にある流体は、自由に広がっていく気体の性質(拡散性)と、溶質を溶解する液体の性質(溶解性)の両方の性質を有している。水の臨界温度は摂氏374.0度、臨界圧力は22.1MPaである。
本実施の形態では、CNTとHNOとを接触させる超臨界媒体として、水が使用される。水は、比較的高い臨界温度および高い臨界圧力を有しているため、超臨界水のエネルギーは極めて大きい。このため、改質剤の濃度が低くても、または、酸化力が高くない改質剤を使用しても、CNTの表面を改質することが可能となる。
超臨界水は、CNTとHNOとを速く接触させることができる。また、市販の希硝酸をそのまま超臨界処理用の反応容器に入れ、この容器内を水の臨界温度および臨界圧力より高くした状態でCNTを処理すれば、CNTの表面を容易に改質できる。さらに、水は安価であり、入手容易であり、かつ環境にも優しい。これらの理由等により、CNTとHNOの反応媒体としては、水を使用するのが好適である。
CNTの表面改質に用いられる反応容器は、高温・高圧、具体的には、水の超臨界領域である摂氏374.0度以上の高温、22.1MPa以上の高圧の環境に耐えられるものでなければならない。例えば、ニッケル合金製の反応容器を用いるのが好ましい。
HNOでの処理終了後のCNTは、洗浄および乾燥され精製される。この精製されたCNTの構造分析は、透過型電子顕微鏡、ラマン分光分析装置および赤外分光分析装置等を用いて行われる。
内容量10.8mLのニッケル合金(商品名:ハステロイC−22)から構成される超臨界水反応容器(耐圧硝子工業株式会社製)内に、多層CNT(ILJIN nanotech社製(精製度>95vol%))40mgおよび硝酸(濃度:0.4mol/L、0.6mol/L、0.8mol/Lの3種類)5mLを入れた。
次いで、この反応容器内を昇温および昇圧させて、温度を摂氏380度に、圧力を29MPaに維持し、CNTをHNOで処理した。超臨界処理の時間は、10分、30分、60分、120分および180分の5種類とした。
超臨界処理の終了後、反応容器内を室温および常圧に戻し、反応容器内の内容物を吸引濾過した。残渣を蒸留水で充分に洗浄し、さらに、室温下にて数日間真空乾燥することにより、表面改質されたCNTを得た。次に、表面改質後のCNTの構造分析を行った。
図1は、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製のJEM2010FEF)を用いて、CNTを観測したときの電子顕微鏡写真である。HNOで処理していないCNT(以下、未処理のCNTという)の電子顕微鏡写真(図1A)と、未処理のCNTを、各HNO濃度および処理時間の下、HNOで処理したCNTの電子顕微鏡写真(図1B〜図1D)が示されている。
図1Bは、未処理のCNTを、HNO濃度0.4mol/Lの超臨界水で120分間処理した後のCNTの電子顕微鏡写真である。同様に、図1Cは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で30分間処理した後のCNT、図1Dは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で180分間処理した後のCNTを、それぞれ示す電子顕微鏡写真である。
図1A〜図1Cより、CNTをそれぞれHNO濃度0.4mol/Lにて120分間および0.8mol/Lにて30分間処理しても、未処理のCNTと同様に、CNTの炭素網の管状構造が十分に維持されることが分かった。ただし、HNO濃度0.8mol/LにてCNTを180分間処理した場合には、一部のCNTの管状構造が破壊されることが分かった(図1D)。
図2は、CNTを図1より高倍率で観察した電子顕微鏡写真である。図2Aは、未処理のCNT、図2Bは、HNO濃度0.4mol/Lの超臨界水で10分間処理した後のCNT、図2Cは、HNO濃度0.4mol/Lの超臨界水で120分間処理した後のCNT、図2Dは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で120分間処理した後のCNTを、それぞれ示す電子顕微鏡写真である。
未処理のCNTの電子顕微鏡写真(図2A)では、CNT特有の、炭素網が多層に重なっている状態が観測される。一方、HNO濃度0.4mol/Lおよび0.8mol/Lの超臨界水中でCNTを処理することにより、CNTの表面に無定形状の炭素網が形成されることが分かった(図2B〜図2D)。
この無定形状の炭素網の厚さは、超臨界水中のHNO濃度が高い程、あるいは、HNO存在下での超臨界処理の時間が長い程大きくなっている。したがって、HNOの濃度および処理時間を調整することによって、CNTの深さ方向の炭素網の改質程度(官能基が導入される炭素網の表面からの深度)を制御できると考えられる。
図3は、ラマン分光分析装置(Renishaw社製のRaman image microscope system 1000)を用いて、CNTを測定したときのラマンスペクトルである。未処理のCNTのスペクトル(A)と、各HNO濃度および処理時間の下、HNOで処理したCNTのスペクトル(B〜H)が示されている。
図3のBは、未処理のCNTを、HNO濃度0.4mol/Lの超臨界水で60分間処理したときのCNTのラマンスペクトルである。同様に、Cは、HNO濃度0.6mol/Lの超臨界水で10分間処理したときのCNT、Dは、HNO濃度0.6mol/Lの超臨界水で30分間処理したときのCNT、Eは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で30分間処理したときのCNT、Fは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で60分間処理したときのCNT、Gは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で120分間処理したときのCNT、Hは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で180分間処理したときのCNTのそれぞれのラマンスペクトルである。
図3のAから分かるように、未処理のCNTでは、1350cm−1付近のDバンドと1585cm−1付近のGバンドのみが観測される。これに対して、図3のB〜Hから分かるように、HNOで処理したCNTでは、新たに1620cm−1付近にD’バンドが観測される。このD’バンドの出現は、HNOで処理したCNTに、未処理のCNTの炭素網の化学構造とは異なった化学構造を有する炭素網が存在することを示している。
表1は、図3の各CNTのラマンスペクトルのバンドの相対面積強度比を示した表である。表中、ω、ω、ωD’は、それぞれ、Dバンド、Gバンド、D’バンドの波数を示している。また、I、I、ID’は、それぞれ、Dバンド、Gバンド、D’バンドの面積強度を示している。
HNO濃度および処理時間の増加に伴って、RおよびR’の値が増加している。このことは、HNO濃度および処理時間の増加に伴って、未処理のCNTの炭素網の化学構造とは異なった化学構造を有する炭素網が、HNOで処理されたCNTで増加していることを示している。したがって、HNOの濃度および処理時間を調整することによって、CNTの表面の改質量(官能基が導入される炭素原子の量)を制御することができると考えられる。
また、図3に示すように、HNO濃度および処理時間の増加に伴って、1150cm−1から330cm−1の領域に、多重のバンドが出現すると共に、その強度が増加している。このことは、HNO濃度および処理時間の増加に伴って、CNTが本来持っているSP混成軌道の結合を有する炭素原子に代わって、SP混成軌道の結合を有する炭素原子が増加していることを示している。この結果からも、CNTをHNOで処理すれば、表面が改質されることが分かる。
図4は、赤外分光分析装置(PerkinElmer社製の1600 series FTIR)を用いて、CNTを測定したときの赤外吸収スペクトルである。未処理のCNTのスペクトル(A)と、各HNO濃度および処理時間の下、HNOで処理したCNTのスペクトル(B〜H)が示されている。図4のA〜HのCNTの処理条件は、図3の同一記号のCNTの処理条件と同じである。
図4のAから分かるように、未処理のCNTでは、特徴的な赤外吸収バンドは観測されなかった。これに対して、図4のB〜Hから分かるように、HNOで処理したCNTでは、HNO濃度および処理時間の増加に伴って、赤外吸収バンドが出現すると共に、その強度が増加している。
このうち、3464cm−1の赤外吸収バンドは、アルコール性水酸基に由来するものであり、1000〜1230cm−1の赤外吸収バンドは、エーテル基に由来するものである。この結果から、HNOの濃度および処理時間を調整することによって、CNTに導入されるアルコール性水酸基およびエーテル基の物質量を制御できると考えられる。
また、1634cm−1の赤外吸収バンドは、CNTに物理吸着している水分子に由来するものである。この物理吸着水に由来する赤外吸収バンドは、HNO濃度および処理時間の増加に伴って、強度が増加している。このことは、HNO濃度および処理時間の増加に伴って、CNTがより親水化されていることを示している。したがって、HNOの濃度および処理時間を調整することによって、CNTに付与される親水性の程度を制御できると考えられる。
また、2858cm−1および2924cm−1の赤外吸収バンドは、メチレン基に由来するものである。このことは、CNTが、HNOによって酸化されるだけでなく、同時に還元されることを示している。
上述したように、CNTをHNOで処理することによって、アルコール性水酸基、エーテル基およびメチレン基に由来する赤外吸収バンドが出現する。このことから、CNTに導入されたアルコール性水酸基およびエーテル基の化学構造は、それぞれ−CHOHおよび−CHOCH−であると推測される。
以上より、本実施の形態に係るCNT表面改質方法は、CNTを漸進的に官能基化することが可能と考えられる。すなわち、CNTをHNOで処理する際に、HNO濃度および超臨界水中での処理時間を調整することによって、官能基化の程度を制御することが可能と考えられる。
また、本実施の形態に係るCNT表面改質方法は、CNTを浸潤的に官能基化することが可能と考えられる。すなわち、CNTをHNOで処理する際に、HNO濃度および超臨界水中での処理時間を調整することによって、最外殻の炭素網(最表面の炭素網)だけでなく、より内殻の炭素網をも官能基化することが可能であると共に、浸潤的な官能基化の程度を制御することが可能と考えられる。
本発明は、固体電解質電池、燃料電池あるいは蓄電池などの電極材料、水素ガスあるいはアルカリ金属などを貯蔵する貯蔵材料または複合樹脂の充填材料(フィラー)等の製造に適用できる。
図1Aは、本発明の実施の形態に係るCNTを撮影した図面代用写真である電子顕微鏡写真であり、未処理のCNTの電子顕微鏡写真である。 図1Bは、本発明の実施の形態に係るCNTを撮影した図面代用写真である電子顕微鏡写真であり、HNO濃度0.4mol/Lの超臨界水で120分間処理した後のCNTの電子顕微鏡写真である。 図1Cは、本発明の実施の形態に係るCNTを撮影した図面代用写真である電子顕微鏡写真であり、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で30分間処理した後のCNTの電子顕微鏡写真である。 図1Dは、本発明の実施の形態に係るCNTを撮影した図面代用写真である電子顕微鏡写真であり、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で180分間処理した後のCNTの電子顕微鏡写真である。 図2Aは、図1のCNTをさらに高倍率で撮影した図面代用写真である電子顕微鏡写真であり、未処理のCNTの電子顕微鏡写真である。 図2Bは、図1のCNTをさらに高倍率で撮影した図面代用写真である電子顕微鏡写真であり、HNO濃度0.4mol/Lの超臨界水で10分間処理したCNTの電子顕微鏡写真である。 図2Cは、図1のCNTをさらに高倍率で撮影した図面代用写真である電子顕微鏡写真であり、HNO濃度0.4mol/Lの超臨界水で120分間処理したCNTの電子顕微鏡写真である。 図2Dは、図1のCNTをさらに高倍率で撮影した図面代用写真である電子顕微鏡写真であり、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で180分間処理したCNTの電子顕微鏡写真である。 本発明の実施の形態に係るCNTのラマンスペクトルであり、Aは、未処理のCNTのラマンスペクトル、Bは、HNO濃度0.4mol/Lの超臨界水で60分間処理した後のCNTのラマンスペクトル、Cは、HNO濃度0.6mol/Lの超臨界水で10分間処理した後のCNTのラマンスペクトル、Dは、HNO濃度0.6mol/Lの超臨界水で30分間処理した後のCNTのラマンスペクトル、Eは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で30分間処理した後のCNTのラマンスペクトル、Fは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で60分間処理した後のCNTのラマンスペクトル、Gは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で120分間処理した後のCNTのラマンスペクトル、Hは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で180分間処理した後のCNTのラマンスペクトル、である。 本発明の実施の形態に係るCNTの赤外吸収スペクトルであり、Aは、未処理のCNTの赤外吸収スペクトル、Bは、HNO濃度0.4mol/Lの超臨界水で60分間処理した後のCNTの赤外吸収スペクトル、Cは、HNO濃度0.6mol/Lの超臨界水で10分間処理した後のCNTの赤外吸収スペクトル、Dは、HNO濃度0.6mol/Lの超臨界水で30分間処理した後のCNTの赤外吸収スペクトル、Eは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で30分間処理した後のCNTの赤外吸収スペクトル、Fは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で60分間処理した後のCNTの赤外吸収スペクトル、Gは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で120分間処理した後のCNTの赤外吸収スペクトル、Hは、HNO濃度0.8mol/Lの超臨界水で180分間処理した後のCNTの赤外吸収スペクトル、である。

Claims (2)

  1. 炭素網が同軸に多層に重なった多層カーボンナノチューブを、超臨界水中で、濃度が0.4mol/L以上0.8mol/L以下のHNO と接触させて、上記カーボンナノチューブ表面および表面より内側の炭素網に、アルコール性水酸基またはエーテル基の少なくともいずれか一方を形成することを特徴とするCNT表面改質方法。
  2. 前記HNO の濃度が0.8mol/Lであり、前記接触させる時間が60分以上180分以下であることを特徴とする請求項1記載のCNT表面改質方法。
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