JP4035118B2 - 在船上バラスト水輸送過程方式による生物の殺生方法及び装置 - Google Patents
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Description
本発明によれば、前記のバラスト水中の生物を殺生する装置は、船上に設けてバラスト水を統御する装置であって、バラスト水を輸送する主配管から1/4〜1/20のバラスト水を取り出し、最終的に励起溶解にてヒドロキシラジカル溶液を生成させ、再度主配管に返す。バラスト水輸送過程における、バラスト水中の生物殺生時間は、2s〜10sであることが好ましい。
本発明のラジカル溶液は、インジェクター、渦巻きポンプによる励起溶解によって生成したものである。
1、ラジカルを得るプラズマ反応過程
以下、ヒドロキシラジカル生成例を例に挙げて説明する。
弱電離或は電子エネルギが低い場合、OHは下記式に従って生成される。水が、高エネルギ電子と直接作用し、分解して、ヒドロキシを生成する反応式は
高電界の作用下で、ヒドロキシを生成する主な経路は、O2 +イオンとH2O分子が水のイオン群を形成した後、再度H2O分子と反応してヒドロキシを形成する。反応式は以下の通りである。
快速で流動している水が、ベンチュリインジェクター或は渦巻きポンプを通過する時、空気は瞬時に細微な気泡となり、気泡の直径が特定のサイズになったとき、細微な気泡は迅速に膨張・収縮して“爆発”する。このような過程において、気泡が崩壊する直前の瞬間に、気泡中の温度と圧力が急激に増加(T>3000K、P>1kMPa)し、水分子は励起状態になり、生成したラジカルの濃度は大略10-9(V/V)となるが、励起状態の水自体が産生するOHは非常に少なく、それはOH・を生じるための二次的な方式である。その反応式は、以下の通りである。
ラジカルが溶解する時、ヘンリー(Henry,s)の法則が遵守されるべきで、ラジカル溶解速度は下記の式で表わされる。
ヒドロキシが微生物を殺す主要過程は、生物体のリピドの過酸化、アミノ酸の酸化分解、蛋白質のコンフォメーション変化、DNA連鎖断裂及びチトクローム脱色等である。
I.リピドの過酸化:ヒドロキシの作用によって、リピド結合の断裂、不飽和脂肪酸の炭素鎖の断裂、加水分解等の一連の反応が起こり、最終的に、グリセロリン脂質から分解生成するカルボン酸を脱カルボキシル化(脱炭酸)させてCO2、H2Oを生成する。
II.アミノ酸の酸化分解:ヒドロキシはアミノ酸を酸化分解させることができ、その反応式は以下の通りである。
IV.デオキシリボ核酸(DNA)連鎖の断裂:ヒドロキシは、DNAに作用して、DNA付加物(DNA Adducts)を形成し、DNAの初期損傷を引き起こし、その後、DNAの塩基を置換又は消滅させて連鎖を断裂させ、且つDNA連鎖中の塩基、糖、及びリン酸をヒドロキシが攻撃して、化学損傷を引き起こすことによって、DNAの構造と機能に影響を与え、細胞を死に至らせる。
V.細胞色素の脱色:ヒドロキシは、光合成微小藻類或は他の光合成微生物の光合成色素を脱色して、同化合成が出来なくようにすることによって、侵入生物を殺す。
以下、図面と実施例に基づいて、本発明を詳しく説明する。
1、低い濃度(0.6〜0.7mg/L)でバラスト水中の単細胞藻類、原生動物、胞子、細菌、及びビブリオ等の微生物を殺すことができる。
2、微生物を殺す速度が非常に速く、大略2.8sで、バラスト水の輸送過程において、侵入した有害微生物を殺すことができる。
3、ヒドロキシの加工原料は酸素と水で、原料コストが殆どかからない。
4、余剰のヒドロキシ薬剤はH2OとO2に分解され、いかなる残留薬剤もない。
5、バラスト水の水質を改善する。
6、ヒドロキシの加工装置は体積が小さく、操作が簡単で、運転コストが低い。
7、強電離放電方法を用いて、空気中の酸素と水(又は海水)を直接加工してヒドロキシ溶液とし、船上でバラスト水の輸送過程において、細菌、単細胞藻類、原生動物、胞子、及びビブリオ等を殺すことができ、これらの生物は、最終的にH2O、O2及び微量無機塩に分解される。この方法は、ゼロ汚染、ゼロ排出であり、根本的に環境汚染問題を解決する、先進的酸化技術の工程化応用の成功的な典型例である。
生物を殺生した後残ったヒドロキシは20分後にはH2O、O2等の物質に分解され、残留薬剤が存在しない。また、表2に示すようにバラスト水の水質が改善される。ヒドロキシ等のラジカル溶液を用いてバラスト水を統御する方法は、環境に優しい有効的な方法である。
2 流量計、
3 ラジカル生成器、
4 ラジカル濃度測定器、
5 変圧器、
6 逆変流器、
7 制御器、
8 ポンプ、
9 インジェクター、
10 気液溶解分離器、
11 モーターバルブ、
12 逆止弁、
13 余剰ラジカル処理器、
14 ヒドロキシ濃度分析器、
15 ヒドロキシラジカル溶液生成ユニット、
16フイルター、
17 流量計、
18 バルブ、
19 ポンプ、
20 液液混合器、
21 接地極、
22 放電極板(放電極+誘電体層)、
23 セパレータ、
24 誘電体層
Claims (13)
- 放電極、接地極、誘電体層、セパレータからなるラジカル生成器の放電極と接地極の間に電源周波数が400Hz-40000 Hzの電圧を印加し、放電極と接地極との間に電界強度が250Td−600 Tdの誘電体バリア強電離放電を生じさせることにより、O 2 とH 2 O又はO 2 を電離、分解及び励起させて、O 3 、OH及びHO 2 を含む活性粒子に加工し、その後励起溶解方法を用いてOHを主として含むラジカル溶液を製造し、該溶液をバラスト水の輸送配管内に添加して、バラスト水を配管内で2s-20s輸送する過程でバラスト水中の生物を殺すことを特徴とする、在船上バラスト水輸送過程方式による生物の殺生方法。
- 前記生物が、細菌、単細胞藻類、原生動物から選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載の在船上バラスト水輸送過程方式による生物の殺生方法。
- 前記強電離放電で、OH・及びHO2 ・を含む活性粒子に加工し、O3、OH・及びHO2 ・を含む活性粒子は、インジェクターにより励起された活性水の中に溶解され、連鎖反応を起こして、最終的にOH・を主として含むラジカル溶液を生成することを特徴とする請求項1に記載の在船上バラスト水輸送過程方式による生物の殺生方法。
- 前記ラジカル溶液は、さらに、HO2 ・、HO3 ・、O3 ・、O3 ・、O2 ・、H2O2 *を含有していることを特徴とする請求項1に記載の在船上バラスト水輸送過程方式による生物の殺生方法。
- 前記電源周波数が4000Hz-10000Hzであることを特徴とする請求項1に記載の在船上バラスト水輸送過程方式による生物の殺生方法。
- 前記バラスト水中の生物を殺生する装置が、船に設けられてバラスト水を統御する装置であることを特徴とする請求項1に記載の在船上バラスト水輸送過程方式による生物の殺生方法。
- バラスト水を輸送する主配管から、1/4〜1/20のバラスト水を取り出し、該バラスト水を励起し、溶解させて、最終的にヒドロキシラジカル溶液を生成させ、再度主配管に返すことを特徴とする請求項1に記載の在船上バラスト水輸送過程方式による生物の殺生方法。
- 前記バラスト水を輸送する過程において、バラスト水中の生物を殺す時間が、2s〜10sであることを特徴とする請求項1に記載の在船上バラスト水輸送過程方式による生物の殺生方法。
- 前記ラジカル溶液は、インジェクター、渦巻きポンプによる励起と溶解によって生成したものであることを特徴とする請求項1に記載の在船上バラスト水輸送過程方式による生物の殺生方法。
- 高周波電源と、インジェクターと、気液溶解分離器と、液液混合器と、余剰ラジカル処理器と、前記のインジェクターと投入する原料ガスの間に設けられ、放電極、接地極、誘電体層、セパレータからなるラジカル生成器と、を備える船上でバラスト水を輸送する過程において生物を殺生する請求項1に記載の方法を実行するための装置であって、前記インジェクターと投入する原料ガスとの間にラジカル生成器が設けられることを特徴とする装置。
- 前記放電極表面、接地極表面、或は放電間隙に誘電体層が設けられてあることを特徴とする請求項10に記載の装置。
- 前記誘電体層材料は、セラミックス、ガラス、エナメルづけであることを特徴とする請求項10又は11に記載の装置。
- 前記放電極、接地極、誘電体層は管状、平板状であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
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