JP4034205B2 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ピックアップ装置に関するものである。より詳しくは、対物レンズの球面収差を補正するための機構系を有する光ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクは書換え可能、媒体交換可能という利点を持つ大容量のディスクであり、近年、CD(Compact Disk)、CD−R(Compact Disk Recordable)、CD−RW(Compact Disk Rewritable)、DVD−RW(Digital Versatile Disk Rewritable)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)等の数多くの規格の光ディスクが存在している。また、最近はDVDよりもさらに高記録密度化、および大容量化された光ディスクに対する要求がますます強くなっている。
【0003】
このような、光ディスクに用いられる光ディスク装置の光学系においては、記録信号の高密度化を図るために、ディスク記録面上に集光するスポット径を小さくすることが求められる。スポット径を小さくするための手法としては、一般的に、対物レンズのNA(開口率)を高くするとともに、光源であるレーザ波長の短波長化を図るという手法が用いられている。
【0004】
しかしながら、このように対物レンズのNAを高くした場合、対物レンズの球面収差は、従来のNAを用いた対物レンズの球面収差と比べて大きくなってしまう。詳細に説明すると、対物レンズの球面収差は、対物レンズのNAの4乗と光ディスクの光学的透明層の厚さの1乗とに比例して大きくなるため、例えば対物レンズのNAを0.6程度とした場合に、問題とはならないような球面収差量であっても、対物レンズのNAを0.8〜0.9としたときに、その球面収差量は、NAが0.6程度の対物レンズの球面収差量と比べて3〜5倍に増加してしまう。この球面収差量の増加を回避するために、光学的透明層の厚さを薄くすることにより球面収差量の増大を回避する手法が考えられる。例えば、従来の光学的透明層の厚さが0.6mmとした場合に、厚さを0.1mmにすることによって球面収差量の増大を回避することができる。しかしながら、光学透明層の厚さにはばらつきがあり、球面収差量の増大を回避するためには、この厚さのばらつきについても、従来の光学的透明層の厚さのばらつきの1/6に抑える必要がある。しかしながら、光学的透明層の厚さのばらつきを1/6に抑えることは現在の技術では困難である。
【0005】
このため、球面収差量の増大を回避するための方法として、光学的透明層の厚さが異なる光ディスクの記録を再生する際に発生する球面収差を補正するための複数の補正レンズを備え、補正レンズを移動させることにより補正レンズ間の光軸上の間隔を可変するものが提案されている(例えば、特許文献1)。また、リニア駆動系を用いて、補正レンズの位置を光路内外に移動させることにより、球面収差を低減させるものが提案されている(例えば、特許文献2)。
【0006】
また、レーザの短波長化に伴い、そのレーザの発振波長の変動による光学部品材料の屈折率変化が大きくなる。これを原因とする球面収差を補正するために、補正レンズを光軸方向に移動可能な可動要素(アクチュエータ)を有する光ピックアップ装置が提案されている(例えば、特許文献3)。また、別の要因、例えば光ピックアップ装置周囲の環境温度または湿度が変化することによりプラスチックレンズが変形し、屈折率が変化することによって球面収差が発生することを補正するために、補正レンズを光軸方向に変移可能な可動要素(アクチュエータ)を有する光ピックアップ装置が提案されている(例えば、特許文献3)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−197264号公報(公開日:平成9年7月31日)
【0008】
【特許文献2】
特開平10−241201号公報(公開日:平成10年9月11日)
【0009】
【特許文献3】
特開2002−82280号公報(公開日:平成14年3月22日)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、光ピックアップ装置としての光ピックアップハウジング内に、補正レンズの位置を移動させるアクチュエータを設けた場合には、以下のような問題が懸念される。
【0011】
光ピックアップハウジング内には、光ディスクの記録面に情報の書き込み、または読み取りを行うための対物レンズと、光ディスクの記録面に対して対物レンズの位置を正確に位置合わせして追従させるための対物レンズアクチュエータとが配置されている。対物レンズアクチュエータは、外部からの振動を受けた場合には、対物レンズを透過した光を正確に光ディスクの記録面上に位置合わせすることができず、信号品質の低下を招き、最悪の場合には記録再生が不可能となってしまうことがある。そして、補正レンズを移動させるアクチュエータに、回転型のモータと伝達機構としてのギヤユニットとを組み込んだ場合には、図5に示すように、補正レンズを移動させるためにモータ50を回転させたときに、ギヤユニットのギヤ同士の歯が衝突することにより振動が発生する。この振動が光ピックアップハウジング51に伝わり、光ピックアップハウジング51に取り付けられている対物レンズアクチュエータの板バネ52に外乱として伝達され、対物レンズ53を振動させてしまうという問題点がある。そして、特に対物レンズアクチュエータの一次共振周波数近傍に、振動源が発する振動の振動周波数があった場合には、対物レンズ53の振動がより大きくなる。
【0012】
ここで、光ピックアップハウジング内に振動源がある場合の対物レンズアクチュエータに及ぼす影響と比較するために、光ピックアップハウジング外に振動源がある場合の対物レンズアクチュエータに及ぼす影響について以下に説明する。
【0013】
図6に示すように、光ピックアップハウジング51には、光ディスク54を回転駆動させるスピンドルモータ55や光ピックアップハウジング51を光ディスク54の径方向に移動可能にするスレッドモータ56が備えられている。振動源であるスピンドルモータ55やスレッドモータ56は、同一の光ピックアップハウジング51内に配置されていない。このため、振動源から発生した振動は、スピンドルモータ55やスレッドモータ56が取り付けられているベース57を経由してから、光ピックアップハウジング51を支持しているガイド58を伝わることによって光ピックアップハウジング51を振動させる。そして、その振動が対物レンズアクチュエータの板バネおよび対物レンズ53を振動させる。すなわち、振動の伝達経路が長いために、その経路の途中にあるベース57の剛性を上げる、または質量を増やす等、振動を途中で減衰させるための対策がとりやすい。
【0014】
しかしながら、対物レンズの球面収差を補正するために設けられているモータは光ピックアップハウジング内に配置されているため、振動源と対物レンズアクチュエータとが近接して配置されるために、上記対策は効果がない。したがって、振動の減衰は小さく、対物レンズに与える影響は大きくなる。また、光ピックアップハウジングの剛性を上げ、質量を増加させる手法も考えられる。しかし、この場合においても、光ピックアップハウジングは光ディスクの径方向に移動して情報を記録再生する必要があるため、質量を大幅に増加させることにより、径方向に高速に移動させることが困難になり、データアクセス時間の増加を招いてしまう結果になってしまう。
【0015】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、補正レンズを移動させるためにモータを駆動する際に発生する振動による、対物レンズアクチュエータの振動変位の増加量を抑えることを可能とし、記録再生特性に優れた光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる光ピックアップ装置は、上記課題を解決するために、光源と、該光源から出射された光を光記録媒体上に集光する対物レンズと、該対物レンズを移動させる対物レンズ移動手段と、該光源と対物レンズとの間に位置し、対物レンズの球面収差を補正する補正レンズと、該補正レンズを移動させる補正レンズ移動手段とを備えた光ピックアップ装置において、上記補正レンズ移動手段は、モータと、モータの駆動力を伝達する伝達機構とを備え、上記伝達機構を介してモータの駆動力を伝達することにより補正レンズを移動させ、上記伝達機構は、モータの駆動力を伝達する際に発生する振動周波数が、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上となるように設定されていることを特徴としている。
【0017】
上記構成によれば、上記伝達機構がモータの駆動力を伝達する際に発生する振動周波数を、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上に設定することにより、対物レンズ移動手段の振動変位が低減される。上記設定は、例えば、伝達機構に複数のギヤを設けることにより、モータの回転数を段階的に低減させることにより実現することができる。伝達機構がモータの駆動力を伝達する際に発生する振動周波数が、対物レンズ移動手段の共振周波数と共振するような周波数であった場合には、対物レンズ移動手段は伝達機構の振動の影響を受けて大きく振動し、光記録媒体上に安定した集光を行うことが困難となる。これに対して、伝達機構がモータの駆動力を伝達する際に発生する振動周波数を、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍とした場合には、対物レンズ移動手段の共振を回避することが可能となる。また、振動周波数を共振周波数の1.5倍よりもさらに大きくすることにより、伝達機構の振動による対物レンズ移動手段の影響をさらに小さくすることが可能となる。すなわち、伝達機構がモータの駆動力を伝達する際に発生する振動周波数を、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上に設定することにより、対物レンズ移動手段の共振を回避することができる。また、これにより、対物レンズ移動手段の振動変位を小さくすることが可能となるため、光記録媒体上に安定した集光を行うことができる。
【0018】
本発明にかかる光ピックアップ装置は、上記構成に加え、上記伝達機構が複数の振動周波数を発生し、該複数の振動周波数のうち最も低い振動周波数が、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上となるように設定されていることを特徴としている。
【0019】
伝達機構が複数の振動周波数を発生する場合に、そのうちの最も低い振動周波数が、対物レンズ移動手段の振動に最も影響を与える。したがって、上記構成によれば、伝達機構が発生する複数の振動周波数のうち最も低い振動周波数を、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上となるように設定することにより、対物レンズ移動手段の振動変位をより小さくすることが可能となる。これにより、光記録媒体上に安定した集光を行うことができる。
【0020】
本発明にかかる光ピックアップ装置は、上記構成に加え、上記伝達機構は、上記モータの駆動力を伝達するギヤを複数備えることによって、伝達機構から発生される振動周波数が、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上となるように設定されていることを特徴としている。
【0021】
上記構成によれば、伝達機構がモータの駆動力を伝達するギヤを複数備えていることにより、モータの駆動力を伝達することができるとともに、モータの回転数を段階的に低減することができるため、伝達機構が発生する振動周波数の設定を容易に行うことが可能となる。これにより、対物レンズ移動手段の振動変位を容易に小さくすることが可能となり、光記録媒体上に安定した集光を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1ないし図4に基づいて説明する。
【0023】
図1および図2は、本発明の光ピックアップ装置1の概略を示す平面図および断面図である。図1および図2に示すように、本発明の光ピックアップ装置1は、光ピックアップハウジング2の中に、光源3、ホログラム4、コリメートレンズ5、第1補正レンズ(補正レンズ)6、第2補正レンズ(補正レンズ)7、補正レンズ移動手段8、立ち上げミラー9、対物レンズアクチュエータ(対物レンズ移動手段)10、光検出器11を備えた構成である。
【0024】
光ピックアップハウジング2は、後述する光学部品が一体的に取り付けられ、ガイド機構12および図示しない駆動手段によって、光ディスク(光記録媒体)13の径方向に移動するようになっている。光源3は、光ディスク13の情報を読み取るための光、例えば半導体レーザ等の光を出射するものである。ホログラム4は、回折格子であって、光源3から出射された光を透過するとともに、光ディスク13からの反射光を回折し後述する光検出器11へ導くようになっている。コリメートレンズ5は、ホログラム4を透過した光を平行光束化するものである。
【0025】
第1補正レンズ6および第2補正レンズ7は、光ディスク13の記録面上での球面収差が小さくなるように収差を補正するものであり、コリメートレンズ5を透過した光を平行光、収斂光、または発散光に変換するようになっている。また、第1補正レンズ6は、移動可能な後述する補正レンズホルダー18(図3)に収納され、固定されている。
【0026】
補正レンズ移動手段8は、第1補正レンズ6を移動させるものである。図3は、補正レンズ移動手段8を示す平面図であり、補正レンズ移動手段8は、モータ14、ギヤユニット(伝達機構)15、リードスクリュー16、連結アーム17、補正レンズホルダー18、マグネット19、およびホール素子20を備えている。
【0027】
ギヤユニット15は、モータ14の軸に取り付けられ、モータ14と一体的に構成された4段の伝達機構である。本実施の形態においては、第1ギヤ21、第2ギヤ22、第3ギヤ23および第4ギヤ24と、対応するギヤと噛み合うようになっている第1ピニオン25、第2ピニオン26、第3ピニオン27および第4ピニオン28とを備えている。
【0028】
リードスクリュー16は、ギヤユニット15と連結しており、ギヤユニット15から伝達された駆動力により回転するようになっている。また、リードスクリュー16は、ネジ状構造を有しており、ネジ状構造部分で連結アーム17の一方の端部と連結している。連結アーム17は、他方の端部で補正レンズホルダー18と連結しており、連結アーム17は、リードスクリュー16の回転により推力を受け、補正レンズホルダー18を移動させるようになっている。
【0029】
マグネット19は、モータ14の軸に2極着磁されており、ホール素子20とともにモータ14の回転数を検出するようになっている。
【0030】
立ち上げミラー9は、光を反射し光路を変えるものであり、第2補正レンズ7を透過した光を対物レンズ29に入射させるようになっている。また、光ディスク13からの反射光の光路を変え、第2補正レンズ7に導くようになっている。
【0031】
対物レンズアクチュエータ10は、対物レンズ29、板バネ30、対物レンズホルダー31、コイル32、磁気回路33を備えており、対物レンズ29をフォーカス方向およびトラッキング方向の2方向に移動させるものである。ここで、フォーカス方向とは、光ディスク13の表面に対して垂直な方向をいい、トラッキング方向とは、フォーカス方向に対して垂直な方向をいう。対物レンズアクチュエータ10は、光源3から出射された光束に対する傾き調整、および光ディスク13を取り付ける基準の高さに対する高さ調整を行った後に、紫外線硬化型接着剤等によって光ピックアップハウジング1に固定されている。また、対物レンズアクチュエータ10は、光ディスク13の面ぶれや外乱等を受けた場合であっても、光ディスク13と対物レンズアクチュエータ10との位置関係を一定に保つように、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボがかけられている。
【0032】
対物レンズ29は、立ち上げミラー9にて反射された光を光ディスク13の記録面上に集光するものである。また、光ディスク13から反射された光を透過するようになっている。対物レンズ29は、対物レンズホルダー31にて固定されており、対物レンズホルダー31は、4本の板バネ30によって、主にフォーカス方向およびトラッキング方向に自由度を持つように固定部34に取り付けられている。対物レンズホルダー31には、コイル32が取り付けられており、コイル32は、固定部34に一体となっているもしくは別部品として固定されている磁気回路33(ヨーク部とマグネット部とを含む)と組み合わされている。コイル32に電流を印加することにより、対物レンズアクチュエータ10を駆動し、対物レンズ29をフォーカス方向およびトラッキング方向に移動するようになっている。
【0033】
光ディスク13から反射された反射光は、対物レンズ29を透過した後に、立ち上げミラー9にて反射され、第2補正レンズ7、第1補正レンズ6、コリメートレンズ5を透過してホログラム4に達する。反射光は、ホログラム4にて回折され、光検出器11へ導かれるようになっている。
【0034】
光検出器11は、ホログラム4にて回折された反射光を受光することによって、光ディスク13に記録された信号を検出するとともに、フォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号および球面収差信号を検出するようになっている。
【0035】
上記構成を有する光ピックアップ装置1を用いて光ディスク13に記録された信号を検出する機構について説明する。
【0036】
光源3から出射された光は、ホログラム4を0次回折光として透過する。ホログラム4を透過した光は、コリメートレンズ5を透過して平行光束となる。コリメートレンズ5を透過した平行光束は、第1補正レンズ6および第2補正レンズ7を透過し、光ディスク13の記録面上での球面収差を補正するために平行光、収斂光または発散光に変換される。そして、第2補正レンズ7を透過した光は、立ち上げミラー9にて光路を90°曲げるように反射された後に対物レンズ29を透過する。対物レンズ29を透過した光は、光ディスク13表面の光学的透明層を通過して光ディスク13の記録面上に集光して照射される。
【0037】
光ディスク13の記録面上に照射された光は、記録面にて反射される。反射光は、光源3から出射された光の光路と逆の光路、すなわち、対物レンズ29、立ち上げミラー9、第2補正レンズ7、第1補正レンズ6、およびコリメートレンズ5をこの順に透過した後にホログラム4に到達する。そして、反射光はホログラム4にて回折され、光検出器11へ入射する。
【0038】
光ディスク13に記録された信号を検出するために光ディスク13に光を照射している間は、対物レンズアクチュエータ10に適切なフォーカスサーボおよびトラッキングサーボがかけられている。したがって、光検出器11は、入射された反射光に基づいて、光ディスク13に記録された情報を検出するとともに、フォーカスサーボ信号、トラッキングサーボ信号および球面収差信号を検出する。光検出器11がフォーカスサーボ信号およびトラッキングサーボ信号を検出することにより、光ディスク13の記録面上の適切な位置に光を集光するように対物レンズ29を移動させることが可能となる。また、光検出器11が球面収差信号を検出することにより、例えば同じ光ディスク13に光学的透明層の厚さが異なる部分がある場合に発生する球面収差や、光ディスク13に記録された情報を再生する際の周辺環境の変化、または光源3から出射される光の波長の変動等により発生する球面収差を常に補正することが可能となる。
【0039】
次に、光検出器11が検出した球面収差信号に基づいて球面収差を補正するために、補正レンズ移動手段8を移動させることによって、第1補正レンズ6を移動させる機構について説明する。
【0040】
光検出器11が検出した球面収差信号に基づいて、補正レンズ移動手段8のモータ14を回転させる。モータ14の回転に伴い、モータ14の軸に取り付けられたギヤユニット15に駆動力が伝達され、第1ピニオン25と第1ギヤ21、第2ピニオン26と第2ギヤ22、第3ピニオン27と第3ギヤ23、および第4ピニオン28と第4ギヤ24とがそれぞれ噛み合うことにより回転する。各ギヤが回転することによって、ギヤユニット15に連結されたリードスクリュー16が回転する。リードスクリュー16の回転により、リードスクリュー16に連結された連結アーム17が移動する。そして、連結アーム17に連結された第1補正レンズ6を固定している補正レンズホルダー18が、図示しないガイド機構に沿って光軸方向に移動する。
【0041】
本実施の形態においては、第1ピニオン25、第2ピニオン26、第3ピニオン27、および第4ピニオン28の歯数はそれぞれ9となっており、第1ギヤ21、第2ギヤ22、第3ギヤ23、および第4ギヤ24の歯数はそれぞれ26となっている。このため、例えばモータ14の回転軸の回転数を16000rpmとした場合に、第1ピニオン25と第1ギヤ21との衝突により発生する振動周波数は、
16000/60×9=2400(Hz)
となる。以下同様に、第2ピニオン26と第2ギヤ22との衝突により発生する振動周波数は、
2400/26×9=830(Hz)
第3ピニオン27と第3ギヤ23との衝突により発生する振動周波数は、
830/26×9=287(Hz)
第4ピニオン28と第4ギヤ24との衝突により発生する振動周波数は、
287/26×9=99(Hz)
となる。
【0042】
すなわち、各ギヤの回転によって発生する振動周波数は、それぞれ2400Hz、830Hz、287Hz、99Hzとなっており、モータ14の回転数を低減させるようになっている。また、このとき、リードスクリュー16は、99/26=3.8(Hz)で回転する。また、リードスクリュー16のネジ状構造部分のピッチを、例えば0.3(mm)とした場合、第1補正レンズ6は、3.8×0.3=1.14(mm/s)の速度で光軸方向に移動する。すなわち、モータ14が1回転する毎に第1補正レンズ6は4.3μm移動する。したがって、モータ14の回転数を検出することにより第1補正レンズ6の位置を検出することができるようになっている。
【0043】
次に、補正レンズ移動手段8の各ギヤの回転により発生する振動が、対物レンズアクチュエータ10に対して及ぼす影響を考察するために、対物レンズアクチュエータ10のフォーカス方向における振動特性について図4に基づいて説明する。図4は、対物レンズアクチュエータ10の振動特性を示すグラフである。
【0044】
本実施の形態においては、対物レンズアクチュエータ10の一次共振周波数は、例えば、フォーカス方向が50Hz、トラッキング方向が50Hzと、互いに同じ一次共振周波数に設定されている。図4に示すように、対物レンズアクチュエータ10の振動変位は、各ギヤの回転により発生する振動が10Hz程度の場合から徐々に大きくなり、50Hz近傍で最大となる。そして、周波数が50Hz以上になると徐々に小さくなり、一次共振周波数の約1.5倍である75Hzでは、振動変位が0dBより小さくなる。75Hz以上の周波数では、振動変位は周波数の2乗に比例して小さくなり、本実施の形態における各ギヤの振動周波数の最小値である99Hz以上においては、振動変位が−10dB以下となる。すなわち、50Hz時の最大振動変位と比較して約1/3以下の振動変位に減衰されることになる。したがって、対物レンズアクチュエータ10の振動を低減することができる。
【0045】
本実施の形態のように、板バネ30等の弾性バネによって支持されている対物レンズアクチュエータ10の振動特性は、一自由度粘性減衰系の振動特性とほぼ一致する。すなわち、対物レンズアクチュエータ10が外部から力(振動周波数)を受けたときの変位の振動特性は、図4に示すように、その一次共振周波数付近で変位が最大となる。この変位の最大量は、振動減衰項によって影響を受ける。また、対物レンズアクチュエータ10の外部から受ける力(振動周波数)が対物レンズアクチュエータ10の一次共振周波数よりも大きくなるにつれて、対物レンズアクチュエータ10はその振動に応答することができなくなるため、その変位量は小さくなる。すなわち、一次共振周波数の1.5倍という値は、対物レンズアクチュエータ10の外部から受けた力(振動周波数)による変位が、一次共振周波数の影響によって変位量が拡大されない値であるとともに、振動減衰項の値によってもほとんど変わることがない値である。したがって、一次共振周波数の1.5倍以上とすることによりいかなる振動減衰項を有する対物レンズアクチュエータ10に対しても振動を増幅させることを回避することができる。
【0046】
対物レンズアクチュエータ10の振動特性は、対物レンズアクチュエータ10の一次共振を減衰させるために光ピックアップハウジング2に用いられているダンピング部材の特性や、対物レンズアクチュエータ10の周辺環境、例えば温度または湿度等によって変化する。しかしながら、上述のように、各ギヤの回転により発生する周波数を、対物レンズアクチュエータ10の一次共振周波数の1.5倍以上に設定することにより、対物レンズアクチュエータ10の振動変位の増大を回避することができる。また、モータ14の回転数を変化させる場合であっても、各ギヤの回転により発生する振動周波数のうち、最も低い振動周波数が対物レンズアクチュエータ10の一次共振周波数の1.5倍以上になる範囲となるように回転数を変化させることにより、対物レンズアクチュエータ10の振動低減効果を得ることができる。
【0047】
なお、本実施の形態においては、対物レンズアクチュエータ10のフォーカス方向とトラッキング方向との一次共振周波数がともに同じである例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、フォーカス方向の一次共振周波数と、トラッキング方向の一次共振周波数とが異なる場合には、各ギヤの回転により発生する振動周波数のうちの最も低い周波数を、フォーカス方向またはトラッキング方向のいずれか高い方の一次共振周波数の1.5倍以上となるように設定することにより、対物レンズアクチュエータ10の振動低減効果を得ることができる。
【0048】
また、本実施の形態における対物レンズアクチュエータの振動特性等は、一例を示したにすぎず、本発明はこの数値に限定されるものではない。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかる光ピックアップ装置は、補正レンズ移動手段は、モータと、モータの駆動力を伝達する伝達機構とを備え、上記伝達機構を介してモータの駆動力を伝達することにより補正レンズを移動させ、上記伝達機構は、モータの駆動力を伝達する際に発生する振動周波数が、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上となるように設定されている構成である。
【0050】
上記構成によれば、伝達機構がモータの駆動力を伝達する際に発生する振動周波数を、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上に設定することにより、対物レンズ移動手段の共振を回避することができる。また、これにより、対物レンズ移動手段の振動変位を小さくすることが可能となるため、光記録媒体上に安定した集光を行うことができるという効果を奏する。
【0051】
上記の光ピックアップ装置において、上記伝達機構が複数の振動周波数を発生し、該複数の振動周波数のうち最も低い振動周波数が、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上となるように設定されている構成としてもよい。
【0052】
上記構成によれば、伝達機構が発生する複数の振動周波数のうち最も低い振動周波数を、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上となるように設定することにより、対物レンズ移動手段の振動変位をより小さくすることが可能となる。これにより、光記録媒体上に安定した集光を行うことができるという効果を奏する。
【0053】
上記の光ピックアップ装置において、上記伝達機構は、上記モータの駆動力を伝達するギヤを複数備えることによって、伝達機構から発生される振動周波数が、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上となるように設定されている構成としてもよい。
【0054】
上記構成によれば、伝達機構がモータの駆動力を伝達するギヤを複数備えていることにより、モータの駆動力を伝達することができるとともに、モータの回転数を段階的に低減することができるため、伝達機構が発生する振動周波数の設定を容易に行うことが可能となる。これにより、対物レンズ移動手段の振動変位を容易に小さくすることが可能となり、光記録媒体上に安定した集光を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における光ピックアップ装置の概略を示す平面図である。
【図2】上記光ピックアップ装置の概略を示す断面図である。
【図3】上記光ピックアップ装置に設けられた補正レンズ移動手段の概略を示す平面図である。
【図4】振動周波数と対物レンズアクチュエータの振動変位との相関の一例を示すグラフである。
【図5】従来の光ピックアップ装置を示す断面図である。
【図6】従来の光ピックアップ装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光ピックアップ装置
3 光源
6 第1補正レンズ(補正レンズ)
7 第2補正レンズ(補正レンズ)
8 補正レンズ移動手段
10 対物レンズアクチュエータ(対物レンズ移動手段)
13 光ディスク(光記録媒体)
14 モータ
15 ギヤユニット(伝達機構)
29 対物レンズ

Claims (3)

  1. 光源と、該光源から出射された光を光記録媒体上に集光する対物レンズと、該対物レンズを移動させる対物レンズ移動手段と、該光源と対物レンズとの間に位置し、対物レンズの球面収差を補正する補正レンズと、該補正レンズを移動させる補正レンズ移動手段とを備えた光ピックアップ装置において、
    上記補正レンズ移動手段は、モータと、モータの駆動力を伝達する伝達機構とを備え、上記伝達機構を介してモータの駆動力を伝達することにより補正レンズを移動させ、
    上記伝達機構は、モータの駆動力を伝達する際に発生する振動周波数が、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上となるように設定されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 上記伝達機構が複数の振動周波数を発生し、該複数の振動周波数のうち最も低い振動周波数が、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
  3. 上記伝達機構は、上記モータの駆動力を伝達するギヤを複数備えることによって、伝達機構から発生される振動周波数が、対物レンズ移動手段の共振周波数の1.5倍以上となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
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