JP4033787B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、TiN(チタンナイトライド)膜上に配線層を形成する半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの高集積化に伴い、例えばMOSトランジスタにおいては、図10に示すようにコンタクトホール91が微小化したり、n型(あるいはp型)のSi(シリコン)層92中に形成されるp型(あるいはn型)の拡散層93が浅くなる傾向にあることから、コンタクトホール91に埋め込まれるW(タングステン)やAl(アルミニウム)などの金属膜からなる配線層94と拡散層93との間にTiN(チタンナイトライド)膜95を介在させ、微細なホール内における金属と半導体との電気的な接合を容易にしようとしている。
【0003】
ここで配線層94と拡散層93との間にTiN膜95を介在させる理由について述べると、WやAlはSiと合金を作るので拡散層93との間で相互拡散が起こり、コンタクトホール91のサイズが微細化したり、拡散層93が浅くなると相互拡散の影響が大きくなって、MOSが動作しなくなる場合があり、そこで相互拡散の起こらないTiNをバリヤ層として介在させているのである。
【0004】
TiN膜を生成する方法の一つとしては、例えば特許文献1に示されているように、TiCl4(四塩化チタン)ガスとNH3(アンモニア)ガスとを真空室内に導入し、気相反応によりTiN膜95をウエハ表面に生成した後、TiN膜中の残留塩素を除去するためにNH3ガスを流す工程(アンモニアポストフロー)を行う熱CVD法がある。ところでTiN膜95の成膜装置から搬出された半導体ウエハ(以下ウエハという)はコンタクトホールを埋め込む例えばブランケットW−CVD装置へ搬送する過程で大気中の酸素あるいは水分の吸着により容易に酸化され、図5(b)に示すように表面が酸化されて酸化層96を形成してしまう。この酸化層96はTiN膜95よりも抵抗が大きいためデバイス配線の内部抵抗の増加を引き起こし、電力損失や発熱の原因になる。
【0005】
このためウエハ上にTiN膜95を成膜して成膜装置から搬出した後、できるだけ速やかに配線層94を形成するための装置に搬送するようにしているが、装置のトラブルなどによりウエハが大気雰囲気下で滞留する場合がある。このようにTiN膜95が形成されたウエハが大気雰囲気下に長時間置かれると酸化層96の成長が進み、歩留まり低下の一因になる。
【0006】
こうした背景から半導体ウエハの製造工程において、スパッタ法(PVD)によりTiN膜95を成膜したウエハに対して、配線層94を形成する前に水素(H)ガスを還元剤として用いて酸化層の還元処理を行う方法がある(特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特表平6−510089号公報
【特許文献2】
特開平6−20994号公報(請求項1及び図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、CVD法により成膜されたTiN膜を、水素(H)ガスを還元剤としてTiN膜を還元する手法は、ウエハ面内におけるTiN膜の抵抗値の面内均一性が悪く、つまり配線層とTiN膜との間の抵抗値の面内均一性が悪く、しかも水素ガスにより還元した後、大気雰囲気に置かれた経過時間に対してTiN膜の抵抗値の面内均一性が低下する割合が大きいことからTiN膜の成膜を行った後、配線層を形成するまでの間にウエハが大気雰囲気に置かれる場合には、非常に不利である。こうしたことから水素ガスによる還元処理では、半導体装置の特性のばらつきの要因になり、歩留まりの向上が困難である。また還元処理後にTiN膜が大気中に曝されると、抵抗値の増加率が大きく、この点においても還元処理を行った後にウエハが大気雰囲気に置かれる場合には得策ではない。更にまた還元剤として用いた水素は成膜装置内で用いるには危険なガスのため安全性に問題がある。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、TiN膜の表面に配線層が設けられる半導体装置を製造するにあたって、TiN膜から配線層に至るまでの抵抗値を低く抑え、また抵抗値について良好な面内均一性が得られる製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体装置の製造方法は、四塩化チタンガスとアンモニアガスとを含む原料ガスを用いて基板上にチタンナイトライド膜を成膜する工程と、
続いて前記チタンナイトライド膜中の残留塩素を除去するために、前記基板の表面にアンモニアガスを供給する工程と、
その後、前記基板が大気雰囲気に曝される工程と、
次いで前記基板の表面にアンモニアガスを供給して前記チタンナイトライド膜の表面を還元する工程と、
この工程の後、前記チタンナイトライド膜の表面に配線層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明方法は種々の態様で実施できる。例えばチタンナイトライド膜を成膜する装置と配線層を形成する装置とが互いに別の装置である場合、基板が大気雰囲気中を搬送され大気雰囲気に曝されることになる。この場合何らかのトラブルにより、基板が大気雰囲気に曝される時間が通常の時間よりも長くなって、チタンナイトライド膜の上の酸化層が成長しすぎていることが考えられるので、そのときに前記還元性のガスにより還元処理を行うことによりチタンナイトライド膜が成膜された直後の状態に戻り、成長しすぎた酸化層による配線抵抗の増加を避けることができる。また還元処理を終えたチタンナイトライド膜の厚さ方向の抵抗値について面内の均一性が良好であり、この点からも歩留まりの低下を抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明の半導体装置の製造方法にかかる第1の実施の形態は、基板上に金属窒化膜を形成する第1の工程と、前記金属窒化膜の表面を還元する第2の工程とを共通の装置で行う手法である。
【0015】
図1は、基板として例えばウエハに対して金属窒化膜例えばTiN膜を成膜するための成膜装置100を示す概略断面図であり、この成膜装置100はTiN膜の表面を還元処理する機能も備えている。この成膜装置の構成について説明すると、2は真空処理が行えるように気密に構成された処理容器であるチャンバーであり、このチャンバー2は円筒部21の底面に当該円筒部21よりも小径の筒状の排気室22が形成されている。
【0016】
円筒部21の内部には、基板であるウエハ10を水平に支持するための例えばAl2O3、AlN等のセラミック製の円盤状の載置台であるサセプタ23が設けられている。サセプタ23はその中央部にて円筒状の支持部材24により支持されており、この支持部材24は排気室22の底部に固定されている。サセプタ23の外縁部にはウエハ10をガイドするためのガイドリング25が設けられている。また、サセプタ23には加熱手段である抵抗発熱体からなるヒーター26が埋め込まれており、このヒーター26は電源部27から給電されることによりウエハ10を所定の温度に加熱する。
【0017】
サセプタ23には、ウエハ10を支持して昇降させるための例えば3本(2本のみ図示)のウエハ支持ピン28がサセプタ23の表面に対して突没可能に設けられ、これらウエハ支持ピン28は支持板28aを介して駆動機構29により昇降される。
【0018】
チャンバ21の上部には、サセプタ23と対向するように処理ガスをチャンバ2内に供給するためのシャワーヘッド3が設けられている。このシャワーヘッド3は、第1のガス供給路をなす第1のガス供給管31及び第2のガス供給路をなす第2のガス供給管32が接続されていて、両方のガス供給管31、32から導入された処理ガスが内部の分岐路を通って別々に(独立して)チャンバ2内に供給されるように構成されている。
【0019】
第1のガス供給管31及び第2のガス供給管32は、ガス供給部33に接続されている。このガス供給部33は、成膜ガス、還元処理ガス、キャリヤガスなどを供給するガス供給源、ガス配管、バルブ及び流量調整部であるマスフローコントローラなどを有し、バルブの切り替えによりガスの種類が選択されると共に流量調整部により各ガスの流量が制御されるように構成されている。ガス供給源としては、TiN膜の成膜時に用いられる成膜ガスであるTiCl4ガス及びNH3ガスの各供給源、キャリアガスである例えばN2ガスの供給源などが含まれる。
【0020】
チャンバ2の下部の排気室22の側壁には、排気管41が接続され、この排気管41には圧力調整部42を介して真空排気手段である真空ポンプ43が接続されている。またチャンバ2の側壁には、図示しないロードロック室に連通し、ゲートバルブ44により開閉される搬送口45が設けられている。
【0021】
またこの成膜装置は制御部46を備えており、この制御部46は、TiN膜を成膜するための処理条件が記載された成膜処理レシピ47と、還元性ガスであるNH3ガスを用いてTiN膜の表面を還元処理するための処理条件が記載された還元処理レシピ48とを備え、更にこれらレシピ47、48を選択する手段、レシピを読み出して、ヒータ26の電源部27、ガス供給部33及び圧力調整部42などを制御するための制御信号を生成するプログラム、及びこのプログラムを実行するCPUなどを備えている。前記処理条件とは、ガスの種類及びその流量、ウエハ10の温度及び処理容器2内の圧力(処理雰囲気の圧力)などであり、より具体的にはレシピは時系列で記載された各処理条件の集合である。
【0022】
この例では、成膜処理レシピ47、このレシピ47を読み出して制御信号を生成するためのプログラム及びCPUなどが成膜処理実行部に相当する。また還元処理レシピ48、このレシピ48を読み出して制御信号を生成するためのプログラム及びCPUなどが還元処理実行部に相当する。
【0023】
以上説明した成膜装置100は、例えば図2に示すクリーンルームCR内に第1の成膜装置100として設置される。またこのクリーンルームCR内には、第1の成膜装置100にてTiN膜が成膜されたウエハ10の表面に配線層である例えばW層を成膜するための第2の成膜装置200が設置されている。このような前提の下にこの実施の形態の方法を図1から図4を参照しながら説明していく。
【0024】
先ずコンタクトホールが形成されたウエハ10は第1の成膜装置100(図1に示す成膜装置)に搬入され、ここでウエハ10の表面にTiN膜が成膜される。この工程は図3のフロー図のステップS1に相当する。TiN膜の成膜工程は、図1に示すチャンバ2内に図示しないロードロック室から図示しないアームによりウエハ10を搬送口45を介して搬入し、支持ピン28の昇降によりサセプタ23に受け渡す。
【0025】
ウエハ10が例えば400〜700℃程度の範囲内の所定のプロセス温度まで加熱された後、処理雰囲気を100〜1000Pa程度の範囲内の所定の圧力に維持しながら、処理ガスであるTiCl4ガス、NH3ガス及びキャリアガスである例えばN2ガスを夫々所定流量でガス供給部33からガス供給管31、32及びシャワーヘッド3を介してチャンバ2内に供給し(TiCl4ガス、NH3ガスは独立に供給される)、TiCl4ガス及びNH3ガスを熱分解してTiN膜をウエハ10の表面に成膜し、その後NH3ガスは流しつつTiCl4ガスの流れを止める(アンモニアポストフロー)。TiN膜の成膜の一連の工程は、制御部46が成膜処理レシピ47に基づいて、ガス供給部33、電源部27及び圧力調整部42を制御することにより実行される。ここでは説明を簡略化しているが、例えば実際にはウエハ10は当該成膜装置100にてTiN膜の成膜の前にTi膜が成膜される。
【0026】
その後ウエハ10は第1の成膜装置100から搬出され(ステップS2)、図2に示すようにキャリアCに収納されて例えば自動搬送ロボットにより大気中を搬送され、第2の成膜装置200に搬入されて配線層である例えばW膜が成膜されることになるが、この例では第1の成膜装置100から搬出された後、第2の成膜装置200に搬入されるまでの間の大気雰囲気にさらされていた時間が予め設定した所定時間を越えているか否か判断するようにしている(ステップS3)。所定時間を越えていなければ、図2の実線で示すようにキャリアC内のウエハ10を第2の成膜装置200に搬入してW膜が成膜される(ステップS4)。一方所定時間を越えていれば、図2の点線で示すようにキャリアCを第1の成膜装置100に戻し(ステップS5)、NH3によりウエハに対して還元処理を行う(ステップS6)。その後ウエハ10を第1の成膜装置100から搬出し(ステップS7)、キャリアCに収納して第2の成膜装置200に搬送し、ここでW膜が成膜される。
【0027】
前記所定時間については、例えば予めTiN膜が大気雰囲気に曝されている時間を種々変えてTiN膜の抵抗値を評価し、その評価結果から決めるようにすればよい。また例えば通常の搬送の場合には問題がなく、何らかのトラブル例えば第2の成膜装置200でトラブルが発生して、キャリアCが第2の成膜装置200に搬入できずに滞留している場合に問題となる場合には、例えばトラブルが解消して第2の成膜装置200が再稼働したときに、キャリアCを第1の成膜装置100に戻してキャリアC内のウエハについて還元処理を行うようにすればよい。このような判断は例えば上位コンピュータによりキャリアの流れを監視して行うことができるが、トラブルの発生時にオペレータが対処するようにしてもよい。
【0028】
ここでステップS6に示す還元処理工程について説明する。ウエハ10は図1に示すチャンバ2内に搬入され、サセプタ23上に載置されて所定の温度好ましくは500℃以上例えば600℃に加熱され、例えばNH3ガス及びキャリアガスであるN2ガスを夫々1500sccm及び1500sccmの流量で供給しながら処理雰囲気の圧力を例えば0.665kPa(5Torr)に維持し、例えば25秒間還元処理(アニール)を行う。この還元処理は、制御部46が還元処理レシピ48に基づいて、ガス供給部33、電源部27及び圧力調整部42を制御することにより実施される。
【0029】
図4は、上述の一連の工程に対応するウエハ10の表面の一部を示す説明図である。図4(a)はコンタクトホール51が形成された表面にTiN膜52が成膜された状態を示しており、このTiN膜52は後述の配線層と共に導電路の一部となる。53は例えばp形のシリコン層、54はn形不純物が高濃度の拡散層、55はシリコン酸化膜からなる絶縁層である。図4(b)はウエハ10を大気雰囲気下に置いておくことによりTiN膜52の表面が空気中の酸素あるいは水分の吸着により酸化されて酸化層56が形成された状態を示している。図4(c)は、前記酸化層56がNH3による還元処理(アニール)により還元されて除去され、TiN膜52が露出している状態を示している。TiN膜52の酸化及び還元のメカニズムについては、後述の実施例の項目にて詳述することとする。図4(d)は、TiN膜52の上にW膜57が成膜されてコンタクトホール51が埋め込まれた状態を示している。図示しないが、その後W膜57はエッチバックされてコンタクトホール51以外の部位は除去される。
【0030】
上述実施の形態によれば、TiN膜を成膜したウエハ10を第1の成膜装置100から搬出した後、装置のトラブルなどの不意の事態によりウエハ10の後処理であるW膜の形成が遅れ、そのためにTiN膜の表面にウエハの歩留まりに影響を与える程度の酸化層が形成されたとしても、NH3によりウエハ表面を還元処理して、TiN膜が成膜された直後の状態に戻しているので、成長しすぎた酸化膜による配線抵抗の増加を避けることができる。また還元処理を終えた直後におけるTiN膜の厚さ方向の抵抗値について面内の均一性が良好であり、その後大気雰囲気におかれた状態での経過時間に伴う面内均一性の変化はほとんどないことから、上述のようにして配線層を形成したウエハは、W膜とTiN膜との間の抵抗について面内の均一性が良好であり、従って歩留まりの低下を抑えることができる。更にまた第1の成膜装置100にはアンモニアガスを供給するガス供給部33が設けられているので、これを利用して還元処理を実施することができ、別途機構を追加したり、装置を設置しなくて済む。
【0031】
(第2の実施の形態)
本発明の半導体装置の製造方法にかかる第2の実施の形態は、基板上に金属窒化膜を形成する第1の工程を行った後、前記金属窒化膜の表面を還元する第2の工程と、金属窒化膜の表面に配線層を形成する第3の工程とを共通の装置で行う手法である。
【0032】
図5は、配線層である金属膜例えばW膜を成膜する装置であり、この成膜装置は、真空処理容器であるチャンバ6と、このチャンバ6内に設けられた載置台61と、載置台61の下方側から載置台61上のウエハ10を加熱するための加熱手段であるハロゲンランプなどの加熱ランプ62と、載置台61と対向するようにチャンバ6の上部に設けられたガス導入手段であるシャワーヘッド63と、を備えている。
【0033】
このシャワーヘッド63は、ガス供給路であるガス供給管64,65に接続されていて、両方のガス供給管64、65から導入された処理ガスが別々に(独立して)チャンバ6内に供給されるように構成されている。これらガス供給管64,65は、ガス供給部66に接続されている。このガス供給部66は、成膜ガス、還元処理ガス、キャリヤガスなどを供給するガス供給源、ガス配管、バルブ及び流量調整部であるマスフローコントローラなどを有し、バルブの切り替えによりガスの種類が選択されると共に流量調整部により各ガスの流量が制御されるように構成されている。ガス供給源としては、W膜の成膜時に用いられる成膜ガスであるWF6(六フッ化タングステン)ガスの供給源、H2ガスの供給源、還元処理時に用いられるNH3ガスの供給源及びキャリアガスである例えばN2ガスの供給源などが含まれる。
【0034】
チャンバ6の側壁には、排気口71が形成され、この排気口71には図示しない排気管が接続されており、圧力調整部72を介して真空排気手段である真空ポンプ73が接続されている。またこの成膜装置は制御部74を備えており、この制御部74は、W膜を成膜するための処理条件が記載された成膜処理レシピ75と、還元性ガスであるNH3ガスを用いてTiN膜の表面を還元処理するための処理条件が記載された還元処理レシピ76とを備え、更にこれらレシピ75、76を選択する手段、レシピを読み出して、加熱ランプ62の電源部67、ガス供給部66及び圧力調整部72などを制御するための制御信号を生成するプログラム、及びこのプログラムを実行するCPUなどを備えている。この例では、成膜処理レシピ75、このレシピ75を読み出して制御信号を生成するためのプログラム及びCPUなどが成膜処理実行部に相当する。また還元処理レシピ76、このレシピ76を読み出して制御信号を生成するためのプログラム及びCPUなどが還元処理実行部に相当する。
【0035】
この実施の形態では、既述の図3のステップS3までは同様であるが、ウエハ10が大気雰囲気に所定時間を越えて置かれた場合には、図5に示すW膜の成膜装置に搬入し、制御部74が還元処理レシピ76に基づいて、ガス供給部66、電源部67及び圧力調整部72を制御することにより、チャンバ6内に搬入されたウエハ10に対して還元処理が実施される。この場合にも既述の処理条件と同様の条件でNH3ガスによりウエハ10上のTiN膜の表面が還元処理される。その後例えばチャンバ6内をN2ガスで置換し、更に真空ポンプ73により引き切った後、制御部74が成膜処理レシピ75に基づいて、ガス供給部66、電源部67及び圧力調整部72を制御することにより、ウエハ10の上のTiN膜の表面にW膜が成膜される。W膜の成膜は、ウエハ10を例えば350〜500℃に加熱し、所定の真空雰囲気でWF6ガスとH2ガスによる熱化学反応により行われる。
【0036】
この実施の形態によれば、TiN膜の表面が還元処理されて酸化層が除去された後、大気雰囲気に曝されずに続いてW膜の成膜が行われるので、TiN膜の表面に酸化層が形成されないという利点がある。
(第3の実施の形態)
この実施の形態は、NH3により還元処理を行う還元処理装置を、TiN膜の成膜装置及びW膜の成膜装置とは独立して設ける手法である。図6はその一例として還元処理装置とW膜の成膜装置とを真空雰囲気の搬送室に接続して、ウエハ上のTiN膜を還元処理した後、真空を破らずにW膜の成膜装置に搬送してW膜の成膜を行う真空処理システムである。
【0037】
図6において、81、82はウエハの搬送容器であるキャリアCがゲートドアGTを介して大気側から搬入されるキャリア室、83は第1の搬送室、84,85は予備真空室、86は第2の搬送室であり、これらは気密構造とされて大気側とは区画されている。第2の搬送室86及び予備真空室84、85は真空雰囲気とされるが、キャリア室81、82及び第1の搬送室83は不活性ガス雰囲気とされることもある。87は第1の搬送手段、88は第2の搬送手段である。また第2の搬送室86には、NH3で還元処理する還元処理装置91、W膜の成膜を行うW膜成膜装置92、W膜のエッチバックを行う(図4(d)のSiO2膜よりも上側のW膜をエッチングする)エッチング装置93が気密に接続されている。
【0038】
図6の真空処理システムにおいてキャリアC内のウエハ10は、例えば第1の搬送手段→予備真空室84→第2の搬送手段88→還元処理装置91の経路で搬送されてここでウエハ上のTiN膜の表面に対して既述のようにしてNH3ガスにより還元処理が行われる。そしてこのウエハは第2の搬送手段88を介してW膜の成膜装置92に搬入されてW膜の成膜が行われ、その後エッチング装置93に搬入されてW膜のエッチバックが行われる。この場合還元処理装置は、既述の処理条件を達成できる機能を備えていることが必要であるが、TiN膜やW膜の成膜処理を兼用しないので装置構成はシンプルですむ。
【0039】
【実施例】
続いて本発明の効果を確認するためにNH3ガスとH2ガスとを用いてTiN膜表面の還元処理を夫々行った実施例について説明する。
(実施例1)
シリコンウエハのままであるベアウエハに上述の実施の形態のようにTiCl4ガス及びNH3ガスを用いてTiN膜を200Åの厚さで成膜した後アンモニアポストフローを行なう。その後当該ウエハを成膜装置から取り出して大気雰囲気に140時間置いてTiN膜の表面に酸化層を形成した。次いでこのウエハを前記成膜装置に再度搬入し、600℃の加熱雰囲気及び0.665kPa(5Torr)の真空雰囲気下でNH3ガス及びN2ガスを夫々1500sccm及び1500sccmの流量で供給しながら25秒間還元処理(アニール)を行った。そしてこのウエハを当該成膜装置から大気雰囲気に搬出した直後にウエハの中心部における単位面積当たりの抵抗値を求めた。更に1時間後、2時間後、16時間後、……186時間後において同様に抵抗値を求め、大気雰囲気に搬出した直後を0時間後とすると、0時間後の抵抗値に対する各経過時間における抵抗値の変化率を求めた。結果は図7の●で表されるグラフの通りである。
【0040】
更にまたウエハの中心部以外において、ウエハ面内の120ポイントの各位置について同様にして抵抗値を求め、抵抗値の面内均一性を求めた。面内均一性は、次式で表わされるマックス・ミニマム法で定義した。
【0041】
(抵抗値の最大値―抵抗値の最小値)×100/(2×抵抗値の平均値)
この場合の抵抗値の平均値は、120ポイントの抵抗値の平均値である。前記経過時間毎の面内均一性は図8の●で表されるグラフの通りである。
(比較例1)
還元処理としてNH3ガスの代わりにH2ガスを用い、600℃の加熱雰囲気かつ0.665kPaの真空雰囲気下でH2ガス及びN2ガスを夫々1500sccm及び1500sccmの流量でチャンバ内に供給して25秒間の還元処理を行った他は、実施例と同様にしてウエハの抵抗値の変化率及び抵抗値についての面内均一性を調べた。抵抗値の変化率については図7の○で示されるグラフの通りであり、また面内均一性については図8の○で示されるグラフの通りである。
(比較例2)
ウエハ上にTiN膜を成膜し、アンモニアポストフローを行なった直後から同様にして抵抗値を求め、ウエハの抵抗値の変化率を求めた。即ちこの例はTiN膜を成膜し、大気雰囲気に曝されたときに抵抗値がどのように変化するのかを調べた試験である。結果は図7の▲で示されるグラフの通りである。
(考察)
TiN膜を成膜した後、ウエハが例えば16時間大気雰囲気下に置かれたとすると、図7の▲のグラフから分かるように成膜直後に比べて抵抗値の増加率が6%を越えている。このウエハをNH3により還元処理を行うと、●のグラフから分かるように抵抗値が元に戻り、またその後の抵抗値の増加の度合いも少なく、例えば2時間後であれば2%程度であり、26時間経過しても4%に満たない。従って本発明方法が有効であることが理解される。
【0042】
一方H2ガスにより還元処理する場合には、○のグラフから分かるようにその後ウエハを大気雰囲気においたときの抵抗値の増加率が大きく、NH3ガスによる還元処理に比べて劣っている。そして更に重要なことは、図8から分かるようにNH3ガスにより還元処理を行えば、抵抗値の面内均一性は良好であるが、H2ガスを用いた場合には、面内均一性がかなり悪く、この点からNH3を用いた場合の方が各段に優れている。
【0043】
このようにNH3を用いた場合とH2を用いた場合とで差異が生じる原因の一つとしては、次のように推測している。TiCl4ガス及びNH3ガスを用いてTiN膜を成膜すると、アンモニアポストフローを行なったとしても、図9に示すように膜の表面にハロゲンであるCl(塩素)が除去しきれずに残り、これが大気に触れるとTi−Clの結合からTi−Oに変わる。ここでH2ガスで処理を行うと、Ti−Oの結合が切れて未結合手(ダングリングボンド)が形成され、その後大気に触れるとTi−Oの結合になってしまう。このため抵抗値及びその増加率が大きくなり、またTi−Clが形成される個所は均一ではないことから、Ti−Oが多い部位と少ない部位とが存在し、結果として抵抗値の面内均一性が悪くなる。これに対しNH3ガスで処理を行うと、Ti−OのOがNと置き換わってTi−Nの結合になり、このため抵抗値及びその増加率が小さく、また抵抗値の面内均一性がよくなる。
【0044】
なお本発明は、TiN膜がTiCl4ガス及びNH3ガスを用いたCVDにより成膜されたものに限定されるものではないが、ハロゲン化金属を原料として金属窒化膜を成膜した場合には、NH3を用いた処理とH2を用いた処理とでは既述のような大きな差異が出るものと推察される。
【0045】
以上において、上述の例では窒素及び水素を含む化合物の還元性ガスとしてアンモニアを用いたが、ヒドラジン(N2H4)などであってもよい。また金属窒化膜としてはTiN膜に限られず例えばWN、TiSiN、TaNなどであってもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、金属窒化膜の表面に配線層が設けられる半導体装置を製造するにあたって、金属窒化膜の表面に大気雰囲気に曝されたことにより形成された酸化層を窒素及び水素を含む化合物の還元性ガス例えばアンモニアガスにより還元処理するようにしているので、金属窒化膜から配線層に至るまでの抵抗値を低く抑え、また抵抗値について良好な面内均一性が得られ、歩留まりの低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の第1の実施の形態を実施するための成膜装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】第1の実施の形態においてウエハの搬送の様子を模式的に示す説明図である。
【図3】第1の実施の形態の工程の流れを示すフロー図である。
【図4】第1の実施の形態においてウエハ表面上の構造あるいは状態を段階的に示す説明図である。
【図5】本発明方法の第2の実施の形態を実施するための成膜装置の一例を示す縦断面図である。
【図6】本発明方法の第3の実施の形態を実施するための真空処理システムの一例を示す平面図である。
【図7】本発明の効果を確認するために行った実施例の結果を示す特性図である。
【図8】本発明の効果を確認するために行った実施例の他の結果を示す特性図である。
【図9】TiN膜の表面が酸化される様子及び還元される様子を模式的に示す説明図である。
【図10】従来技術の課題を説明するために半導体装置の一部を示す説明図である。
【符号の説明】
2 チャンバ
23 サセプタ
26 ヒータ
27 電源部
3 シャワーヘッド
33 ガス供給部
41 排気管
42 圧力調整部
46 制御部
47 成膜処理レシピ
48 還元処理レシピ
51 コンタクトホール
52 TiN膜
56 酸化層

Claims (4)

  1. 四塩化チタンガスとアンモニアガスとを含む原料ガスを用いて基板上にチタンナイトライド膜を成膜する工程と、
    続いて前記チタンナイトライド膜中の残留塩素を除去するために、前記基板の表面にアンモニアガスを供給する工程と、
    その後、前記基板が大気雰囲気に曝される工程と、
    次いで前記基板の表面にアンモニアガスを供給して前記チタンナイトライド膜の表面を還元する工程と、
    この工程の後、前記チタンナイトライド膜の表面に配線層を形成する工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記チタンナイトライド膜を成膜する工程と、前記チタンナイトライド膜の表面を還元する工程とは、互いに独立した処理容器内にて行うことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記チタンナイトライド膜を成膜する工程と、前記チタンナイトライド膜の表面を還元する工程とは、共通の処理容器内にて行うことを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記チタンナイトライド膜の表面を還元する工程と、前記チタンナイトライド膜の表面に配線層を形成する工程とは、互いに独立した処理容器内にて行なわれ、前記互いに独立した処理容器は、基板を真空雰囲気で搬送するための真空搬送室に接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
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