JP4033608B2 - セファロスポリン誘導体の新規製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、一般式I
【0002】
【化6】
【0003】
(式中、
R1は、アミノ保護基であり、
R2は、カルボキシ保護基であり、そして
Rは、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル−低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アリール−低級アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−低級アルキルであり、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルケニル、シクロアルケニル、低級アルキニル、アリール−低級アルキル、アリール、及びヘテロシクリル部分は、置換されていないか、又はカルボキシ、アミノ、アミノエチル、カルバモイル、ニトロ、シアノ、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン及びトリフルオロメチルから選択される1個以上の基で置換されている)
のセファロスポリン誘導体の新規製造方法に関する。
【0004】
該製造方法は、トルエン中で、塩基での処理によって、一般式II
【0005】
【化7】
【0006】
(式中、
Rは、上記と同義であり、そしてPhは、フェニルを表す)
のホスホニウム塩を、一般式III
【0007】
【化8】
【0008】
(式中、
R及びPhは、上記と同義である)
に相当するイリドに変換し、そして
同様に約−80℃〜約0℃の温度で、
一般式IV
【0009】
【化9】
【0010】
(式中、
R1及びR2は、上記と同義である)
のアルデヒドを極性溶媒中に含む溶液と反応させることを含み、
ホスホニウム塩II、塩基、及びアルデヒドIVを、約1.15:1.1:1.0〜1.3:1.25:1.0のモル比で用いることを特徴とする。
【0011】
モル比は、好ましくは、約1.2:1.15:1.0である。塩基のモル量は、ホスホニウム塩IIのそれよりも少ないことが重要である。
【0012】
ここで用いる用語“低級アルキル”及び“場合により置換されている低級アルキル”は、直鎖及び分岐両方の、1〜8個の、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、第3級ブチル等をいう。低級アルキル基は、置換されていないことができるか、又はハロゲンのような、少なくとも1個の置換基で置換されていることができる。好ましい置換基はフルオロであり、置換されている低級アルキルの例は、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペルフルオロヘキシル等である。
【0013】
用語“低級アルコキシ”は、エーテル基を意味する(ここで、アルキルは上記と同義である)。例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ等である。
【0014】
用語“シクロアルキル”は、3〜7員の飽和炭素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を意味する。“シクロアルキル−低級アルキル”は、シクロアルキル環と結びついた、上記と同義のアルキル基である。好ましいシクロアルキル−低級アルキルは、例えばシクロプロピルメチル及びシクロプロピルエチルである。“シクロアルケニル”は、少なくとも1個のオレフィン2重結合を有する4〜7員環の炭素環、例えば、シクロペンテニルを意味する。
【0015】
ここで用いる“低級アルケニル”は、2〜8個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を有し、そして少なくとも1個のオレフィン2重結合を有する、 置換されていないか又は置換されている炭化水素鎖基、例えば、ビニル、アリル等をいう。
【0016】
ここで用いる“低級アルキニル”は、2〜8個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を有し、そして少なくとも1個の3重結合を有する、置換されていない又は置換されている炭化水素鎖基、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニルをいう。
【0017】
ここで用いる用語“ハロゲン”は、塩素若しくはクロロ、臭素若しくはブロモ、ヨウ素若しくはヨード、又はフッ素若しくはフロロをいう。
【0018】
用語“アリール”は、置換されていることができるか、又は置換されていないことができる、1個の水素原子の除去によって芳香族炭化水素から誘導される基を意味する。芳香族炭化水素は、単核又は多核であることができる。単核型のアリル基の例は、フェニル、トリル、メシチル、クメニル等を含む。多核型のアリル基の例は、ナフチル、アントリル、フェナントリル等を含む。アリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、ニトロ、アミノ、アミノメチル、低級アルキル、低級アルコキシ及びトリフルオロメチルから選択される少なくとも1個の置換基を有することができる。例えば、2−フルオロフェニル、3−ニトロフェニル、4−ニトロフェニル、4−メトキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル等を含む。
【0019】
用語“アリール−低級アルキル”は、上記と同義のアリール基を含む低級アルキル基を意味する。
【0020】
ここで用いる“ヘテロシクリル”は、酸素、窒素及びイオウからなる集団から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む、不飽和又は飽和の、置換されていないか又は置換されている、5、6又は7員の複素環式環をいう。典型的な複素環式環は、これに制限されないが、例えば、下記の集団:ピロリジニル、ピリジル、ピリジニウムイル、ピラジニル、ピペリジル、ピペリジノ、N−オキシド−ピリジル、ピリミジル、ピペラジニル、ピロリジニル、ピリダジニル、N−オキシド−ピリダジニル、ピラゾリル、トリアジニル、イミダゾリル、チアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4,−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4,−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1H−テトラゾリル、2H−テトラゾリル、チエニル、アゼチジニル、フリル、ヘキサメチレンイミニル、オキセパニル、1H−アゼピニル、チオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、3H−1,2,3−オキサチアゾリル、1,2,3−オキジアゾリル、1,2,5−オキサジチオリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、4H−1,2,4−オキサジアジニル、1,2,5−オキサチアジニル、1,2,3,5−オキサチアジアジニル、1,3,4−チアジアゼピニル、1,2,5,6−オキサトリアゼピニル、オキサゾリジニル、テトラヒドロチエニル等である。好ましい複素環式環は、ピリジル、ピリジニウムイル、ピペリジル、ピロリジニル(特に、3−ピロリジニル)及びアゼチジニルである。
【0021】
複素環式環の置換基は、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリクロロエチル、アミノ、メルカプト、ヒドロキシ、カルボキシ及びカルバモイルである。好ましい置換されている複素環式環の例は、5−メチル−イソキサゾール−3−イル、N−メチル−ピリジニウム−2−イル、N−メチル−ピロリジニル、1−メチル−テトラゾリル及びメチル−ピリジニウム−2−イルを含む。
【0022】
複素環式環は、場合により置換されているフェニル環、例えば2,6−ジクロロフェニルで置換されていることもできる。好ましくは、2,6−ジクロロフェニル−5−メチル−イソキサゾリルである。更なる複素環式環の置換基は、例えば、オキソ、例えば2−オキソ−オキサゾリジン−3−イル及び1,1−ジオキソ−テトラヒドロチエン−3−イル中のオキソである。複素環式環は、ベンゼン環と一緒に縮合させることもできる。
【0023】
ここで用いる“ヘテロシクリル−低級アルキル”は、上記と同義の複素環式基を含む低級アルキル基、例えば、テトラゾリル−メチル、テトラヒドロフラニル−メチル、チオフェニル−メチル又はベンズイミダゾリル−メチルをいう。
【0024】
可能なアミノ保護基R1は、ペプチド化学に用いられるものであり、例えば、アルコキシカルボニル基、例えばt−ブトキシカルボニル等、置換されているアルコキシカルボニル基、例えばトリクロロエトキシカルボニル等、アリールアルカノイル基、例えばフェニルアセチル、ヘテロアリールアルカノイル基、例えば2−チエニル−アセチル若しくは2−フリル−アセチル、場合により置換されているアラルキルオキシカルボニル基、例えばp−ニトロベンジルオキシカルボニル若しくはベンジルオキシカルボニル、アラルキル基、例えばトリチル若しくはベンズヒドリル、又はハロゲン−アルカノイル基、例えばクロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル若しくはトリフルオロアセチルである。
【0025】
好ましいアミノ保護基は、t−ブトキシカルボニル(t−BOC)、フェニルアセチル、及びトリチルである。
【0026】
カルボキシ保護基R2として、温和な条件下で遊離カルボキシル基に容易に変換することができる、エステル形態を利用することができ、該エステル保護基は、例えば、t−ブチル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジル、アリール又はベンズヒドリルを例示する。
【0027】
式Iの化合物は、例えばEP−A−620225及びEP−A−849269に記載されているように、薬学的に有用なセファロスポリンの製造のための有益な中間体であることが知られている。既知の製法では、式Iの化合物は、不活性溶媒中で、1,2−ブチレンオキシド又はトリエチルアミンのような塩基の存在下化合物II及びIVから調製され、化合物IのΔ3異性体を得る。これは、Δ2の2重結合が溶液中で塩基に対し極めて感受性であり、そして容易に3位に転移するということが原因である。Δ3アルデヒドの形成は、2工程の酸化還元手順によって、所望の2位への2重結合の位置の修正を必要とする。既知の方法では、これは、過酸化水素若しくは過酸を用いる対応するスルホキシドの酸化によってか、又は3臭化リンを用いるその脱酸素反応によって達成されている。これらの試薬は、特に後者は、腐食性であり、そして大規模での使用においては危険である。
【0028】
化合物II及びIVの反応によって、化合物Iを直接に得るための努力は、溶液中の塩基に対する、化合物I及びIVのようなΔ2セファロスポリンの感受性によって妨げられる。しかし、Δ2アルデヒドIVと同様にトルエンに溶解している反応生成物Iも安定であり、そして塩基のモル比が出発ホスホニウム塩IIのそれを超過していない限りは、ホスホニウム塩IIから形成されたイリドIIIの存在下では異性化しない。明らかに、僅かに過剰に存在している、イリドIIIの塩基性は、トルエン中で化合物IV及びIの異性化を誘起するには弱すぎる。
【0029】
本発明による方法の実施において、ホスホニウム塩は、好ましくは、トルエン若しくはトルエンと塩化メチレンの混合物に分散させ、そして塩基での、例えば水性アルカリ、例えば0.1N〜1N水性NaOH若しくはKOH、又は、水の不在下において、極性有機溶媒中での、例えばテトラヒドロフラン若しくはジオキサン、好ましくはテトラヒドロフラン中での、処理に付す。テトラヒドロフラン中でtert-ブチル化アルカリを添加する場合には、イリドIIIを形成する脱プロトン工程が促進され、そして、低反応温度によって得られる有利性である、その系への固体の添加が回避されるという有利性に作用する。また、この系は、このように有利に、テトラヒドロフランに溶解したtert−ブチル化アルカリの添加に先立ち反応温度まで予冷することができる。
【0030】
得られるイリドIII溶液/懸濁液が、上記のような反応温度に予め冷却されていない場合は、ただちにそれらを約0℃と約−80℃との間に、好ましくは約−60℃〜約−80℃、最も好ましくは約−70℃にし、次いで、極性有機溶媒、例えば、テトラヒドロフラン若しくはジオキサン、好ましくはテトラヒドロフランに溶解したアルデヒドIVと反応させる。反応物のモル比(上記で与えられたように、ホスホニウム塩II:アルカリ:アルデヒドIV)が、特に、モル比が約1.2:1.15:1.0である場合は、得られる最終生成物Iの2重結合の所望しないΔ2/Δ3転位を防止する。
【0031】
反応時間は、約1/2時間と2時間との間で変化する。
【0032】
本発明の方法の好ましい実施態様では、ジフェニルメチル(6R,7R)−7−(1−tert−ブトキシホルムアミド)−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラート又は4−メトキシベンジル(6R,7R)−7−フェニルアセチルアミノ−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラートを、式IVの出発アルデヒドとして用いる。
【0033】
式IIの好ましい出発ホスホニウム塩は、Rが2,2,2−トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、又はN−置換されている3−ピロリジニル、例えばN−アリルオキシカルボニル−3−ピロリジニルである上記である。アリルオキシカルボニル基は、その後開裂し、下記の式V(ここで、Rは、3−ピロリジニルである)の最終生成物を得るための保護基である。
【0034】
Rが、N−置換されている3−ピロリジニル、例えばN−アリルオキシカルボニル−3−ピロリジニルである場合、該方法は、好ましくは、トルエン、塩化メチレン及びテトラヒドロフランの混合物、好ましくは重量比が、約2:1:1と5:2:1との間の混合物中で、好ましくは、非水性相で実施する。好ましい実施態様では、ホスホニウム塩IIを、塩化メチレンに溶かし、トルエン、その後にtert−ブチル化カリウムを含むテトラヒドロフラン溶液、そして最後にアルデヒドIVを含むテトラヒドロフランを加え、そして約−80℃〜−60℃で1/2〜2時間反応させる。
【0035】
得られるトルエン反応混合物は、式Iの粗反応生成物を含む。Δ2の2重結合の3位への転位を防ぐために、処理を、水性酸で、例えば、0.1〜1N水性HCl又はクエン酸を添加することによって達成する。通常の方法での、そのように酸性にした反応混合物の抽出、トルエン溶液の回収、及びその蒸発によって、薬学的に有用なセファロスポリンへの更なる反応に用いることができる、式Iの粗生成物を得る。所望ならば、粗生成物を、既知の方法、例えば、適切な溶媒又は溶媒混合物、例えば塩化メチレン、トルエン:酢酸エチル、又はn−ヘキサン:酢酸エチル、を用いるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで更に精製することができる。
【0036】
本発明の方法は、例えば式V
【0037】
【化10】
【0038】
(式中、
Rは、上記と同義であり
Xは、−CH−又は窒素であり、そして
R1は、水素、場合により置換されている低級アルキル、シクロアルキル、ベンジル、トリチル、アセチル又はテトラヒドロピラニルである)
の薬学的に有用なセファロスポリン、又はその薬学的に許容し得る塩若しくは生体内で開裂することができるエステルへのより容易な手段を提供する。
【0039】
化合物Vに達するための方法は、このように短縮され、より高い収量を提供し、そして問題のある試薬の使用を回避する。化合物Vは、EP−A620225及びEP−A−849269で与えられた指示にしたがって、化合物Iから得ることができる。
【0040】
化合物Iの好ましい実施態様では、Rは、2,2,2−トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、又は3−ピロリジニルであり、Xは、−CH−であり、そしてR1は、水素である。
【0041】
以下の実施例は、本発明をより詳細に説明する。
【0042】
【実施例】
実施例1
アルゴン下、(R,S)(1−シクロプロピルメチル−2−オキソ−ピロリジン−3−イル)−トリフェニル−臭化ホスホニウム85.5gを、トルエン1Lに分散させた。該懸濁液に、tert−ブチル化カリウム19.5gをテトラヒドロフラン(THF)に含む溶液450mLを、40分間以内に滴下により加えた。白色懸濁液が、黄色を呈し、その後少しの発熱反応(温度が22から25℃に上昇した)が続いた。
【0043】
懸濁液を、室温で10分間攪拌し、その後−10℃まで冷却した。ジフェニルメチル(6R,7R)−7−(1−tert−ブトキシホルムアミド)−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラート77.0gをTHFに含む溶液300mLを、1.15時間以内に滴下により、ゆっくり加えた。−10℃で20分間攪拌した後、1N水性塩酸及び水500mLを加え、混合物を室温にし、そして室温で20分間攪拌し、2相の透明相を得た。混合物を、トルエン500mLで2回抽出し、有機相を5%水性重炭酸ナトリウム350mL、次いで水300mLそれぞれで洗浄した。トルエン相を乾燥し、その後蒸発乾固させた。粗反応生成物159.2gを暗赤色塊として得た。これを塩化メチレン1.2Lに溶解することによって精製し、シリカゲル(Merck 60;0.040〜0.063mm)300gを加え、混合物を10分間攪拌し、濾過し、そして塩化メチレン約1Lで一部分ずつ洗浄した。濾液を蒸発乾固させ、次いで乾燥した。n−ヘキサン:酢酸エチル(3:2)400mL及び塩化メチレン40mLに溶解した、黄褐色粗生成物95gを得た。この溶液を、n−ヘキサン:酢酸エチル(3:2,23L)を溶出剤として、シリカゲル(Merck 60; 0.040〜0.063 mm)1.3kgのフラッシュクロマトグラフィー(200−300mL画分)にかけた。この画分(約10L)を蒸発させ結晶化させ、濾過し、次いでn−ヘキサンで洗浄し、(E)−(6R,7R)−7−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(1−シクロプロピルメチル−2−オキソ−ピロリジン−3−イリデンメチル)−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボン酸ベンゾヒドリルエステルの雪白色結晶35.3g(収率39%、融点175−180℃)を得た。
【0044】
この母液から、2回目の生成物、
175〜180℃で融解する白色/黄色結晶10.3g(収率11.3%)を得た。
【0045】
実施例2
アルゴン下、(R,S)−(1−シクロプロピル−2−オキソ−3−ピロリジニル)トリフェニル臭化ホスホニウム1.40gをトルエン20mLに分散させた。tert−ブチル化カリウム0.33gのTHF溶液8mLを、室温で滴下により20分間以内に加えた。発熱反応が生じ(温度が、22℃から25℃へ上昇した)そして懸濁液は黄色を呈し、次いで室温で30分間攪拌し、−10℃まで冷却し、その後ジフェニルメチル(6R,7R)−7−(1−tert−ブトキシホルムアミド)−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラート1.34gのTHF溶液4mLを、滴下により20分間以内に加えた。1N水性塩酸5mL及び水10mLの混合物を加えた後、室温で10分間攪拌を維持した。水性相を分別し、次いでトルエン25mLで2回に分けて洗浄し、集めた有機相を5%水性重炭酸ナトリウム約20mL、続いて水20mLで洗浄した。トルエン相を合わせて、硫酸マグネシウム15gで乾燥し、次いで蒸発乾固させた。トルエン/酢酸エチル(3:2)20mLに溶解した、赤色−オレンジ色の粗〔6R−〔3(E)−6R,7R〕〕−3−〔(1−シクロプロピル−2−オキソ−3−ピロリジニリデン)メチル〕−7−〔〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕アミノ〕−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル2.16gを得、次いで溶出剤としてトルエン/酢酸エチル(3:2)約500mLを用いるシリカゲル(Merck60;0.040〜0.063mm)30gでのフラッシュクロマトグラフィーにかけた。
−オレンジ色油状物として画分1の0.07g、
−淡黄色結晶として画分2の0.60g、
−オレンジ色結晶として画分3の0.46g、
を得た。
合計:1.13g、収率75%に相当する。
【0046】
実施例3
アルゴン雰囲気下、(R,S)−(1−シクロプロピル−2−オキソ−3−ピロリジニル)−トリフェニル臭化ホスホニウム11.2gを、トルエン60mL及び水30mLに溶かし、0℃まで冷却した(再度結晶した)。1N水性水酸化ナトリウム24mLを、20分間以内に滴下により加え;トルエン相は黄色を呈し、そして水性相は白色(懸濁液)を呈した。0℃で10分間攪拌後、トルエン相を−10℃まで冷却し、次いで水性相を、トルエン相に加えたトルエン20mLで抽出した。ジフェニルメチル(6R,7R)−7−(1−tert−ブトキシホルムアミド)−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラート10.4gのTHF溶液35mLを1時間以内に滴下により加え、得られた褐色懸濁液を10分間攪拌した。0℃で45分間攪拌後、1N水性塩酸25mLと水25mLの混合物を加え、冷却しないで(室温)10分間攪拌を継続し、2相の透明相(トルエン相は赤色であり、そして水相は淡黄色である)を得た。この相の分別後、水相を各々トルエン50mLで2回洗浄し、合わせた有機相を5%水性重炭酸ナトリウム溶液50mLで洗浄し、続いて水50mLで洗浄した。合わせたトルエン相を硫酸マグネシウム25gで乾燥し、次いで蒸発させた。トルエン/酢酸エチル50mLに溶解した(30分)、赤色−オレンジ色の粗生成物20.47gを結果として生じ、続いて溶出剤としてトルエン:酢酸エチル(4:1)4Lを用いたシリカゲル(Merck60;0.040〜0.063mm)200gのフラッシュクロマトグラフィー(50〜75mL画分)にかけた。
【0047】
収量:黄色結晶として〔6R−〔3(E)−6R,7R〕〕−3−〔(1−シクロプロピル−2−オキソ−3−ピロリジニリデン)メチル〕−7−〔〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕アミノ〕−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル9.5g(変換したアルデヒドに基づく収率は49%)。
【0048】
実施例4
アルゴン下、(R,S)−〔2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3−ピロリジニル〕−トリフェニル臭化ホスホニウム11.4gを、トルエン100mL及び水80mLに分散させた。得られた3相混合物を、室温で攪拌し、そして1N水性水酸化ナトリウム22.4mLを30分間以内に加えた。トルエン相は黄色を呈し、水相は無色であり、そして軽微な乳濁液を得た。
【0049】
30分後、該相を分別し、次いで水性相をトルエン20mLで抽出し、有機相を5%水性酢酸ナトリウム溶液30mLで洗浄し、次いで水30mLで洗浄した。合わせたトルエン相を−10℃まで冷却し、次いでジフェニルメチル(6R,7R)−7−(1−tert−ブトキシホルムアミド)−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラート10.0gのTHF溶液40mLを、30分間以内に滴下により加え、該黄色溶液を−10℃で20分間攪拌した。続いて、1N水性塩酸40mLと水40mLの混合物を加え、そして15分間攪拌しつづけた。該相を分別し、水性相をトルエン60mLで2回に分けて抽出し、有機相を5%水性重炭酸ナトリウム溶液50mLで洗浄し、続いて水50mLで洗浄した。合わせたトルエン相を硫酸マグネシウム85gで乾燥し、そして蒸発乾固させた。n−ヘキサン:酢酸エチル(3:2)40mL及び塩化メチレン3mLに溶解した(30分)、暗黄色粗反応生成物22.28gを得た。該溶液を、シリカゲル(Merck 60;0.040〜0.063mm;直径3cm、長さ30cm)100gのフラッシュクロマトグラフィーにかけ、次いで濾過した。n−ヘキサン:酢酸エチル(3:2)1Lを溶出剤として用いて、画分を集めた。黄色−オレンジ色生成物11.55gを得た(収率96%)。
【0050】
この生成物を、75℃で酢酸エチル20mLに溶解することによって結晶化させ、n−ヘキサン25mLを15分間以内に滴下により加え、該溶液を60℃までゆっくりと冷却し、60℃で精製結晶を種晶として入れ、n−ヘキサン25mLで希釈し、次いで室温で12時間攪拌し、濾過し、洗浄し、そして乾燥し、〔6R−〔3(E),6R,7R〕〕−7−〔〔(1,1−ジメチルエトキシ)カルボニル〕アミノ〕−8−オキソ−3−〔〔2−オキソ−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3−ピロリジニリデン〕メチル〕−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボン酸ジフェニルメチルエステル8.79gを179〜181℃で融解する白色結晶(収率73%)として得た。
【0051】
実施例5
アルゴン下、(R,S)−〔2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3−ピロリジニル〕−トリフェニル臭化ホスホニウムを、室温でトルエン240mL及び水180mLに分散させた。1N水性水酸化ナトリウム溶液を20分にわたり滴下により加えた。30分後、該相を分別し、次いで水相を各々トルエン150mLで3回抽出した。トルエン相を、各々水150mLで3回抽出した。合わせたトルエン相を、−10℃まで冷却し、4−メトキシ−ベンジル−(6R,7R)−7−フェニルアセチルアミノ−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラート22gのTHF溶液100mLを、1時間以内に滴下により加えた。更に10分間攪拌後、該相を分別し、次いで水性相を各々トルエン150mLで2回抽出した。各トルエン相を各々水150mLで3回洗浄した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで約200mLまで蒸発させた。結晶化させた生成物を濾別し、次いで氷冷トルエンで洗浄した。〔6R−〔3(E),6R,7R〕〕−7−フェニルアセチルアミノ−8−オキソ−3−〔〔2−オキソ−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3−ピロリジニリデン〕メチル〕−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボン酸4−メトキシベンジルエステル18.73gを、177℃で融解する黄色がかったベージュ色結晶(収率56%)として得た。
【0052】
実施例6
アルゴン下、(1R,3′R)及び(1S,3′R)−(1′−アリルオキシ−カルボニル−2−オキソ−〔1,3′〕ビピロリジニル−3−イル)−トリフェニル−臭化ホスホニウム(1:1)の混合物753mg(1.3mmol)を、塩化メチレン20mLに溶解し、硫酸ナトリウム3.0gを加え、次いで混合物を室温で10分間攪拌した。硫酸ナトリウムを濾別し、次いで溶液を完全に蒸発させた。残査を塩化メチレン2mL及びトルエン5mLの混合物に溶解し、次いで−70℃まで冷却した。tert−ブチル化カリウム35mg(1.2mmol)のTHF溶液2mLを室温で5分間以内に加えた。混合物を更に5分間攪拌し、次にジフェニルメチル(6R,7R)−7−(1−tert−ブトキシホルムアミド)−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラートのTHF溶液2mLを15分間以内に滴下により加えた。反応混合物を−70℃で2.5時間攪拌し、その後ゆっくりと−10℃にした。−10℃で1時間後、クエン酸300mgを水3mLに含む溶液及び酢酸エチル4mLをゆっくりと加え、次いで反応混合物を室温にした。得られた2相の溶液の抽出を実施し、平衡後、水性相を酢酸エチル10mLで再度抽出し、そして2相の有機相を、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液各々3mL、続いて飽和水性塩化ナトリウム溶液各々3mLで抽出した。有機相を合わせ、乾燥し次いで蒸発させ、オレンジ褐色の残査1.34gを得た。これを、溶出剤として、酢酸エチル:n−ヘキサン(2:1)(各15mLの5画分を捨てた)、次に酢酸エチルのみ(各15mLの6〜11画分を捨てた)を用いる、微粉状SiO227gのカラムを通して濾過し、各15mLの12〜20画分を得、蒸発後、(E)−(6R,7R)−3−〔(R)−1′−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−〔1,3′〕ビピロリジニル−3−イリデンメチル〕−7−tert−ブトキシ−カルボニルアミノ−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボン酸ベンズヒドリルエステル640mgを、黄色樹脂状残査として得た(90%)。
MS687(MH+)、704(MNH4 +)、709(MNa+)
【0053】
実施例7
アルゴン下、(1R,3′R)及び(1S,3′R)−(1′−アリルオキシ−カルボニル−2−オキソ−〔1,3′〕ビピロリジニル−3−イル)−トリフェニル−臭化ホスホニウム(1:1)の混合物15.53g(26mmol)を、塩化メチレン200mLに溶解し、硫酸ナトリウム約5gを加え、次いで懸濁液を室温で10分間攪拌した。硫酸ナトリウムを濾別し、濾液を蒸発させた。残査を塩化メチレン40mLに溶解し、次いでトルエン100mLを加えた。得られた赤褐色溶液を−70℃まで冷却した。この温度で、tert−ブチル化カリウム2.69g(24mmol)をTHFに含む溶液40mLを15分間以内に滴下により加えた。得られた褐色溶液を更に10分間攪拌し、その後ジフェニルメチル(6R,7R)−7−(1−tert−ブトキシホルムアミド)−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラート9.89g(20mmol)をTHF40mLに含む溶液を20分間以内で滴下により加えた。褐色溶液を更に約3時間攪拌し、次に0℃にした。0℃で40分後、クエン酸6gを水60mL及び酢酸エチル60mLに含む溶液を5分間以内に加えた。反応混合物を更に10分間攪拌し、次に約5℃で終夜保存した。得られた2相の溶液を抽出し、平衡後、水性相を更に酢酸エチル60mLで抽出し、飽和塩化ナトリウム溶液60mLを2個の有機相で抽出した。次に、有機相を合わせて、乾燥し、次いで蒸発乾固させ、(E)−(6R,7R)−3−〔(R)−1′−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−〔1,3′〕ビピロリジニル−3−イリデンメチル〕−7−tert−ブトキシカルボニルアミノ−8−オキソ−5−チア−1−アザ−ビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−カルボン酸ベンズヒドリルエステル31.11gを赤褐色残査として得た。残査を塩化メチレン20mLに溶解し、n−ヘキサン180mL上に、攪拌しながらゆっくりと注いだ。得られた懸濁液を室温で5分間攪拌し、次に濾過した。HPLCによると残査は、かなりの量のトリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)を含有し、そして、したがって上記手順をもう一度反復し、次いで残査を乾燥し(45℃/30mbar(30hPa))/15分間)、(E)−(6R,7R)−3−〔(R)−1′−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−〔1,3′〕ビピロリジニル−3−イリデンメチル〕−7−tert−ブトキシカルボニルアミノ−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−カルボン酸ベンズヒドリルエステル11.78gをベージュ色結晶として得た(収率82%)。HPLCによるとこの化合物はまだ約9.5%のトリフェニルホスフィンオキシド(TPPO)を含有しており、修正した収率は75%であった。
【0054】
実施例8
アルゴン下、(1R,3′R)及び(1S,3′R)−(1′−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−〔1,3′〕ビピロリジニル−3−イル)−トリフェニル−臭化ホスホニウム(1:1)を塩化メチレン500mLに溶解し、硫酸ナトリウム20gを加え、室温で15分間攪拌した。硫酸ナトリウムを濾別し、塩化メチレンで充分に洗浄し、次いで濾液を蒸発させた。残査を塩化メチレン200mLに溶解し、トルエン500mLを加え、次いで溶液を−70℃に冷却した。この温度で、tert−ブチル化カリウム13.60g(120.0mmol)をTHFに含む溶液200mLを20分間以内に滴下により加えた。混合物を更に20分間攪拌し、次いで4−メトキシベンジル−(6R,7R)−7−フェニルアセチルアミノ−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラート50.71g(100mmol)をTHFに含む溶液220mLを30分間以内に滴下により加えた。2時間後、−70℃で、混合物を−10℃とした。この反応混合物を、すべてあらかじめ0℃に調製した、酢酸エチル400mLとクエン酸30.02g(156mmol)を水に含む溶液300mLとの混合物中に入れクエンチした。得られた2相の混合物を室温にし、水性相を分別し、次いで酢酸エチル400mLで1回抽出した。2相の有機相を、飽和水性塩化ナトリウム溶液300mLで1回抽出し、有機層を合わせ、乾燥し、蒸発させ、(E)−(6R,7R)−3〔(R)−1′−アリルオキシカルボニル−2−オキソ−〔1,3′〕ビピロリジニル−3−イリデンメチル〕−8−オキソ−7−フェニルアセチルアミノ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボン酸4−メトキシベンジルエステルを暗褐色シロップとして得た。HPLCによると、この生成物はまだTPPO及びトルエン残査を含有していた。物理的特性:
MS 687(MH+)、704(MNH4 +)、709(MNa+)
NMR 1.9〜2.25(m,2H)、2.6〜2.9(m,2H)、3.25〜3.7(m,10H)、3,8(s,3H)、4.6(d,2H)、4,8(q,1H)、4.9(d,1H)、5.2(s,2H)、5.2〜5.3(m,2H)、5,8(dd,1H)、5.9(m,1H)、6.5(m,1H)、7.3(m,9H)
Claims (14)
- 一般式I
R1は、アミノ保護基であり、
R2は、カルボキシ保護基であり、そして
Rは、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキル−低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アリール−低級アルキル、ヘテロシクリル又はヘテロシクリル−低級アルキルであり、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルケニル、シクロアルケニル、低級アルキニル、アリール−低級アルキル、アリール、及びヘテロシクリル部分は、置換されていないか、又はカルボキシ、アミノ、アミノエチル、カルバモイル、ニトロ、シアノ、低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン及びトリフルオロメチルから選択される1個以上の基で置換されている)
のセファロスポリン誘導体の製造方法であって、
トルエン中で、塩基との処理によって、一般式II
Rは、上記と同義であり、そしてPhは、フェニルを表す)
のホスホニウム塩を、一般式III
R及びPhは、上記と同義である)
に相当するイリドに変換し、そして、
同様に−80℃〜0℃の温度で、
一般式IV
R1及びR2は、上記と同義である)
のアルデヒドを極性溶媒中に含む溶液と反応させることを含み、
ホスホニウム塩 II 、塩基及びアルデヒド IV を、塩基のモル比がホスホニウム塩のモル比を超えず、そしてホスホニウム II 対塩基対アルデヒド IV のモル比が1.15:1.1:1.0〜1.3:1.20:1.0であるか、
ホスホニウム塩 II としての(R,S)(1−シクロプロピルメチル−2−オキソ−ピロリジン−3−イル)−トリフェニル−臭化ホスホニウムと塩基としての tert −ブチル化カリウムとアルデヒド IV としてのジフェニルメチル(6R,7R)−7−(1− tert −ブトキシホルムアミド)−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラートの重量比が85.5:19.5:77.0であるか、ホスホニウム塩 II としての(R,S)−(1−シクロプロピル−2−オキソ−3−ピロリジニル)トリフェニル臭化ホスホニウムと塩基としての tert −ブチル化カリウムとアルデヒド IV としてのジフェニルメチル(6R,7R)−7−(1− tert −ブトキシホルムアミド)−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラートの重量比が1.40:0.33:1.34であるか、又は、塩基が1 N 水性水酸化ナトリウムであるときは、ホスホニウム塩 II としての(R,S)−(1−シクロプロピル−2−オキソ−3−ピロリジニル)−トリフェニル臭化ホスホニウムの重量と塩基としての1 N 水性水酸化ナトリウムの体積とアルデヒド IV としてのジフェニルメチル(6R,7R)−7−(1− tert −ブトキシホルムアミド)−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラートの重量との比が11.2:24:10.4であるか又はホスホニウム塩 II としての(R,S)−〔2−オキソ−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−3−ピロリジニル〕−トリフェニル臭化ホスホニウムの重量と塩基としての1 N 水性水酸化ナトリウムの体積とアルデヒド IV としてのジフェニルメチル(6R,7R)−7−(1− tert −ブトキシホルムアミド)−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラートの重量との比が11.4:22.4:10.0であることを特徴とする方法。 - ホスホニウム塩II、塩基及びアルデヒドIVを、1.2:1.15:1.0のモル比で用いる、請求項1記載の方法。
- 用いる極性有機溶媒が、テトラヒドロフランである、請求項1又は2記載の方法。
- 塩基が、水性水酸化ナトリウムを表す、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 塩基が、テトラヒドロフラン中でtert−ブトキシカリウムとして与えられる、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 反応が、トルエン、塩化メチレン及びテトラヒドロフランからなる溶媒中で実施される、請求項1又は2記載の方法。
- トルエン、塩化メチレン及びテトラヒドロフランの重量比が、2:1:1〜5:2:1の間である、請求項5記載の方法。
- 反応温度が、−80℃と−60℃との間である、請求項1〜7いずれか1項記載の方法。
- 反応温度が、−70℃である、請求項1〜7いずれか1項記載の方法。
- ジフェニルメチル(6R,7R)−7−(1−tert−ブトキシホルムアミド)−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキシラート、又は4−メトキシベンジル(6R,7R)−7−フェニルアセチルアミノ−3−ホルミル−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクタ−2−エン−2−カルボキラートを、式IVの出発アルデヒドとして用いる、請求項1〜9いずれか1項記載の方法。
- 式IIのホスホニウム塩(ここで、Rは、2,2,2−トリフルオロエチル、シクロプロピル又はシクロプロピルメチルである)を用いる、請求項1〜5及び10いずれか1項記載の方法。
- 式II(ここで、Rは、N−置換されている3−ピロリジニルである)のホスホニウム塩を用いる、請求項5〜10いずれか1項記載の方法。
- 式II(ここで、Rは、N−置換されているN−アリルオキシカルボニル−3−ピロリジニルである)のホスホニウム塩を用いる、請求項5〜10いずれか1項記載の方法。
- 式Iの化合物を含む反応混合物が、水性酸で処理される、請求項1〜11いずれか1項記載の方法。
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