JP4032110B2 - 遊技機部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機に代表される弾球遊技機やスロットマシン等の遊技機には、装飾用や報知用にさまざまな電飾装置が装着されており、また遊技に関わる部品例えば入賞装置にも電飾機能を持つものがある。
【0003】
そうした電飾機能を持つ遊技機部品は発光源(例えばLED)と、その発光源からの光が照射されるレンズ部とを備えている。レンズ部には発光源からの光を透過させる際に散乱させるためのローレット等の凹凸が設けられていることが多い。
【0004】
また、多くの場合レンズ部は着色されており、発光源が電球や蛍光管あるいは白色LEDなどであれば透過光はレンズ部の色に近い色となる。白色以外のLEDを用いる場合には、その発行色にレンズ部の色を合わせるのが普通である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
つまり、遊技者に見えるレンズ部の色は、発光源が消灯されているときにはレンズ部の元々の色であり、発光源を点灯した場合にはレンズ部が明るくなるだけで色合い自体は消灯時と大差がなかった。
【0006】
本発明は、電飾機能を持つ遊技機部品において、例えば発光源の点灯時と消灯時とで色を変化させることにより、装飾効果を高めることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記課題を解決するための請求項1記載の遊技機部品は、発光源と、該発光源からの光が照射されるレンズ部とを備える遊技機部品において、前記発光源となる紫外線LEDを備えて、
前記レンズ部には、互いに発光色が異なり、残光時間は一方が他方よりも長く、初期輝度は前記他方が前記一方よりも高い、2種類の蓄光蛍光体が用いられ、
前記レンズ部の外表面には透明な紫外線カット層が設けられている
ことを特徴とする。
【0008】
発光源として紫外線LEDを使用してレンズ部に蓄光蛍光体を用いると、紫外線LEDの点灯時にはレンズ部に担持されている蓄光蛍光体が蛍光を発するから、レンズ部の色は蛍光の影響を受けた色となる。
例えば発光源として紫外線LEDだけを使用すれば、その点灯時にはレンズ部の色は蛍光の色となる。紫外線LEDと他の発光源(例えばLED)を共用すれば、両者の点灯時には合成色となり、一方だけを点灯すれば点灯した方に由来する色合いになる。
紫外線LEDから放射される紫外線の多くは蓄光蛍光体に吸収されるので遊技者に達する紫外線は少ない。しかし、遊技者に達する紫外線をできる限り少なくする方が良いのは当然である。請求項1記載の遊技機部品は、レンズ部の外表面には透明な紫外線カット層が設けられており、この紫外線カット層の働きにより紫外線が遊技者側に放射されるのが防止されている。
なお、紫外線カット層は、レンズ部の外表面に紫外線カットコーティングを施したり、紫外線カット能力を持つフィルムなどを貼ることで設ければよい。
【0009】
前記レンズ部には、互いに発光色が異なり、残光時間は一方が他方よりも長く、初期輝度は前記他方が前記一方よりも高い、2種類の蓄光蛍光体が用いられている。
蓄光蛍光体を励起するための紫外線の照射時間は蓄光蛍光体の種類により一定ではないが、比較的短時間(例えば数秒〜数十秒)で十分である。また、残光の持続時間も蓄光蛍光体の種類により一定ではないが、励起のための照射時間よりは格段に長い。
したがって、紫外線LEDは、短時間だけ点灯して、それよりも格段に長い残光時間の間を消灯させればよい。紫外線LEDの点灯時間が短くて済むから消費電力も少なくて済み、省エネとなる。電飾効果を得るためには継続して点灯しなければならない通常のLEDや電球に比べれば、遊技機の消費電力が格段に低下し、省エネ効果はきわめて優れている。
また、2種類の蓄光蛍光体は、互いに発光色が異なり、残光時間は一方が他方よりも長く、初期輝度は前記他方が前記一方よりも高い。互いに発光色が異なり、残光時間及び初期輝度が上記のように異なる(一方は持続性で勝り、他方は初期輝度が高い)から、残光初期には初期輝度が高い方の発光色が勝り、後期には残光時間が長い方の発光色が勝るので、紫外線LEDの消灯後において経時的に色を変化させることができる。
2種類の蓄光蛍光体は、混合または積層して使用すればよい。
【0010】
蓄光蛍光体の例としては、次の一般式(1)、(2)で示されるものがある。
【0011】
【化1】
Me4Al1425:X ・・・(1)
【0012】
【化2】
MeAl24:X ・・・(2)
ただし、Meはストロンチウム、マグネシウム、カルシウムから選ばれる1種以上の金属元素、Xはユーロピウム、セリウム、ランタン、テルビウム、ジスプロシウム、ツリウムから選ばれる1種以上の元素である。賦活剤としての元素(X)は、ユーロピウム、セリウム、ランタン、テルビウム、ジスプロシウム、ツリウムから選ばれる1種以上で、複数種類を使用する場合の各元素の比率は特に限定されない。また、金属元素(Me)に対するこれら元素(X)の比率も特に限定されない。なお、一般式(1)の蓄光蛍光体は持続性に優れ、一般式(2)の蓄光蛍光体は初期輝度が高い特性がある。
【0013】
請求項2記載の遊技機部品においては、前記2種類の蓄光蛍光体の前記一方は、上記の一般式(1)で示されるものから選択され、前記他方は上記の一般式(2)で示されるものから選択される。
請求項3記載の遊技機部品においては、前記2種類の蓄光蛍光体として、Sr 4 Al 14 25 :Eu,Dyと、SrAl 2 4 :Euとが用いられる。
【0014】
レンズ部に蓄光蛍光体を用いるための形態や形状には特に限定はなく、印刷、塗装、コーティング、練り込み、シール等が例示される。レンズ部は例えばローレットが設けられたり、曲面形状にされることが多いので、レンズ部を形成する合成樹脂に蓄光蛍光体を練り込んだり、蓄光蛍光体を担持するシールをレンズ部に貼着するとよい。蓄光蛍光体をシールに担持するには、シールを形成する基材(合成樹脂)に蓄光蛍光体を練り込んだり、表面に印刷や塗布すればよい。蓄光蛍光体を複数層に重ねる場合には、蓄光蛍光体を担持したフィルム(シール)を積層すればよい。
【0015】
遊技機部品の種類や用途には特に限定はなく、例えば弾球遊技機の入賞装置、や弾球遊技機の電飾装置として使用することができる。入賞装置としては、いわゆるチャッカ、チューリップ式の変動入賞装置、大入賞装置(いわゆるアタッカーや羽根もの等)が例示される。弾球遊技機の電飾装置としては、ランプ風車、サイドランプ、コーナーランプ、大当たりランプ等が例示される。
【0018】
請求項4記載の遊技機部品は、請求項1ないし3のいずれか記載の遊技機部品において、前記紫外線LEDを、その光軸が前記レンズ部を直射しない姿勢で配して、前記レンズ部側の交差角度を鈍角にして前記光軸と交差する傾斜面を有して前記紫外線LEDからの光を前記レンズ部に向けて反射する反射部を、前記レンズ部側から見て前記紫外線LEDの背後に設けたことを特徴とする。
【0019】
紫外線LEDの光軸、すなわち紫外線の密度が高い部分(光量が多い部分)がレンズ部を直射せず、紫外線LEDからの光は反射部によって反射されてからレンズ部に達するから、レンズ部に当たる紫外線密度が平均化されている。つまり、紫外線LEDの光軸部分がレンズ部を直射したときのような紫外線の密度が高いスポットができることはないので、紫外線の大部分は蓄光蛍光体によって吸収され、レンズ部を透過して遊技者側に達する紫外線量はきわめて少なくなる。
【0020】
この紫外線密度を平均化する効果をより良好にするには、反射部において散乱反射させるとよい。具体的には、例えば反射部の表面に白色顔料を印刷したり、白色顔料を反射部となる透明な樹脂の内部に分散させたり、反射部の表面を粗面とする等で、紫外線の反射方向をランダムにさせるとよい。
【0021】
紫外線LEDを収容するケーシングの内面を反射部として利用すれば簡便であるが、上記のような散乱反射をもたらす反射板を別途設けてもよい。
請求項4記載の遊技機部品は、レンズ部側の交差角度を鈍角にして紫外線LEDの光軸と交差する傾斜面を有して紫外線LEDからの光をレンズ部に向けて反射する反射部を、レンズ部側から見て前記紫外線LEDの背後に設けたので、光軸に沿って進行してきた紫外線を傾斜面で散乱させて効率よくレンズ面に向かわせることができる。なお、傾斜面は平面に限るものではなく、曲面であっても、或いは平面と曲面の組合せなどでも構わない。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例により発明の実施の形態を説明する。
【0024】
【実施例1】
本実施例は、遊技機の一種であるパチンコ機に装備されるチャッカ(入賞装置)に本発明を適用した例である。
図1及び図2に示すように、入賞装置10は、いずれもプラスチックで成形された球受体11、レンズ体12、ベース体13及び背板14と基板15、紫外線LED17等から構成されている。球受体11は顔料にて着色されている。また、レンズ体12も透光性であり顔料にて着色され、表面にはSrAl24:Eu蓄光性蛍光体(緑発光)が塗着されている。蓄光性蛍光体の粒径は約20μmで、これを透明なクリア(接着剤)と混合して塗着したものであり、塗膜の厚さは約0.1mmであるが、顔料による色はほとんど隠さない。そして、蓄光性蛍光体の塗着層の上に透明な紫外線カットコーティングが施されている。つまり、図6に模式的に示すように、紫外線カットコーティング層、蛍光体層、透光性プラスチックの3層構造になっている。
【0025】
球受体11の上縁は入賞口11aとなり、ここから流入(入賞)した遊技球は、ベース体13に設けられた樋部13aにて遊技盤(図示省略)の背面側に誘導される。球受体11はベース体13の基板部13bに挿通されたビスにてベース体13に固定されている。また、レンズ体12は球受体11の下側に垂れ下がる腕部11bにて抱え込まれるようにして、球受体11とベース体13の間に保持されている。
【0026】
レンズ体12の内部は空洞状で、その背後に位置するベース体13の基板部13bには貫通穴13cが設けられている。
ベース体13には、樋部13aに沿った一対のボス13dが設けられており、基板15はボス13dと背板14とで挟まれて、背板14からボス13dに達するビスにてビス止めされて懸垂されている。
【0027】
そして、紫外線LED17は、その端子ピン(図示は省略)が基板15にはんだ付けされて保持され、紫外線LED17の先端部分は貫通穴13cに挿入されている。
紫外線LED17が点灯される前は、レンズ体12は着色顔料による色に見えている。紫外線LED17が点灯されると、その紫外線によってレンズ体12の蓄光性蛍光体が励起されて発光し、レンズ体12は緑色に見える。そして、適宜の時間後に紫外線LED17を消灯しても蓄光性蛍光体は発光を継続する。SrAl24:Eu蓄光性蛍光体は初期輝度が高いが残光時間は比較的短いタイプであるので、やがて発光を終える。ただし、この残光時間は紫外線LED17の照射時間に比べれば格段に長い。
【0028】
したがって、紫外線LED17は、短時間だけ点灯してそれよりも格段に長い時間は消灯させればよい。紫外線LED17の点灯時間が短くて済むから消費電力も少なくて済み、省エネとなる。電飾効果を得るためには継続して点灯しなければならない通常のLEDや電球に比べれば、遊技機の消費電力が格段に低下し、省エネ効果はきわめて優れている。
【0029】
このように、紫外線LED17の点灯時にはレンズ体12に担持されている蓄光蛍光体が蛍光を発し、また紫外線LED17の消灯後もしばらくは残光発光するから、レンズ体12の色を着色顔料による色と蛍光による色とに変化させることができる。
【0030】
また、残光時間の長い蓄光蛍光体、例えばSr4Al1425:Eu,Dy蓄光性蛍光体(青発光)を、初期輝度が高く残光時間が短い蓄光蛍光体例えば上記のSrAl24:Eu蓄光性蛍光体(緑発光)と混用すれば、残光初期には緑発光が勝り後期には青発光が勝るので、紫外線LED17の消灯後における色変化も可能となる。
【0031】
なお、紫外線カットコーティングの働きにより紫外線が遊技者側に放射されるのが防止されている。
【0032】
【実施例2】
本実施例は、遊技機の一種であるパチンコ機に装備されるランプ風車に本発明を適用した例である。
図3及び図4に示すように、ランプ風車20においては、いずれも透光性プラスチックの第1レンズ体25と第2レンズ体26とをはめ合わせて、レンズ部に該当する回転体27が形成されている。なお、両レンズ体25、26は透光性であり顔料にて着色されている。そして、第1レンズ体25の表面には青色発光するストロンチウム系蛍光体(例えばSr227:Eu、Sr5(PO43Cl:Eu)が、第2レンズ体26の表面には赤色発光するイットリウム系無機蛍光体(例えばY23:Eu、Y22S:Eu)がそれぞれ塗着され、その上に透明な紫外線カットコーティングされている。つまり、顔料による色や蛍光体の種類は異なるものの、層構造としては実施例1のレンズ体12と同様(図6参照)である。
【0033】
この回転体27の中心(第1レンズ体25の軸孔25a及び第2レンズ体26の軸孔26a)を回転軸28が貫通しており、回転体27は回転軸28を中心として回転自在である。なお、第1レンズ体25と第2レンズ体26とが互いに嵌合状態になっているので、第1レンズ体25と第2レンズ体26とは共回りする。
【0034】
回転軸28は、プラスチック製のベース体29の軸受29aに保持されている。また、回転体27に回転軸28を挿通した後で、第1レンズ体25の軸孔25aは軸カバー30によって覆われている。
ベース体29は板状の基板部29bを備えており、基板部29bの中心には前述の軸受29aが設けられ、その左右には一対の投光孔29cが設けられている。
【0035】
基板部29bの背後には、軸受29aの外筒部分が延長されており、その上下にはボス29e、29fが連設されている。そして、ボス29fの先端突起を嵌合され、ボス29eにビス止めされて、ベース体29に基板31が取付けられている。
【0036】
基板31は円盤状で、回転軸28を貫通させる中心孔31cが設けられている。そして、中心孔31cを挟むようにして一対の紫外線LED32が配されており、それらの端子ピン(図示略)が基板31にはんだ付けされている。紫外線LED32の先端は投光孔29cに対面しており、紫外線LED32から放射される紫外線は投光孔29cを通って回転体27に到達できる。
【0037】
紫外線LED32が点灯される前は、回転体27は着色顔料による色に見えている。紫外線LED32が点灯されると、その紫外線によって第1レンズ体25及び第2レンズ体26の蛍光体が発光するので、第1レンズ体25は青色に、第2レンズ体26は赤色に見える。紫外線LED32を消灯すれば回転体27は着色顔料による色に戻る。このように、紫外線LED32の消灯時と点灯時とで回転体27の色を変化させることができる。
【0038】
実施例1のように蓄光蛍光体を使用すれば紫外線LED32の消灯後もしばらくは残光発光による効果を得ることができる。
また、2つの紫外線LED32の一方を通常のLEDに置き換えることも可能で、この場合には回転体27の例えば左半部を蛍光発光による色とし、右半部をLEDに由来する透過光の色とすることができる。但し、このようにして回転体27の回転に伴う色変化を楽しませるには、蓄光性を持たない蛍光体が適している。
【0039】
なお、紫外線は蛍光体に吸収され、また紫外線カットコーティング層でも吸収されるので、遊技者の目に到達する紫外線はほとんどない。
【0040】
【実施例3】
この例は紫外線LEDの光軸をレンズ部に向けない構成の例であり、遊技盤に取り付けられるサイドランプや前枠などに設置される電飾に適している。
図5に示すように、電飾装置60は例えば前枠61に設けられた凹部62、その内部に収容された紫外線LED65、凹部62に蓋をする状態で取り付けられたレンズ部66等にて構成されている。
【0041】
この例では前枠6は明色系の顔料(例えば白色顔料)で着色されたプラスチック(例えばポリカーボネート)であり、凹部62も同材料である。
また、レンズ部66は顔料で着色された透光性のプラスチック製で、表面には上述のような蓄光蛍光体の層が設けられており、蓄光蛍光体層の表面には透明な紫外線カットコーティングが施されている。顔料による色や蓄光蛍光体の種類は異なるものの、層構造としては実施例1のレンズ体12と同様(図6参照)である。
【0042】
凹部62は、レンズ部66の縁部が嵌合、接着されている内壁67とレンズ部66に対面する底部68とからなっている。
紫外線LED65は内壁67の背後に配されたプリント基板64に端子ピンをはんだ付けされており、図示しない配線により紫外線LED65に電力を供給可能である。
【0043】
また、底部68は、紫外線LED65付近の平坦面69と紫外線LED65から遠い側の傾斜面70とから構成されている。設計上は、平坦面69は紫外線LED65の光軸Cと平行で、傾斜面70と光軸Cとの間の角度は30度である。
紫外線LED65が点灯されると、紫外線LED65からの光は光軸Cを中心として円錐状に広がる。ただし、光量は光軸C付近が多くそれから離れるに従って少なくなる。
【0044】
このような光の円錐を想定して、その側面に近い部分の光L1は平坦面69に入射する。その平坦面69が明色系の顔料を含むプラスチックであるので、その顔料の微粉末の働きにより、入射した光は散乱反射されおおむねはレンズ部66に向かい、一部は傾斜面70に向かうこともある。
【0045】
平坦面69に入射する光L1よりも光軸C寄りの光L2や光軸C付近の光L3は傾斜面70に当たる。また、平坦面69によって反射されてから傾斜面70に当たる光もある。いずれにしても、傾斜面70に当たった光は、ここでも散乱反射されてレンズ部66に向かう。
【0046】
さらに、平坦面69または傾斜面70に当たらずに、紫外線LED65の反対側の内壁67に当たる光L4は、やはり散乱反射されてレンズ部66に向かったり、紫外線LED65側の内壁67などに向かうものがある。
なお、図5においては光L1、L2、L3、L4が一点で多方向に散乱されるように示しているが、これは説明を簡明にするためであり、実際にはわずかな入射位置及び入射角の違いによって反射方向が様々に異なり、その結果として散乱反射となる。
【0047】
あるいは、内壁67、平坦面69、傾斜面70に向かわずに、直接レンズ部66に向かう光L5もある。
このように、紫外線LED65からでた光は、内壁67、平坦面69、傾斜面70にて散乱反射されてまたは直接レンズ部66に向かう。また、内壁67、平坦面69、傾斜面70にて散乱反射されてからレンズ部66に向かわずに、再び内壁67等で反射される光もあるが、そうしたものもいずれはレンズ部66に向かう。つまり、紫外線LED65から放射された光のほとんどがレンズ部66に向かう。
【0048】
レンズ部66に入射した光はここを透過する際に蓄光蛍光体に吸収され、紫外線を吸収した蓄光蛍光体は蛍光を発する。
このように、紫外線LED65から放射された光がきわめて効率よくレンズ部66に向けられる。紫外線LED65から出た光の多くが直接レンズ部66には向かわずに、凹部62の内部で散乱反射されてからレンズ部66に達している。つまり、紫外線LED65から出た光がランダムな方向から、しかも混ざり合った状態でレンズ部66に達している。このため、紫外線LED65の光軸Cをレンズ部66に垂直方向にして配置する場合のように、レンズ部66に光のスポットが生じることはなく、レンズ部66をほぼ均等に照射できる。したがって、レンズ部66全体をほぼ均等な強さで発光させることができ、明暗のむらも生じない。
【0049】
紫外線LED65を、その光軸Cがレンズ部66を直射しない姿勢で配して、紫外線LED65からの光を凹部62の内部で散乱反射させてからレンズ部66に至らせるので、レンズ部66に当たる紫外線密度が平均化されている。
紫外線LED65の光軸部分がレンズ部66を直射したときのような紫外線の密度が高いスポットができることはないので、紫外線の大部分は蓄光蛍光体によって吸収され、レンズ部66を透過して遊技者側に達する紫外線量はきわめて少なくなる。また紫外線カットコーティング層があるので、遊技者の目に到達する紫外線はほとんどない。
【0050】
この実施例3の構成によっても、実施例1、2と同様に紫外線LED65の点灯、消灯に応じて色の変化を楽しめる。
なお、実施例3では電飾装置13を前枠6に組み込む構造(前枠6が電飾装置13の一部を兼ねる構造)としているが、凹部62に該当する部分をケーシングとして電飾装置13を独立の部品とすることもできる。そして、そのように独立の部品とした構造は、例えば遊技盤の左右部分に装備されるサイドランプ等に適用できる。
【0051】
また、前枠等の枠類に凹部62に相当する取付穴を設けておいて、上記のように独立の部品とした構造の電飾を取付穴に埋め込み装着することも可能である。この構造はケーシングと枠類との材質が異なる場合(例えば木製の枠類)にも適用できる。
【0052】
前枠等に装着する電飾やサイドランプは、チャッカなどに比べれば大型であるから、複数の紫外線LEDを使用した方が良好な場合もある。その場合、複数の紫外線LEDを同じ向きにして並置してもよいし、対面する方向に配置してもよい。複数の紫外線LEDを対面配置する場合には、それぞれに対して傾斜面70を設ける(一対の傾斜面70を背中合わせに配して山状にする)とよい。
【0053】
さらには、紫外線LEDと通常のLEDとを混用することも可能で、この場合には紫外線LEDによる蛍光発光と通常のLEDに由来する透過光の色とに色変化させることができる。
以上、実施例に従って、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でさまざまに実施できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の入賞装置の構造の説明図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は側面図、(d)は下面図である。
【図2】 実施例1の入賞装置の構造の説明図であり、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図である。
【図3】 実施例2のランプ風車の構造の説明図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は側面図、(d)は下面図である。
【図4】 実施例2のランプ風車の構造の説明図であり、(a)は斜視図、(b)は分解斜視図である。
【図5】 実施例3の電飾装置の断面図である。
【図6】 実施例におけるレンズ部の層構造の模式図である。
【符号の説明】
10 入賞装置(遊技機部品)
12 レンズ体(レンズ部)
14 背板
17 紫外線LED
20 ランプ風車(遊技機部品)
32 紫外線LED
25 レンズ体(レンズ部)
26 レンズ体(レンズ部)
27 回転体(レンズ部)
60 電飾装置(遊技機部品)
61 前枠
62 凹部
64 プリント基板
65 紫外線LED
66 レンズ部
67 内壁(反射部)
69 平坦面(反射部)
70 傾斜面(反射部)
C 光軸

Claims (4)

  1. 発光源と、該発光源からの光が照射されるレンズ部とを備える遊技機部品において、
    前記発光源となる紫外線LEDを備えて、
    前記レンズ部には、互いに発光色が異なり、残光時間は一方が他方よりも長く、初期輝度は前記他方が前記一方よりも高い、2種類の蓄光蛍光体が用いられ、
    前記レンズ部の外表面には透明な紫外線カット層が設けられている
    ことを特徴とする遊技機部品。
  2. 請求項1記載の遊技機部品において、
    前記2種類の蓄光蛍光体の前記一方は、下記の一般式(1)で示されるものから選択され、前記他方は下記の一般式(2)で示されるものから選択されることを特徴とする遊技機部品。
    Me 4 Al 14 25 :X ・・・(1)
    MeAl 2 4 :X ・・・(2)
    ただし、Meはストロンチウム、マグネシウム、カルシウムから選ばれる1種以上の金属元素、Xはユーロピウム、セリウム、ランタン、テルビウム、ジスプロシウム、ツリウムから選ばれる1種以上の元素である。賦活剤としての元素(X)は、ユーロピウム、セリウム、ランタン、テルビウム、ジスプロシウム、ツリウムから選ばれる1種以上で、複数種類を使用する場合の各元素の比率は特に限定されない。
  3. 請求項1または記載の遊技機部品において、
    前記2種類の蓄光蛍光体は、Sr 4 Al 14 25 :Eu,Dyと、SrAl 2 4 :Euであることを特徴とする遊技機部品。
  4. 請求項1ないし3のいずれか記載の遊技機部品において、
    前記紫外線LEDを、その光軸が前記レンズ部を直射しない姿勢で配して、
    前記レンズ部側の交差角度を鈍角にして前記光軸と交差する傾斜面を有して前記紫外線LEDからの光を前記レンズ部に向けて反射する反射部を、前記レンズ部側から見て前記紫外線LEDの背後に設けたことを特徴とする遊技機部品。
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