JP2011044348A - 照明器具及び照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光の拡散性を高めて複数色のLEDの混色を促進し、色ムラのない所望の白色を放射させる。
【解決手段】 複数の発光ダイオード13aと、これら発光ダイオード13aから発せられた光を透過又は反射する導光体16aと、発光ダイオード13a及び導光体16aを内部に有した筐体11aとを備え、複数の発光ダイオード13aが、赤、緑、白の各発光ダイオード13aをそれぞれ一又は二以上有し、導光体16aが、ビーズインキの印刷された面を有し、導光体16aの一部又は全部が、発光ダイオード13aの視野角の中心方向に対して斜めに配置された。
【選択図】 図2

Description

本発明は、商品を照明する照明器具、この照明器具を複数備えた照明装置に関し、特に、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を使用した照明器具及び照明装置に関する。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店内には、多数の陳列棚が配置されている。この陳列棚には、商品を見やすくするための照明器具が取り付けられている。
従来、照明器具には、蛍光灯の直管(蛍光管)が使用されていた。ところが、蛍光灯は、消費電力が高い、寿命が短い、小型化,薄型化ができない、破損の危険性がある、水銀を使用している、ちらつきが起こる、光に熱線や紫外線を含むため食品の照明に適さないなどの問題があった。
そこで、蛍光灯に代わるものとして、発光ダイオード(LED)を用いた照明器具が提案されている。
LEDは、消費電力が小さい、寿命が長い、小型である、破損の危険性がほとんど無い、水銀を使用していない、光のちらつきがほとんど無いといった利点がある。また、LEDから発せられる光は、熱線や紫外線を含まないことから、特に食品の照明に適している。
ところが、LEDは、光の視野角が狭く、照射範囲が限られている。このため、LED一個だけでは、陳列棚に並べられた多数の商品を十分照明することができない。そこで、複数のLEDを備えた面発光の照明器具が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
この技術によれば、LEDを複数並べて照射範囲を広げたので、陳列棚に配置された商品の全体を明るく照らすことができる。
また、陳列棚用の照明器具ではないが、表示装置のバックライトとしてLEDを用いたものが提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
この技術は、LEDからの光を導光板で導光し、反射部材で反射し、これを表示板に照射していた。ここで、導光板の有する面のうち反射部材に対向する面をテーパ状とし、この面に多数の凹凸を形成していた。これにより、LEDからの光を散乱反射して、そのLED光のほとんどを表示板に照射させることができる。
さらに、同技術の表示装置に色の異なる複数のLEDを備えた場合、導光板の凹凸により、各LEDから発せられた光が拡散されて、各光の色を混色させることができる。
特開2008−229215号公報 特開平11−163412号公報 特開2001−229723号公報
しかしながら、上述した特許文献3に記載の技術においては、次のような問題があった。
例えば、同文献において、導光板に形成された凹凸は、そのピッチが細かい方が、光の拡散が活発になる。
ところが、その凹凸は、導光板の表面を加工したものであった。このため、その凹凸ピッチの細かさには限界があった。
また、赤,緑,青のLEDを備えた場合には、凹凸による拡散により、それら各色が混色されて、照明光が白になることが期待される。
ところが、前述したように、凹凸の細かさに限界があるため、拡散が十分になされず、白の照明光が得られるほど混色されなかった。しかも、混色が不十分なままでは、照明光に色ムラが生じ、照明対象物にその色ムラが写り込んでしまって、照明対象物の本来の色が損なわれるという問題があった。
さらに、赤、緑、青のLEDは、一般に照度が低い。このため、照明器具から発せられる照明光の照度も低くなっていた。そうすると、この照明器具が陳列棚などに取り付けられても、商品を十分に照明することができなかった。
また、一般的なLEDは、演色性が低かった。例えば、標準的なLEDの平均演色評価数は、Ra70〜80程度であった。このLEDを複数個照明器具に備えた場合、この照明器具から照射される光も演色性が低いものとなっていた。
ただし、中には、平均演色評価数の高いLEDも存在する。ところが、このようなLEDは、高価であるため、照明器具のコスト高を招くこととなっていた。
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、光の拡散性を高めて複数色のLEDの混色を促進するとともに、色ムラのない所望の白色を得ることができ、かつ、低いコストで照度や演色性の高い照明光を放射可能とする照明器具及び照明装置の提供を目的とする。
この目的を達成するため、本発明の照明器具は、複数の発光ダイオードと、これら発光ダイオードから発せられた光を透過又は反射する導光体と、発光ダイオード及び導光体を内部に有した筐体とを備え、複数の発光ダイオードが、赤、緑、白の各発光ダイオードをそれぞれ一又は二以上有し、導光体が、ビーズインキの印刷された面を有し、導光体の一部又は全部の面が、発光ダイオードの視野角の中心方向に対して斜めに配置された構成としてある。
また、本発明の照明装置は、複数の照明器具を備え、これら照明器具が、前述の構成を有する照明器具からなる構成としてある。
本発明の照明器具及び照明装置によれば、LEDの組み合わせを、赤、緑、青ではなく、赤、緑、白にしたことで、照度の高い白色照明を実現できる。これにより、この照明器具を陳列棚などに取り付けた場合には、商品を十分な明るさで照明することができる。
また、白のLEDに赤と緑のLEDを組み合わせたことで、白のLEDから発する光に含まれていない赤スペクトルや緑スペクトルを加えることができ、照明光の演色性を高めることができる。
さらに、白のLED自体が演色性の低い安価なLEDであったとしても、赤と緑のLEDを組み合わせることで、照明光の演色性を向上できる。つまり、演色性の高い高価な白のLEDを使用しなくても、低コストを維持しつつ、演色性の高い照明光を実現できる。
また、導光体の一部又は全部の面にビーズインキを印刷したことで、LED光を拡散させて混色を促進し、所望の白色を得ることができる。特に、ビーズインキは、含有するビーズ球がインキ内で面方向と深さ方向の両方向に分布するため、面方向にのみ分布する特許文献3に記載の凹凸に比べて、光の拡散頻度が高い。これにより、混色が十分に促進されることから、赤や緑が放射面に写し出されて色ムラが発生することを防ぐことができ、しかも、照明対象物に赤や緑が写り込むことがなくなる。
さらに、導光体の各面を、発光ダイオードの視野角の中心方向に対して斜めに配置したことで、LED光を放射部に集め、これを照明光として放射させることができる。これにより、LED光の利用効率を向上できるとともに、放射部の輝度を高めることができる。
本発明の第一実施形態における照明器具の構成を示す外観斜視図である。 図1に示す照明器具の内部構成を示す断面図である。 図2に示す照明器具の内部構成を示す断面図(図2のI−I断面図)である。 複数のLEDを基板に配置した状態を示す外観図である。 LEDの調光に関するデータを示す図表である。 LED光の動向を示す断面図である。 LEDの指向特性を示す図である。 LED光がビーズ球に反射する様子を示す図である。 本発明の第一実施形態における照明器具の他の構成を示す断面図である。 本発明の第一実施形態における照明器具のさらに他の構成を示す断面図である。 本発明の第一実施形態における照明器具の別の構成を示す断面図である。 本発明の第一実施形態における照明器具のさらに別の構成を示す断面図である。 本発明の第一実施形態における照明器具の他の構成を示す断面図である。 本発明の第二実施形態における照明器具の構成を示す断面図である。 図14に示す照明器具の各部品を分解した様子を示す分解図である。 本発明の第二実施形態における照明器具の他の構成を示す断面図である。 本発明の第二実施形態における照明器具のさらに他の構成を示す断面図である。 発光拡散部を四つ備えた構成を示す断面図である。 発光拡散部を四つ備えた他の構成を示す断面図である。 発光拡散部を四つ備えたさらに他の構成を示す断面図である。 本発明の照明装置の構成を示す断面図である。 本発明の照明装置の他の構成を示す断面図である。 本発明の照明装置のさらに他の構成を示す断面図である。 本発明の照明装置の別の構成を示す断面図である。 本発明の照明装置のさらに別の構成を示す断面図である。 照明器具を陳列棚に取り付けた状態を示す側面図である。
以下、本発明に係る照明器具及び照明装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
[照明器具の第一実施形態]
まず、本発明の照明器具の第一実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、本実施形態の照明器具の外観を示す斜視図である。図2は、該照明器具の内部構造を示す断面図である。図3は、該照明器具の内部構造を示す長手方向断面図(図2に示した照明器具のI−I断面図)である。
(基本構成)
図1〜図3に示すように、本実施形態の照明器具10aは、筐体(ケース)を構成するハウジング11aと、このハウジング11aの内部に取り付けられた基板12aと、この基板12aに実装された発光体(発光素子)13aと、ハウジング11aの開口部11a−1を閉塞するように取り付けられた光透過板14aと、ハウジング11aの内部に設けられて発光体13aからの光を反射して光透過板14aへ送る反射板15aと、基板12aと光透過板14aと反射板15aにより囲まれた空間に設けられた導光体16aとを備えている。
ハウジング11aは、図1、図2に示すように、内部が空洞のほぼ三角柱形状に形成されている。
このハウジング11aは、たとえば、アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。また、引き抜き加工により製造できる。
なお、照明器具10aの寸法は、照明器具10aが取り付けられる什器(陳列棚など)の大きさや形状等に応じて任意に決めることができる。
また、ハウジング11aの長手方向両端部には、側面蓋11a−2が設けられており、これにより両端部が閉塞されている。
(基板)
基板12aは、電子素子や電気配線などを実装するための平板である。電子素子には、例えば、発光体13a、抵抗R、集積回路ICなどが含まれる。
この基板12aには、例えば、ベークライト基板やガラスエポキシ基板など、従来公知の基板を用いることができる。
この基板12aは、ハウジング11aの内部の空間において、開口部11a−1が形成されていない面に設けられている。
また、基板12aは、開口部11a−1に対して斜めになるように設けられている。
なお、基板12aは、一枚のみ設けて、これにすべての発光体13aを実装してもよいし、また、基板12aを複数枚設けて、発光体13aを所定個ずつ実装してもよい。
(発光体)
発光体13aは、照明器具10aから放射される照明光の光源である。
この発光体13aには、LEDが用いられる。
LEDは、一台の照明器具10aに複数設けられる。本実施形態においては、赤を発するLED(R−LED)、緑を発するLED(G―LED)、白を発するLED(W−LED)が、それぞれ所定数ずつ設けられる。
これらR−LED、G―LED、W−LEDを用いる理由には、次の三つがある。
(i)絶対照度の維持、コスト低減、省電力化
(ii)演色性の向上
(iii)所望の色温度の白を得る
(i)絶対照度の維持、コスト低減、省電力化
光の三原色は、赤、緑、青であり、これらを加法混色すると、白が得られる。このため、照明光を白にしたい場合は、照明器具に、R−LED、G−LED、B−LED(青を発するLED)をそれぞれ実装することも考えられる。
ところが、それらR−LED、G−LED、B−LEDは、いずれも照度が低い。このため、所望の照度を得るには、各LEDを相当数実装する必要がある。そうすると、照明器具がコスト高となる。
そこで、本実施形態の照明器具10aは、W−LEDを実装する。
W−LEDは、他の色のLEDに比べて照度が高い。つまり、R−LED等とW−LEDとをそれぞれ同数実装した場合、W−LEDの方が照度が高くなる。また、所望の照度(絶対照度)を得ようとする場合、W−LEDは、R−LED等よりも少ない個数で得ることができる。これらのことから、W−LEDを実装することで、実装個数を減らしてコストを低減できるとともに、省電力化を図ることができる。しかも、絶対照度を上げたいときは、W−LEDを増やすだけで容易に上げることができる。
(ii)演色性の向上
演色性指数(Ra)を高めるためには、自然界と同じ七色のスペクトルが照明光に含まれていることが望ましい。
ここで、例えば、照明器具に、R−LED、G−LED、B−LEDを実装した場合を考えると、これらは単波長であるので、それら三つの色のスペクトルしか得られない。しかも、この場合は、黄色のスペクトルが欠落している。このため、演色性指数(Ra)が低くなっていた。
また、白を得るのに、そのままW−LEDを実装することも考えられる。しかし、W−LEDは、一般に、青LEDを黄蛍光体で覆うことにより白色を放射する方式(蛍光体方式)を採用している。このため、赤や緑のスペクトルが不足しており、演色性指数がRa70以下と低かった。
そこで、本実施形態の照明器具10aは、W−LEDの他に、R−LEDやG−LEDを設けることとした。このように、R−LEDやG−LEDから発する赤や緑を、W−LEDから発する白(青&黄スペクトル成分)と混色することで、赤や緑のスペクトルが追加され、各色のエネルギー配分が理想的な配分となり、演色が高まるとともに、演色性指数をRa95以上に高めることができ、また青チップに黄色蛍光体によるLEDは発光増感効果が高く、より明るい照明効果と省エネが期待できる。
(iii)所望の色温度の白を得る
R−LED、G−LED、W−LEDの三種のLEDに流す電流を調整(調光)することで、所望の色温度の白色を得ることができる。
例えば、R−LED、G−LED、W−LEDをそれぞれ複数個(例えば30個ずつ)用意する。
次いで、図4に示すように、基板12aに、複数個のR−LEDを一列に並べて配置する。また、複数個のG−LEDを、R−LEDの列に平行に、一列に並べて配置する。さらに、複数個のW−LEDを、G−LEDの列に平行に、一列に並べて配置する。
そして、色ごとに電流値を調整できるように(調光できるように)配線する。
続いて、所定の調光手段(電流調整機能を有した手段。例えば、調光器など)を用いて、各LEDに対し、色ごとに流す電流の値を変えていく。
例えば、図5に示すように、R−LEDの電流値を約158mA、G−LEDの電流値を約70mA、W−LEDの電流値を約38mAとする。このとき、混色して得られる照明光の発光色は、電球色となり、この電球色のXY色座標は、(X0.45/Y0.41)となる。
また、R−LEDの電流値を約45mA、G−LEDの電流値を約23mA、W−LEDの電流値を約44mAとする。このとき、混色して得られる照明光の発光色は、温白色となり、XY色座標は、(X0.40/Y0.39)となる。
さらに、R−LEDの電流値を約33mA、G−LEDの電流値を約20mA、W−LEDの電流値を約128mAとする。このとき、混色して得られる照明光の発光色は、昼白色となり、XY色座標は、(X0.34/Y0.35)となる。
また、R−LEDの電流値を約14mA、G−LEDの電流値を約9mA、W−LEDの電流値を約168mAとする。このとき、混色して得られる照明光の発光色は、昼光色となり、XY色座標は、(X0.31/Y0.32)となる。
このように、本実施形態の照明器具10aは、電球色や温白色など、市販の蛍光管が発する色温度と同等の色温度の発光色を、LEDを用いて、効率良くかつ安価で得ることができる。
また、R−LED、G−LED、W−LEDのそれぞれに流す電流を調整・制御することで、電球色や温白色だけでなく、種々の色温度の白色の照明光を得ることができる。
さらに、基板12aにおいて、R−LEDの列とG−LEDの列とW−LEDの列を、それぞれ反射板14aに対して平行に配置したことで、図6に示すように、上下混色が可能となる。つまり、R−LEDの光は、反射板15aでの反射後、G−LEDの光とW−LEDの光に交錯した後に放射される。また、G−LEDの光は、反射板15aでの反射の前後で、R−LEDの光とW−LEDの光に交錯し放射される。さらに、W−LEDの光は、R−LEDの光とG−LEDの光に交錯した後に、反射板15aで反射して放射される。これらのように、R−LED、G−LED、W−LEDのそれぞれから発せられる光は、反射板15aでの反射の前後で互いに交錯し混色される。このことから、混色を十分に行うことができ、赤や緑が表れて色ムラが生じたり、赤や緑が照明対象物に写し込まれたりすることがなくなる。
なお、本実施形態において、LEDの調光は、電流値を調整して行うこととしたが、この方法に限るものではなく、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)調光方式によりLEDを調光することもできる。
また、図5においては、蛍光管が発する色温度(電球色等)を挙げているが、本実施形態の照明器具10aが発する発光色は、同図に示す色温度に限るものではなく、任意のXY色座標における発光色になるよう調光することができる。
また、LEDは、視野角が120°のものを用いることができる。
LEDの視野角とは、図7に示すように、そのLEDの発光範囲を角度で表したものをいう。そして、視野角の中心方向は、その発光範囲の中心を通る方向となる。例えば、LEDが砲弾型の場合、その砲弾形状の先端から延長した方向となる。
さらに、W−LEDの中には、紫外線を発するLEDと、その紫外線をあてることで赤,緑,青の三色の光を発し全体で白色の光を発する蛍光体とを組み合わせたものがあり(紫外線利用LED)、このLEDを、本実施形態の発光体13aとして用いることもできる。
ただし、照明対象が文化財や芸術作品などの場合には、照明光に含まれる紫外線から影響を受けることもある。この場合は、紫外線利用LEDではなく、前述した蛍光体方式(青LEDを黄蛍光体で覆うことにより白色を放射する方式)のLEDを用いるのが望ましい。
(光透過板)
光透過板14aは、ハウジング11aの開口部11a−1を閉塞するように取り付けられている。具体的には、開口部11a−1の縁部に溝部11a−3が形成されており、この溝部11a−3に光透過板14aの外周部が嵌合するようになっている。これにより、光透過板14aが支持される。
この光透過板14aは、発光体13a、反射板15a、導光体16aのそれぞれからの光を透過して外部へ放射する。
この光透過板14aは、例えば、アクリル樹脂(メタクリル酸メチル樹脂(PMMA:Polymethylmethacrylate)など)、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene terephthalate)、ポリカーボネート(Polycarbonate)などの材料を用いて形成できる。
(反射板)
反射板15aは、ハウジング11aの内部空間において、開口部11a−1が形成された面及び基板12aが取り付けられた面以外の面(取付部11a−4)に取り付けられている。
この反射板15aは、発光体13aから発せられた光のうち、取付部11a−4の方向に発せられた光であって導光体16aを透過した光を反射する。この反射した光は、そのほとんどが光透過板14aに達し、この光透過板14aを透過して外部へ放射される。
この反射板15aは、図2、図3に示すように、取付部11a−4のほぼ全体(ほぼ全面)を覆う大きさとなっている。これにより、その取付部11a−4に向かう光のほとんどを反射して、光透過板14aへ送ることができる。つまり、反射板15aの設置により、光の利用効率を高めることができる。
また、反射板15aは、開口部11a−2及び光透過板14aに対して斜めに配置されている。さらに、反射板15aは、基板12aに対して斜めに配置されている。このため、図6に示すように、発光体13aからの光のうち反射板15aに向かってきた光のほとんどを光透過板14aへ送ることができる。
さらに、反射板15aの裏面側には、図3に示すように、コネクタ15a−1を取り付けることができる。コネクタ15a−1は、複数の照明器具10aを連結するための部材である。連結に際しては、ハウジング11aから側面蓋11a−2を取り外し、露出したコネクタ15a−1と、他の照明器具10aのコネクタ15a−1とを接続する。これにより、ハウジング11aの端部同士が接合し、隣接するハウジング11aが一体化する。このように連結することで、複数の照明器具10aを長尺化することができる。
(導光体)
導光体16aは、三角柱の形状に形成された透明の部材である。
この導光体16aは、光透過板14aと反射板15aと基板12aで囲まれた空間内に設けられている。そして、三角柱の三つの側面のうちの一つの面は、光透過板14aに対向し、他の一つの面は、反射板15aに対向し、さらに他の一つの面は、基板12aに対向している。
この導光体16aは、例えば、アクリル(PMMA(Poly methyl methacrylate))樹脂など、光を透過する材料や透明な材料で形成することができる。
この導光体16aの表面の全体又は一部には、ビーズインキを印刷することができる。
ビーズインキとは、透明インク(メジウムインク)の中に、球体、非球体、多角形等のガラスビーズ又は樹脂ビーズを含有したインクをいう。
このビーズインキに含有されるビーズの直径は、例えば、10μm〜100μmとすることができる。また、ビーズは、透明のものを用いることができる。さらに、このビーズインキを白く光らせる場合は、少量の酸化チタンなどを入れるとよい。
ビーズインキの印刷には、フレキソ印刷、パッド印刷、シルクスクリーン印刷など一般的な印刷法のいずれかを用いることができる。ただし、光を拡散するのに十分な印刷膜厚を確保するためには、シルクスクリーン印刷が最も好ましい。
また、ビーズインキの印刷は、ベタ印刷で行ってもよく、あるいは、ドット印刷で行ってもよい。
ベタ印刷とは、印刷面の全体に印刷を行うことをいう(全面印刷)。
ドット印刷とは、印刷面にドット柄で(水玉模様のように)印刷することをいう。
ドット印刷を行う場合、シルクスクリーン印刷を行うことで、ドットの位置を正確に印刷することができる。
また、ドット印刷を行う場合、光源(発光体13a)からの距離により、ドット径を変えることができる。例えば、光源から近いドットの直径を小さくし、遠いドットの直径を大きくする。これにより、光源から近いところと遠いところで、反射する光量を同等にし、面均一発光にすることができる。
ただし、ハウジング11aの内部における光の直線距離が最大10〜100mm程度であれば、光の減衰は、ほとんど無い。このため、ドットの径を変えてまで光量の調整を行う必要はない。このことから、ドット印刷ではなく、光の利用効率の高いベタ印刷を行う方がよい。
また、ドット印刷は、単位面積あたりの発光が劣る。このことから、単位面積あたりの発光がほぼ最大となるベタ印刷を行うのが望ましい。
このように、導光体16aにビーズインキを印刷することで、発光体13aからの光を拡散することができる。これにより、R−LED、G−LED、W−LEDそれぞれから出射された赤、緑、白の光のミキシングが良好となり、演色性の高い照明器具を提供できる。
特に、印刷されたビーズインキにおいて、ビーズは、図8に示すように、面方向と深さ方向の両方向に不規則に分布する。このため、入射光は、一つのビーズに反射するものもあれば、複数のビーズに次々反射するものもある。また、入射光は、ビーズのどの部分で反射するかによって、入射方向に対し鋭角に反射したり、鈍角に反射したりする。これらにより、光が拡散され、混色が促進される。
なお、導光体16aのうち反射板15aに対向する面16a−2にビーズインキが印刷されている場合、この面16a−2に達したLED光は、そのビーズインキにより拡散し、多くは光透過板14aへ向かって進む。ただし、拡散により反射板15aへ向かって進む光もある。この光は、反射板15aで反射して光透過板14aの方へ進む。
また、導光体16aのうち光透過板14aに対向する面16a−1にビーズインキが印刷されている場合、この面16a−2に達したLED光は、そのビーズインキにより拡散し、反射板15a,光透過板14a,基板12aのいずれかの方へ向かって進む。これらのうち光透過板14aへ向かった光は、外部へ放射される。
さらに、導光体16aのうち基板12aに対向する面16a−3にビーズインキが印刷されている場合、この面16a−1に達したLED光は、そのビーズインキにより拡散する。この拡散により、LED光の混色が促進される。
このように、ビーズインキの印刷は、光拡散の観点からは、導光体16aのどの面に行ってもよいが、光を光透過板14aに集めるためには、少なくとも反射板15aに対向する面16a−2に施すのが望ましい。
また、導光体16aにビーズ印刷を施した場合と、施さなかった場合とで、光透過板14aにおける輝度が相違する。
これについて、発明者は、実験を行った。
LEDは、R−LED,G−LED,W−LEDをそれぞれ30個ずつ用意し、基板12aに配置した。配置の仕方は、図4に示した通りである。
各LEDに流す電流は、図5の「1」に示す電流値とした。
導光体16aは、ビーズ印刷を施していないものと、施したものの二つを用意した。
ビーズインキは、直径20〜50[μm]程度のビーズを、インクに対して約40%程度の密度で含有したものを用いた。
この条件下で、導光体16aにビーズ印刷を施さなかった場合の光透過板14aにおける輝度を測定した。その結果、輝度は、約5000〜5500[cd/m]であった。
次いで、導光体16aの面16a−2にビーズ印刷を施した場合の光透過板14aにおける輝度を測定した。その結果、輝度は、約6500〜7500[cd/m]であった。
これらを比較すると、後者の方が、輝度が高くなっている。このことから、ビーズ印刷を施すことで、光の利用効率を高くできることがわかった。つまり、本実施形態の照明器具は、LEDの光が対象物に間接的に当たる構造としながらも、直接光に劣らない照度を得ることができる。
(傾斜構造)
次に、照明器具における導光体の傾斜構造について、図2、図9〜図12を参照して説明する。
図9〜12は、本実施形態の照明器具の構成例を示す断面図である。
本実施形態の照明器具10aは、光透過板14a、反射板15a、導光体16aの全部又は一部の面が、発光体13aであるLEDの視野角の中心方向に対して斜めに配置されている。
例えば、図2に示す構成においては、光透過板14aと反射板15aの両方が、LEDの視野角の中心方向Sに対して斜めに配置されている。ただし、LEDが搭載された基板12aと光透過板14aとの間が鋭角、基板12aと反射板15aとの間が鈍角となっている。
また、同図においては、導光体16aの有する面のうち光透過板14aに対向した面16a−1と反射板15aに対向した面16a−2の両方が、LEDの視野角の中心方向Sに対して斜めに配置されている。ただし、光透過板14aに対向した面16a−1と基板12aとの間が鋭角、反射板15aに対向した面16a−2と基板12aとの間が鈍角となっている。
このようにすると、反射板15aに対向した面16a−2に対して臨界角以内で光子が全反射し、この全反射した光子のすべてが光透過板14aに対向した面16a−1を介して光透過板14aから外部へ放射される。このため、例えば、その照明器具10aを陳列棚の棚板の下面に取り付けた場合には、該棚板のすぐ下の棚段に陳列された商品に対し、手前から棚奥まで、全体にわたって照明することができる(図26参照)。
さらに、図9においては、光透過板14aが、LEDの視野角の中心方向Sに対して斜めに配置されている。また、同図においては、導光体16aの有する面のうち光透過板14aに対向した面が、LEDの視野角の中心方向Sに対して斜めに配置されている。ただし、反射板15aと基板12aとの間が直角となっている。
このようにすると、LEDより発せられた光子のうち光透過板14aへ向かった光子は、外部へ放射される。一方、反射板15aに対向した面16a−2へ向かった光子は、該面16a−2から出射後、反射板15aにより導光体16aに戻され、光透過板14aから外部へ放射される。これにより、光透過板14aからの光子放射量を増やすことができ、光子の利用率を高めることができる。
また、図10においては、反射板15aが、LEDの視野角の中心方向Sに対して斜めに配置されている。さらに、同図においては、導光体16aの有する面のうち反射板15aに対向した面が、LEDの視野角の中心方向Sに対して斜めに配置されている。ただし、光透過板14aと基板12aとの間が直角となっている。
このようにすると、LEDより発せられた光子のうち反射板15aに対向した面16a−2から出射された光子は、反射板15aで反射して導光体16aに戻され、光透過板14aから外部へ放射される。このように、LEDより発せられた光子は、最終的には光透過板14aから外部へ放射されるので、光透過板14aからの光子放射量を増やすことができ、光子の利用率を高めることができる。
同様に、図11においては、光透過板14aと反射板15aの両方が、LEDの視野角の中心方向Sに対して斜めに配置されている。ただし、光透過板14aと基板12aとの間が鋭角、反射板15aと基板12aとの間も鋭角となっている。
また、同図においては、導光体16aの有する面のうち光透過板14aに対向した面16a−1と反射板15aに対向した面16a−2の両方が、LEDの視野角の中心方向Sに対して斜めに配置されている。ただし、光透過板14aに対向した面16a−1と基板12aとの間が鋭角、反射板15aに対向した面16a−2と基板12aとの間も鋭角となっている。
このようにすると、図9又は図10で示した構造と同様、光透過板14aからの光子放射量を増やすことができる。特に、反射板15aにおける臨界角度が大きくなるので、光子放射量をより多くできる。
さらに、図12においては、光透過板14aと反射板15aの両方が、LEDの視野角の中心方向Sに対して斜めに配置されている。ただし、光透過板14aと基板12aとの間が鈍角、反射板15aと基板12aとの間が鋭角となっている。
また、同図においては、導光体16aの有する面のうち光透過板14aに対向した面16a−1と反射板15aに対向した面16a−2の両方が、LEDの視野角の中心方向Sに対して斜めに配置されている。ただし、光透過板14aに対向した面16a−1と基板12aとの間が鈍角、反射板15aに対向した面16a−2と基板12aとの間が鋭角となっている。
このようにすると、図9〜図11で示した構造と同様、光透過板14aからの光子放射量を増やすことができる。また、光透過板14aでは、LEDからの直視光が少なくなり、そのほとんどが混色した間接光となるので、色ムラがなくなり、絶対的な視認性を良くすることができる。
なお、上述の説明では、光透過板14a、反射板15a、導光体16aの有する面がLEDの視野角の中心方向Sに対して斜めに配置されているとしたが、これは、換言すれば、光透過板14a、反射板15a、導光体16aの有する面が基板12aに対して斜めに配置されているということもできる。
これは、LEDを基板12aに取り付けた場合、LEDの視野角の中心方向Sは、通常、基板12aに対して垂直方向となる。このため、LEDの視野角の中心方向Sに対して斜めに配置されたものは、同時に、基板12aに対しても斜めに配置されることになるからである。
以上説明したように、本実施形態の照明器具は、赤,緑,白のLEDをそれぞれ複数個ずつ設けて、各LEDを調光可能とすることにより、照射光を任意の色温度の白色にすることができる。
また、赤,緑,青ではなく、赤,緑,白のLEDを用いることで、白LEDによる照度上昇を図ることができる。
さらに、複数個のLEDを基板に複数列で配置する際、各列ごとに異なる色で配置し、それら複数列を反射板に対して平行に配置したことにより、それら各色を上下混色することができる。
しかも、導光体の各面の向きを、LEDの視野角の中心方向に対して斜めに配置するとともに、導光体の表面にビーズインキを印刷することで、LEDからの光を拡散し、色目のばらつきを吸収して、赤,緑,白の光を容易かつ良好に混色できる。これにより、全てのLED光が十分混色された平均光を、光透過板のどの部分からも発光させることができる。このことから、面発光の品位を高くでき、陳列物への写り込みもなくなり、照射対象物の見た目を改善でき、演色性を高めることができる。
加えて、導光体のテーパ構造とビーズインクの表面均一塗布とを組み合わせることにより、LED光のほとんどを光透過板に集めて外部放射させることができる。これにより、LED光の利用効率を高めるとともに、光束の減衰を抑えることができる。
なお、図2、図6、図9〜図12に示す照明器具10aにおいては、ハウジング11aに形成される開口部11a−1を一つとしたが、開口部は、一つに限るものではなく、図13に示すように、二つ以上に設けることができる(開口部11a−11、11a−12)。そして、それら各開口部のそれぞれに光透過板を取り付けることができる(光透過板14a−1、14a−2)。
[第二実施形態]
次に、本発明の照明器具の第二の実施形態について、図14、図15を参照して説明する。
図14は、本実施形態の照明器具の構成を示す断面図である。図15は、図14に示す照明器具を分解した様子を示す分解断面図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、導光体等の構成が相違する。すなわち、第一実施形態では、導光体と基板が一組だけ備えられていたのに対し、本実施形態では、二組以上備えられている。そして、これに伴い、反射板や光透過板、ハウジング等の形状が相違する。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図14において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図14、図15に示すように、照明器具10bは、ハウジング11bと、基板12bと、発光体13bと、光透過板14bと、反射板15bと、導光体16bとを備えている。
ここで、図15に示すように、照明器具10bの構成部品のうち、基板12b,発光体13b,導光体16bを、合わせて「発光拡散部A」とする。そして、照明器具10bは、第一発光拡散部A1と、第二発光拡散部A2とを有している。
第一発光拡散部A1の発光体13b−1は、図14に示すように、白LED(W−LED)である。一方、第二発光拡散部A2の発光体13b−2は、赤LED(R−LED)と緑LED(G−LED)とを組み合わせたものであり、これらをハウジング11bの長手方向に所定数ごとに交互に配置してある。
これら第一発光拡散部A1の発光体13b−1と第二発光拡散部A2の発光体13b−2は、第一発光拡散部A1の導光体16b−1及び第二発光拡散部A2の導光体16b−2を介して、それぞれ反対側に設けてある。
光透過板14bは、図14に示すように、ハウジング11bの開口部11b−1に設けてある。
反射板15bは、ハウジング11bの内部であって、開口部11b−1が形成されておらず、かつ、基板12bや発光体13bが配置されない部分に設けてある。
導光体16b−1と導光体16b−2は、基板12に対向していない面同士を接近または接触させて配置してある。
具体的には、図15に示すように、第一発光拡散部A1の導光体16b−1の一つの面16b−11と、第二発光拡散部A2の導光体16b−2の一つの面16b−22とを、接近または接触させて配置してある。
このような構成によれば、W−LEDから発せられた光が第一発光拡散部A1の導光体16b−1で拡散し、第二発光拡散部A2の導光体16b−2へ送られる。一方、R−LED又はG−LEDから発せられた光が第二発光拡散部A2の導光体16b−2で拡散する。このとき、W−LEDから発せられた光が第一発光拡散部A1から送られてくるため、第二発光拡散部A2の導光体16b−2では、W−LEDからの光の色とR−LED又はG−LEDからの光の色が混色される。このため、赤,緑,白を混色した白の照明光を光透過板14bから外部へ放射することができる。
なお、図14、図15においては、ハウジング11bの開口部11b−1が一つのみ形成されているが、開口部は、一つに限るものではなく、二つ以上形成することができる。
このハウジング11bに開口部11b−1を二つ設けた構成を図16に示す。
同図に示す場合、図14に示すような反射板15bは、省略される。そして、二つの開口部11b−1(11b−11、11b−12)のそれぞれに光透過板14b(14b−1、14b−2)を配置してある。
このような構成によれば、導光体14bで拡散した光が、二つの開口部11b−1(11b−11、11b−12)から放射されるため、照射範囲を広げることができる。
また、照明器具10bは、図17に示すように、基板12b−1と基板12b−2(発光体13b−1と発光体13b−2)が横並びに並ぶように、導光体16b−1と導光体16b−2とを重ね合わせることもできる。
このとき、第一発光拡散部A1の導光体16b−1の一つの面16b−11と、第二発光拡散部A2の導光体16b−2の一つの面16b−22とを接近又は接触するように配置する。そして、第一発光拡散部A1の導光体16b−1の基板対向面16b−13と第二発光拡散部A2の導光体16b−2の基板対向面16b−23を、ほぼ同一平面上に並べて配置する。
そして、発光体13b−1は、W−LEDとし、発光体13b−2は、R−LEDとG−LEDとを組み合わせてハウジング11bの長手方向に所定数ごとに交互に配置する。
さらに、光透過板14bは、重ね合わせた導光体16b−1、16b−2の一側面側に設けてもよく、あるいは、両側面側に設けてもよい。
このような構成においても、W−LED,R−LED,G−LEDからの各光を混色し、この白色光を放射することができる。
さらに、照明器具10bは、図18に示すように、発光拡散部Aを四つ備えた構成とすることができる。
ここで、発光拡散部A1と発光拡散部A2が対をなし、発光拡散部A3と発光拡散部A4が対をなして、配置されている。
具体的には、発光拡散部A1の導光体16b−1の光透過板対向面16b−11と発光拡散部A2の導光体16b−2の光透過板対向面16b−21とが接続され、発光拡散部A1の導光体16b−1の反射板対向面16b−12と発光拡散部A2の導光体16b−2の反射板対向面16b−22とが接続されている。また、発光拡散部A3の導光体16b−3の光透過板対向面16b−31と発光拡散部A4の導光体16b−4の光透過板対向面16b−41とが接続され、発光拡散部A3の導光体16b−3の反射板対向面16b−32と発光拡散部A4の導光体16b−4の反射板対向面16b−42とが接続されている。
さらに、発光拡散部A1は、発光体13b−1として、R−LED及びG−LEDを有しており、ハウジング11bの長手方向に所定数ごとに交互に配置してある。また、発光拡散部A2は、発光体13b−2としてそれぞれR−LED及びG−LEDを有しており、ハウジング11bの長手方向に所定数ごとに交互に配置してある。さらに、発光拡散部A3と発光拡散部A4は、発光体13b−3、13b−4としてそれぞれW−LEDを有しており、ハウジング11bの長手方向に所定数配置してある。
このような構成によれば、発光拡散部A1と発光拡散部A2で、赤及び緑の光を発生させ、拡散して発光拡散部A3及びA4へ送り、これら発光拡散部A3及びA4の導光体16b−3、16b−4にて白と混色し、照射光として外部へ放射することができる。
なお、図18に示す照明器具10bは、第一発光拡散部A1の導光体16b−1の光透過板対向面16b−11と第二発光拡散部A2の導光体16b−2の光透過板対向面16b−21が、第三発光拡散部A3の導光体16b−3の反射板対向面16b−32と第四発光拡散部A4の導光体16b−4の光透過板対向面16b−42と平行して配置されている。
ただし、照明器具10bの導光体16bの形状は、図18に示すような形状に限るものではなく、例えば、図19及び図20に示すように、第一発光拡散部A1の導光体16b−1の光透過板対向面16b−11と第三発光拡散部A3の導光体16b−3の反射板対向面16b−32との間、第二発光拡散部A2の導光体16b−2の光透過板対向面16b−21と第四発光拡散部A4の導光体16b−4の反射板対向面16b−42との間をそれぞれ離間するように、光透過板対向面16b−11又は反射板対向面16b−32の一方又は双方、光透過板対向面16b−21又は反射板対向面16b−42の一方又は双方を斜めに形成することもできる。
これらの場合においても、導光体16bのいずれかの面がLEDの視野角の中心方向に対して斜めに配置されていること、そして、導光体16bにビーズインキが印刷されていることにより、赤,緑,白の光を十分混色し、光透過板14bの全体に均一な、所望の色温度の白色発光を放射させることができる。
また、発光拡散部を複数備えることで、照射面積を大きくしたい場合でも、光量の劣化の少ない照明器具を提供できる。
なお、図14、図15、図17〜図20に示す照明器具10bは、下側から光を放射する片面発光となっているが、これに限るものではなく、ハウジング11bの上方に開口部を設け、反射板15bを光透過板14bに代えて、上方からも光を放射する両面発光とすることもできる(図16参照)。
また、図14〜図20に示す照明器具10bは、一枚の基板12bに発光体13bを一列のみ配置した構成としているが、一列に限るものではなく、複数列とすることもできる。
さらに、本実施形態の照明器具10bにおいても、R−LED,G−LED,W−LEDの各電流量を調光器などで調整することにより、所望の色温度の白を得ることができる。
[照明装置]
次に、本発明の照明装置の実施形態について、図21〜図25を参照して説明する。
図21〜図25は、本実施形態の照明装置の構成例を示す断面図である。これらのうち、図21は、ヒンジを中心に複数の照明器具を閉じた状態で天面に取り付けた様子を示す図である。図22は、ヒンジを中心に複数の照明器具を所定の角度をもって開いた状態で天面に取り付けた様子を示す図である。図23は、ヒンジを中心に複数の照明器具を開ききった状態で天面に取り付けた様子を示す図である。図24は、基板近くに取り付けられたヒンジを中心に複数の照明器具を開ききった状態で天面に取り付けた様子を示す図である。図25は、基板近くに取り付けられたヒンジを中心に複数の照明器具を所定の角度をもって開いた状態で天面に取り付けた様子を示す図である。
図21〜図25に示すように、照明装置1(1a〜1c)は、複数の照明器具10(10−1〜10−n)と、ヒンジ20(20a〜20c)と、取付部材30(30a〜30c)とを備えている。
ここで、照明器具10は、前述した第一又は第二実施形態の照明器具10a、10bのいずれかと同様の構成を有している。
また、照明器具10は、複数備えられている。これらは、同じ構造の照明器具10で構成することもでき、あるいは、異なる構造の照明器具10で構成することもできる。
ヒンジ20は、複数の照明器具10を回動可能に接続するための部材である。
このヒンジ20は、例えば、図21〜図23に示すように、照明器具10のハウジング11の外周面であって、反射板15に平行する面のうち、導光体16の反射板対向面16−1と光透過板対向面16−2が接する箇所の近傍に取り付けることができる(ヒンジ20a、20b)。
また、ヒンジ20は、例えば、図24、図25に示すように、照明器具10のハウジング11の外周面であって、反射板15に平行する面のうち、基板12(発光体13)が配置された箇所の近傍に取り付けることができる(ヒンジ20c)。
このヒンジ20を設けたことにより、ヒンジ20の軸部を中心として、複数の照明器具10の角度を自由に変えることができる。これにより、各照明器具10から放射される照明光の向き(指向性)を調整して、照明光の当たる範囲(照明エリア)を適切な範囲に合わせることができる。
取付部材30は、照明装置1を他の部材に取り付けるための部品である。
この取付部材30は、例えば、図21、図22に示すように、照明器具10のハウジング11の外周面であって、基板12に平行する面に取り付けることができる(取付部材30a)。
また、取付部材30は、例えば、図23に示すように、照明器具10のハウジング11の外周面であって、反射板15に平行する面のうち、基板12(発光体13)が配置された箇所の近傍に取り付けることができる(取付部材30b)。
さらに、取付部材30は、例えば、図24、図25に示すように、照明器具10のハウジング11の外周面であって、反射板15に平行する面のうち、導光体16の反射板対向面16−1と光透過板対向面16−2が接続された箇所の近傍に取り付けることができる(取付部材30c)。
この取付部材30には、例えば、蝶番(ヒンジ)やV字鋼などを用いることができる。
この取付部材30を設けたことにより、照明装置1を任意の箇所に取り付けることができる。
また、取付部材30に蝶番を用いるとともにヒンジ20と組み合わせることで、複数の照明器具10の角度を自由に決めて、他の部材に取り付けることができる。
なお、図21〜図25においては、照明装置1が取り付けられる面を、水平な面(天面)としているが、水平な面に限るものではなく、例えば、垂直な面や斜面に取り付けることもできる。
また、複数の照明器具を蝶番で接続した技術として、特開2002−270007号公報に記載の「折り畳み式面状発光装置及び面状表示装置」がある。
この技術によれば、二つの照明器具が蝶番を介して回動自在に接続されている。これにより、同技術の発光装置等を折り畳んで小型にでき、持ち運びを容易にすることができる。
ところが、同技術の蝶番は、単に折り畳むことを目的としている。このため、同公報は、複数の照明器具をそれぞれ任意の角度で維持したり、その角度で使用することは開示していない。
また、同技術の発光装置等は、蝶番を利用しているものの、取付部材は接続されていない。このため、その発光装置等を、棚や天面など任意の場所に取り付けることはできない。
さらに、同技術は、携帯型の発光装置を想定しており、何かを照明する場合は、その発光装置を手で持ってかざすという使い方をしていた。このため、その発光装置等を使用するたびに、適切な照明範囲を探す必要があり、不便なものとなっていた。
これに対し、本実施形態の照明装置1は、ヒンジ20を介して複数の照明器具10を接続するとともに、取付部材30を有した構成となっている。このため、そのヒンジ20により、各照明器具10を任意の角度で維持しながら、取付部材30により、棚や天面など任意の場所に取り付けることができる。
また、照明装置1は、照明器具10のそれぞれから照明光が放射される。そして、各照明器具10は、ヒンジ20により回動可能に接続されている。このことから、照明範囲が適切な範囲となるように各照明器具10の角度を決め、この角度を維持しながら該照明装置1を所定の場所に取り付けることができる。
さらに、照明装置1は、適切な照明範囲となる角度で所定の場所に取り付けられることから、この照明装置1を使用するたびに適切な照明範囲を探すといった煩わしさがなくなる。
しかも、照明装置1から放射される照明光は、導光体16aなどのテーパ形状とビーズ印刷による光拡散作用により十分混色された所望の色温度の白の照明光である。この照明装置1を、適切な角度で適切な場所に取り付けることで、対象物を十分な明るさで、かつ、色ムラの無い高品位の白の照明光により照明することができる。
加えて、照明装置1は、白のLEDに赤と緑のLEDを組み合わせることで、演色性の高い照明光を放射可能としている。この照明装置1を陳列棚などに取り付けることで、商品自体の色を損なうことなく、鮮明に照らし出すことができる。
以上説明したように、本実施形態の照明器具及び照明装置によれば、照明器具に備えるLEDの色を、赤,緑,青ではなく、赤,緑,白とし、これらを調光可能としたことで、絶対照度を維持向上しつつ、所望の色温度の白色に混色し、これを照明光とすることができる。
また、白,赤,緑のLEDを備えることにより、白LEDの光に含まれていない赤スペクトルと緑スペクトルが加えられるので、演色性を高めることができる。
さらに、演色性が高く高価な白LEDを使用しなくても、演色性を高めることができるため、照明器具のコスト高を抑えることができる。
また、導光体をテーパ状に形成するとともに、ビーズインキなどの特殊発光インクを表面に塗布することで、赤,緑,白の各光のミキシング効果を高めることができる。これにより、光透過板では、直接光が視認されない、目に優しい面状照明を実現できる。
しかも、導光体をテーパ状に形成するとともに、特殊発光インクを表面に塗布することで、LED光が光透過板に集まることから、光利用効率を高くできる。
そして、複数の照明器具をヒンジで接続し、取付部材を介して他の部材に取り付け可能とすることで、各照明器具の角度を任意に調整して、最適な照明範囲により、商品等を照明することができる。
以上、本発明の照明器具及び照明装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る照明器具及び照明装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した照明器具の第一実施形態では、ハウジングの形状を三角柱形状としたが、これに限るものではなく、他の形状とすることもできる。
また、照明装置の実施形態では、二つの照明器具を一つのヒンジで接続した構成としてあるが、これに限るものではなく、三つ以上の照明器具を任意に組み合わせ、ヒンジなどで接続することもできる。
さらに、照明器具は、例えば、図26に示すように、陳列棚の棚板の下面に取り付けることができる。この場合、下方へ光が放射される照明器具を上段棚板や下段棚板に取り付けることで、中段や最下段に陳列された商品を照明することができる。また、上方と下方の両方に光を放射する照明器具を中段棚板に取り付けることで、下段に陳列された商品を照明するだけでなく、上段に陳列された商品を下から照明することができる。
このように、本発明の照明器具及び照明装置は、形状が小型であるため、陳列棚の棚板の下面に取り付けることができ、消費者からは見えないようにすることができる。また、下方のみ光を放射する片面発光のものと、上方及び下方の両方から光を放射する両面発光のものがあるので、陳列する商品やレイアウトの仕方に応じて、最適な照明器具を選ぶことができる。
本発明は、商品の陳列棚などに設けられる照明器具又は照明装置に利用可能である。
1 照明装置
10 照明器具
11 ハウジング(筐体)
12 基板
13 発光体
14 放射板
15 反射板
16 導光体
20 ヒンジ
30 取付部材

Claims (10)

  1. 複数の発光ダイオードと、これら発光ダイオードから発せられた光を透過又は反射する導光体と、前記発光ダイオード及び前記導光体を内部に有した筐体とを備え、
    前記複数の発光ダイオードが、赤、緑、白の各発光ダイオードをそれぞれ一又は二以上有し、
    前記導光体が、ビーズインキの印刷された面を有し、
    前記導光体の一部又は全部の面が、前記発光ダイオードの視野角の中心方向に対して斜めに配置された
    ことを特徴とする照明器具。
  2. 前記赤、緑、白の各発光ダイオードから発せられる光の明るさを変える調光手段を備え、
    前記筐体から外部へ放射される光が任意の色温度の白色となるように、前記調光手段が、前記各発光ダイオードから発せられる光の明るさを変える
    ことを特徴とする請求項1記載の照明器具。
  3. 前記任意の色温度が、電球色、温白色、白色、昼白色、昼光色のいずれかである
    ことを特徴とする請求項2記載の照明器具。
  4. 前記ビーズインキが、樹脂ビーズを含有するとともに、シルクスクリーン印刷を用いて、前記導光体にベタ印刷された
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明器具。
  5. 前記筐体の内部に、前記発光ダイオードからの光を反射する反射板を備え、
    前記筐体が、前記導光体を透過又は反射した光を外部へ放射する放射部を有し、
    前記導光体が、前記反射板に対向する面と、前記放射部に対向する面とを有し、
    これら反射板に対向する面と前記放射部に対向する面の両方が、前記発光ダイオードの視野角の中心方向に対して斜めに配置された
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明器具。
  6. 前記筐体が、前記導光体を透過又は反射した光を外部へ放射する放射部を複数有し、
    前記導光体が、前記複数の放射部のそれぞれに対向する面を有し、
    前記複数の放射部のそれぞれに対向する面のいずれもが、前記発光ダイオードの視野角の中心方向に対して斜めに配置された
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明器具。
  7. 前記発光ダイオードが、基板上に、複数列で実装され、
    少なくとも一の列が、複数の赤色発光ダイオードで構成され、
    他の一の列が、複数の緑色発光ダイオードで構成され、
    さらに他の一の列が、複数の白色発光ダイオードで構成され、
    これら複数の列が、前記反射板に対して平行に配置された
    ことを特徴とする請求項5記載の照明器具。
  8. 複数の照明器具を備え、
    これら照明器具が、前記請求項1〜請求項7のいずれかの照明器具からなる
    ことを特徴とする照明装置。
  9. 複数の前記照明器具が、蝶番を介して接続された
    ことを特徴とする請求項8記載の照明装置。
  10. 前記照明装置を他の部材に取り付けるための取付部材を備えた
    ことを特徴とする請求項8又は9記載の照明装置。
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