JP4031346B2 - 固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、
固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高分子電解質を用いた燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと空気など酸素を含有する酸化剤ガスとを、電気化学的に反応させることで、電力と熱とを同時に発生させるものである。
【0003】
高分子電解質を用いた燃料電池の構造においては、図2に示すように、白金系の金属触媒を担持したカーボン粉末である触媒体と水素イオン伝導性高分子電解質とを混合してなる触媒反応層8が、水素イオンを選択的に輸送する固体高分子電解質膜7の両面に形成されている。燃料電池の触媒層用塗料を製造する方法においては、一般的に、高分子電解質膜7として次の化学式に示される化学構造を有するパーフルオロスルホン酸が使用されている。
【0004】
【化1】
Figure 0004031346
【0005】
カーボン粉末などを塗料化する方法として、様々な方法が公知である。例えば、リチウムイオン二次電池等の電池局板用塗料の製造方法としては、図5に示すように、カーボン粉末やコバルト酸リチウムなどの触媒を分散する工程1と、バインダーとして働く高分子液を混合する工程4と、分散した塗料を濾過する工程5と、塗料脱泡工程6とによって塗料を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−12001号公報(第1項、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、固体高分子型燃料電池の材料となる触媒を担持したカーボンと高分子溶液とは相溶性が低いため、塗料化するのが困難である。従来の塗料製造方法によって製造される触媒層用塗料においては、高分子やカーボン微粒子の凝集体が発生してしまい、電極上において金属触媒の付着分布が不均一となり、電極の特性のばらつきの原因となっていた。
【0008】
そこで、本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、高分子やカーボン微粒子の凝集体の発生を防止し、触媒層における金属触媒の分布が一様である触媒層用塗料の製造を実現する新しい固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するものとして、本発明の固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法は、触媒と極性溶媒を含有する溶媒との分散により触媒溶液を生成する触媒分散工程と、触媒分散工程において生成された触媒溶液と高分子液との混合液を調整する混合液調整工程と、混合液調整工程において調整された混合液の濾過により触媒層用塗料を生成する塗料濾過工程と、塗料濾過工程において生成された塗料を脱泡する塗料脱泡工程とを含む固体高分子燃料電池の触媒層用塗料の製造方法において、混合液調整工程に先立ち、混合液調整工程において調整される高分子液を、高分子濾過フィルターを用いて少なくとも1回以上濾過処理する高分子フィルター精製工程を設けるようにしたものである。
【0010】
この本発明によれば、高分子やカーボン微粒子の凝集体の発生を防止し、触媒層における金属触媒の分布が一様である触媒層用塗料の製造を実現する新しい固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、触媒と極性溶媒を含有する溶媒との分散により触媒溶液を生成する触媒分散工程と、触媒分散工程において生成された触媒溶液と高分子液との混合液を調整する混合液調整工程と、混合液調整工程において調整された混合液の濾過により触媒層用塗料を生成する塗料濾過工程と、塗料濾過工程において生成された塗料を脱泡する塗料脱泡工程とを含む固体高分子燃料電池の触媒層用塗料の製造方法において、混合液調整工程に先立ち、混合液調整工程において調整される高分子液を、高分子濾過フィルターを用いて少なくとも1回以上濾過処理する高分子フィルター精製工程を設けたことを特徴とするもので、高分子やカーボン微粒子の凝集体の発生が防止され、触媒層における金属触媒の分布が一様となることから、均一な電極を得ることができ、さらには、触媒が担持するカーボン微粒子に対するイオン交換樹脂の被覆率が向上することに伴い、膜電極接合体1体当たりの発電効率を高めることが可能となる作用を有する。
【0012】
請求項2に記載の発明は、触媒と極性溶媒を含有する溶媒との分散により触媒溶液を生成する触媒分散工程と、触媒分散工程において生成された触媒溶液と高分子液との混合液を調整する混合液調整工程と、混合液調整工程において調整された混合液の濾過により触媒層用塗料を生成する塗料濾過工程と、塗料濾過工程において生成された塗料を脱泡する塗料脱泡工程とを含む固体高分子燃料電池の触媒層用塗料の製造方法において、混合液調整工程に先立ち、混合液調整工程において調整される高分子液を、極性溶媒により希釈する高分子液希釈混合工程を設けたことを特徴とするもので、高分子やカーボン微粒子の凝集体の発生が防止され、触媒層における金属触媒の分布が一様となることから、均一な電極を得ることができ、さらには、触媒が担持するカーボン微粒子に対するイオン交換樹脂の被覆率が向上することに伴い、膜電極接合体1体当たりの発電効率を高めることが可能となる作用を有する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、触媒と極性溶媒を含有する溶媒との分散により触媒溶液を生成する触媒分散工程と、触媒分散工程において生成された触媒溶液と高分子液との混合液を調整する混合液調整工程と、混合液調整工程において調整された混合液の濾過により触媒層用塗料を生成する塗料濾過工程と、塗料濾過工程において生成された塗料を脱泡する塗料脱泡工程とを含む固体高分子燃料電池の触媒層用塗料の製造方法において、混合液調整工程に先立ち、混合液調整工程において調整される高分子液を極性溶媒により希釈する高分子液希釈混合工程と、高分子液希釈混合工程と混合液調整工程間に、高分子濾過フィルターを用いて少なくとも1回以上濾過処理する高分子フィルター精製工程とを設けたことを特徴とするもので、高分子やカーボン微粒子の凝集体の発生が防止され、触媒層における金属触媒の分布が一様となることから、均一な電極を得ることができ、さらには、触媒が担持するカーボン微粒子に対するイオン交換樹脂の被覆率が向上することに伴い、膜電極接合体1体当たりの発電効率を高めることが可能となる作用を有する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、高分子濾過フィルターとして、金属材料、有機材料、もしくは、それらの複合材料からなる繊維、ファイバー、あるいは線材からなる膜、織物、および、網のうちの少なくとも1つを用いることを特徴とするもので、高分子液中に含有される凝集体を除去することが可能となる作用を有する。
【0015】
請求項5に記載の発明は、高分子濾過フィルターの目開きが、0.5μm以上、35μm以下であることを特徴とするもので、高分子液中に含有される凝集体を高い効率で除去することが可能となる作用を有する。
【0016】
【実施の形態】
図1に、本発明である固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法における工程の流れの一例を示す。
【0017】
触媒分散工程1においては、触媒13と極性溶媒を含有する溶媒14との分散が行われ触媒溶液が生成される工程である。触媒13と極性溶媒を含有する溶媒14との分散は、例えば、連続式二軸混錬装置、バッチ式混錬装置、圧力式ホモジナイザ、ビーズミル、ラインミル、サンドミル等を用いて行われる。高分子液希釈混合工程2においては、粘度が0.0001〜50000Pa・sの高分子液15に対して極性溶媒16が溶媒組成比0.5〜50wt%となるように添加されて生成された高分子溶液の希釈混合が行われる。高分子フィルター精製工程3においては、高分子液希釈混合工程2において希釈された高分子溶液が高分子フィルターにより濾過される。混合液調整工程4においては、触媒分散工程1において生成された触媒溶液と高分子液希釈混合工程2および高分子フィルター精製工程3において生成された高分子溶液との混合液が調整される。塗料濾過工程5においては、混合液調整工程4において調整された混合液の濾過により触媒層用塗料の生成が行われる。塗料脱泡工程6においては、塗料濾過工程5において生成された塗料の脱泡が行われる。
【0018】
高分子液希釈混合工程2における高分子液15と極性溶媒16との混合、および、混合液調整工程4における触媒溶液と高分子溶液との混合においては、シェイカー等の液に対して剪断力が付加しにくい装置が適用されることが好ましい。
【0019】
以上は、本発明における実施の形態の一例であり、本発明が以上で示した形態に限定されることはなく、様々な形態をとりうることが考慮されるべきであることは言うまでもない。
【0020】
本発明は、以上の特徴を有するものであるが、以下に実施例を示し、さらに具体的に説明する。
【0021】
【実施例】
実施例1
空気極側の触媒として、35nmの平均一次粒径を有するアセチレンブラック粉末(電気化学工業社製:デンカブラック)に、平均粒径30ミクロンの白金粒子を50wt%担持したものを、また、燃料極側の触媒として、アセチレンブラック粉末に、平均粒径30ミクロンの白金粒子とルテニウム粒子とをそれぞれ25wt%担持したものを用意した。
【0022】
これらの触媒粉末10gと水36.7%を混合攪拌し、触媒ペーストを生成した。次いで、10%パーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマー(平均分子量50万、平均重合度500)をエチルアルコールに分散したディスパージョン溶液と、水とを、溶媒組成比エタノール:水=50:50となるように混合し(高分子液希釈混合工程)、シェイカーで振とうし、目開き20μmの高分子フィルターで濾過し(高分子フィルター精製工程)、濾液をカーボン分散液に添加して十分に混合攪拌した。このとき、触媒粉末に対するパーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマーの混合重量比は、それぞれの触媒ペースト共に50%とした。
【0023】
以上により生成された触媒ペーストを電解質膜(Du−pont社製イオン交換膜:Nafion112)の両面に塗布した。触媒ペーストを塗布した電解質膜を一対のガス拡散層で挟み込み、130℃で10分間ホットプレス法により加圧・加熱して接合することで、電極・電解質膜接合体(MEA)を作製した。図2は、作製されたMEAの構成について示した概要図である。
実施例2
空気極側の触媒として、35nmの平均一次粒径を有するアセチレンブラック粉末(電気化学工業社製:デンカブラック)に、平均粒径30ミクロンの白金粒子を50wt%担持したものを、また、燃料極側の触媒として、アセチレンブラック粉末に、平均粒径30ミクロンの白金粒子とルテニウム粒子とをそれぞれ25wt%担持したものを用意した。
【0024】
これらの触媒粉末10gと水36.7%を混合攪拌し、触媒ペーストを生成した。次いで、10%パーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマー(平均分子量50万、平均重合度500)をエチルアルコールに分散したディスパージョン溶液と、水とを、溶媒組成比エタノール:水=50:50となるように混合し(高分子液希釈混合工程)、シェイカーで振とうし、目開き1μmの高分子フィルターで濾過し(高分子フィルター精製工程)、濾液をカーボン分散液に添加して十分に混合攪拌した。このとき、触媒粉末に対するパーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマーの混合重量比は、それぞれの触媒ペースト共に50%とした。
【0025】
以上により生成された触媒ペーストを電解質膜(Du−pont社製イオン交換膜:Nafion112)の両面に塗布した。触媒ペーストを塗布した電解質膜を一対のガス拡散層で挟み込み、130℃で10分間ホットプレス法により加圧・加熱して接合することで、電極・電解質膜接合体(MEA)を作製した。
【0026】
実施例2は、高分子フィルターの目開きのサイズについて実施例1と異なる。
実施例3
空気極側の触媒として、35nmの平均一次粒径を有するアセチレンブラック粉末(電気化学工業社製:デンカブラック)に、平均粒径30ミクロンの白金粒子を50wt%担持したものを、また、燃料極側の触媒として、アセチレンブラック粉末に、平均粒径30ミクロンの白金粒子とルテニウム粒子とをそれぞれ25wt%担持したものを用意した。
【0027】
これらの触媒粉末10gと水36.7%を混合攪拌し、触媒ペーストを生成した。次いで、10%パーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマー(平均分子量50万、平均重合度500)をエチルアルコールに分散したディスパージョン溶液と、水とを、溶媒組成比エタノール:水=50:50となるように混合し(高分子液希釈混合工程)、シェイカーで振とうし、カーボン分散液に添加して十分に混合攪拌した。このとき、触媒粉末に対するパーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマーの混合重量比は、それぞれの触媒ペースト共に50%とした。
【0028】
以上により生成された触媒ペーストを電解質膜(Du−pont社製イオン交換膜:Nafion112)の両面に塗布した。触媒ペーストを塗布した電解質膜を一対のガス拡散層で挟み込み、130℃で10分間ホットプレス法により加圧・加熱して接合することで、電極・電解質膜接合体(MEA)を作製した。
【0029】
実施例3は、高分子フィルター精製工程が含まれない点について実施例1と異なる。
比較例
空気極側の触媒として、35nmの平均一次粒径を有するアセチレンブラック粉末(電気化学工業社製:デンカブラック)に、平均粒径30ミクロンの白金粒子を50wt%担持したものを、また、燃料極側の触媒として、アセチレンブラック粉末に、平均粒径30ミクロンの白金粒子とルテニウム粒子とをそれぞれ25wt%担持したものを用意した。
【0030】
これらの触媒粉末10gと水36.7%を混合攪拌し、触媒ペーストを生成した。次いで、10%パーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマー(平均分子量50万、平均重合度500)をカーボン分散液に添加して十分に混合攪拌した。このとき、触媒粉末に対するパーフルオロカーボンスルホン酸アイオノマーの混合重量比は、それぞれの触媒ペースト共に50%とした。
【0031】
以上により生成された触媒ペーストを電解質膜(Du−pont社製イオン交換膜:Nafion112)の両面に塗布した。触媒ペーストを塗布した電解質膜を一対のガス拡散層で挟み込み、130℃で10分間ホットプレス法により加圧・加熱して接合することで、電極・電解質膜接合体(MEA)を作製した。
【0032】
比較例は、高分子液希釈混合工程および高分子フィルター精製工程が含まれない点について、実施例1と異なる。
特性評価
以上の4種類のMEAを対象とし、燃料電池特性について評価した。図3は、燃料電池特性を評価するために形成した燃料電池特性測定用セル(単セル17)の構成について示した概要図である。
【0033】
単セルの温度は75℃に設定した。活物質として、負極側に水素ガスを露点80℃で加湿し、利用率が80%となるように調整した。また、正極側に空気を露点60℃で加湿し、利用率が40%となるように調整した。
【0034】
図4は、単セルの電流−電圧曲線について示したグラフである。また、表1に、評価結果を示す。
【0035】
【表1】
Figure 0004031346
【0036】
図4および表1に示されたとおり、本発明である固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法によって製造される触媒層用塗料においては、塗膜における凝集塊が発生しておらず、また、これにより形成される燃料電池の特性も優れていることが明らかとなった。また、凝集塊が発生しないことから、比較例よりもMEA毎の特性のばらつきが少なかった。
【0037】
以上より、本発明の固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法により、高分子液中に当初より存在する凝集体および極性溶媒を添加することによって発生する凝集体を、高分子液希釈混合工程あるいは高分子フィルター精製工程により除去でき、これらの凝集体を核として二次的に発生していた高分子およびカーボン粒子による凝集体の出現が抑止され、均一な特性を有する電極が得られることが明らかとなった。さらに、高分子やカーボン微粒子の凝集体の出現も抑えられることで、白金などの金属触媒が電極面内に不均等に分布することがなくなり、MEA1体あたりの発電効率が向上することも明らかとなった。
【0038】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、本発明の固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法は、高分子液中に当初より存在する凝集体および極性溶媒を添加することによって発生する凝集体を、高分子液希釈混合工程あるいは高分子フィルター精製工程により除去することで、燃料電池電極塗料中においてこれらの凝集体を核として二次的に発生していた高分子およびカーボン粒子による凝集体の出現をも抑止し、均一な特性を有する電極を得ることができる。高分子やカーボン微粒子の凝集体の出現も抑えられることで、白金などの金属触媒が電極面内に不均等に分布することがなくなり、MEA1体あたりの発電効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法における工程の流れの一例を示した概要図である。
【図2】本発明の実施例において作製されたMEAの構成について示した概要図である。
【図3】本発明の実施例において燃料電池特性を評価するために形成した燃料電池特性測定用セル(単セル)の構成について示した概要図である。
【図4】本発明の実施例において単セルの電流−電圧曲線について示したグラフである。
【図5】従来技術である電池局板用塗料の製造方法における工程の流れについて示した概要図である。
【符号の説明】
1 触媒分散工程
2 高分子液希釈混合工程
3 高分子フィルター精製工程
4 混合液調整工程
5 塗料濾過工程
6 塗料脱泡工程
7 固体高分子電解質膜
8 触媒層
9 カーボンペーパー
10 MEA
11 セパレーター
12 ガス流路
13 触媒
14 溶媒
15 高分子液
16 極性溶媒
17 単セル

Claims (5)

  1. 触媒と極性溶媒を含有する溶媒との分散により触媒溶液を生成する触媒分散工程と、触媒分散工程において生成された触媒溶液と高分子液との混合液を調整する混合液調整工程と、混合液調整工程において調整された混合液の濾過により触媒層用塗料を生成する塗料濾過工程と、塗料濾過工程において生成された塗料を脱泡する塗料脱泡工程とを含む固体高分子燃料電池の触媒層用塗料の製造方法において、混合液調整工程に先立ち、混合液調整工程において調整される高分子液を、高分子濾過フィルターを用いて少なくとも1回以上濾過処理する高分子フィルター精製工程を設けたことを特徴とする固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法。
  2. 触媒と極性溶媒を含有する溶媒との分散により触媒溶液を生成する触媒分散工程と、触媒分散工程において生成された触媒溶液と高分子液との混合液を調整する混合液調整工程と、混合液調整工程において調整された混合液の濾過により触媒層用塗料を生成する塗料濾過工程と、塗料濾過工程において生成された塗料を脱泡する塗料脱泡工程とを含む固体高分子燃料電池の触媒層用塗料の製造方法において、混合液調整工程に先立ち、混合液調整工程において調整される高分子液を、極性溶媒により希釈する高分子液希釈混合工程を設けたことを特徴とする固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法。
  3. 触媒と極性溶媒を含有する溶媒との分散により触媒溶液を生成する触媒分散工程と、触媒分散工程において生成された触媒溶液と高分子液との混合液を調整する混合液調整工程と、混合液調整工程において調整された混合液の濾過により触媒層用塗料を生成する塗料濾過工程と、塗料濾過工程において生成された塗料を脱泡する塗料脱泡工程とを含む固体高分子燃料電池の触媒層用塗料の製造方法において、混合液調整工程に先立ち、混合液調整工程において調整される高分子液を極性溶媒により希釈する高分子液希釈混合工程と、高分子液希釈混合工程と混合液調整工程間に、高分子濾過フィルターを用いて少なくとも1回以上濾過処理する高分子フィルター精製工程とを設けたことを特徴とする固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法。
  4. 高分子濾過フィルターとして、金属材料、有機材料、もしくは、それらの複合材料からなる繊維、ファイバー、あるいは線材からなる膜、織物、および、網のうちの少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項1または3記載の固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法。
  5. 高分子濾過フィルターの目開きが、0.5μm以上、35μm以下であることを特徴とする請求項1または3の固体高分子型燃料電池の触媒層用塗料の製造方法。
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