JP4031280B2 - 車両用フック装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両の荷物スペースの壁面パネル、床面或いは背凭れ背面等に据付られて、荷崩れ防止用ネット或いはロープ等を係留及び固定するためのフック装置に関し、更に詳しくは、車体パネルに穿設された取付孔に差込まれて取付けられた基部と、この基部に回動可能に軸支されたリング状部とから成る車両用フック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の荷物スペースにおける荷崩れを防止するために、積み上げられた荷物全体をネットで覆い或いはロープで括り、それら結束具の一部を茄子環等の連結具を介して車体内部の側壁パネル、トランクルームの内周壁或いは後部座席の背凭れ板の背面に固設されたフック装置に係留及び固定する方法が知られている。特に、アンカーグロメットに代表される組立て式のフック装置は、車体パネルに取付けられる雌形基部と、この基部を車体パネルにロックする雄形ピンと、基部の外周部分に枢動可能に取着された半円形或いはU字形のリング状部とで構成されている。
【0003】
この種のフック装置を車体パネルに取付ける際には、先ず基部の係止溝に連結されるリング状部の対向方向に折り曲げられた両端を嵌め込み、次に車体パネルの取付孔に基部の差込脚部を差込み、次いで基部の中央に形成された貫通孔にロックピンを差込むと言った作業工程により実施される。ロックピンの差し込み工程により、ロックピンの先端部が基部の差込脚部に形成されている係止爪を押し広げ、係止爪を広げることで基部を取付孔に抜脱不能にロックする。これにより、基部が車体パネルに堅固に固定される。かかる構成を備えたフック装置の1例として、特開平11−101210号公報などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のフック装置は、リング状部が破損した場合にはリング状部を交換することが可能ではあるものの、そのためには基部からロックピンを引き抜いた後、基部を車体パネルから取り外した後に係止溝を開放してリング状部を交換する必要がある。加えて、リング状部を交換した後、基部を車体パネルに再度取付ける必要があり、リング状部の交換は極めて煩雑な作業となりかつ手間がかかるという問題がある。
【0005】
従って、本発明の目的は上記従来技術が有する問題を解消し、基部やロックピンを車体パネルから取り外す事無くリング状部の交換を容易に行うことができかつ安全確実な係止機能を果たせる車両用フック装置を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された本発明に係る車両用フック装置は、前記基部の両側にレール部を形成し、
前記リング状部は、前記レール部にその開放された先端部分から案内されかつ前記レール部の所定位置にて回動自在に軸支される互いに対向する両端部を有し、
前記両端部は、その外周面に各々カム突起を備え、
リング状部が前記レール部先端に向けて回動される時にのみ、前記カム突起がレール部に圧接するように構成され、該リング状部のレール部からの抜脱が防止されていることを特徴としている。
【0007】
かかる請求項1に記載された構成により、リング状部を使用位置に配置した際に、カム突起がレール部に圧接されるので、リング状部が不用意にレール部から抜出すことを防ぐことができる。従って、リング状部にネットフック等の係留具を容易にかつ安全確実に係止することが出来る。また、万一リング状部が破損した場合でも、基部を車体パネルに取付けたままの状態で、カム突起がレール部と非圧接状態にある基部平面に対して起立した角度位置においてリング状部をレール部内を半径方向外方に摺動させることで容易に取り外すことが可能でありかつ交換することができる。
【0008】
請求項2に記載された本発明に係る車両用フック装置は、レール部が基部の両側に互いに平行に伸びる対向した平面対で形成され、前記リング状部が前記レール部の末端位置にて軸支されている。かかる構成により、レール部の平面間にリング状部20の両端が直径方向にレールに沿って摺動可能に軸支されることと成り、万一、リング状部が破損した場合でも、カム突起をレール部に沿って摺動することで簡単に基部から取り外すことが可能である。
【0009】
さらに請求項3に記載された本発明によれば、前記リング状部を不使用位置に回動した際に、カム突起の作用面が当接するストッパを前記レール部の末端に設け、このストッパが前記カム突起の通過を妨げることで、前記リング状部の抜脱が防止されていることを特徴としている。かかる請求項3に記載された構成により、リング状部の不使用位置、即ち、休止位置もカム突起とストッパとの当接により規制され、具体的には、リング状部の平面が車体パネルの平面に対してある程度の間隔を置いた概ね平行な位置に垂下した不使用位置を常時採ることが可能となり、リング状部の下端とパネル表面との間に上記間隔が常に確保され、ネットフック等の係留具の装着或いは係止が素早くかつ確実に行なえる。同時に作用面に続いて突出した外周部分(カムローブ)とレール部表面とが摩擦状態におかれ、不使用位置におけるリング状部の揺動も回避される。
【0010】
また請求項4に記載された本発明によれば、前記両側のレール部の前記先端部分を連結するように基部に溝部を設けたことを特徴としている。かかる請求項4に記載された構成により、特に車体内部に目立った突起物を設けるのではなく、例えばコンビニエンスストアで使用されているビニール袋のような手提げ袋等を安直に吊り下げるハンガーとしての機能を本来のフック装置としての機能の外に持たせることが可能となる。
【0011】
更に、上記目的を達成するために、請求項5に記載された本発明によるもう1つの構成を有する車両用フック装置は、前記基部が円筒状部分を有しておりかつその外周面に、周壁を挟んで対向配置された2つの円環面から成る矩形溝状のレール部が穿設されており、前記リング状部がその両端部分を互いに対向する方向に折り曲げられていると共にその自由端に半球形状突起が形成されており、レール部の前記周壁の直径方向位置において、前記半球形状突起が嵌挿される貫通孔が穿設されており、更に、前記リング状部の前記両端部分が縮径されていることを特徴としている。
【0012】
かかる請求項5に記載された構成により、リング状部は互いに対向する方向に折り曲げられたその両端部分の自由端に形成された半球形状突起が円筒状の基部に対して垂直方向に矩形溝状のレール部に持ち来たされ、次いでリング状部を基部の半径方向内方にむけて押し込むことで、半球形状突起はレール部の周壁を伝って直径方向に穿設された左右の貫通孔に落ち込むように嵌挿されるのであるが、リング状部の両端部分周辺は大きく外側に撓んだ後に半球形状突起は貫通孔内に弾性復帰力により嵌挿されることとなる。その際、半球形状突起の先端部分には周壁面に対して大きな弾性力が集中する。しかし、先端部分が球形面であるので、周壁面との摩擦抵抗は低く、リング状部の先端部分は容易に貫通孔内に落ち込む事となる。その結果、リング状部の両端部は貫通孔内に嵌挿され、リング状部は基部に対して回動自在に軸支されることとなる。
【0013】
なお、本発明によるリング状部材は、その両端部分が縮径された部分を介して半球形状の突起に連なる構造を備えているので、半球形状突起自体は貫通孔を突き抜けて円筒の中空部分内に位置付けられる。リング状部分に如何なる引張り応力が作用しても貫通孔の内側開口部分に半球形状突起の比較的広い裏面が係合し、リング状部材に座屈応力が作用しても貫通孔からの抜脱が回避される。また、万一、リング状部がその最も破損し易い両端部の貫通孔と接触する部分で折損した場合でも、基部の中空々間から破損した自由端部分を容易に取り出すことが可能であり、新しいリング状部を車体パネルに基部を取付けたままの状態で容易に取り替えることができる。
【0014】
さらに、請求項6に記載された本発明による車両用フック装置は、前記レール部の貫通孔に対応する直径方向位置から該レール部の接線方向に沿って互いに平行に伸びる直線状のガイドレールが対向する前記円環面上に各々対を成して前記貫通孔から半径方向に離間して対向配置されており、更に、前記ガイドレール各対の垂直離間距離が前記半球形状突起の直径より短く設定されていることを特徴としている。
【0015】
かかる請求項6に記載された構成によれば、リング状部をレール部に取付ける際に、直線状のガイドレールが貫通孔に対応する直径方向位置から接線方向に沿って平行に伸びていることにより、リング状部の両端部分に形成された半球形状突起は最も幅狭である貫通孔の入口に向かって徐々にかつ正確にその角度位置に案内されることとなる。更に、半球形状突起が連設された縮径された両端部分が、対向配置された対を成すガイドレールの間に挟持されることとなるので、双方の半球形状突起が同一相対平面に維持されながら案内される。
【0016】
従って、リング状部の半球形状突起をレール部の矩形溝に対して如何なる角度で外部から持ち来たしたとしても、最終的には貫通孔の入口に位置決めされ、次いでリング状部の弾性復帰力により半径方向に移動して貫通孔内に自動的に落ち込むこととなり、リング状部の両端部分を確実かつ自動的に貫通孔内に嵌挿することとなる。
【0017】
更に、ガイドレール各対の垂直離間距離が半球形状突起の直径より短く設定されていることにより、一度、半球形状突起がガイドレールの内側に挿入されると、貫通孔の入口に案内されるまで外側には外れなくなる。従って、上記した作用と相俟ってリング状部の半球形状突起は確実に貫通孔内に案内されることとなる。
【0018】
その上、請求項7に記載された本発明による車両用フック装置は、前記ガイドレールが、前記貫通孔と直径方向に整列して前記リング状部の両端部分が横断するための切欠きが形成されていることを特徴としている。かかる請求項7に記載された構成によれば、リング状部の両端部分がガイドレールの間に挟持された状態から解放されることとなり、従って、基部に対するリング状部の回動が180度の角度範囲において無負荷状態となる。同時に、リング状部にレールの円環面と平行な方向の引っ張り応力が作用し、その結果両端部分が直径線から外れた状態となっても、この切欠きによって画成されたガイドレールの縦断面によってかかる状態を補助的に抑制することとなる。
【0019】
以下添付図に基づいて本発明に係る車両用フック装置の一実施の形態を詳説する。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る車両用フック装置を示す側面図、図2は本発明に係る車両用フック装置を示す正面図、図3は本発明に係る車両用フック装置を示す下面図である。図4は本発明に係る車両用フック装置にリング状部を取付ける工程を示した第1説明図である。図5は図4と同様の取付け工程を示した第2説明図である。図6は図5と同様の取付け工程を示した第3説明図である。図7は図6と同様な取付け工程を示した第4説明図である。図8は本発明に係る車両用フック装置のリング状部の抜止め状態を示した説明図である。図9は本発明に係るもう1つの構成を有する車両用フック装置を示す側面図である。図10は図9のA−A断面における一部切欠正面図である。図11は図9と同様の図であって、車両用フック装置の基部にリング状部を取付ける工程を示した第1説明図である。
図12は図11と同様の図であって、基部にリング状部を取付ける工程を示した第2説明図である。図13は本発明に係る車両用フック装置を車体パネルに取付ける工程を示した第1説明図である。図14は図14と同様の取付け工程を示した第2説明図である。図15は図14と同様の取付け工程を示した第3説明図である。図16は図15と同様の取付け工程を示した第4説明図である。
【0021】
図1〜図3に示すように、本発明に係る車両用フック装置1は、車体パネル2の取付孔3に基部10の差込脚部11を差込むことにより車体パネル2に基部10が取付けられ、この基部10にリング状部20が回動可能に軸支されることにより、このリング状部20に図示していない茄子環の如きネットフックが係止される。
【0022】
車両用フック装置1は、図2に示すように基部10の両側にレール部15が形成され、2本のレール部15にリング状部20の両端21がその開放された先端部分から案内されてレール部15の末端16まで嵌め込まれることにより、末端16にリング状部20が回動自在に軸支される。この状態で、リング状部20の平面が車体パネルの平面に対してある程度の間隔を置いた概ね平行に垂下したリング状部20の休止位置(図1及び図7参照)で、リング状部20の対向方向に折り曲げられた端部領域23の両端の外周面に形成された連続した螺旋傾斜面を有するカム突起21の頂部24から半径方向に切り落とされた平坦な作用面22(図4参照)が、レール部15の末端16に垂直平面として形成されたストッパ面18に当接され、リング状部の下端とパネル表面との間に常に一定幅の空間が形成され、ネットフックの係止が素早くかつ確実に行えることとなる。
【0023】
レール部15は、基部10の両側に互いに平行に伸びる対向した平面対で形成されているので、各レール部15の対向平面間にリング状部20の両端はカム突起21を介してレールに沿って摺動可能に軸支されており、万一、リング状部20が破損した場合でも、リング状部はカム突起21をレール部15に沿って上方に摺動することで簡単に取り外すことが可能である。
【0024】
図4において、リング状部20は、基部10に対して略直角な状態で矢印Aに沿って垂下することで、レール部15内に嵌入することができる。その場合、カム突起21の頂部24は、レール部15の伸延方向に向けられるように方向付けられており、リング状部20が嵌入する際に邪魔になることはない。従って、リング状部20を基部10に取付ける場合、基部10を車体パネル2に取付けたままの状態で行なうことができる。このため、リング状部20の交換に際しては、基部10をパネルから取外すこと無く容易に行なえる。
【0025】
図5に示すようにリング状部20の端部領域23が基部10のレール部15に嵌入し、端部領域23がレール部15に案内され、さらに矢印Bに従ってリング状部が降下することにより、両端に設けられたカム突起21が一方のレール部の対向面に形成された突起17に到達する。ここで一旦、端部領域23のカム突起17が僅かな摩擦抵抗を受けるが、それにも拘わらずレール部15に沿って更に降下すると、図6に示すように、端部領域23はレール部15の突起17を乗り越えてレール部の半円形の末端16に回動可能な状態で係止され、リング状部20は使用可能な状態となる。
【0026】
次に、リング状部20を端部領域23を支点にして矢印Cに従って下方に向け反時計回り方向に回動することにより、リング状部20の両端のカム突起21も同じ方向に回動する。リング状部20が、図7に示すような、基部10と平行な垂下位置にまで回動されると、カム突起21の平坦な作用面22がレール部15の突起17の垂直横断面として形成されたストッパ面18に圧接され、リング状部20のそれ以上の回動は制限される。これにより、基部10へのリング状部20の取付け工程が完全に終了する。
【0027】
図8に示すように、使用に際して基部10に取付けたリング状部20をレール先端部分に向けて上方限界角度位置にまで回動した場合、カム突起21の湾曲凸面で形成されたカムローブ25がレール部15の対向平面の一方に当接しかつカム突起21の反対側は突起17とストッパ面18とが成す角部に当接され、例え使用中に矢印Dで示される方向に大きな牽引力が作用しても、一方においてカムローブとレール部の一方の対向平面とが競合いかつ他方において角部に当接して制止されるので、リング状部20のレール15からの抜脱は完全に防止される。
【0028】
また、リング状部20が図4乃至6に見られるような基部10の平面に対して垂直な位置において、不用意に上方に持ち上げられた場合でも、カム突起21がレール部15の突起17を越えない限りにおいて、リング状部20がレール部15から不用意に上方に抜出すことが防止される。なお、かかるリング状部20の角度範囲及び抜脱位置は、カム突起21の頂部の角度位置に依存することは明らかである。
【0029】
さらに、車両用フック装置1は、コンビニ袋等の手提げ袋を吊下げるために、図1及び図2に示すように基部10の左右両側に穿設されたレール部15の外周側先端部分を連結する溝部19が設けられている。さらに、手提げ袋が車両の振動等で外れないようにするために、基部10の外側上端部分に突片14が形成されている。即ち、これらレール部15と溝部19は、基部10の側面の3面において、連続する溝状に一体的に形成されている。
【0030】
次に、図9〜図12を参照して、同じく本発明によるもう1つの構成を備えた車両用フック装置に就いて説明する。
【0031】
図9及び図10に示された構成によれば、基部110は円筒状部分116を有しており、その外周部分には、前述のレール部15に相当するものとして、周壁117を挟んで対向配置された2つの円環面118から成る矩形溝状の断面を有するレール部115が基本的に全周に亘って穿設されている。
【0032】
半円形のフック部分122に対して直径が縮小されかつ互いに対向する方向に折り曲げられた両端部分123を有するリング状部120が、レール部115の周壁117に直径方向に穿設された貫通孔111にその両端部分123を嵌挿されて取付けられている。そして、両端部分123の自由端には半球形状の突起121が形成されており、従って、リング状部120は全体的に馬蹄形に形作られている。勿論、その材質は特に限定されるものではないが、基部110への装着時に両端部123が左右に大きく拡開し、その後元の形状に戻らねばならないことを考慮して適当な弾性を備えたものでなければならない。
【0033】
次に、図11を参照すると、半球形状突起121が円筒状の基部110に対して垂直方向に矩形溝状のレール部115に持ち来たされた状態が示されている。そして、図12を参照すると、リング状部120を基部110の半径方向内方にむけて押し込まれている状態が示されており、最後に、半球形状突起121はレール部115の周壁を伝って直径方向に穿設された左右の貫通孔111に落ち込むように嵌挿された図10に示した状態となる。リング状部120の両端部分123はフック部分122にかけて大きく外側に撓んだ後に半球形状突起は貫通孔内にリング状部120の弾性復帰力により嵌挿されることとなる。例え、貫通孔111の直径が半球形状突起121の直径よりも若干狭く出来ていて、挿入時には貫通孔の内周面に組成変形を伴うような場合でもこの弾性復帰力が大きければ嵌挿することが可能である。
【0034】
これらの装着過程において、半球形状突起121の先端部分には周壁面117に対して大きな弾性力が集中するが、先端部分が球形面であるので周壁面117との摩擦抵抗は低いので半球形状突起121は容易に貫通孔内に落ち込む事が可能である。その結果、リング状部の両端部123は貫通孔内に嵌挿され、リング状部120は基部110に対して回動自在に軸支されることとなる。
【0035】
なお、本発明によるリング状部材120は、その両端部分123が縮径された部分を介して半球形状の突起121に連なる構造を備えているので、半球形状突起自体は貫通孔111を突き抜けて円筒状部分116の内部空間に位置付けられる。リング状部分120に如何なる引張り応力が作用しても貫通孔111の内側開口部分に半球形状突起121の比較的広い裏面が係合し、リング状部材120に大きな座屈応力が働いても、この係合により貫通孔111からの両端部123の抜脱は回避される。
【0036】
また、さらに万一、リング状部120がその最も破損し易い両端部123の貫通孔111と接触する部分で折損した場合でも、基部110の円筒状部分116の内部空間から破損した自由端部分を容易に取り出すことが可能であり、新しいリング状部を車体パネル2に基部110を取付けたままの状態で容易に取り替えることができる。
【0037】
特に、図9及び図10において明確に示されているように、レール部115の貫通孔111に対応する直径方向位置からレール部の接線方向に沿って互いに平行に伸びる直線状のガイドレール112、112及び113、113が対向する円環面118及び119上に各々対を成して貫通孔111から半径方向に離間して対向配置されている。その上、これら複数対から成るガイドレール112,113は貫通孔111と直径方向に整列してリング状部120の両端部分123が横断するための切欠き130が形成されていて、基部110の主平面に対して垂直方向に各々対を成すガイドレール112、113間の垂直離間距離が半球形状突起121の直径より短く設定されている。
【0038】
このような基部110の構成によって、リング状部120の半球形状突起121は最も幅狭である貫通孔111の入口に向かって徐々にかつ正確にその角度位置に案内されることとなる。更に、半球形状突起121が連設された縮径された両端部分123,123が、対向配置された対を成すガイドレール112,113の間に挟持されることとなるので、双方の半球形状突起121,121が同一相対平面に維持されながら貫通孔111の入口にまで案内される。
【0039】
従って、リング状部120の半球形状突起121をレール部115の矩形溝に対して如何なる角度で外部から持ち来たしたとしても、最終的には貫通孔111の入口に位置決めされ、次いでリング状部120の弾性復帰力により両端部分123が半径方向内方に移動して貫通孔内に自動的に落ち込むこととなり、リング状部120の両端部分123を確実かつ自動的に貫通孔内に嵌挿させることとなる。
【0040】
更に、ガイドレール各対112,113の離間距離が半球形状突起121,121の直径より短く設定されていることにより、一度、半球形状突起がガイドレールの内側に挿入されると、貫通孔の入口に案内されるまで外側には外れなくなる。従って、上記した作用と相俟ってリング状部の半球形状突起は確実に貫通孔内に案内されることとなる。
【0041】
その上、各々のガイドレール112,113の途中に切欠き130を設けたことにより、リング状部120の両端部分123がガイドレールの間に挟持された状態から解放されることとなり、従って、基部110に対するリング状部120の回動が180度の角度範囲において無負荷状態となる。同時に、リング状部120にレール部115の円環面118,119と平行な方向の引っ張り応力が作用してその両端部分123が直径線から外れた状態となっても、この切欠きによって画成されたガイドレールの縦断面によってかかる状態を補助的に抑制することとなる。
【0042】
また、図9〜図12を参照すると、両端部分123は半球状突起121との間により細い直径を有するジャーナル部124を備えており、同時に、貫通孔111の外側の開口部には弾性変形可能な半径方向内方に伸びかつ軸受機能を有する周縁フランジ125が一体的に形成されている。リング状部120の装着に際し、半球形状突起121は周縁フランジ125をその弾性変形を伴って強引に貫通孔11内に突き抜けてジャーナル部124を着座させる。その後、この周縁フランジ125は回動するリング状部120の実質的なジャーナル軸受としての機能を発揮する。
【0043】
次に、図13乃至16を参照して、本発明による車両用フック装置1の車体パネル2への取付け構造並びに方法に就いて説明する。基部10を車体パネル2に取付けるために、基部10のレール部15及びリング状部20が設けられた側とは反対側において差込脚部11が一体的に伸びており、この差込脚部11を取付孔3に差込む際に半径方向内方への弾性変形により取付孔3の周縁3aを乗り越え可能な弾性片12をその外周面から突出して設けられている。取付孔3の直径方向に対向して穿設された2個のガイド溝4が穿設されており、これらの溝を通過可能な2個の係止突起13が、差込脚部11に同じくその外周面から突出して設けられている。
【0044】
基部10を車体パネル2の取付孔3に差込む場合、図14に示されているように、最初に取付孔3のガイド溝4に係止突起13を嵌入し、次いで、基部10を押圧して同時に取付孔3に挿入された弾性片12をその周縁3aを乗り越えさせ、更に、基部10を僅かに回転させて2個の係止突起13のガイド溝4との係合が解除すると同時にその先端部を周壁3bの裏面に当接せしめると同時に弾性片12をガイド溝4に嵌合することで取り付けは完了する。かかる2段階の操作により、基部10は、車体パネル2に対して相対回転不能にかつ抜脱不能に固定される。
【0045】
上述したように、差込脚部11の弾性片12はガイド溝4に嵌合することで、相対回転が防止され、また同時に係止突起13が周壁3bの裏面に当接することによって垂直方向に抜脱することが防止される。車両用フック装置1は、かかる2つの操作により簡単かつ確実に車体パネルに固定することができるので、従来車体パネルに取付けられた基部にロックピンを差し込むと言った手間のかかる作業を簡素化することができる。
【0046】
次に、車体パネル2に基部10を取付ける工程を説明する。先ず図13及び図14に示すように、基部10の差込脚部11は、車体パネル2の取付孔3に弾性片12が取付孔3の周縁3aに弾性変形しながら当接しかつ2個の係止突起13が取付孔3の周縁3aに形成された2個のガイド溝4に嵌合している。
【0047】
次に、基部10をパネル側に押圧して弾性片12を周縁3aを乗り越えさせ、同時に係止突起13もガイド溝4を通過させる。その後、基部10を90°回転することにより、図15及び12に示すように、弾性片12がガイド溝4に嵌め込まれると同時に、係止突起13が取付孔3の周壁3bの裏面に当接する。よって、基部10は単体で車体パネル2に取付けられる。
【0048】
なお、基部10の差込脚部11が車体パネル2の取付孔3に差込む際に、基部10の鍔部10aを弾性変形させることにより、基部10を車体パネル2にガタ付かないように取付けることができる。また、基部10を90°回転する際に、図2に示す突起10bと14を掴むことにより、基部10を90°簡単に回転することができる。
【0049】
なお、上記した実施の形態では、基部10の差込脚部11に1個の弾性片12と2個の係止突起13とが直交方向に配設された例について説明したが、これに限らないで、弾性片12及び係止突起13の個数は適宜選択することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による車両用フック装置は、基部の両側にレール部を形成し、リング状部は、レール部にその開放された先端部分から案内されかつレール部の末端に回動自在に軸支される互いに対向する両端部を有し、前記両端部は、その外周面に各々カム突起を備え、リング状部が前記レール部先端部分に向けて回動される時にのみ、カム突起はレール部に圧接するように構成され、該リング状部のレール部からの抜脱が防止される構成としたので、基部やロックピンを車体パネルから取外す事無くリング状部の交換を容易に行うことができ、安全確実な係止機能を果たせると言った効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用フック装置を示す側面図である。
【図2】本発明に係る車両用フック装置を示す正面図である。
【図3】本発明に係る車両用フック装置を示す下面図である。
【図4】本発明に係る車両用フック装置にリング状部を取付ける工程を示した第1説明図である。
【図5】図4と同様の取付け工程を示した第2説明図である。
【図6】図5と同様の取付け工程を示した第3説明図である。
【図7】図6と同様な取付け工程を示した第4説明図である。
【図8】本発明に係る車両用フック装置のリング状部の抜止め状態を示した説明図である。
【図9】本発明に係るもう1つの構成を有する車両用フック装置を示す側面図である。
【図10】図9のA−A断面における一部切欠正面図である。
【図11】図9と同様の図であって、車両用フック装置の基部にリング状部を取付ける工程を示した第1説明図である。
【図12】図11と同様の図であって、基部にリング状部を取付ける工程を示した第2説明図である。
【図13】本発明に係る車両用フック装置を車体パネルに取付ける工程を示した第1説明図である。
【図14】図13と同様の取付け工程を示した第2説明図である。
【図15】図14と同様の取付け工程を示した第3説明図である。
【図16】図15と同様の取付け工程を示した第4説明図である。
【符号の説明】
1…車両用フック装置
2…車体パネル
3…取付孔
3a…取付孔の周縁
3b…取付孔の周壁
4…ガイド溝
10…基部
10b…突片
11…差込脚部
12…弾性片
13…係止突起
15…レール部
16…レール部の末端
18…ストッパ面
19…溝部
20…リング状部
21…リング状部の両端
22…作用面
100…車両用フック装置
110…基部
111…貫通孔
112…ガイドレール
113…ガイドレール
115…レール部
116…円筒状部
117…周壁
118…円環面
119…円環面
120…リング状部
121…半球形状突起
122…フック部
123…端部
124…ジャーナル部
125…周縁フランジ
130…切欠き

Claims (7)

  1. 車体パネルに取付けられる基部と、この基部に回動可能に軸支されたリング状部とから成る車両用フック装置において、
    前記基部の両側にレール部を形成し、
    前記リング状部は、前記レール部にその開放された先端部分から案内されかつ前記レール部の所定位置にて回動自在に軸支される互いに対向する両端部を有し、
    前記両端部は、その外周面に各々カム突起を備え、
    リング状部が前記レール部先端に向けて回動される時にのみ、前記カム突起はレール部に圧接するように構成され、該リング状部のレール部からの抜脱が防止されていることを特徴とする車両用フック装置。
  2. レール部が、基部の両側に互いに平行に伸びる対向した平面対で形成され前記リング状部が前記レール部の末端位置にて軸支されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用フック装置。
  3. 前記リング状部を不使用位置に回動した際に、カム突起の作用面が当接するストッパを前記レール部の末端に設け、このストッパが前記カム突起の通過を妨げることで、前記リング状部の抜脱が防止されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用フック装置。
  4. 前記両側のレール部の前記先端部分を連結するように基部に溝部を設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用フック装置。
  5. 車体パネルに取付けられる基部と、この基部に回動可能に軸支されたリング状部とから成る車両用フック装置において、
    前記基部が円筒状部分を有しておりかつその外周面に、周壁を挟んで対向配置された2つの円環面から成る矩形溝状のレール部が穿設されており、
    前記リング状部がその両端部分を互いに対向する方向に折り曲げられていると共にその自由端に半球形状突起が形成されており、
    レール部の前記周壁の直径方向位置において、前記半球形状突起が嵌挿される貫通孔が穿設されており、
    更に、前記リング状部の前記両端部分が縮径されていることを特徴とする車両用フック装置。
  6. 前記レール部の貫通孔に対応する直径方向位置から該レール部の接線方向に沿って互いに平行に伸びる直線状のガイドレールが対向する前記円環面上に各々対を成して前記貫通孔から半径方向に離間して対向配置されており、更に、前記ガイドレール各対の垂直離間距離が前記半球形状突起の直径より短く設定されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用フック装置。
  7. 前記ガイドレールが、前記貫通孔と直径方向に整列して前記リング状部の両端部分が横断するための切欠きが形成されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用フック装置。
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