JP4031111B2 - 真空断熱材の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

真空断熱材の製造方法およびその製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続気泡構造のプラスチックフォームをコア材としてガスバリア容器内に収容し真空パック化してなる、真空断熱材の製造方法と、その真空断熱材の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パネル状の真空断熱材が、たとえば冷蔵庫の壁面などに用いられている。従来から用いられる真空断熱パネルの基本的な構成を、図6に示す。
図6(A)に示すように、この真空断熱パネルは、一側部が開口された袋状のガスバリア容器Aと、プラスチックフォームからなるコア材Bと、ガス吸着剤であるゲッタ剤Cとから構成される。
【0003】
上記ガスバリア容器Aとして、アルミニュウム箔を含むプラスチックラミネートフィルムを製袋してなる。上記コア材Bとして、微小な連続気泡構造を有する、たとえばポリウレタンフォームが使用される。上記ゲッタ剤Cとしてゼオライトや活性炭が用いられ、ガスバリア容器A内で発生したガス、あるいは外部から侵入したガスを吸着する。
【0004】
図6(B)に示すように、ガスバリア容器A内にコア材Bとゲッタ剤Cを収容したうえで、これらを真空排気手段である真空ポンプPが接続された真空チャンバD内に収納する。
【0005】
そして、ガスバリア容器A内を真空排気したうえで、この開口部yをシールすることにより、図6(C)に示す、いわゆる真空パック構造の真空断熱パネルFが得られることとなる。
【0006】
このようにして構成される真空断熱パネルFの熱伝導率は、コア材Bの種類や内圧によって異なるが、コア材Bであるプラスチックフォームの気泡構造(セル構造)の影響が大きいものである。
【0007】
図7(A)に、セルサイズと熱伝達率の関係を示す。熱束流方向をa、この熱束流方向aとは直交する方向をbとして、ここでは大小3種類のセルサイズを挙げてある。
【0008】
図7(B)のパネル内圧に対する熱伝達率の特性図から分かるように、同一圧力の条件下では、熱流束方向aのセルの空隙が小さいほど熱伝達率が小さく、したがって断熱性能に優れている。
【0009】
上記プラスチックフォームを成形する際の発泡工程において、微細なセル構造のフォームを得るために、発泡剤や界面活性剤などを工夫すること、あるいは発泡方向を物理的に制御することで、ある範囲までは可能であるが、より小さなセル径にするには限界がある。
【0010】
特開昭62−251593号公報には、後加工によってみかけのセル径である熱流速方向の有効なセル径の小さいフォームを軟化温度以上に加熱して圧縮し、そのまま除冷する技術が開示され、特開平6−213561号公報には、所定のセル形状に常温で圧縮成形する技術が開示されている。
【0011】
一方、真空断熱パネルにおいて優れた初期性能および経時安定性を得るためには、パネル内圧を低く維持することが重要であり、そのため製造工程においてコア材の乾燥が不可欠である。一般的には、加熱乾燥あるいは加熱真空乾燥が行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、優れた初期性能および経時安定性を得るためにパネル内圧を低く維持し、そのため製造工程においてコア材を乾燥するのに、加熱乾燥あるいは加熱真空乾燥が行われるが、特に加熱して圧縮したあとに大気中で常温に戻してしまうと再度加熱して乾燥しなければならず、製造工程が複雑になるという問題があった。
【0013】
さらに、従来における真空断熱パネルの製造方法を、図8にもとづいて説明する。
従来例1の製造方法は、所定の形状にカットしたコア材Bを、乾燥炉G内に収容して加熱乾燥あるいは加熱減圧乾燥したのち、真空チャンバD内に収納する。この真空チャンバD内において、袋状ガスバリヤ容器Aの開口部yから内部へ上記コア材Bを挿入する。そして、真空ポンプPを駆動して真空チャンバD内を真空排気し、ガスバリヤ容器Aの開口部yをシールし、その後大気圧に戻すことにより、真空パック状の真空断熱パネルFが製造される。
【0014】
上記コア材Bに対する乾燥時の温度は、コア材Bの熱変形や熱分解などのダメージが生じない上限の温度および時間に設定される。たとえば連続気泡構造のウレタンフォームからなるコア材Bの場合は、約90〜120℃程度に設定するが、水分を確実に除去するためには100℃以上が望ましい。
【0015】
従来例2の製造方法は、従来例1の製造方法における最初のコア材Bのカット工程と次の乾燥工程の間に、コア材Bに対する圧縮工程が加わっていて、ここでは常温下でのプレスである、いわゆるコールドプレスをなす。
【0016】
従来例3の製造方法は、従来例1の製造方法における最初のコア材Bのカット工程と次の乾燥工程の間に、コア材Bに対する圧縮工程が加わっていて、ここでは加熱条件下でのプレスである、加熱圧縮(ホットプレスと呼ばれる)が行われる。
【0017】
しかるに、連続気泡構造のウレタンフォームのような熱硬化性樹脂フォームでは、従来例2のコア材Bを常温圧縮する工程において、セルの圧縮密度が厚み方向で不均一になったり、セル壁が過度に破壊される虞れがある。
【0018】
いわゆる挫屈現象が発生してしまい、コア材Bに対する圧縮工程の追加によって断熱性能が向上しても、真空パックあとに表面凹凸や反りなどが生じて形状安定性が劣るという問題がある。
【0019】
従来例3の製造方法において、適切な温度条件下での加熱圧縮をなせば形状安定性が向上するが、この工程のあと乾燥工程をなす際に、加熱圧縮した炉Hからコア材Bを取出して別に配置される乾燥炉Gに収納しなければならない。
【0020】
このとき、ある程度の時間差があるので、加熱圧縮する炉Hで所定温度になったコア材Bが乾燥炉Gに収納するまでに放熱して温度低下してしまう。そのため、乾燥工程に時間がかかって生産性が劣るという問題がある。
【0021】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、より少ない製造工程で、より優れた断熱性能が得られる真空断熱材の製造方法を提供することにあり、さらに、より少ない手段によって、より優れた断熱性能が得られる真空断熱材の製造装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を満足するため本発明の真空断熱材の製造方法は、請求項1として、コア材として連続気泡構造のプラスチックフォームを第1の加熱温度範囲に加熱し、かつ圧縮する工程と、上記第1の加熱温度範囲よりも低く水分の吸湿が問題にならない第2の加熱温度範囲を保持したまま、袋状ガスバリア容器の開口部から内部へ、加熱圧縮した上記プラスチックフォームを挿入する工程と、上記ガスバリア容器内部を真空排気し、かつガスバリア容器の開口部をシールする工程とを具備したことを特徴とする。
【0023】
また、本発明の真空断熱材の製造方法は、請求項2として、コア材として連続気泡構造のプラスチックフォームを大気圧下で、所定時間、第1の加熱温度範囲で加熱しながら、所定圧縮率で圧縮する工程と、上記第1の加熱温度範囲よりも低く水分の吸湿が問題にならない第2の加熱温度範囲を保持したまま、袋状ガスバリア容器の開口部から内部へ、加熱圧縮した上記プラスチックフォームを挿入する工程と、上記第2の加熱温度範囲を保持したまま、プラスチックフォームを収容したガスバリア容器を真空チャンバ内に搬送する工程と、上記真空チャンバにおいて、上記ガスバリア容器内を真空排気し、かつガスバリア容器の開口部をシールする工程とを具備したことを特徴とする。
【0024】
また、本発明の真空断熱材の製造方法は、請求項3として、真空チャンバ内において、減圧下で、コア材として連続気泡構造のプラスチックフォームを所定時間、第1の加熱温度範囲で加熱しながら、所定圧縮率で圧縮する工程と、上記真空チャンバ内で、減圧下で、上記第1の加熱温度範囲よりも低く水分の吸湿が問題にならない第2の加熱温度範囲を保持したまま、袋状ガスバリア容器の開口部から内部へ加熱圧縮した上記プラスチックフォームを挿入する工程と、上記真空チャンバ内において、上記ガスバリア容器内を真空排気し、かつガスバリア容器の開口部をシールする工程とを具備したことを特徴とする。
【0026】
このような課題を解決する手段を採用することにより、請求項1ないし請求項3の発明の真空断熱材の製造方法によれば、より少ない製造工程で、より優れた断熱性能が得られる。
【0027】
上記目的を満足するため本発明の真空断熱材の製造装置は、請求項4として、コア材として連続気泡構造のプラスチックフォームを第1の加熱温度範囲に加熱しながら圧縮する手段と、加熱圧縮した上記プラスチックフォームに対して上記第1の加熱温度範囲よりも低く水分の吸湿が問題にならない第2の加熱温度範囲を保持するとともに、プラスチックフォームを搬送する手段と、上記プラスチックフォームを袋状ガスバリア容器の開口部から内部へ挿入して、ガスバリア容器内部を真空排気し、かつガスバリア容器の開口部をシールする手段とを具備したことを特徴とする。
【0028】
また、本発明の真空断熱材の製造装置は、請求項5として、コア材として連続気泡構造のプラスチックフォームを、大気圧下で、伝導加熱あるいは対流加熱によって加熱し圧縮する加熱圧縮機構と、この加熱圧縮されたプラスチックフォームを搬送する搬送機構と、この搬送機構を加熱して所定温度に加熱して保温する手段および上記プラスチックフォームを袋状ガスバリア容器の開口部から内部へ挿入する手段を有する恒温槽と、この恒温槽から取出されたプラスチックフォーム入りガスバリア容器を収容し、ガスバリア容器内を真空排気する手段および、このガスバリア容器の開口部をシールする手段を有する真空チャンバとを具備したことを特徴とする。
【0029】
また、本発明の真空断熱材の製造装置は、請求項6として、真空チャンバ内に、コア材として連続気泡構造のプラスチックフォームを伝導加熱あるいは輻射加熱によって加熱するとともに圧縮する加熱圧縮機構と、この加熱圧縮されたプラスチックフォームを搬送する搬送機構と、この搬送機構を加熱して所定温度に保温する手段と、上記プラスチックフォームを袋状ガスバリア容器の開口部から内部へ挿入する手段と、ガスバリア容器内を真空排気する手段および、このガスバリア容器の開口部をシールする手段を備えたことを特徴とする。
【0032】
このような課題を解決する手段を採用することにより、請求項4ないし請求項6の発明によれば、断熱性能のより優れた真空断熱パネルを、より少ない手段によって得られる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に、真空断熱材である真空断熱パネル10を製造するための、第1の実施の形態を模式的に示す。
【0034】
第1の工程で、コア材として連続気泡構造のプラスチックフォーム1を所定形状にカットする。第2の工程で、カットしたプラスチックフォーム1を乾燥炉2内に収納する。この乾燥炉2内には加熱圧縮機構3が収容されていて、この加熱圧縮機構3に上記プラスチックフォーム1をセットする。
【0035】
そして、加熱圧縮機構3を駆動してプラスチックフォーム1を加熱しながら圧縮する。このときの乾燥炉2内は大気圧下である。また、乾燥炉2内に備えられた加熱圧縮機構3として、加熱圧縮板にヒータを組み込んで伝導加熱をなす場合と、熱風を循環する対流加熱構造である、いわゆるオーブン構造がある。
【0036】
いずれも、プラスチックフォーム1を第1の加熱温度範囲である約90〜120℃程度に加熱しながら、所定圧縮率である初期厚みの約20〜70%の厚さまで圧縮するとともに、プラスチックフォーム1に対する乾燥を同時に行う。
【0037】
第3の工程として、プラスチックフォーム1を水分の吸湿が問題にならない第2の加熱温度範囲に加熱保持しながら搬送する手段である搬送機構4をもって、真空チャンバ5内に搬入する。なお、水分の吸湿が問題にならない第2の加熱温度範囲として、雰囲気温度あるいは相対湿度にもよるが、約60〜100℃に設定する。すなわち、この工程で設定される第2の加熱温度範囲は、前の加熱圧縮工程で設定される上記第1の加熱温度範囲よりも若干低く、プラスチックフォーム1を保温しながら水分の吸湿を防止する。
【0038】
第4の工程として、真空チャンバ5内において、プラスチックフォーム1を袋状のガスバリア容器6の開口部7から内部に挿入する。
第5の工程として、上記真空チャンバ5に接続される真空排気手段である真空ポンプ8を駆動して真空チャンバ5内を真空排気し、かつガスバリア容器6の開口部7をシールすることにより、いわゆる真空パック状態の真空断熱パネル10が得られる。
【0039】
つぎに、図2に、真空断熱材である真空断熱パネル10を製造するための、第2の実施の形態を模式的に示す。
第1の工程で、コア材として連続気泡構造のプラスチックフォーム1を所定形状にカットする。第2の工程で、カットしたプラスチックフォーム1を真空チャンバ11内に収納し、この真空チャンバ11内を減圧状態に保持して、プラスチックフォーム1を加熱しながら圧縮する。ここでも、プラスチックフォーム1を第1の加熱温度範囲である約90〜120℃程度に加熱しながら、所定圧縮率である初期厚みの約20〜70%の厚さまで圧縮する。
【0040】
第3の工程として、プラスチックフォーム1を水分の吸湿が問題にならない第2の加熱温度範囲に加熱保持し、減圧状態のまま、プラスチックフォーム1を袋状のガスバリア容器6の開口部7から内部に挿入する。
【0041】
第4の工程として、上記真空チャンバ11に接続される真空ポンプ8を駆動して真空チャンバ11内を真空排気し、かつガスバリア容器6の開口部7をシールすることにより、いわゆる真空パック状態の真空断熱パネル10が得られる。
【0042】
このように第2の実施の形態においては、加熱圧縮工程を真空チャンバ11内で減圧下で行い、保温したまま減圧下で(大気圧に開放しないで)真空排気とシール工程に移るようにしたので、特に、乾燥と真空排気が効率的に行われる。
【0043】
さらに、第2の実施の形態において、真空チャンバ11を単独のものとして、この真空チャンバ11内で加熱・圧縮・ガスバリア容器6への挿入・真空排気・シールと搬送を要して行う場合と、上記真空チャンバ11を複数の分割真空チャンバから構成し、これら分割真空チャンバを接続して、機能を分割して行う場合が考えられる。
【0044】
後者の場合をさらに具体的に述べると、真空チャンバをたとえば2分割して、第1の真空チャンバと第2の真空チャンバから構成し、これらチャンバを真空シャッタを介して接続する。
【0045】
第1の真空チャンバ内に、加熱手段と、圧縮手段と、保温(乾燥)手段と、ガスバリア容器内への挿入手段および第2の真空チャンバへの搬送手段を収容し、第2の真空チャンバ内には、加熱手段とシール手段を収容する。
【0046】
そして、第1の真空チャンバ内でプラスチックフォーム1に対する圧縮と乾燥を行い、第2の真空チャンバ内でプラスチックフォーム1とガスバリア容器6の乾燥と、真空排気およびシールを行うこととなる。
【0047】
なお、プラスチックフォーム1のガスバリア容器6への挿入手段を、第1の真空チャンバから第2の真空チャンバへ移すこともできる。
プラスチックフォーム1を加熱する手段として、ヒータを兼用する圧縮板や、搬送機構部にヒータを内蔵し伝熱加熱する方法や、輻射によって必要な領域を加熱する方法を採用してもよい。
【0048】
つぎに、上記第1の実施の形態と、第2の実施の形態に係わる具体的な実施の形態を、具体的実施例11と、具体的実施例12として説明する。
具体的実施例11は、図3に示すように構成される。
【0049】
第1の工程として、コア材である連続気泡構造のポリウレタンフォーム(以下、プラスチックフォームと呼ぶ)1を所定形状にカットする。このあと、プラスチックフォーム1を恒温槽2内に収容し、第2の工程としてプラスチックフォーム1を加熱しながら、厚みが70%になるよう圧縮する。
【0050】
上記恒温槽2は、たとえば熱風循環機構12を備えて、内部温度を105℃に設定するとともに、加熱圧縮機構3であるヒータ13内蔵の圧縮板14の表面温度を120℃に設定する。
【0051】
第3の工程として、恒温槽2内を大気圧下のまま、プラスチックフォーム1を搬送機構15に支持して、105℃に維持された乾燥領域を約1時間かけて搬送し、乾燥する。
【0052】
第4の工程として、恒温槽2内を大気圧下のまま、上記プラスチックフォーム1をAl(アルミニュウム)箔を含むプラスチックラミネートフィルムを製袋してなるガスバリア容器6の開口部7から内部に挿入する。
【0053】
第5の工程として、プラスチックフォーム1を収容したガスバリア容器6を恒温槽2から出して搬送機構4に支持し、水分の吸湿が問題にならない温度に加熱保持しながら真空チャンバ5内に搬入する。
【0054】
第6の工程として、真空チャンバ5内を80℃以上に乾燥維持しながら、真空チャンバ5内圧力が0.001Torr以下になるまで真空排気し、ヒートシール機構16を駆動してガスバリア容器6の開口部7をヒートシールする。
【0055】
第7の工程として、このガスバリア容器6を真空チャンバ5から取出すことにより、真空断熱パネル10が得られることとなる。
表1に、具体的実施例11の製造方法によって得られた真空断熱パネルAの特性を示す。
【0056】
【表1】
Figure 0004031111
【0057】
同表に、具体的実施例11に対する具体的比較例11として、プラスチックフォーム1を加熱圧縮する工程を除いた以外は、具体的実施例11の工程とすべて同一の工程を経て製造してなる、真空断熱パネルBの特性を示す。
【0058】
さらに同表に、他の具体的比較例として、プラスチックフォーム1を加熱圧縮したあと、一旦常温の大気中に戻して保管した以外は、具体的実施例11の工程とすべて同一の工程を経て製造してなる、真空断熱パネルCの特性を示す。
【0059】
同表には、各例によって得られた真空断熱パネルA,B,Cの初期熱伝達率と、上記真空パネルA,B,Cを60℃の恒温槽中に3か月保管(エージング)したあとの熱伝達率を測定した結果を示す。
【0060】
つぎに具体的実施例12を、図4にもとづいて説明する。
第1の工程として、コア材である連続気泡構造のポリウレタンフォーム(以下、プラスチックフォームと呼ぶ)1を所定形状にカットする。第2の工程として、プラスチックフォーム1を第1の真空チャンバ21内に収容し、このチャンバ21内に備えられる予熱部20の輻射加熱により、約100℃に加熱保持する。
【0061】
第3の工程として、ヒータ13を内蔵した圧縮板14からなる加熱圧縮機構3を駆動して、プラスチックフォーム1の厚みが60%になるよう加熱圧縮する。このときの圧縮板14の表面温度は120℃を保持し、かつ第1の真空チャンバ21内の圧力は0.01Torrに設定する。
【0062】
第4の工程として、プラスチックフォーム1を保温ヒータ24で約100℃に加熱保持したまま搬送し、第5の工程として、プラスチックフォーム1をAl(アルミニュウム)箔を含むプラスチックラミネートフィルムを製袋してなるガスバリア容器6の開口部7から内部に挿入する。
【0063】
第6の工程として、真空シャッタ22を開放して、プラスチックフォーム1を収納したガスバリア容器6を第1の真空チャンバ21から第2の真空チャンバ23内に導入する。
【0064】
この第2の真空チャンバ23内を70℃以上の雰囲気温度に乾燥保持し、かつチャンバ23内圧力を0.01Torr以下まで真空排気する条件下で、第7の工程としてヒートシール機構16を駆動してガスバリア容器6の開口部7をヒートシールすることにより、真空断熱パネル10が得られる。
【0065】
表1に、具体的実施例12によって得られた真空断熱パネルDの特性を示す。同表に具体的比較例12として、第1の真空チャンバ21内でプラスチックフォーム1を加熱圧縮したあと、一旦この真空チャンバ21から取出し、常温下で、大気圧中に保管する。
【0066】
そして、ガスバリア容器6内にプラスチックフォーム1を挿入してから第2の真空チャンバ23内に導入し、プラスチックフォーム1温度を80℃に維持し、チャンバ23内圧力を0.01Torr以下まで排気して容器開口部7をヒートシールして得られる真空断熱パネルEの特性を示す。
【0067】
同表には、各例によって得られた真空断熱パネルD,Eの初期熱伝達率と、上記真空断熱パネルD,Eを60℃の恒温槽中に3か月保管(エージング)したあとの熱伝達率を測定した結果を示す。
【0068】
図5は、具体的実施例12の変形例である。ここでは、第1の工程として、コア材である連続気泡構造のポリウレタンフォーム(以下、プラスチックフォームと呼ぶ)1を所定形状にカットする。第2の工程として、プラスチックフォーム1を第1の真空チャンバ21A内に収容し、この第1の真空チャンバ21A内に備えられる予熱部20の輻射加熱により約100℃に加熱保持する。
【0069】
そのあと、第3の工程として、ヒータ13を内蔵した圧縮板14からなる加熱圧縮機構3を駆動して、プラスチックフォーム1の厚みが60%になるよう加熱圧縮する。圧縮板14の表面温度は120℃を保持し、かつ第1の真空チャンバ21内の圧力は0.01Torrに設定することは変わりがない。
【0070】
第4の工程として、プラスチックフォーム1を保温ヒータ24で約100℃に加熱保持したまま搬送し、真空シャッタ22を開放してプラスチックフォーム1を第1の真空チャンバ21Aから第2の真空チャンバ23A内に導入する。
【0071】
第5の工程として、第2の真空チャンバ23A内でプラスチックフォーム1をAl(アルミニュウム)箔/プラスチックラミネコートフイルムを製袋してなるガスバリア容器6の開口部7から内部に挿入する。
【0072】
第6の工程として、この第2の真空チャンバ23A内を70℃以上の雰囲気温度に乾燥保持し、かつチャンバ23内圧力が0.01Torr以下まで真空排気する条件下で、ヒートシール機構16を駆動してガスバリア容器6の開口部7をヒートシールすることにより、真空断熱パネル10が得られる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、熱伝導率が小さく、より優れた断熱性能が得られ、経時安定性に優れた真空断熱材を、より少ない製造ステップにより得るための製造方法と製造装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を説明する図。
【図2】本発明の第2の実施の形態を説明する図。
【図3】本発明の具体的実施例を説明する図。
【図4】本発明の他の具体的実施例を説明する図。
【図5】本発明のさらに他の具体的実施例を説明する図。
【図6】従来の、真空断熱パネルの基本的な製造方法を説明する図。
【図7】真空断熱パネルの特性を示す図。
【図8】従来の、各種の真空断熱パネルの製造方法を説明する図。
【符号の説明】
1…プラスチックフォーム、
6…ガスバリア容器、
2…恒温槽、
5…真空チャンバ、
3…加熱圧縮機構、
4…搬送機構、
8…真空ポンプ、
16…ヒートシール機構、
11…真空チャンバ、
22…真空シャッタ、
21…第1の真空チャンバ、
23…第2の真空チャンバ。

Claims (6)

  1. コア材として連続気泡構造のプラスチックフォームを第1の加熱温度範囲に加熱し、かつ圧縮する工程と、
    上記第1の加熱温度範囲よりも低く水分の吸湿が問題にならない第2の加熱温度範囲に加熱保持したまま、袋状ガスバリア容器の開口部から内部へ、加熱圧縮した上記プラスチックフォームを挿入する工程と、
    上記ガスバリア容器内部を真空排気し、かつガスバリア容器の開口部をシールする工程と、
    を具備したことを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  2. コア材として連続気泡構造のプラスチックフォームを大気圧下で、所定時間、第1の加熱温度範囲で加熱しながら、所定圧縮率で圧縮する工程と、
    上記第1の加熱温度範囲よりも低く水分の吸湿が問題にならない第2の加熱温度範囲を保持したまま、袋状ガスバリア容器の開口部から内部へ、加熱圧縮した上記プラスチックフォームを挿入する工程と、
    上記第2の加熱温度範囲を保持したまま、プラスチックフォームを収容したガスバリア容器を真空チャンバ内に搬送する工程と、
    上記真空チャンバにおいて、上記ガスバリア容器内を真空排気し、かつガスバリア容器の開口部をシールする工程と、
    を具備したことを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  3. 真空チャンバ内において、減圧下で、コア材として連続気泡構造のプラスチックフォームを所定時間、第1の加熱温度範囲で加熱しながら、所定圧縮率で圧縮する工程と、
    上記真空チャンバ内で、減圧下で、上記第1の加熱温度範囲よりも低く水分の吸湿が問題にならない第2の加熱温度範囲を保持したまま、袋状ガスバリア容器の開口部から内部へ加熱圧縮した上記プラスチックフォームを挿入する工程と、
    上記真空チャンバ内において、上記ガスバリア容器内を真空排気し、かつガスバリア容器の開口部をシールする工程と、
    を具備したことを特徴とする真空断熱材の製造方法。
  4. コア材として連続気泡構造のプラスチックフォームを第1の加熱温度範囲に加熱しながら圧縮する手段と、
    加熱圧縮した上記プラスチックフォームに対して上記第1の加熱温度範囲よりも低く水分の吸湿が問題にならない第2の加熱温度範囲を保持して加熱するとともに、プラスチックフォームを搬送する手段と、
    上記プラスチックフォームを袋状ガスバリア容器の開口部から内部へ挿入して、ガスバリア容器内部を真空排気し、かつガスバリア容器の開口部をシールする手段と、
    を具備したことを特徴とする真空断熱材の製造装置。
  5. コア材として連続気泡構造のプラスチックフォームを、大気圧下で、伝導加熱あるいは対流加熱によって加熱し圧縮する加熱圧縮機構と、この加熱圧縮されたプラスチックフォームを搬送する搬送機構と、この搬送機構を加熱して所定温度に保温する手段および上記プラスチックフォームを袋状ガスバリア容器の開口部から内部へ挿入する手段を有する恒温槽と、
    この恒温槽から取出されたプラスチックフォーム入りガスバリア容器を収容し、ガスバリア容器内を真空排気する手段および、このガスバリア容器の開口部をシールする手段を有する真空チャンバと、
    を具備したことを特徴とする真空断熱材の製造装置。
  6. 真空チャンバ内に、コア材として連続気泡構造のプラスチックフォームを伝導加熱あるいは輻射加熱によって加熱するとともに圧縮する加熱圧縮機構と、この加熱圧縮されたプラスチックフォームを搬送する搬送機構と、この搬送機構を加熱して所定温度に保温する手段と、上記プラスチックフォームを袋状ガスバリア容器の開口部から内部へ挿入する手段と、ガスバリア容器内を真空排気する手段および、このガスバリア容器の開口部をシールする手段を備えたことを特徴とする真空断熱材の製造装置。
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