JP4030537B2 - 光通信用高分子材料とその合成方法、及びその材料を用いた光導波路 - Google Patents

光通信用高分子材料とその合成方法、及びその材料を用いた光導波路 Download PDF

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Description

この発明は、光通信に用いて好適な高分子材料、その製造方法、およびこの高分子材料を用いた光導波路に関する。
通信分野においては、大容量かつ高速の通信を実現するために、伝送路の光化や光回路部品の開発が必要不可欠である。
光導波路の構造に共通していることは、屈折率の高いコア部分と周辺の屈折率の低いクラッド部分を含み、光は主として屈折率の高い部分に閉じ込められて伝わっていることである。
光回路部品の材料としては石英材料が多用されているが、この材料は高価で、加工が困難でもある。
一方、下記の化学式(3)により示されるポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと略称する。)などの高分子材料は、低価格で、加工も容易であるため、大面積化、低コスト化、および機能性化合物や官能基の導入による機能性光導波路などの実現が期待できる。また、この高分子材料は石英に比べて熱光学定数や電気光学定数が大きいので、この高分子材料を光スイッチに適用するときにその低消費電力化が期待される。
Figure 0004030537
また、この高分子材料は、光波長域における低損失性と高い屈折率制御性とを有している。PMMAの他にも、高透明性を有し、かつ屈折率の制御性が良好な材料として、ポリイミド、ポリカーボネートおよびエポキシ樹脂が知られている。しかし、これら材料と対比しても、特にPMMAは透明性および加工性に優れており、しかも複屈折(TE偏波とTM偏波との屈折率の差)が生じにくい材料でもある。
ここで、光導波路の構造に共通していることは、屈折率の高いコア部分と周辺の屈折率の低いクラッド部分を含み、光は主として屈折率の高い部分に閉じ込められて伝わっていることである。
しかしながら、PMMAはガラス転移温度(Tg)が100℃程度と低い。このため、加工中に熱によって軟化するおそれがある。
また、PMMA単独では屈折率が制御できないという問題も有している。
さらに、ポリイミドを用いた光導波路は膜を作製した後にイミド化を行うため、応力がかかり、光導波路作成時に生ずる複屈折の問題があった。
従って、従来より、PMMAよりも耐熱性があり、屈折率制御性に優れ、ポリイミドよりも複屈折のない光通信用高分子材料、その製造方法、およびこの高分子材料を用いた光導波路の出現が望まれていた。
この発明の光通信用高分子材料は、下記に示す(1)式の化合物を含んでいる。
Figure 0004030537
但し、(1)式中のnは重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表している。
また、上記光通信用高分子材料は、下記構造の共重合体である、下記に示す(2)式の化合物を含むのが良い。
Figure 0004030537
但し、(2)式中のm、共重合比率がp:m=9:1であり、かつ重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表している。
このような構成によれば、PMMAと比較して耐熱性に優れた材料が得られる。従って、光導波路の作成時に発生する熱による劣化が生じにくい材料が得られる。
この構成によれば、所望の屈折率が得られる。
また、光通信用高分子材料である下記に示す(1)式の化合物を合成する方法において、ポリメチルメタクリレート及び2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリンを原料として用いるのが良い。
Figure 0004030537
但し、(1)式中のnは重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表している。
また、上記(1)式の化合物を合成する方法において、ポリメチルメタクリレート及び
2,3,4,5、6−ペンタフルオロアニリンを溶媒に溶解させて溶液を作製する工程と、その溶液を攪拌して反応液を精製する工程と、その反応液を水中に滴下して、沈殿物を濾過した後、その沈殿物を洗浄する工程とを含むのが良い。
また、光通信用高分子材料である下記に示す(2)式の化合物を合成する方法において、ポリメチルメタクリレートと、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリンと、メチルアミン−メタノール溶液を原料として用いるのが良い。
Figure 0004030537
但し、(2)式中のm、共重合比率がp:m=9:1であり、かつ重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表している。
また、上記(2)式の化合物を合成する方法において、ポリメチルメタクリレートと、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリンと、メチルアミン−メタノール溶液とを溶媒に溶解させて溶液を作製する工程と、その溶液を攪拌して反応液を精製する工程と、その反応液を水中に滴下して、沈殿物を濾過した後、その沈殿物を洗浄する工程とを含むのが良い。
このような合成方法を用いれば、目的の光通信用高分子材料を得られる。
この発明における、コアとクラッドとを具える光導波路において、コア及びクラッドの双方又はいずれか一方が、下記に示す(1)式または(2)式の化合物を含む光通信用高分子材料であるのが良い。
上述の光導波路において、下記に示す(1)式の化合物を含むのが良い。
Figure 0004030537
但し、前記(1)式中のnは重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表す。
上述の光導波路において、共重合体である、下記に示す(2)式の化合物を含むのが良い。
Figure 0004030537
但し、前記(2)式中のm、共重合比率がp:m=9:1であり、かつ重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表す。
このような構成によれば、上述の光通信用高分子材料の特性を生かした光導波路を得ることができる。
コアとクラッドとを具える光導波路において、コアが下記に示す(2)式の化合物からなる光通信用高分子材料、及びクラッドが下記に示す(1)式の化合物からなる光通信用高分子材料で形成されているのが良い。
Figure 0004030537
但し、(2)式中のm、共重合比率がp:m=9:1であり、かつ重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表している。
Figure 0004030537
但し、(1)式中のnは重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表している。
コアとクラッドとを具える光導波路において、コアが下記に示す(2)式の化合物からなる光通信用高分子材料、及びクラッドがUV硬化型エポキシ樹脂で形成されているのが良い。
Figure 0004030537
但し、(2)式中のm、共重合比率がp:m=9:1であり、かつ重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表している。
このような構成によれば、所望の屈折率差が得られ、かつ、真空装置を用いず光照射のみで光導波路を作製することが可能になる。
この発明である、上述の(1)式の化合物を含む光通信用高分子材料を用いることで、ガラス転移温度がPMMAに比べて高い材料を提供することができる。また、これらの化合物は、イミド化率を変えたり、イミド化率を変えることによりフッ素含有量を変えたり、共重合比率を変えることにより、屈折率の制御性も優れた材料である。さらに、これらの化合物は、ポリイミドで問題となっていた、複屈折のない光通信用高分子材料である。
また、コアとクラッドに上記の材料及びUV硬化型エポキシ樹脂を用いれば、光導波路に必要な条件を満たした透過減衰量をもつ光導波路を作製することができる。
さらに、光導波路を製造する際、紫外線によりパターニングする工程において、クラッド層にUV硬化型エポキシ樹脂を用いれば、あらかじめ紫外線照射時間を測定する必要もないため、製造が容易となる。
以下、本発明の光通信用高分子材料とその合成方法、及びその材料を用いた光導波路の最良の実施態様について実施例を挙げて具体的に説明するが、本実施例は本発明の範囲内の好適な一例を示すに過ぎず、本発明はこれらに限定されないことは勿論のことである。
《1.光通信用高分子材料及び合成方法》
〈実施例1−1〉
実施例1−1の光通信用高分子材料は、下記に示す(1)式である。
Figure 0004030537
但し、前記(1)式中のnは重合度を表す。
次に、この光通信用高分子材料の製造方法について説明する。
まず、10.0gのPMMAと、9.2g(0.05mol)の2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリンとを、200mlのN−メチルピロリドンに溶解させて溶液を作製する。このPMMAの重量平均分子量は、120000である。
次に、上記で得られた溶液を耐圧性反応容器中に入れ、200℃の温度で、10時間攪拌して、反応液を生成する。
次に、得られた反応液を水中に滴下して、沈殿物を濾過した後、メタノールで洗浄する。これにより、上記(1)式の光通信用高分子材料が得られる。
得られた光通信用高分子材料は、14.3gであった。収率は、90%であった。
次に、上述の方法で得られた高分子材料を1H−NMRにより分析した。1H−NMRの分析には、JEOL社製のα−400(商品名)を用いた。
分析に用いるため、合成した高分子材料3mgを0.6mlの重DMF(ジメチルホルムアミド)に溶解して試料とした。この測定結果を、下記に示す(1a)式を参照して説明する。
Figure 0004030537
このNMRの測定結果によると、化学シフト値δ=1.5ppmの位置を中心とする、ピーク面積比が4のシングレットのピーク(P1)が検出される。これは、上記化学式(1a)中の(a)を付した4つの水素に起因するピークに相当する。
また、化学シフト値δ=2.1ppmの位置を中心とする、ピーク面積比が6にシングレットのピーク(P2)が検出される。これは、上記化学式(1a)中の(b)を付した6つの水素に起因するピークに相当する。
さらに、下記に示す化学式(3a)中、(c)を付したメチル基に起因するピークが、化学シフト値δ=3.7ppmの位置を中心にピークを有するが、合成した高分子はこのピークが消失している。
Figure 0004030537
従って、このNMR測定結果によれば、上記の方法により作製した高分子材料が前述の(1)式に示す目的の化合物であると同定される。
さらに、FT−IRにて、得られた光通信用高分子材料の同定を行った。FT−IR装置には、JASCO社製のFT−410(商品名)を用いた。
その結果、1720cm-1付近のエステル吸収が、イミド基の吸収ピークである1720cm-1付近及び1670cm-1付近の二つのピークとなって検出された。このため、上記の方法により作製した高分子材料が(1)式に示す目的の化合物であると同定される。
次に、この高分子材料の熱分析を、Rigaku社製の熱分析装置であるTHERMOFLEX TAS300(商品名)により行った。その結果、ガラス転移温度(Tg)が230℃と測定された。従って、従来のPMMAに比べて、耐熱性が改善されている。
また、この高分子材料の屈折率は1.465となる。そして、この高分子材料では、TEモードとTMモードで、屈折率がほぼ等しい。すなわち、この高分子材料は、複屈折が生じない材料である。
このように、上式(1)により示す高分子材料は、耐熱性に優れている。また、イミド化率を変えることで体積当たりのフッ素原子の濃度を変えることができるので、屈折率を制御することが可能である。
〈実施例1−2〉
実施例1−2の光通信用高分子材料は、下記に示す(2)式である。
Figure 0004030537
また、(2)式中m,は重合度を表す。
次に、この光通信用高分子材料の製造方法について説明する。
まず、10.0gのPMMAと、8.3g(0.045mol)の2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリンと、メチルアミン量で0.005molのメチルアミン−メタノール溶液とを、200mlのN−メチルピロリドンに溶解させて溶液を作製する。このPMMAの重量平均分子量は、120000である。
次に、上記で得られた溶液を耐圧性反応容器中に入れ、200℃の温度で、10時間攪拌して、反応液を生成する。
次に、得られた反応液を水中に滴下して、沈殿物を濾過した後、メタノールで洗浄する。これにより、上記(2)式の光通信用高分子材料が得られる。
得られた光通信用高分子材料は、13.4gであった。収率は、88%であった。
次に、上述の方法で得られた高分子材料を1H−NMRにより分析した。1H−NMRの分析には、JEOL社製のα−400(商品名)を用いた。
分析に用いるため、合成した高分子材料3mgを0.6mlの重DMF(ジメチルホルムアミド)に溶解して試料とした。この測定結果を、下記に示す(2a)式を参照して説明する。
Figure 0004030537
このNMRの測定結果によると、化学シフト値δ=1.5ppmの位置を中心とする、ピーク面積比が40のシングレットのピーク(P1)が検出される。これは、上記化学式(2a)中の(a)を付した水素に起因するピークに相当する。
また、化学シフト値δ=2.1ppmの位置を中心とする、ピーク面積比が60にシングレットのピーク(P2)が検出される。これは、上記化学式(2a)中の(b)を付した水素に起因するピークに相当する。
さらに、化学シフト値δ=3.1ppmの位置を中心とする、ピーク面積比が3のシングレットのピーク(P3)が検出される。これは、上記化学式(2a)中の(c)を付した3つの水素に起因するピークに相当する。
従って、このNMR測定結果によれば、上記の方法により作製した高分子材料が(2)式に示す目的の化合物であると同定される。
また、これらのピーク比より、上記(2)式で示す高分子の共重合比率が:m=9:
1であることがわかった。
さらに、FT−IRにて、得られた光通信用高分子材料の同定を行った。FT−IR装置には、JASCO社製のFT−410(商品名)を用いた。
その結果、1720cm-1付近のエステル吸収が、イミド基の吸収ピークである1720cm-1付近及び1670cm-1付近の二つのピークとなって検出された。このため、上記の方法により作製した高分子材料が(2)式に示す目的の化合物であると同定される。
次に、この高分子材料の熱分析を、Rigaku社製の熱分析装置であるTHERMOFLEX TAS300(商品名)により行った。その結果、ガラス転移温度(Tg)が210℃と測定された。従って、従来のPMMAに比べて、耐熱性が改善されている。
また、この高分子材料の屈折率は1.473となる。そして、この高分子材料では、TEモードとTMモードの屈折率がほぼ等しい。すなわち、この高分子材料は、複屈折が生じない材料である。
このように、上式(2)により示す高分子材料は、耐熱性に優れている。共重合比率を変えることで体積当たりのフッ素原子の濃度を変えることができるので、屈折率を制御することが可能である。
上述した実施例1−1〜実施例1−2までの合成方法において、光通信用高分子材料を合成するのに用いる原料を溶解させる溶媒は、N−メチルピロリドンの他に、例えばジエチルアセトアミドを用いても良い。
また、得られた沈殿物を洗浄するのに用いる溶剤は、メタノール以外に、水、1N塩酸及びエタノールを用いても良い。
《2.光導波路》
以下、図を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。尚、図は、この発明が理解できる程度に、形状、大きさおよび配置関係を概略的に示しているに過ぎない。また、以下に記載される数値等の条件や材料等は単なる一例に過ぎない。よって、この発明は、この実施の形態に何ら限定されることがない。
図1は、この実施の形態の光導波路の構成を示す断面図である。図示の通り、シリコン基板10上に下部クラッド層12が積層されている。この下部クラッド層12の上面にはコアリッジ14が形成されている。このコアリッジ14の上側は、下部クラッド層12上に積層された上部クラッド層16により被覆されている。
以下に、製造方法を2例挙げて説明する。
1. 第1の製造方法
図2は、第1の製造方法の説明に供する断面図である。先ず、シリコン基板10の上面に、光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、下部クラッド層12を形成する(図2(A))。
次に、下部クラッド層12の上面に、光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、コア層18を形成する(図2(B))。
次に、コア層18の上面にレジスト材料をスピンコートし、このレジストのパターニングを通常のフォトリソグラフィにより行う。つまり、光マスクを介してレジストの露光を行った後、現像液を用いて現像する。その結果、コア層18上にマスクパタン20が形成される(図2(C))。
次に、RIEエッチングによりコア層18のパターニングを行う。この工程により、マスクパタン20のパタンをコア層18に転写して、下部クラッド層12上にコアリッジ18aを形成する(図2(D))。
次に、コアリッジ18a上のマスクパタン20を、レジスト剥離液を用いて除去する。続いて、下部クラッド層12およびコアリッジ18aの上に、光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、上部クラッド層16を形成する(図2(E))。この結果、光導波路が得られる。
上述したように、この例の光導波路を構成するコアおよびクラッドの材料は、PMMAと比較して耐熱性が優れている。従って、光導波路の作製時に発生する熱による材料劣化がない。この材料は複屈折が生じないため、光導波路として用いて好適である。
2. 第2の製造方法
図3は、第2の製造方法の説明に供する断面図である。尚、途中までは第1の製造方法と同じ工程である。図3(A)は図2(B)に続く工程図となる。
先ず、シリコン基板10の上面に、光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、下部クラッド層12を形成する(図2(A))。
次に、下部クラッド層12の上面に、光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、コア層18を形成する(図2(B))。
次に、コア層18上にマスク22を設置し、このマスク22を介してコア層18に紫外線24を照射する(図3(A))。コア層18には、マスク22のパタンを反映したパタンの潜像が形成される。
続いて、現像液を用いて現像を行い、紫外線が照射されたコア層18の部分を除去する。このように除去が行える理由は、紫外線が照射されたコア層18の部分が光エネルギにより低分子化されたため、現像液に対して可溶性となるためである。そして、下部クラッド層12上に残存したコア層18の部分がコアリッジ18aとなる。
最後に、下部クラッド層12およびコアリッジ18aの上に、光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、上部クラッド層16を形成する(図3(C))。この結果、光導波路が得られる。
この第2の製造方法によれば、工程数が少ないため、低価格の光導波路が期待できる。
また、第1の製造方法で説明したように、屈折率の制御も容易に行うことができる。
以上2つの方法により、製造した光導波路の実施例を以下に説明する。コア層とクラッド層に用いた、上述の光通信用高分子材料の組み合わせを以下の表に示す。
Figure 0004030537
〈実施例2−1〉
実施例2−1では、コア層に下記に示す(2)式の光通信用高分子材料、クラッド層に下記に示す(1)式の光通信用高分子材料を用いた例である。
Figure 0004030537
Figure 0004030537
(1)式により表される高分子材料の方が、(2)式により表される高分子材料に比べて屈折率が低い。従って、(2)式により表される高分子材料でコアを形成し、(1)式により表される高分子材料でクラッドを形成すれば、光導波路を実現することができる。
1. 第1の製造方法
実施例2−1においても、図2を用いて説明する。
先ず、シリコン基板10の上面に、上記(1)式の光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、10μmの厚さの下部クラッド層12を形成する(図2(A))。
次に、下部クラッド層12の上面に、上記(2)式の光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、10μmの厚さのコア層18を形成する(図2(B))。
次に、コア層18の上面にレジスト材料をスピンコートし、このレジストのパターニングを通常のフォトリソグラフィにより行う。つまり、光マスクを介してレジストの露光を行った後、現像液を用いて現像する。その結果、コア層18上にマスクパタン20が形成される(図2(C))。
次に、RIEエッチングによりコア層18のパターニングを行う。この工程により、マスクパタン20のパタンをコア層18に転写して、下部クラッド層12上にコアリッジ18aを形成する(図2(D))。
次に、コアリッジ18a上のマスクパタン20を、レジスト剥離液を用いて除去する。続いて、下部クラッド層12およびコアリッジ18aの上に、上記(1)式の光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、10μmの厚さの上部クラッド層16を形成する(図2(E))。この結果、光導波路が得られる。
上述したように、この例の光導波路を構成するコアおよびクラッドの材料は、PMMAと比較して耐熱性が優れている。従って、光導波路の作製時に発生する熱による材料劣化がない。この材料は複屈折が生じないため、光導波路として用いて好適である。
また、上記方法により作成した光導波路に、1.3μmの波長の光を入力して透過減衰量を測定したところ、0.3dB/cmとなった。また、633nmの波長の光を入力して透過減衰量を測定すれば、0.3dB/cm程度よりも低い値が期待できる。
上述したように、クラッドに用いた高分子材料の屈折率は1.465であり、コアに用いた高分子材料の屈折率は1.473である。これらクラッドおよびコアの屈折率差は、光導波路として機能させることが可能な値である。しかし、(1)式で表される高分子材料のイミド化率を変えることによりフッ素含有量を変化させるか、又は(2)式の共重合体の比率を変えた材料を用いることにより、より好ましい屈折率に制御することもできる。
2. 第2の製造方法
図3は、第2の製造方法の説明に供する断面図である。尚、途中までは第1の製造方法と同じ工程である。図3(A)は図2(B)に続く工程図となる。
先ず、シリコン基板10の上面に、上記(1)式の光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、10μmの厚さの下部クラッド層12を形成する(図2(A))。
次に、下部クラッド層12の上面に、上記(2)式の高分子材料をスピンコート法により塗布し、10μmの厚さのコア層18を形成する(図2(B))。
次に、コア層18上にマスク22を設置し、このマスク22を介してコア層18に紫外線24を照射する(図3(A))。コア層18には、マスク22のパタンを反映したパタンの潜像が形成される。
続いて、現像液を用いて現像を行い、紫外線が照射されたコア層18の部分を除去する。このように除去が行える理由は、紫外線が照射されたコア層18の部分が光エネルギにより低分子化されたため、現像液に対して可溶性となるためである。そして、下部クラッド層12上に残存したコア層18の部分がコアリッジ18aとなる。
最後に、下部クラッド層12およびコアリッジ18aの上に、上記(1)式の光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、10μmの厚さの上部クラッド層16を形成する(図3(C))。この結果、光導波路が得られる。
この第2の製造方法によれば、工程数が少ないため、低価格の光導波路が期待できる。
また、第1の製造方法で説明したように、屈折率の制御も容易に行うことができる。
この方法で作成した光導波路に、1.3μmの波長の光を入力して透過減衰量を測定したところ、0.3dB/cmとなった。また、633nmの波長の光を入力して透過減衰量を測定すれば、0.3dB/cm程度よりも低い値が期待できる。
上記(1)式の高分子材料の屈折率は1.465で、上記(2)式の高分子材料の屈折率は1.473であり、それぞれクラッド層、コア層の材料として用いることのできる屈折率差であるが、より好ましい屈折率に制御することは、上記(1)式のイミド化率を変えることによりフッ素含有量を変化させた材料や、上記(2)式の共重合体の比率を変えた材料を用いることで可能である。
〈実施例2−2〉
実施例2−2では、コア層に下記に示す(2)式の光通信用高分子材料、クラッド層に屈折率が1.465のNTT−AT社製UV硬化型エポキシ樹脂(#9477)を用いた例である。
Figure 0004030537
1. 第1の製造方法
実施例2−2においても、図2を用いて説明する。
先ず、シリコン基板10の上面に、屈折率1.465のNTT−AT社製UV硬化型エポキシ樹脂(#9477)をスピンコート法により塗布した後、紫外線を照射して硬化し、15μmの厚さの下部クラッド層12を形成する(図2(A))。
次に、下部クラッド層12の上面に、上記(2)式の光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、8μmの厚さのコア層18を形成する(図2(B))。
次に、コア層18の上面にレジスト材料をスピンコートし、このレジストのパターニングを通常のフォトリソグラフィにより行う。つまり、光マスクを介してレジストの露光を行った後、現像液を用いて現像する。その結果、コア層18上にマスクパタン20が形成される(図2(C))。
次に、RIEエッチングによりコア層18のパターニングを行う。この工程により、マスクパタン20のパタンをコア層18に転写して、下部クラッド層12上にコアリッジ18aを形成する(図2(D))。
次に、コアリッジ18a上のマスクパタン20を、レジスト剥離液を用いて除去する。続いて、下部クラッド層12およびコアリッジ18aの上に、屈折率が1.465のNTT−AT社製UV硬化型エポキシ樹脂(#9477)をスピンコート法により塗布した後、紫外線を照射して硬化し、15μmの厚さの上部クラッド層16を形成する(図2(E))。この結果、光導波路が得られる。
上述したように、この例の光導波路を構成するコアおよびクラッドの材料は、PMMAと比較して耐熱性が優れている。従って、光導波路の作製時に発生する熱による材料劣化がない。この材料は複屈折が生じないため、光導波路として用いて好適である。
また、上記方法により作成した光導波路に、1.3μmの波長の光を入力して透過減衰量を測定すると、0.3dB/cmとなった。また、633nmの波長の光を入力して測定すれば、0.3dB/cm程度よりも低い値が期待できる。
上述したように、クラッドに用いた高分子材料の屈折率は1.465であり、コアに用いた高分子材料の屈折率は1.473である。これらクラッドおよびコアの屈折率差は、光導波路として機能させることが可能な値である。しかし、各高分子材料のイミド化率を変えることによりフッ素含有量を変化させて、より好ましい屈折率に制御することもできる。
UV硬化型エポキシ樹脂の方が、(2)式により表される高分子材料に比べて屈折率が低い。従って、(2)式により表される高分子材料でコアを形成し、UV硬化型エポキシ樹脂でクラッドを形成すれば、光導波路を実現することができる。
2.第2の製造方法
図3は、第2の製造方法の説明に供する断面図である。尚、途中までは第1の製造方法と同じ工程である。図3(A)は図2(B)に続く工程図となる。
先ず、シリコン基板10の上面に、屈折率が1.465のNTT−AT社製UV硬化型エポキシ樹脂(#9477)をスピンコート法により塗布した後、紫外線を照射して硬化し、15μmの厚さの下部クラッド層12を形成する(図2(A))。
次に、下部クラッド層12の上面に、上記(2)式の光通信用高分子材料をスピンコート法により塗布し、8μmの厚さのコア層18を形成する(図2(B))。
次に、コア層18上にマスク22を設置し、このマスク22を介してコア層18に紫外線24を照射する(図3(A))。コア層18には、マスク22のパタンを反映したパタンの潜像が形成される。
続いて、現像液を用いて現像を行い、紫外線が照射されたコア層18の部分を除去する。このように除去が行える理由は、紫外線が照射されたコア層18の部分が光エネルギにより低分子化されたため、現像液に対して可溶性となるためである。そして、下部クラッド層12上に残存したコア層18の部分がコアリッジ18aとなる。
最後に、下部クラッド層12およびコアリッジ18aの上に、屈折率が1.465のNTT−AT社製UV硬化型エポキシ樹脂(#9477)をスピンコート法により塗布した後、紫外線を照射して硬化し、15μmの厚さの上部クラッド層16を形成する(図3(C))。この結果、光導波路が得られる。
この第2の製造方法によれば、工程数が少ないため、低価格の光導波路が期待できる。
また、第1の製造方法で説明したように、屈折率の制御も容易に行うことができる。
実施の形態の光導波路の構成を示す図である。 第1の製造方法の説明に供する図である。 第2の製造方法の説明に供する図である。
符号の説明
10:シリコン基板
12:下部クラッド層
14,18a:コアリッジ
16:上部クラッド層
18:コア層
20:マスクパタン
22:マスク
24:紫外線

Claims (10)

  1. 下記に示す(1)式の化合物を含むことを特徴とする光通信用高分子材料。
    Figure 0004030537
    但し、前記(1)式中nは重量平均分子量が1万〜100万である重合度を示す。
  2. 下記に示す(2)式の化合物を含むことを特徴とする光通信用高分子材料。
    Figure 0004030537
    但し、前記(2)式中のm、共重合比率がp:m=9:1であり、かつ重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表す。
  3. 光通信用高分子材料である、下記に示す(1)式の化合物を合成する方法において、
    ポリメチルメタクリレート及び2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリンを原料として用いることを特徴とする光通信用高分子材料の合成方法。
    Figure 0004030537
    但し、前記(1)式中nは重量平均分子量が1万〜100万である重合度を示す。
  4. 請求項に記載の光通信用高分子材料の合成方法において、
    ポリメチルメタクリレート及び2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニリンを溶媒に溶解させて溶液を作製する工程と、
    前記溶液を攪拌して反応液を生成する工程と、
    前記反応液を水中に滴下して、沈殿物を濾過した後、該沈殿物を洗浄する工程とを含むことを特徴とする光通信用高分子材料の合成方法。
  5. 光通信用高分子材料である、下記に示す(2)式の化合物を合成する方法において、
    ポリメチルメタクリレートと、2,3,4,5、6−ペンタフルオロアニリンと、メチルアミン−メタノール溶液とを原料として用いることを特徴とする光通信用高分子材料の合成方法。
    Figure 0004030537
    但し、前記(2)式中のm、共重合比率がp:m=9:1であり、かつ重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表す。
  6. 請求項に記載の光通信用高分子材料の合成方法において、
    ポリメチルメタクリレートと、2,3,4,5、6−ペンタフルオロアニリンと、メチルアミン−メタノール溶液とを溶媒に溶解させて溶液を作製する工程と、
    前記溶液を攪拌して反応液を生成する工程と、
    前記反応液を水中に滴下して、沈殿物を濾過した後、該沈殿物を洗浄する工程とを含むことを特徴とする光通信用高分子材料の合成方法。
  7. コアとクラッドとを備える光導波路において、
    前記コア及び前記クラッドの双方又はいずれか一方が、下記に示す(1)式の化合物を含む光通信用高分子材料であることを特徴とする光導波路。
    Figure 0004030537
    但し、前記(1)式中のnは重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表す。
  8. コアとクラッドとを備える光導波路において、
    前記コア及び前記クラッドの双方又はいずれか一方が、下記に示す(2)式の化合物を含む光通信用高分子材料であることを特徴とする光導波路。
    Figure 0004030537
    但し、前記(2)式中のm、共重合比率がp:m=9:1であり、かつ重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表す。
  9. コアとクラッドとを具える光導波路において、
    前記コアが下記に示す(2)式の化合物からなる光通信用高分子材料、及び前記クラッドが下記に示す(1)式の化合物からなる光通信用高分子材料で形成されていることを特徴とする光導波路。
    Figure 0004030537
    Figure 0004030537
    但し、前記(1)式中nは重量平均分子量が1万〜100万であり、及び前記(2)式中のm、共重合比率がp:m=9:1であり、かつ重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表す。
  10. コアとクラッドとを具える光導波路において、
    前記コアが下記に示す(2)式の化合物からなる光通信用高分子材料、及び前記クラッドがUV硬化型エポキシ樹脂で形成されていることを特徴とする光導波路。
    Figure 0004030537
    但し、前記(2)式中のm、共重合比率がp:m=9:1であり、かつ重量平均分子量が1万〜100万である重合度を表す。
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