JP4030444B2 - 車両用内燃機関制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両における内燃機関とスタータモータと補機の間の動力伝達を制御する制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の燃料消費量を低減するために、例えば信号待ちなどで車両が停止したときには、内燃機関を一時的に停止する技術が既に実用化されているが、通常内燃機関を停止するとエアコンディショナなどの補機も停止される。
【0003】
夏場の暑い時期に渋滞走行しているような場合に一時停止すると内燃機関とともにエアコンディショナも停止してしまうと、車内が熱気で不快な状態となってしまう。
【0004】
そこで内燃機関が停止してもモータにより補機類を駆動する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−23012号公報
【0006】
同特許文献1の特開平11−23012号公報には、内燃機関の停止状態においてモータを正転することにより内燃機関を始動し、このときモータから補機へのトルク伝達を遮断し、他方内燃機関の停止状態において前記モータを逆転させることにより補機を駆動可能とし、このときモータから内燃機関へのトルク伝達を遮断して無駄な電力消費を防止する技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記従来技術において使用されているモータは、発電機兼用ではなく、エネルギーの回生は行っていない。
【0008】
特に内燃機関の一時停止時にエアコンディショナを作動させるものにおいてはエアコンディショナの電力消費量が大きいので、回生できるエネルギーはできるだけ回生しておくのが得策である。
【0009】
本発明は、斯かる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、内燃機関停止中はスタータモータにより補機を駆動でき、内燃機関作動中はエネルギーを効率良く回生できるコンパクト化された車両用内燃機関制御システムを供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本請求項1記載の発明は、内燃機関の始動時は発電機兼用のスタータモータの出力を無端状伝達ベルトにより該内燃機関の入出力プーリに伝達し、前記内燃機関の作動中は該内燃機関の出力を前記無端状伝達ベルトにより補機に伝達し、前記内燃機関の所定の停止時は前記スタータモータの出力を前記無端状伝達ベルトにより補機に伝達する車両用内燃機関制御システムにおいて、前記内燃機関の始動時に前記スタータモータの回転を減速比の大きい第1の減速比で前記内燃機関に伝達し、前記内燃機関の作動中に前記スタータモータの回転を発電機として使用するとともに、前記内燃機関の回転を減速比の小さい第2の減速比で前記スタータモータに伝達する変速機構を備え、前記変速機構は、各々がヘリカルギアであるサンギア,プラネタリギア,リングギアの噛み合いにより構成され、前記プラネタリギアを軸支するキャリアが前記内燃機関の出力に連結され、前記リングギアが前記入出力プーリに連結され、前記サンギアが一方向クラッチを介して固定部材に連結されるプラネタリギアセットと、クラッチガイドと前記リングギアの間に多板クラッチ部が介在し、ウエイトの遠心力がクラッチガイドに作用して前記多板クラッチ部を係合する方向に付勢し、前記ヘリカルギアのスラスト力が前記リングギアに作用して前記多板クラッチ部を離脱する方向に付勢する遠心クラッチとを備え、前記変速機構を前記内燃機関の入出力プーリの内側でかつ少なくとも軸方向に一部重ね合わせて配置した車両用内燃機関制御システムとした。
【0011】
内燃機関の所定の停止時はスタータモータの出力を補機に伝達する車両用内燃機関制御システムであり、内燃機関の始動時にスタータモータの回転を減速比の大きい第1の減速比で内燃機関に伝達するので、スタータモータの駆動力を増幅して内燃機関を始動でき、スタータモータの小型化が可能である。
【0012】
また内燃機関作動中は、内燃機関の動力を減速比の小さい第2の減速比でスタータモータに伝達し発電機として駆動するので、エネルギーを効率良く回生することができる。
【0013】
変速機構を入出力プーリの内側に内蔵し、かつ変速機構を少なくとも軸方向に一部を重ね合わせて配置したので、軸方向長さの短縮が可能となり、制御システム全体のコンパクト化が達成される。
【0015】
変速機構がプラネタリギアセットと遠心クラッチのメカニカルモジュールにより構成されるので、制御システムがシンプルで簡便となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図11に基づき説明する。
本実施の形態に係る車両用内燃機関制御システムの概略構成図を図1に示す。
本車両における内燃機関1は変速機3を介して駆動輪4を駆動させて走行する。
【0017】
内燃機関1のクランク軸2と同軸の入出力プーリ10との間に変速機構であるメカニカルモジュール20が介装されており、入出力プーリ10に巻き掛けられた補機ベルト11が発電機兼用のスタータモータ5の駆動軸に嵌着されたプーリ5aおよびエアコンディショナ6,内燃機関冷却用のウオータポンプ7,自動変速機用のオイルポンプ8などの補機類の各ドリブンプーリ6a,7a,8aに架け渡されて動力伝達がなされるようになっている。
【0018】
スタータモータ5は、イグニッションスイッチの動作でバッテリ9の蓄電力により駆動され、補機ベルト11およびメカニカルモジュール20を介してクランク軸2に伝達されて、内燃機関1を始動する。
【0019】
内燃機関1が起動すると、クランク軸2の回転は、メカニカルモジュール20および補機ベルト11を介してスタータモータ5に伝達されてスタータモータ5は発電機として働き、発電エネルギーはバッテリ9に回生される。
【0020】
同時に補機ベルト11を介してエアコンディショナ6,内燃機関冷却用のウオータポンプ7,自動変速機用のオイルポンプ8などの補機類が駆動される。
【0021】
メカニカルモジュール20は、プラネタリギアセット41と遠心クラッチ50と一方向クラッチ25を介したバンドブレーキ21とを組合わせて構成されている。
このメカニカルモジュール20の構造を図2に図示し、図3ないし図7に示す組付け順序に従って説明する。
【0022】
まず図2および図3を参照して、クランクケースの側面に被せられてチェーン室13を形成するチェーンケース12の円筒部12aの開口に環状のシールリング14を嵌合しておき、同円筒部12a内にバンドブレーキ21の被制動円環部材22を挿入し、その本体部22aの外周に巻き付けられたバンド23によりチェーンケース12に連結保持される状態とする。
【0023】
被制動円環部材22は、その円環本体22aの内縁から円筒部22bが延出しており、円環本体22aの円筒部22bが延出した外側面にスラストベアリング24が円筒部22bの外周に嵌入して取り付けられ、円環本体22aの内周凹部に一方向クラッチ25が嵌合している。
【0024】
次に図4に示すように上記のように構成したチェーンケース組立体を内燃機関1の本体のクランク軸2の周りに組付ける。
クランク軸2の縮径した端部2aには、端面からボルト穴2bが軸中心に穿設され、同ボルト穴2bの最奥部はクランク軸2内に形成された油路2cに連通している。
【0025】
クランク軸2の縮径した端部2aの外周にチェーンスプロケット部材15と平ギア16がスプライン嵌合しており、チェーンケース組立体はチェーンケース12の円筒部12a内に同軸に平ギア16が挿入されるようにし被制動円環部材22を平ギア16に近接する。
【0026】
次に図5に示すようにスリーブ26の外周にラジアルベアリング27を介して円筒状のサンギア部材28が互いに回転自在に嵌合されたものが被制動円環部材22内にラジアルベアリング29を介装して嵌挿され、スリーブ26の先端が平ギア16に当接している。
【0027】
スリーブ26の端部近傍の内周面にはスプライン26aが形成され、サンギア部材28の被制動円環部材22の円筒部22bより外部に突出している端部外周にはヘリカルギアであるサンギア28aが形成されている。
【0028】
次に図6に示すように入出力プーリ10を被制動円環部材22の円筒部22bにラジアルベアリング30を介し、被制動円環部材22の本体部22aに対して前記スラストベアリング24を介して組付ける。
【0029】
入出力プーリ10は、概ね内円筒部10aと外円筒部10cとを円板部10bが連結した形状をしており(図9参照)、内円筒部10aの内周面と被制動円環部材22の円筒部22bとの間にラジアルベアリング30が介装され、内円筒部10aの内端部と被制動円環部材22の本体部22aとの間にスラストベアリング24が介装され、内円筒部10aの内端部外周とチェーンケース12の円筒部12a開口に前記シールリング14が介装される。
【0030】
外円筒部10cの外周にはV溝が複数条形成されたベルト巻掛け部10dが設けられている。
同ベルト巻掛け部10dは、円板部10bの外周側(軸方向に関し略同じ位置)に形成されており、外円筒部10cはベルト巻掛け部10dよりさらに軸方向外側に延出した延出円筒部10eを有している。
【0031】
図9および図10を参照して、延出円筒部10eの開口端面には、周方向に複数のボルト穴10fが形成されていて、そのうちの等間隔にあたる3つのボルト穴10fに連通する長溝10gが延出円筒部10eの内周面に周方向に長尺の円弧状に形成されている。
【0032】
他方、内円筒部10aは、軸方向外側端部が中心に向かって屈曲し、その内周縁が若干軸方向に突出したフランジ部10hを有し、同フランジ部10hが被制動円環部材22の円筒部22bおよびその内外のラジアルベアリング29,30の外側方を覆う。
【0033】
図6に示すように入出力プーリ10のベルト巻掛け部10dの軸方向中心線L上に円板部10bがあるとともに、3つのラジアルベアリング27,29,30もベルト巻掛け部10dの軸方向中心線L上に配置されている。
【0034】
そしてスリーブ26、サンギア部材28および被制動円環部材22の円筒部22bには、それぞれ内側からラジアルベアリング27,29,30に順次通じる油孔が形成されている。
【0035】
入出力プーリ10における内円筒部10aの外側端部の外周に環状のスプライン係合部材31が溶接されている。
スプライン係合部材31の外周にスプライン31aが形成されてスプライン嵌合部の外径を大きくしている。
【0036】
入出力プーリ10の組付けにより図6に示すように、右側面はクランク軸2の延長にスリーブ26の内空間が開口し、その周囲にサンギア部材28を内筒に入出力プーリ10の延出円筒部10eを外筒に円板部10bを底壁とする環状凹空間10iが形成される。
【0037】
次に図7に示すようにこの環状凹空間10iにキャリア組立体40が大小スプラインとギアを噛合わせて組付けられる。
キャリア組立体40は、プラネタリギアセット41のキャリア42にプラネタリギアセット41とともに遠心クラッチ50が予め組付けられたものである(図11参照)。
【0038】
図11に図示するようにキャリア42は、その中空円板部42aの中央開口縁から内側(左側面側)に円筒部42bが延出され、外周縁は凹凸形状の係合部が形成され、中空円板部42aと外周縁との中間径位置に複数のプラネタリギア43を内側に突設された各支軸44に軸支して回転自在に保持している。
また中空円板部42aの外側(右側面側)の中間径位置に環状部42cが突出している。
【0039】
複数のプラネタリギア43にリングギア45aを噛合してリングギア部材45が組付けられている。
前記キャリア42の外周縁の凹凸係合部に摺動自在に嵌合して一体に回転する環状のクラッチガイド51を介してキャリア42とリングギア部材45との間に遠心クラッチ50が介装されている。
【0040】
遠心クラッチ50は、クラッチガイド51とリングギア部材45との間に介在する多板クラッチ部52とクラッチガイド51の外周にあってクラッチガイド51(およびキャリア42)とともに回転する遠心ウエイト53とからなり、遠心ウエイト53の遠心力による揺動がクラッチガイド51を軸方向に摺動させて、ある回転速度以上で多板クラッチ部52を係合する。
【0041】
プラネタリギアセット41のプラネタリギア43,リングギア45a,サンギア28aは、ヘリカルギアであり、ヘリカルギアによるスラスト力はリングギア部材45に作用して軸方向の前記多板クラッチ部52を離脱する方向に付勢する。
【0042】
以上のようにキャリア組立体40は、キャリア42の中空円板部42aの内面側(左側面側)にサンギア部材28を除くプラネタリギアセット41と遠心クラッチ50が組付けられた状態にあり、図11に示すようにキャリア42の中央円筒部42bの端部外周面に形成されたスプライン42dが前記スリーブ26のスプライン26aに対応し、リングギア部材45の端部内周面に形成されたスプライン45bが前記スプライン係合部材31のスプライン31aに対応し、プラネタリギア43が前記サンギア部材28のサンギア28aにそれぞれ対応する。
【0043】
すなわち入出力プーリ10の組付けにより形成された環状凹空間10iに、図8に示すようにこのキャリア組立体40が、スプライン42dとスプライン26a、スプライン45bとスプライン31a、プラネタリギア43とサンギア部材28をそれぞれ噛み合わされて組付けられる。
【0044】
特にリングギア部材45がスプライン嵌合する入出力プーリ10側はスプライン31aを有するスプライン係合部材31を溶接してスプライン嵌合部の径を大きくしている。
【0045】
スプライン嵌合部の径を大きくすることで、スプライン嵌合部の面圧を小さくして摺動抵抗を少なくし、ギアスラスト力を損失無くクラッチガイド51に伝えることができる。
また組付け易く組立性を向上させることができる。
【0046】
以上のようにして組付けられると、スリーブ26とキャリア42とはスプライン嵌合されて一体に回転し、入出力プーリ10とリングギア部材45とはスプライン嵌合されて一体に回転する。
【0047】
キャリア組立体40の変速機構が入出力プーリ10の内側で、キャリア組立体40の一部が入出力プーリ10のベルト巻掛け部10dと重ね合わせて配設され、キャリア組立体40の大部分が環状凹空間10iに収容される。
したがってクランク軸方向の長さの短縮が可能となり、制御システム全体のコンパクト化を図ることができる。
【0048】
なお、入出力プーリ10のフランジ部10hとキャリア42に保持された支軸44との間にスラストベアリング32が介装される。
また、キャリア42の中空円板部42aの外側(右側面側)に若干突出した環状部42cの外周にシールリング33を嵌めておく。
【0049】
次に図8に示すようにキャリア42の中央円筒部42bにフランジ付きのクランクボルト35を貫通させて、クランク軸2のボルト穴2bに螺合し緊締する。
中央円筒部42bの内周面の溝条にOリング36が嵌合されていてクランクボルト35の貫通でシールを行う。
【0050】
クランクボルト35は、フランジがキャリア42を押圧し、クランク軸2の縮径段部との間にチェーンスプロケット部材15,平ギア16,スリーブ26を挟みつけて一体に固着する。
【0051】
したがってプラネタリギアセット41のキャリア42は、クランク軸2と一体となって回転する。
クランクボルト35には先端面から中心軸に油路35aが穿孔されており、油路35aは最奥部で径方向に貫通してスリーブ26とクランクボルト35との間の空間に抜けている。
【0052】
そしてキャリア組立体40が収容された環状凹部10iを、概ね中空円板状をしたカバー部材37が、右方から蓋するように覆う。
カバー部材37は、外径が入出力プーリ10の外径に等しく、外周縁部37aが入出力プーリ10の延出円筒部10eの開口端面に当接してボルト38によりボルト穴10fに螺着され取り付けられる。
【0053】
カバー部材37の内周縁部37bは内側に屈曲し、シールリング33の外周に押圧される。
したがってキャリア組立体40が収容された環状凹部10iがカバー部材37で閉塞されて内部に潤滑油チャンバ39が構成される。
【0054】
すなわち潤滑油チャンバ39は、入出力プーリ10のベルト巻掛け部10dの軸方向中心線L上にラジアルベアリング27,29,30が配置されるとともに中空円板部10bを有して内外を隔てる内側壁をなし、外円筒部10cが外周壁をなし、カバー部材37がシールリング33を介してキャリア42とともに外側壁をなして構成されている。
【0055】
入出力プーリ10の内側の潤滑油チャンバ39内に変速機構であるプラネタリギアセット41と遠心クラッチ50が内蔵されるので、制御システム全体のコンパクト化が可能であるとともに、変速機構を必要かつ十分に潤滑することができる。
【0056】
入出力プーリ10の長溝10gに連通するボルト穴10fからオイルを注入して潤滑油チャンバ39に充填し、ボルト38によりボルト穴10fを塞ぎ、組付けを終了する。
【0057】
本メカニカルモジュール20は、以上のような作業工程により組立てられ、また逆の作業工程により分解も容易にでき、組立・分解性に優れている。
【0058】
入出力プーリ10の内周面における等間隔で3ヵ所設けられた長溝10gは、潤滑油チャンバ39内の油面を調節するためのドレンの役割を果すとともに、特にニュートラルで入出力プーリ10が回転する場合に、オイルを撹拌してギアやベアリングにオイルを供給する役割を果す。
【0059】
シールリング33は、入出力プーリ10の回転時に遠心油圧が作用し難いクランク軸中心に近い位置に配設され、シール抜けやオイル漏れを防止しているとともに、入出力プーリ10の停止時には潤滑油チャンバ39に充填された潤滑油の油面Sが図2に破線で示すようにシールリング33より低い位置にある。
したがって入出力プーリ10の停止時においてもオイル漏れは生じ難い構造となっている。
【0060】
なおクランク軸2内の油路2cおよびボルト穴2bが、クランクボルト35内の油路35aに連通していて、油路35aはスリーブ26の内側の空間に通じているので、必要に応じて潤滑油チャンバ39へクランク軸2から軸心給油が可能である構造である。
【0061】
クランク軸2周りに組付けられたメカニカルモジュール20の入出力プーリ10には、補機ベルト11が巻き掛けられ、同補機ベルト11は発電機兼用のスタータモータ5,エアコンディショナ6,ウオータポンプ7,オイルポンプ8などの補機類の各プーリ5a,6a,7a,8aに架け渡される。
【0062】
内燃機関1の始動時には、バンドブレーキ21を締結し、スタータモータ5をモータとして駆動する。
【0063】
バンドブレーキ21の締結で一方向クラッチ25がロックする方向に作動してサンギア28aを固定し、スタータモータ5の駆動力は補機ベルト11を介して入出力プーリ10とリングギア45aに伝達され、プラネタリギアセット41がギアスラスト力を生じて遠心クラッチ50を離脱してプラネタリギアセット41を減速機構(減速比1.4〜1.6)として作動し、トルクが増幅されてキャリア42を介してクランク軸2を減速回転させ、内燃機関1を始動する。
【0064】
ここでバンドブレーキ21を解除すると、サンギア28aがフリーとなり、プラネタリギアセット41はニュートラル状態となって、スタータモータ5の動力は、クランク軸2には伝達されず、エアコンディショナ6,ウオータポンプ7,オイルポンプ8などの補機類のみを効率良く駆動することができる。
【0065】
内燃機関1が始動すると、スタータモータ5はモータとしての駆動を停止し、回転数が上昇してある回転数を越えると遠心クラッチ50が係合する。
遠心クラッチ50が係合すると、クランク軸2と一体のキャリア42が入出力プーリ10とともに回転するリングギア45aと減速比1の直結状態となり、補機ベルト11を介してスタータモータ5を発電機として駆動してエネルギーを効率良く回生することができる。
【0066】
このときバンドブレーキ21が締結されていても一方向クラッチ25によりサンギア28aは回転して入出力プーリ10の回転に支障はないが、できれば解除状態として電力消費を避ける方が良い。
【0067】
バンドブレーキ21は、被制動円環部材22の本体部22aの外周に巻き付けられたバンド23によりチェーンケース12に連結保持されているので、反力メンバであるサンギア28aを一方向クラッチ25を介して固定するための強度部材としてチェーンケース12を有効に利用している。
【0068】
本実施の形態に係るプラネタリギアセット41による変速機構は、キャリア42をクランク軸2に連結し、リングギア45aを入出力プーリ10に連結する構成とし、ブレーキ性能や始動時間などを考慮して減速比は1.4〜1.6程度とした。
【0069】
ここにキャリア42はクランク軸2に連結するが、サンギアを入出力プーリ10に連結する変速機構も考えられ、このような変速機構とすると、減速比を2.4〜4.3程度に大きくすることができる。
【0070】
しかし入出力プーリ10の内側にプラネタリギアセット41を内蔵する場合、最も外輪のリングギア45aを入出力プーリ10に連結し、内輪のサンギア28aが中心軸近傍を延出してチェーンケースなどに固定可能とする本変速機構の方がレイアウト上も無駄が少ない。
【0071】
またプラネタリギアセットの特性上、減速比を大きくすることで、反力トルクが増大し、ブレーキおよび一方向クラッチの性能、チェーンケースの剛性などに影響を与え、高性能のものおよび高剛性のものが要求されてコスト高となる。
【0072】
さらに内燃機関の再始動時のシミュレーション結果から減速比が2以上となっても、始動時間は劇的に早くなることはなく、却って減速比を大きくすることはモータを高回転で回転することとなり、エネルギ損失も大きく、変速時に吸収しなければならない差回転をむやみに大きくすることになる。
【0073】
以上の理由により本変速機構のように、キャリア42をクランク軸2に連結し、リングギア45aを入出力プーリ10に連結し、減速比が1.4〜1.6程度とする最も適当な構成としている。
【0074】
本変速機構は、入出力メンバであるキャリア42とリングギア45aが直結クラッチである多板式の遠心クラッチ50の係合により直結する構成となっている。
直結クラッチとしては反力メンバであるサンギア28aと入力メンバまたは出力メンバを直結することが考えられるが、直結時のトルク伝達を考慮すると入力メンバと出力メンバの直結が最も適している。
【0075】
すなわち反力メンバと入力メンバまたは出力メンバを直結してクラッチ容量を小さくできたとしても、出力メンバまでの動力伝達の途中にはギアが介在しトルク伝達をギア歯面で行うことになり、クランク軸の回転変動を考えると好ましくなく、クランク振動などによるNV(Noise Vibration)特性の悪化を招く。
また構造上非常に複雑になってしまう。
【0076】
そこで本変速機構は、構造も簡単でクランク振動などによるNV特性に優れた入出力メンバであるキャリア42とリングギア45aを遠心クラッチ50で直結する構成を採用している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車両用内燃機関制御システムの概略構成図である。
【図2】同車両用内燃機関制御システムのメカニカルモジュールの構造を示す断面図である。
【図3】同メカニカルモジュールの組立て工程の最初の工程を示す断面図である。
【図4】次の工程を示す断面図である。
【図5】次の工程を示す断面図である。
【図6】次の工程を示す断面図である。
【図7】次の工程を示す断面図である。
【図8】最後の工程を示す断面図である。
【図9】入出力プーリの断面図である。
【図10】図9のX−X線に沿って切断した断面図である。
【図11】キャリア組立体を組付ける工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1…内燃機関、2…クランク軸、3…変速機、4…駆動輪、5…スタータモータ、6…エアコンディショナ、7…ウオータポンプ、8…オイルポンプ、9…バッテリ、10…入出力プーリ、11…補機ベルト、12…チェーンケース、13…チェーン室、14…シールリング、15…チェーンスプロケット部材、16…平ギア、
20…メカニカルモジュール、21…バンドブレーキ、22…被制動円環部材、23…バンド、24…スラストベアリング、25…一方向クラッチ、26…スリーブ、27…ラジアルベアリング、28…サンギア部材、28a…サンギア、29…ラジアルベアリング、30…ラジアルベアリング、31…スプライン係合部材、32…スラストベアリング、33…シールリング、35…クランクボルト、36…Oリング、37…カバー部材、38…ボルト、39…潤滑油チャンバ、
40…キャリア組立体、41…プラネタリギアセット、42…キャリア、43…プラネタリギア、44…支軸、45…リングギア部材、45a…リングギア、50…遠心クラッチ、51…クラッチガイド、52…多板クラッチ部、53…遠心ウエイト。

Claims (2)

  1. 内燃機関の始動時は発電機兼用のスタータモータの出力を無端状伝達ベルトにより該内燃機関の入出力プーリに伝達し、
    前記内燃機関の作動中は該内燃機関の出力を前記無端状伝達ベルトにより補機に伝達し、
    前記内燃機関の所定の停止時は前記スタータモータの出力を前記無端状伝達ベルトにより補機に伝達する車両用内燃機関制御システムにおいて、
    前記内燃機関の始動時に前記スタータモータの回転を減速比の大きい第1の減速比で前記内燃機関に伝達し、
    前記内燃機関の作動中に前記スタータモータの回転を発電機として使用するとともに、前記内燃機関の回転を減速比の小さい第2の減速比で前記スタータモータに伝達する変速機構を備え、
    前記変速機構は、各々がヘリカルギアであるサンギア,プラネタリギア,リングギアの噛み合いにより構成され、前記プラネタリギアを軸支するキャリアが前記内燃機関の出力に連結され、前記リングギアが前記入出力プーリに連結され、前記サンギアが一方向クラッチを介して固定部材に連結されるプラネタリギアセットと、
    クラッチガイドと前記リングギアの間に多板クラッチ部が介在し、ウエイトの遠心力がクラッチガイドに作用して前記多板クラッチ部を係合する方向に付勢し、前記ヘリカルギアのスラスト力が前記リングギアに作用して前記多板クラッチ部を離脱する方向に付勢する遠心クラッチとを備え、
    前記変速機構を前記内燃機関の入出力プーリの内側でかつ少なくとも軸方向に一部重ね合わせて配置したことを特徴とする車両用内燃機関制御システム。
  2. 前記一方向クラッチはブレーキを介して前記固定部材に連結されることを特徴とする請求項1記載の車両用内燃機関制御システム。
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