JP4029223B2 - 石炭ガス化装置及び該装置の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、気流層石炭ガス化炉に係り、特に微粉炭を高効率でガス化する石炭ガス化装置及び該装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の石炭ガス化炉の方式には、固定床、移動床、流動床及び気流層等の各種の方式がある。このうち気流層方式は微粉状にした石炭を空気及び酸素等のガス化剤とともにガス化炉内に供給し、石炭灰(チャー)の融点以上の温度で部分燃焼させ、石炭中の可燃分は生成ガスとし、チャーの大部分をスラグとして排出する方式である。この気流層式ガス化炉は他の方式に比べてガス化の効率が高く、環境適合性が優れており、複合発電設備や燃料電池設備の燃料として、あるいは合成ガス等の原料を製造する装置の燃料として適しているため、国内で開発が進められており、気流層ガス化炉についての多数の技術が開示されている。例えば、特開昭59−176391号公報及び特公平6−31347等があり、高いガス化効率を得るガス化炉として特公平5−25919号公報及び特公平5−47595号公報等が知られている。
【0003】
従来の気流層ガス化炉は、高いガス化効率を得るために、ガス化剤の一部にスチームを用いることが既に行われている。また、スラグの安定な排出を考慮したスチームの供給方法が特公平7−103383号公報に開示されている。またガス流に同伴されて排出されるチャーのガス化炉への再供給方法として、ガス化炉の上段石炭バーナ及び下段石炭バーナのうち下段石炭バーナへ石炭と混合して供給する方法が特公平6−31348号公報に開示されている。
【0004】
図9に従来の気流層ガス化炉を備えた石炭ガス化装置の代表的な例を示す。ロックホッパー7で加圧された微粉炭は、ガス化炉1の上部及び下部に設置された複数の石炭バーナ8及び下部石炭バーナ18からガス化炉1へ酸化剤とともに吹き込まれる。石炭バーナ8及び下部石炭バーナ18は、ガス噴流が炉内に旋回流をつくるように図10に示すように配置されている。供給された石炭は部分酸化反応によりCO、H2、CO2及びH2Oよりなる生成ガス21とチャー22とを生成する。このうちチャー22の大部分はガス化炉1の下部に設置された下部石炭バーナ18やチャーバーナ9から供給された酸化剤で燃焼され、灰分が溶ける温度まで昇温されて溶融したスラグ23となりスラグ流下孔3より流下する。一方、生成ガス21はチャー22の一部を同伴して上昇し生成ガス出口2より流出する。この生成ガス21は1400から1500℃の高温のため、水冷壁ガス冷却器20及びガス冷却器17で熱回収されたのち、チャー回収装置10で生成ガス21中のチャー22が回収され、チャー回収ホッパ11、チャー供給ホッパ12及び再供給ライン42を経てチャーバーナ9から酸化剤とともにガス化炉1へ再供給される。
【0005】
このガス化炉1の基本的課題はチャー22をスラグ化して排出するため、ガス化炉1内の温度をチャー22の溶融温度以上の高温にする必要があること、また、生成ガス21中に同伴するチャー22及びチャー22が溶融したスラグ液滴が、下流の水冷壁ガス冷却器20及びガス冷却器17等に付着することによる伝熱性能の低下を防止するため、生成ガス21が生成ガス出口2より流出するときの温度を所定温度以下にしなければならないことである。この所定温度はスラグ化の温度に比べ、ほぼ400から600℃低い温度である。
【0006】
従来技術では、生成ガス出口2で冷却用ガス26を吹き込むとともに、ガス化炉1の上部にチャー付着による悪影響の少ない輻射伝熱方式の水冷壁ガス冷却器20を設け、生成ガス21の温度を低下した後、さらにガス冷却器17に送る方法がとられている(特公平6−78542号公報及び特公開59−133292号公報参照)。このため、輻射伝熱方式の水冷壁ガス冷却器等の設置によるガス化炉の大型化、冷却用ガス混入によるガス冷却器の大型化及び冷却用ガス供給のためのユーティリティが増加するといった問題があった。
【0007】
この従来技術の改良技術としては、石炭バーナのうち高温が必要な下部石炭バーナからは酸素供給量を多くし、低温が望ましい上部石炭バーナからは酸素供給量を少なくしてガス化炉内に温度差を設けるとともに、全体として供給する酸素量の低減を図る方法(特開昭59−176391号公報)、また、ガス化炉の上部に冷却ガスを供給する方法(特公平7−74347号公報)等が提案されている。また、スチームをガス化炉の上部石炭バーナより石炭とともに供給する方法(特公平6−31344号公報)が提案されている。さらに下部石炭バーナにガス化炉下部の温度を所定温度に制御する目的でスチームを供給する方法(特公平7−103383号公報)が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の石炭ガス化装置にあっては、石炭の性状によっては、上部石炭バーナ及び下部石炭バーナからの酸素量の調整のみでは対応することができず、炉内の生成ガスは必要以上の温度となるため、冷却用ガスの使用及び冷却用ガスの増量により設備の大型化や熱損失の増加及びユーティリティの増加を招く。また、高温化に伴いガス化炉の損耗も激しくなる問題がある。さらに、輻射伝熱方式の冷却器によるガス化炉の大型化の問題がある。これらの問題を解決する最も適する方法はスチームを用いる方法であるが、必ずしも適切な供給方法がとられていない。また、上下2段に配置された少なくとも4本の石炭バーナにさらにチャーバーナが配置されるため、供給ラインが多く煩雑となり、制御器も増えてコストの増加につながる問題がある。
【0009】
本発明の課題は、チャーの再供給とスチームの供給とを制御し、多種類の石炭に対応してスラグを安定して排出させるとともにガス化効率を向上させ、かつ生成ガスの温度を低くできる石炭ガス化装置及び該装置の制御方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明に係る石炭ガス化装置は、ガス化炉内で石炭と酸化剤とを旋回して部分酸化反応させ、生成ガスを流出するとともに石炭灰のスラグを排出する石炭ガス化装置において、ガス化炉の上部に少なくとも一つの石炭バーナと、ガス化炉の下部に少なくとも一つのチャーバーナとを配設し、それぞれのチャーバーナに、生成ガスより回収したチャーの再供給ラインを接続するとともに、再供給ラインに、酸化剤と混合するスチームの供給ラインを接続し、ガス化炉の下部の温度がスラグ流下条件を満たしつつ、できるだけ低温になるようにスチーム及びチャーの供給量を制御する手段を具備した構成とする。すなわち、ガス化炉下部では、スチーム及びチャーの供給により、C(チャー)+H2O(スチーム)→CO+H2という反応と、CO+H2O(スチーム)⇔CO2+H2という反応がおこる。この反応で、スチーム中の酸素はチャーのガス化に、水素分は水素に転化して生成ガスを増加させ、ガス化効率を表す定義の一つである冷ガス効率を向上させる。また、上記の反応はいずれも吸熱反応であり、ガス温度を低下させる。一方で、チャーをスラグ化して排出するため、ガス化炉内の温度をチャーの溶融温度以上の高温にする必要があるところ、石炭種によってスラグ流下のための温度は異なるものである。したがって、ガス化炉の下部の温度がスラグ流下条件を満たしつつ、できるだけ低温になるようにスチーム及びチャーの供給量を制御することにより、多種類の石炭に対応してガス化炉下部の温度をチャーの溶融温度以上にしてスラグを安定して排出することができるとともに発生ガス量が増加してガス化効率(冷ガス効率)が向上し、かつ吸熱反応で生成ガスの温度を低くすることができる。
【0011】
そして再供給ラインのチャー供給ホッパーに、チャーの供給量を調整可能とするように石炭供給系より石炭輸送ラインを接続した構成でもよい。
【0013】
さらにガス化炉の下部に少なくとも一つの石炭バーナを配設し、それぞれの石炭バーナへ酸化剤供給ラインを接続し、それぞれのチャーバーナへ酸化剤と混合するスチームの供給ラインを接続した構成でもよい。
【0014】
そして石炭ガス化装置の制御方法にあっては、前記いずれか一つの石炭ガス化装置を備え、石炭の供給量に応じてそれぞれの石炭バーナへの酸化剤の供給量を抑制して酸化剤の残分をそれぞれのチャーバーナへ供給し、ガス化炉の下部の温度がスラグ流下条件を満たしつつ、できるだけ低温になるようにスチーム及びチャーの供給量を制御する構成とする。
【0015】
またそれぞれのチャーバーナに、再供給ラインを経由して搬送ガスによりチャーを供給するとともに、スチーム供給ラインより酸化剤とスチームとの混合体を再供給ラインを経由して供給し、ガス化炉の下部の温度がスラグ流下条件を満たしつつ、できるだけ低温になるようにスチーム及びチャーの供給量を制御する構成でもよい。
【0016】
さらに生成ガスの組成に応じてそれぞれのチャーバーナへのスチーム及びチャーの供給量を制御する構成でもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1及び図2を参照しながら説明する。図1及び図2に示すように、ガス化炉1内で石炭と石炭供給ロックホッパ7を経由して酸化剤供給ライン41から供給される酸化剤とを旋回させて部分酸化反応させ、生成ガス21を頂部の生成ガス出口2より流出し、ガス冷却器6,17を経てチャー回収装置10、チャー回収ホッパ11及びチャー供給ホッパ12等で回収したチャー22をガス化炉1内へ再供給し、底部のスラグ流下孔3より石炭灰のスラグ23を流下し、クェンチ水4に一旦貯留したのちスラグホッパ5を経て排出する石炭ガス化装置であって、炉高のほぼ1/2高さのガス化炉1の上部に少なくとも一つの石炭バーナ8を、図2に示すように石炭と酸化剤とを旋回させるような角度で配設し、それぞれの石炭バーナ8の高さのほぼ1/2高さのガス化炉1の下部に少なくとも一つのチャーバーナ9を設け、それぞれのチャーバーナ9に、チャー回収装置10等で生成ガス21より回収したチャー22の再供給ライン42を接続するとともに、再供給ライン42に、酸化剤供給ライン41からの酸化剤と混合するスチームの供給ライン40を接続した構成とする。そして再供給ライン42のチャー供給ホッパー12に、チャー22の供給量を調整可能とするように石炭供給系より石炭輸送ライン14を接続してもよい。
【0018】
なお本装置は、ガス化炉1の下部の温度に応じてチャーバーナ9へのチャー及びスチームの供給量を制御するチャーバーナ制御器13と、石炭輸送ライン14を経てチャー供給ホッパ12への石炭輸送量を制御する石炭輸送制御器15と、石炭バーナ8及びチャーバーナ9への酸化剤の供給量を制御する酸化剤制御器24とを具備している。
【0019】
ここで本実施の形態の作用を図3〜図5を用いて説明する。上部の石炭バーナ8によりガス化炉(ここではチャーガス化炉と分けられた石炭ガス化炉27)内に旋回流が発生し、この旋回流により、ガス化炉内の生成ガス21の流れが規制され、ガス化炉内は上部反応部(a)、下部反応部(b)及びガス上昇部(c)に大別される。上段反応部(a)部間のガスの混合は少なく、混合はガス上昇部(c)で行われる。このためガス化炉内に酸素量の相違によって温度差が生じる。そこで、ガス化炉内を上部反応部(a)、下部反応部(b)及びガス上昇部(c)の3部分に機能上で分けることができる。
【0020】
従来の2段旋回ガス化炉は、上部反応部では、石炭に対する酸素量の比率(酸素/石炭比)を低くし、比較的低温でCO及びH2の多い生成ガスと、チャーとを生成させ、チャーは旋回力により壁面側を流下して下部反応部へ移し、下部反応部では供給石炭に対す酸素量の比率を高くして、石炭とチャーとを石炭灰のスラグの溶融温度以上の高温に保ってガス化する。生成ガスに同伴するチャーは下流で回収し、ガス化炉下部へ再供給される。この方法により、ガス化に使用する酸素量を少なく押さえて高効率のガス化を可能としている。
【0021】
一般にガス化反応は石炭に対する酸素の供給量により、効率その他の諸元が決まる。図4に酸素/石炭比に対するガス化効率とそのときのガス温度とを示す。ガス化効率を表すには二つの定義が用いられ、一つは石炭中の炭素がガスに転換した割合を示すC転化率と、もう一つは石炭の保有熱量のうち、ガスの化学熱量に移った割合を示す冷ガス効率とであり、それぞれ下記のように定義される。
C転化率=(ガス中のC量/石炭中のC量)
冷ガス効率=(ガスの発熱量x発生ガス量)/(石炭発熱量x石炭量)
石炭ガス化は、この冷ガス効率を最も高くすることが課題であり、理論的には石炭中のC分がCOに、H分がH2に転換するとした酸素/石炭比(D点)で図4中に実線で示すように、C転化率100%の時、冷ガス効率が最大となるが、実際にはCO2及びH2Oの生成及び反応速度等により、一点鎖線で示すようになり、最大冷ガス効率を得る酸素/石炭比は理論上の酸素/石炭比より大きくなる。故に、最も効率的なガス化炉は一点鎖線で最高冷ガス効率を与える酸素/石炭比(C点)でガス化されるが、この(C点)でのガス温度が石炭灰の溶融温度以下であれば、酸素/石炭比を増すか、下部の酸素を増し(B点)、その分、上部の酸素を抑制して減らし(A点)、溶融したスラグの流下条件を確保する。
【0022】
一方、上部反応部(c)ではチャーを生成させるため理論酸素比(D点)より少ない酸素比でガス化する。このため、最高ガス化効率を得るためには下部の酸素比(B点)は必然的に(C点)の酸素比より高くなる。
【0023】
この時、石炭種(図4中の炭種II)によっては、この(B点)でのガス温度がスラグ流下のための温度より高くなる。本発明は、この温度差に相当する顕熱量を化学熱量に転換して、冷ガス効率の向上を図るものである。また、石炭種によっては、この(B点)でのガス温度はガス化炉の使用可能限界温度を越える場合があり、この温度を所定温度まで下げることが必要となる。本発明は併せて、効率よくガス化温度を所定温度に制御する方法を提供するものである。
【0024】
本発明によれば、ガス化炉に供給す石炭に見合った最高効率を得る酸素比のうち、上部反応部には理論的酸素/石炭比(D点)より少ない酸素を供給し、残りの過剰の酸素をチャーとともに下部反応部に供給するので下部反応部の温度は高温となり、石炭灰の溶融温度より高くなる。この高温部にスチームを供給してチャーとスチーム、及び生成ガス中のCO2とH2の量を増加させるとともに、これらの反応は吸熱反応であり、ガス温度の低下、さらには最適温度に制御を可能とする。
すなわち、上部反応部では以下の反応が主に起きる。
石炭(CmHnOl)+O2→CO+H2+(CH4)+チャー……(化1)
(副反応により、CO2、H2O少量)
下部反応部では、
C(チャー)+O2→CO2 ……(化2)
C(チャー)+CO2→2CO ……(化3)
C(チャー)+H2O(スチーム)→CO+H2 ……(化4)
CO+H2O(スチーム)⇔CO2+H2 ……(化5)
以上の反応が起こり、スチーム中の酸素はチャーのガス化に、水素分は水素に転化し生成ガスを増加させる。また、スチームが係る反応(化4)及び(化5)は吸熱反応であり、ガス温度を低下させる。この際、スチームの供給は上部反応部ではガス中にCO2の存在量は少なく、かつ、炉内のチャーは壁面側に偏在しており、反応(化4)及び(化5)は期待できず効果は少ない。すなわちスチームの供給は高温で、チャー及びCO2の存在する下部反応部が最も効果的である。また、本発明を効果的に行うには、(化4)の反応を効果的に行わせることでスチームをチャーとともにガス化炉へ供給することが望ましい。
【0025】
【実施例】
本発明の具体的実施例を図1〜図5に基づき説明する。操作圧まで原料微粉炭を加圧する石炭供給ロックホッパ7と、頂部に生成ガス出口2と、底部にスラグ流下孔3とを備え、生成ガス21を冷却し熱を回収するガス冷却器6と、ガス冷却器6に接続するガス冷却器17と、生成ガス21中のチャー22を回収しガス化炉1へ再供給するためのチャー回収装置10と、チャー回収装置10に接続するチャー回収ホッパ11と、チャー供給ホッパ12とからなる再供給ライン42と、ガス化炉1の上部には石炭供給バーナ(石炭バーナ)8と、下部にはチャー供給バーナ(チャーバーナ)9とが取り付けられている。石炭バーナ8及びチャーバーナ9にはガス化剤の酸化剤供給ライン41が接続されている。また、本発明になるスチーム供給ライン40はチャーバーナ9への酸化剤供給ライン41と接続している。石炭バーナ8とチャーバーナ9とは、生成ガス21に旋回流を与えるようにガス化炉1に図2に示すように取り付けられている。
【0026】
原料石炭は、石炭供給ロックホッパ7で加圧され石炭分配器16で複数の石炭バーナ8に均等に供給され、酸化剤とともにガス化炉1の上部に供給される。この時、供給される酸化剤は、図4の(D点)に示す理論酸素比より少ない比率で供給される。このため、上部の石炭バーナ8からの石炭が反応する上部反応部(a)では酸素不足の状態となり、(化1)の反応が起こり、チャー22が生成する。また、生成ガス21はCO及びH2が多いガスが得られる。若干のCO2及びH2Oが生成するが酸化剤の供給量を少なくしているので生成量は少ない。
【0027】
上部反応部(a)は最も旋回力が強く、ここでチャー22は遠心力により壁面に移動し生成ガス21から分離して下方へ流下する。このチャー22は下部反応部(b)のガスと混合する。一方、生成ガス21は旋回しながらガス化炉1内を下降した後、反転して上昇し生成ガス出口2より流出するが、この生成ガス21中には上部反応部(a)で生成したチャー22の一部の同伴チャー25が同伴する。流出する生成ガス21は、ガス冷却器6,17で熱を回収されながら冷却された後、チャー回収装置10でチャー22を回収され、このチャー22はガス化炉1の下部のチャーバーナ9から酸化剤及びスチームとともにガス化炉1へ再供給される。
【0028】
この際、チャーバーナ9から供給される酸化剤は、ガス化炉1全体に供給する石炭を最高効率でガス化する酸素量とするため、上部の不足酸素量を補う酸素量を供給することになる。すなわち、図4のB点の酸素/石炭比となる。このため、下部反応部(b)は最適ガス化のための酸素比より過剰の酸素が存在し、反応は反応(化2)が主となり、CO2が多く生成する。また、石炭中のH分は既に上部反応器でガス化しており、下部反応部(b)にはH2及びH2Oはほとんど存在しない。
【0029】
酸素比が高いため、下部反応部(b)の温度は高温となる。この高温ガスはガス化炉の中央を上昇しながら上部反応部(a)のガスと混合しながら生成ガス出口より流出する。混合後のガスの温度は(C点)の温度となるが、この温度が高すぎるとガス中に飛沫として同伴するスラグ、あるいはチャーが付着性をもち、下流のガス冷却器で伝熱管に付着して伝熱性能が低下し運転継続ができなくなる。このため、生成ガスの温度は極力低くすることが望ましい。
【0030】
本発明による下部反応器へのスチーム供給は下部反応器において、チャーとスチーム、CO2とスチームとを反応させ、COとH2の有効ガスの量を増すものである。すなわち、下部反応部において、余剰の顕熱を使い、CO2をCOとH2とに転換するもので、同時にチャーを水性ガス化反応(化4)により、スチーム中の酸素を酸化剤として利用し、酸化剤の量を少なくするものである。また、ガス化炉の生成ガスの温度を低下し、下流設備へのチャー及びスラグの付着を防止するものである。
【0031】
チャーバーナに酸化剤とともに供給されたスチームは、チャー及び酸化剤とともに前記の反応(化3)、(化4)及び(化5)の反応が生じ、最終的には反応(化5)の平衡値に近づく。この平衡値は温度とガスの組成で決まるもので、望ましい温度となるようにスチームを供給することにより望ましいガスを得ることができる。また、下部反応部は高温で温度の計測が困難な場合は、ガスの組成比(例えばCO2/CO、H2/H2O、あるいはCO2+H2/CO+H2O)でスチームの供給量を制御することも可能である。
【0032】
このスチームの供給により、図5に破線で示すように、ガス温度を(B点)より(E点)に低下でき、この温度低下の顕熱は吸熱反応であるCOとH2とを増加する反応熱として働き、冷ガス効率も増す。
【0033】
全体の石炭をガス化するに必要な酸化剤の供給量は石炭の供給量により決まり、この酸素量を全体の酸化剤必要量として制御する。上部の石炭バーナへの酸化剤の供給量は石炭の供給量に対して、チャー生成条件での酸素/石炭比により制御し、全体供給酸素供給ラインより分岐供給し、残りの酸化剤は下部のチャーバーナへ供給する。このチャーバーナへの酸化剤供給ラインにスチーム供給ラインが接続されており、ガス化炉の下部温度によりスチームの供給量とチャーの供給量とを制御する。この制御は予めチャー量をチャーの生成量によって所定の量に設定し、ガス化炉の下部温度によってスチームの供給量を制御する。この際、チャーの供給量が少ないと過剰の酸化剤が下部に供給された状態となり、温度低下のためのスチームの供給量が増加するので、予めスチームの供給量が所定の量を越えたら、チャーの供給量を増加する。チャーの供給量増加により生成チャーの供給量の不足を生じる場合は石炭供給ロックホッパからチャー供給ホッパへの石炭輸送ラインを用いてメイクアップを行う。
【0034】
以上ように、本発明の主旨は(1)従来、石炭のガス化部にスチームを用いていたものをH分の少ないチャーが再供給されるH分の少ない下部反応部でスチームを用い、下部反応部でスチームによるガス化の効果を得ること。(2)本発明は2段旋回型ガス化炉であって、ガス化炉内のガス混合を押さえ、ガス化炉の下部に高温部をつくることが容易であることを利用して、ガスの顕熱を反応に利用して効率を上げること。(3)本発明はスチームの吸熱反応を利用してガス化炉出口のガス温度を下げることにある。
【0035】
【他の実施例】
図6に示すように2段旋回型ガス化炉以外では、他の実施例として、ガス化炉を石炭ガス化炉27とチャーガス化炉28の2つに分け、チャーガス化炉28に酸化剤と混合するスチームの供給ライン40を接続し、チャーガス化炉28の温度に応じてスチーム及びチャーの供給量を制御する手段(チャーバーナ制御器)13を具備した構成である。つまりスラグ流下条件の温度を満たす温度を維持してできるだけ低温となるようにスチームでチャーをガス化し、その生成ガスを石炭ガス化炉27へ供給する構成である。なお、この場合、ガス化炉で生成するチャーは全量生成ガスに同伴し、チャー回収装置10で回収し、チャーガス化炉28へ供給されることになる。
【0036】
また他の実施例として、図7及び図8に示すように、不足チャーのメイクアップのための一つ以上の下部石炭バーナ18を下部反応部又はチャーガス化炉28に配設し、それぞれの石炭バーナ8へ酸化剤供給ライン41のみを接続し、それぞれのチャーバーナ9へ酸化剤と混合するスチームの供給ライン40を接続した構成である。つまりチャー供給ホッパ12への石炭のメイクアップを除去することも可能である。この際、メイクアップ用の下部石炭バーナ18は2本対向して設置され、下部石炭バーナ18への酸化剤の供給量は下部酸化剤制御器30により制御される。
【0037】
また、石炭ガス化装置の制御方法として、図7及び図8に示すように、前記いずれか一つの石炭ガス化装置を備え、石炭の供給量に応じてそれぞれの石炭バーナへの酸化剤の供給量を抑制して酸化剤の残分をそれぞれのチャーバーナ9へ供給する工程と、ガス化炉1の下部反応部又はチャーガス化炉28の温度に応じてそれぞれのチャーバーナ9への酸化剤と混合するスチームの供給量を制御する工程とを含む構成である。
【0038】
さらにそれぞれのチャーバーナ9に、再供給ライン42を経由して搬送ガス(N2)によりチャーを供給するとともに、スチーム供給ライン40より酸化剤とスチームとの混合体を再供給ライン42を経由して供給する工程と、ガス化炉1の下部反応部又はチャーガス化炉28の温度に応じてチャーの供給量とスチームの供給量とを制御する工程とを含んでもよく、生成ガスの組成に応じてそれぞれのチャーバーナ9へのチャーとスチームのそれぞれの供給量を制御する工程を含んでもよい。
【0039】
本発明によれば(1)発熱量が高く、灰分の溶融温度の比較的低い石炭種で、CO、H2ガスの収量を増し、冷ガス効率を向上することができる。例えば、発熱量6850Kcal/kg、溶融温度1360Cの大同炭の場合、スチームと共に添加する事でCO+H2の量を約3%増加することができる。(2)ガス化炉内の最高温度を低下させ、ガス化炉の損傷を防止でき、寿命を大幅に長くできる。(3)ガス化炉でガス化可能な炭種の巾を広げることができる。(4)石炭バーナをガス化炉の上部に主に配置し、下部にはチャーバーナを配置することで石炭供給系の簡素化がはかれる。(5)ガス化炉の出口生成ガスの温度を下げ、下流の熱回収機器へのチャーの付着を防止し熱回収部をコンパクトにできる。(6)生成ガス冷却のための冷却用ガスが不要となり、下流設備の小型化、冷却ガス準備のためのユウティリティが不要となる等の効果がある。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、チャーバーナに供給するスチームとチャーとをガス化炉の下部反応部の温度に応じて制御するため、広範囲の炭種について生成ガス量を増加しかつ冷ガス効率を向上することができとともに、ガス化炉内の最高温度を低下させてガス化炉の損傷を防止して寿命を長くすることができる。また石炭バーナをガス化炉の上部に主に配置し、下部にチャーバーナを配置するため石炭供給系の簡素化が図られ、生成ガスの冷却用ガスが不要となり、設備の小型化や冷却ガスのユウティリティが不要となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】図1に示すガス化炉のA・A線の断面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示す2段旋回型ガス化炉の構成図である。
【図4】図3のガス化特性である酸素/石炭比に対するガス温度及びガス化効率の関係を示すグラフである。
【図5】ガス化炉にスチームを添加した際のガス温度とガス化効率との変化を示すグラフである。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す構成図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を示す構成図である。
【図8】図7に示すガス化炉のB・B線の断面図である。
【図9】従来の技術を示す図である。
【図10】図9に示すガス化炉のC・C線の断面図である。
【符号の説明】
1 ガス化炉
2 生成ガス出口
3 スラグ流下孔
4 クェンチ水
5 スラグホッパ
6,17 ガス冷却器
7 石炭供給ロックホッパ
8 石炭バーナ
9 チャーバーナ
10 チャー回収装置
11 チャー回収ホッパ
12 チャー供給ホッパ
13 チャーバーナ制御器
14 石炭輸送ライン
15 石炭輸送制御器
16 石炭分配器
18 下部石炭バーナ
19 スチーム調整器
20 水冷壁ガス冷却器
21 生成ガス
22 チャー
23 スラグ
24 酸化剤制御器
25 同伴チャー
26 冷却用ガス
27 石炭ガス化炉
28 チャーガス化炉
29 ガス分析器
30 下部酸化剤制御器
40 スチームの供給ライン
41 酸化剤供給ライン
42 再供給ライン
43 石炭輸送ライン
Claims (6)
- ガス化炉内で石炭と酸化剤とを旋回して部分酸化反応させ、生成ガスを流出するとともに石炭灰のスラグを排出する石炭ガス化装置において、前記ガス化炉の上部に少なくとも一つの石炭バーナと、前記ガス化炉の下部に少なくとも一つのチャーバーナとを配設し、それぞれの前記チャーバーナに、前記生成ガスより回収したチャーの再供給ラインを接続するとともに、該再供給ラインに、前記酸化剤と混合するスチームの供給ラインを接続し、ガス化炉の下部の温度がスラグ流下条件を満たしつつ、できるだけ低温になるように前記スチーム及び前記チャーの供給量を制御する手段を具備したことを特徴とする石炭ガス化装置。
- 請求項1記載の石炭ガス化装置において、再供給ラインのチャー供給ホッパーに、チャーの供給量を調整可能とするように石炭供給系より石炭輸送ラインを接続したことを特徴とする石炭ガス化装置。
- 請求項1記載の石炭ガス化装置において、ガス化炉の下部に少なくとも一つの石炭バーナを配設し、それぞれの石炭バーナへ酸化剤供給ラインを接続し、それぞれのチャーバーナへ酸化剤と混合するスチームの供給ラインを接続したことを特徴とする石炭ガス化装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の石炭ガス化装置を備え、石炭の供給量に応じてそれぞれの石炭バーナへの酸化剤の供給量を抑制して該酸化剤の残分をそれぞれのチャーバーナへ供給し、ガス化炉の下部の温度がスラグ流下条件を満たしつつ、できるだけ低温になるように前記スチーム及び前記チャーの供給量を制御することを特徴とする石炭ガス化装置の制御方法。
- 請求項4記載の石炭ガス化装置の制御方法において、それぞれのチャーバーナに、再供給ラインを経由して搬送ガスによりチャーを供給するとともに、スチーム供給ラインより酸化剤とスチームとの混合体を前記再供給ラインを経由して供給し、ガス化炉の下部の温度がスラグ流下条件を満たしつつ、できるだけ低温になるように前記スチーム及び前記チャーの供給量を制御することを特徴とする石炭ガス化装置の制御方法。
- 請求項4又は5記載の石炭ガス化装置の制御方法において、前記生成ガスの組成に応じてそれぞれの前記チャーバーナへの前記スチーム及び前記チャーの供給量を制御することを特徴とする石炭ガス化炉の制御方法。
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