JP4028752B2 - 統合型液晶ディスプレイパネル組立装置及び基板重ね合わせ装置 - Google Patents

統合型液晶ディスプレイパネル組立装置及び基板重ね合わせ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、液晶ディスプレイの製造に関するものであり、特に、後工程と呼ばれる液晶ディスプレイパネルの組立工程に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイは、コンピュータの表示部用を始めとして多くの用途に盛んに使用されている。液晶ディスプレイは、液晶ディスプレイパネルをフレームに嵌め込み、液晶ディスプレイパネルの駆動回路を内部に設けた構成である。液晶ディスプレイパネルは、一対の液晶基板の間に液晶が封入された構造のものである。一対の液晶基板の内側面には、TFT(Thin Film Transistor)のような駆動素子が形成されている。駆動素子によって液晶中に電界を与えると、液晶の分子配列が変化して光の透過・遮断が制御され、文字や映像が表示される。また、出射側の液晶基板の内側面にはカラーフィルタが設けられる。
【0003】
液晶ディスプレイは、多くの場合、液晶ディスプレイパネルをパネル製造メーカーが製造し、それがノートパソコンや液晶ディスプレイの製造メーカーに持ち込まれて製品に組み込まれる。
液晶ディスプレイパネルの製造工程は、おおまかには、前工程と後工程に分けられる。前工程は、一対の液晶基板を別々に処理する工程であり、TFTのような素子を形成したり、カラーフィルタを形成したりする工程である。後工程は、一対の液晶基板の間に液晶を封入した状態で一対の液晶基板を貼り合わせる工程であり、最終的な組立工程である。
【0004】
後工程において重要なものの一つに、アライメントとギャップ出しがある。一対の液晶基板の互いに対向する内側面には、前述したように駆動素子が形成されている。従って、素子が正しく機能するよう、液晶基板の面方向(以下、板面方向)の位置関係が所定のものになるようにして一対の液晶基板を重ね合わせることが必要である。また、駆動素子が正しく動作し、液晶の制御が正常に行われるようにするためには、一対の液晶基板を所定の狭い間隔で重ね合わせることが必要である。一対の液晶基板の板面方向の位置合わせは「アライメント」と呼ばれ、一対の液晶基板の間隔(以下、ギャップ長)を所定のものにする位置合わせは「ギャップ出し」と呼ばれる。
【0005】
また、後工程のやり方については、液晶の封入の仕方により、注入式と滴下式に分けられる。
注入式では、まず一対の液晶基板のうちの一方について、その内側面の表示領域の輪郭に沿って光硬化性又は熱硬化性のシールを周状に形成する。シールの形成は完全な周状ではなく、少し途切れた部分を設けておく。この状態で、スペーサを介在させて他方の液晶基板を重ね合わせ、アライメントとギャップ出しを行う。そして、シールを光又は熱により硬化させ、一対の液晶基板を貼り合わせる。
【0006】
このように貼り合わせた一対の液晶基板の間の空間は、シールの途切れた部分以外では閉じた空間となっている。そして、シールの途切れた部分(以下、注入孔)から、内部に液晶を注入する。液晶を溜めた容器と、貼り合わせた一対の液晶基板とを真空中に配置し、真空中で注入孔を液晶中に浸ける。この状態で雰囲気を大気圧に戻し、圧力差により一対の液晶基板の間に液晶を注入する。その後、注入孔をシールで閉じる。
【0007】
滴下式の場合、一対の液晶基板の一方について同様に周状にシールを形成する。この際、途切れた部分はなく完全な周状(無終端状)とする。そして、この液晶基板を水平な姿勢に保ち、その表面に所定量の液晶を滴下する。液晶は、周状に形成されたシールの内側で広がる。その後、スペーサを介在させた状態で他方の液晶基板を一方の液晶基板に重ね合わせ、アライメントとギャップ出しを行う。そして、シールを硬化させると、一対の液晶基板の間への液晶の封入が完了する。
【0008】
上述した二つの方式のうち、従来は注入式が多く採用されてきたが、液晶基板の大型化等を考慮すると、滴下式の方が優れていると考えられる。注入式の場合、貼り合わせた一対の液晶基板を持ち上げて注入孔を液晶に浸けなければならず、液晶基板が大型化すると作業が困難になる。自動化する場合にも、機構的に大がかりになり易い。また、注入式では、差圧による液晶の注入に長い時間がかかり、生産性の点で問題がある。液晶基板が大型化すると、この問題が顕著になる。さらに、注入式では、差圧により液晶の注入を行うため、液晶内に空気等が混入して液晶に気泡が生じやすい。気泡が生じると、やはり表示不良等の原因になる。従って、滴下式が多く採用されるようになってきている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述した液晶ディスプレイパネルの後工程において、後工程に属する各工程即ちシール形成工程、液晶滴下工程、貼り合わせ工程等は、それぞれ別々の装置で行われている。そして、装置間を、自動搬送車やコンベア等を利用して液晶基板を搬送している。従って、後工程の製造ラインは、大規模で複雑なものとなっている。
【0010】
また、各装置は独立しており、各装置における処理時間も工程の内容に応じて異なっている。従って、製造ラインは、各装置における処理時間の差異を吸収するバッファ部を有する場合が多い。バッファ部は、処理時間の短い装置と処理時間の長い装置との間に設けられ、処理時間の短い装置から搬出された液晶基板を一時的溜め込むものである。このようなバッファ部があるため、製造ラインはさらに大規模で複雑なものになっている。
【0011】
また、処理時間の違い等から、処理時間の長い装置ではバッチ式の構成即ち複数の液晶基板を一括して処理する構成が採られることもある。しかしながら、バッチ式の場合、ある回の処理で万が一不具合が発生すると、その回に処理した液晶基板がすべて使用不能になってしまう恐れがあり、歩留まり低下の原因となり易い。
【0012】
さらに、近年における液晶ディスプレイの画質性能の向上や高解像度化等の要請から、後工程の製造環境に対する配慮もより厳しくなる傾向にある。例えば、一対の液晶基板の間に液晶を封入した際、塵や埃等のゴミが混入すると、液晶基板が傷つけられる結果、欠陥品となる場合がある。特に、最近の液晶ディスプレイは、薄型化や動作の高速化のためギャップ長がかなり短くなる傾向にあり、ほんの僅かなゴミの混入によっても液晶基板の傷つき等が発生する恐れがある。
【0013】
このような要請から、後工程の製造ラインにおいても、クリーンルームを採用することが多くなってきている。しかしながら、従来のように、製造ラインが大規模で長くなり易いと、クリーンルームの導入には、ランニングコストも含め、莫大な投資が必要になる。このため、清浄度の低い安価な構成にしたり、特定のエリアだけ清浄度の比較的高い構成にしたりと、クリーンルームの採用も中途半端なものになっている面も見られる。
【0014】
本願の発明は、このような従来の製造ラインの課題を解決すべく成されたものであり、液晶ディスプレイパネル製造の後工程において、製造ラインの省スペース化や簡略化を可能にし、清浄度の高い製造環境の導入を容易にすることで、高性能の液晶ディスプレイパネルのより安価なコストの製造を可能にする顕著な技術的意義を有するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、一対の液晶基板の間に液晶を封入した構造の液晶ディスプレイパネルを組み立てる装置であって、
一対の液晶基板のうちの一方の液晶基板の内側面上に表示領域の輪郭に沿ってシールを形成するシール形成モジュールと、
一対の液晶基板のうちの一方又は他方の上に液晶を滴下する液晶滴下モジュールと、
シール形成及び液晶滴下の後、一対の液晶基板を所定の位置関係及び間隔で真空中で重ね合わせる真空重ね合わせモジュールとを備えた統合型であり、
真空重ね合わせモジュールは、一対の液晶基板が内部に配置される真空容器と、液晶基板の搬入搬出の際に真空容器を開閉する開閉機構と、真空容器内を排気する排気系と、一対の液晶基板の板面方向の位置関係を所定のものにするアライメントを行うアライメント用移動手段とを備えており、
真空容器は、一対の液晶基板の一方を保持する第一の基板保持具と、他方の液晶基板を保持する第二の基板保持具と、第一第二の基板保持具の間に位置した中間リングとから成っており、第一の基板保持具と中間リングとを真空シールする第一の真空シール手段と、中間リングと第二の基板保持具とを真空シールする第二の真空シール手段とが設けられており、
アライメント用移動手段は、排気系が真空容器内を排気して真空容器内外の圧力差により第二の基板保持具が中間リングに押し付けられた際に、中間リングと第二の基板保持具とを一体に移動させてアライメントを行うものであり、
開閉機構は、中間リングと第二の基板保持具とを接触させたり離間させたりして開閉を行うものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、一対の液晶基板のうちの一方を装置に搬入する第一基板搬入部と、他方を装置に搬入する第二基板搬入部と、組み立てられた液晶ディスプレイパネルを装置から搬出するパネル搬出部と、搬送系とを備えており、
搬送系は、一方の基板を、第一基板搬入部から、シール形成モジュール、液晶滴下モジュール、真空重ね合わせモジュールの順に搬送するとともに、他方の基板を、第二基板搬入部から真空重ね合わせモジュールに搬送するか、又は、一方の基板を、第一基板搬入部から、シール形成モジュール、真空重ね合わせモジュールの順に搬送するとともに、他方の基板を、第二基板搬入部から、液晶滴下モジュール、真空重ね合わせモジュールの順に搬送するものであり、
さらに、搬送系は、液晶ディスプレイパネルを真空重ね合わせモジュールからパネル搬出部に搬出するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項2の構成において、前記搬送系は、前記各モジュール間で前記液晶基板を二枚以上滞留させることなく搬送するものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項2又は3の構成において、前記搬送系は、前記液晶基板をアームの先端に一枚ずつ保持して搬送することが可能な搬送ロボットから成るという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、クリーンルームの壁に埋め込まれた状態で設置されており、前記シール形成モジュール、前記液晶滴下モジュール及び前記真空重ね合わせモジュールに対して、クリーンルームの外部側からメンテナンスを行うことが可能になっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項1乃至5いずれかの構成において、前記真空重ね合わせモジュールで重ね合わせた一対の液晶基板についてシールを硬化させる硬化モジュールを備えているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項2の構成において、前記パネル搬出部は、前記第一基板搬入部又は前記第二基板搬入部が兼用されるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、一対の液晶基板の間に液晶を封入した構造の液晶ディスプレイパネルを組み立てる装置であって、
一対の液晶基板のうちの一方の液晶基板の内側面上に表示領域の輪郭に沿ってシールを形成するとともに、一対の液晶基板のうちの一方又は他方の上に液晶を滴下する複合モジュールと、
シール形成及び液晶滴下の後、一対の液晶基板を所定の位置関係及び間隔で真空中で重ね合わせる真空重ね合わせモジュールとを備えた統合型であり、
真空重ね合わせモジュールは、一対の液晶基板が内部に配置される真空容器と、液晶基板の搬入搬出の際に真空容器を開閉する開閉機構と、真空容器内を排気する排気系と、一対の液晶基板の板面方向の位置関係を所定のものにするアライメントを行うアライメント用移動手段とを備えており、
真空容器は、一対の液晶基板の一方を保持する第一の基板保持具と、他方の液晶基板を保持する第二の基板保持具と、第一第二の基板保持具の間に位置した中間リングとから成っており、第一の基板保持具と中間リングとを真空シールする第一の真空シール手段と、中間リングと第二の基板保持具とを真空シールする第二の真空シール手段とが設けられており、
アライメント用移動手段は、排気系が真空容器内を排気して真空容器内外の圧力差により第二の基板保持具が中間リングに押し付けられた際に、中間リングと第二の基板保持具とを一体に移動させてアライメントを行うものであり、
開閉機構は、中間リングと第二の基板保持具とを接触させたり離間させたりして開閉を行うものであるという構成を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態(以下、実施形態)について説明する。
図1及び図2は、本願発明の第一の実施形態の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置の概略を示す図であり、図1はその斜視図、図2はその平面図である。
図1及び図2に示す装置の大きな特徴点は、後工程の主要な工程をすべて一つの装置で行えるようになっている点である。即ち、図1及び図2に示す装置は、シール形成工程、液晶滴下工程、基板貼り合わせ工程を行えるようになっている。このように、液晶ディスプレイパネルの組立工程の主要な工程を一つの装置ですべて行える装置は、今のところ存在しておらず、従来の装置と区別するため、「統合型液晶ディスプレイパネル組立装置」と呼ぶ。
【0017】
より具体的に説明すると、本実施形態の装置は、一対の液晶基板91,92のうちの一方の液晶基板91の素子面上に表示領域の輪郭に沿ってシールを形成するシール形成モジュール1と、シールが形成された一方の液晶基板91の上に所定量の液晶を滴下する液晶滴下モジュール2と、シール形成及び液晶滴下がされた一方の液晶基板91の上に他方の液晶基板92を重ね合わせる真空重ね合わせモジュール3とを備えている。また、装置は、一方の液晶基板91を装置に搬入する第一基板搬入部101と、他方の液晶基板92をを装置に搬入する第二基板搬入部102と、組み立てられた液晶ディスプレイパネル93を装置から搬出するパネル搬出部103とを備えている。また、装置は、各液晶基板91,92や組み立てられた液晶ディスプレイパネル93を搬送する搬送系を備えている。
【0018】
図2に示すように、装置は、クリーンルームの壁110に埋め込まれた状態で設置されている。具体的には、第一第二基板搬入部101,102及びパネル搬出部103の部分が壁110に埋め込まれている。また、シール形成モジュール1、液晶滴下モジュール2及び真空重ね合わせモジュール3、搬送系等は、装置の外壁100内に設けられている。そして、シール形成モジュール1、液晶滴下モジュール2及び真空重ね合わせモジュール3等に対して、クリーンルームの外部側からメンテナンス作業が行えるようになっている。具体的には、作業者は、シール形成モジュール1、液晶滴下モジュール2、真空重ね合わせモジュール3の背後側(壁面110とは反対側)に立ってメンテナンス作業を行うようになっている。尚、装置の外壁100内をクリーンルーム内と同等の清浄度としたり、必要な所にクリーンベンチ等を設けたりすることもある。
【0019】
また、図2に示すように、本実施形態の装置は、必要なモジュールを追加して設置するための予備のモジュール設置部130を有している。モジュール設置部130は、搬送系による搬送が可能な位置に設けられており、主制御部からの制御信号ラインのポートや、クリーンエア等のユーティリティの供給部等が標準化されて設けられている。
本実施形態では、重ね合わせの際、一方の液晶基板91が下側になり、他方の液晶基板92が上側になる。従って、以下、前者91を下側基板と呼び、後者92を上側基板と呼ぶ。
【0020】
図3は、図1及び図2に示す装置の第一基板搬入部101、第二基板搬入部102及びパネル搬出部103の正面概略図である。
図2に示すように、装置は、全体に横に長い長方形のスペースを占有するようになっている。第一基板搬入部101、第二基板搬入部102及びパネル搬出部103は、図2に示すように、装置の手前側の辺の左端の部分に並べて配置されている。
【0021】
第一基板搬入部101、第二基板搬入部102及びパネル搬出部103は、同様の構成である。一例として、第一基板搬入部101の構成について説明する。第一基板搬入部101は、複数の下側基板91を所定間隔をおきながら上下に重ね合わせて収容する構成となっている。第一基板搬入部101は、左右に設けられた一対の側板104と、各々の側板104の向かい合う面に設けた凸部105とから成っている。凸部105は、側板104の幅方向に長く、上下に所定間隔をおいて複数設けられている。下側基板91は、同じ高さにある一対の凸部105に両端が載った状態で収容されるようになっている。第二基板搬入部102及びパネル搬出部103も基本的に同様の構成である。
【0022】
図4は、図1及び図2に示す装置の搬送系の構成を示す斜視概略図である。搬送系は、下側基板91、上側基板92又は液晶ディスプレイパネル93を保持して搬送する搬送ロボット121と、搬送ロボット121を全体に直線移動させるロボット移動機構122とから主に構成されている。また、搬送系を含む装置全体を制御する不図示の主制御部が設けられている。
【0023】
搬送ロボット121は、下側基板91、上側基板92又は液晶ディスプレイパネル93を支持するフォーク123と、フォーク123を先端に固定した多関節型のアーム124と、アーム124を駆動する駆動機構を内部に納めたロボット本体125とから主に構成されている。搬送ロボット121は、アーム124の伸縮、垂直な回転軸の周りの回転及び垂直方向の移動(上下動)を行って、フォーク123上の下側基板91、上側基板92又は液晶ディスプレイパネル93を所定の位置に搬送するようになっている。搬送ロボット121は、フォーク123を、水平な面内で直交する二つの方向(XY方向)、垂直方向(Z方向)、搬送ロボット121の垂直な軸の周りの回転方向(θ方向)に移動させる動作の他、フォーク123を水平な軸の周りに回転させてフォーク123上の下側基板91、上側基板92又は液晶ディスプレイパネル93の上下を逆にする動作も行えるようになっている。
【0024】
ロボット移動機構122は、搬送ロボット121の動作範囲を越える搬送を行う際に使用されるものである。ロボット移動機構122は、シール形成モジュール1、液晶滴下モジュール2及び真空重ね合わせモジュール3が並ぶ方向(以下、並設方向)に搬送ロボット121を移動させるものであって、並設方向に延びる一対のリニアガイド126と、ボールねじとサーボモータを組み合わせたリニア駆動源127等から構成されている。
不図示の主制御部は、本実施形態では、装置の各部の制御も行うものである。主制御部は、各モジュールにおける処理の進行状況に応じて、搬送ロボット121の動作を最適に制御するようになっている。
【0025】
図5は、図1及び図2に示すシール形成モジュール1の概略構成を示す斜視図である。図5に示すように、シール形成モジュール1は、下側基板91が載るステージ11と、ステージ11を駆動させるステージ駆動機構12と、シール10を吐出するシールディスペンサー13と、シールディスペンサー13にシール10を供給するシール供給系14と、ステージ11に対するシールディスペンサー13の位置(高さ)を調節するディスペンサー位置調節機構15とから主に構成されている。
【0026】
ステージ11は、上面は水平な姿勢であり、その上面に下側基板91が載置されるようになっている。ステージ11の上面には、不図示の真空吸着孔が設けられており、下側基板91はステージ上の所定位置で真空吸着されるようになっている。
また、ステージには、下側基板91の受け渡しのための不図示のリフトピンが設けられている。ステージ11を垂直に貫くようにして不図示のピン貫通孔が設けられており、ピン貫通孔に垂直な姿勢でピンが挿通されている。リフトピンは、下側基板91を各々角の位置で支持できるよう四つ設けられている。リフトピンの下端は、水平な姿勢の不図示のピンベース板に固定されており、ベース板には不図示のピン昇降機構が設けられている。
尚、ピン貫通孔を真空吸着孔に兼用する場合もある。具体的には、ピン貫通孔に横穴を設け、そこから真空吸引するようにする。ピン貫通孔のステージ11とは反対側の端部は、気密封止をしておく。
【0027】
ステージ駆動機構12は、ステージ11を水平な面内の二つの直交する方向(X方向及びY方向)にステージ11を駆動するようになっている。X方向及びY方向は、所定位置に載置された下側基板91の各辺の方向に一致している。ステージ駆動機構12は、サーボモータを使用したものであって、ステージ11をX方向又はY方向に変位させながら所定の位置を保持できるよう構成されたものである。このような機構は、各社から容易に入手できるので、詳細な説明は省略する。
【0028】
シール10としては、本実施形態では、光硬化性及び熱硬化性の双方を有する樹脂が使用されている。シール10は、硬化前は、スラリーのようなある程度粘性のある液状である。このようなシール10には、例えば、協立化学産業株式会社の「ワールドロックNo.717」などが使用できる。
【0029】
シールディスペンサー13は、未硬化のシール10を内部に溜めたシリンダーであり、先端の吐出口を下方に向けた姿勢で、不図示のディスペンサー保持具によって保持されている。ディスペンサー位置調節機構15は、シールディスペンサー保持具を上下に変位させながらシールディスペンサー13の高さ方向の位置を調節するようになっている。ディスペンサー位置調節機構15は、サーボモータとボールねじを組み合わせた直線移動機構によって構成される。
シール供給系14は、不図示のシール溜め容器とシールディスペンサー13とをつなぐシール供給チューブと、シール供給チューブを介してシールを供給する不図示の供給ポンプ等から構成されている。
【0030】
上記構成に係るシール形成モジュール1の動作について、以下に説明する。
搬送ロボット121は、下側基板91を保持してステージ11の上方の所定位置に位置させる。所定位置とは、ステージ11の中心軸上に下側基板91の中心が位置する位置である。下側基板91は、各辺がX方向又はY方向に沿った姿勢とされる。ピン昇降機構は、リフトピンがステージ11から突出した上限位置になるよう予め動作している。
【0031】
この状態で、搬送ロボット121は、フォーク123を下降させて下側基板91を各リフトピン上に載せる。そして、フォーク123を、下側基板91が下降しても接触しない位置まで後退させる。そして、ピン昇降機構は、各リフトピンを同時に下降させ、上端がステージ11の上面よりも下側の高さになるようにする。この下降の過程で、下側基板91はステージ11上に載置される。その後、真空吸着機構が動作して下側基板91がステージ11上に真空吸着される。
【0032】
次に、ステージ駆動機構12が動作し、ステージ11を所定の原点位置に位置させる。また、ディスペンサー位置調節機構15が動作して、シールディスペンサー13を所定の高さに位置させる。この状態で、シール供給系14の供給ポンプが動作し、シール10がシールディスペンサー13から吐出される。吐出されたシール10は、下側基板91上に盛られる。この際、ステージ駆動機構12が動作し、ステージ11をX方向又はY方向に移動させる。シールディスペンサー13からのシール10の吐出を継続しながら、ステージ駆動機構12が、ステージ11の中心が方形の軌跡を描くように移動させると、シール10が下側基板91上に方形の輪郭を成すように形成される。ステージ駆動機構12は、シール10が下側基板91の縁から所定の距離だけ内側の位置に形成されるよう、X方向及びY方向にステージ11を駆動する。
【0033】
このようにして方形の周状にシール10を形成した後、供給ポンプを止める。その後、真空吸着を解除した後、再びピン昇降機構を動作させて各リフトピンを上限位置に位置させる。この結果、下側基板91はステージ11から離れる。その後、搬送ロボット121は、フォーク123を下側基板91の下方に進入させた後、上昇させ、下側基板91を受け取ってシール形成モジュール1から取り出す。尚、上記実施形態の構成の他、ステージ11を静止させておき、シールディスペンサー13をXY方向に移動させながらシール10による描画を行う場合もある。
【0034】
次に、液晶滴下モジュール2について説明する。
図6は、図1及び図2に示す液晶滴下モジュール2の概略構成を示す斜視図である。図6に示すように、液晶滴下モジュール2は、下側基板91が載るステージ21と、ステージ21を駆動させるステージ駆動機構22と、液晶20を放出して滴下する液晶ディスペンサー23と、液晶ディスペンサー23に液晶20を供給する液晶供給系24と、ステージ21に対する液晶ディスペンサー23の位置(高さ)を調節するディスペンサー位置調節機構25とから主に構成されている。
【0035】
ステージ21及びステージ駆動機構22は、シール形成モジュール1と同様の構成なので、説明は省略する。
液晶ディスペンサー23は、液晶20が貯められているとともに放出孔を有する容器と、容器内で液晶20を加圧して液晶を放出孔から滴下させるピストン棒等から構成されている。液晶ディスペンサー23には、不図示の液晶溜めから液晶供給系24により液晶20が供給される。
【0036】
上記構成に係る液晶滴下モジュール2の動作について、以下に説明する。
搬送ロボット121は、シール形成モジュール1から取り出した下側基板91を液晶滴下モジュール2に搬送し、ステージ21の上方の所定位置に位置させる。所定位置とは、同様に、ステージ21の中心軸上に下側基板91の中心が位置する位置である。下側基板91は、同様に不図示のリフトピンによりステージ21に受け渡され、ステージ21上に真空吸着される。
【0037】
ステージ駆動機構22がステージ21を所定位置に位置させるとともに、ディスペンサー位置調節機構25が動作して、液晶ディスペンサー23を所定の高さに位置させる。この状態で、液晶ディスペンサー23が動作し、液晶20が所定量滴下される。次に、ステージ駆動機構22が動作し、ステージ21をX方向及び又はY方向に所定距離移動させ、別の所定位置にステージ21を位置させる。その後、同様に、液晶ディスペンサー23を動作させ、液晶20を所定量滴下する。これを繰り返し、ステージ21を逐次移動させながら、下側基板91上の複数の所定箇所に液晶20を滴下する。複数の所定箇所は、均等間隔の箇所であり、下側基板91上に均等に液晶20が滴下される。滴下された液晶20は、粘性はあるものの、下側基板91上で均一に拡がる。
【0038】
このようにして所定量の液晶20を滴下した後、真空吸着を解除しその後、リフトピンにより下側基板91を搬送ロボット121に渡す。搬送ロボット121は、下側基板91を液晶滴下モジュール2から取り出す。尚、ステージ21は静止させ、液晶ディスペンサー23をXY方向に逐次移動させながら液晶を滴下させる場合もある。
【0039】
次に、真空重ね合わせモジュール3について説明する。
図7は、真空重ね合わせモジュール3の概略構成を示す正面断面図である。本実施形態の大きな特徴点の一つは、真空重ね合わせモジュール3が、真空中で下側基板91と上側基板92とを重ね合わせてギャップ出しとアライメントとを行うものである点である。本実施形態では、一対の液晶基板91,92を真空雰囲気に配置するための真空容器が、一対の液晶基板91,92を保持する一対の基板保持具31,32によって構成されている。
【0040】
具体的に説明すると、一対の基板保持具31,32は、図7に示すように、水平な姿勢で下側基板91と上側基板92とを保持するようになっている。一対の基板保持具31,32のうち、下側基板91を保持する基板保持具1を「下側基板保持具」と呼び、上側基板92を保持する基板保持具2を「上側基板保持具」と呼ぶ。
上側基板保持具32は、図7に示すように、下面に凹部が形成されている保持具本体321と、保持具本体321の凹部の空間を仕切るように設けられた隔膜322と、隔膜322の下面に固定された保持ヘッド323とから主に構成されている。
【0041】
保持具本体321は、剛性の高いジュラルミンやステンレス等の材料で形成されている。場合によっては、充分な剛性を備えつつ軽量であるアルミニウムが保持具本体321の材料として選ばれることもある。隔膜322は、後述する差圧印加機構62が印加する差圧により上側基板92を押圧するものである。
保持ヘッド323は、上側基板92に接触して上側基板92を直接的に保持する部材である。保持ヘッド323は、上側基板92を大気中では真空吸着し真空中では静電吸着して保持するようになっている。
【0042】
静電吸着機構は、保持ヘッド323内に設けられた一対の吸着電極(不図示)に、大きさが同じで極性が互いに異なるもしくは極性が同一の直流電圧を不図示の吸着電源により印加する構成である。保持ヘッド323は、銅のような金属製の部材の表面にポリイミド樹脂のような誘電体で被覆された構成となっている。吸着電源が動作して一対の吸着電極に極性の異なる直流電圧が印加されると、保持ヘッド323の誘電体被覆層に誘電分極が生じて下面に静電気が誘起される。この静電気により上側基板92が静電吸着される。尚、保持ヘッド323としては、全体がアルミナ等の誘電体で形成されたものを用いることもある。
【0043】
下側基板保持具31も、同様に剛性の高いジュラルミン、ステンレス又はアルミニウム等の材料で形成されている。下側基板保持具31は、不図示の頑丈なベースによって支持されている。下側基板保持具31には、同様に静電吸着機構が設けられている。具体的には、下側基板保持具31の上面には、凹部が設けられており、この凹部に填め込まれるようにして静電吸着プレート311が設けられている。静電吸着プレート311は誘電体製であり、同様の構成により下側基板91を静電吸着する。
【0044】
上述したように、一対の基板保持具31,32は、真空容器を構成する部材となっている。具体的には、真空容器は、一対の基板保持具31,32と、一対の基板保持具31,32の間に位置する中間リング33とから構成されている。
下側基板保持具31は排気路312を有し、排気路312には排気系41が設けられている。排気系41は、排気路312と真空ポンプ411とをつなぐ排気管412と、排気管412上に設けられたバルブ413や不図示の排気速度調整器等から構成されている。そして、上側基板保持具32は、ベントガス導入路325を有し、ベントガス導入路325にはベントガス導入系42が設けられている。ベントガスには、清浄化された乾燥空気(ドライエア)又は窒素等が使用される。
尚、下側基板保持具31の上面は、周辺部に段差を有しており、少し低くなっている。この低くなった部分は周状に延びており、この部分に中間リング33が位置している。
【0045】
一対の基板保持具31,32は、開閉機構5により、真空容器が大気に開放される際には長い第一の距離離れて位置し、真空容器が真空に排気される際には短い第二の距離離れて位置するようになっている。具体的には、開閉機構5は、上側基板保持具32を上下動させるようになっている。以下の説明では、一対の基板保持具31,32の距離が第一の距離になるような上側基板保持具32の位置を上限位置と呼び、第二の距離になるような上側基板保持具32の位置を下限位置と呼ぶ。
【0046】
開閉機構5は、上側基板保持具32を全体に保持した保持部材51と、保持部材51に駆動軸が固定された開閉駆動源52とから主に構成されている。開閉駆動源52にはサーボモータ等が使用され、ボールネジを回転させてその回転を上下動に変換する構成が採用される。尚、開閉機構5としては、エアシリンダや油圧シリンダのような流体圧シリンダを使用した機構が採用されることもある。
開閉機構5は、大気開放の際には、上側基板保持具32を上限位置に位置させ、真空排気の際には所定の下方位置に位置させるようになっている。上側基板保持具32が下限位置にあるとき、上側基板保持具32は、中間リング33に接触するようになっている。尚、一対の基板保持具31,32のみで真空容器が構成される場合、開閉機構5は、一対の基板保持具31,32が接触するよう移動させる。
【0047】
このような構成は、一対の基板91,92の搬入搬出やメンテナンスなどを考慮したものである。単に大気開放するだけであればベントガス導入系42を設ければ足りるが、真空容器内への基板91,92の搬入や真空容器外への基板91,92の搬出のため、一対の基板保持具31,32が長い距離離れて対向するようにしている。尚、基板91,92の搬入搬出のための構成としては、真空容器に開口を設けてこの開口を開閉するゲートバルブを設ける構成があるが、この構成では、内壁面のクリーニング等のメンテナンスの作業がしづらい。
【0048】
本実施形態の装置は、一対の基板91,92の板面方向の位置関係が所定のものになるよう一対の基板保持具31,32の少なくとも一方を板面方向に移動させてアライメントを行うアライメント用移動手段7を備えている。本実施形態では、下側基板91は板面方向には移動しないようになっており、静止した下側基板91に対して上側基板92を板面方向に移動させることでアライメントを行うようになっている。即ち、アライメント用移動手段7は、上側基板92を板面方向に移動させてアライメントを行うものとなっている。尚、一対の基板91,92は水平方向に保持されるため、板面方向は水平方向である。
【0049】
アライメント用移動手段7の構成について、図8及び図9を使用して説明する。図8は、図7の真空重ね合わせモジュール3が備えるアライメント用移動手段7の構成について示す斜視概略図である。図9は、図8に示すアライメント用移動手段7の要部の斜視概略図である。
図7に示すように、アライメント用移動手段7は直接的には中間リング33を移動させるよう構成されている。上側基板保持具32は、真空容器内外の差圧により中間リング33に対して大きな力で押し付けられる。アライメント用移動手段7は、この状態において中間リング33を移動させることで、中間リング33と一体に上側基板保持具32を移動させ、それによって上側基板92を移動させる構成となっている。
【0050】
アライメント用移動手段7は、図8及び図9に示すように、中間リング33に固定されたブラケット701と、ブラケット701を介して中間リング33を移動させる直線駆動源702と、直線駆動源702の出力軸に設けられた支点ピン703と、支点ピン703に連結された連結具704と、連結具704とブラケット701との間に設けられたリニアガイド705とから構成されている。
【0051】
図8及び図9に示すように、ブラケット701、直線駆動源702、支点ピン703及びリニアガイド705から成るユニット71,72,73,74は、中間リング33の各辺のそれぞれに設けられている。以下、説明の都合上、各ユニットを第一ユニット71、第二ユニット72、第三ユニット73、第四ユニット74とする。図8に示すように、第一ユニット71と第三ユニット73、及び、第二ユニット72と第四ユニット74が、中間リング33の対向する辺にそれぞれ位置している。
各ユニット71,72,73,74において、直線駆動源702は、サーボモータ又はパルスモータ等のモータと、モータの出力を直線運動に変換するボールネジを含む運動変換機構とから構成されている。各直線駆動源702は、不図示の固定板に固定されており、移動しないようになっている。
【0052】
連結具704は、図9に示すように断面コ状であり、開口を直線駆動源702の側に向けて配置されている。支点ピン703は、軸方向が上下方向になるよう配置されている。連結具704は、上側部分と下側部分に支点ピン703を挿入する孔を有している。支点ピン703は、この孔に上端と下端が挿入されている。支点ピン703と連結具704とは固定されておらず、静止した支点ピン703の周りに連結具704は回転できるようになっている。
ブラケット701は、図8及び図9に示すように平面視が直角三角形のものである。ブラケット701は直角を成す一対の辺の一方が中間リング33の側面と平行となっており、この辺の部分で中間リング33の側面に固定されている。
【0053】
リニアガイド705は、ブラケット701の直角を成す他方の辺に固定されている。リニアガイド705は、そのリニアガイド705が属するユニット71,72,73,74が設けられた中間リング33の辺の方向に対して直角な水平方向に長いものであり、この方向の直線移動をガイドするものである。連結具704は、リニアガイド705と同じ方向に長いものであってリニアガイド705の形状に適合した凹部又は段差を有する。リニアガイド705は、この凹部又は段差に沿って滑りながら直線移動をガイドする。
【0054】
図8及び図9に示すアライメント用移動手段7の動作について、次に説明する。図8及び図9に示すアライメント用移動手段7は、各ユニット71,72,73,74の直線駆動源702を任意に動作させることで、水平面上の直交する二つの方向の直線移動(X方向及びY方向の移動)と、任意の位置を中心とする水平面上での円周方向の移動(θ方向の移動)とを中間リング33に行わせるようになっている。
【0055】
さらに具体的に説明する。図8に示すように、X方向は、第一第三ユニット71,73が配置された辺の方向とし、Y方向は、第二第四ユニット72,74が配置された辺の方向とする。まず、X方向に中間リング33を直線移動させるには、第一ユニット71及び第三ユニット73の直線駆動源702を同時に動作させ、第二ユニット72及び第四ユニット74の直線駆動源702を動作させないようにする。この際、第一ユニット71及び第三ユニット73の直線駆動源702は、同じ距離だけ各ブラケット701が移動するよう駆動される。例えばモータがパルスモータである場合、同パルス数だけ駆動される。この結果、この駆動距離だけ中間リング33もX方向に直線移動する。尚、直線駆動源702を動作させないとは、モータがサーボモータのようなものである場合、その位置を保持して動かないようにするよう動作する場合も含む意味である。
【0056】
また、Y方向に移動させる場合は、第二ユニット72及び第四ユニット74の直線駆動源702を同時に動作させ、第一ユニット71及び第三ユニット73の直線駆動源702を動作させないようにする。この場合も、第二ユニット72及び第四ユニット74の直線駆動源702の駆動距離は同じにする。これにより、中間リング33がY方向に駆動距離だけ直線移動する。
【0057】
上記X方向及びY方向の移動において、各ユニット71,72,73,74のリニアガイド705は、移動をガイドする機能を持っている。即ち、X方向の移動の際、各ブラケット701も中間リング33と一体にX方向に移動する。この際、第二ユニット72及び第四ユニット74のブラケット701に設けられたリニアガイド705は、連結具704の凹部又は段差に沿って滑りながら移動し、X方向の移動をガイドする。つまり、第二第四ユニット72,74のリニアガイド705は、X方向の駆動力を逃がして直線駆動源702等に伝えないようにするものである。
また、Y方向の移動の際、第一ユニット71及び第三ユニット73のブラケット701に設けられたリニアガイド705が連結具704の凹部又は段差に沿って滑り、Y方向の移動をガイドする。
【0058】
次に、θ方向に移動させる場合について説明する。
例えば、回転軸が中間リング33と同軸即ち中間リング33の中心軸にある場合の移動について説明する。この場合は、例えば、第一ユニット71の直線駆動源702と第三ユニット73の直線駆動源702を同時に動作させ、第二ユニット72の直線駆動源702と第四ユニット74の直線駆動源702を動作させないでおく。この際、第一ユニット71の直線駆動源702と第三ユニット73の直線駆動源702を異なる向きに(前進と後退)同じ距離だけ駆動させる。この結果、中間リング33は、中心軸を中心とする水平な円周方向(図8にθで示す)に移動する。
【0059】
このθ方向の移動の際、各ブラケット701も中間リング33と一体にθ方向に移動する。この際、第二第四ユニット72,74の支点ピン703及び連結具704は、θ方向への駆動力を逃がして直線駆動源702に伝えないようにする機能を持っている。即ち、第二第四ユニット72,74のブラケット701がθ方向に移動すると、リニアガイド705を介して連結具704も一体にθ方向に移動する。しかし、支点ピン703は、直線駆動源702の出力軸に固定されており移動しない。従って、ブラケット701がθ方向に移動すると、連結具704が支点ピン703を中心にして少し回転し、θ方向への駆動力を逃がして直線駆動源702等に伝えないようにしている。
【0060】
尚、θ方向への移動は、第一第三ユニット71,73の直線駆動源702を動作させないでおき、第二第四ユニット72,74の直線駆動源702を異なる向きに同じ距離だけ駆動させることでも行うことができる。この場合、第二第四ユニット72,74の連結具704と支点ピン703がθ方向の駆動力を逃がすよう動作する。
【0061】
θ方向以外の円周方向についても、各ユニット71,72,73,74の直線駆動源702の駆動のさせ方(駆動距離及び駆動の向き)を適宜選択することで自由に行うことができる。例えば、図4中θで示すように、基板91,92又は中間リング33等の方形の隅の位置を中心とする円周上の方向に移動させることができる。
上記アライメントの際の移動の距離は、かなり短い。X方向やY方向のような直線移動の場合、±2mm程度又はそれ以下である。θ方向の移動の場合、角度で表すと±1度程度又はそれ以下である。
【0062】
また、本実施形態の装置は、アライメントを行う際に一対の基板91,92の板面方向の位置関係のずれを検出する位置ずれ検出センサ75を備えている。位置ずれ検出センサ75は、図7に示すように下側基板保持具31に取り付けられている。
具体的に説明すると、下側基板保持具31には、上下に延びる検出用貫通孔314を有する。位置ずれ検出センサ75は、検出用貫通孔314の下端開口を臨む位置に取り付けられている。検出用貫通孔314は複数設けられており、そのそれぞれに位置ずれ検出センサ75が取り付けられている。尚、検出用貫通孔314の下端開口は、光学窓315によって気密に塞がれている。
【0063】
各位置ずれ検出センサ75は、具体的にはCCDカメラ等の撮像素子である。一対の基板91,92のそれぞれには、板面上の所定の位置にアライメント用マークが設けられている。一対の基板91,92は透明であって同じ形状寸法である。そして、アライメント用マークは、一対の基板91,92において同じ位置に設けられている。
【0064】
前述したように搬送ロボット121により下側基板91が搬入された際、搬送ロボット121は、アライメントマークが検出用貫通孔314の上端開口に位置するよう精度良く下側基板91を下側基板保持具31に載置する。アライメントの際、位置ずれ検出センサ75は、検出用貫通孔314を通して下側基板保持具31のアライメントマークと上側基板92のアライメントマークとを撮像するようになっている。
【0065】
本実施形態では、上側基板92を下側基板91に向けて押圧してギャップ出しを行うようになっている。即ち、上側基板92を下側基板91に向けて移動させてギャップ出しを行うギャップ出し用移動手段が設けられている。
ギャップ出し用移動手段の構成は、本実施形態の三番目の大きな特徴点を成している。即ち、ギャップ出し用移動手段は、上側基板92に機械的に押圧力を与える機構(以下、押圧機構)61と、ガスの差圧により上側基板92に押圧力を与える機構(以下、差圧印加機構)62とを併用しており、この点が大きな特徴点となっている。
【0066】
押圧機構61は、上側基板保持具32に固定された複数の押圧ロッド611と、各押圧ロッド611のそれぞれに設けられた押圧駆動源612とから主に構成されている。各押圧ロッド611は、垂直な姿勢であり、下端が隔膜322に固定されて上方に延び、上側基板保持具32を気密に貫通している。各押圧駆動源612は、押圧ロッド611の上端に連結されている。各押圧駆動源612は、サーボモータ等の位置制御用のモータとなっており、ボールネジ等を用いた運動変換機構によりその回転運動が直線運動に変換されるようになっている。
【0067】
尚、各押圧ロッド611の貫通部分には、各押圧ロッド611の上下動を許容しつつ真空シールを行う押圧用真空シール手段613が設けられている。この押圧用真空シール手段613は、具体的にはOリングシールであるが、磁性流体を用いたメカニカルシールを用いることもできる。また、各押圧ロッド611と上側基板保持具32との間にベローズを設けても良い。
【0068】
隔膜322によって仕切られた空間のうち、上側の空間は、上側保持具本体321と隔膜322とによって囲まれた閉空間326となっている。この閉空間326は、上側基板92の背後に位置する。差圧印加機構62は、この閉空間326内にガスを導入し、上側基板92が位置する空間との間で差圧を与えるようになっている。即ち、差圧印加機構62は、上側保持具本体321に接続された差圧用配管621と、差圧用配管621を通して閉空間326内にガスを導入する不図示のボンベと、差圧用配管621上に設けられた差圧用主バルブ622から主に構成されてる。尚、上側保持具本体321は、差圧用配管621が接続された箇所にガス導入路327を有している。閉空間326とは、このようなガス導入路327以外の部分では基本的に閉じた空間であるという意味である。
【0069】
また、差圧印加機構62は、閉空間326内の圧力を調節する不図示の圧力調整器を有している。不図示の圧力調整器には、制御用の電気信号の入力に従って圧力を調節する電−空レギュレータが使用される。電−空レギュレータは、電気信号(電圧又は電流)によって圧力を制御する機器である。例えば、圧電素子によってダイヤフラム(隔膜)を制御し、これによって内部バルブを調整して圧力を制御する構成のものが使用される。このような電−空レギュレータは各社から市販されているので、適宜選択して使用する。
尚、図7に示すように、閉空間326内を排気するための補助排気ポンプ626が設けられている。補助排気ポンプ626は、差圧用配管621、バルブ622,624及び補助排気管623を通して閉空間326内を排気するようになっている。
【0070】
本実施形態の装置では、ギャップ出しを高精度で行えるよう、多くの工夫が成されている。
まず、ギャップ出しのために上側基板92を下側基板91に押し付けている際、両者の距離を間接的に測定する距離センサ63が設けられており、この距離センサ63からの信号をフィードバックして押圧力を制御している。
より具体的に説明すると、距離センサ63は複数設けられており、下側基板保持具31に取り付けられている。下側基板保持具31の上面には、下側基板91を保持する部分の外側に凹部が設けられており、距離センサ63はこの凹部を埋めるように設けられている。
【0071】
図7に示すように、下側基板保持具31の基板保持具面(静電吸着プレート311の上面)と上側基板保持具32の基板保持面(保持ヘッド323の下面)は平行である。また、下側基板91の厚さと上側基板92の厚さは既知である。従って、下側基板保持具31の基板保持面と上側基板保持具32の基板保持面との距離が判れば、一対の基板91,92のギャップ長(離間距離)が判る。距離センサ63に対する下側基板保持具31の基板保持面の位置関係は不変であるので、距離センサ63から保持ヘッド323の下面までの距離を計ることによって、一対の基板91,92のギャップ長が間接的に求まることになる。
【0072】
距離センサ63には、例えばうず電流を検出するものが使用できる。即ち、センサの一方を交流磁界を発生させる構成とし、他方をこの交流磁界により生ずるうず電流を検出する構成とする。うず電流の大きさにより距離が求められる。この他、磁界強度により距離を測定するセンサやレーザー干渉計を用いた距離センサ等が使用できる。また、電気式接触式マイクロメータを使用しても良い。
【0073】
図10は、板面方向における距離センサ63の配置位置について説明する図である。
本実施形態のさらに別の大きな特徴点は、押圧機構61の各押圧ロッド611と対を成すように距離センサ63を配置している点である。即ち、図10に示すように、本実施形態では、四つの押圧ロッド611が設けられている。各押圧ロッド611は、上側基板保持具32と同軸の仮想的な長方形又は正方形の角の位置に配置されている。そして、各距離センサ63も、同様に四つ設けられており、各押圧ロッド611の下方に位置して対を成している。
より正確には、四つの押圧ロッド611を結んだ方形と、四つの距離センサ63を結んだ方形とは相似形であって同軸上である。そして、各対を成す押圧ロッド611と距離センサ63とは、方形の同じ頂点の位置に位置している。
【0074】
また、上側基板保持具32が有する隔膜322は、上記アライメント用移動手段7による板面方向の駆動力を上側基板92に伝えるものとなっている。即ち、前述したようにアライメント用移動手段7は、中間リング33を介して上側基板保持具32を板面方向に移動させる。この移動の力は、隔膜322及び押圧ロッド611を介して保持ヘッド323に伝えられ、この結果、保持ヘッド323に静電吸着されている上側基板92が移動する。
【0075】
前述したように、隔膜322は、ギャップ出し用移動手段の差圧印加機構62により厚さ方向に膨らんで上側基板92に押圧力を与える。そして、その一方で、アライメントの際には板面方向の力を上側基板92に伝える。この際重要なことは、隔膜322は、厚さ方向には変形が可能であるが、押圧ロッド611で強固に支持されているためと、それ自身の剛性により板面方向には本質的に変形しないものとなっていることである。板面方向に変形してしまうと、アライメントが不安定となり、再現性や精度の悪化する恐れがある。「本質的に変化しない」とは、例えば、厚さ方向に力Fが加えられたときの変形量をΔTとし、板面方向に大きさの同じ力Fが加えられたときの変形量をΔTとしたとき、
ΔT/ΔT≦0.1
となるような場合を指す。
隔膜322には、薄いシート状であり、例えばステンレスやチタン等の金属又はカーボン繊維強化プラスチック(CFRP)等の材料から成るものが使用される。隔膜322の厚さは、例えば1mm〜2mm程度である。
【0076】
また、本実施形態の装置は、板面方向の力を上側基板92に伝える隔膜322の機能を考慮して、押圧ロッド611の下端に特別のベアリング機構(図7中不図示)を備えている。図11は、図7に示す押圧ロッド611の下端に設けられたベアリング機構の断面概略図である。
ベアリング機構は、隔膜322に固定された軸受け614と、軸受け614と押圧ロッド611の下端と間に介在された主ベアリング615と、押圧ロッド611の下端部側面と軸受け614の内側面との間に介在された副ベアリング616とから主に構成されている。
【0077】
前述したように、アライメント用移動手段7により隔膜322に板面方向の力が加えられると、隔膜322は非常に薄いものであるため、場合によっては隔膜322が波打つように変形し易い。このような変形が生ずると、板面方向の力が上側基板92に上手く伝わらず、アライメントが上手くいかなかったり、精度が低下したりする場合がある。
このため、本実施形態では、図11に示すベアリング機構により、波打ちのような変形を防止している。即ち、波打ちのような変形が生ずると、図11中に点線で示すように隔膜322は局所的には斜めに傾いた状態となる。この状態になると、隔膜322自体が持っている張力により隔膜322は元の水平な状態に戻ろうとする。主ベアリング615は、この隔膜322の動きを助ける働きをする。
尚、副ベアリング616は、軸受け614と押圧ロッド611との間で板面方向で遊び(バックラッシュ)が無いようにするものである。遊びがあると、アライメント精度が低下してしまう。
【0078】
次に、図7を使用して、真空シール手段81,82の構成について説明する。前述したように一対の基板保持具31,32と中間リング33は真空容器を構成するから、それらの接触箇所は、真空シールされている必要がある。この真空シールを行う真空シール手段81,82の構成も、本実施形態の装置の大きな特徴点となっている。
【0079】
まず、中間リング33と下側基板保持具31との間には、第一真空シール手段81が設けられている。特徴的な点は、この第一真空シール手段81が、上記アライメントのために上側基板保持具32と中間リング33とが一体に移動する際にも真空シールを維持するものとなっている点である。
具体的に説明すると、第一真空シール手段81は、アライメント用移動手段7によって移動する中間リング33に接触する弾性体シール具811と、弾性体シール具811の変形量を限定する剛体812とより構成されている。
【0080】
弾性体シール具811は、典型的にはOリングのような真空シール具である。下側基板保持具31の上面のうち周辺部の低くなった場所には周状の溝が形成されており、この溝に弾性体シール具811が填め込まれている。一方、中間リング33は、下面の内縁に沿って凸部が周状に形成されており、この凸部が弾性体シール具811に接触することにより真空シールがされるようになっている。
一方、剛体812は、球状であり、軸受鋼等の剛性の高い材料から形成されている。剛体812は複数設けられており、任意の向きに転動可能な状態で不図示の係止具により係止されている。尚、剛体812は、周状の弾性体シール具811の周囲に均等間隔を置いて複数設けられている。
【0081】
通常の真空シール手段の構成では、真空シールがされるべき部材の間にOリングのような弾性体シール具を介在させ、この状態で両者を接触させてネジ止め等を行う。ネジ止め等のみでは両者の接触は完全ではなく真空シールはされないが、弾性体シール具が両者の間に気密に挟み込まれることで、真空シールが達成される。
しかしながら、このような構成は、本実施形態では採用できない。アライメントの際、固定された下側基板保持具31に対して中間リング33を水平方向に移動させる必要があるためである。下側基板保持具31と中間リング33とが接触している構成の場合、アライメントを行うには、中間リング33を下側基板保持具31に対して擦らせながら中間リング33を移動させることになる。このようなことを行うと、移動に大きな力を要する問題の他、擦動により塵等のゴミが発生する問題がある。
【0082】
弾性体シール具811の弾性力を大きい最適なものにすることで、中間リング33と下側基板保持具31との接触を防止する構成も考えられる。しかしながら、このようにすると、ギャップ出しの際の上側基板保持具32からの圧力及び大気圧と真空圧力との差圧による圧力が弾性体シール具811のみにかかることになる。このため、弾性体シール具811の弾性力をかなり大きなものにしなければならず、適正な真空シール作用を得るのが困難になることもあり得る。また、弾性力が小さいと、大きな力が弾性体シール具811に加わる結果、弾性体シール具811の変形量が徐々に大きくなり、最終的には中間リング33と下側基板保持具31とが接触してしまう恐れもある。このように、弾性体シール具811のみであると、最適な弾性力の範囲が狭く、選定が非常に困難である。
一方、本実施形態のように、剛体812によって弾性体シール具811の変形を限定すると、中間リング33と下側基板保持具31とが接触しない範囲に弾性体シール具811の変形を限定することが容易にできる。即ち、球状である剛体812の直径を適当な値にすれば良い。
【0083】
また、剛体812による弾性体シール具811の変形の限定は、真空シールを維持したアライメントの点でも大きな技術的意義を有する。
具体的に説明すると、アライメントの際、中間リング33が移動すると、弾性体シール具811は中間リング33に擦り付けられる状態となる。即ち、中間リング33は、その下面に弾性体シール具811を滑らせながら移動する状態となる。
【0084】
この場合、弾性体シール具811に大きな力が加わって変形量が大きくなると、摩擦力が大きくなり、中間リング33が充分に移動できなかったり、移動に大きな力を要したり、移動距離の制御の精度が低下したりする恐れがある。また、無理に移動させる結果、弾性体シール具811の摩耗が激しかったり、塵等のゴミが多く発生したりする恐れもある。さらに、弾性体シール具811の変形が小さくなるよう弾性力を大きくすると、真空シールが維持できない恐れもある。
本実施形態の構成によれば、剛体812があるため、弾性体シール具811の変形が限定され、中間リング33と下側基板保持具31との間の圧力が分散する。このため、上記のような問題はなく、中間リング33を充分に高い制御性で容易に移動させることができ、ゴミの発生等の問題もない。
【0085】
本実施形態では、摩擦によるゴミの発生の低減等の効果をさらに高く得るための工夫が施されている。まず、弾性体シール具811はシリコンゴム等から成るが、テフロン(登録商標)等の潤滑剤で表面をコーティングしたものが使用されている。また、剛体812の表面も、同様に潤滑剤でコーティングされている。そして、弾性体シール具811や剛体812に接触する中間リング33の下面は鏡面加工されており、さらにその面には潤滑剤が設けられている。この潤滑剤は、具体的には潤滑油であり、中間リング33の下面に塗布されている。このような構成のため、中間リング33の移動が小さい力で済んだり、制御が容易であったり、摩擦によるゴミの発生が少なくなったりする効果がさらに高く得られるようになっている。
【0086】
また、図7に示すように、剛体812は、弾性体シール具811よりも外側(基板保持具31,32の中心軸から見て遠い側)に位置している。従って、剛体812の接触箇所でゴミが発生したとしても、そのゴミは、弾性体シール具811により遮られ、基板91,92の重ね合わせを行う空間には進入しない。つまり、剛体812が弾性体シール具811よりも外側に位置する点も、液晶20中へのゴミの混入、基板91,92の素子面へのゴミの付着等を防止するのに貢献している。
【0087】
このような第一真空シール手段81の構成において、剛体812は転動を行うものであるが、滑動を行うものであっても良い。即ち、剛体812は、直方体等の形状のブロックであり、表面にフッ素樹脂等の潤滑剤が塗布されたものであっても良い。この場合、中間リング33に対して剛体812は相対的に滑動する。
【0088】
また、第一真空シール手段81の構成としては、剛体812に代えて、中間リング33と下側基板保持具31とを磁気的に反発させて両者の間隔を維持する機構でも良い。この場合は、中間リング33と下側基板保持具31とに磁石を設け、同一極性の磁極が向かい合うようにする。磁石を電磁石で構成し、電流を制御して所定の間隔が維持されるようにする。
【0089】
また、中間リング33と下側基板保持具31との間に介在する流体の圧力を調整して間隔を維持する機構が採用できる。この場合は、中間リング33と下側基板保持具31とのベローズ等でつなぎながら密閉された空間とし、この空間にガスを導入する。導入するガスの圧力を調整して両者の間隔を所定の値に保つ。いずれにしても、このような間隔の維持により、弾性体シール具811の変形を所定以下にすることができるとともに、中間リング33と下側基板保持具31との接触が防止できるので、アライメントの際に大きな力を要したりゴミが発生したりする問題が生じない。
【0090】
真空シールに関する本実施形態の別の大きな特徴点は、開閉機構5により開閉の際に接触したり離間したりするシール部を真空シールする第二真空シール手段82が、上述した第一真空シール手段81とは別に設けられている点である。以下、この点について説明する。
【0091】
開閉機構5により開閉の際に接触したり離間したりする部材は、本実施形態では、上側基板保持具32と中間リング33である。従って、第二真空シール部材は、上側基板保持具32と中間リング33との間の真空シールするようになっている。
第二真空シール手段82は、第一真空シール手段81とは異なり、弾性体シール具821のみから構成されている。この弾性体シール具821も、典型的にはOリング等である。中間リング33の上面には、図7に示すような断面台形状の溝が周状に設けられており、この溝内に弾性体シール具821が填め込まれている。弾性体シール具821は、真空シールしない状態では溝から少し突出する形状であるが、真空シール時には、上側基板保持具32によって押しつぶされるようにして上側基板保持具32に接触し、真空シールを確保するようになっている。
【0092】
このような第二真空シール手段82を採用する構成は、以下のような技術的意義を有する。
本実施形態の構成において、第二真空シール手段82を設けないようにすることも不可能ではない。例えば、中間リング33を上側基板保持具32と一体のものにすれば(中間リング33を設けなければ)、第二真空シール手段82は不要である。しかしながら、このようにすると、開閉機構5による開閉の際、上側基板保持具32と下側基板保持具31とが接触したり離間したりすることになる。つまり、第一真空シール手段81において、大気開放と真空シールとを繰り返すことになる。
【0093】
しかしながら、第一真空シール手段81の部分が大気に開放されると、ゴミの付着の問題が生じ易い。弾性体シール具811の表面にゴミが付着すると、アライメントの際に中間リング33に擦り付けられる結果、弾性体シール具811の表面が傷つき、弾性体シール具811の性能が低下してリーク(真空の漏れ)が生じやすくなる。また、中間リング33の下面にゴミが付着すると、弾性体シール具811が擦り付けられる結果、ゴミによって鏡面に傷が付き、摩擦力が大きくなる等の問題が生じることがある。さらに、開閉のたびに、弾性体シール具811及び剛体812に対して中間リング33が接触と離間を繰り返す結果、潤滑剤が摩耗したり、潤滑剤が削れてゴミになったりすることもあり得る。
【0094】
本実施形態の構成によれば、第二真空シール手段82があるため、第一真空シール手段81の部分において開閉を行う必要はなく、常時真空シールの構成とすることができる。従って、上述したような問題は本実施形態においては無い。
尚、真空重ね合わせモジュール3は、各部の制御を行う不図示の重ね合わせ制御部を有している。重ね合わせ制御部は、複数の距離センサからの信号に従い、一対の基板のギャップ長や平行度を判断する判断部を備えている。判断部は、各距離センサからの信号を比較して平行度を判断するとともに、各距離センサからの信号を平均するなどしてギャップ長を判断するようになっている。さらに、重ね合わせ制御部は、位置ずれ検出センサからの信号に従い、一対の基板の板面方向の位置関係が所定のものになっているかを判断する判断部も備えている。そして、このような重ね合わせ制御部は、ギャップ出し用移動手段やアライメント用移動手段に制御信号を送るようになっている。
【0095】
次に、上記構成に係る真空重ね合わせモジュール3の動作について説明する。図12及び図13は、本実施形態における真空重ね合わせモジュール3の動作について説明する図である。図12の(1)(2)(3)、続いて、図13の(1)(2)(3)の順に動作が進行することを示している。尚、図12及び図13は、図7に示すモジュールのほぼ右半分を示したものである。
【0096】
また、図12及び図13は、図7には示されていないモジュールの詳細な構成が一部示されている。まず、図12(1)〜(3)に示すように、一対の基板保持具31,32のそれぞれには、基板91,92の受け渡し用のリフトピン316,328が設けられている。各基板保持具31,32には、リフトピン316,328用の貫通孔が設けられている。貫通孔は垂直な方向に長く、リフトピン316,328も垂直な姿勢で貫通孔内に配置されている。尚、貫通孔及びリフトピン316,328は、各基板保持具31,32に複数(例えば四つ)均等に設けられている。
【0097】
各リフトピン316,328には、リフトピン316,328を上下動させる不図示の昇降機構が設けられている。また、リフトピン316,328は管状であり、先端の開口の部分で基板を真空吸着できるようになっている。即ち、リフトピン328を通して真空吸引する不図示の真空ポンプが設けられている。
また、図13(3)に示すように、下側基板保持具31には、仮止め用の光照射部317が設けられている。光照射部317は、本実施形態では、光ファイバ318の先端部となっている。光ファイバ318は、紫外線ランプ319からの光を導いてシールに照射するものとなっている。尚、光ファイバ318の先端は複数に分岐しており、光照射部317は、下側基板保持具31に複数均等に設けられている。
【0098】
まず、一対の基板91,92の搬入動作について、図12(1)〜(3)に従って説明する。まず、搬送ロボット121は、上側基板92を第二基板搬入部102から取り出す。上側基板92は、搬送ロボット121のフォーク123に真空吸着されながら保持されて真空重ね合わせモジュール3に搬送され、所定位置で停止する。尚、上側基板92は、下側が素子面になるので、上側の面で真空吸着されて搬送される。そして、図12(1)に示すように、上側基板保持具32のリフトピン(以下、上側リフトピン)328が下降し、上側基板92を真空吸着する。この際、上側リフトピン328は、フォーク123に干渉しない位置で下降して真空吸着する。フォーク123の真空吸着が解除された後、フォーク123は、上側基板92が上昇しても接触しない位置まで後退する。そして、図12(2)に示すように、上側リフトピン328が上昇し、上側基板92が保持ヘッド323に接触する位置で停止する。そして、真空吸着機構が動作し、上側基板92が保持ヘッド323に真空吸着される。その後、上側リフトピン328は、真空吸着を解除した後、さらに上昇し、所定の待機位置で停止する。
【0099】
次に、搬送ロボット121は、液晶滴下された下側基板91を液晶滴下モジュール2から取り出し、真空重ね合わせモジュール3に搬送する。下側基板91も、同様に搬送ロボット121のフォーク123に真空吸着されながら保持され、真空重ね合わせモジュール3内の所定位置で停止する。下側基板91は上側が素子面なので、下側で真空吸着される。そして、フォーク123の真空吸着を解除した後、下側基板保持具31のリフトピン(以下、下側リフトピン)316が上昇して下側基板91の下面に接触する。そして、フォーク123は、下側基板91が下降しても接触しない位置まで後退し、その後、所定距離下降する。この結果、図12(3)に示すように、下側基板91は静電吸着プレート311の上に載置された状態となる。その後、静電吸着プレート311の真空吸着機構が動作して下側基板91が静電吸着プレート311に真空吸着される。下側リフトピン316は、さらに下降して所定の待機位置で停止する。
【0100】
次に、図7に示す開閉機構5が動作し、上側基板保持具32が下限位置に位置するよう所定距離下降させる。これにより、図13(1)に示すように、上側基板保持具32と中間リング33とが接触し、第二真空シール手段82により真空シールが達成される。この状態で、排気系41が動作し、一対の基板保持具31,32と中間リング33とから成る真空容器内を所定の圧力まで排気する。この際、隔膜322の背後の閉空間326内も同様に排気され、真空容器内と同程度の真空圧力とされる。また、排気開始と同時に静電吸着機構を動作させ基板91,92を静電吸着するとともに、真空吸着を解除する。尚、後述するアライメントの動作が阻害されないよう、上側基板保持具32と中間リング33とが接触した後、不図示の機構により、保持部材51は開閉駆動源52から切り離される。
【0101】
次に、ギャップ出し用移動手段及びアライメント用移動手段7が動作し、ギャップ出しとアライメントが行われる。まず、本装置において最終的に達成すべきギャップ長として設定されている所定の値(以下、ギャップ長設定値)よりも少し大きなギャップ長(以下、ギャップ長スタンバイ値)になるようにする。即ち、ギャップ出し用移動手段が、押圧駆動源612を動作させ、保持ヘッド323を下降させ、一対の基板91,92のギャップ長がギャップ長スタンバイ値になるようにする。
尚、ギャップ長スタンバイ値の状態では、上側基板92は下側基板91上のシールには接触していない。つまり、ギャップ長スタンバイ値は、シールの塗布高さよりも充分に大きな値となっている。
【0102】
この状態で、まず平行度を所定の高い値にする動作を行う。即ち、各距離センサ63からの信号により不図示の重ね合わせ制御部が平行度を求め、それが所定の高い値になっているかを不図示の判断部が判断する。平行度が所定の高い値になっていないと判断されると、重ね合わせ制御部は、押圧機構61の各押圧駆動源612に制御信号を送り、一対の基板91,92が平行になるように各押圧駆動源612を制御する。即ち、特定の距離センサ63で測定された距離が他の距離センサ63で測定された距離に比べて長い場合、その距離センサ63の上方に位置する(対になっている)押圧ロッド611が少し下方に変位するようにその押圧ロッド611を駆動する押圧駆動源612に制御信号を送る。このようにして各押圧駆動源612を制御し、各距離センサ63からの信号の大きさを比べる。そして、各距離センサ63からの信号の大きさの違いが所定の小さい範囲内であると判断されたら、一対の基板91,92の平行度が所定の高い値であるとする。
【0103】
次に、アライメントを行う。即ち、位置ずれ検出センサ75によって二つのアライメントマークを撮像する。撮像されたイメージデータは、重ね合わせ制御部において処理されてデジタル化され、位置ずれが算出される。そして、位置ずれを補正するよう重ね合わせ制御部がアライメント用移動手段7の各ユニット71,72,73,74の直線駆動源702に制御信号を送る。制御信号に従って直線駆動源702が駆動され、X、Y及び/又はθの各方向に上側基板92が移動する。引き続き位置ずれ検出センサ75から送られる二つのアライメントマークのイメージデータから、位置ずれが補正されたと重ね合わせ制御部が判断すると、アライメントが完了する。
【0104】
この状態で、次に、ギャップ出し用移動手段が再び動作し、上側基板92を下側基板91に向けて板面方向に移動させ、ギャップ長がギャップ長設定値になるようにする。即ち、重ね合わせ制御部は、ギャップ長がギャップ長設定値になるように四つの押圧駆動源612に同様に制御信号を送る。しかしながら、各押圧駆動源612による押圧力のみでは足らない場合が多く、所定時間経過後もギャップ長はギャップ長設定値にならない。この場合、重ね合わせ制御部は、補助排気管623上の補助バルブ624を閉じ、不図示のボンベにつながるバルブ625及び差圧用主バルブ622を開け、閉空間326内を加圧する。この結果、真空と大気圧との差圧に加えて、大気圧より高い圧力と真空との差圧により上側基板92が下側基板91に向けて押圧される。
【0105】
そして、四つの距離センサ63からの出力を平均して得られたギャップ長がギャップ長設定値になるよう、不図示の圧力調整器に信号を送り、差圧印加機構62を負帰還制御する。ギャップ長がギャップ長設定値に一致したと判断されたら、位置ずれ検出センサ75からの信号により位置ずれがないか重ね合わせ制御部がもう一度判断する。
【0106】
位置ずれがあると判断された場合、アライメントを再び行うが、この際、上側基板92を少し上昇させる。ギャップ長設定値の状態では、上側基板92は下側基板91上のシールに接触している。この状態で再びアライメントを行おうとすると、粘性の高いシールに接触しているため、上側基板92を動かすのに非常に大きな力が必要になってしまう。また、滴下式の場合、ギャップ内に液晶があるため、この問題は顕著である。さらに、ギャップ長設定値の状態でアライメントを行おうとすると、上側基板92がスペーサを引きずってしまい、基板91,92の表面に傷が付いてしまうことがある。
【0107】
このようなことから、本実施形態では、ギャップ長設定値の状態から上側基板92を少し浮かせ、その状態で再度アライメントを行う。この際のギャップ長は、ギャップ長スタンバイ値でも良いし、ギャップ長スタンバイ値よりは短いものの、上側基板92がシールから離れることが可能な長さとしても良い。
このようにして再度アライメントをした後、再び上側基板92を下降させてギャップ出しを行う。再びギャップ出しを行う前に、もう一度平行度を確認するようにすると好適である。平行度が所定の高い値になっていなかったら、前述したように各押圧駆動源612を制御して平行度を出す動作をする。
【0108】
再びギャップ出しを行って、ギャップ長がギャップ長設定になっており、位置ずれも発生していないと判断されたら、図13(3)に示すように、シールの仮止めを行う。即ち、光照射部317より紫外線をスポット的に照射して、シールを部分的に硬化させる。これにより、下側基板91と上側基板92とが貼り合わされ、液晶ディスプレイパネル93が出来上がる。
その後、保持ヘッド323の静電吸着機構の動作を停止し、保持ヘッド323による上側基板92の保持を解除する。そして、閉空間326内を排気して真空容器内と同程度の圧力にするとともに、押圧用駆動源612を動作させて保持ヘッド323を当初の位置まで上昇させる。
【0109】
次に、真空容器内にガスを導入して大気圧とし、開閉機構5を動作させて上側基板保持具32を上限位置まで上昇させる。その後、静電吸着プレート311の静電吸着機構を停止し、下側リフトピン316を上昇させる。この結果、一対の基板91,92は下側リフトピン316によって持ち上げられ、静電吸着プレート311から離れる。その後、搬送ロボット121は、出来上がった液晶ディスプレイパネル93を真空吸着しながら保持し、真空重ね合わせモジュール3から搬出する。
【0110】
次に、本実施形態の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置の全体の動作について概略的に説明する。
駆動素子やカラーフィルタの形成等の前工程が終了した下側基板91及び上側基板92は、洗浄などの必要な処理の後、第一基板搬入部101及び第二基板搬入部102に所定の同じ数だけ収容される。装置の1ロットの動作がスタートすると、主制御部は、搬送ロボット121を制御して、まず第一基板搬入部101から下側基板91を一枚取り出し、シール形成モジュール1に搬送する。この下側基板91に対するシール形成が終了すると、主制御部は、この下側基板91を液晶滴下モジュール2に搬送する。液晶滴下モジュール2での液晶滴下に並行して、主制御部は、次の下側基板91を第一基板搬入部101から取り出し、シール形成モジュール1に搬送し、シール形成を行わせる。
【0111】
液晶滴下モジュール2で最初の下側基板91に液晶滴下が行われ、シール形成モジュール1で次の下側基板91にシール形成が行われている間、搬送ロボット121は、第二基板搬入部102から上側基板92を取り出し、真空重ね合わせモジュール3に搬送する。そして、前述したように、真空重ね合わせモジュール3内で上側基板92は保持ヘッド323に真空吸着され、この姿勢で待機する。
【0112】
液晶滴下モジュール2での最初の下側基板91に対する液晶滴下が終了すると、主制御部は、搬送ロボット121を制御してその下側基板91を真空重ね合わせモジュール3に搬送させる。下側基板91は静電吸着プレート311の上に載置され、前述したように、アライメントとギャップ出しを行いながら、下側基板91の上に上側基板92が重ね合わされ、液晶ディスプレイパネル93が出来上がる。シールの仮硬化が行われた後、主制御部は、搬送ロボット121に液晶ディスプレイを真空重ね合わせモジュール3から取り出させ、パネル搬出部103に搬送させる。
【0113】
一方、真空重ね合わせモジュール3での重ね合わせに並行して、液晶滴下モジュール2には次の下側基板91が搬送されて液晶滴下が行われる。また、シール形成モジュール1には、さらに次の下側基板91が搬送されてシール形成が行われる。
このようにして、シール形成モジュール1でのシール形成、液晶滴下モジュール2での液晶滴下、真空重ね合わせモジュール3での重ね合わせを同時進行的に行いながら、次々に液晶ディスプレイパネル93の組立を行っていく。上側基板92は、組み立てられた液晶ディスプレイパネル93が取り出されるたびに、真空重ね合わせモジュール3に予め搬送され、下側基板91を待つ待機の姿勢を取る。尚、主制御部は、必要に応じてロボット移動機構122を動作させ、搬送ロボット121の動作範囲を越える搬送に対応させる。
【0114】
第一基板搬入部101及び第二基板搬入部102にある下側基板91及び上側基板92についてすべて貼り合わせが終了すると、1ロットの装置の動作が終了する。この後、組み立てられた液晶ディスプレイパネル93がパネル搬出部103から取り出され、シールの本硬化を行った後、表示テスト工程等にまわされる。そして、第一基板搬入部101及び第二基板搬入部102に次のロットの下側基板91及び上側基板92が配置される。この状態で、次のロットの動作が開始される。
【0115】
本実施形態では、一つの装置により後工程全体即ち液晶ディスプレイパネル93の組立が行え、従来のように個別に装置をレイアウトする必要がない。このため、製造ラインの省スペース化や簡略化が可能になる。装置を高いクラスのクリーンルーム(例えばクラス10〜100)内に配置することが可能になり、その場合のコストもそれほど大きなものにはならない。従って、ゴミ等の混入防止が厳しく要求されつつある高性能の液晶ディスプレイパネル93の組立に非常に適したものとなっている。
【0116】
加えて、本実施形態の装置では、真空中で下側基板91と上側基板92との重ね合わせが行われる。このため、ゴミや異物が挟み込まれてしまう恐れがさらに低くなっており、この点でも高性能の液晶ディスプレイパネル93の組立に非常に適したものとなっている。
さらに、本実施形態では、各モジュール間で下側基板91等は滞留せず、そのまま次のモジュールへ搬送される。これは、統合型である本実施形態の装置ならではのことである。従来のように、シール形成装置、液晶滴下装置、基板重ね合わせ装置等が独立して存在していると、各々の処理時間の相違から下側基板91や上側基板92が滞留し易い。このため、滞留を考慮してバッファ部等が必要になり、前述したように製造ラインが大規模化し複雑になり易い。一方、本実施形態の構成によれば、バッファ部は不要であり、製造ラインが大規模になったり複雑になったりすることはない。尚、この場合の「滞留」とは、液晶基板が二枚以上同じ場所に滞ってしまうということである。
【0117】
また、本実施形態では、搬送系が、下側基板91等をアーム124の先端に一枚ずつ保持して搬送する搬送ロボット121から成るので、省スペース化したり下側基板91等の滞留を無くしたりすることがより効果的にできている。搬送系の構成として、搬送コロを使用したコンベア方式を採用することも可能である。しかしながら、コンベア方式では、基本的に搬送速度をモジュール毎に変えることができないため、液晶基板が滞留し易い。また、コンベアとモジュールとの間で液晶基板の受け渡しをする機構が必要になったりして、搬送系の構成が大がかりで複雑になり易い。これに比べると、搬送ロボット121による構成は、シンプルであり、基板の滞留もない。
【0118】
尚、搬送ロボット121は一つのみから成る方が、省スペース及びコスト低減の観点から好ましいが、二つの搬送ロボット121を使用する場合もある。二つの搬送ロボット121を使用する場合、液晶基板の受け渡しを直接行っても良いが、それが困難な場合は、受け渡し用の棚を設け、一旦棚に液晶基板を置いてから別の搬送ロボット121が基板を受け取るようにする。
また、本実施形態では、シール形成モジュール1、液晶滴下モジュール2及び真空重ね合わせモジュール3に対して、クリーンルームの外部側からメンテナンス作業を行うよう構成できるため、クリーンルーム内にオペレータが入ることが少なくて済み、クリーンルームの清浄度を高く保てる。
【0119】
上記実施形態の構成において、必要に応じて、シールを硬化させるための硬化モジュールが増設されることがある。増設される硬化モジュールは、モジュール設置部130に設置される。硬化モジュールは、この装置においてシールの本硬化まで行うようにする場合、好適に採用される。硬化モジュールには、同様に光照射により硬化を行う構成と、熱硬化を行う構成とがある。どちらの構成を採用するかは、シールの性質にもよるが、シールが前述したように光硬化性と熱硬化性の両方を性質を持っている場合、光硬化を行う硬化モジュールと熱硬化を行う硬化モジュールの両方が増設される場合もある。
【0120】
光照射により硬化を行う場合、硬化モジュールには、組み立てられた液晶ディスプレイパネル93の全面に光照射する構成が採用される。例えば、紫外線ランプを平行に数本並べ、液晶ディスプレイパネル93の両側の面の全面に紫外線を照射する構成が採用される。照射される紫外線が、封入された液晶や内部の駆動素子に悪影響を与える恐れがある場合、マスクが使用されることもある。マスクとしては、シールにだけ紫外線が照射されるよう、シールの形状に沿ってパターン化されたものが用いられる。
【0121】
また、熱硬化を行う硬化モジュールとしては、加熱炉と同様のものが採用される。炉内に熱風を循環させて高温を維持する構成、又は、シールの部分に熱風を吹き付けるガスブロー加熱の構成等である。熱硬化を行う場合、長時間(例えば1時間程度)要する場合が多いので、硬化モジュールはバッチ式となる。即ち、複数の液晶ディスプレイパネル93を収容して一括して加熱・硬化を行う。
【0122】
このように本硬化用の硬化モジュールを増設することで、本硬化の工程まで統合した装置とすることができ、装置の優位性がさらに高まる。尚、真空重ね合わせモジュール3内の光照射部317の光照射による硬化が仮硬化ではなく本硬化的なものであっても、硬化モジュールを増設してさらに硬化を行うこともある。これは、光照射部317による光照射において、陰になって充分に光がシールに照射されず硬化が不充分な場合があるからである。
【0123】
硬化モジュールが増設される場合、主制御部は、搬送ロボット121を制御して、真空重ね合わせモジュール3から液晶ディスプレイパネル93を取り出した後に、硬化モジュールに搬送する。シールを完全に硬化させた後、液晶ディスプレイパネル93は硬化モジュールから取り出され、パネル搬出部103に搬送される。このように、本実施形態の装置は、任意のモジュールの追加が可能となっているため、工程の変更に柔軟に対応できる。従って、汎用性が極めて高い。
【0124】
次に、第二の実施形態の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置について説明する。図14は、第二の実施形態の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置の要部の概略を示す正面図である。
第二の実施形態の装置は、パネル搬出部103の構成が第一の実施形態と異なっている。第二の実施形態では、専用のパネル搬出部103は設けられておらず、第一基板搬入部101又は第二基板搬入部102が兼用されている。即ち、装置の動作の進行により、第一基板搬入部101及び第二基板搬入部102には、下側基板91や上側基板92が取り出された空きのスペースができる。不図示の主制御部は、不図示の搬送ロボット121を制御し、組み立てられた液晶ディスプレイパネル93を、この空きのスペースに収容するようになっている。
【0125】
第二の実施形態の装置によれば、専用のパネル搬出部が無いので、その分だけコストが安く、また省スペース化できる。尚、パネル搬出部として第一基板搬入部101又は第二基板搬入部102を兼用する構成は、統合型液晶ディスプレイパネル組立装置の場合に限らず、統合型でない装置即ち下側基板91と上側基板92との重ね合わせのみを行う装置であっても、同様の技術的意義を有する。この場合は、第一基板搬入部101には、シール形成と液晶滴下が行われた下側基板91が配置されることになる。また、この構成は、液晶ディスプレイパネル93の組立に用いられる装置に限られず、例えばプラズマディスプレイパネルの組立に用いられる装置でもよい。従って、基板重ね合わせ装置一般に適用できる。
【0126】
上記各実施形態において、下側基板91にシール形成と液晶滴下が行われたが、場合によっては、シール形成を上側基板92に行うこともある。この場合、下側基板91に液晶を滴下した際、粘性の低い液晶が下側基板91から流れ出してしまうのを防止するため、堰のようなものを下側基板91に設けることもある。また、シール形成を上側基板92に行う場合、搬送系は、下側基板91を、第一基板搬入部101から、液晶滴下モジュール、真空重ね合わせモジュール3の順に搬送するとともに、上側基板92を、第二基板搬入部102から、シール形成モジュール1、真空重ね合わせモジュール3の順に搬送する。
【0127】
次に、本願発明の第三の実施形態について説明する。
図15及び図16は、第三の実施形態の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置の主要部の概略を示す斜視図である。この実施形態では、シール形成と液晶滴下とが一つのモジュールで行えるようになっている。シール形成と液晶滴下とを行うモジュール(以下、複合モジュール)は、下側基板91が載るステージ21と、ステージ21を駆動させるステージ駆動機構22と、シール10を吐出するシールディスペンサー13と、シールディスペンサー13にシール10を供給するシール供給系14と、ステージ11に対するシールディスペンサー13の位置を調節するディスペンサー位置調節機構15と、液晶20を放出して滴下する液晶ディスペンサー23と、液晶ディスペンサー23に液晶20を供給する液晶供給系24と、ステージ21に対する液晶ディスペンサー23の位置を調節するディスペンサー位置調節機構25とを備えている。
【0128】
図15及び図16に示すように、この実施形態では、三つのシールディスペンサー13が備えられている。三つのシールディスペンサー13は、不図示のホルダーによって保持されている。ディスペンサー位置調節機構15は、ホルダーを駆動して三つのシールディスペンサー13を一体に移動させて位置調節するようになっている。
【0129】
この実施形態は、一対の液晶基板91,92から複数の液晶ディスプレイパネルが製作される場合を想定したものである。携帯電話用のような小さな液晶ディスプレイパネルの場合、貼り合わせた一対の液晶基板91,92を切断した後、最終的に液晶ディスプレイパネルの組立が完了する場合がある。このような場合、一対の液晶基板91,92の素子面は、各々の液晶ディスプレイパネル用に領域が区分され、各区分に駆動素子等が設けられている。このような場合、シール形成も、各区分毎に行う必要がある。
【0130】
より具体的に説明すると、本実施形態では、一対の液晶基板91,92から六つの液晶ディスプレイパネルを製作することが想定されている。図15に示すように、ディスペンサー位置調節機構15は、シール10を吐出させながら三つのシールディスペンサー13を所定の位置をスタート地点にして方形に一周移動させる。スタート地点及び方形の移動経路は、上述した区分の形状に沿ったものとして設定されている。
方形の一周の移動で、三つの区分についてシール形成が完了する。ディスペンサー移動機構15は、シール10の吐出を止め、別の三つの区分についてのシール形成のため、シールディスペンサー13を次のスタート地点の位置に移動させる。そして、同様に、シール10を吐出させながら方形に一周させることで、別の三つの区分についてのシール形成が完了する。
【0131】
ディスペンサー位置調節機構25は、上記シール形成の際、液晶ディスペンサー23を所定の退避位置に退避させている。シール形成が終了すると、ディスペンサー位置調節機構15は、各シールディスペンサー13を一体に移動させて所定位置に退避させる。そして、ディスペンサー位置調節機構25が液晶ディスペンサー23を所定のスタート地点に位置させる。ディスペンサー位置調節機構25は、各区分で方形の周状に塗布されたシール10の内側に液晶ディスペンサー23が順次液晶20を滴下するよう位置制御する。各区分すべてについて液晶20の滴下が終了すると、この複合モジュール内での動作は終了である。上記以外の構成及び動作については、前述した実施形態と同様である。
【0132】
この実施形態によれば、一つのモジュールでシール形成と液晶滴下が行えるので、生産性の点で優れている。即ち、シール形成と液晶滴下が別のモジュールで行われる場合、そのモジュールに液晶基板を搬送する必要があるが、この実施形態ではそれは不要であり、時間短縮できる。また、本実施形態によれば、モジュール数の削減により装置コストが安くなったり、さらに省スペース化が図れたりする効果もある。
【0133】
尚、本実施形態における複合モジュールは、一対の液晶基板91,92から複数の液晶ディスプレイパネルを製作する場合に限らず、一つのみ液晶ディスプレイパネルを製作する場合に使用しても良いのは勿論である。また、複合モジュールの使い方として、上側基板92を搬入してシール形成を行い、上側基板92を搬出した後、下側基板91を対して液晶滴下を行う場合もある。
【0134】
次に、本願発明の第四の実施形態について説明する。
図17は、第四の実施形態の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置の概略を示す平面図である。この実施形態では、クリーンルームに対する組み込み方が、図2に示す第一の実施形態と異なっている。即ち、図17に示すように、第四の実施形態では、シール形成モジュール1、液晶滴下モジュール2及び真空重ね合わせモジュール3が並んでいる部分が、クリーンルームの壁110に埋め込まれた状態で設置されている。従って、搬送系や、第一第二基板搬入部101,102及びパネル搬出部103の部分は、クリーンルーム内となっている。尚、シール形成モジュール1、液晶滴下モジュール2及び真空重ね合わせモジュール3が並んでいる部分の外側(搬送系の側とは反対側)は、メンテナンスルーム内である。
この実施形態の場合、搬送系がクリーンルーム内となるので、クリーンルームが備えるクリーンベンチやそのユーティリティを用いることができる。このため、装置の構成が簡略化される。尚、搬送系はクリーンルーム内に持ち込まれるため、ユニット化するなどして発塵を抑えた構成とすることが好ましい。
【0135】
【発明の効果】
以上説明した通り、本願の各請求項記載の発明によれば、一つの装置により後工程のほぼ全体即ち液晶ディスプレイパネルの組立が行え、従来のように個別に装置をレイアウトする必要がない。このため、製造ラインの省スペース化や簡略化が可能になる。装置を高いクラスのクリーンルーム内に配置することが可能になり、その場合のコストもそれほど大きなものにはならない。従って、ゴミ等の混入防止が厳しく要求されつつある高性能の液晶ディスプレイパネルの組立に非常に適したものとなる。
また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加え、各モジュール間で液晶基板が滞留せず、そのまま次のモジュールへ搬送されるので、バッファ部は不要であり、製造ラインが大規模になったり複雑になったりすることはないという効果が得られる。
また、請求項4記載の発明によれば、上記効果に加え、搬送系が、液晶基板をアームの先端に一枚ずつ保持して搬送する搬送ロボットから成るので、省スペース化したり液晶基板の滞留を無くしたりすることがより効果的にできる。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、シール形成モジュール、液晶滴下モジュール及び真空重ね合わせモジュールが、クリーンルームの壁に埋め込まれた状態で並設されていて、搬送系がクリーンルームの内部側で搬送を行うので、背後のクリーンルームの外部側の空間からメンテナンス作業を行うよう構成できる。このため、クリーンルーム内にオペレータが入ることが少なくて済み、クリーンルームの清浄度を高く保てる。
また、請求項6記載の発明によれば、シールを硬化させる硬化モジュールが設けられているので、本硬化の工程まで統合した装置とすることが可能になり、上記効果がさらに高くなる。
また、請求項7記載の発明によれば、上記効果に加え、パネル搬出部に第一基板搬入部又は第二基板搬入部が兼用され、専用のパネル搬出部が無いので、その分だけコストが安く、また省スペース化できる。
また、請求項記載の発明によれば、上記効果に加え、一つのモジュールでシール形成と液晶滴下が行えるので、生産性、装置コスト、省スペース化等の点で優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第一の実施形態の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置の概略を示す斜視図である。
【図2】本願発明の第一の実施形態の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置の概略を示す平面図である。
【図3】図1及び図2に示す装置の第一基板搬入部101、第二基板搬入部102及びパネル搬出部103の正面概略図である。
【図4】図1及び図2に示す装置の搬送系の構成を示す斜視概略図である。
【図5】図1及び図2に示すシール形成モジュール1の概略構成を示す斜視図である。
【図6】図1及び図2に示す液晶滴下モジュール2の概略構成を示す斜視図である。
【図7】真空重ね合わせモジュール3の概略構成を示す正面断面図である。
【図8】図7の真空重ね合わせモジュール3が備えるアライメント用移動手段7の構成について示す斜視概略図である。
【図9】図8に示すアライメント用移動手段7の要部の斜視概略図である。
【図10】板面方向における距離センサ63の配置位置について説明する図である。
【図11】図7に示す押圧ロッド611の下端に設けられたベアリング機構の断面概略図である。
【図12】真空重ね合わせモジュール3の動作について説明する図である。
【図13】真空重ね合わせモジュール3の動作について説明する図である。
【図14】第二の実施形態の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置の要部の概略を示す正面図である。
【図15】第三の実施形態の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置の主要部の概略を示す斜視図である。
【図16】第三の実施形態の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置の主要部の概略を示す斜視図である。
【図17】第四の実施形態の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置の概略を示す平面図である。
【符号の説明】
1 シール形成モジュール
10 シール
11 ステージ
13 シールディスペンサー
2 液晶滴下モジュール
20 液晶
21 ステージ
23 液晶ディスペンサー
3 真空重ね合わせモジュール
31 下側基板保持具
322 隔膜
32 上側基板保持具
33 中間リング
41 排気系
42 ベントガス導入系
5 開閉機構
61 押圧機構
62 差圧印加機構
63 距離センサ
7 アライメント用移動手段
75 位置ずれ検出センサ
81 第一真空シール手段
82 第二真空シール手段
91 下側基板
92 上側基板
93 液晶ディスプレイパネル
101 第一基板搬入部
102 第二基板搬入部
103 パネル搬出部
110 クリーンルームの壁
121 搬送ロボット
122 ロボット移動機構
130 モジュール設置部

Claims (8)

  1. 一対の液晶基板の間に液晶を封入した構造の液晶ディスプレイパネルを組み立てる装置であって、
    一対の液晶基板のうちの一方の液晶基板の内側面上に表示領域の輪郭に沿ってシールを形成するシール形成モジュールと、
    一対の液晶基板のうちの一方又は他方の上に液晶を滴下する液晶滴下モジュールと、
    シール形成及び液晶滴下の後、一対の液晶基板を所定の位置関係及び間隔で真空中で重ね合わせる真空重ね合わせモジュールとを備えた統合型であり、
    真空重ね合わせモジュールは、一対の液晶基板が内部に配置される真空容器と、液晶基板の搬入搬出の際に真空容器を開閉する開閉機構と、真空容器内を排気する排気系と、一対の液晶基板の板面方向の位置関係を所定のものにするアライメントを行うアライメント用移動手段とを備えており、
    真空容器は、一対の液晶基板の一方を保持する第一の基板保持具と、他方の液晶基板を保持する第二の基板保持具と、第一第二の基板保持具の間に位置した中間リングとから成っており、第一の基板保持具と中間リングとを真空シールする第一の真空シール手段と、中間リングと第二の基板保持具とを真空シールする第二の真空シール手段とが設けられており、
    アライメント用移動手段は、排気系が真空容器内を排気して真空容器内外の圧力差により第二の基板保持具が中間リングに押し付けられた際に、中間リングと第二の基板保持具とを一体に移動させてアライメントを行うものであり、
    開閉機構は、中間リングと第二の基板保持具とを接触させたり離間させたりして開閉を行うものであることを特徴とする統合型液晶ディスプレイパネル組立装置。
  2. 一対の液晶基板のうちの一方を装置に搬入する第一基板搬入部と、他方を装置に搬入する第二基板搬入部と、組み立てられた液晶ディスプレイパネルを装置から搬出するパネル搬出部と、搬送系とを備えており、搬送系は、一方の基板を、第一基板搬入部から、シール形成モジュール、液晶滴下モジュール、真空重ね合わせモジュールの順に搬送するとともに、他方の基板を、第二基板搬入部から真空重ね合わせモジュールに搬送するか、又は、一方の基板を、第一基板搬入部から、液晶滴下モジュール、真空重ね合わせモジュールの順に搬送するとともに、他方の基板を、第二基板搬入部から、シール形成モジュール、真空重ね合わせモジュールの順に搬送するものであり、さらに、搬送系は、液晶ディスプレイパネルを真空重ね合わせモジュールからパネル搬出部に搬出するものであることを特徴とする請求項1記載の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置。
  3. 前記搬送系は、前記各モジュール間で前記液晶基板を二枚以上滞留させることなく搬送するものであることを特徴とする請求項2記載の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置。
  4. 前記搬送系は、前記液晶基板をアームの先端に一枚ずつ保持して搬送することが可能な搬送ロボットから成ることを特徴とする請求項2又は3に記載の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置。
  5. クリーンルームの壁に埋め込まれた状態で設置されており、前記シール形成モジュール、前記液晶滴下モジュール及び前記真空重ね合わせモジュールに対して、クリーンルームの外部側からメンテナンスを行うことが可能になっていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置。
  6. 前記真空重ね合わせモジュールで重ね合わせた一対の液晶基板についてシールを硬化させる硬化モジュールを備えていることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置。
  7. 前記パネル搬出部は、前記第一基板搬入部又は前記第二基板搬入部が兼用されるものであることを特徴とする請求項2記載の統合型液晶ディスプレイパネル組立装置。
  8. 一対の液晶基板の間に液晶を封入した構造の液晶ディスプレイパネルを組み立てる装置であって、一対の液晶基板のうちの一方の液晶基板の内側面上に表示領域の輪郭に沿ってシールを形成するとともに、一対の液晶基板のうちの一方又は他方の上に液晶を滴下する複合モジュールと、シール形成及び液晶滴下の後、一対の液晶基板を所定の位置関係及び間隔で真空中で重ね合わせる真空重ね合わせモジュールとを備えた統合型であり、
    真空重ね合わせモジュールは、一対の液晶基板が内部に配置される真空容器と、液晶基板の搬入搬出の際に真空容器を開閉する開閉機構と、真空容器内を排気する排気系と、一対の液晶基板の板面方向の位置関係を所定のものにするアライメントを行うアライメント用移動手段とを備えており、
    真空容器は、一対の液晶基板の一方を保持する第一の基板保持具と、他方の液晶基板を保持する第二の基板保持具と、第一第二の基板保持具の間に位置した中間リングとから成っており、第一の基板保持具と中間リングとを真空シールする第一の真空シール手段と、中間リングと第二の基板保持具とを真空シールする第二の真空シール手段とが設けられており、
    アライメント用移動手段は、排気系が真空容器内を排気して真空容器内外の圧力差により第二の基板保持具が中間リングに押し付けられた際に、中間リングと第二の基板保持具とを一体に移動させてアライメントを行うものであり、
    開閉機構は、中間リングと第二の基板保持具とを接触させたり離間させたりして開閉を行うものであることを特徴とする統合型液晶ディスプレイパネル組立装置。
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