JP4028401B2 - 素子類取付用スペーサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、素子類を配線基板等から一定の高さに並列して支持する素子類取付用スペーサに係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
素子類としては、LEDのように他の素子類に隠蔽されるのを避けなければならないもの等、配線基板等から一定の高さに支持しなければならないものがある。この種の素子類については、比較的長くなるリードの保護をも兼ねてブロック形のスペーサに搭載して配線基板等に実装することが行われている。このブロック形のスペーサとしては、長尺形に形成されて、複数個の素子類を並列して実装することを可能にしたものがある。
【0003】
従来、素子類を配線基板等から一定の高さに並列して支持する素子類取付用スペーサとしては、例えば、以下に記載のものが知られている。
【特許文献1】
意匠登録第864182号公報。
特許文献1には、素子類を配線基板等から一定の高さに支持するブロック部と、ブロック部の間に設けられ幅方向の厚さを薄く形成されてブロック部を連結する連結部とからなる素子類取付用スペーサが記載されている。ブロック部,連結部は、多数個が連続されて全体を長尺状に構成している。
【0004】
特許文献1に係る素子類取付用スペーサは、汎用性を高めるために、連結部をニッパ等の工具で切断することで、任意の個数のブロック部が連結された状態の長さに加工できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に係る素子類取付用スペーサでは、連結部の高さ方向の厚さがブロック部と同一で連結部の切断面積が広く、ニッパ等の工具を使用しても容易には連結部を切断することができないため、長さ加工が面倒であるという問題点がある。また、ニッパ等の工具をブロック部の間に挟入させて連結部を切断しなければならないため、長さ加工の際にブロック部を損傷してしまうことがあるという問題点がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、工具を使用せずに長さ加工をすることのできる素子類取付用スペーサを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明に係る素子類取付用スペーサは、次のような手段を採用する。
【0008】
即ち、請求項1では、素子類を配線基板等から一定の高さに支持するブロック部と、ブロック部の間に設けられブロック部を連結する連結部とからなる素子類取付用スペーサにおいて、連結部は、ブロック部の上端部側の一部分をアーチ構造で連結し、上面がブロック本体の上面と面一に形成され、ブロック部に対して垂直方向に貫通する抜孔が設けられるとともに、幅方向の両端に切込が設けられ、アーチ構造で垂直方向に薄くなった部分の上面に幅方向へ切断溝が設けられていることを特徴とする。
【0009】
この手段では、連結部が高さ方向の厚さをも薄く形成されて切断面積が削減され、連結部の切断が切断溝で案内されることで、ブロック部に小さな力を加えることで連結部を割裂させて切断することが可能となる。
また、連結部がアーチ構造でブロック部を連結し切断の際には切断溝に切断応力を集中させる。
【0014】
また、請求項では、請求項の素子類取付用スペーサにおいて、長さ方向の両端部のブロック部の上端部の外側に取手が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この手段では、取手に手指やロボットハンドが掛けられて実装作業が行われる。
【0016】
また、請求項では、請求項1または2の素子類取付用スペーサにおいて、連結部は切断溝から切断されて取手が形成されることを特徴とする。
【0017】
この手段では、長さ加工がなされても、切断された連結部が手指やロボットハンドが掛けられ取手として形成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る素子類取付用スペーサの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1〜図5は、本発明に係る素子類取付用スペーサの実施の形態(1)を示すものである。
【0020】
この実施の形態は、図1に示すように、ブロック部1,連結部2,切断溝3の各部で構成されている。これ等のブロック部1,連結部2,切断溝3については、合成樹脂材で一体成形することができる。
【0021】
ブロック部1は、配線基板等Pに起立されて素子類Dを搭載する2枚の板形のブロック本体11が角筒12の介在で一体化され、両ブロック本体11の間に素子類DのリードRが挿通される空隙Sが形成されている。両ブロック本体11の相対する側の上端部,下端部には、テーパ形に面取加工された逃溝11a,11bが設けられている。上端部側の逃溝11aは、ブロック本体11に搭載された素子類DのリードRの付根部分に形成されている半田の肉盛部分を避けるためのものである。下端部側の逃溝11bは、ブロック本体11に搭載された素子類DのリードRの配線基板等Pへの半田付けの肉盛部分を避けるためのものである。なお、長さ方向の両端部に位置するブロック部1のブロック本体11の上端部の外側には、庇形の取手13が設けられている。
【0022】
連結部2は、ブロック部1のブロック本体11の相対方向を長さ方向にして、ブロック部1の上端部側の一部分をアーチ構造で連結している(図2参照)。この連結部2は、上面21がブロック部1のブロック本体11の上面と面一になって幅方向に抜孔21aと切込21bとが設けられ、下面22が下方側へ向けて凹状で長さ方向へ展開した湾曲面かなり、幅方向の厚aさと高さ方向の厚さbとが薄くなるように形成されている。
【0023】
切断溝3は、V字形溝に刻設され、連結部2の上面21中央に幅方向へ直線状に延びている。
【0024】
この実施の形態によると、図4に示すように、連結部2の幅方向の厚aさと高さ方向の厚さbとが薄く形成され、格子状に示される切断面積が狭くなっている。また、連結部2の切断では、切断応力が切断溝3で直線状に集中するように案内される。このため、ニッパ等の工具を使用しなくても、ブロック部1のブロック本体11を手で押圧してから引張することで簡単に切断することができる。従って、長さ加工が容易になるとともに、長さ加工の際にブロック部1を損傷することがなくなる。
【0025】
なお、連結部2の切断の際には、連結部2のアーチ構造で最も高さ方向の厚さaの薄くなった部分に切断溝3がV字形に対峙していることから、切断応力が切断溝3に効率的に集中する。
【0026】
この実施の形態は、図5に示すように、長さ加工をして配線基板等Pに例えば丸形の素子類Dとともに実装することができる。このとき、ブロック部1のブロック本体11に設けられている取手13を使用して、手指やロボットハンドを掛けることで実装作業を容易,確実に実行することができる。なお、切断された連結部2は、アーチ構造が二分割された庇形となって、ブロック部1のブロック本体11に設けられている取手13と同一の構造を呈する。従って、長さ加工されても、長さ方向の両端部に位置するブロック部1のブロック本体11の上端部の外側に取手13が設けられていることになる。
【0027】
この実施の形態が配線基板等Pに実装されると、ブロック部1のブロック本体11の下端側が配線基板等Pに固定され上端側が連結部2のアーチ構造で強固に連結されているため、強固な実装強度が得られる。
【0028】
なお、図5では、素子類のリードRがブロック部1のブロック本体11の間の角筒12の両側にある間隙Sに挿通されている(横向き)。ただし、例えば、素子類のリードRをブロック部1の角筒12に挿通する(縦向き)ことも可能である。
【0029】
図6〜図10は、本発明に係る素子類取付用スペーサの実施の形態(2)を示すものである。
【0030】
この実施の形態は、前述の実施の形態(1)のブロック部1のブロック本体11の相対方向を幅方向とし、ブロック本体11の間に方形ブロック14を介在させている。従って、前述のブロック部1のブロック本体11の逃溝11a,11bが長さ方向へ連続し、上端部側の逃溝11aが連結部2の幅方向の厚さaを薄くさせている。
【0031】
この実施の形態によると、前述の実施の形態(1)とほぼ同様の作用,効果が奏されることに加えて、全体の幅方向の厚さが薄く角形の素子類Dの実装に好適となる利点がある。
【0032】
以上、図示した実施の形態の外に、ブロック部1のブロック本体11を板形ではなく柱形とすることも可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る素子類取付用スペーサは、連結部が高さ方向の厚さをも薄く形成されて切断面積が削減され、連結部の切断が切断溝で案内されることで、ブロック部に小さな力を加えることで連結部を割裂させて切断することが可能となるため、工具を使用せずに長さ加工をすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る素子類取付用スペーサの実施の形態(1)を示す斜視図である。
【図2】 図1の部分拡大縦断面図である。
【図3】 図2の平面図である。
【図4】 図1の要部の一部切断した拡大正面図である。
【図5】 図1の取付使用例を示す図である。
【図6】 本発明に係る素子類取付用スペーサの実施の形態(2)を示す斜視図である。
【図7】 図6の部分拡大縦断面図である。
【図8】 図7の平面図である。
【図9】 図6の要部の拡大正面図である。
【図10】 図6の取付使用例を示す図である。
【符号の説明】
1 ブロック部
13 取手
2 連結部
21 上面
22 下面
3 切断溝
P 配線基板等
a 幅方向の厚さ
b 高さ方向の厚さ

Claims (3)

  1. 素子類を配線基板等から一定の高さに支持するブロック部と、ブロック部の間に設けられブロック部を連結する連結部とからなる素子類取付用スペーサにおいて、連結部は、ブロック部の上端部側の一部分をアーチ構造で連結し、上面がブロック本体の上面と面一に形成され、ブロック部に対して垂直方向に貫通する抜孔が設けられるとともに、幅方向の両端に切込が設けられ、アーチ構造で垂直方向に薄くなった部分の上面に幅方向へ切断溝が設けられていることを特徴とする素子類取付用スペーサ。
  2. 請求項1の素子類取付用スペーサにおいて、長さ方向の両端部に位置するブロック部の上端部の外側に取手が設けられていることを特徴とする素子類取付用スペーサ。
  3. 請求項1または2の素子類取付用スペーサにおいて、連結部は切断溝から切断されて取手が形成されることを特徴とする素子類取付用スペーサ。
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