JP2008238350A - 切削工具及び工具ホルダ並びに切削方法 - Google Patents

切削工具及び工具ホルダ並びに切削方法 Download PDF

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Abstract

【課題】切削加工時にホルダ本体にかかる応力を分散させるためのインサート離隔面に関して、断面の大きさを広げることには限界があり、所望の曲率半径を有するインサート離隔面を形成することが出来なかった。
【解決手段】切削インサートと、互いに離隔して前記切削インサートを挟持する上顎部及び下顎部と前記上顎部及び前記下顎部の後端側に位置して前記上顎部及び前記下顎部を保持する保持部とを有するホルダ本体と、前記下顎部と前記保持部とを接続する第1の補強部材と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属部品等の切削加工に用いる切削工具及び工具ホルダ並びに切削方法に関するものである。
従来から、金属部品等の切削加工に用いる切削工具として図13に示す構成のものが知られている。ここで、図13(a)は、従来の切削工具であって、切削インサートがホルダ本体に取り付けられる前の状態を示す部分斜視図である。また、図13(b)は、従来の切削工具であって、切削インサートがホルダ本体に取り付けられた状態を示す部分側面図である。
図13に示すように、従来の切削工具102は、上顎部108、下顎部110と上顎部108及び下顎部110の後端側に位置して上顎部108及び下顎部110を保持する保持部114を備えたホルダ本体116と、上顎部108と下顎部110との間に着脱可能に配設される切削インサート104と、を備えている。保持部114は、切削インサート104と離隔するインサート離隔面112を有している。切削インサート104の先端部には切刃122が形成され、回転する被削材に切刃122を当接させることにより、切削加工を行うことができる。
このとき、被削材に切刃122を当接させるため、切削インサート104が後方へ押されてしまう。そのため、切削インサート104の位置ずれが生じてしまい、精度の高い切削加工が困難になってしまう。そこで、ホルダ本体116にインサート当接面128を形成し、インサート当接面128を切削インサート104の後端面130と当接させて切削インサート104の位置決めを図っている。これにより、切削加工時においても切削インサート104の位置ずれが抑えられる。
また、切削加工時において切削インサート104には、回転する被削材に切刃122を当接させて被削材を切削することにより生じる上方から下方への応力がインサート離隔面112にかかってしまう。そこで、従来の切削工具では、曲率半径の大きなインサート離隔面112を形成することにより、切削インサート104を介してホルダ本体116にかかる応力の分散を図っていた。
特表2002−536191号公報
切削インサートを介してホルダ本体にかかる応力を分散させるためには、インサート離隔面の曲率半径を出来るだけ大きくすることが望ましい。インサート離隔面の曲率半径が小さいと、このインサート離隔面で応力を十分に分散することが出来ない場合があり、インサート離隔面の一部にクラックが発生してしまう可能性があるからである。
しかしながら、図13に示すように従来の切削工具102では、切削インサート104の位置決めを図るため、インサート当接面128を形成する必要がある。そのため、インサート離隔面112の曲率半径を大きくするには限界があり、所望の曲率半径を有するインサート離隔面112を形成することが出来なかった。このことは、より高い耐久性を備えた切削工具を作製する上での課題となっていた。
本発明の目的は、上記の課題を鑑み、切削インサートの位置決めを図りつつ、ホルダ本体にかかる応力を広範囲に分散させることで、ホルダ本体の耐久性を向上させてクラックの発生を抑制することにある。
本発明の切削工具は、切削インサートと、互いに離隔して前記切削インサートを挟持する上顎部及び下顎部と前記上顎部及び前記下顎部の後端側に位置して前記上顎部及び前記下顎部を保持する保持部とを有するホルダ本体と、前記下顎部と前記保持部とを接続する第1の補強部材と、を備える。
また、前記第1の補強部材が、板状であって前記ホルダ本体の側面に固定されていることが好ましい。また、前記第1の補強部材が、前記保持部の複数の箇所で固定されていることがより好ましい。また、前記第1の補強部材が、前記ホルダ本体よりもヤング率が高いことが好ましい。
また、前記上顎部と前記保持部とを接続する第2の補強部材を備えていることが好ましい。また、前記第2の補強部材が、板状であって前記ホルダ本体の側面に固定されていることが好ましい。また、前記第2の補強部材が、前記保持部の複数の箇所で固定されていることがより好ましい。また、前記第2の補強部材が、前記ホルダ本体よりもヤング率が高いことが好ましい。また、前記第1の補強部材及び前記第2の補強部材が一体形成されていることが好ましい。
また、前記上顎部と前記下顎部とを接続する第3の補強部材を備えていることが好ましい。また、前記第3の補強部材が、板状であって前記ホルダ本体の側面に固定されていることが好ましい。また、前記第3の補強部材が、前記ホルダ本体よりもヤング率が高いことが好ましい。また、前記第1の補強部材、前記第2の補強部材及び前記第3の補強部材が一体形成されていることが好ましい。
本発明の工具ホルダは、保持部と前記保持部の先端部上方に位置して前記保持部に保持される上顎部と前記保持部の先端部下方に位置して前記保持部に保持される下顎部とを有するホルダ本体と、前記下顎部と前記保持部とを接続する第1の補強部材と、を備える。
本発明の切削方法は、上記のいずれかに記載の切削工具を用いて被削材を切削する切削方法であって、前記被削材に切削工具を相対的に近づける近接工程と、前記被削材を回転させ、前記切刃を被削材の表面に接触させて、被削材の表面を切削する切削工程と、前記被削材と前記切削工具とを相対的に遠ざける離間工程とを、備えることを特徴とする。
本発明の切削工具は、切削インサートと、互いに離隔して切削インサートを挟持する上顎部及び下顎部と上顎部及び下顎部の後端側に位置して上顎部及び下顎部を保持する保持部とを有するホルダ本体と、下顎部と保持部とを接続する第1の補強部材と、を備える。
従来の切削工具を用いて切削加工を行う場合には、被削材を回転させて切削することにより生じる上方から下方への応力が切削工具にかかる。このような応力により、切削インサートを下方から挟持する下顎部と下顎部を保持する保持部との境界部分に応力が集中する。結果としてこの境界部分にクラックが発生する可能性が相対的に高くなる。
しかし、本発明の切削工具では、このクラックの発生する可能性の高い下顎部と保持部との境界を跨ぐように補強部材が配設されているので、ホルダ本体にかかる応力をホルダ本体の広範囲に分散させることができる。その結果、ホルダ本体にクラックが発生することを抑制することができるので、より高い耐久性を備えた切削工具を提供することができる。
以下、本発明の切削工具について、図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる切削工具の実施形態を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す実施形態の部分斜視図である。また、図3は、図1に示す実施形態の部分側面図である。図2及び図3では、切削インサート及び補強部材のホルダ本体への取り付けの様子を示している。
図1〜3に示すように、本実施形態の切削工具2は、切削インサート4と、互いに離隔して切削インサート4を挟持する上顎部8及び下顎部10と上顎部8及び下顎部10の後端側に位置して上顎部8及び下顎部10を保持する保持部14とを有するホルダ本体16と、下顎部10と保持部14とを接続する第1の補強部材18と、を備える。
このように、本実施の形態の切削工具2は、下顎部10と保持部14とを接続する第1の補強部材18を備えていることにより、応力が集中してクラックの発生する可能性の高い、下顎部10と保持部14との境界A近傍の領域からホルダ本体16の広範囲へと応力を分散させることができる。これにより、下顎部10でのクラックの発生が抑えられるので、耐久性の高い切削工具2を提供することができる。
また、図1〜3に示すように、第1の補強部材18としては、板状であってホルダ本体16の側面に固定されていることが好ましい。切削加工時には上方から下方に向かって応力が下顎部10にかかる。そのため、このように第1の補強部材18が形成されていることにより、切削工具2の幅方向の寸法を大きく増加させることなく、高い応力分散の効果を得ることができる。第1の補強部材18のホルダ本体16への固定の方法としては、ネジ止めなどが挙げられる。
さらに、第1の補強部材18が、保持部14の複数の箇所で固定されていることがより好ましい。保持部14の複数の箇所で第1の補強部材18を固定することにより、応力の分散の効果が高まるだけでなく、連続する切削加工においてのホルダ本体16の撓みや第1の補強部材18の撓みによって生じ、下顎部10と保持部14との間に作用するせん断応力が第1の補強部材18によって抑えられるからである。特に、切削工具2に非常に大きな応力がかかる使用環境においては、このような補強部材が有効となる。
また、第1の補強部材18が、ホルダ本体16よりもヤング率が高いことが好ましい。第1の補強部材18として、ヤング率の高いものを用いることにより、様々な態様の応力に対する切削工具2の耐久性を向上させることができる。これは、ヤング率が高いほど、常時加わる応力に対する変形抵抗が増すからである。
つまり、上記の特性を有する補強部材を備えていることにより、急激な応力に対してはホルダ本体16自体による応力の緩和を効果的に作用させることができ、常時加わる応力に対しては第1の補強部材18による応力の緩和を効果的に作用させることができる。結果、様々な態様の応力に対応することができるようになるので、耐久性に非常に優れた切削工具2を得ることができる。
また、上顎部8と保持部14とを接続する第2の補強部材24を備えていることが好ましい。切削インサート4を固定することや切削加工時に切削インサート4にかかる応力によって、上顎部8と保持部14の境界にも応力が集中しやすいからである。図4に示すように、上顎部8と保持部14とを接続する第2の補強部材24を備えていることにより、上顎部8と保持部14の境界B近傍の領域にかかる応力をホルダ本体16の広範囲に分散させ、ホルダ本体にクラックが発生する可能性を効果的に低減させることができるからである。ここで、図4は本発明にかかる切削工具の他の実施形態を示す部分側面図である。
また、第2の補強部材24が、板状であってホルダ本体16の側面に固定されていることが好ましい。切削加工時には下方から上方に向かって応力が上顎部8にかかる。そのため、このように第2の補強部材24が形成されていることにより、切削工具2の幅方向の寸法を大きく増加させることなく、上顎部8で効果的に応力を分散させることができる。第2の補強部材24のホルダ本体16への固定の方法としては、第1の補強部材18と同様に、ネジ止めなどが挙げられる。
さらに、第2の補強部材24が、保持部14の複数の箇所で固定されていることがより好ましい。第1の補強部材18と同様に、保持部14の複数の箇所で第2の補強部材24を固定することにより、応力の分散の効果が高まるだけでなく、せん断応力に対する耐久性を向上させることができる。これは、連続する切削加工においてのホルダ本体16の撓みや第2の補強部材24の撓みによって生じる上顎部8と保持部14との間に作用するせん断応力が第2の補強部材24によって抑えられるからである。特に、切削工具2に非常に大きな応力がかかる使用環境においては、このような補強部材が有効となる。
また、第2の補強部材24が、ホルダ本体16よりもヤング率が高いことが好ましい。第2の補強部材24としてヤング率の高いものを用いることにより、第1の補強部材18に関して既に示したように、様々な態様の応力に対する切削工具2の耐久性を向上させることができるからである。
また、第1の補強部材18及び第2の補強部材24が一体形成されていることが好ましい。これらの補強部材が一体形成されていることにより、ホルダ本体16の撓みや補強部材の撓みによって生じるせん断応力を抑える効果をより高めることができるからである。
また、図5に示すように、上顎部8と下顎部10とを接続する第3の補強部材26を備えていることが好ましい。切削加工時には、下顎部10には下向きに応力がかかり、上顎部8には上向きに応力がかかる。そのため、上顎部8と下顎部10とを接続する第3の補強部材26を備えていることにより、一方の顎部にかかる応力を他方の顎部に分散させたり、或いは、それぞれの顎部にかかる応力を互いに相殺することができるからである。結果として、ホルダ本体16にクラックが発生する可能性を効果的に低減させることができる。ここで、図5は本発明にかかる切削工具の他の実施形態を示す部分側面図である。
また、第3の補強部材26が、板状であってホルダ本体16の側面に固定されていることが好ましい。第1の補強部材18と同様に、板状の第3の補強部材26が、ホルダ本体16の側面に固定されていることにより、切削工具2の幅方向の寸法を大きくすることなく、ホルダ本体でのクラックの発生を効果的に抑制することができるからである。また、第3の補強部材26のホルダ本体16への固定の方法として、第1の補強部材18の場合と同様に、ネジ止めなどが挙げられる。
また、補強部材をネジ止めなどにより、ホルダ本体16に固定している場合には、図5に示すように、複数の補強部材を同じネジを用いてネジ止めすることも有効である。このようにネジ止めすることにより、ネジ穴の数を減らすことができるので切削工具の製造工程を減らすことができ、また、ホルダ本体の耐久性を向上させることができる。
また、図6や図7に示すように、第1の補強部材18、第2の補強部材24及び第3の補強部材26が一体形成されていることが好ましい。これらの補強部材が一体形成されていることにより、ホルダ本体16の撓みや補強部材の撓みによって生じるせん断応力を他の補強部材に分散させ合うことができるからである。図6及び図7はそれぞれ本発明にかかる切削工具の他の実施形態を示す部分斜視図である。
さらに、図7に示すように、補強部材が一体形成され、保持部14の複数の箇所で固定されていることがより好ましい。保持部14の複数の箇所で補強部材を固定することにより、応力の分散の効果がより高まるだけでなく、連続する切削加工においてのホルダ本体16の撓みや補強部材の撓みによって生じるせん断応力をより効果的に低減することができるからである。
また、第3の補強部材26が、ホルダ本体16よりもヤング率が高いことが好ましい。第3の補強部材26として上記のようなものを用いることにより、第1の補強部材18に関して既に示したように、様々な態様の応力に対する切削工具2の耐久性を向上させることができるからである。
また、第1の補強部材18、第2の補強部材24及び第3の補強部材26が一体形成されていることが好ましい。これらの補強部材が一体形成されていることにより、補強部材の中で応力の分散効果が高くなるので、ホルダ本体16の撓みや補強部材の撓みによって生じるせん断応力を抑える効果をより高めることができるからである。
本発明の第1の補強部材18としては下顎部10と保持部14とが接続されていればよく、図1〜7に示すような板状のもののほか、棒状のものやワイヤー状のものなどが挙げられる。また、第1の補強部材18が、かすがい形状である場合には、ホルダ本体の上下面で固定をしたり、ホルダ本体16に孔部を設けてこの孔部で固定をすることもできる。
また、図1〜3に示される形態においては、第1の補強部材18が下顎部10と保持部14の一方の側面で固定されているが、これらは本発明の切削工具2の好ましい形状の一つであり、特にこれに限定されるものではない。例えば、ホルダ本体16の上面、下面或いは他方の側面で固定される形状のものであっても、本発明の効果を十分に得ることができる。
本実施形態のホルダ本体16は、互いに離隔して切削インサート4を挟持する上顎部8及び下顎部10と上顎部8及び下顎部10の後端側に位置して上顎部8及び下顎部10を保持する保持部14とを有している。また、上顎部8及び下顎部10は、それぞれ切削インサート4と接触するインサート接触面6を有している。さらに、保持部14は切削インサート4と離隔するインサート離隔面12と切削インサート4と当接するインサート当接面28とを備えている。
このようなインサート当接面28を切削インサート4の後端面30と当接させることにより、切削インサート4が後退することを抑制できるので切削インサート4の位置決めを図ることができる。また、図3に示すように、本実施形態においては、インサート当接面28の上下にそれぞれインサート離隔面12が形成されている。
また、本実施形態のホルダ本体16には、上顎部8から下顎部10にかけてクランプネジ32を挿通するためのネジ穴34が形成されている。ホルダ本体16に切削インサート4を挿入してクランプネジ32を締め込んでゆくことにより、上顎部8が弾性変形し押し下げられる。その結果、切削インサート4が下顎部10に押圧され、上顎部8と下顎部10との間に固定させることができる。
また、ホルダ本体16全体に、特に高い耐久性が求められる場合には、上顎部8、下顎部10及び保持部14が一体形成されていることが好ましい。これらが一体形成されることにより、上顎部8と保持部14及び下顎部10と保持部14との間に接合面が形成されないので、切削工具2の剛性をさらに高めることができるからである。
上顎部8、下顎部10及び保持部14が一体形成されている場合には、図1〜3に示す実施形態のように、上顎部8と保持部14の境界及び下顎部10と保持部14の境界を定めることができる。本実施形態では、下側のインサート離隔面12のうちの最も先端側の位置を基準として先端側を下顎部10として、後端側を保持部14としている。また、上側のインサート離隔面12のうちの最も先端側の位置を基準として先端側を上顎部8として、後端側を保持部14としている。
また、本発明の効果を得つつ切削工具2のコストを抑えるためには、上顎部8や保持部14の材質よりも下顎部10の材質の剛性が高いことも有効である。切削工具2の使用時には、切削インサート4の先端が上方から押圧されるので、上顎部8や保持部14よりも下顎部10に強い応力がかかりやすい。
そして、剛性の高い材質は高価であったり、或いは、加工に高度の技術が要求されることから、比較的大きな応力のかかる下顎部10に高剛性の材質を用い、比較適応力の小さい上顎部8や保持部14に下顎部10と比較して剛性の低い加工の容易な材質を用いることで、耐久性が高く、安価な切削工具2を製造することができるからである。
また、ホルダ本体16には、上顎部8及び下顎部10よりも後端側に後端に向かって形成されたスリット36が備えられていることが好ましい。このようなスリット36が形成されている場合には、上顎部8或いは下顎部10が、より弾性変形し易くなるので、切削インサート4のホルダ本体16への配設が容易となるからである。
特に、図1〜3に示すように、インサート当接面28の上方にスリット36が形成されていることが好ましい。スリット36がインサート当接面28の上方に形成されている場合には、スリット36の下方のホルダ本体16の厚みを高くすることができるからである。スリット36がインサート当接面28よりも上方に形成されていることで、ホルダ本体16の耐久性を向上させることができる。
図8に示すように、本実施形態においては、切削インサート4は略直方体の形状をなしており、両端部上面にすくい面38を、側面に前逃げ面40と横逃げ面42とを備えている。また、すくい面38と前逃げ面40との交差稜線部に前切れ刃44を、すくい面38と横逃げ面42との交差稜線部に横切れ刃46を備えている。ここで、図8は、図1に示す実施形態の切削インサート4の拡大斜視図である。
また、切削インサート4が、上面に上方クランプ面48aを、下面に下方クランプ面48bを備え、ホルダ本体16の上顎部8及び下顎部10には、それぞれ上記のクランプ面48a、48bに嵌合するクランプ面を備えていることが好ましい。このようなクランプ面48を備えていることにより、切削インサート4の位置が安定するので位置決めの精度をより高めることができるからである。
特に、図8に示すように、上記各々のクランプ面48は、切削インサート4の上方クランプ面48a及び下方クランプ面48bが凹形状であり、上顎部8及び下顎部10にそれぞれ形成されたクランプ面が凸形状であることが好ましい。このように各々のクランプ面48を形成することで、上顎部8又は下顎部10にクラックが生じる可能性をより抑制できるからである。
切削インサート4のホルダ本体16への固定は、例えば以下のようにして行うことが出来る。まず、上顎部8と下顎部10とに間に切削インサート4を挿入し、切削インサート4の後端面12をインサート当接面28に当接する。ここで、切削インサート4、上顎部8及び下顎部10に上記のクランプ面48が形成されている場合には、切削インサート4を上顎部8及び下顎部10のそれぞれのクランプ面48に沿うようにして挿入すればよい。
ここで、上顎部8と下顎部10のクランプ面48は、ホルダ本体16の長手方向に垂直な断面がV字状の凸形状となるよう形成されているとともに、切削インサート4の上方クランプ面48aと下方クランプ面48bがそれぞれの凹凸形状に対応して嵌合する凹凸形状となるよう形成されている。そのため、切削インサート4は、左右に位置ずれすることなく、上顎部8と下顎部10の間に挿入される。
次に、このような状態で、クランプネジ32を締め込んでゆく。さらにここで、スリット36が形成されているときには、スリット36により上顎部8がより弾性変形しやすくなるので、より容易に上顎部8の先端を押し下げることができる。
また、切削インサート4は、複数の切刃22を備えていることが好ましい。複数の切刃22を備えた切削インサート4を用いた場合には、長時間の使用による切刃22の摩耗に対しても、別の摩耗していない切刃22を用いることができ、別途新たな切削インサート4を用意する必要がないので、経済的だからである。例えば、本実施形態の切削工具2にあって、一方の切刃22が摩耗した場合には、切削工具2から切削インサート4を取り外し、切削インサート4の先端側と後端側の向きを入れ替えて、再度切削工具2に取り付ければよい。これにより、摩耗していない切刃22をホルダ本体16の外方に位置させ、切削加工に用いることができる。
また、切削インサート4に複数の切刃22が備えられている場合には、インサート離隔面12と後端側の切刃22とが離隔していることが好ましい。インサート離隔面12と後端側の切刃22とが離隔していることにより、インサート離隔面12と後端側の切刃22とが接触して、一方が、或いは、互いに損傷してしまうことを抑制することができるからである。
次に、本発明の工具ホルダについて図面を参照して説明する。
図9に示すように、本実施形態の工具ホルダ50は、保持部14と保持部14の先端部上方に位置して保持部14に保持される上顎部8と保持部14の先端部下方に位置して保持部14に保持される下顎部10とを有するホルダ本体16と、下顎部10と保持部14とを接続する第1の補強部材18と、を備えている。
本実施形態においては、第1の補強部材18を備えたホルダ本体16を工具ホルダ50としている。そして、本実施形態の工具ホルダ50の上顎部8と下顎部10との間に切削インサートを取り付けることにより切削工具として用いることができる。
このように本実施形態の工具ホルダ50は、下顎部10と保持部14とを接続する第1の補強部材18を備えているので、本実施形態の工具ホルダ50を備えた切削工具を用いて切削加工を行う場合に、ホルダ本体16の広範囲へと応力を分散させることができる。これは、切削加工時に応力が集中してクラックの発生する可能性の高い、下顎部10と保持部14との境界近傍の領域から第1の補強部材18によりホルダ本体16の広範囲へと応力を分散させることができるからである。
次に、本発明の切削方法について図面を参照して説明する。
図10〜図12に本発明の切削方法の工程図を示す。まず、ホルダ本体16に切削インサート4を取り付ける。そして、図10に示すように、被削材20を回転させて切削工具2の切刃22を被削材20に近づける。なお、切刃22と被削材20は、相対的に近づけば良く、例えば、被削材20を切削工具2に近づけても良い。
次いで、図11に示すように、切刃22を被削材20に接触させて被削材20を切削する。その後、図12に示すように被削材20から切削工具2を離間させる。なお、切削加工を継続する場合は、被削材20を回転させた状態を保持して、被削材20の異なる箇所に切削工具2の切刃22を接触させる工程を繰り返す。
上記切削方法としては、外径加工を例に説明したが、内径加工等その他の切削加工に用いることができる。
本発明にかかる切削工具の実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態の部分斜視図である。 図1に示す実施形態の部分側面図である。 本発明にかかる切削工具の他の実施形態を示す部分側面図である。 本発明にかかる切削工具の他の実施形態を示す部分側面図である。 本発明にかかる切削工具の他の実施形態を示す部分斜視図である。 本発明にかかる切削工具の他の実施形態を示す部分斜視図である。 図1に示す実施形態の切削インサートの拡大斜視図である。 本発明にかかる工具ホルダの実施形態を示す斜視図である。 本発明の切削方法の工程図である。 本発明の切削方法の工程図である。 本発明の切削方法の工程図である。 (a)は、従来の切削工具であり、切削インサートがホルダ本体から外された状態の部分斜視図である。(b)は、図13(a)に示す従来の切削工具であり、切削インサートがホルダ本体に取り付けられた状態の側面図である。
符号の説明
2・・・切削工具
4・・・切削インサート
6・・・インサート接触面
8・・・上顎部
10・・・下顎部
12・・・インサート離隔面
14・・・保持部
16・・・ホルダ本体
18・・・第1の補強部材
20・・・被削材
22・・・切刃
24・・・第2の補強部材
26・・・第3の補強部材
28・・・インサート当接面
30・・・後端面
32・・・クランプネジ
34・・・ネジ穴
36・・・スリット
38・・・すくい面
40・・・前逃げ面
42・・・横逃げ面
44・・・前切れ刃
46・・・横切れ刃
48・・・クランプ面
48a・・・上方クランプ面
48b・・・下方クランプ面
50・・・工具ホルダ

Claims (15)

  1. 切削インサートと、
    互いに離隔して前記切削インサートを挟持する上顎部及び下顎部と前記上顎部及び前記下顎部の後端側に位置して前記上顎部及び前記下顎部を保持する保持部とを有するホルダ本体と、
    前記下顎部と前記保持部とを接続する第1の補強部材と、を備えた切削工具。
  2. 前記第1の補強部材は、板状であって前記ホルダ本体の側面に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記第1の補強部材は、前記保持部の複数の箇所で固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具。
  4. 前記第1の補強部材が、前記ホルダ本体よりもヤング率が高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の切削工具。
  5. 前記上顎部と前記保持部とを接続する第2の補強部材を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の切削工具。
  6. 前記第2の補強部材は、板状であって前記ホルダ本体の側面に固定されていることを特徴とする請求項5に記載の切削工具。
  7. 前記第2の補強部材は、前記保持部の複数の箇所で固定されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の切削工具。
  8. 前記第2の補強部材が、前記ホルダ本体よりもヤング率が高いことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の切削工具。
  9. 前記第1の補強部材及び前記第2の補強部材が一体形成されていることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の切削工具。
  10. 前記上顎部と前記下顎部とを接続する第3の補強部材を備えていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の切削工具。
  11. 前記第3の補強部材は、板状であって前記ホルダ本体の側面に固定されていることを特徴とする請求項10に記載の切削工具。
  12. 前記第3の補強部材が、前記ホルダ本体よりもヤング率が高いことを特徴とする請求項10又は11に記載の切削工具。
  13. 前記第1の補強部材、前記第2の補強部材及び前記第3の補強部材が一体形成されていることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の切削工具。
  14. 保持部と前記保持部の先端部上方に位置して前記保持部に保持される上顎部と前記保持部の先端部下方に位置して前記保持部に保持される下顎部とを有するホルダ本体と、
    前記下顎部と前記保持部とを接続する第1の補強部材と、を備えた工具ホルダ。
  15. 請求項1〜13のいずれかに記載の切削工具を用いて被削材を切削する切削方法であって、
    前記被削材に切削工具を相対的に近づける近接工程と、
    前記被削材を回転させ、前記切刃を被削材の表面に接触させて、被削材の表面を切削する切削工程と、
    前記被削材と前記切削工具とを相対的に遠ざける離間工程とを、備えることを特徴とする切削方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220203457A1 (en) * 2019-05-13 2022-06-30 Kyocera Corporation Clamping member, machine tool, and method for manufacturing machined product

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