JP4028302B2 - パケット中継方法、その中継装置およびその中継装置を用いたネットワークシステム - Google Patents

パケット中継方法、その中継装置およびその中継装置を用いたネットワークシステム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の加入者端末装置(加入者ホスト)とバックボーンネットワーク間で、コンテンツ配信のアクセスなどに用いられるパケット中継方法、その中継装置およびその中継装置を用いたネットワークシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のネットワークシステムでは、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やFTTH(Fiber To The Home)などを用いた高速なデータ伝送を行うバックボーンネットワークが普及することにより、このバックボーンネットワークを利用してインターネットを使った動画などのコンテンツ配信が行われるようになってきた。このコンテンツ配信のインターネット接続サービスでは、バックボーンネットワーク上に設けられたサービス事業者の配信サーバから、動画などのデータをIP(Internet Protocol)パケット構成にして、加入者の端末装置(加入者ホスト)である加入者PC(パーソナルコンピュータ)に送信している。このIPを使った配信ネットワークでは、各加入者に個別のIPアドレスまたはネットワークアドレスが割り振られており、この割り振られたアドレスに基づいて、コンテンツ配信のサービスを行っていた。
【0003】
このインターネット接続サービスでは、加入者ホストを収容するネットワークにおいて、IEEE802.3で規定されるLANが利用されるようになっている。このLANでは、複数の加入者ホストが一つの物理リンクを論理的に共有する形態での接続方法が用いられ、パケットを多重化して中継していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、中継装置において各加入者が利用することのできる帯域は、ネットワークを先にアクセスした加入者から優先的に割り当てられるので、先の加入者が伝送帯域の広いデータ伝送を行うと、この特定の加入者ホストのパケットが物理リンクの全帯域を占有してしまい、他の加入者ホストが通信できない状況が発生するという問題点があった。
【0005】
この発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保して、トラフィック量の大きな加入者に物理リンクが占有されることのないパケット中継方法、その中継装置およびその中継装置を用いたネットワークシステムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の請求項1では、パケットを送受信するための仮想ネットワークが構築された複数の加入者ホストとバックボーンネットワーク間で、前記パケットの中継を行うパケット中継方法において、前記構築された各仮想ネットワークに対応して設けられ、該当する仮想ネットワークのパケットデータをそれぞれ蓄積するための蓄積手段を作成する作成工程と、取り込まれた前記パケットの仮想ネットワークの識別データ、または該識別データと宛先アドレスに基づいて、前記蓄積手段に当該パケットデータを蓄積させる蓄積工程と、前記作成された蓄積手段に蓄積された前記パケットデータを、所定のスケジューリング方式によって順番に取り出して送出する送出工程とを含むことを特徴とするパケット中継方法が提供される。
【0007】
この発明によれば、例えば各VLANに対応付けられた蓄積手段であるキューを作成工程によって作成し、受信したパケットの宛先IPアドレスを検索して、送信ポートとVLAN IDを決定し、蓄積工程において、該当VLANに対応するキューにこのパケットのデータを蓄積させるとともに、送出工程で所定のスケジューリング方式によって順番に、各キューに蓄積されたパケットデータを取り出して送出することで、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保する。
【0008】
この発明の請求項2では、上記発明において、前記作成工程では、前記パケットの通信形態がユニキャストとマルチキャストで異なる蓄積手段を作成し、前記蓄積工程では、受信した前記パケットの通信形態と前記仮想ネットワークの識別データ、または該パケットの通信形態と識別データと宛先アドレスに基づいて、当該蓄積手段に該パケットデータを記憶させることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、ユニキャストとマルチキャストの通信形態が存在する場合に、このそれぞれにキューを作成工程によって作成し、受信したパケットから通信形態と宛先IPアドレスを検索してVLAN IDを決定し、蓄積工程において、該当VLANに対応するキューにこのパケットのデータを蓄積させ、送出工程で所定のスケジューリング方式によって順番に、各キューに蓄積されたパケットデータを取り出して送出することで、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保する。また、この発明によれば、ユニキャストとマルチキャストのパケットを別々のキューに蓄積するので、例えばマルチキャストを使って配信されるコンテンツが、ユニキャストの通信によって影響を受けず、マルチキャストを使ったコンテンツ配信の保証が可能になる。
【0010】
この発明の請求項3では、マルチプロトコル・ラベル・スイッチングのパケットを送受信するためのラベルが設定された複数の加入者ホストとバックボーンネットワーク間で、前記パケットの中継を行うパケット中継方法において、前記設定されたラベルに対応して設けられ、該当するパケットのデータをそれぞれ蓄積するための蓄積手段を作成する作成工程と、取り込まれた前記パケットのラベルに基づいて、該当する加入者に対応する前記蓄積手段に当該パケットデータを蓄積させる蓄積工程と、前記蓄積手段に蓄積された前記パケットデータを、所定のスケジューリング方式によって順番に取り出して送出する送出工程とを含むことを特徴とするパケット中継方法が提供される。
【0011】
この発明によれば、例えば各ラベルに対応付けられたキューを作成工程によって作成し、受信したパケットのラベルを検索して、蓄積工程において、このラベルに該当する加入者に対応するキューにこのパケットのデータを蓄積させ、送出工程で所定のスケジューリング方式によって順番に、各蓄積手段に格納されたパケットデータを取り出して送出することで、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保する。
【0012】
この発明の請求項4では、上記発明において、前記作成工程では、前記パケットの通信形態がユニキャストとマルチキャストで異なる蓄積手段を作成し、前記蓄積工程では、受信したパケットの通信形態とラベルに基づいて、該当する加入者に対応する蓄積手段に当該パケットデータを蓄積させることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、ユニキャストとマルチキャストの通信形態が存在する場合に、作成工程によってそれぞれにキューを作成し、蓄積工程において、受信したパケットの通信形態とラベルを検索して、この通信形態とラベルに該当する加入者に対応するキューにこのパケットのデータを蓄積させるとともに、所定のスケジューリング方式によって順番に、各蓄積手段に格納されたパケットデータを取り出して送出することで、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保する。
【0014】
この発明の請求項5では、上記発明において、前記各蓄積手段に対してトラフィック量の重み付けが設定されており、前記送出手段では、該重み付けに応じたトラフィック量で前記蓄積手段から前記パケットを取り出すことを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、例えばユニキャストとマルチキャストの各キューにトラフィック量の重み付けが設定され、送出工程において、蓄積されたパケットのデータをこの設定されたトラフィック量の重み付けに応じて、該当するキューから取り出すことで、通信形態に対して帯域割り当ての公平性を確保する。
【0016】
この発明の請求項6では、上記発明において、前記送出工程では、前記重み付けのうち、同一の前記仮想ネットワークのユニキャストとマルチキャストに対応する蓄積手段に一定量の重み付けが設定されており、前記マルチキャストのトラフィック量に基づいて重み付けを設定し、かつ前記一定量のうち、残りのトラフィック量の重み付けを前記ユニキャストに設定することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、送出工程において、同一VLANの各キューの重み付けを一定量にし、まずマルチキャストに所定トラフィック量の重み付けを行い、次にユニキャストに残りのトラフィック量の重み付けを行い、VLAN毎にこの一定量の割合でパケットデータを取り出して送出を行う。
【0018】
この発明の請求項7では、上記発明において、前記送出工程では、前記重み付けのうち、同一の前記加入者のユニキャストとマルチキャストに対応する蓄積手段に一定量の重み付けが設定されており、前記マルチキャストのトラフィック量に基づいて重み付けを設定し、かつ前記一定量のうち、残りのトラフィック量の重み付けを前記ユニキャストに設定することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、送出工程において、同一加入者の各キューの重み付けを一定量にし、まずマルチキャストに所定トラフィック量の重み付けを行い、次にユニキャストに残りのトラフィック量の重み付けを行い、加入者毎にこの一定量の割合でパケットデータを取り出して送出を行う。
【0020】
この発明の請求項8では、上記発明において、前記送出工程では、前記各蓄積手段に蓄積された前記パケットデータを、ラウンドロビン方式、カレンダーキューイング方式、タイムスタンプ方式のいずれか一つのスケジューリング方式によって順番に、かつ該蓄積手段毎に重み付けに応じたトラフィック量で取り出すことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、送出工程において、トラフィック量の重み付けが設定された蓄積手段に蓄積されたパケットデータを、ラウンドロビン方式、カレンダーキューイング方式、タイムスタンプ方式のいずれか一つのスケジューリング方式によってこの重み付けに応じたトラフィック量で順番に取り出して送出することで、加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保する。
【0022】
この発明の請求項9では、パケットを送受信するための仮想ネットワークが構築された複数の加入者ホストとバックボーンネットワーク間に接続され、前記加入者ホストとバックボーンネットワーク間のパケット中継を行うパケット中継装置において、前記構築された各仮想ネットワークに対応して設けられ、該当する仮想ネットワークのパケットデータをそれぞれ蓄積する蓄積手段と、追加または削除される前記仮想ネットワークに対応して、前記蓄積手段を作成または削除する作成制御手段と、取り込まれた前記パケットの仮想ネットワークの識別データ、または該識別データと宛先アドレスに基づいて、前記作成された蓄積手段に当該パケットデータを蓄積させる蓄積制御手段と、前記各蓄積手段に蓄積された前記パケットデータを所定のスケジューリング方式によって順番に取り出して送出する送出手段とを備えたことを特徴とするパケット中継装置が提供される。
【0023】
この発明によれば、例えば各VLANに対応した蓄積手段であるキューを、その追加または削除に応じて作成制御手段が作成しまたは削除し、蓄積制御手段において、作成されたキューに該当するVLANのパケットデータを蓄積させるとともに、このキューに蓄積されたパケットデータを、送出手段で取り出して送出することで、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保する。
【0024】
この発明の請求項10では、上記発明において、前記作成制御手段は、前記構築された仮想ネットワークに対して、前記パケットの通信形態がユニキャストとマルチキャストのグループで異なる蓄積手段を作成するとともに、該マルチキャストのグループ毎に異なる蓄積手段を作成し、前記蓄積制御手段は、受信した前記パケットの通信形態の各グループのデータと前記仮想ネットワークの識別データと、または該通信形態の各グループのデータと識別データと宛先アドレスに基づいて、該当する前記蓄積手段に該パケットデータを記憶させることを特徴とする。
【0025】
この発明によれば、ユニキャストとマルチキャストの通信形態が存在する場合に、このそれぞれにキューを作成制御手段で作成または削除し、受信したパケットから通信形態と宛先IPアドレスを検索してVLAN IDを決定し、蓄積制御手段において、該当VLANとユニキャストまたはマルチキャストに対応するキューにこのパケットのデータを蓄積させ、送出手段による所定のスケジューリング方式によって順番に、各キューに蓄積されたパケットデータを取り出して送出することで、通信形態に対して帯域割り当ての公平性を確保する。
【0026】
この発明の請求項11では、マルチプロトコル・ラベル・スイッチングのパケットを送受信するためのラベルが設定された複数の加入者ホストとバックボーンネットワーク間に接続され、前記加入者ホストとバックボーンネットワーク間のパケット中継を行うパケット中継装置において、前記設定されたラベルに対応して設けられ、該当するパケットのデータをそれぞれ蓄積する蓄積手段と、追加または削除される前記ラベルに対応して、前記蓄積手段を作成または削除する作成制御手段と、取り込まれた前記パケットのラベルに基づいて、前記作成された蓄積手段に当該パケットデータを蓄積させる蓄積制御手段と、前記各蓄積手段に蓄積された前記パケットデータを所定のスケジューリング方式によって順番に取り出して送出する送出手段とを備えたことを特徴とするパケット中継装置が提供される。
【0027】
この発明によれば、例えば各ラベルに対応付けられたキューを、その追加または削除に応じて作成制御手段が作成しまたは削除し、蓄積制御手段において、受信したパケットのラベルを検索して、このラベルに該当する加入者に対応するキューにこのパケットのデータを蓄積させるとともに、このキューに蓄積されたパケットデータを、送出手段で順番に取り出して送出することで、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保する。
【0028】
この発明の請求項12では、前記作成制御手段は、前記設定されたラベルに対して、前記パケットの通信形態がユニキャストとマルチキャストのグループで異なる蓄積手段を作成するとともに、該マルチキャストのグループ毎に異なる蓄積手段を作成し、前記蓄積制御手段は、受信した前記パケットの通信形態の各グループのデータと前記ラベルに基づいて、該当する前記蓄積手段に該パケットデータを記憶させることを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、ユニキャストとマルチキャストの通信形態が存在する場合に、このそれぞれにキューを作成制御手段で作成または削除し、受信したパケットから通信形態とラベルを検索して、蓄積制御手段において、該当ラベルとユニキャストまたはマルチキャストに対応するキューにこのパケットのデータを蓄積させ、送出手段による所定のスケジューリング方式によって順番に、各キューに蓄積されたパケットデータを取り出して送出することで、通信形態に対して帯域割り当ての公平性を確保する。
【0030】
この発明の請求項13では、上記発明において、前記各蓄積手段には、トラフィック量の重み付けが設定されており、前記送出手段は、該重み付けに応じたトラフィック量で該当する前記蓄積手段から前記パケットを取り出すことを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、パケットデータの送出時においても、各蓄積手段に蓄積されているパケットデータをこの設定されたトラフィック量の重み付けに応じて、この所定トラフィック量ずつ取り出して送出することで、加入者間の公平性を確保する。
【0032】
この発明の請求項14では、前記送出手段は、前記各蓄積手段に蓄積された前記パケットデータをラウンドロビン方式、カレンダーキューイング方式、タイムスタンプ方式のいずれか一つのスケジューリング方式によって順番に、かつ該蓄積手段毎に重み付け取り出して送出することを特徴とする。
【0033】
この発明によれば、送出手段によるデータのスケジューリング方式としてはラウンドロビン方式、カレンダーキューイング方式、タイムスタンプ方式のいずれか一つのスケジューリング方式を用いて、各蓄積手段内に格納されているパケットデータを所定トラフィック量ずつ順番に取り出して送出することで、加入者間の公平性を確保する。
【0034】
この発明の請求項15では、パケットの送受信を行うバックボーンネットワークと、前記パケットを送受信するための仮想ネットワークが構築された複数の加入者ホストと、前記バックボーンネットワークと加入者ホスト間に接続され、前記パケットの中継を行う請求項9,10,13および14のいずれか一つに記載のパケット中継装置とを備えたことを特徴とするネットワークシステムが提供される。
【0035】
この発明によれば、バックボーンネットワークと加入者ホスト間に、請求項9,10,13および14に記載のパケット中継装置を用いてネットワークシステムを構築して、各VLANに対応して作成されたキューにパケットデータを格納するとともに、このパケットデータを順番に取り出してバックボーンネットワークまたは加入者ホストに送出することで、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保する。
【0036】
この発明の請求項16では、パケットの送受信を行うバックボーンネットワークと、マルチプロトコル・ラベル・スイッチングの前記パケットを送受信するためのラベルが設定された複数の加入者ホストと、前記バックボーンネットワークと加入者ホスト間に接続され、前記パケットの中継を行う請求項11〜14のいずれか一つに記載のパケット中継装置とを備えたことを特徴とするネットワークシステムが提供される。
【0037】
この発明によれば、バックボーンネットワークと加入者ホスト間に、請求項11〜14に記載のパケット中継装置を用いてネットワークシステムを構築して、各ラベルに対応して作成されたキューにパケットデータを格納するとともに、このパケットデータを順番に取り出してバックボーンネットワークまたは加入者ホストに送出することで、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保する。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下の図1〜図46の添付図面を参照して、この発明にかかるパケット中継方法、その中継装置およびその中継装置を用いたネットワークシステムの好適な実施の形態を説明する。
【0039】
(実施の形態1)
図1は、この発明にかかるネットワークシステムの構成の実施形態の一例を示す構成図である。図において、このネットワークシステムは、バックボーンネットワーク10に配設されるサービス事業者(データセンタ)のルータ11と、このルータ11に接続されるコンテンツ配信サーバ12を含むサーバ群13と、同じくバックボーンネットワーク10に配設される複数のエッジルータ14と、上位側のエッジルータ14に接続されるとともに、下位側の加入者PCと接続される加入者集約装置15〜17と、この加入者集約装置15〜17によってそれぞれ集約される複数の加入者PC18〜22,23〜27,28〜32とから構成されている。
【0040】
このサーバ群13は、コンテンツ配信サーバ12の他に、例えば加入者認証サーバ、配信受付サーバ、課金サーバなどから構成されている。ルータ11は、バックボーンネットワーク10を介してコンテンツ配信サーバ12から配信されるマルチキャストパケットおよびユニキャストのストリームを各エッジルータ14に配信している。
【0041】
エッジルータ14は、IEEE802.1Qの規定で決められた方式で、フレームで構成される公知のパケット内のVLANタグを使って加入者PCを論理的にグループ化し、加入者PCからの要求に応じてコンテンツ配信サーバ12からのストリームをフォワードしている。また、エッジルータ14は、異なるポート上の同一VLANタグについて、レイヤ2での接続を分離する機能を有している。
【0042】
なお、このパケットは、図2に示すように、それぞれ6バイトずつの宛先アドレスDAおよび送信元アドレスSAと、それぞれ2バイトずつのタグ・プロトコル識別子TPID、タグ識別情報TCIおよびフレーム長・型式情報LEN/TYPと、46〜1500バイトからなる可変長のMAC(Media Access Control)クライアント・データDATAと、4バイトのフレーム・チェック・シーケンスFCSとからなる。そして、タグ識別情報TCIは、3ビットのユーザ優先度情報PRIと、1ビットの正規形式識別子CFIと12ビットのVLAN識別子VLAN IDとからなる。
【0043】
図3は、図1に示したエッジルータ14の構成の一例を示す構成図である。図において、エッジルータ14は、バックボーンネットワーク10の回線に接続されてパケットが入力する複数の入力ポート14aと、入力したパケットを適切な出力ポートに振り分ける複数のパケット処理部14bと、出力ポート毎に振り分けられたパケットを各VLAN毎に振り分ける複数のパケット識別部14cと、各VLAN毎に設けられてパケット識別部14cで振り分けられたパケットのデータを一時蓄積する複数のキュー(待ち行列)14dと、出力ポート毎に設けられて各キュー14dに振り分けられたパケットを各キューから順に所定数ずつ取り出して送出する選択部14eと、入力するパケットを出力する出力ポート14fと、これら機器を制御する制御部14gとから構成されている。
【0044】
パケット処理部14bは、入力ポート14aを介して入力される送信パケットを取り込み、このパケット内の宛先アドレスに応じて、該当するポートのパケット識別部14cにパケットを振り分けており、パケット識別部14cは、このパケット内のVLAN IDに応じて、該当するキュー14dにパケットを蓄積させている。
【0045】
キュー14dは、各出力ポート14fに接続される物理回線に多重化されるVLAN毎に設けられるとともに、予め設定されたパケット格納容量を有しており、この容量を越える入力パケットは廃棄されることとなる。なお、このキューのパケット格納容量は、例えばコンテンツ配信などの標準的な情報通信において各VLANの通信パケットを保持することができる程度に設定される。また、選択部14eは、スケジューラからなり、例えばラウンドロビン方式によって複数のキュー14dからパケットを順に所定数ずつ取り出して、出力ポート14fを介して物理回線に送出するフェアキューイング機能を実行している。
【0046】
制御部14gは、各物理回線に多重化されたVLAN数を調べ、これらVLANのそれぞれに対応するキュー14dを設定している。また、制御部14gは、パケット識別部14cがVLAN毎のパケットを該当するキュー14dに振り分けるようにパケット識別部14cの動作を制御している。
【0047】
すなわち、この物理回線の伝送帯域をW、この物理回線に多重化されたVLAN数をNとすると、各VLANに対する重み付けUは、
U=W/N
WとN:任意の整数
となり、選択部14eは、制御部14gで設定されたこの重み付けUによって、各キュー14dから該当するパケットを取り出す。
【0048】
次に、このバックボーンネットワークシステムにおけるエッジルータの動作を図4のフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートは、VLANで伝送されるパケットがユニキャストパケットの場合のシステム動作を示している。
【0049】
図において、エッジルータ14の制御部14gは、各出力ポート14fに接続された物理回線に割り当てられたVLANの数を調べ(ステップ101)、このVLANにそれぞれ対応したキュー14dを作成する(ステップ102)。そして、パケット識別部14cによって入力パケットの宛先IPアドレスからVLAN IDを決定し、そのVLAN IDに基づいて、該当するキュー14dにこのパケットを振り分ける(ステップ103)。
【0050】
つまり、データセンタから送出されたパケットがバックボーンネットワーク10を介してエッジルータ14の入力ポート14aから入力されると、パケット処理部14bは、このパケット内の宛先IPアドレスの情報に応じて出力ポート14fを決定する。そして、この決定した出力ポート14fに対応して設けられたパケット識別部14cが、このパケット内の宛先IPアドレスからVLAN IDを決定して、当該VLANに対応したキュー14dにこのパケットをそれぞれ振り分ける。この振り分けが行われると、選択部14eは、ラウンドロビン方式などを用いて予め定められた所定手順で各キュー14dに蓄積されたパケットを所定数ずつ取り出して、出力ポート14fに出力する(ステップ104)。
【0051】
次に、制御部14gは、監視している各物理回線に多重化されているVLANの数が増減されたかどうか判断する(ステップ105,106)。すなわち、サービス事業者がネットワークの構成を変化させて新たなVLANを設定したり、逆に既存のVLANの設定を削除することによってVLANの数が増減することがあるので、ここでは、まずVLAN数が増加したかどうか判断する(ステップ105)。
【0052】
ここで、例えばVLAN数が増加した場合には、増加した分のキューの追加を行い(ステップ107)、また増加していない場合には、VLAN数が減少したかどうか判断する(ステップ106)。ここで、増減がない場合には、ステップ103に戻って、次のパケットの送出制御を繰り返し、またVLAN数が減少した場合には、選択部14eによって開放されたVLANに該当するキュー14dに残されているパケットのデータを送出した後に(ステップ108)、制御部14gで該当するキュー14dを削除した後(ステップ109)、ステップ103に戻って、次のパケットの送出制御を繰り返す。
【0053】
また、加入者集約装置15〜17は、同一構成からなっており、そのうちから代表して加入者集約装置15の構成を図5に示すと、パケットの受信を行う受信部15aと、パケットの送信を行う送信部15bと、図6に示す加入者テーブルを有し、受信したパケットに対するレイヤ2のMACの中継処理を行うL2中継処理部15cとから構成されている。
【0054】
加入者テーブルは、図6に示すように、加入者ポートの番号と対応する加入者PCのVLAN IDが格納されており、L2中継処理部15cは、図7のフローチャートに示すようなパケット中継動作を行う。すなわち、L2中継処理部15cは、受信部15aでパケットが受信されると(ステップ151)、受信されたポートがエッジルータ14側のポートか、加入者PC側のポートか判断する(ステップ152)。
【0055】
ここで、このパケットが受信されたポートが、エッジルータ側のポートの場合には、受信パケットのVLAN IDを調べ、このVLAN IDに対応した加入者ポートを加入者テーブルから検索し、検索された加入者ポートにこのパケットを中継する(ステップ153)。
【0056】
また、このパケットが受信されたポートが、加入者PC側のポートの場合には、この加入者テーブルからその加入者ポートのポート番号を検索し、該当する加入者ポートに対応するVLAN IDを受信パケットに付与して、エッジルータ側のポートにこのパケットを中継する(ステップ154)。そして、エッジルータに送出されたパケットは、バックボーンネットワーク10を介してサービス事業者(データセンタ)のルータ11に送信されている。
【0057】
このように、この実施の形態では、宛先アドレスとVLANの数に応じてキューが設定され、パケット識別部14cによってこのキューに所定の重み付けされたパケットを一時蓄積させた後に、選択部14eで予め定められた所定のスケジューリング方式で各キュー14dに蓄積されたパケットを所定数ずつ取り出して、出力ポート14fに出力するので、トラフィック量の大きな加入者に物理回線が占有されることがなくなり、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保することができる。
【0058】
また、この実施の形態では、制御部によってVLAN数に応じたキュー14dの作成と削除を行うことができるので、VLAN毎に予め割り当てられた物理回線の伝送帯域を必要に応じて有効に利用することができ、パケット伝送の伝送効率を向上させることができる。
【0059】
上述した実施の形態1では、バックボーンから加入者へのトラヒックをエッジルータから加入者集約装置へ送出する物理リンク上において、帯域の公平な割り当てを制御する形態としたが、この発明では、加入者集約装置において受信パケットのVLAN IDを調べ、VLAN ID毎に設けられたキューに一時蓄積された後に、ラウンドロビンなどのスケジューリング方式によって、加入者からバックボーンへのトラヒックを加入者集約装置からエッジルータへ送出する物理リンク上において、帯域の公平な割り当てを制御することが可能である。
【0060】
なお、上述した実施の形態1では、複数のVLANにそれぞれ対応させてキュー14dを設定し、これらキュー14dに各VLANのユニキャストのパケットを振り分けることで、複数のVLAN間での公平性を確保しているが、各VLANにおいて伝送されるパケットには、受信者が単数のユニキャストパケットのみに限らず、その受信者が複数のマルチキャストのパケットも存在する。このマルチキャストパケットは、例えばVOD(Video On Demand)やライブ中継に利用されている。
【0061】
このようなマルチキャストパケットとユニキャストパケットが混在するネットワークにおいても、各VLANにそれぞれ対応させたキューに振り分けることで、複数のVLAN間での公平性を確保することが可能である。しかしながら、マルチキャストパケットは、VODやライブ中継といった動画配信に利用され、配信に必要な帯域を確保できない場合は、画面や音声が乱れるといった問題が発生する。これに対して、ユニキャストパケットはファイル転送などTCPを使ったプロトコルのようにパケット廃棄が発生しても、再送が可能なプロトコルによる利用が多い。このように利用形態が異なるマルチキャストとユニキャストパケットが混在する場合に、各VLAN毎に一つのキューを使う場合、ユニキャストパケットが大量に流れた場合、マルチキャストパケットの廃棄が発生し、動画などのコンテンツ配信に問題が生じる。
【0062】
また、ユニキャストパケットに対して、上述のVLAN毎のキューを使った公平制御を行いつつ、マルチキャストパケットに対しては、別のキューを割り当てるという方法を取る場合には、ユニキャストとマルチキャストとの両方を利用するVLANの帯域が、ユニキャストだけを利用するVLANの帯域よりも広くなり、複数のVLAN間での公平性を保てなくなり、先の加入者が伝送帯域の広いデータ伝送を行うと、この特定の加入者ホストのパケットが物理リンクを占有してしまう問題点があった。
【0063】
(実施の形態2)
そこで、この発明では、実施形態2において、マルチキャストを含むVLANを伝送させる場合を説明する。この実施形態2にかかるネットワークシステムでは、マルチキャストを含むVLANを伝送させる場合、出力ポートの物理回線に多重化されるVLAN数を調べるとともに、そのVLAN毎にマルチキャスト用とユニキャスト用のキューを別々に作成するように、図3に示したエッジルータ14を構成させる。
【0064】
このエッジルータ14では、制御部14gが入力するパケット内の宛先IPアドレスを抽出し、パケット処理部14bおよびパケット識別部14cによって、このVLAN IDと宛先IPアドレスに基づいて、このパケットのデータをユニキャストまたはマルチキャストに対応するキュー14dに振り分けて一時蓄積させ、さらに選択部14eが各キュー14dに蓄積されたパケットのデータを順に所定の割合で取り出して出力ポート14fに出力している。なお、パケットがユニキャストパケットであるか、マルチキャストパケットであるかは、入力するパケット中のアドレスタイプなどによって識別される。
【0065】
また、各VLANに対する重み付けXは、例えば物理回線の伝送帯域をVLAN毎の等分した割合で振り分けた後に、さらにユニキャストとマルチキャストの対応する各キュー14dにこの等分された帯域の範囲でそれぞれ振り分けるようにすれば良い。
【0066】
すなわち、例えばこの物理回線の伝送帯域をW、この物理回線に多重化されたVLAN数をN、各VLANに対するユニキャストの重み付けU、マルチキャストの重み付けをMとすると、
X=U+M=W/N
WとN:任意の整数
となり、選択部14eは、制御部14gで設定されたこの重み付けUとMによって、各キュー14dから該当するパケットを取り出す。なお、この際に設定される重み付けUとMは、同一の値であっても良いし、またはマルチキャストにおいて、ユニキャストより広い帯域を占有する必要がある場合は、マルチキャスト用のキューに対しては広い帯域が得られる重み付けを設定し、残された帯域をユニキャスト用のキューに振り分けるようにしても良い。
【0067】
次に、この実施の形態におけるネットワークシステムの動作を図8のフローチャートに基づいて説明する。図において、制御部14gは、各出力ポート14fに接続された物理回線に割り当てられたVLANの数を調べ(ステップ201)、このVLAN毎にユニキャストパケットに対応したキュー14dを作成し、このキュー14dを設定された数値Uによって重み付けする(ステップ202)。次に、VLAN毎にマルチキャストの増加があるかどうか判断する(ステップ203)。
【0068】
ここで、マルチキャストの増加がある場合には、マルチキャストによるパケット伝送で必要となる帯域を管理しているサーバ群13に問い合わせる(ステップ204)。具体的には、エッジルータ14は、このマルチキャストでのパケット伝送で必要となる伝送帯域を、例えばRADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)などの手段を用いて、このマルチキャストを監視しているサーバ群13に問い合わせ、このパケット伝送で必要となる伝送帯域の情報を受け取る。
【0069】
次に、このマルチキャストパケットを送出する加入者PCが所属するVLANに、マルチキャスト用キュー14dを追加し、その重み付けを上記のように調べた帯域に応じたMに設定する(ステップ205)。そして、ユニキャスト用のキュー14dに割り当てた重み付けUから、このマルチキャスト用のキューに割り当てられた重み付けMを引くことでユニキャスト用のキュー14dの重み付けを変更する(ステップ206)。
【0070】
つまり、最初にVLANの所属する各グループに割り当てられた重み付けの範囲内で、マルチキャスト用とユニキャスト用のキュー14dに対する重み付けの変更が行われており、例えばこのVLANに割り当てられた帯域が100Mbpsである場合、ユニキャスト用のキュー14dに重み付け値U=100が割り当てられる。次に、伝送帯域5Mbpsを必要とするマルチキャスト用のパケット伝送が加わると、マルチキャスト用のキューを作成し、このマルチキャスト用のキューに重み付け値M=5が割り当てられる。そして、ユニキャスト用のキュー14dの重み付け値がU−M=100−5=95に変更される。
【0071】
次に、VLANのグループ毎に作成されるキュー14dに対して、入力ポート14aから入力されるパケット内にある宛先IPアドレスによってVLAN IDを決定し、各キュー14dに入力したパケットを振り分ける(ステップ207)。そして、選択部14eは、各キュー14dに蓄積されたパケットを所定の手順で取り出して出力ポート14fから出力する(ステップ208)。なお、このキュー14dからパケットを取り出す手段は、上述したラウンドロビン方式の他に、例えばパケットの溜まる場所は共通だが、その場所に溜まる前に、パケットの送信時間を計算してタイムスタンプ(送信時間の順番)を付け、選択部は、溜まっているパケットのタイムスタンプの早い時刻のものから送信するタイムスタンプ方式や、パケットの送信時間を計算して、その時間に対応するタイムスロットをパケットに割り当てるカレンダーキューイング方式などのスケジューリング方式を用いても良い。
【0072】
また、ステップ203において、マルチキャストの増加がない場合には、マルチキャストの減少があるかどうか判断する(ステップ209)。ここで、マルチキャストの減少がある場合には、該当するマルチキャスト用のキューに残っているマルチキャストパケットを送出して(ステップ210)、この該当するマルチキャスト用のキューを削除する(ステップ211)。
【0073】
そして、削除されたマルチキャスト用のキューに割り当てられた重み付け値Mをユニキャスト用のキューの重み付け値Uに加算し(ステップ212)、その後、ステップ207に進んで各キュー14dに入力したパケットを振り分け、ステップ208で所定の手順で各キュー14dから取り出して出力ポート14fから出力する。
【0074】
このような重み付け制御では、例えば図9の概念図に示すように、物理ポート(出力ポート)14fの伝送帯域Wを割り当てて、この出力ポート14f上に多重化された3つのVLAN−A、VLAN−B、VLAN−Cにそれぞれ割り当てられた帯域をWA、WB、WCとすると、伝送帯域Wは、
W=WA+WB+WC
と設定される。そして、これらVLAN毎に割り当てられた帯域WA、WB、WCを各VLANに所属するキュー14dにそれぞれ個別の帯域として設定することも可能である。
【0075】
すなわち、例えばVLAN−Aに所属する1つのユニキャスト用キューと2つのマルチキャスト用キューに対して割り当てられる帯域をWa1、Wa2、Wa3とし、この時の帯域WAを、
WA=Wa1+Wa2+Wa3
と設定する。また、VLAN−Bに所属する1つのユニキャスト用キューと1つのマルチキャスト用キューに対して割り当てられる帯域をWb1、Wb2とし、この時の帯域WBを、
WB=Wb1+Wb2
と設定する。さらに、VLAN−Cに所属する1つのユニキャスト用キューに対して割り当てられる帯域をWc1と設定する。
【0076】
そして、それぞれのVLAN毎に、ユニキャストとマルチキャストの通信形態の数に応じてキュー14dの数を増減させて、伝送帯域を割り当てるので、通信形態の数の増減が他のVLANの伝送帯域の増減に影響を及ぼすことがなくなり、この結果、複数のVLAN間の公平性を簡易な方法で、かつ効果的に確保することが可能となる。
【0077】
また、この実施の形態では、重み付けされたキューに対して、選択部がその重み付けに応じてパケットデータを取り出して物理ポートに出力するので、例えばマルチキャスト用のパケットを大量のデータ伝送を行う場合であっても、特定の加入者PCに物理ポートを占有されることがなくなり、他のVLANを利用する加入者の通信に支障をきたすことがなくなるという効果を奏する。
【0078】
(実施の形態3)
また、この発明は、上記実施の形態に示したVLANの場合にだけに限らず、例えばRFC3031等で規定されるMPLS(Multiprotocol Label Switching)にも用いることが可能である。この方式では、エッジルータは、フレーム構成のパケット内のシムヘッダ2のラベルを用いて加入者PCを認識し、この加入者PCからの要求に応じてコンテンツ配信サーバ12からのストリームをフォワードしている。
【0079】
なお、このパケットは、図10に示すように、6バイトずつの宛先MACアドレスおよび送信元MACアドレスなどからなるMACヘッダと、それぞれ4バイトずつのシム(Shim)ヘッダ1およびシムヘッダ2と、上位層データとからなる。シムヘッダ1,2は、ほぼ同様の構成で、20ビットのラベル(Label)と、3ビットのExp(Experimental Use)と、1ビットのS(Bottom of Stack)と、TTL(Time To Live)とから構成されている。このうち、シムヘッダ2のラベルは、加入者毎に割り当てられたラベルからなっている。
【0080】
この実施の形態にかかるエッジルータ14の制御部14gは、加入者数を調べ、この加入者のそれぞれに対応するキューを作成している。また、制御部14gは、パケット識別部14cが加入者毎のパケットを該当するキューに振り分けるようにパケット識別部14cの動作を制御している。
【0081】
次に、このネットワークシステムの動作を図11のフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートは、MPLSで伝送されるパケットがユニキャストパケットの場合のシステム動作を示している。
【0082】
図において、エッジルータ14の制御部14gは、各出力ポート14fに接続された物理回線に割り当てられた加入者の数を調べ(ステップ301)、この加入者にそれぞれ対応したキュー14dを作成する(ステップ302)。そして、パケット識別部14cによって入力パケットのフレームに含まれるシムヘッダ2のラベルに基づいて、該当するキュー14dにこのパケットを振り分ける(ステップ303)。
【0083】
つまり、データセンタから送出されたパケットがバックボーンネットワーク10を介してエッジルータ14の入力ポート14aから入力されると、パケット処理部14bは、このパケット内のラベルの情報に応じて出力ポート14fを決定する。そして、この決定した出力ポート14fに対応して設けられたパケット識別部14cが、このパケット内のラベルの情報を検出して、該当する加入者に対応したキュー14dにこのパケットをそれぞれ振り分ける。この振り分けが行われると、選択部14eは、ラウンドロビン方式などを用いて予め定められた所定手順で各キュー14dに蓄積されたパケットを所定数ずつ取り出して、出力ポート14fに出力する(ステップ304)。
【0084】
次に、制御部14gは、監視している各物理回線に多重化されている加入者の数が増減されたかどうか判断する(ステップ305,306)。すなわち、サービス事業者がネットワークの構成を変化させて新たな加入者が加わったり、逆に既に加入していた加入者の設定を削除することによって加入者の数が増減することがあるので、ここでは、まず加入者数が増加したかどうか判断する(ステップ305)。
【0085】
ここで、例えば加入者数が増加した場合には、増加した分のキューの追加を行い(ステップ307)、また増加していない場合には、加入者数が減少したかどうか判断する(ステップ306)。ここで、増減がない場合には、ステップ303に戻って、次のパケットの送出制御を繰り返し、また加入者数が減少した場合には、選択部14eによって開放された加入者に該当するキュー14dに残されているパケットのデータを送出した後に(ステップ308)、制御部14gで該当するキュー14dを削除した後(ステップ309)、ステップ303に戻って、次のパケットの送出制御を繰り返す。
【0086】
このように、この実施の形態では、加入者の数に応じてキューが設定され、パケット識別部14cによってこのキューに所定の重み付けされたパケットを一時蓄積させた後に、選択部14eで予め定められた所定手順で各キュー14dに蓄積されたパケットを所定数ずつ取り出して、出力ポート14fに出力するので、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0087】
(実施の形態4)
この実施の形態は、マルチキャストを含むMPLSを伝送させる場合には、この実施の形態にかかるアクセスネットワークシステムでは、出力ポートの物理回線に多重化される加入者数を調べるとともに、その加入者毎にマルチキャスト用とユニキャスト用のキューを別々に作成するように、図3に示したエッジルータ14を構成させる。
【0088】
このエッジルータ14では、制御部14gが入力するパケット内のラベルを抽出し、パケット処理部14bおよびパケット識別部14cによって、このラベルに基づいて、このパケットのデータをユニキャストまたはマルチキャストに対応するキュー14dに振り分けて一時蓄積させ、さらに選択部14eが各キュー14dに蓄積されたパケットのデータを順に所定の割合で取り出して出力ポート14fに出力している。
【0089】
次に、この実施の形態におけるアクセスネットワークシステムの動作を図12のフローチャートに基づいて説明する。図において、制御部14gは、各出力ポート14fに接続された物理回線に割り当てられた加入者の数を調べ(ステップ401)、この加入者毎にユニキャストパケットに対応したキュー14dを作成し、このキュー14dを設定された数値Uによって重み付けする(ステップ402)。次に、加入者毎にマルチキャストの増加があるかどうか判断する(ステップ403)。
【0090】
ここで、マルチキャストの増加がある場合には、マルチキャストによるパケット伝送で必要となる帯域を管理しているサーバ群13に問い合わせる(ステップ404)。具体的には、エッジルータ14は、このマルチキャストでのパケット伝送で必要となる伝送帯域を、例えばRADIUSなどの手段を用いて、このマルチキャストを監視しているサーバ群13に問い合わせ、このパケット伝送で必要となる伝送帯域の情報を受け取る。
【0091】
次に、このマルチキャストパケットを送出するグループに、マルチキャスト用キュー14dを作成し、その重み付けを上記のように調べた帯域に応じたMに設定する(ステップ405)。そして、ユニキャスト用のキュー14dに割り当てた重み付けUから、このマルチキャスト用のキューに割り当てられた重み付けMを引くことでユニキャスト用のキュー14dの重み付けを変更する(ステップ406)。
【0092】
つまり、最初に各グループに割り当てられた重み付けの範囲内で、マルチキャスト用とユニキャスト用のキュー14dに対する重み付けの変更が行われており、例えばこの加入者に割り当てられた帯域が100Mbpsである場合、ユニキャスト用のキュー14dに重み付け値U=100が割り当てられる。次に、伝送帯域5Mbpsを必要とするマルチキャスト用のパケット伝送が加わると、マルチキャスト用のキューを作成し、このマルチキャスト用のキューに重み付け値M=5が割り当てられる。そして、ユニキャスト用のキュー14dの重み付け値がU−M=100−5=95に変更される。
【0093】
次に、このグループ毎に作成されるキュー14dに対して、入力ポート14aから入力されるパケット内にあるラベルによって、各キュー14dに入力したパケットを振り分ける(ステップ407)。そして、選択部14eは、各キュー14dに蓄積されたパケットを所定の手順で取り出して出力ポート14fから出力する(ステップ408)。
【0094】
また、ステップ403において、マルチキャストの増加がない場合には、マルチキャストの減少があるかどうか判断する(ステップ409)。ここで、マルチキャストの減少がある場合には、該当するマルチキャスト用のキューに残っているマルチキャストパケットを送出して(ステップ410)、この該当するマルチキャスト用のキューを削除する(ステップ411)。
【0095】
そして、削除されたマルチキャスト用のキューに割り当てられた重み付け値Mをユニキャスト用のキューの重み付け値Uに加算し(ステップ412)、その後、ステップ407に進んで各キュー14dに入力したパケットを振り分け、ステップ408で所定の手順で各キュー14dから取り出して出力ポート14fから出力する。
【0096】
このように、この実施の形態では、同一物理ポートに複数の加入者を論理的に多重化して設定し、加入者ホストとバックボーンネットワーク間でパケットの中継を行うアクセスネットワークシステムにて、複数のラベルに予め割り当てられた伝送帯域内でキューの重み付けを行い、この重み付けに基づいてパケットの中継を行うので、実施の形態2と同様にトラフィック量の大きな加入者に物理回線が占有されることがなくなり、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保することができる。
【0097】
また、この実施の形態でも、重み付けされたキューに対して、選択部がその重み付けに応じてパケットデータを取り出して物理ポートに出力するので、実施の形態2と同様の効果を奏することができる。
【0098】
(実施の形態5)
図13は、図1に示したエッジルータ14の構成の他例を示す構成図である。図において、帯域制御装置であるルータ14は、入力ポート(この実施例では3つの入力ポート)毎に設けられてポリシング制御を行う複数の入力ポート側NP(ネットワーク・プロセッサ)141〜143と、入力したパケットを適切な出力ポートに振り分けるスイッチファブリック144と、出力ポート(この実施例では3つの出力ポート)毎に設けられて振り分けられたパケットに対して帯域制御を行う出力ポート側NP145〜147と、これら機器を制御するとともに、プロトコル処理を行うプロトコル処理管理部148とから構成されている。なお、この実施形態5では、VLANで伝送されるパケットがユニキャストパケットの場合のエッジルータの構成について説明する。
【0099】
入力ポート側NP141〜143は、入力するパケットに対してユニキャストストリーム識別IDを格納したスイッチ内部ヘッダを付加し、このパケットを送出している。なお、この入力ポート側NP141〜143は、それぞれ同様の構成からなっており、ここでは代表して入力ポート側NP141の構成を図14の構成図に示す。
【0100】
図において、入力ポート側NP141は、入力ポートを介して回線から入力するIPパケットに対して、スイッチ内部ヘッダを付加するデータ処理を行うパケット処理部141aと、ユニキャストストリーム識別ID決定に必要な各種パラメータを記憶するユニキャストフォワーディングテーブル141bとから構成されている。
【0101】
このユニキャストフォワーディングテーブル141bは、図15に示すように、パケットの宛先の受信者ホストまたは受信者ネットワークを示すIPアドレスと、サブネットマスクと、ユニキャストストリームの識別番号を示すユニキャストストリーム識別IDとから構成されている。
【0102】
このような構成において、入力ポート側NP141では、図16のフローチャートに示すように、パケット処理部141aは、到着したパケットのヘッダ部から宛先IPアドレスを抽出する(ステップ451)。次に、パケット処理部141aは、ユニキャストフォワーディングテーブル141bを検索して、この抽出した宛先IPアドレスに対応するユニキャストストリーム識別IDを決定する(ステップ452)。そして、このユニキャストストリーム識別IDの検索が終了したかどうか判断する(ステップ453)。
【0103】
ここで、この検索が終了した場合には、図17に示すように、受信したIPパケットに、この決定したユニキャストストリーム識別IDを有するスイッチ内部ヘッダを付加して(ステップ454)、スイッチファブリックに送出する(ステップ455)。また、この検索ができなかった場合には、検索失敗と判断して受信したパケットを廃棄する(ステップ456)。
【0104】
図18は、図13に示したスイッチファブリック144の構成の一例を示す構成図である。図において、スイッチファブリック144は、入力側の各NP141〜143からスイッチ内部ヘッダ部が付加されたパケットを取り込む内部バスインターフェース(以下、「内部I/F」という)144aと、パケットに付加されたスイッチ内部ヘッダ部を識別して送信ポートおよび出力キューを判定する出力判定部144bと、各出力ポートに対して、VLAN毎に作成されたキュー144c〜144kと、蓄積されたパケットを各キューから順に所定数ずつ取り出して送出するスケジューラ144l〜14nと、出力ポート毎に対応するパケットを出力する出力側の内部バスI/F144pと、これら機器の動作制御やVLAN毎のキューの作成/削除を行う制御部144qとから構成されている。
【0105】
出力判定部144bは、ユニキャストストリーム管理テーブル144b1を有しており、入力側の内部バスI/F144aを介して入力するパケットの内部ヘッダ部に含まれるユニキャストストリーム識別IDの情報に基づいて、パケットを出力する出力ポート、出力キューを選択し、該当する出力キューにパケットを出力している。
【0106】
ユニキャストストリーム管理テーブル144b1は、図19に示すように、ユニキャストストリーム識別IDと、これに対応させて出力ポートと、VLAN IDと、キュー番号とから構成されている。
【0107】
出力キュー144c〜144kは、実施の形態1で示したキューと同様に、物理回線に論理的に設定されたVLANに対応した数が、それぞれの出力ポート毎に設けられている。つまり、この実施形態では、例えば3つのVLANに対応して各出力ポートに3つずつの出力キュー144c〜144e,144f〜144h,144i〜144kが配置されている。これら出力キュー144c〜144kには、出力判定部144bによって該当するキューにパケットのデータが振り分けられている。
【0108】
スケジューラ144l〜144nは、実施の形態1で示した選択部と同様の機能を有しており、この実施形態では、各出力ポートに対応して例えば3つ設けられている(図18参照)。なお、この実施形態では、代表してスケジューラ144lの構成を図20の構成図に示す。
【0109】
図において、スケジューラ144lは、パケットを取り出す出力キュー144c〜144eの選択を行うキュー選択部144l1と、これら出力キューからパケットを取り出して送出する際のトラフィック量を決定するための重みテーブル144l2とから構成されている。
【0110】
この重みテーブル144l2は、図21のテーブル構成に示すように、パケットが格納される出力キューのキュー番号と、この出力キューに設定された重み付け値とから構成されている。
【0111】
このような構成において、スケジューラ144lのキュー選択部144l1は、例えば重み付けラウンドロビン方式によるフェアキューイング機能を用いて、例えば出力キュー144cから順番に、重みテーブル144l2に登録された物理回線の伝送帯域を等分した割合(重み付け)で、各出力キュー144c〜144eに蓄積されているパケットを内部バスI/F144pを介して対応する各出力ポートに送出している。
【0112】
制御部144qは、実施の形態1で示した制御部14gと同様の機能を有している。すなわち、制御部144qは、各物理回線に設定されたVLAN数を調べて、対応する出力キューを作成する機能と、出力判定部144bがVLAN毎のパケットを該当するキューに振り分けるように動作制御する機能と、スケジューラ144l〜144nが設定された重み付けに基づいて、各キューからパケットを順番に所定数量ずつ取り出すように動作制御する機能を有している。
【0113】
次に、このスイッチファブリック144の動作を図22〜図24のフローチャートに基づいて説明する。まず図22は、制御部144qによる出力キューの作成/削除の動作を説明するためのフローチャートである。図において、制御部144qは、プロトコル処理管理部148が有するストリーム管理テーブルを検索してVLANの数をモニタし(ステップ501)、このVLANにそれぞれ対応したキュー14dを作成する(ステップ502)。そして、スイッチファブリック144の出力判定部144bのユニキャストストリーム管理テーブル144b1にエントリを追加して対応表を作成する(ステップ503)。
【0114】
次に、制御部144qは、監視している各物理回線毎のVLANの数が増加したかどうか判断する(ステップ504)。ここで、例えばVLAN数が増加した場合には、増加した分のキューの追加を行い(ステップ505)、さらに出力判定部144bのユニキャストストリーム管理テーブルにエントリを追加する(ステップ506)。
【0115】
また、VLAN数が増加していない場合には、次に各物理回線毎のVLANの数が減少したかどうか判断する(ステップ507)。ここで、VLAN数が減少していない場合には、キューの増減はないと判断し、ステップ504に戻り、またこのVLAN数が減少した場合には、該当するキューに残されているパケットのデータを送出した後に(ステップ508)、制御部144qで該当するキューを削除した後(ステップ509)、ユニキャストストリーム管理テーブルの該当するエントリを削除して(ステップ510)、ステップ504に戻って、次のパケットの送出制御を繰り返す。
【0116】
次に、出力判定部144bの判定動作を図23のフローチャートを用いて説明する。図において、出力判定部144bは、内部バスI/F部144aによって入力ポート側NPからのパケット入力があると(ステップ551)、内部ヘッダ部を識別し、ストリーム識別IDを検索する(ステップ552)。そして、この検索したストリーム識別IDからユニキャストストリーム管理テーブル144b1を検索して、出力ポートとキュー番号を選択し、対応するキューにエンキューする(ステップ553)。
【0117】
また、スケジューラ144l〜144nでは、図24のフローチャートに示すようなパケットの選択動作を行う。図において、スケジューラは、出力ポート側のNP145〜147からのパケット送信要求の通知を検出しており、この通知が取り込まれるまで、パケットの出力待ち状態を維持する。そして、このパケット送信要求の通知が内部バスI/F部144pを介して入力して検出されると、スケジューラ144l〜144nは、重み付けラウンドロビン方式による制御を行い、各キューから順番にパケットのデータを取り出し、内部バスI/F部144pに出力する(ステップ601)。次に、内部バスI/F部144pは、各キューからのパケットを出力ポート側のNP145〜147に送出する(ステップ602)。
【0118】
出力ポート側のNP145〜147は、スイッチファブリック144から入力するIPパケットに対して、パケットの送受信制御を行っている。なお、この出力ポート側NP145〜147は、それぞれ同様の構成からなっており、ここでは代表して出力ポート側NP145の構成を図25に示す。
【0119】
出力ポート側NP145は、図25に示すように、パケット処理部145aから構成されており、パケット処理部145aは、スイッチファブリック144から入力するIPパケットに対して、受信不可能状態を通知することでパケットの送受信制御の処理を行っている。
【0120】
すなわち、パケット処理部145aは、図26のフローチャートに示すように、スケジューラ144lからのパケット受信があると(ステップ651)、このスケジューラ144lに対して受信不可能状態を指示通知する(ステップ652)。次に、パケットの送信が行われると(ステップ653)、パケット処理部145aは、スケジューラ144lに対して受信可能状態を指示する通知を行い(ステップ654)、ステップ651に戻って次のパケット受信を待つ。
【0121】
プロトコル処理管理部148は、図13に示すように、ルーティングテーブル148aと、ARPテーブル148bと、MACテーブル148cと、論理I/F VLANテーブル148dと、ストリーム管理テーブル148eとを有しており、これらテーブルを用いてルーティングプロトコル、スタティック設定の変更などに対して、各テーブルのエントリ変更などを行っている。
【0122】
ルーティングテーブル148aは、図27に示すように、パケットの経路情報を格納しており、例えば宛先のIPアドレスと、サブネットマスク、出力論理I/Fの識別子と、ネクストホップアドレスまたは直接ルートを示す情報などから構成されている。ARPテーブル148bは、図28に示すように、アドレス解決のための宛先のIPアドレスと、対応するMACアドレスの情報などから構成されている。
【0123】
MACテーブル148cは、図29に示すように、VLAN IDと、対応するMACアドレスと、出力物理ポートの情報などから構成されている。論理I/F VLANテーブル148dは、図30に示すように、出力論理I/Fと、VLAN IDを示す情報などから構成されている。また、ストリーム管理テーブル148eは、図31に示すように、出力物理ポートと、VLAN IDと、ユニキャストストリーム識別IDを示す情報などから構成されている。
【0124】
このような構成において、プロトコル処理管理部148は、図32のフローチャートに示すようなプロトコルの処理および管理の動作を行う。図において、プロトコル処理管理部148は、ルーティングプロトコル、スタティック設定の変更などにより、ルーティングテーブル148aにエントリの追加があると(ステップ681)、取り込んだパケットの宛先IPアドレスを抽出し(ステップ682)、このIPアドレスからルーティングテーブル148aを検索して、出力論理I/Fを決定する(ステップ683)。
【0125】
次に、この決定した出力論理I/Fから論理I/F VLANテーブル148dを検索して対応付けられているVLAN IDを取得し(ステップ684)、さらに対応するルーティングテーブル148aのエントリがネクストホップアドレスまたは直接接続ホストかどうか判断する(ステップ685)。
【0126】
ここで、ルーティングテーブル148aのエントリがネクストホップアドレスまたは直接接続ホストでない場合には、パケットを廃棄し(ステップ686)、またこのエントリがネクストホップアドレスまたは直接接続ホストの場合には、ホストIPアドレスからARPテーブル148bを検索して宛先MACアドレスを決定する(ステップ687)。さらに、決定した宛先MACアドレスからMACテーブルを検索し、出力物理ポートと、VLAN IDを決定する(ステップ688)。
【0127】
次に、プロトコル処理管理部148は、この出力物理ポートとVLAN IDとからストリート管理テーブル148eを検索し、ユニキャストストリーム識別IDを取得し(ステップ689)、そして入力ポート側NP、例えばNP141に宛先IPアドレスやユニキャストストリーム識別IDの情報などを送って、ユニキャストフォワーディングテーブル141bにエントリを追加作成するように指示を与える(ステップ690)。
【0128】
これにより、この実施形態では、入力ポート側NPのユニキャストフォワーディングテーブルには新たなエントリの追加がなされ、パケット受信に際して、ユニキャストフォワーディングテーブル141b内の該当するユニキャストストリーム識別IDの情報を内部ヘッダ部に付加して出力することができる。
【0129】
このように、この実施の形態では、宛先アドレスとVLANの数に応じてキューが追加/削除され、このキューの状態をユニキャストストリーム管理テーブルを用いて管理するとともに、スイッチファブリックによってこのキューに所定の重み付けされたパケットを一時蓄積させた後に、スケジューラで所定のスケジューリング方式で各キューに蓄積されたパケットのデータを所定数ずつ取り出して、出力ポート側Npから出力するので、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
【0130】
(実施の形態6)
次に、VLANで伝送されるパケットがユニキャストとマルチキャストの場合におけるエッジルータの構成について説明する。この場合にエッジルータ14は、実施形態5で説明した図13の構成と基本的に同じであるが、例えば図14に示すように、入力ポート側NPは、ユニキャストフォワーディングテーブル141bの他に、マルチキャストフォワーディングテーブル141cを有している。
【0131】
このマルチキャストフォワーディングテーブル141cは、図33に示すように、パケットの宛先のグループを示すグループIPアドレスと、マルチキャストストリームの識別番号を示すマルチキャストストリーム識別IDと、中継されるパケット数を示す中継パケット数とから構成されている。
【0132】
このような構成において、入力ポート側NP141では、図34のフローチャートに示すように、パケット処理部141aは、到着したパケットのヘッダ部から宛先IPアドレスを抽出する(ステップ701)。次に、パケット処理部141aは、このパケットがマルチキャストかユニキャストか、パケット中のアドレスタイプから判断する(ステップ702)。
【0133】
ここで、このパケットがユニキャストパケットの場合には、ユニキャストの中継動作に移行し(ステップ703)、例えば図16に示したパケット処理の動作を行う。また、このパケットがマルチキャストパケットの場合には、マルチキャストフォワーディングテーブル141cを検索して、この抽出した宛先IPアドレスに対応するマルチキャストストリーム識別IDを決定する(ステップ704)。そして、このマルチキャストストリーム識別IDの検索が終了したかどうか判定する(ステップ705)。
【0134】
ここで、この検索が終了した場合には、マルチキャストフォワーディングテーブル141cの中継パケット数のパケットカウントを加算し(ステップ706)、図35に示すように、受信したIPパケットに、この決定したマルチキャストストリーム識別IDを有するスイッチ内部ヘッダを付加して(ステップ707)、スイッチファブリック144に送出する(ステップ708)。また、この検索ができなかった場合には、パケット処理部141aは、エントリミスヒットと判断して、受信したグループアドレスをプロトコル処理管理部148に送出して、エントリミスヒットトラフィック受信の通知を行う(ステップ709)。
【0135】
スイッチファブリック144は、実施形態5で説明した図18の構成と基本的に同じであるが、出力判定部144bはユニキャストストリーム管理テーブル144b1の他に、マルチキャストストリーム管理テーブル144b2を有している。
【0136】
このマルチキャストストリーム管理テーブル144b2は、図36に示すように、マルチキャストストリーム識別IDと、これに対応させて出力ポートと、VLAN IDと、キュー番号とから構成されている。また、出力キューは、VLAN毎にマルチキャスト用とユニキャスト用のキューが別々に作成されている。
【0137】
次に、このスイッチファブリック144の動作を図37のフローチャートに基づいて説明する。図37は、制御部144qによるマルチキャスト用の出力キューの作成/削除の動作を説明するためのフローチャートである。図において、制御部144qは、プロトコル処理管理部148からのマルチキャスト中継エントリの追加/削除の指示を取り込むと(ステップ731)、その指示がマルチキャスト中継エントリの増加を示すものかどうか判断する(ステップ732)。
【0138】
ここで、この指示がエントリの増加を示す場合には、マルチキャストのパケットの伝送に必要な帯域を、RADIUSなどの手段を用いて、このマルチキャストを監視しているサーバ群13に問い合わせて調べ(ステップ733)、この帯域に応じて重み付け(値M)したキューを作成して追加する(ステップ734)。そして、出力判定部144bのマルチキャストストリーム管理テーブル144b2に作成したキューに対応したエントリを追加し、スケジューラの重みテーブルに値を設定する(ステップ735)。
【0139】
次に、制御部144qは、追加したマルチキャスト中継のVLANと同一VLANのユニキャスト用のキューの重み付け(値U)を、U←U+Mに変更して(ステップ736)、スケジューラの重みテーブルの該当する値を変更する(ステップ737)。
【0140】
また、ステップ732において、取り込まれた指示がマルチキャスト中継エントリの増加を示すものでない場合には、その指示がマルチキャスト中継エントリの減少を示すものかどうか判断する(ステップ738)。ここで、この指示がマルチキャスト中継エントリの減少を示すものでない場合には、キューの増減はないと判断して上記動作を終了する。
【0141】
また、この指示がマルチキャスト中継エントリの減少を示す場合には、該当するマルチキャスト用のキューに残っているマルチキャストパケットを送出して(ステップ739)、この該当するマルチキャスト用のキューを削除するとともに(ステップ740)、マルチキャストストリーム管理テーブルに登録されていた該当エントリを削除する(ステップ741)。
【0142】
そして、削除されたマルチキャスト用のキューに割り当てられていた重み付け値Mを、同一VLANのユニキャスト用のキューの重み付け値Uに加算し、U←U+Mに変更して(ステップ742)、スケジューラの重みテーブルの該当する値を変更する(ステップ745)。
【0143】
次に、出力判定部144bによるユニキャスト/マルチキャストの判定動作を図38のフローチャートを用いて説明する。図において、出力判定部144bは、内部バスI/F部144aによって入力ポート側NPからのパケット入力があると(ステップ781)、内部ヘッダ部を識別し、ストリーム識別IDを検索する(ステップ782)。そして、このパケットがユニキャスト用のパケットかどうか判断する(ステップ783)。
【0144】
ここで、受信したパケットがユニキャスト用のパケットの場合には、この検索したストリーム識別IDからユニキャストストリーム管理テーブル144b1を参照して、出力ポートとキュー番号を選択し、対応する出力キューにエンキューする(ステップ784)。また、受信したパケットがユニキャスト用でない場合には、マルチキャスト用のパケットと判断し、マルチキャストストリーム管理テーブル144b2を参照して、加入者の数だけ、出力ポートとキュー番号を選択し、対応する出力キューにエンキューする(ステップ785)。
【0145】
この実施形態にかかるスケジューラ144l〜144nは、実施形態5で示したパケットの選択動作と同様の動作を行っており、各出力キューからのパケットを出力ポート側NP145〜147に出力する(図24参照)。また、この実施形態にかかる出力ポート側NP145〜147も、実施形態5で示したパケットの送受信制御と同様の動作を行っており、スイッチファブリック144から入力するIPパケットに対して、受信不可能状態を通知することでパケットの送受信制御の処理を行っている。
【0146】
プロトコル処理管理部148は、実施形態5で説明した構成と基本的に同じであるが、図13に示すように、実施形態5のテーブルの他に、マルチキャストルーティングテーブル148fと、マルチキャスト受信者テーブル148gと、図示しない受信者生存タイマとを有しており、IGMP(Internet Group Management Protocol)パケットの受信に対して、これらテーブルを用いて出力判定部144bのマルチキャストストリーム管理テーブル144b2とマルチキャスト受信者テーブル148gのエントリ変更などを行っている。
【0147】
なお、このIGMPパケットは、図39の構成図に示すように、MACヘッダ部と、IPヘッダ部と、IGMPメッセージとからなる。そして、このIGMPメッセージは、8バイトのタイプ(Type)と、8バイトの最大応答時間(Max Resp Time)と、16バイトのチェックサム(Checksum)と、32バイトのグループIPアドレス(Group Address)とから構成されている。このグループIPアドレスには、受信者が参加したいマルチキャストアドレスが格納されている。
【0148】
マルチキャストルーティングテーブル148fは、図40に示すように、パケットの宛先のグループを示すグループIPアドレスと、マルチキャストストリームの識別番号を示すマルチキャストストリーム識別IDとから構成されている。また、マルチキャスト受信者テーブル148gは、図41に示すように、グループIPアドレスと、これに対応させて受信者IDと、出力ポートと、VLAN IDと、受信者(加入者)の生存時間を示す生存タイマの情報とから構成されている。
【0149】
次に、プロトコル処理管理部148によるマルチキャスト受信者テーブル148gのエントリ変更動作を、図42と図43のフローチャートを用いて説明する。このような構成において、プロトコル処理管理部148では、図42のIGMP受信時におけるマルチキャスト受信者テーブル148gのエントリ変更動作を説明するためのフローチャートに示すように、加入者PCからIGMPパケットを受信すると(ステップ801)、このパケットのIGMPメッセージのタイプがメンバーシップレポート(Menbership Report)かどうか判断する(ステップ802)。
【0150】
ここで、IGMPメッセージのタイプがメンバーシップレポートの場合には、次にマルチキャスト受信者テーブル148gに、メッセージのグループIPアドレスに対応するエントリがあるかどうか判断する(ステップ803)。ここで、対応するエントリがある場合には、受信者生存タイマを再スタートさせ(ステップ804)、また対応するエントリがない場合には、このマルチキャスト受信者テーブル148gにエントリを追加し、予め時間が設定されている受信者生存タイマをスタートさせる(ステップ805)。
【0151】
次に、プロトコル処理管理部148は、マルチキャストルーティングテーブルに該当するグループIPアドレスのエントリがあるかどうか判断する(ステップ806)。ここで、このエントリがある場合には、スイッチファブリック144の制御部144qに対して、マルチキャストストリーム管理テーブル内のマルチキャスト中継エントリの追加を指示する(ステップ807)。
【0152】
また、このエントリがない場合には、プロトコル処理管理部148は、このマルチキャスト中継エントリの追加の指示を行わないので、図43の受信者生存タイマの満了時におけるマルチキャスト受信者テーブルのエントリ変更動作に示すように、受信者生存タイマが満了した時点で(ステップ851)、マルチキャスト受信者テーブル148gの該当するエントリを削除する(ステップ852)。そして、スイッチファブリック144の制御部144qに対し、マルチキャストストリーム管理テーブル144b2内のマルチキャスト中継エントリの削除を指示する(ステップ853)。
【0153】
また、図42のステップ802において、IGMPメッセージのタイプがメンバーシップレポートでない場合には、次にこのタイプがリーブグループかどうか判断する(ステップ808)。ここで、このタイプがリーブグループの場合には、受信者がマルチキャストの受信者グループから外れたものと判断して、マルチキャスト受信者テーブル148gの該当エントリを削除する(ステップ809)。
【0154】
次に、プロトコル処理管理部148は、同じグループに他の受信者がいるかどうか判断する(ステップ810)。ここで、同じグループに他の受信者がいない場合には、スイッチファブリック144の制御部144qに対し、マルチキャストストリーム管理テーブル144b2内のマルチキャスト中継エントリの削除を指示する(ステップ811)。また、同じグループに他の受信者がいる場合には、マルチキャスト中継エントリの削除指示は行わずに、このエントリ変更の動作を終了する。
【0155】
次に、入力ポート側NPからエントリミスヒットトラフィック受信の通知を受けた場合のテーブルの変更動作を、図44のフローチャートを用いて説明する。図において、プロトコル処理管理部148は、入力ポート側NPからエントリミスヒットトラフィック受信の通知を受け取ると(ステップ901)、受信したグループアドレスにマルチキャストストリーム識別IDを割り当て、マルチキャストルーティングテーブル148fのエントリに追加する(ステップ902)。
【0156】
次に、プロトコル処理管理部148は、マルチキャスト受信者テーブル148gに、この追加したグループアドレスに参加するエントリがあるかどうか判断する(ステップ903)。ここで、追加したグループアドレスに参加するエントリがある場合には、入力ポート側NP141〜143に対して、マルチキャストフォワーディングテーブルにこのエントリの追加を指示し(ステップ904)、さらにスイッチファブリック144に対して、マルチキャストストリーム管理テーブル144b2にマルチキャスト中継エントリの追加を指示する(ステップ905)。
【0157】
また、プロトコル処理管理部148は、マルチキャストエントリの監視も行っており、この監視を行うために図示しない監視タイマを有している。すなわち、プロトコル処理管理部148は、図45のフローチャートに示すように、マルチキャストエントリを監視するために、マルチキャストエントリ監視タイマが満了したかどうか判断しており(ステップ911)、このタイマが満了すると、入力ポート側NP141〜143のマルチキャストフォワーディングテーブル141c内の各エントリの中継パケット数を調べて(ステップ912)、この中継パケット数が前回より増えたかどうか判断する(ステップ913)。
【0158】
ここで、前回よりも中継パケット数が増えた場合には、この監視タイマを再スタートさせ(ステップ914)、また増えていない場合には、マルチキャストルーティングテーブル148fの該当グループアドレスのエントリを削除する(ステップ915)。
【0159】
さらに、プロトコル処理管理部148は、入力ポート側NPにおけるマルチキャストフォワーディングテーブル141cの該当エントリの削除を指示するとともに(ステップ916)、スイッチファブリック144の制御部144qに、該当するマルチキャスト中継エントリの削除を指示する(ステップ917)。
【0160】
このように、この実施形態では、VLAN毎のユニキャストとマルチキャストの通信形態の数に応じて出力キューを作成して、所定の重み付けによって伝送帯域を割り当てるので、実施形態2と同様に、通信形態の数の増減が他のVLANの伝送帯域の増減に影響を及ぼすことがなくなって、複数のVLAN間の公平性を簡易な方法で、かつ効果的に確保することができる。
【0161】
また、この実施形態では、ルーティングテーブルのエントリ変更時、エントリミスヒットトラフィック受信通知時、受信者の生存監視時、マルチキャストエントリ監視時などに、各テーブルのエントリ変更や変更指示を行うので、VLANの増減に対して、迅速にテーブルの変更を行うことが可能となる。
【0162】
この発明は、これら実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。この発明は、例えば、加入者識別に送信元/宛先IPアドレスを使う場合にも応用が可能であり、この場合にも実施の形態1〜4で示した効果を得ることができる。
【0163】
また、この発明は、加入者集約装置を削除してエッジルータと加入者PCを直接接続させるネットワークシステムにも、無論用いることが可能であり、この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0164】
また、この発明は、加入者PCが加入者ルータに接続され、加入者ルータが加入者集約装置やエッジルータと接続するネットワークシステムにも、無論用いることが可能であり、この場合にも、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0165】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の請求項1,3では、パケットを送受信するための仮想ネットワークが構築された複数の加入者ホストとバックボーンネットワーク間で、前記パケットの中継を行うパケット中継方法において、各VLAN/各加入者に対応付けられた蓄積手段であるキューを作成/削除し、受信したパケットの宛先アドレスを検索してVLAN IDを決定し、該当VLAN/該当加入者に対応するキューにこのパケットのデータを蓄積させるとともに、所定のスケジューリング方式によって順番に取り出して送出するので、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保して、トラフィック量の大きな加入者に物理リンクが占有されることのないパケット中継方法を提供できる。
【0166】
また、この発明の請求項2,4では、ユニキャストとマルチキャストの通信形態が存在する場合に、このそれぞれにキューを作成し、受信したパケットの通信形態と宛先IPアドレスを検索してVLAN IDを決定し、該当VLAN/該当加入者に対応するキューにこのパケットのデータを蓄積させるとともに、所定のスケジューリング方式によって順番に取り出して送出するので、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保することができる。
【0167】
また、この発明の請求項5では、キューにトラフィック量の重み付けが設定され、入力するパケットのデータをキューに蓄積させ、重み付けに応じたトラフィック量で蓄積されているパケットを送出するので、通信形態に対して帯域割り当ての公平性を確保することができる。
【0168】
また、この発明の請求項6〜8は、ラウンドロビン方式、カレンダーキューイング方式、タイムスタンプ方式のいずれか一つのスケジューリング方式によって、同一VLAN/同一加入者の各キューの重み付けを一定にし、まずマルチキャストに所定トラフィック量の重み付けを行い、次にユニキャストに残りのトラフィック量の重み付けを行い、VLAN毎/加入者毎にこの一定量の割合でパケット送出を行うので、加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保することができる。
【0169】
また、この発明の請求項9,11では、各VLAN/各ラベルに対応した蓄積手段を、その追加/削除に応じて作成制御手段が作成/削除し、このVLAN/ラベルに対応する蓄積手段にパケットデータを蓄積させるとともに、送出手段で順番に取り出して送出するので、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保することができる。
【0170】
また、この発明の請求項10,12では、ユニキャストとマルチキャストの通信形態が存在する場合に、このそれぞれにキューを作成制御手段で作成または削除し、受信したパケットから通信形態と宛先IPアドレス/ラベルを検索して、蓄積制御手段において、該当VLAN/該当ラベルと通信形態に対応する蓄積手段にこのパケットデータを蓄積させ、送出手段による所定のスケジューリング方式によって順番に、各キューに蓄積されたパケットデータを取り出して送出するので、通信形態に対して帯域割り当ての公平性を確保することができる。
【0171】
また、この発明の請求項13,14では、パケットデータの送出時に、ラウンドロビン方式、カレンダーキューイング方式、タイムスタンプ方式のいずれか一つのスケジューリング方式によって、蓄積されているパケットデータをこの設定されたトラフィック量の重み付けに応じて、順番にこの所定トラフィック量ずつ取り出して送出するので、加入者間の公平性を確保することができる。
【0172】
また、この発明の請求項15では、バックボーンネットワークと加入者ホスト間に、この発明にかかるパケット中継装置を配設し、各VLAN/各ラベルに対応して作成されたキューにパケットデータを格納するとともに、このパケットデータを順番に取り出してバックボーンネットワークまたは加入者ホストに送出するので、各加入者に対して帯域割り当ての公平性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるネットワークシステムの構成の実施形態の一例を示す構成図である。
【図2】図1に示したネットワークシステムで送受信されるパケットのフレーム構成の一例を示す構成図である。
【図3】図1に示したエッジルータの構成の一例を示す構成図である。
【図4】この発明の実施の形態1におけるネットワークシステムにおけるエッジルータの動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】図1に示した加入者集約装置の構成の一例を示す構成図である。
【図6】図5に示したL2処理部が有する加入者テーブルの構成内容を示す図である。
【図7】同じく、ネットワークシステムにおけるL2処理部のパケット中継動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態2におけるネットワークシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図3に示したエッジルータでVLNA毎に作成されるキューの一例を示す概念図である。
【図10】図1に示したネットワークシステムで送受信されるパケットのフレーム構成の他例を示す構成図である。
【図11】この発明の実施の形態3におけるネットワークシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態4におけるネットワークシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】図1に示したエッジルータの構成の他例を示す構成図である。
【図14】図13に示した入力ポート側NPの構成の一例を示す構成図である。
【図15】図14に示したユニキャストフォワーディングテーブルの構成内容を示す図である。
【図16】図13に示した入力ポート側NPのパケット処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図17】ユニキャストの場合のパケットに付加されるスイッチ内部ヘッダのヘッダ構成を示す構成図である。
【図18】図13に示したスイッチファブリックの構成の一例を示す構成図ある。
【図19】図18に示した出力判定部が有するユニキャストストリーム管理テーブルの構成内容を示す図である。
【図20】図18に示したスケジューラの構成の一例を示す構成図である。
【図21】図20に示したスケジューラが有する重みテーブルの構成内容を示す図である。
【図22】図18に示した制御部によるユニキャスト用の出力キューの作成/削除の動作を説明するためのフローチャートである。
【図23】図18に示した出力判定部の判定動作を説明するためのフローチャートである。
【図24】図18に示したスケジューラのパケット選択動作を説明するためのフローチャートである。
【図25】図13に示した出力ポート側NPの構成の一例を示す構成図である。
【図26】図25に示したパケット処理部のパケット送受信動作を説明するためのフローチャートである。
【図27】図13に示したルーティングテーブルの構成内容の一例を示す図である。
【図28】同じくARPテーブルの構成内容の一例を示す図である。
【図29】同じくMACテーブルの構成内容の一例を示す図である。
【図30】同じく論理I/F VLANテーブルの構成内容の一例を示す図である。
【図31】同じくストリーム管理テーブルの構成内容の一例を示す図である。
【図32】図13に示したプロトコル処理管理部のプロトコル処理および管理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図33】図14に示したマルチキャストフォワーディングテーブルの構成内容を示す図である。
【図34】図13に示した入力ポート側NPのマルチキャストパケットのパケット処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【図35】マルチキャストの場合のパケットに付加されるスイッチ内部ヘッダのヘッダ構成を示す構成図である。
【図36】図18に示した出力判定部のマルチキャストストリーム管理テーブルの構成内容を示す図である。
【図37】図18に示した制御部によるマルチキャスト用の出力キューの作成/削除の動作を説明するためのフローチャートである。
【図38】図18に示した出力判定部によるユニキャスト/マルチキャストの判定動作を説明するためのフローチャートである。
【図39】IGMPパケットのフレーム構成の一例を示す構成図である。
【図40】図13に示したマルチキャストルーティングテーブルの構成内容を示す図である。
【図41】図13に示したマルチキャスト受信者テーブルの構成内容を示す図である。
【図42】IGMP受信時における図41に示したマルチキャスト受信者テーブルのエントリ変更動作を説明するためのフローチャートである。
【図43】同じく、受信者生存タイマの満了時におけるマルチキャスト受信者テーブルのエントリ変更動作を説明するためのフローチャートである。
【図44】エントリミスヒットトラフィック受信の通知を受けた場合のテーブルの変更動作を説明するためのフローチャートである。
【図45】マルチキャストエントリの監視動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 バックボーンネットワーク
11,14 ルータ
12 コンテンツ配信サーバ
13 サーバ群
14 エッジルータ
14a 入力ポート
14b パケット処理部
14c パケット識別部
14d,144c〜144k キュー
14e 選択部(スケジューラと出力ポート側NP)
14f 出力ポート
14g 制御部
15〜17 加入者集約装置
15a 受信部
15b 送信部
15c L2中継処理部
18〜32 加入者PC
141〜143,145〜147 NP
141a,145a パケット処理部
141b ユニキャストフォワーディングテーブル
141c マルチキャストフォワーディングテーブル
144 スイッチファブリック
144a,144p 内部バスI/F部
144b 出力判定部
144b1 ユニキャストストリーム管理テーブル
144b2 マルチキャストストリーム管理テーブル
144l〜144n スケジューラ
144l1 キュー選択部
144l2 重みテーブル
144q 制御部
148 プロトコル処理管理部
148a ルーティングテーブル
148b ARPテーブル
148c MACテーブル
148d 論理I/F VLANテーブル
148e ストリート管理テーブル
148f マルチキャストルーティングテーブル
148g マルチキャスト受信者テーブル

Claims (12)

  1. マルチプロトコル・ラベル・スイッチングのパケットを送受信するためのラベルが設定された複数の加入者ホストとバックボーンネットワーク間で、前記パケットの中継を行うパケット中継方法において、
    前記設定されたラベルに対応して設けられ、該当するパケットのデータをそれぞれ蓄積するための蓄積手段を作成する作成工程と、
    取り込まれた前記パケットのラベルに基づいて、該当する加入者に対応する前記蓄積手段に当該パケットデータを蓄積させる蓄積工程と、
    前記蓄積手段に蓄積された前記パケットデータを、所定のスケジューリング方式によって順番に取り出して送出する送出工程とを含むことを特徴とするパケット中継方法。
  2. 前記作成工程では、前記パケットの通信形態がユニキャストとマルチキャストで異なる蓄積手段を作成し、
    前記蓄積工程では、受信したパケットの通信形態とラベルに基づいて、該当する加入者に対応する蓄積手段に当該パケットデータを蓄積させることを特徴とする請求項に記載のパケット中継方法。
  3. 前記各蓄積手段に対してトラフィック量の重み付けが設定されており、前記送出工程では、該重み付けに応じたトラフィック量で前記蓄積手段から前記パケットを取り出すことを特徴とする請求項1または2に記載のパケット中継方法。
  4. 前記送出工程では、前記重み付けのうち、同一の前記仮想ネットワークのユニキャストとマルチキャストに対応する蓄積手段に一定量の重み付けが設定されており、前記マルチキャストのトラフィック量に基づいて重み付けを設定し、かつ前記一定量のうち、残りのトラフィック量の重み付けを前記ユニキャストに設定することを特徴とする請求項に記載のパケット中継方法。
  5. 前記送出工程では、前記重み付けのうち、同一の前記加入者のユニキャストとマルチキャストに対応する蓄積手段に一定量の重み付けが設定されており、前記マルチキャストのトラフィック量に基づいて重み付けを設定し、かつ前記一定量のうち、残りのトラフィック量の重み付けを前記ユニキャストに設定することを特徴とする請求項に記載のパケット中継方法。
  6. 前記送出工程では、前記各蓄積手段に蓄積された前記パケットデータを、ラウンドロビン方式、カレンダーキューイング方式、タイムスタンプ方式のいずれか一つのスケジューリング方式によって順番に、かつ該蓄積手段毎に重み付けに応じたトラフィック量で取り出すことを特徴とする請求項のいずれか一つに記載のパケット中継方法。
  7. マルチプロトコル・ラベル・スイッチングのパケットを送受信するためのラベルが設定された複数の加入者ホストとバックボーンネットワーク間に接続され、前記加入者ホストとバックボーンネットワーク間のパケット中継を行うパケット中継装置において、
    前記設定されたラベルに対応して設けられ、該当するパケットのデータをそれぞれ蓄積する蓄積手段と、
    追加または削除される前記ラベルに対応して、前記蓄積手段を作成または削除する作成制御手段と、
    取り込まれた前記パケットのラベルに基づいて、前記作成された蓄積手段に当該パケットデータを蓄積させる蓄積制御手段と、
    前記各蓄積手段に蓄積された前記パケットデータを所定のスケジューリング方式によって順番に取り出して送出する送出手段とを備えたことを特徴とするパケット中継装置。
  8. 前記作成制御手段は、前記設定されたラベルに対して、前記パケットの通信形態がユニキャストとマルチキャストのグループで異なる蓄積手段を作成するとともに、該マルチキャストのグループ毎に異なる蓄積手段を作成し、
    前記蓄積制御手段は、受信した前記パケットの通信形態の各グループのデータと前記ラベルに基づいて、該当する前記蓄積手段に該パケットデータを記憶させることを特徴とする請求項に記載のパケット中継装置。
  9. 前記各蓄積手段には、トラフィック量の重み付けが設定されており、
    前記送出手段は、該重み付けに応じたトラフィック量で該当する前記蓄積手段から前記パケットを取り出すことを特徴とする請求項7または8に記載のパケット中継装置。
  10. 前記送出手段は、前記各蓄積手段に蓄積された前記パケットデータをラウンドロビン方式、カレンダーキューイング方式、タイムスタンプ方式のいずれか一つのスケジューリング方式によって順番に取り出して送出することを特徴とする請求項7または9に記載のパケット中継装置。
  11. パケットの送受信を行うバックボーンネットワークと、
    前記パケットを送受信するための仮想ネットワークが構築された複数の加入者ホストと、
    前記バックボーンネットワークと加入者ホスト間に接続され、前記パケットの中継を行う請求項9または10に記載のパケット中継装置とを備えたことを特徴とするネットワークシステム。
  12. パケットの送受信を行うバックボーンネットワークと、
    マルチプロトコル・ラベル・スイッチングの前記パケットを送受信するためのラベルが設定された複数の加入者ホストと、
    前記バックボーンネットワークと加入者ホスト間に接続され、前記パケットの中継を行う請求項10のいずれか一つに記載のパケット中継装置とを備えたことを特徴とするネットワークシステム。
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