JP4028251B2 - 偏波モード分散補償方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は偏波モード分散補償方法に関し、詳しくは追従性の良好な偏波モード分散補償方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の光伝送システムの進展、普及に伴い、システムの伝送容量を増大させるために、波長分割多重(WDM)方式による多チャンネル化が進められている。この多チャンネル化と並んで、伝送容量を増大させる方法としては、各チャンネルの光パルスのビットレートを増大させる方法があり、現在では、10Gbpsの導入が進んでいる。そして、最近では、今後実用化が期待されている40Gbpsの導入が展望されている。
【0003】
このようなハイビットレートの光パルス伝送においては、その伝送品質の劣化を招くいくつかの要素がある。その1つが偏波モード分散(Polarization Mode Dispersion:PMD)である。これは、光パルスの伝送路である光ファイバの中でランダムに発生する複屈折に基因して、伝送されている光パルスにおいて、本来は縮退しているべき直交偏波モードが分離してパルス幅を拡大させるという現象である。このような現象を発現した光パルスは、もはや、正しい光信号としての機能を発揮しないことになる。
【0004】
したがって、最近の光ファイバでは、このPMDを小さくする努力がなされている。しかしながら、その値は、せいぜい、0.25ps/km1/2程度である。そして、そのような光ファイバを用いて40Gbpsのビットレートを採用した場合、光伝送が可能な距離は長くても90km程度であり、それ以上の距離の光伝送を実現することはできない。
【0005】
また、これまでに敷設されてきた古い光ファイバのPMDは1ps/km1/2程度であるため、ビットレートを10Gbpsにするとその光伝送可能な距離は170km程度であり、ましてや、ビットレートを40Gbpsにすると10km程度までしか光伝送を実現することができない。このように、既設の光ファイバを用いた光伝送システムにおいて、ビットレートを10Gbpsに高める場合や、次世代光伝送システム用に新たな光ファイバを敷設してそのビットレートを40Gbps以上で運転しようとする場合には、PMDの影響が顕著に現れ、その結果、伝送容量が大きく、実用的な光伝送システムの構築が困難になる。
【0006】
そのため、PMDを補償する各種の偏波モード分散補償装置(PMD補償装置)が提供されている。ここで、代表的な装置を例示し、その機能について説明する。まず、Electron. Lett., vol.30, No.4, pp.384〜349,1994や、OFC'99, Technical Digest 86/WE5-1などの文献に記載されている装置について説明する。
【0007】
このPMD補償装置は、伝送路を伝搬してきた光信号の主偏光(Principal States of Polarization:PSP)と呼ばれる、分離した2つの直交偏光成分のそれぞれを、群遅延時間(Differential Group Delay:DGD)付与部として機能する偏波保持光ファイバ(Polarization Maintain Fiber:PMF)における直交する2個の固有偏光(Eigen States of Polarization:ESP)のそれぞれに偏光変換する偏波コントローラと、DGD付与部としての上記PMFと、伝搬してきた光パルスのPMDによる波形歪みをモニタとするモニタ手段と、このモニタ手段からの制御信号で上記偏波コントローラの運転を制御する制御装置を備えている。
【0008】
また、J. of Lightwave Technology, vol.12, No.15, pp891〜898, 1994や、OFC'99, paper TuS4, 1999などの文献には記載されている装置は、送信器端から受信器端に至る伝送路全体の系のPSPを、送信器から発振している光のSOPに一致させるように運転される。具体的には、前者の装置は、送信信号を周波数変調し、その偏光状態(Stateof Polarization:SOP)の周波数依存性を受信側で間接的に検知する。そして、送信信号のSOPと伝送路におけるPSPが一致しているか否かを確認しながら、送信器端に設けられている上記偏波コントローラを制御し、伝送路への入射信号のSOPをPSPに追随させるという態様で運転される。
【0009】
また後者の装置にあっては、偏波コントローラと伝送路で発生するPMDの量よりも大きいPMDを有する固定DGD付与部(例えばPMF)を受信器の前に配置し、ここで偏光度(Degree of Polarization:DOP)をモニタし、このDOPが最大値を示すように全体の系を運転制御することにより、系全体のPSPを送信信号のSOPに一致させている。
【0010】
なお、上記した説明において、あるDGDが与えられている2個のPSP間の当該DGDをPMDとしている。より厳密にいえば、PMDは送信信号のスペクトル内における各波長間のDGDの平均値である。また、上記したPSPは、ある伝送路に入射した送信信号のSOPを周波数に対して無依存としたときに、その伝送路からの出射偏光が周波数に対して1次のオーダで無依存であることを条件にして求められた偏光状態であるとしている。そして、この偏光状態PSPは、送信信号のスペクトル幅が充分に狭いことと、PMDが極端に大きくないということを前提にして求められている。
【0011】
ところで、これらのPMD補償装置に組み込まれるDGD付与部としては、例えばPMFで構成された固定タイプのDGD付与部がある。また、図11で示したように、偏光成分を分離する偏光分離素子を備え、分離されたそれぞれの偏光成分の伝搬距離を可動鏡により空間的に変化させて各偏光成分間のDGDをゼロ化する可変タイプのものがある。このDGD付与部は、変換の対象である偏光が直線偏光である場合にのみ機能することができる。
【0012】
そして、可変タイプのDGD付与部としては、図12で示したように、τ1のDGDを与えるPMFのような一軸性複屈折媒質と、τ2のDGDを与える別のPMFのような一軸性複屈折媒質の間に偏光回転子が配置された可変タイプのものもある。この可変タイプのDGD付与部は、変換の対象である偏光が直線偏光である場合に限らず、例えば楕円偏光を含む任意偏光に対しても機能することができる。
【0013】
ところで。このようなPMDの補償方法としては次のような2種類の方法が知られている。その説明を進めるに当たり、まず、ストークス空間を想定する。このストークス空間とは、その直交基底が0ー直線偏光成分の強度S1、45ー直線偏光成分の強度S2、および右回り円偏光の強度S3である3次元空間であり、その空間内の単位円がポアンカレ球に相当する。S1,S2,S3はストークスパラメータと呼ばれる。
【0014】
そして、このストークス空間内において、変調直後の伝送路への送信信号のSOPを示すベクトルをSin、伝送路で発生するPMDのベクトルをΩt、偏波コントローラが備える偏光変換をT1,DGD付与部におけるPMDのベクトルをΩcとして想定する。ここで、PMDのベクトルΩtは、その単位ベクトルが遅いPSPを表すものとする。そして、ベクトルの向きは遅いPSPの向きと同じであり、ベクトルの大きさは2個のPSP間のDGDで与えられる。
【0015】
以上の表示規定を踏まえて、最初に、PMDの補償に関する第一の補償方法の作用を図13に示す。この方法は、図11及び12で示したDGD付与部を含む系に適用され、伝送路で発生したPMDを直接補償する方法である。この方法では、伝送路の入射端における送信信号のSOPであるベクトルSinには、伝送路を伝搬する過程でベクトルΩtで示されるPMDが与えられる。このベクトルΩtは、伝送路の状態(例えば外部から圧力が加わっているなど)に応じて、その大きさと方向が常に変化している。
【0016】
DGD付与部は、大きさが可変であるPMDベクトルΩcを有し、偏波コントローラは、それが有する偏光変換作用に対応した偏光変換T1を有している。偏波コントローラが偏光変換T1によりPMDベクトルΩcの方向を変化させながら、DGD付与部がPMDベクトルの大きさを変化させることにより、PMDベクトルΩtと大きさが等しく、かつ、方向が逆であるPMFベクトルΩc’・Tが得られる。その結果、ベクトルΩtとベクトルΩc´・T1とが打ち消しあい、ここに、ベクトルΩtの補償が実現する。
【0017】
なお、上記した補償方法では、DGD付与部として、図11及び12で示した可変タイプのものを用いてベクトルΩcの大きさを変化させているが、固定タイプのDGD付与部を用いる場合には、当然のことながら、ベクトルΩcを変化させることができない。したがって、固定タイプのDGD付与部を用いる場合は、例えば、|Ωt+Ωc・T1|<|Ωt|のときには上記した補償方法を実施し、その他のときには、全く補償を行なわないか、あるいは、後述する第二の補償方法を採用するという態様で補償方法を適宜選択することが必要となる。
【0018】
次に、PMDの補償に関する第二の補償方法の作用を図14に示す。なお、一般に、この第二の方法は固定タイプのDGD付与部に適用されているが、可変タイプのDGD付与部に適用してもよい。この第二の補償方法では、伝送路によって送信信号に与えられたPMDベクトルΩtと、偏光変換T2によって変換されたDGD付与部のPMDのベクトルΩc・T2の和が、伝送路の入射端における送信信号のSOPであるベクトルSinと同じ方向を向くように設定される。
【0019】
伝送路の入射端における送信信号のSOPのベクトルSinと、伝送路、偏波コントローラ、およびDGD付与部から成る系全体のPMDのベクトル(Ωt+Ωc・T2)とが同じ方向を向いているということは、送信信号が系全体のPSPに入射されていることを意味する。ここで、ベクトルSinで示される任意の偏光が系に入射した際には、この光は系の2つの直交するPSPで示される偏光に分離して伝搬し、これら分離した偏光間にDGDすなわちPMDが与えられる。したがって、送信信号(光パルス)が一方のPSPに入射した場合、他方のPSPで示される偏光は発生しないのでPMDが発生することない。そしてこのことは、前記したようにPSPが1次のオーダで周波数無依存である場合には常に成立する。
【0020】
この第二の補償方法において、PSPによる伝送を実現するためにDGD付与部に要求される特性としては、系全体のPMDのベクトル和(Ωt+Ωc・T2)が必ず入射SOPのベクトルSinの方向に向く条件のみを備えていればよい。具体的には、|Ωt|≦|Ωc|のみが成立していればよい。すなわち、DGD付与部におけるDGD|Ωc|は固定値になっていてもよいのである。
【0021】
したがって、この第二の方法は第一の方法に比べて実施が容易であり、しかも、前記した1次のオーダでのPSPの周波数無依存が成立していれば、PMDは完全に補償されることになる。第一の方法において、PMD補償を制御する一般的な方法としては、系全体の最終的なPMD量、すなわち、|Ωt+Ωc’・T1|量と相関のある、強度変調されている送信信号の特定周波数(通常は送信信号のビットレートの半周波数が採用される)の光強度Inをモニタする。このモニタ動作は、送信信号のパルス広がりを直接観察していることに相当する。
【0022】
したがって、この光強度Inが最大であるときには、系全体のPMD量が最小(パルスが最も広がらない状態)になっているため、光強度Inの最大値制御を行って、系全体の最終的なPMD量がモニタされる(Electron, Lett., vol.30, No.4, pp.384〜349,1994や、OFC'99, Technical Digest 86/WE5-1などを参照)。一方、第二の方法の場合は、PSPで伝送する送信信号は周波数について1次のオーダではPMDを受けない。すなわちPMD=0であるため、DOPの劣化は起こらない。
【0023】
したがって、第二の方法においては、DOPをモニタしてその最大値制御を行うことにより、PMD補償制御が実施される(OFC'99, paper TuS4, 1999)。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
いま、光伝送路の状態が、統計的にみて、特定の状態に偏っておらず、伝送路の2つの直交PSPのうち、特定の一方が常に光の伝搬速度の速い軸(速いPSP)、他方が遅い軸(遅いPSP)というように偏っておらず、そのどちらにも成り得る場合を考える。
【0025】
この場合、図1に模式的に示したように、光伝送路における補償対象のPMDベクトルΩtは、ストークス空間において連続的に方向及び長さを変え、長さがゼロとなる瞬間の近傍で方向が逆転することがある。PMDベクトルの方向が逆転するということは、速いPSPと遅いPSPが入れ替わったことを意味し、この方向転換の瞬間前のDGDを正にとった場合、この瞬間後のDGDは負となる。
【0026】
ところで、例えば図11に示した可変DGD付与部にあっては、常に遅延経路を伝搬する光に対してのみ群遅延時間が付与され、DGDのダイナミックレンジは正から負、或いは負から正の範囲にわたっていない。かかる可変DGD付与部を用いて、伝送路のPMDベクトルΩtを上記した2つの補償方法のいずれかにて補償するためには、偏波コントローラの偏光変換TによってΩtを逆転させなければならない。このことは、図12に示したDGD付与部の場合にもあてはまる。
【0027】
しかしながら、偏波コントローラの制御という観点からいえば、Ωtを逆転させるということは不連続な制御であって、その連続的な制御に一瞬の断絶が不可避であるだけではなく、アルゴリズムが複雑になるという問題がある。そして、可変DGD付与部のDGDのダイナミックレンジがゼロをまたいでいないと、そのPMDベクトルΩcが常に一つの方向を向いているために、偏波コントローラに要求される偏波可変範囲が全偏波に渡り、その構成が複雑になるという問題もある。
【0028】
本発明は、上記した問題を解決し、群遅延時間のダイナミックレンジが負から正、あるいは正から負の範囲に及ぶ群遅延時間付与部を備えた偏波モード分散補償装置と、それを用いた偏波モード分散補償方法の提供を目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、任意の偏光状態の光を所定の偏光状態の光へ変換する偏光変換工程と、前記偏光変換後の光に所定の群遅延時間差を付与する群遅延時間差付与工程と、光伝送路を伝搬した光の偏波モード分散を偏光変換の直前にて検出し、前記検出結果に基づいて前記光に付与する偏光変換およびそれに続いて付与する群遅延時間差の付与をフィードバック制御するフィードバック制御工程とを有する偏波モード分散補償方法において、前記群遅延時間差付与工程は、前記群遅延時間差を、ゼロをまたいで、正から負および負から正に連続的に可変に変化させ、前記フィードバック制御工程は、前記群遅延時間差の絶対値が所定の閾値以下となったときに、前記偏光変換工程の制御を固定し、前記群遅延時間差付与工程のみの制御を行うことを特徴とする偏波モード分散補償方法が提供される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係わる実施形態を図面に基づいて説明する。図2の偏波分散補償装置Aは、光伝送路である光ファイバ2からの光を受光して、光伝送路を伝搬することによりその光に生じた偏波モード分散を補償しながら、例えば受信器に繋がる光ファイバ4を通して出射させる。
【0031】
図2の偏波分散補償装置A(以下、PMD補償装置Aという)は、偏波コントローラ6と、郡遅延時間付与部8(以下、DGD付与部8という)と、モニタ制御手段10とを備えている。光伝送路である光ファイバ2からPMD補償装置Aに入射した光は、まず、偏波コントローラ6に入射する。偏波コントローラ6としては、公知のものを使用することができ、光伝送路である光ファイバ2の終端における光の偏光状態、すなわち偏波コントローラ6に入射した任意の偏光状態の光を、所定の偏光状態の光へと変換して出射させるものであれば良い。
【0032】
偏波コントローラ6から出射した光は、短尺な偏光保持光ファイバ12(以下、PMF12という)を介してDGD付与部8に入射する。なお、偏波コントローラ6の後段に短尺なPMF12が配置されているのは、偏波コントローラ6から出射した光の偏光状態を維持しながらDGD付与部8へと入射させるためであって、PMF12を用いずに偏波コントローラ6とDGD付与部8を直接接続して空間的に一体化しても良い。また、光の偏光状態を維持する必要がないときにはシングルモード光ファイバを用いても良い。
【0033】
本発明では、DGD付与部8は図2に示した構成を有する。すなわち、DGD付与部8は、入射用コリメータ14と、入射用コリメータ14から出射した光を、互いに直交する2つの直線偏光、例えば図中、紙面に直交する方向に振動する直線偏光と紙面内にて振動する直線偏光に分離する偏光分離素子16と、分離された一方の直線偏光が伝搬する光路長が可変な可変遅延光路部18と、他方の直線偏光が伝搬する光路長が可変または固定であるオフセット遅延光路部20と、これらの光路部を伝搬した偏光を再び合波する偏光分離素子22と、合波された光をDGD付与部8から出射させる出射用コリメータ24とを備える。
【0034】
可変遅延光路部18は、2枚のミラー26,28と、プリズム30と、可動鏡32とから構成され、可動鏡32は互いに直交する2枚の反射面34,36を有する。そして、可動鏡32及びプリズム30は同軸上に配置されており、可動鏡32は、この軸方向、すなわち図中矢印で示した方向にプリズム32との相対位置を変化させる移動手段(図示しない)を備えている。
【0035】
オフセット遅延光路部20は、プリズム38、可変減衰器40、およびミラー42から構成され、ミラー42は互いに直交する2枚の反射面44,46を有する。本発明では、2つの偏光分離素子16,22間において可変遅延光路部18により形成される可変遅延光路の光路長は、オフセット遅延光路部20により形成されるオフセット遅延光路の光路長に対し、可動鏡32を移動手段により移動させることにより、長くすることも短くすることも可能である。
【0036】
DGD付与部8の出射用コリメータ24からは光ファイバ4が延び、光ファイバ4には分波器48が介挿されている。分波器48は、DGD付与部8の出射用コリメータ24から出射した光の一部を分離してモニタ制御手段10へと導き、残りの光はPMD補償装置Aから出射する。なお、分波器48からモニタ制御手段10までの光の伝搬距離(ファイバ長さ)は、光伝送路(光ファイバ2)により与えられる又は補償する偏波モード分散の値(PMD値)よりも十分小さい値となるように設定される。
【0037】
モニタ制御手段10は、分波器48により導かれた光を検出し、その検出結果に基づいて、偏波コントローラ6の偏光変換及びDGD付与部8のDGDを適宜フィードバック制御でき、かつ、後述する逆転制御を実行できるものであればよい。具体的には、特定周波数の光強度をモニタする場合、モニタ制御手段10は、例えばフォトダイオードによって光信号を電気信号に変換した後、狭帯域バンドパスフィルタによってモニタする周波数を切り出し、その強度を制御量とする。
【0038】
また、DOPをモニタする場合、モニタ制御手段10は、光の強度S0を含めた4つのストークスパラメータ(S0,S1,S2,S3)をモニタできる一般的なポラリメータによって得た値から、DOPをVとしたときに、次式:
【0039】
【数1】
【0040】
よりDOPを算出し、これを制御量とする。上述したPMD補償装置Aは以下の作用を有する。光ファイバ2を伝搬してきた光は、互いに直交する任意の2つの主偏光(PSP)からなる。まず、偏波コントローラ6は、これらの任意偏光を、互いに直交する2つの直線偏光であって、DGD付与部8の偏光分離素子16により互いに分離可能な直線偏光へと偏光変換する。
【0043】
そして、DGD付与部8に入射したこれら2つの直線偏光は、一方は可変遅延光路部18を伝搬し、他方はオフセット遅延光路部20を伝搬する。各光路部を伝搬する光の所要時間をそれぞれTv、Tsとすると、DGD付与部8がこれらの直線偏光間に付与するDGDは、これらTvとTsの差となる。本発明では、オフセット遅延光路部20をDGD付与部8に設けたことによって、2つの直交偏光間の光路長を、一方に対して長短自在に可変させることができる。具体的には、Tv≧Tsとなるように可変群遅延光路部18の光路長を調整してDGDを正の値としたり、Tv≦Tsとなるように可変群遅延光路部18の光路長を調整してDGDを負の値とすることができる。
【0041】
かくして、本発明では、DGD付与部8が付与するDGDのダイナミックレンジを、正から負、あるいは負から正へとゼロをまたぐように設定することができる。すなわち、DGD付与部8が付与するDGDの符号を逆転させることができる。そしてこのことは、ストークス空間内において、DGD付与部8のPMDベクトルΩcの方向を逆転可能であることと等価である。そして、このPMDベクトルΩcの方向が逆転するということは、別の表現によれば、DGD付与部8の速いPSPと遅いPSPを入れ替えるということと同義になる。
【0042】
したがって、本発明では、光伝送路のPMDベクトルΩtが逆転した時に、DGD付与部8のPMDベクトルΩcを逆転させることができ、偏波コントローラ6による偏光変換Tのみで光伝送路のPMDベクトルΩtの逆転を補償する必要がない。そしてその結果、偏波コントローラ6の制御は容易となり、高精度に光伝送路の偏波モード分散を補償することができる。
【0043】
なお、このオフセット遅延経路20の光路長は、ミラー42を可動鏡として可変としても構わない。また、PMD補償装置Aの作用を、PMD補償装置Aを第一の補償方法に適用した場合について説明したが、PMD補償装置Aを第二の補償方法に適用可能であるのはもちろんのことである。
【0044】
図3は、本発明の第二の実施形態に係るDGD付与部50を示している。このDGD付与部50は、DGD付与部8の偏光分離素子16,22及びミラー26,28をプリズム54,56で、プリズム30,38をプリズム58で置換した以外は、DGD付与部8と同一の構成および作用を有する。そのため、DGD付与部50はDGD付与部8に代えてPMD補償装置Aに適用することができる。
【0045】
このDGD付与部50は、プリズム等を用いて構成されているので、作製が容易であり、PMD補償装置Aの生産性向上に資する。図4は、本発明の第三の実施形態に係るDGD付与部60を示し、DGD付与部60もDGD付与部8に代えてPMD補償装置Aに適用することができる。DGD付与部60は、偏光分離素子16,22の間に図12あるいは図13で例示したようなオフセット遅延光路を備えていないが、出射用コリメータ24に接続されたPMF62を備えており、これがオフセット遅延経路として機能する。以下では、このPMF62の作用について述べる。
【0046】
DGD付与部60にあっては、可変遅延光路部18により形成される光路は、可動鏡32により可変ではあるものの、偏光分離素子16,22間を真直に延びる光路に対して常に長い。すなわち、出射用コリメータ24から出射する時点では、可変遅延光路部18を伝搬した直線偏光は、他方の直線偏光に対して常に遅い。
【0047】
そこで本発明では、可変遅延光路部を伝搬した遅い直線偏光がPMF62の速い軸に、他方の可変減衰器40を通過してきた速い直線偏光がPMF62の遅い軸に入射するようにPFM62は接続されている。ここで、PMF62の速い軸を伝搬するということは、PMF62の遅い軸を伝播した場合に比べ、光路長が短いということである。したがって、適当な群遅延時間を有するPMF62を用いた場合、可動鏡32を移動させることにより、DGD付与部60全体として、偏波分離素子16より分波された一方の光の光路長を、他方の光の光路長に対して長短自在に可変することができる。
【0048】
図5は、本発明の第四の実施形態に係るDGD付与部64を示し、DGD付与部64もDGD付与部8に代えてPMD補償装置Aに適用することができる。DGD付与部64は、入射用コリメータ14と偏波分離素子16の間に、直交偏波を入れ替える偏光変換器66を備えている。すなわち、DGD付与部64においては、偏光変換器66によりその遅い軸と速い軸を入れ替え、全体としてDGDのダイナミックレンジがゼロをまたぐように構成されている。
【0049】
偏光変換器66を配置する位置は、偏波コントローラ6と偏波分離素子16の間であれば格段限定されない。そして偏光変換器66としては、リチウムナイオベート導波路や、ファラデー回転子などを用いることができる。なお、上記した第一乃至四の実施形態においては、その可変遅延光路部18及びオフセット遅延光路部20に、屈折率の大きな媒質を挿入して光路長を長くすることで小型化を図ることができる。
【0050】
図6は本発明の第五の実施形態に係るDGD付与部68を示し、DGD付与部68もDGD付与部8に代えてPMD補償装置Aに適用可能である。DGD付与部68は、2つのPMF70及びPMF72を備え、これらPMF70,72の間に偏光回転子が介挿されている。本発明では、これらPMF70及びPMF72のDGDをそれぞれτ1及びτ2としたときに、τ1とτ2の差がτ1あるいはτ2の1%以下となっている。なお、この場合、τ1とτ2のどちらが大きくとも良い。以下では、このτ1とτ2の関係について詳細に説明する。
【0051】
図6に示した可変DGD付与部68においては、偏光回転子74の回転角θを変化させることによって与えるPMDの量を変えることができる。すなわち、PMF70およびPMF72の複屈折軸の相対角度をψおよび、可変DGD付与部68全体のDGDをτtとしたとき、τtは次式:
【0052】
【数2】
【0053】
で表わされる。ただし、式(2)中では、回転角θによる位相量が小さいとして、偏光回転子5の回転角θの周波数依存性を無視している。そして、式(2)より、このDGD付与部68にあっては、回転角θを可変にすることによって、τtの値を|τ1−τ2|から|τ1+τ2|の範囲で変化させることができることがわかる。
【0054】
ここで、ψ=O(rad)に固定しながらτ1及びτ2を変化させた3つの場合、すなわちτ1=50(ps)かつτ2=50(ps)、τ1=50(ps)かつτ2=40(ps)、および、τ1=40(ps)かつτ2=50(ps)の場合における、τtのθ依存性を図7(a)に示し、また、ストークス空間におけるPSPのθ依存性を図7(b)〜(d)に示す。
【0055】
なお、図7(a)中、一点鎖線はτ1=50かつτ2=50、破線はτ1=50かつτ2=40、実線はτ1=40かつτ2=50のときのτtを示している。図7(a)より、τ1とτ2の間の大小関係にかかわらず、τtはあらゆる回転角θに対して常に正の値をとることがわかる。これは、そもそもτtを定義する段階で、遅いPSPのDGDから速いPSPのDGDを差し引くようにしている為である。従って、τ1とτ2の値を入れ替えたとしても、τtのθ依存性は何ら変わることはない。このことは、図7(a)において、τ1=50(ps)かつτ2=40(ps)の場合と、τ1=40(ps)及びτ2=50(ps)の場合のとで、τtのθ依存性が一致していることからわかる。
【0056】
しかし、実際には、τ1とτ2の間の大小関係によってDGD付与部の特性は異なっており、そのことは、τ1=50(ps)かつτ2=50(ps)、τ1=50(ps)かつτ2=40(ps)、および、τ1=40(ps)かつτ2=50(ps)の場合におけるPSPのθ依存性(図7(b)〜(d))を見ればわかる。なお、図7(b)〜(d)では、回転角θを0.1rad毎に0radから2radまで変化させたときの、各回転角θにおける遅いPSP及び速いPSPをそれぞれ●印及び×印で示し、これらPSPの変化の方向を矢印で示している。
【0057】
例えば、図7(c)に示したτ1=50(ps)およびτ2=40(ps)の場合(τ1≧τ2)、遅いPSP及び速いPSPは、回転角θの変化に伴って、ストークス空間の原点を挟んで互いに異なる軌跡を描く。これらの軌跡を含む領域R,R’を図7 (c)に示したように破線で描画した場合、2つの軌跡はそれぞれ領域R,R’内を折り返しながら変化し、遅いPSPと速いPSPの変化の軌跡が互いに重なることはない。
【0058】
そして、τ1の値がτ2の値に対して大きくなるほど、遅いPSP及び速いPSPの軌跡はより狭い領域R,R’内に収まるようになる。また、これらのPSPは、回転角θがπだけ変化すると、変化前と同じ元のPSPに戻る。図7(d)に示したτ1=40(ps)およびτ2=50(ps)の場合(τ1<τ2)、遅いPSPと速いPSPの変化の軌跡が重なって、ストークス空間内で同じ円を描く。そして、回転角θが0〜π変化したときに、これらPSPはそれぞれ一周して元に戻るので、図7(c)で示したτ1≧τ2の場合に比べ、PSPの変動範囲が大きいことがわかる。
【0059】
また、τ1≧τ2およびτ1<τ2の両方の場合において、回転角θの変化量に対するPSPの変化量が、回転角θの値によって異なっている。具体的には、PSPはθ=π/2(rad)付近で急激に変化する。そしてこのことは、τ1とτ2の値の差が小さい場合ほど顕著であって、τ1とτ2の値の差を小さくしていくと、PSPはθ=π/2(rad)付近でより急激に変化するようになり、やがてτ1=τ2となると、PSPはθ=π/2(rad)付近で不連続に変化する。
【0060】
このPSPの不連続な変化は、図7(b)に示したτ1=50ps及びτ2=50psの場合のPSPのθ依存性から明らかで、θ=π/2(rad)において、遅いPSPと速いPSPが入れ替わっている。θ=π/2(rad)の時にτtの値は0psであって、PSPが入れ替わっていることを考慮すれば、一方のPSPについて見れば、θ≧π/2(rad)の領域において負のDGDを持っていることになる。
【0061】
したがって、DGDが一方のPSPに対して0をまたぐように構成するには、τ1=τ2とすることが効果的である。しかし、現実的には完全に一致させることは不可能である。そこで本発明では、τ1とτ2とがほぼ一致するように構成される。τ1とτ2の差が非常に小さければ、先に述べたようにθ=π/2(rad)においてその変化量は非常に急峻であり、DGD付与部68の前段に設けられる偏波コントローラ6が追従しなければ、ほとんど遅いPSPと速いPSPが入れ替わったとみなすことができる。すなわち、DGD付与部68が与えるDGDの符号を逆転させることができる。
【0062】
そして、τ1とτ2とをほぼ一致させるということは、具体的には、τ1とτ2の差がτ1あるいはτ2のDGDの1%程度以下とすることである。なお、このとき、τ1とτ2のどちらが大きくなっていても構わない。図8は、本発明の第6の実施形態に係わるDGD付与部76である。DGD付与部76もDGD付与部8に代えてPMD補償器Aに適用することができる。
【0063】
DGD付与部76においては、PMF70とPMF78のDGDは互いに1%以上異なっており、DGD付与部76のPSPはθの変化に対して連続的に変化する。そのため、速いPSPは常に遅いPSPに対して速く、このことは、速いPSPの光路長は、常に遅いPSPの光路長に対して短いということと等価である。
【0064】
そこで本発明では、DGD付与部76は、オフセット遅延経路として、偏波コントローラ80及びPMF82を更に備えている。偏波コントローラ80は、PMF70,偏光回転子74,およびPMF78から成る系における速いPSP及び遅いPSPが、それぞれ、PMF82の遅い軸及び速い軸に入射するよう偏光変換する。
【0065】
ここで、PMF82の速い軸を伝搬するということは、遅い軸を伝播する場合に比べて光路長が短いということである。そのため、適当なDGDを有するPMF82を用いれば、DGD付与部76の一方のPSPの光路長を、他方のPSPの光路長に対して長短自在に可変することができる。なお、PMF70のDGDをτ1,PMF78のDGDをτ3、および、PMF82のDGDをτsとしたときに、τsの大きさは、DGD付与部76全体としてDGDの符号が逆転可能となるように、次式:|τ1−τ3|<τs<|τ1+τ3|で示される。
はθの変化に伴って変化する。従って、偏波コントローラ80の回転角は可変となっている。また、PMF82は複屈折結晶などの別の複屈折媒質で置き換えてもよい。図9は、本発明の第七の実施形態に係わるDGD付与部84を示している。DGD付与部84もDGD付与部8に代えてPMD補償器Aに適用することができる。
【0066】
DGD付与部84においては、PMF70とPMF78のDGDは互いに1%以上異なっており、PSPがθの変化に対して連続的に変化する。そのため本発明では、DGD付与部76は、偏波コントローラ6とPMF70の間に偏光変換器86を備え、この偏光変換器86により、DGDの符号を逆転させることができる。
【0067】
偏光変換器86は、DGD付与部84の前段に設けられている偏波コントローラ6の出射光の遅いPSPを速いPSPに、速いPSPを遅いPSPにそれぞれ変換できる偏光変換器であって、互いに直交する任意の偏光同士を入替える場合と入替えない場合のスイッチングができればよく、可変でなくとも構わない。以下では、上述したDGD付与部を備えたPMD補償装置Aを用いて、光伝送路の偏波モード分散を補償するための好適な方法を説明する。
【0068】
従来の制御方法では、光伝送路のPMDベクトルの大小とは無関係に、モニタ制御手段10は、モニタ値、例えばDOPまたは特定周波数強度に基づいて、モニタ値が最大となるように、偏波コントローラ6及びDGD付与部8をフィードバック制御する。具体的には、偏波コントローラ6の偏光変換T及びDGD付与部8の可動鏡32の変位量を、DGD付与部8のDGDの正負を逆転させることなくフィードバック制御する。
【0069】
しかし、光伝送路のPMDベクトルΩtの方向が逆転した場合、そのままモニタ値の最大値制御を行なうと、偏波コントローラ6によってフィードバック制御してきた偏光方向が逆転してしまう為、逆転した後の偏光方向を検索するためにフィードバック制御に遅れが発生してしまう。また、偏光方向を逆転させる偏光変換Tは最も遠い変換であるため、偏波コントローラ6には全偏光を全偏光に変換できる最も高い性能が必要であり、偏波コントローラ6の複雑化及び高価格化が避けられない。
【0070】
そこで本発明では、モニタ値が所定の閾値を超えた場合、あるいは、光伝送路の偏波モード分散が所定値以下となり、光伝送路のPMDベクトルΩtが逆転する可能性が高まった場合に限り、以下の逆転制御を行なう。この逆転制御では、まず、DGD付与部8のDGDを0に近い、例えば1ps程度の最小値GD、に設定してモニタ値1を取得する。次に、DGD付与部8のGDの符号を逆転させてモニタ値2を取得し、GDの符号を逆転させた前後でのモニタ値1,2を比較し、モニタ値が高い方の符号を有するGDをDGD付与部8のDGDとして選択する。
【0071】
そして、GDの符号を逆転させる際には、偏波コントローラ6の偏光変換は維持し、GDの符号の逆転のみによって、モニタ値を最大とする。ここで、図10はストークス空間におけるGDの符号変換を模式的に示している。球88は半径がGDであって、光伝送路のPMDベクトルΩtが球88の内部にあるときに、上記した逆転制御が行なわれる。
【0072】
図中、DGD付与部8のDGDを示すベクトルΩc’は大きさがGDである。モニタ制御手段10は、このΩc’が偏光変換されたベクトルΩc’・Tと、ベクトルΩc’の符号を逆転して偏光変換されたベクトル−Ωc’・Tとでモニタ値をそれぞれ測定する。図10の場合、ベクトル−Ωc’・Tのときの方が、ベクトルΩc’・Tのときに比べ、光伝送路のPMDベクトルΩtとの和が0に近くなる。したがって、このときは符号が逆転されたGDがDGDとして選択される。
【0073】
そして、モニタ値が閾値RDよりも小さくなった場合には、上記した逆転制御を止めて、DGDを正および負のうちいずれかモニタ値を高くする方に固定し、偏波コントローラ6とDGD付与部10により従来のフィードバック制御を行なう。したがって、本発明の逆転制御によれば、光伝送路のPMDベクトルΩtが逆転した時に、偏波コントローラ6によって、光伝送路のPMDベクトルΩtの向きを探すときに、その偏光を変化させる範囲を小さくすることができるので、制御に要する時間を短縮できる。
【0074】
さらに、このDGD付与部8のDGDの符号の逆転、すなわち、PMDベクトルΩcの逆転を利用すれば、偏波コントローラ6の偏光可変範囲がポアンカレ球の半球に限定されていても、DGD付与部と偏波コントローラにより得られるPMDベクトルΩc’・Tを、ポアンカレ球の全球にわたって可変とすることができる。
【0075】
なお、上記した逆転制御は、ベクトルΩtをベクトルアΩc’・Tのいずれかで打ち消すPMD補償の第一の方法(図13参照)に適用した場合について説明したが、ベクトルΩtと、ベクトルアΩc’・Tのいずれかとのベクトル和を、光伝送路に入射する光を示すベクトルSinと同方向とするPMD補償の第二の方法(図14参照)に適用できるのはもちろんである。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明のPMD補償装置が具備するDGD付与部は、付与するDGDの符号を逆転することができ、これを用いて光伝送路の偏波モード分散を補償した場合、光伝送路のPMDベクトルの方向が逆転した場合にも容易に偏波モード分散の補償制御を追従させることができる。
【0077】
また、本発明のPMD補償装置が具備する偏波コントローラは、偏光の可変範囲が全偏波にわたる必要がなく、機能が単純で低価格のものでよい。したがって、本発明の偏波モード分散補償装置およびそれを用いた偏波モード分散補償方法は、ハイビットレートの光伝送システムに用いてその工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】光伝送路のPMDベクトル逆転の説明図である。
【図2】PMD補償装置Aの概略構成図である。
【図3】PMD補償装置Aに具備されるDGD付与部の変形例1の概略構成図である。
【図4】PMD補償装置Aに具備されるDGD付与部の変形例2の概略構成図である。
【図5】PMD補償装置Aに具備されるDGD付与部の変形例3の概略構成図である。
【図6】PMD補償装置Aに具備されるDGD付与部の変形例4の概略構成図である。
【図7】DGDτt及びPSPのθ依存性を示す図である。
【図8】PMD補償装置Aに具備されるDGD付与部の変形例5の概略構成図である。
【図9】PMD補償装置Aに具備されるDGD付与部の変形例6の概略構成図である。
【図10】DGDの符号を逆転させるフィードバック制御方法の作用説明図である。
【図11】従来のPMD補償装置に具備されるDGD付与部の一例を示す概略構成図である。
【図12】従来のPMD補償装置に具備されるDGD付与部の他の例を示す概略構成図である。
【図13】PMD補償装置による第一のPMD補償方法の作用説明図である。
【図14】PMD補償装置による第二のPMD補償方法の作用説明図である。
【符号の説明】
6 偏波コントローラ
8,50,60,64,68,76,84 DGD付与部
10 モニタ制御手段
18 可変群遅延光路部
20 オフセット群遅延光路部
62,82 PMF
66,86 偏光変換器
Sin 光伝送路の入射端における光の偏光状態を示すベクトル
T,T1,T2 偏波コントローラによる偏光変換
Ωt 光伝送路のPMDベクトル
Ωc DGD付与部のPMDベクトル
Claims (1)
- 任意の偏光状態の光を所定の偏光状態の光へ変換する偏光変換工程と、
前記偏光変換後の光に所定の群遅延時間差を付与する群遅延時間差付与工程と、
光伝送路を伝搬した光の偏波モード分散を偏光変換の直前にて検出し、前記検出結果に基づいて前記光に付与する偏光変換およびそれに続いて付与する群遅延時間差の付与をフィードバック制御するフィードバック制御工程とを有する偏波モード分散補償方法において、
前記群遅延時間差付与工程は、前記群遅延時間差を、ゼロをまたいで、正から負および負から正に連続的に可変に変化させ、
前記フィードバック制御工程は、前記群遅延時間差の絶対値が所定の閾値以下となったときに、前記偏光変換工程の制御を固定し、前記群遅延時間差付与工程のみの制御を行うことを特徴とする偏波モード分散補償方法。
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