JP4028045B2 - 易開封性容器蓋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、殻体とライナーとから構成された易開封性容器蓋に関する。更に詳しくは、本発明は、円形天面壁、この天面壁の周縁から垂下するスカート壁、及びスカート壁の下端から延出する把持片を含み、天面壁及びスカート壁と共に把持片の少なくとも基部は金属薄板から一体に形成されており、把持片の両側からスカート壁を上方に延び、次いで天面壁の周縁部を円弧状に延びる一対のスコアが形成されている殻体と、殻体の天面壁の内面上で合成樹脂素材を型押成形することによって形成され、外周縁は一対のスコアの円弧状に延びる部分よりも半径方向外方に位置する円板状ライナーとから構成された易開封性容器蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述した形態の易開封性容器蓋は、円筒状口頸部の外周面には環状あご部が形成されている形態のガラス製又は合成樹脂製容器に適用される。ライナーは周縁シール部と中央薄肉部を有し、容器の口頸部に容器蓋が所要とおりに装着されると、ライナーの周縁シール部が口頸部頂面に密接され、これによって口頸部が密封される。容器の口頸部に容器蓋を装着する際には、口頸部に容器蓋を被嵌し、殻体のスカート壁の下部を半径方向内側に変形せしめて口頸部の環状あご部に係止せしめる。容器の口頸部を開封する際には、殻体の把持片を半径方向外方及び上方に引っ張ることによって殻体の一対のスコアを破断し、これによって環状あご部に対するスカート壁の係止を解除して容器蓋の全体を口頸部から除去する。
【0003】
而して、容器の口頸部を開封する際に殻体の一対のスコアを充分容易に破断し、容器蓋全体を充分容易に口頸部から除去することができるようになすためには、一対のスコアの相当部分を覆っているライナーを破断せしめる必要なくして一対のスコアを破断することができるように構成すると共に、一対のスコアの破断初期から中期に渡ってはライナーが殻体の天面壁から剥離され、ライナーを大幅に変形せしめる必要なくして殻体の天面壁を漸次変形せしめることができるように構成することが必要である。一対のスコアを破断する際にライナーも破断しなければならない場合には、相当大きな力を加えることが必要になる。また、ライナーがその略全領域に渡って殻体の天面壁の内面に接着されており、一対のスコアを破断する際には殻体の天面壁のみならずライナーも大幅に変形せしめなければならない、更に詳しくは大幅に折り曲げなければならない場合にも、同様に相当な力を加えることが必要になる。
【0004】
特公昭61−44736号公報に開示されている易開封性容器蓋においては、上述した要件を充足するために、一対のスコア間に位置し且つ把持片からは離隔された特定領域のみにおいてライナーを天面壁の内面に接着せしめている。かような容器蓋においては、殻体に形成されている一対のスコアの相当部分はライナーによって覆われているが、一対のスコアの破断すべき部分を覆っている領域においてライナーは天面壁の内面に接着されておらず、従ってライナーを破断する必要なくして一対のスコアを破断することができる。また、ライナーを天面壁の内面に接着している特定領域は把持片から離隔している故に、一対のスコアの破断初期から中期に渡ってはライナーは殻体の天面壁から剥離されて、実質上変形せしめられることなく略平坦な形態に維持され、殻体の天面壁のみがを漸次変形せしめられる。従って、過剰に大きな力を必要とすることなく女性及び子供でも充分に安定して一対のスコアを破断して容器蓋の全体を容器の口頸部から除去することができる。
【0005】
しかしながら、上記特公昭61−44736号公報に開示されている易開封性容器蓋は、内容物を加熱して容器に充填し、次いで容器の口頸部に容器蓋を装着して口頸部を密封し、しかる後に容器及びその内容物を冷却する所謂ホットパックに適用した場合、次のとおりの問題を発生せしめる。即ち、容器内に生成される減圧状態に起因して、天面壁の内面に接着されていない領域においてライナーが容器内に吸引されて局部的に下方に没入し、これによって口頸部頂面に密接せしめられていたライナーの周縁シール部も局部的に半径方向内側乃至下方に引っ張られ、かくして口頸部の密封が毀損される虞が少なくない。
【0006】
実公平7−32429号公報には、上記特公昭61−44736号公報に開示されている易開封性容器蓋における上記問題を解決するために、ライナーの周縁シール部の直ぐ内側に位置する環状接着域においてライナーを天面壁の内面に接着せしめることが開示されている。かようにせしめた場合には、非接着域においてライナーが局部的に下方に吸引せしめられても、環状接着域においてライナーが天面壁の内面に接着せしめられていることによって、ライナーの周縁シール部が半径方向内側乃至下方に引っ張られることが阻止され、かくして口頸部の密封が維持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、上記実公平7−32429号公報に開示されている如く、ライナーの周縁シール部の直ぐ内側に位置する環状接着域においてライナーを天面壁の内面に接着せしめた場合には、次のとおりの別個の問題が発生する。即ち、上記環状接着域においてライナーが天面壁の内面に接着されている故に、一対のスコアの破断初期から中期に渡ってライナーを天面壁から剥離せしめるためには、上記環状接着域の一部においてライナーを天面壁から剥離せしめることが必要であるが、かかる剥離が実現されないことが少なくない。従って、一対のスコアの破断初期から中期に渡って殻体の天面壁のみならずライナーも大幅に変形せしめなければならなず、口頸部の開封に過剰な力が必要であることが少なくない。
【0008】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、一対のスコアの破断初期から中期に渡って殻体の天面壁のみならずライナーも大幅に変形せしめなければならなくなる等の別個の問題を発生せしめることなく、ホットパックに適用した場合にも充分良好に容器の口頸部の密封が維持される、新規且つ改良された易開封性容器蓋を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意研究及び実験の結果、ライナーと天面壁の内面との間の接着域と非接着乃至弱接着域とを独特な形態に設定することによって、更に詳しくは、ライナーと天面壁の内面との間に、把持片の中心線から周方向両側に夫々角度αの範囲に渡って、且つライナーの外周縁から半径方向内側縁までの幅W1で円弧状に延在する第一の領域と、該第一の領域を除く第二の領域とを存在せしめ、第一の領域においては、周方向に間隔をおいて半径方向に延びる複数個の放射状接着域ではライナーを天面壁の内面に接着せしめるが、放射状接着域を除く非接着乃至弱接着域ではライナーを天面壁の内面に対して非接着乃至弱接着状態にせしめ、第二の領域においては、ライナーの外周縁から半径方向内側縁までの幅W2で円弧状に延び且つ該半径方向内側縁は該一対のスコアと整合し或いは該一対のスコアよりも半径方向内側に位置する幅狭周縁非接着乃至弱接着域ではライナーを天面壁の内面に対して非接着乃至弱接着状態にせしめるが、幅狭周縁非接着乃至弱接着域を除く接着域ではライナーを天面壁の内面に接着せしめることによって、上記主たる技術的課題を達成できることを見出した。
【0010】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する易開封性容器蓋として、円形天面壁、該天面壁の周縁から垂下するスカート壁、及び該スカート壁の下端から延出する把持片を含み、該天面壁及び該スカート壁と共に該把持片の少なくとも基部は金属薄板から一体に形成されており、該把持片の両側から該スカート壁を上方に延び、次いで該天面壁の周縁部を円弧状に延びる一対のスコアが形成されている殻体と、該殻体の該天面壁の内面上で合成樹脂素材を型押成形することによって形成され、外周縁は該一対のスコアの円弧状に延びる部分よりも半径方向外方に位置する円板状ライナーと、から構成された易開封性容器蓋において、
該ライナーと該殻体の該天面壁の内面との間は、該把持片の中心線から周方向両側に夫々角度αの範囲に渡って、且つ該ライナーの外周縁から半径方向内側縁までの幅W1で円弧状に延在する第一の領域と、該第一の領域を除く第二の領域とが存在し、該角度αは50乃至90度であり、該幅W1は該ライナーの半径をRとすると0.25R≦W1≦0.60Rであり、
該第一の領域においては、周方向に間隔をおいて半径方向に延びる複数個の放射状接着域では該ライナーが該天面壁の内面に接着されているが、該放射状接着域を除く非接着乃至弱接着域では該ライナーは該天面壁の内面に対して非接着乃至弱接着状態にせしめらており、
該第二の領域においては、該ライナーの外周縁から半径方向内側縁までの幅W2で円弧状に延び且つ該半径方向内側縁は該一対のスコアと整合し或いは該一対のスコアよりも半径方向内側に位置する幅狭周縁非接着乃至弱接着域では該ライナーが該天面壁の内面に対して非接着乃至弱接着状態にせしめられているが、該幅狭周縁非接着乃至弱接着域を除く接着域では該ライナーが該天面壁の内面に接着されており、該幅狭周縁非接着乃至弱接着域の該幅W2は1.0乃至6.0mmである、ことを特徴とする易開封性容器蓋が提供される。
【0011】
該ライナーは容器の口頸部頂面に密接せしめられる周縁シール部と中央薄肉部とを有し、該第一の領域の該半径方向内側縁は該ライナーの周縁シール部の内側縁よりも半径方向内側に位置し、該第一の領域における該複数個の放射状接着域の各々は該第一の領域の該半径方向内側縁から該ライナーの該周縁シール部の内側縁を超えて半径方向外方に延びているのが好適である。好適実施形態においては、該ライナーの該中央薄肉部の下面には半径方向に延びる複数個の補強リブが形成されている。該第一の領域における該複数個の放射状接着域の合計面積S1と該非接着乃至弱接着域の面積S2との比率は0.10≦S1/S2≦0.35、特に0.15≦S1/S2≦0.30であるのが好ましい。該角度αは65乃至85度であり、該幅W1は0.30R≦W1≦0.50Rであるのが好適である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成された易開封性容器蓋の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2を参照して説明すると、全体を番号2で示す図示の容器蓋は、殻体4とライナー6(図2)とから構成されている。
【0014】
殻体4は円形天面壁8、この天面壁8の周縁から垂下するスカート壁10、及びスカート壁10の下端から延出する把持片12を含んでいる。図2を参照することによって理解される如く、天面壁8及びスカート壁10と共に把持片12の基部14は、アルミニウム基合金薄板、クロム酸処理鋼薄板又はブリキ薄板の如き適宜の金属薄板に打ち抜き加工及び絞り加工の如き適宜の機械加工を加えることによって一体に成形されている。把持片12の基部14の両側において、スカート壁10の下端部には切欠16a及び16bが形成されている。把持片12は上記基部14とこれに連結されたリング状部18とから構成されている。把持片12のリング状部18は、把持片12の基部14を所謂中子として、ポリプロピレン又はポリエチレンの如き適宜の合成樹脂材料から射出成形乃至圧縮成形することによって、成形と同時に基部14に連結することができる。所望ならば、把持片12の全体を、天面壁8及びスカート壁10と共に金属薄板から一体に形成することもできる。殻体4には、更に詳しくはその金属薄板から一体に形成されている部分には、一対のスコア20a及び20bが形成されている。金属薄板の表面又は裏面から工具を作用せしめて厚さを低減せしめることによって形成される一対のスコア20a及び20bは、把持片12の両側に形成されている上記切欠16a及び16bからスカート壁10を上方に延びる部分22a及び22b、部分22a及び22bに続いて天面壁8の周縁部を円弧状に延びる部分24a及び24b、並びに部分24a及び24bに続いて更にスカート壁10に延出する部分26a及び26b(図4も参照されたい)を有する。
【0015】
図2に図示するライナー6は、軟質ポリエチレンの如き適宜の合成樹脂素材を上記殻体4の天面壁8の内面に供給し、かかる合成樹脂素材を所要形状に型押成形することによって形成される。ライナー6は全体として円板形状であり、周縁シール部28と中央薄肉部30とを有する。周縁シール部28には環状外側突条32と環状内側突条34が形成されている。ライナー6の外周縁は、上記一対のスコア20a及び20bの円弧状に延びる部分24a及び24bよりも半径方向外側に位置せしめられている(この点については図4を参照して後に更に言及する)。図2と共に図3を参照して説明を続けると、ライナー6の中央薄肉部30の下面には、等角度間隔をおいて半径方向に延びる複数個の補強リブ36が形成されている。補強リブ36の各々はライナー6の中心から幾分離隔した位置から周縁シール部28の内側縁まで半径方向に延在せしめられており、下方への突出量が半径方向外方に向かって漸次増大せしめられている。
【0016】
図4は、殻体4の天面壁8及びスカート壁10と共に把持片12の基部14を形成するための金属薄板を所要形状に打ち抜いたが未だ絞り加工を加えていない状態、換言すれば殻体4の天面壁8及びスカート壁10と共に把持片12の基部14を平面状に展開した状態における、金属薄板の片面、即ち天面壁8及びスカート壁10の内面側を規定する片面を図示している。図4において、高密度で黒点を施した領域においては、ライナー6に対して接着性を有する接着性塗料が表面に存在する接着域であり、黒点が施されていない白地領域は上記接着性塗料の上面にライナー6に対して非接着性乃至弱接着性塗料を塗布した非接着乃至弱接着域を示している。更に、図4において、二点鎖線で示す円38はライナー6の外周縁の位置を示し、二点鎖線で示す円40はライナー6の周縁シール部28の内側縁の位置を、換言すればライナー6の中央薄肉部30の外周縁の位置を示している。図4を参照すると、ライナー6の外周縁38は、上記一対のスコア20a及び20bの円弧状に延びる部分24a及び24bよりも半径方向外側に位置せしめられることが明確に理解される。ライナー6を上述したとおりにして型押成形すると、接着性塗料が表面に存在する接着域(高密度で黒点を施した領域)においてはライナー6が充分強固に天面壁8の内面に接着され、一方非接着性乃至弱接着鋭塗料が存在する非接着乃至弱接着域(白地領域)においてはライナー6が天面壁8の内面に対して非接着乃至充分容易に剥離され得る弱接着状態にせしめられる。上記接着性塗料及び非接着性乃至弱接着性塗料自体は当業者には周知の塗料でよく、ライナー6の材料に応じて適宜に選定することができる。所望ならば、金属薄板の片面の全体に非接着性乃至弱接着性塗料を塗布し、次いで所要部位において接着性塗料を塗布して接着域と非接着乃至弱接着域を生成せしめ、或いは接着域のみに接着性塗料を塗布し非接着乃至弱接着域のみに非接着性乃至弱接着性塗料を塗布して接着域と非接着乃至弱接着域とを生成せしめることもできる。
【0017】
図4を参照して、殻体4の天面壁8の内面とライナー6との関係について説明を続けると、両者間の領域(即ちライナー6の外周縁38よりも内側の円形領域)は、ライナー6の外周縁38から半径方向内側縁42までの幅W1で円弧状に延びる第一の領域44と、かかる第一の領域44を除く第二の領域46とに区画して考察することができる。第一の領域44は、把持片12の中心線48から周方向両側に夫々角度αの範囲に渡って円弧状に延びている。角度αは50乃至90度であるのが重要であり、特に65度乃至85度であるのが好ましい。また、第一の領域44の幅W1は、ライナー6の半径Rに対して0.25R≦W1≦0.60Rであるのが重要であり、特に0.30R≦W1≦0.50Rであるのが好ましい。第一の領域44の半径方向内側縁42はライナー6の周縁シール部28の内側縁40よりも半径方向内側に位置するのが好ましい。
【0018】
殻体4の天面壁8の内面とライナー6と間の上記第一の領域44においては、周方向に間隔をおいて半径方向に延びる複数個の接着域50が存在し、かかる接着域50以外は非接着乃至弱接着域であることが重要である。図示の実施形態においては、等角度間隔をおいて配置された9個の放射状接着域50が存在し、中央に位置する1個の接着域50と両側に位置する夫々3個の接着域50は、第一の領域44の半径方向内側縁42から半径方向に、ライナー6の周縁シール部28の内側縁40を超えてライナー6の外周縁38とその周縁シール部28の内側縁40との中間まで延びており、残りの2個の接着域50、即ち中央に位置する接着域50の両側に夫々隣接して位置する2個の接着域50は、第一の領域44の半径方向内側縁42から半径方向に、ライナー6の周縁シール部28の内側縁40を超えてライナー6の外周縁38まで延びている。第一の領域44における、複数個の接着域50の合計面積S1と非接着乃至弱接着域の面積S2との比率は0.10≦S1/S2≦0.35、特に0.15≦S1/S2≦0.30であるのが好ましい。
【0019】
殻体4の天面壁8の内面とライナー6との間の上記第二の領域46においては、ライナー6の外周縁38から半径方向内側縁52までの幅W2で円弧状に延び、半径方向内側縁52は一対のスコア20a及び20bと整合し或いは一対のスコア20a及び20bよりも半径方向内側に位置する幅狭周縁非接着乃至弱接着域54が存在し、かかる幅狭周縁非接着乃至弱接着域54以外は接着域であることが重要である。上記幅W2は1.0乃至6.0mm程度でよい。図示の実施形態においては、幅狭周縁非接着乃至弱接着域54の半径方向内側縁52は一対のスコア20a及び20bよりも幾分半径方向内側に位置せしめられている。幅狭周縁非接着乃至弱接着域54の先端部には、一対のスコア20a及び20bの部分26a及び26bに対応して、幅が上記幅W2から漸次低減せしめられている先細部が付設されている。
【0020】
図5は、殻体4とライナー6とから構成されている易開封性容器蓋2を容器の口頸部56に装着した状態を図示している。ガラス又はポリエチレンテレフタレートの如き適宜の合成樹脂から形成される容器の口頸部56は全体として略円筒形状であり、上面が開口されている。口頸部56の外周面には環状あご部58が形成されている。かような口頸部56に容器蓋2を装着して口頸部56を密封する際には、口頸部56に容器蓋2を被嵌して下方に押圧し、これによってライナー6の周縁シール部28を口頸部の上端部に密接せしめ、そして殻体4のスカート壁10の下端部を半径方向内側に変形せしめて環状あご部58に係止せしめる。
【0021】
内容物を加熱して容器に充填し、次いで容器の口頸部56に容器蓋2を装着して口頸部56を密封し、しかる後に容器及びその内容物を冷却するホットパックの場合、容器内には減圧が生成される。殻体4の天面壁8とライナー6との間の上記第一の領域44に接着域50が存在しない場合、容器内の減圧に起因してライナー6に作用する吸引力によって、第一の領域44の半径方向内側部においてライナー6が局部的に下方に引っ張られて乳房状に下方に没入し、第一の領域44において口頸部56の密封が毀損されてしまう傾向がある。しかしながら、後述する実施例の記載からも理解される如く、本発明に従って、上記第一の領域44に周方向に間隔をおいて半径方向に延びる複数個の放射状接着域50を存在せしめた場合、かかる接着域50においてライナー6が殻体4の天面壁8の内面に接着されることによって、第一の領域44の半径方向内側部においてライナー6が局部的に下方に引っ張られることが充分確実に防止され、口頸部56の密封が充分確実に維持される。ライナー6の局部的没入の防止は、中央薄肉部30に形成されている複数個の補強リブ36によって中央薄肉部30の剛性が増大せしめられていることによっても助長される。他方、後述する比較例1及び2についての記載からも理解されるとおり、第一の領域44に配設される複数個の接着域の各々が、放射状ではなくて、把持片12の中心線48と平行に延びる場合、或いは把持片12の中心線48に対して垂直な方向に延びる場合、ライナー6に作用する吸引力の方向が接着域の延在方向と合致していない等に起因して、第一の領域44におけるライナー6の局部的没入防止作用が不充分になり、第一の領域44の半径方向内側部においてライナー6が局部的に下方に引っ張られて乳房状に下方に没入し、第一の領域44において口頸部56も密封が毀損されてしまう傾向が残留してしまう。また、第一の領域44における接着域44の合計面積S1の比率が過剰に小さい場合、第一の領域44の幅W1が過剰に大きい場合、及び第一の領域44の周方向両側への延在角度αが過剰に大きい場合にも、第一の領域44におけるライナー6の局部的没入防止作用が不充分になる。
【0022】
容器の口頸部56から容器蓋2を離脱せしめて口頸部56を開封する際には、殻体4の把持片12におけるリング状部18に指を掛け、把持片12を前方に、次いで上方に引っ張る。かくすると、図6に図示する如く、殻体4に形成されている一対のスコア20a及び20bの初期乃至中期破断が遂行され、一対のスコア20a及び20bにおけるスカート壁10をその下端から上方に延びる部分22a及び22bが破断され、そしてまたこれに引き続いて天面壁8を円弧状に延びる部分24a及び24bの上流側部分が破断される。一対のスコア20a及び20bにおけるかような初期乃至中期破断の際には、図6を参照することによって明確に理解される如く、殻体4の天面壁8とライナー6との間の上記第一の領域44においてライナー6が殻体4の天面壁8の内面から剥離され、殻体4の一部は折り曲げられて上方に変位せしめられるが、ライナー6は大きく変形されることなく略平坦な円板形状に維持される。第一の領域44における天面壁8の内面とライナー6との接着は半径方向に、従って略把持片12の引っ張り方向に延びる複数個の接着域50に限定されている故に、後述する実施例についての記載からも理解される如く、第一の領域44においては天面壁8の内面からライナー6が剥離される。そして、第一の領域44においてライナー6が天面壁8の内面から剥離される故に、ライナー6を大幅に変形せしめる必要なくして一対のスコア20a及び20bの初期乃至中期破断を遂行することができる。かくして、過大な力を必要とすることなく充分容易に一対のスコア20a及び20bの初期乃至中期破断を遂行することができる。第一の領域44における接着域50の合計面積S1の比率が過剰に大きい場合、第一の領域44の幅W1が過剰に小さい場合、及び第一の領域44の周方向両側への延在角度αが過剰に小さい場合には、天面壁8の内面からライナー6を剥離せしめるのに相当な力を要し、或いは天面壁8の内面からライナー6が充分に剥離せしめられず、従って一対のスコア20a及び20bの初期乃至中期破断の際にライナー6も部分的に上昇せしめて変形せしめることが必要になり、かくして一対のスコア20a及び20bの初期乃至中期破断に相当大きな力が必要になる。そしてまた、後述する比較例2についての記載からも理解される如く、第一の領域44における接着域が半径状ではなくて把持片12の中心線48に対して垂直な方向、従って把持片12の引っ張り方向に対して垂直な方向に延在する場合も、天面壁8の内面からライナー6が充分に剥離せしめられず、従って一対のスコア20a及び20bの初期乃至中期破断の際にライナー6も部分的に上昇せしめて変形せしめることが必要になる傾向がある。
【0023】
上述したとおりの一対のスコア20a及び20bの初期乃至中期破断に引き続いて、更に把持片12を上方乃至後方に引っ張ると、一対のスコア20a及び20bの破断が進行せしめられる。一対のスコア20a及び20bのかかる後期破断の際には、殻体4の天面壁8の内面とライナー6との間の上記第二の領域46においては幅狭周縁非接着乃至弱接着域54以外でライナー6が天面壁8の内面に接着されている故に、一対のスコア20a及び20bの後期破断に応じて天面壁8が上昇せしめられるのに付随してライナー6が漸次上昇せしめられる。図4を参照すことによって理解される如く、一対のスコア20a及び20bが延在する領域においては幅狭周縁非接着乃至弱接着域54が延在せしめられていて、ライナー6は天面壁8の内面に接着されていない故に、一対のスコア20a及び20bの後期破断の際にもライナー6を破断する必要はなく、従って一対のスコア20a及び20bの後期破断を充分容易に遂行することができる。かようにして一対のスコア20a及び20bの破断を遂行すると、容器の口頸部56に形成されている環状あご部58に対する殻体4のスカート壁10の下端部の係止が漸次解除され、従って容器蓋2の全体が口頸部56から離脱され、口頸部56が開封される。
【0024】
【実施例】
次に、本発明の易開封容器蓋の実施例を比較例と共に説明する。
実施例
図1乃至図6に図示するとおりの形態の容器蓋を20個製造した。殻体は住友軽金属工業株式会社から商品名「A105S」として販売されている厚さ0.20mmのアルミニウム基合金薄板から形成した。殻体の外径D1は38.6mmであり、高さHは7.0mmであった。殻体の内面全体には、接着性塗料として90重量%のエポキシ及び10重量%のフェノールと共に10phrの酸変性ポリエチレンを含有するエポキシフェノール系塗料を塗布し、そして非接着領域においては前記エポキシフェノール系塗料上に非接着性乃至弱接着性塗料として油変性アルキド樹脂を塗布した。高周波誘導加熱した殻体の天面壁の内面に、80重量%の直鎖状低密度ポリエチレン及び20重量%のオレフィン系ゴムと共に、1000ppmの滑剤を含有するライナー素材を700mg供給して、ライナーを型押成形した。ライナーの半径Rは18.2mmであり、ライナーの周縁シール部の内半径(中央薄肉部の半径)IRは12.8mmであり、中央薄肉部の厚さは0.3mmであった。中央薄肉部の下面には等角度間隔をおいて半径状に延びる18本の補強リブが配設されており、各補強リブの幅W3は1.0mmで、長さL1は11.0mmであり、下方への突出量は半径方向内側端における0.0mmから半径方向外側端における0.6mmまで漸次増大していた。
【0025】
殻体の天面壁の内面とライナーとの間の第一の領域の幅W1は8.2mmであり(従ってW1=0.45R)、把持片の中心線から周方向両側への延在角度αは75度であった。第一の領域には周方向に等角度間隔をおいて半径方向に延びる9個の放射状接着域が存在していた。接着域の幅W4は1.0mmで、中央に位置する1個の接着域と両側に位置する夫々3個の接着域は第一の領域の半径方向内側縁から6.0mmである長さL2に渡って延び、残りの2個の接着域は第一の領域の全幅に渡って延びていた。従って、第一の領域における接着域S1と非接着乃至弱接着域S2との比率S1/S2は0.25であった。殻体の天面壁の内面とライナーとの間の第二の領域における幅狭周縁非接着乃至弱接着域の幅W2は2.2mmであった。
【0026】
最大外径D2が38mmである図5に図示するとおりの口頸部を有するガラス製容器に96℃の温水を充填し、口頸部に上記容器蓋を装着した。この際には180kgfの力で容器蓋を口頸部に押圧し、容器蓋の殻体におけるスカート壁の下端部を半径方向内側に変形せしめた。次いで、容器を36秒間横倒し状態に維持し、しかる後に50℃の環境下に5分間放置し、次いで25℃の環境下に10分間放置した。そして、容器蓋における殻体の天面壁の内面とライナーとの間の第一の領域の半径方向内側において、ライナーが局部的に下方に引っ張られて下方に乳房状に変形せしめられているか否かを検査した。その結果は下記表1に示すとおりであった。
【0027】
次いで、容器蓋の殻体における把持片を半径方向外方に、そして上方に引っ張って、図6に図示する如く、殻体に形成されている一対のスコアの初期乃至中期破断を遂行した。そして、殻体の天面壁の内面とライナーとの間の第一の領域における、殻体からのライナーの剥離状態を検査した。その結果は下記表1に示すとおりであった。
【0028】
比較例1
比較のために、殻体の天面壁の内面とライナーとの間の第一の領域における接着域が、図7に図示する如く、半径状ではなくて把持片の中心線に実質上平行に延びる点を除いて、上記実施例と実質上同一の容器蓋を20個製造した。第一の領域における接着域の数、接着域の幅及び長さ、並びに接着域S1と非接着乃至弱接着域S2との比率S1/S2は、上記実施例と実質上同一であった。そして、上記実施例と同様にして、ライナーの局部的変形と共に、殻体からのライナーの剥離状態を検査した、その結果は下記表1のとおりであった。
【0029】
比較例2
更に比較のために、殻体の天面壁の内面とライナーとの間の第一の領域における接着域の形態が、図8に図示する如くである点を除いて、上記実施例と実質上同一の容器蓋20個を製造した。接着域は把持片の中心線方向に等間隔をおいて4本配置され、各接着域は把持片の中心線に対して実質上垂直に延びていた。各把持片の幅W5は1.0mmであり、長さL3、L4、L5、L6は夫々22mm、18mm、14mm、8mmであり、接着域S1と非接着乃至弱接着域S2との比率S1/S2は0.27であった。そして、上記実施例と同様にして、ライナーの局部的変形と共に、殻体からのライナーの剥離状態を検査した、その結果は下記表1のとおりであった。
【0030】
【表1】
Figure 0004028045
【0031】
【発明の効果】
本発明の容器蓋によれば、ホットパックに適用した場合にも充分良好に容器の口頸部の密封が維持され、そしてまた口頸部の開封の際にはライナーを大幅に変形せしめることなくして一対のスコアの初期乃至中期破断を遂行することができ、従って充分容易に口頸部を開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成された容器の好適実施形態を示す斜面図。
【図2】図1の容器の断面図。
【図3】図1の容器の底面図。
【図4】図1の容器蓋における殻体の天面壁の内面とライナーの関係を示すための、図1の容器蓋における殻体の展開図。
【図5】容器の口頸部に図1の容器蓋を装着した状態を示す断面図。
【図6】容器の口頸部に装着された図1の容器蓋を、口頸部から離脱するために一対のスコアーの初期乃至中期破断を遂行した状態を示す斜面図。
【図7】比較例1の容器蓋における殻体の天面壁の内面とライナーの関係を示すための、図4と同様の殻体の展開図。
【図8】比較例2の容器蓋における殻体の天面壁の内面とライナーの関係を示すための、図4と同様の殻体の展開図。
【符号の説明】
2:容器蓋
4:殻体
6:ライナー
8:殻体の天面壁
10:殻体のスカート壁
12:殻体の把持片
20a:スコア
20b:スコア
24a:スコアの円弧状に延びる部分
24b:スコアの円弧状に延びる部分
28:ライナーの周縁シール部
30:ライナーの中央薄肉部
36:ライナーの補強リブ
38:ライナーの外周縁
40:ライナーの周縁シール部の内周縁
44:殻体の天面壁の内面とライナーの間の第一の領域
46:殻体の天面壁の内面とライナーの間の第二の領域
48:把持片の中心線
50:第一の領域における接着域
54:第二の領域における幅狭周縁非接着乃至弱接着域
56:口頸部
58:口頸部の環状あご部

Claims (7)

  1. 円形天面壁、該天面壁の周縁から垂下するスカート壁、及び該スカート壁の下端から延出する把持片を含み、該天面壁及び該スカート壁と共に該把持片の少なくとも基部は金属薄板から一体に形成されており、該把持片の両側から該スカート壁を上方に延び、次いで該天面壁の周縁部を円弧状に延びる一対のスコアが形成されている殻体と、該殻体の該天面壁の内面上で合成樹脂素材を型押成形することによって形成され、外周縁は該一対のスコアの円弧状に延びる部分よりも半径方向外方に位置する円板状ライナーと、から構成された易開封性容器蓋において、
    該ライナーと該殻体の該天面壁の内面との間は、該把持片の中心線から周方向両側に夫々角度αの範囲に渡って、且つ該ライナーの外周縁から半径方向内側縁までの幅W1で円弧状に延在する第一の領域と、該第一の領域を除く第二の領域とが存在し、該角度αは50乃至90度であり、該幅W1は該ライナーの半径をRとすると0.25R≦W1≦0.60Rであり、
    該第一の領域においては、周方向に間隔をおいて半径方向に延びる複数個の放射状接着域では該ライナーが該天面壁の内面に接着されているが、該放射状接着域を除く非接着乃至弱接着域では該ライナーは該天面壁の内面に対して非接着乃至弱接着状態にせしめらており、
    該第二の領域においては、該ライナーの外周縁から半径方向内側縁までの幅W2で円弧状に延び且つ該半径方向内側縁は該一対のスコアと整合し或いは該一対のスコアよりも半径方向内側に位置する幅狭周縁非接着乃至弱接着域では該ライナーが該天面壁の内面に対して非接着乃至弱接着状態にせしめられているが、該幅狭周縁非接着乃至弱接着域を除く接着域では該ライナーが該天面壁の内面に接着されており、該幅狭周縁非接着乃至弱接着域の該幅W2は1.0乃至6.0mmである、ことを特徴とする易開封性容器蓋。
  2. 該ライナーは容器の口頸部頂面に密接せしめられる周縁シール部と中央薄肉部とを有し、該第一の領域の該半径方向内側縁は該ライナーの周縁シール部の内側縁よりも半径方向内側に位置し、該第一の領域における該複数個の放射状接着域の各々は該第一の領域の該半径方向内側縁から該ライナーの該周縁シール部の内側縁を超えて半径方向外方に延びている、請求項1記載の易開封性容器蓋。
  3. 該ライナーの該中央薄肉部の下面には半径方向に延びる複数個の補強リブが形成されている、請求項2記載の易開封性容器蓋。
  4. 該第一の領域における該複数個の放射状接着域の合計面積S1と該非接着乃至弱接着域の面積S2との比率は0.10≦S1/S2≦0.35である、請求項1から3までのいずかに記載の易開封性容器蓋。
  5. 該第一の領域における該複数個の放射状接着域の合計面積S1と該非接着乃至弱接着域の面積S2との比率は0.15≦S1/S2≦0.30である、請求項4記載の易開封性容器蓋。
  6. 該角度αは65乃至85度である、請求項1から5までのいずれかに記載の易開封性容器蓋。
  7. 該幅W1は0.30R≦W1≦0.50Rである、請求項1から6までのいずれかに記載の易開封性容器蓋。
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