JP4027598B2 - プレート状の基板をコーティングするための装置 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明はカソードスパッタリング方法によってプレート状の基板をコーティングするための装置であって、相前後して複数のプロセスチャンバが設けられており、これらのプロセスチャンバが上方に向かってそれぞれチャンバ天井によって制限されていて、これらのチャンバ天井がそれぞれ1つの開口を有していて、これらの開口が、少なくとも1つのカソードを支持するカバーによって覆われており、前記プロセスチャンバが遮蔽体と供給管路、特に冷却媒体管路とを有している形式のものに関する。
【0002】
上述した形式の装置はプレート状の基板をコーティングする技術において頻繁に使用されており公知である。このような装置ではカソードおよび他のチャンバ内設部材、特に遮蔽体および冷却媒体管路は堅固にプロセスチャンバ内に組付けられている。このような構成は、洗浄の目的で装置部材を取り外しまた再び取り付けなければならない場合に、装置部材の取外しに手間がかかり、望まれない長時間の停止状態が生ぜしめられるという欠点を有している。
【0003】
そこで本発明の課題は冒頭に記載した形式の装置を改良して、カソードとチャンバ内設部材とをできるだけ迅速に取り外し再び取り付けることができる装置を提供することである。
【0004】
この課題を解決するために本発明の構成では、遮蔽体と前記供給管路、特に冷却媒体管路とが、前記プロセスチャンバ内に突入した、上方に向かって前記開口から取出し可能なフレームに設けられていて、このフレームが支持部材によって前記チャンバ天井の支持面に支持されるようになっており、前記カバーが前記支持部材を越えて延在しており上方から直接、シールされて前記チャンバ天井に載着されるようにした。
【0005】
このような構成によって、カバーとフレームと一緒にコーティングステーションの全ての部材を上方に向かってプロセスチャンバから取り外して迅速に第2のフレームと第2のカソード装置とに交換することが可能であるか、または取り外された部材を迅速に洗浄しフレームとカソードを有するカバーとを挿入して組み付けることが可能である。このために本発明ではコーティング装置の停止状態時間はわずかである。カバーは支持部材を越えて延在しかつチャンバ天井に直接載着されるのでこのカバーだけをチャンバ天井に対してシールすればよい。
【0006】
本発明による別の改良形態に基づき、支持面が前記開口をそれぞれ長手側で制限する2つの縁部領域の段状部によって開口の内側に設けられていると、カソードを支持するカバーを完全に平らに構成することができる。このような構成ではフレームは上方に向かって開口から突出することはない。
【0007】
本発明の別の有利な改良形態では、前記フレームが一方の長手側でプロセスチャンバを越える張出し部を有しており、該張出し部が少なくとも冷却媒体のための供給接続部を備えている。このような構成によりプロセスチャンバ内に存在した、内設部材を取り外す際に分離する必要のある冷却媒体接続部が廃止される。これにより気密にされてない接続部に基づきプロセスチャンバ内部に生じる冷却媒体の流出の危険性は回避される。
【0008】
供給接続部が下に向けられており、プロセスチャンバの外側に冷却媒体供給接続部が配置されていて、冷却媒体供給接続部が前記張出し部に設けられた前記供給接続部に整合させられていると、フレームをプロセスチャンバ内に挿入する際に、供給接続部を適当な供給接続部に自動的に連結することができる。冷却媒体供給接続部は、フレームが引き上げられるとすぐ供給が遮断されなければならないので自動的に閉鎖される閉鎖弁を有していてよい。また必要な電気的な接続部とプロセスガス接続部とをこの張出し部を介して案内することもできる。
【0009】
遮蔽体が冷却媒体に接続可能な冷却水管を有していると、遮蔽体の組付けおよび取外しの際の手間が高められることもなく特に簡単な形式で遮蔽体の過熱を回避することができる。
【0010】
遮蔽体は箱状に形成されていて、2つの搬送ローラの間に搬送ローラの外周面の近傍に延在する領域を有していると特に有利である。このような冷却された遮蔽体によって、隣接して配置された搬送ローラの放熱を受容し導出することが可能となる。
【0011】
フレームが、張出し部の側に、外気に接続されかつ前記プロセスチャンバに対して密閉された供給室を有しており、該供給室内に遮蔽体への冷却媒体接続部として働く冷却媒体管路が配置されていると、冷却媒体管路が密でない場合に冷却媒体がプロセスチャンバ内に浸入する危険性なく、特に簡単な形式でフレーム内部において遮蔽体は冷却媒体に接続されるようになる。
【0012】
フレームがその下面において前記遮蔽体の近傍でプロセスチャンバの中間底部に対して圧縮シール部材によってシールされていることにより、コーティング領域の代わりにフレームの外側を通って流れるプロセスガスの二次的な流れは回避される。
【0013】
カバーがプロセスガスを供給するためのガス管路と、前記プロセスチャンバを越えるガス接続部とを有しており、前記プロセスチャンバが外側に前記ガス接続部に整合したガス供給接続部を有していると、プロセスガスの供給は同様にプロセスチャンバ内部での接続部を設けることなく行うことができる。
【0014】
フレームがカソード装置のカバーに機械的に連結している構成もまた好都合である。このような実施形態ではカソード装置の引上げと同時にフレームもプロセスチャンバから引き上げられる。
【0015】
本発明は種々異なる実施形態が可能である。
【0016】
次に本発明を図面に基づき詳説する。
【0017】
図1にはコーティング装置のプロセスチャンバ1の断面図が示されている。このプロセスチャンバ1はチャンバケーシング2を有しており、このチャンバケーシング2は上方に向かってチャンバ天井3によって覆われている。チャンバ天井3は開口4を有しており、この開口4は上方に向かってカソード装置6のカバー5によって閉鎖されている。シール部材7はカバー5をチャンバ天井3に対してシールする。このチャンバ天井3は開口に向かって段状部8を有しており、これらの段状部8によって支持面9が形成される。
【0018】
前記プロセスチャンバ1内にはフレーム10が配置されている。このフレーム10がチャンバ天井3を越えて上方に突出しない形式で、支持部材11によってフレーム10は開口4の支持面9に支持されている。
【0019】
図1から同様に分かるように、フレーム10はその張出し部12でプロセスチャンバ1の長手側においてチャンバケーシング2を越えて延在している。この張出し部12は下に向けられた供給接続部13を有している。供給接続部13はチャンバケーシング2の外側に設けられた冷却媒体供給接続部14に整合しており、供給接続部13および冷却媒体供給接続部14はフレーム10が組込まれた状態で互いに結合される。張出し部12が設けられた側にフレーム10はプロセスチャンバ1に対してシールされた供給室15を有しており、この供給室15内には冷却媒体管路16が延在している。これらの冷却媒体管路16は遮蔽体17を供給接続部13を介して冷却媒体に接続している。
【0020】
カバー5の下方にはガス管18が固定されており、このガス管18はプロセスガスを供給するために使用される。プロセスガスの供給は冷却媒体の供給と類似した形式でガス接続部19を介して行われる。このガス接続部19は側方でプロセスチャンバ1を越えて延在しそこでガス供給接続部20に接続している。
【0021】
図2にはカソード装置6が個々の構成部材として示されている。カソード装置6はカバー5の下方にターゲット21を有している。
【0022】
図3にはフレーム10が個々の構成部材として示されている。この図面にも張出し部12が示され、この張出し部12を介して冷却媒体の供給が行われる。
【0023】
図4では、図示された1実施例においてカソード装置6が全部で2つのカソード22,23を支持しているのが分かる。
【0024】
図5では、プロセスチャンバ1が中間底部24の下に複数の搬送ローラ25,32を有しているのが分かる。これらの搬送ローラ25,32によってコーティングしようとする基板が個々のプロセスチャンバ1を通って移動させられる。この図面では、すでに図1において示した遮蔽体17の他に別の遮蔽体27,28,29が設けられているのが分かる。これらの遮蔽体27,28,29は冷却媒体によって効果的に冷却することができるようにそれぞれ冷却水管30を有している。遮蔽体28は箱状に形成されている。この遮蔽体28は両側の隣り合う搬送ローラ25,32の間に、これらの搬送ローラ25,32の外周面の近傍に延在する領域を有している。これにより遮蔽体28は搬送ローラ25からの放熱を特に良好に受容することができる。
【0025】
圧縮シール部材31はフレーム10をその下面において中間底部24に対してシールするので、ガス管18から流出するプロセスガスの二次的な流れを回避することができる。
【0026】
図示していない実施例では、フレーム10がカソード装置6のカバー5に機械的に連結されているように構成されている。このような構成では全ての供給管路をフレーム10からカバー5を通して案内することができる。この構成はカソード装置6を引き上げると同時にフレーム10が引き上げられるという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるコーティング装置の横断面図である。
【図2】 カソードユニットの正面図である。
【図3】 コーティング装置のフレームの正面図である。
【図4】 カソードユニットの側面図である。
【図5】 コーティング装置の1部分領域を長手方向、つまりコーティングしようとする基板の移動方向で断面した図である。
【符号の説明】
1 プロセスチャンバ、 2 チャンバケーシング、 3 チャンバ天井、 4 開口、 5 カバー、 6 カソード装置、 7 シール部材、 8 段状部、 9 支持面、 10 フレーム、 11 支持部、 12 張出し部、 13 供給接続部、 14 冷却媒体供給接続部、 15 供給室、 16 冷却媒体管路、 17 遮蔽体、 18 ガス管、 19 ガス接続部、 20 ガス供給接続部、 21 ターゲット、 22,23 カソード、 24 中間底部、 25 搬送ローラ、 26 基板、 27,28,29 遮蔽体、 30 冷却水管、 31 圧縮シール部材、 32 搬送ローラ

Claims (10)

  1. カソードスパッタリング方法によってプレート状の基板をコーティングするための装置であって、相前後して複数のプロセスチャンバ(1)が設けられており、該プロセスチャンバ(1)が上方に向かってそれぞれチャンバ天井(3)によって制限されていて、該チャンバ天井(3)がそれぞれ1つの開口(4)を有していて、該開口(4)が、少なくとも1つのカソード(22,23)を支持するカバー(5)によって覆われており、前記プロセスチャンバ(1)が遮蔽体(17,27,28,29)と供給管路、特に冷却媒体管路(16)とを有している形式のものにおいて、
    前記遮蔽体(17,27,28,29)と前記供給管路、特に冷却媒体管路(16)とが、前記プロセスチャンバ(1)内に突入した、上方に向かって前記開口(4)から取出し可能なフレーム(10)に設けられていて、該フレーム(10)が支持部材(11)によって前記チャンバ天井(3)の支持面(9)に支持されるようになっており、前記カバー(5)が前記支持部材(11)を越えて延在しており上方から直接、シールされて前記チャンバ天井(3)に載着されるようになっていることを特徴とする、プレート状の基板をコーティングするための装置。
  2. 前記支持面(9)が前記開口(4)をそれぞれ長手側で制限する2つの縁部領域の内の段状部(8)によって前記開口(4)の内側に設けられている、請求項1記載の装置。
  3. 前記フレーム(10)が一方の長手側でプロセスチャンバ(1)を越える張出し部(12)を有しており、該張出し部(12)が少なくとも冷却媒体のための供給接続部(13)を備えている、請求項1または2記載の装置。
  4. 前記供給接続部(13)が下に向けられており、前記プロセスチャンバ(1)の外側に冷却媒体供給接続部(14)が配置されていて、該冷却媒体供給接続部(14)が前記張出し部(12)に設けられた前記供給接続部(13)に整合させられている、請求項3記載の装置。
  5. 前記遮蔽体(17,27,28,29)が冷却媒体に接続可能な冷却水管(30)を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
  6. 前記遮蔽体(28)が箱状に形成されていて2つの搬送ローラ(25,32)の間に該搬送ローラ(25,32)の外周面の近傍に延在する領域を有している、請求項5記載の装置。
  7. 前記フレーム(10)が、前記張出し部(12)側に、外気に接続されかつ前記プロセスチャンバ(1)に対して密閉された供給室(15)を有しており、該供給室(15)内に前記遮蔽体(17,27,28,29)への冷却媒体接続部として働く冷却媒体管路(16)が配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
  8. 前記フレーム(10)がその下面において前記遮蔽体(17,27,28,29)の近傍で、前記プロセスチャンバ(1)の中間底部(24)に対して圧縮シール部材(31)によってシールされている、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
  9. 前記カバー(5)がプロセスガスを供給するためのガス管路(18)と、前記プロセスチャンバ(1)を越えるガス接続部(19)とを有しており、前記プロセスチャンバ(1)が外側に前記ガス接続部(19)に整合したガス供給接続部(20)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
  10. 前記フレーム(10)がカソード装置(6)のカバー(5)に機械的に連結されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
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