JP4027549B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真技術を用いて用紙等の記録材にトナー画像を形成することのできるプリンター、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に用いられる定着器、より詳しくは加熱される定着ベルトを用いたベルト定着器の温度制御方法に関するものである。また、この制御方法の実施に直接使用する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真技術を用いて用紙等の記録材上にトナー画像を形成する画像形成装置は、回転駆動される感光体と、この感光体に露光して表面に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を現像してトナー画像となす現像手段と、そのトナー画像を記録材に転写させる転写手段と、この転写手段によりトナー画像が転写された記録材を通過させつつ加熱して記録材上にトナー画像を定着させる定着器とを有している。
【0003】
従来の定着器として、図4に示すようなベルト定着器が知られている(特開平10−115996号公報)。
この定着器は、定着ローラR1と、ヒータHを内蔵した加熱ローラR3との間に無端状の定着ベルトBを張設し、定着ベルトBを介して下方より押圧する加圧ローラR2を設けて、定着ベルトBと加圧ローラR2との間に定着ニップ部を構成し、この定着ニップ部に、トナー画像が形成された記録材Dを通し、前記トナー画像を加熱溶融して記録材D上に定着させるようになっている。
【0004】
そして、その温度制御方法は、定着ローラR1上のベルト温度または定着ローラR1の表面温度が第1の設定温度(T1)未満の場合には、加熱ローラR3上のベルト温度または加熱ローラR3の表面温度が第2の設定温度(T2)になるようにヒータHの放熱量を制御し、定着ローラR1上のベルト温度または定着ローラR1の表面温度が前記第1の設定温度(T1)以上の場合には、定着ローラR1上のベルト温度または定着ローラR1の表面温度が第1の設定温度(T1)になるようにヒータHの放熱量を制御する、というものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来のベルト定着器の温度制御方法は、定着ローラR1上のベルト温度または定着ローラR1の表面温度が第1の設定温度(T1)未満の場合には、加熱ローラR3上のベルト温度または加熱ローラR3の表面温度が第2の設定温度(T2)になるようにヒータHの放熱量を制御し、定着ローラR1上のベルト温度または定着ローラR1の表面温度が前記第1の設定温度(T1)以上の場合には、定着ローラR1上のベルト温度または定着ローラR1の表面温度が第1の設定温度(T1)になるようにヒータHの放熱量を制御する方法であるので、この方法には次のような問題がある。
<課題1>
すなわち、加熱ローラの温度制御を、定着ローラR1上のベルト温度または定着ローラR1の表面温度が第1の設定温度(T1)未満であるのか、それ以上であるのかによって切り替えるようになっていたので、定着ベルトの駆動停止後において、不要な加熱がなされるおそれがあった。
<課題2>
待機時においては、定着ローラR1上の定着ベルトBの温度が、第1の設定温度T1以下となっているので、加熱ローラR3上の定着ベルトBの温度は、第2の設定温度T2になるようにヒータHの放熱量が制御される。
このため、待機時における加熱ローラR3上の定着ベルトBの温度は、比較的高温である第2の設定温度T2になり、この高温によって、定着ベルトBにおける加熱ローラR3への巻き掛け部分が劣化しやすくなったり、クリープを生じやすくなるおそれがある。
このような問題は、ウォームアップ時間(定着ベルトが回転駆動されてからベルトが定着可能温度に達するまでの時間)を短縮すべく第2の設定温度T2を高く設定すればするほど大きくなる。
【0006】
本発明の第1の目的は、上記課題1を解決し、定着ベルトの駆動停止後において不要な加熱がなされることのないベルト定着器の温度制御方法および画像形成装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記課題2を解決し、定着ベルトの劣化やクリープが生じ難いベルト定着器の温度制御方法および画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために請求項1記載の画像形成装置は、加熱ローラとバックアップ部材との間に張架されて循環駆動される定着ベルトと、この定着ベルトを介して前記バックアップ部材に圧接されて定着ベルトとの間で定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有し、トナー画像が形成された記録材を、前記定着ニップ部に通し前記トナー画像を加熱溶融して記録材上に定着させる定着器を備えた画像形成装置であって、
前記加熱ローラ上の定着ベルトの温度を測定する待機用センサと、
前記バックアップ部材上の定着ベルトの温度を測定する定着用センサと、
前記定着ベルトが循環駆動されない待機時にあっては、前記待機用センサの測定結果に基づいて加熱ローラが待機温度になるように制御し、前記定着ベルトが循環駆動される駆動時にあっては、前記定着用センサの測定結果に基づいてバックアップ部材上の定着ベルトが定着適正温度になるように前記加熱ローラを制御する制御部と、
を有し,
前記待機用センサは、前記定着ベルトの駆動時における、加熱ローラの過加熱防止用センサを兼ねているとともに,当該過加熱防止用センサを兼ねる待機用センサは、加熱ローラ上の定着ベルトにおける、その幅方向に関して前記記録材と接触しない部位の温度を測定することを特徴とする。
上記第2の目的を達成するために請求項2記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、前記待機温度が、前記定着適正温度よりも低温であることを特徴とする。
請求項3記載の画像形成装置は、請求項1または2記載の画像形成装置において、前記定着用センサは、前記定着ニップ部よりも上流側において定着ベルトの温度を測定することを特徴とする。
請求項4記載の画像形成装置は、請求項1,2,または3記載の画像形成装置において、前記センサは、測定対象に接触しないセンサであることを特徴とする。
請求項5記載の画像形成装置は、請求項1,2,3,または4記載の画像形成装置において、前記定着用センサは、前記定着ベルトにおける、その幅方向に関して、前記記録材と接触する部位の温度を測定することを特徴とする。
請求項6記載の画像形成装置は、請求項5記載の画像形成装置において、前記定着用センサは、前記定着ニップ部よりも下流側において定着ベルトの温度を測定することを特徴とする。
【0008】
【作用効果】
請求項1記載のベルト定着器の制御方法は、加熱ローラとバックアップ部材との間に張架されて循環駆動される定着ベルトと、この定着ベルトを介して前記バックアップ部材に圧接されて定着ベルトとの間で定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有し、トナー画像が形成された記録材を、前記定着ニップ部に通し前記トナー画像を加熱溶融して記録材上に定着させるベルト定着器の温度制御方法であって、
前記定着ベルトが循環駆動されない待機時にあっては、前記加熱ローラまたは加熱ローラ上の定着ベルトの温度に基づいて加熱ローラが待機温度になるように制御し、
前記定着ベルトが循環駆動される駆動時にあっては、前記バックアップ部材上の定着ベルトの温度に基づいてバックアップ部材上の定着ベルトが定着適正温度になるように前記加熱ローラの温度を制御する方法であるので、この方法によれば、本来加熱が必要なベルト駆動時に、バックアップ部材上の定着ベルトの温度を測定しながら加熱ローラの温度を制御することができることとなるとともに、定着ベルトの駆動停止後において不要な加熱がなされるということがなくなる。
すなわち、この方法によれば、加熱ローラの温度制御が、定着ベルトの駆動時と停止時とで切り替えられることとなるので、本来加熱が必要なベルト駆動時に、バックアップ部材上の定着ベルトの温度を測定しながら加熱ローラの温度を制御することができることとなるとともに、定着ベルトの駆動停止後において不要な加熱がなされるということがなくなる。
請求項2記載のベルト定着器の制御方法によれば、請求項1記載のベルト定着器の温度制御方法において、前記待機温度は、前記定着適正温度よりも低温であるので、待機時における加熱ローラ上の定着ベルトの温度が低温となり、したがって、加熱ローラへの巻き掛け部分が劣化し難くなととともに、クリープも生じ難くなる。
請求項3記載の画像形成装置は、加熱ローラとバックアップ部材との間に張架されて循環駆動される定着ベルトと、この定着ベルトを介して前記バックアップ部材に圧接されて定着ベルトとの間で定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有し、トナー画像が形成された記録材を、前記定着ニップ部に通し前記トナー画像を加熱溶融して記録材上に定着させる定着器を備えた画像形成装置であって、
前記加熱ローラまたは加熱ローラ上の定着ベルトの温度を測定する待機用センサと、
前記バックアップ部材上の定着ベルトの温度を測定する定着用センサと、
前記定着ベルトが循環駆動されない待機時にあっては、前記待機用センサの測定結果に基づいて加熱ローラが待機温度になるように制御し、前記定着ベルトが循環駆動される駆動時にあっては、前記定着用センサの測定結果に基づいてバックアップ部材上の定着ベルトが定着適正温度になるように前記加熱ローラを制御する制御部と、を有しているので、この画像形成装置によれば、本来加熱が必要なベルト駆動時に、バックアップ部材上の定着ベルトの温度を測定しながら加熱ローラの温度を制御することができることとなるとともに、定着ベルトの駆動停止後において不要な加熱がなされるということがなくなる。
すなわち、この画像形成装置によれば、加熱ローラの温度制御が、定着ベルトの駆動時と停止時とで切り替えられることとなるので、本来加熱が必要なベルト駆動時に、バックアップ部材上の定着ベルトの温度を測定しながら加熱ローラの温度を制御することができることとなるとともに、定着ベルトの駆動停止後において不要な加熱がなされるということがなくなる。
請求項4記載の画像形成装置によれば、請求項3記載の画像形成装置において、前記待機温度が、前記定着適正温度よりも低温となっているので、待機時における加熱ローラ上の定着ベルトの温度が低温となり、したがって、加熱ローラへの巻き掛け部分が劣化し難くなととともに、クリープも生じ難くなる。
請求項5記載の画像形成装置によれば、請求項3または4記載の画像形成装置において、前記待機用センサが、前記定着ベルトの駆動時における、加熱ローラの過加熱防止用センサを兼ねているので、次のような作用効果が得られる。
すなわち、請求項3または4記載の画像形成装置においては、定着ベルトの駆動時においては、定着用センサの測定結果に基づいてバックアップ部材上の定着ベルトが定着適正温度になるように前記加熱ローラが制御されることとなるので、加熱ローラが過加熱状態となってしまうことがないとは言えず、このような場合には、定着ベルトがダメージを受けてしまうおそれがある。
これに対し、この請求項5記載の画像形成装置によれば、加熱ローラまたは加熱ローラ上の定着ベルトの温度を測定する待機用センサが、定着ベルトの駆動時における、加熱ローラの過加熱防止用センサを兼ねているので、定着ベルトの駆動時において、加熱ローラの過加熱状態が防止され、結果として、定着ベルトのダメージも防止されることとなる。
請求項6記載の画像形成装置によれば、請求項5記載の画像形成装置において、前記過加熱防止用センサを兼ねる待機用センサは、加熱ローラにおける、前記定着ベルトが巻き掛けられない部位、または加熱ローラ上の定着ベルトにおける、その幅方向に関して前記記録材と接触しない部位の温度を測定する構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
すなわち、定着ベルトは、前記定着ニップ部において記録材と接触することによってその接触部における熱が記録材に奪われることとなるので、定着ベルトは、その幅方向に関して記録材と接触した部位の温度が低温となる。
したがって、この低温となった部位の温度を待機用センサで測定したのでは、加熱ローラの温度を必ずしも正確に測定できず、結果として、加熱ローラの過加熱を確実には防止することができなくなってしまうおそれがある。
これに対し、この請求項6記載の画像形成装置によれば、過加熱防止用センサを兼ねる待機用センサが、加熱ローラにおける、定着ベルトが巻き掛けられない部位、または加熱ローラ上の定着ベルトにおける、その幅方向に関して記録材と接触しない部位(すなわち最も高温となる部位)の温度を測定する構成となっているので、加熱ローラの温度を比較的正確に測定することができ、結果として、加熱ローラの過加熱を確実に防止することができることとなる。
請求項7記載の画像形成装置によれば、請求項3,4,5,または6記載の画像形成装置において、前記定着用センサは、前記定着ニップ部よりも上流側において定着ベルトの温度を測定する構成となっているので、定着温度を正確に制御することが可能となる。
また、定着ベルトから記録材への熱移動による温度低下分を含めた温度測定を行うことが可能となる。
請求項8記載の画像形成装置によれば、請求項3,4,5,6,または7記載の画像形成装置において、前記センサは、測定対象に接触しないセンサであるので、定着ベルト等の部分的な摩耗を防止することができる。
また、例えば、定着ベルトの表面に離型剤を塗布する構成とした場合において、前記センサが定着ベルトの表面に接触するものであるとすると、離型剤が掻き取られて、これに対応した部位におけるトナーの離型不良が生じるおそれがあるが、この請求項8記載の画像形成装置によれば、そのようなおそれも生じなくなる。
請求項9記載の画像形成装置によれば、請求項3,4,5,6,7,または8記載の画像形成装置において、前記定着用センサは、前記定着ベルトにおける、その幅方向に関して、前記記録材と接触する部位の温度を測定する構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
すなわち、前述したように、定着ベルトは、前記定着ニップ部において記録材と接触することによってその接触部における熱が記録材に奪われることとなるので、定着ベルトは、その幅方向に関して記録材と接触する部位(または接触した部位)の温度が低温となるが、この請求項9記載の画像形成装置によれば、定着用センサが、前記定着ベルトにおける、その幅方向に関して、前記記録材と接触する部位の温度を測定する構成となっているので、より正確に定着温度の制御を行うことが可能となる。
請求項10記載の画像形成装置によれば、請求項9記載の画像形成装置において、前記定着用センサは、前記定着ニップ部よりも下流側において定着ベルトの温度を測定する構成となっているので、定着後における定着ベルトの温度を測定することが可能となり、低温オフセットが生じる温度あるいは定着適正温度以下まで定着ベルトの温度が低下してしまうことを確実に防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態を示す概略図である。
先ず、この画像形成装置の概要について説明し、後にその定着器について詳しく説明する。
【0010】
この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーによる現像器を用いて単色画像およびフルカラー画像を形成することのできる装置である。
図1において、10は感光体ユニットであり、その感光体11が、図示しない適宜の駆動手段によって図示矢印方向に回転駆動される。
【0011】
感光体11は、導電性基材と、その表面に形成された感光層とを有している。
感光体11の周りには、その回転方向に沿って、帯電手段としての帯電ローラ12、露光手段としての露光ユニット20、現像手段としての現像器30(Y,C,M,K)、転写手段としての中間転写ユニット40、およびクリーニング手段13が配置されている。なお、感光体ユニット10には、感光体11、帯電ローラ12、およびクリーニング手段13が組み込まれている。
【0012】
帯電ローラ12は、感光体11の外周面に当接して外周面を一様に帯電させる。一様に帯電した感光体11の外周面には、露光ユニット20によって所望の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、この露光L1によって感光体11上に静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像器30でトナーが付与されて現像される。
【0013】
現像器として、イエロー用の現像器30Y、シアン用の現像器30C、マゼンタ用の現像器30M、およびブラック用の現像器30Kが設けられている。これら現像器30Y,30C,30M,30Kは、それぞれ揺動可能に構成されており、選択的に1つの現像器の現像ローラ31のみが感光体11に当接し得るようになっている。したがって、これらの現像器30は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのうちのいずれかのトナーを感光体11の表面に付与して感光体11上の静電潜像を現像しトナー画像を形成する。
トナー画像は、中間転写ユニット40の中間転写体をなす中間転写ベルト46上に転写される。
【0014】
クリーニング手段13は、上記転写後に、感光体11の外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーニングブレードと、このクリーニングブレードによって掻き落とされたトナーを受ける受け部とを備えている。
【0015】
中間転写ユニット40は、駆動ローラ41と、4本の従動ローラ42,43,44,45と、これら各ローラの回りに張架された中間転写体としての無端状の中間転写ベルト46とを有している。
駆動ローラ41は、その端部に固定された図示しない歯車が、感光体11の端部に設けられた駆動用歯車(図示せず)と噛み合っていることによって、感光体11と略同一の周速で回転駆動され、したがって中間転写ベルト46が感光体11と略同一の周速で図示矢印方向に循環駆動されるようになっている。
従動ローラ45は、駆動ローラ41との間で中間転写ベルト46がそれ自身の張力によって感光体11に圧接される位置に配置されており、感光体11と中間転写ベルト46との圧接部において一次転写部T1が形成されている。
駆動ローラ41には、中間転写ベルト46を介して図示しない電極ローラが配置されており、この電極ローラを介して、中間転写ベルト46に一次転写電圧が印加される。
従動ローラ42はテンションローラであり、図示しない付勢手段によって中間転写ベルト46をその張り方向に付勢している。
従動ローラ43は、二次転写部T2を形成するバックアップローラである。このバックアップローラ43には、中間転写ベルト46を介して二次転写手段としての二次転写ローラ48が対向配置されている。二次転写ローラ48は、図示しない接離機構により中間転写ベルト46に対して接離可能である。二次転写ローラ48には、二次転写電圧が印加される。
従動ローラ44は、ベルトクリーナ49のためのバックアップローラである。ベルトクリーナ49は、中間転写ベルト46と接触してその外周面に残留し付着しているトナーを掻き落とすクリーニングブレード49aと、このクリーニングブレード49aによって掻き落とされたトナーを受ける受け部49bとを備えている。このベルトクリーナ49は、図示しない接離機構によって中間転写ベルト46に対して接離可能である。
【0016】
中間転写ベルト46は、導電層と、この導電層の上に形成され、感光体11に圧接される抵抗層とを有する複層ベルトで構成されている。導電層は、合成樹脂からなる絶縁性基体の上に形成されており、この導電層に、前述した電極ローラを介して、一次転写電圧が印加される。
中間転写ベルト46が循環駆動される過程で、一次転写部T1において、感光体11上のトナー画像が中間転写ベルト46上に転写され、中間転写ベルト46上に転写されたトナー画像は、二次転写部T2において、二次転写ローラ48との間に供給される用紙等のシート(記録材)Sに転写される。
なお、中間転写ユニット40には、前記電極ローラ、テンションローラ42の付勢手段、二次転写ローラ48、およびベルトクリーナ49も組み込まれている。
【0017】
記録材Sは、給紙手段をなす給紙装置50から給送され、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで二次転写部T2に供給される。51は記録材Sを積層保持する給紙カセット、52はピックアップローラである。
二次転写部T2でトナー画像が転写された記録材Sは、定着手段をなす定着器100を通ることによってそのトナー画像が記録材S上に定着される。
【0018】
定着器100は、後に詳しく説明するように、循環駆動される定着ベルト110と、この定着ベルト110に圧接される加圧ローラ120と、その圧接部において定着ベルト110を内方から支持するバックアップ部材としてのバックアップローラ130と、定着ベルト110を加熱する加熱ローラ140と、定着ベルト110の表面に離型オイルを塗布するオイルローラ150とを有しており、定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部N(定着ニップ部N)によって、通過する記録材Sを挟圧しつつ加熱して、トナー画像を記録材S上に溶融定着させる。
【0019】
定着器100を通った記録材Sは、最終的には、排紙経路60を通って、装置本体のケース70上に形成されたシート受け部71上に排出されるが、この画像形成装置は、定着器100を通過した記録材Sの表裏を反転させて再び二次転写部T2に記録材Sを返送することのできる反転返送経路60’を備えている。すなわち、この実施の形態における記録材Sの搬送手段は、排紙経路60および反転返送経路60’を有しており、排紙経路60が反転返送経路60’の一部を構成している。
反転返送経路60’は、定着器100を通過した記録材Sを搬入し、かつ、一旦搬入した記録材Sを逆送することのできる互いに独立した2つの排紙経路61,62を有するスイッチバック経路63と、このスイッチバック経路63から逆送された記録材Sを再び前記二次転写部T2に向けて返送する返送路64とを有している。したがって、この反転返送経路60’によって再び二次転写部T2に返送される記録材Sは、その表裏が反転されて二次転写部T2に返送されることとなる。
このような画像形成装置は、記録材Sの表面(第1面)にのみトナー画像を形成することもできるし、両面(表裏である第1面および第2面)にトナー画像を形成することもできる。
【0020】
以上のような画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。
(i)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が画像形成装置の制御部80に入力されると、感光体11、現像器30の各ローラ31、中間転写ベルト46、および定着ベルト110が回転駆動される。
(ii)感光体11の外周面が帯電ローラ12によって一様に帯電される。
(iii)一様に帯電した感光体11の外周面に、露光ユニット60によって第1色目(例えばイエロー)の画像情報に応じた選択的な露光L1がなされ、イエロー用の静電潜像が形成される。
(iv)感光体11には、第1色目(例えばイエロー)用の現像器30Yの現像ローラのみが接触し、これによって上記静電潜像が現像され、第1色目(例えばイエロー)のトナー画像が感光体11上に形成される。
(v)中間転写ベルト46には上記トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、感光体11上に形成されたトナー画像が、一次転写部T1において中間転写ベルト46上に転写される。このとき、二次転写ローラ48およびベルトクリーナ49は、中間転写ベルト46から離間している。
(vi)感光体11上に残留しているトナーがクリーニング手段13によって除去された後、除電手段21からの除電光L2によって感光体11が除電される。
(vii)上記(ii)〜(vi)の動作が必要に応じて繰り返される。すなわち、上記印字指令信号の内容に応じて、第2色目、第3色目、第4色目、と繰り返され、上記印字指令信号の内容に応じたトナー画像が中間転写ベルト46上において重ね合わされて中間転写ベルト46上に形成される。
(viii)所定のタイミングで給紙装置50から記録材Sが供給され、記録材Sの先端が二次転写部T2に達する直前にあるいは達した後に(要するに記録材S上の所望の位置に、中間転写ベルト46上のトナー画像が転写されるタイミングで)二次転写ローラ48が中間転写ベルト46に押圧されるとともに二次転写電圧が印加され、中間転写ベルト46上のトナー画像(基本的には4色のトナー画像が重ね合わせられたフルカラー画像)が記録材S上に転写される。また、ベルトクリーナ49が中間転写ベルト46に当接し、二次転写後に中間転写ベルト46上に残留しているトナーが除去される。
(ix)記録材Sが定着器100を通過することによって記録材S上にトナー画像が定着し、その後、記録材Sが所定の位置に向け(両面印刷でない場合にはシート受け部71に向け、両面印刷の場合には、スイッチバック経路63を経て返送路64に向け)搬送される。
すなわち、表面(第1面)にのみ画像を形成する場合には、給紙装置50から給送された記録材Sは、その第1面に二次転写部T2でトナー画像が転写され、定着器100で定着された後、排紙経路61または62を経てシート受け部71上に排出される。なお、排紙経路61,62の入り口部分60Aには、図示しない経路切換手段が設けられており、これによってどちらの排紙経路(61,62)に記録材Sが搬入されるかが決定される。
両面(第1面および第2面)に画像を形成する場合には、給紙装置50から給送された記録材Sは、その第1面に二次転写部T2でトナー画像が転写され、定着器100で定着された後、一旦排紙経路61または62(スイッチバック経路63)に入り、逆送されて返送路64を経て、ゲートローラ対Gによって所定のタイミングで再び二次転写部T2に返送され、第2面にもトナー画像が転写される。その後、定着器100で第2面にもトナー画像が定着され、排紙経路61または62を経てシート受け部71上に排出される。
【0021】
以上、この実施の形態の画像形成装置の概要について説明したが、次に、その定着器100およびその温度制御方法について詳しく説明する。
【0022】
図2は定着器100の主要部を示す概略図である。
前述したように、定着器100は、循環駆動される定着ベルト110と、この定着ベルト110に圧接される加圧ローラ120と、その圧接部(定着ニップ部N)において定着ベルト110を内方から支持するバックアップ部材としてのバックアップローラ130と、定着ベルト110の幅方向に沿って配置され定着ベルト110を加熱する加熱手段としての加熱ローラ140と、定着ベルト110の表面に離型オイルを塗布するオイル塗布手段としてのオイルローラ150とを有しており、定着ベルト110は、バックアップローラ130と加熱ローラ140との間に張架されている。
【0023】
これら定着ベルト110および各ローラを回転させるための駆動ローラとしては、オイルローラ150以外のローラであればどのローラを用いることもできるが、この実施の形態では、加圧ローラ120を駆動ローラとして用いている。
すなわち、加圧ローラ120は、画像形成装置本体に設けられた図示しない駆動手段によって図2の矢印方向(反時計方向)に回転駆動され、バックアップローラ130、定着ベルト110、加熱ローラ140、およびオイルローラ150が従動するようになっている。具体的には、加圧ローラ120に対して定着ベルト110およびバックアップローラ130が圧接されていることにより、定着ベルト110およびバックアップローラ130が加圧ローラ120に従動し、定着ベルト110が加熱ローラ140に巻き掛けられていることにより、加熱ローラ140が定着ベルト110に従動し、定着ベルト110に対してオイルローラ150が圧接されていることにより、オイルローラ150が定着ベルト110に従動するようになっている。
【0024】
定着ベルト110は、薄肉金属製(例えばニッケル製)のベルト基材の表面に、記録材およびトナーに対する剥離性に優れた表層(例えばシリコーンゴム層)を形成したものである。
【0025】
111はバックアップローラ130への巻掛け部における定着ベルト110の表面温度を検出するための定着用センサであり、サーミスタで構成されている。この定着用センサ111は加圧ローラ120との圧接部Nの上流側に設けられており、前述した制御部80(図1参照)に接続されている。また、この定着用センサ111は、定着ベルト110における、その幅方向(図2の紙面と直交する方向)に関して、記録材Sと接触する部位の温度を測定するようになっている。
【0026】
バックアップローラ130は、金属製の芯材131と、この芯材131の表面に設けられた比較的肉厚の弾性層132とを有しており、芯材131の軸131aで定着器100のフレームの側板101に対して回転可能に支持されている。
【0027】
加熱ローラ140は、熱伝導性に優れた材料(例えばアルミニウム)でパイプ状に形成されており、その内部に熱源である発熱体(例えばハロゲンランプ)141が配置されている。発熱体141は前述した制御部80に接続されている。
この加熱ローラ140は、定着ベルト110の巻掛け部において定着ベルト110を急速に加熱することが可能である。この実施の形態の加熱ローラ140はテンションローラとして構成されており、図示しない適宜の付勢手段で定着ベルト110の張り方向に付勢されている。
143は加熱ローラ140の表面温度を検出するための待機用センサであり、サーミスタで構成されている。この待機用センサ143は、定着ベルト110の駆動時における、加熱ローラ140の過加熱防止用センサを兼ねており、制御部80に接続されている。なお、この実施の形態では、待機用センサ143は加熱ローラ140の表面温度を測定する構成としたが、加熱ローラ140上の定着ベルト110(すなわち定着ベルト110の加熱ローラ140への巻き掛け部)の温度を測定する構成とすることもでき、その場合には、定着ベルト110における、その幅方向(図2の紙面と直交する方向)に関して記録材S(図1参照)と接触しない部位の温度を測定する構成とする。
【0028】
加圧ローラ120は、パイプ状の熱伝導性に優れた芯材121と、この芯材121の表面に設けられた比較的肉薄で前記バックアップローラ130の弾性層132よりは硬い弾性層122と、この弾性層122の表面に形成された、記録材およびトナーに対する剥離性に優れた表層122aとを備え、芯材121の内部に熱源であるハロゲンランプ123が配置されている。なお、このハロゲンランプ123は、両面印字を行なう場合に加圧ローラ120を加熱する。
加圧ローラ120は、定着器100のフレーム側板101に対して回転可能に支持されており、画像形成装置本体に設けられた図示しない駆動手段によって図2の矢印方向に回転駆動される。なお、加圧ローラ120は、その半径方向へは移動不能に取り付けられており、弾性層122および前記バックアップローラ130の弾性層132の弾性力でバックアップローラ130に圧接されている。その圧接部Nは、バックアップローラ130の弾性層132が加圧ローラ120の弾性層122よりも肉厚で柔らかいことから、バックアップローラ130側に凸状に形成される。なお、124は加圧ローラ120の表面温度を検出するためのサーミスタである。
【0029】
オイルローラ150は、軸151と、この軸151の回りに固定された肉厚の多孔質材料または繊維質材料からなるオイル保持層152とを備えている。オイル保持層152には、離型オイルが含浸させてあり、その表面は、オイル塗布量を調整するためのオイル透過性を有する薄膜シート、例えば、多孔質PTFEシート153で被覆してある。
オイルローラ150は図示しない適宜の付勢手段で定着ベルト110に圧接されて従動回転し、定着ベルト110の表面に、シリコーンオイル等の離形オイルを塗布する。なお、154は、オイルローラ150の表面をクリーニングするためのフェルト等からなるクリーニング部材であり、オイルローラ150の表面に圧接されている。
【0030】
フレーム101には、二次転写部T2(図1参照)によりトナー画像が形成(転写)された記録材Sを定着ベルト110と加圧ローラ120との圧接部(定着ニップ部)Nに導く、ガイド102が設けられている。また、定着ニップ部Nの下流側には、排紙ローラ対103と、定着後の記録材Sを排紙経路60に導くガイド104とが設けられている。
前述したように、上記各サーミスタは、制御部80に接続されており、各サーミスタからの検出温度に応じ、制御部80によって前記加熱ローラ140の熱源141への通電量が制御され、定着ベルト110および加熱ローラ140の温度が制御されるようになっている。
【0031】
以下、その温度制御方法について図3を参照して説明する。
図3は定着器100の状態と、定着ベルト110の温度および加熱ローラ140の温度と、加熱ローラ140の熱源141への通電のON/OFFの関係を示すタイムチャートである。
図3において、TFは定着適正温度であり、TF1はその下限値、TF2はその上限値である。TRは加熱ローラ140または加熱ローラ140上の定着ベルト110の温度であるが、簡単のために加熱ローラ140の温度として説明する。TRSは待機時における加熱ローラ140の温度である。TBはバックアップローラ130上の定着ベルト110の温度、TBSはその待機時における温度である。
【0032】
以下、待機時とベルト駆動時とに分けて説明する。
<待機時>
この状態は、画像形成装置の電源がONとなっているが、画像形成動作(定着ベルト110の駆動)がなされていない状態、すなわち、印字指令信号(画像形成信号)の入力を待っている状態である。
この待機時にあっては、加熱ローラ140の温度TRに基づいて加熱ローラ140が待機温度TRSになるように制御する。
具体的には、制御部80が、待機用センサ143による加熱ローラ140の温度の測定結果に基づいて、加熱ローラ140が待機温度TRSになるように制御する。この実施の形態では、制御部80は、図3に示すように、ある一定時間(例えば12秒間)tsを1サイクルとしてその時間ts内において熱源141に通電(ON)する時間tp(tp1,tp2,tp3)を制御することで加熱ローラ140の温度を制御するようになっており、待機時には短時間(例えば1秒間)tp1のみ通電することで加熱ローラ140が待機温度TRSとなるように制御する。この待機温度TRSは定着適正温度TFの下限値TF1よりも低温となっている。
【0033】
<ベルト駆動時>
定着ベルト110が循環駆動される駆動時にあっては、バックアップローラ130上の定着ベルト110の温度に基づいてバックアップローラ130上の定着ベルト110が定着適正温度TF(TF1からTF2までの範囲内)となるように加熱ローラ140の温度TRを制御する。
【0034】
具体的には次の通りである。
前述したように、印字指令信号(画像形成信号)が制御部80に入力されると、感光体11、現像器30の各ローラ31、中間転写ベルト46、および定着ベルト110が回転駆動される。
図3において、t1時点は、上記印字指令信号が制御部80に入力された時点を示している。
【0035】
時点t1で印字指令信号が入力されると、制御部80は、定着ベルト110を駆動させるとともに、定着用センサ111によるバックアップローラ130上の定着ベルト110の温度の測定結果に基づいてバックアップローラ130上の定着ベルト110が定着適正温度TF(TF1からTF2までの領域)となるように加熱ローラ140の温度TRを上昇させる。この実施の形態では、上記サイクルタイムts内において熱源141に通電(ON)させる時間tpを長時間(例えば11秒間)tp2とすることで加熱ローラ140を急速に加熱するようになっている。
【0036】
このようにして加熱ローラ140が急速に加熱され、バックアップローラ130上の定着ベルト110の温度がt2時点で定着適正温度TFに達すると、画像形成動作が開始される。しかしながら、図1を参照して説明したことから明らかなように、感光体11に選択的な露光L1がなされ、これが現像されて中間転写ベルト46に一次転写(T1)され、この画像がさらに記録材Sに二次転写(T2)され、さらにこの記録材Sのトナー画像が定着器100における定着ニップ部Nに達するまでには所定の時間を要するから、この所定の時間が、前記t1時点からバックアップローラ130上の定着ベルト110の温度が定着適正温度TFに達するまでの時間(t2−t1時間=ウォームアップ時間)よりも長い場合には、t1時点から、感光体11に対する選択的な露光L1(画像書き込み)を行うことが可能である。
【0037】
いずれにしても、制御部80は、ベルト駆動中(画像形成動作中)においては、定着用センサ111によるバックアップローラ130上の定着ベルト110の温度の測定結果に基づいてバックアップローラ130上の定着ベルト110が定着適正温度TF(TF1からTF2までの領域)となるように加熱ローラ140の温度TRを制御する。具体的には、上記サイクルタイムts内において熱源141に通電(ON)させる時間tp3を上記短時間tp1から上記長時間tp2の間(例えば1秒〜11秒の間)で制御することによって、バックアップローラ130上の定着ベルト110が定着適正温度TFとなるように加熱ローラ140の温度TRを制御する。
なお、このベルト駆動中においても、制御部80は、待機用センサ143によって加熱ローラ140の温度TRを測定しており、何らかの理由によって、加熱ローラ140の温度TRが異常に上昇した場合には、熱源141への通電を停止させ、あるいは通電量を低減させて加熱ローラ140の過加熱を防止し、定着ベルト110がダメージを受けることを防止するようになっている。
【0038】
t3時点で、画像形成動作を終了し、定着ベルト110の駆動を停止すると、制御部80は、再び、待機用センサ143による加熱ローラ140の温度の測定結果に基づいて、加熱ローラ140が待機温度TRSになるように制御する、すなわち前述した待機時の状態に戻るようになっている。
【0039】
以上のようなベルト定着器の温度制御方法ないし画像形成装置によれば、次のような作用効果が得られる。
(a)定着ベルト110が循環駆動されない待機時にあっては、加熱ローラ140または加熱ローラ140上の定着ベルト110の温度TRに基づいて加熱ローラ140が待機温度TRSになるように制御され、定着ベルト110が循環駆動される駆動時にあっては、バックアップ部材であるバックアップローラ130上の定着ベルト110の温度TBに基づいてバックアップローラ130上の定着ベルト110が定着適正温度TFになるように加熱ローラ140の温度が制御されるので、本来加熱が必要なベルト駆動時に、バックアップローラ130上の定着ベルト110の温度TBを測定しながら加熱ローラ140の温度を制御することができることとなるとともに、定着ベルト110の駆動停止後において不要な加熱がなされるということがなくなる。
すなわち、加熱ローラ140の温度制御が、定着ベルト110の駆動時と停止時とで切り替えられることとなるので、本来加熱が必要なベルト駆動時に、バックアップローラ130上の定着ベルト110の温度TBを測定しながら加熱ローラ140の温度を制御することができることとなるとともに、定着ベルト110の駆動停止後において不要な加熱がなされるということがなくなる。
【0040】
(b)待機温度TRSは、定着適正温度TFよりも低温であるので、待機時における加熱ローラ140上の定着ベルト110の温度が低温となり、したがって、加熱ローラ140への巻き掛け部分が劣化し難くなととともに、クリープも生じ難くなる。
(c)待機用センサ143が、定着ベルト110の駆動時における、加熱ローラ140の過加熱防止用センサを兼ねているので、次のような作用効果が得られる。
すなわち、定着ベルト110の駆動時においては、定着用センサ111の測定結果に基づいてバックアップローラ130上の定着ベルト110が定着適正温度TFになるように加熱ローラ140が制御されることとなるので、加熱ローラ140が過加熱状態となってしまうことがないとは言えず、このような場合には、定着ベルト110がダメージを受けてしまうおそれがある。
これに対し、この実施の形態の画像形成装置によれば、加熱ローラまたは加熱ローラ上の定着ベルトの温度TRを測定する待機用センサ143が、定着ベルト110の駆動時における、加熱ローラ140の過加熱防止用センサを兼ねているので、定着ベルト110の駆動時において、加熱ローラ140の過加熱状態が防止され、結果として、定着ベルト110のダメージも防止されることとなる。
(d)過加熱防止用センサを兼ねる待機用センサ143は、加熱ローラ140における、定着ベルト110が巻き掛けられない部位、または加熱ローラ140上の定着ベルト110における、その幅方向に関して記録材Sと接触しない部位の温度を測定する構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
すなわち、定着ベルト110は、定着ニップ部Nにおいて記録材Sと接触することによってその接触部における熱が記録材Sに奪われることとなるので、定着ベルト110は、その幅方向に関して記録材Sと接触した部位の温度が低温となる。
したがって、この低温となった部位の温度を待機用センサ143で測定したのでは、加熱ローラ140の温度を必ずしも正確に測定できず、結果として、加熱ローラ140の過加熱を確実には防止することができなくなってしまうおそれがある。
これに対し、この実施の形態の画像形成装置によれば、過加熱防止用センサを兼ねる待機用センサ143が、加熱ローラ140における、定着ベルト110が巻き掛けられない部位、または加熱ローラ140上の定着ベルト110における、その幅方向に関して記録材Sと接触しない部位(すなわち最も高温となる部位)の温度を測定する構成となっているので、加熱ローラ140の温度を比較的正確に測定することができ、結果として、加熱ローラ140の過加熱を確実に防止することができることとなる。
(e)定着用センサ111は、定着ニップ部Nよりも上流側において定着ベルト110の温度を測定する構成となっているので、定着温度を正確に制御することが可能となる。
また、定着ベルト110から記録材Sへの熱移動による温度低下分を含めた温度測定を行うことが可能となる。
(f)定着用センサ111は、定着ベルト110における、その幅方向に関して、記録材Sと接触する部位の温度を測定する構成となっているので、次のような作用効果が得られる。
すなわち、前述したように、定着ベルト110は、定着ニップ部Nにおいて記録材Sと接触することによってその接触部における熱が記録材Sに奪われることとなるので、定着ベルト110は、その幅方向に関して記録材Sと接触する部位(または接触した部位)の温度が低温となるが、この実施の形態の画像形成装置によれば、定着用センサ111が、定着ベルト110における、その幅方向に関して、記録材Sと接触する部位の温度を測定する構成となっているので、より正確に定着温度の制御を行うことが可能となる。
【0041】
<第2の実施の形態>
この実施の形態が上記第1の実施の形態と異なる点は、前記センサ111,143,124が、それぞれの測定対象である定着ベルト110,加熱ローラ140,加圧ローラ120に接触しないセンサで構成されている点にあり、その他の点に変わりはない。
このようなセンサは、例えば、放射温度計で構成することができる。あるいはまた、熱電対やサーミスタを測定対象である定着ベルト110,加熱ローラ140,加圧ローラ120に接触しないように配置することで構成することもできる。
この実施の形態によれば、上記第1の実施の形態により得られる作用効果に加え、さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち、センサが、測定対象に接触しないセンサであるので、上記測定対象である定着ベルト110等の部分的な摩耗を防止することができる。
また、この実施の形態では、定着ベルト110の表面にオイル塗布ローラ150で離型剤を塗布する構成となっているので、定着用センサ111および待機用センサ143が定着ベルト110の表面に接触するものであるとすると、これらセンサによって離型剤が掻き取られて、これに対応した部位におけるトナーの離型不良が生じるおそれがあるが、この実施の形態によれば、そのようなおそれも生じなくなる。
【0042】
<第3の実施の形態>
この実施の形態が上記第1の実施の形態と異なる点は、定着用センサ111が、定着ニップ部Nよりも下流側において定着ベルト110の温度を測定するようにした点にあり、その他の点に変わりはない。
具体的には、図2に示した定着用センサ111を定着ニップ部Nの下流側に配置してもよいし、図2に示した定着用センサ111はそのままにして、さらにもう一つの定着用センサ111’を定着ニップ部Nの下流側に配置してもよい。
このような構成とすると、定着後における定着ベルト110の温度を測定することが可能となり、低温オフセットが生じる温度あるいは定着適正温度以下まで定着ベルト110の温度が低下してしまうことを確実に防止することができる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【発明の効果】
請求項1〜6記載のいずれの画像形成装置によっても、定着ベルトの駆動停止後において不要な加熱がなされるということがなくなる。
また、定着ベルトの加熱ローラへの巻き掛け部分が劣化し難くなととともに、クリープも生じ難くなる。
さらに、
請求項記載の画像形成装置によれば、定着ベルトがダメージを受けることが防止され,かつ加熱ローラの過加熱を確実に防止することができる。
請求項載の画像形成装置によれば、定着温度を正確に制御することが可能になる。
請求項記載の画像形成装置によれば、定着ベルト等の部分的な摩耗を防止することができるとともに、定着ベルトの表面に離型剤を塗布する構成とした場合における、トナーの離型不良が生じるおそれがなくなる。
請求項記載の画像形成装置によれば、より正確に定着温度の制御を行うことが可能となる。
請求項記載の画像形成装置によれば、低温オフセットが生じる温度あるいは定着適正温度以下まで定着ベルトの温度が低下してしまうことを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態を示す概略図。
【図2】定着器100の主要部を示す概略図。
【図3】作用説明図であり、定着器100の状態と、定着ベルト110の温度および加熱ローラ140の温度と、加熱ローラ140の熱源141への通電のON/OFFの関係を示すタイムチャートである。
【図4】従来技術の説明図。
【符号の説明】
S 記録材
80 制御部
100 ベルト定着器
110 定着ベルト
111 定着用センサ
TB 定着ベルトの温度
TBS 待機温度
120 加圧ローラ
130 バックアップローラ(バックアップ部材)
140 加熱ローラ
143 待機用センサ(過加熱防止用センサ)
TR 加熱ローラの温度
TRS 待機温度
TF 定着適正温度
N 定着ニップ部N

Claims (6)

  1. 加熱ローラとバックアップ部材との間に張架されて循環駆動される定着ベルトと、この定着ベルトを介して前記バックアップ部材に圧接されて定着ベルトとの間で定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有し、トナー画像が形成された記録材を、前記定着ニップ部に通し前記トナー画像を加熱溶融して記録材上に定着させる定着器を備えた画像形成装置であって、
    前記加熱ローラ上の定着ベルトの温度を測定する待機用センサと、
    前記バックアップ部材上の定着ベルトの温度を測定する定着用センサと、
    前記定着ベルトが循環駆動されない待機時にあっては、前記待機用センサの測定結果に基づいて加熱ローラが待機温度になるように制御し、前記定着ベルトが循環駆動される駆動時にあっては、前記定着用センサの測定結果に基づいてバックアップ部材上の定着ベルトが定着適正温度になるように前記加熱ローラを制御する制御部と、
    を有し,
    前記待機用センサは、前記定着ベルトの駆動時における、加熱ローラの過加熱防止用センサを兼ねているとともに,当該過加熱防止用センサを兼ねる待機用センサは、加熱ローラ上の定着ベルトにおける、その幅方向に関して前記記録材と接触しない部位の温度を測定することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記待機温度は、前記定着適正温度よりも低温であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記定着用センサは、前記定着ニップ部よりも上流側において定着ベルトの温度を測定することを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. 前記センサは、測定対象に接触しないセンサであることを特徴とする請求項1,2,または3記載の画像形成装置。
  5. 前記定着用センサは、前記定着ベルトにおける、その幅方向に関して、前記記録材と接触する部位の温度を測定することを特徴とする請求項1,2,3,または4記載の画像形成装置。
  6. 前記定着用センサは、前記定着ニップ部よりも下流側において定着ベルトの温度を測定することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
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