JP4026174B2 - 脱泡攪拌機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スラリー液中に含まれている空気を効率よく脱泡できるようにした脱泡攪拌機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
中高粘度材料(固−液スラリー)を処理材料として混合、攪拌、混練、分散等の処理を行うと、処理中にスラリー液内に空気が巻き込まれるので、上記処理後に脱気するためタンク内を真空にして攪拌することが一般に行われている。この場合に使用される攪拌機は、上記処理材料を微粒子化、微細化等する目的で構成した装置をそのまま使用するのが通例である。これらの攪拌機は、基本的に、混合、混練等のような上記処理をできるように高馬力に設計されており、単に脱気を目的とする場合には高価であり、必ずしも満足すべき結果が得られるとは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のようにスラリー液中に含まれた空気を効率よく脱泡することを目的とし、低馬力で経済的に得られるようにした脱泡攪拌機を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記のように、中高粘度の処理材料を混合、攪拌等の処理した際、スラリー液中に含まれた空気を脱泡するためには、タンク内でのスラリー液の流動に軸流を発生させ、液面に存するスラリー液をまんべんなく更新させるようにすればよい。そこで、本発明によれば、タンク内のスラリー液が全体として液面側に向かって流動するよう下記のように構成されている。
【0005】
すなわち、本発明によれば、タンク内を真空にする真空手段を設け、タンク底部に存するスラリー液を上方に掻き上げると共にタンク壁面に存するスラリー液をタンク中央部に流動させるようタンクの底面に沿って回転する底枠部と該底枠部の両端から延びタンクの壁面に沿って回転する側枠部と該側枠部から延び駆動軸に連絡する上枠部を有する枠型ブレードを設け、上記タンク中央部で回転する板状の補助ブレードを設け、上記補助ブレードは、流動したスラリー液を液面側に向けて掻き上げるようにタンク中央部上記補助ブレードの上端が上記駆動軸に固定した取付台の側面に取り付けられ、上記補助ブレードの板面は、回転方向に対して傾斜しており、上記補助ブレードの下端が上端よりも回転方向に向かって前方に位置するようにタンク底部に向かって延びるものであることを特徴とする脱泡攪拌機が提供され、スラリー液は全体として液面側に流動して脱泡され上記課題が解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例を示し、タンク(1)内には混合、混練、分散等の処理を行った処理材料(スラリー液)が収納されており、タンク底部に存するスラリー液を上方に掻き上げると共にタンク壁面に存するスラリー液をタンク中央部に流動させるよう枠型ブレード(2)が設けられている。該枠型ブレード(2)は、断面略山形状に形成され、駆動軸(3)に取り付けられるボス部(4)に連絡する上枠部(5)と、タンク(1)の壁面に沿って延びる側枠部(6)と、タンクの底面に沿って延びる底枠部(7)を有する。図に示す実施例では上記上枠部(5)と底枠部(7)は、上記側枠部(6)を垂直に形成することより同じ方向に配列されているが、該側枠部(6)を90°以内でねじって上枠部(5)と底枠部(7)を異なる方向に配列したねじりブレードとすることもでき、該ねじりブレードに形成すると軸方向の流動を良くすることができる。その他、適宜の枠型ブレードを用いることもできる。
【0007】
上記タンクの中央部には、該タンク中央部に流動したスラリー液を液面側に向けて上方に掻き上げるように、すなわち軸方向に流動させるように補助ブレード(8)が設けられている。該補助ブレード(8)は、上記枠型ブレード(2)の駆動軸(3)と別の駆動軸、例えば該駆動軸(3)を中空に形成してその内部を貫通して延びる同芯状の補助ブレード用駆動軸(図示略)を形成し、該補助ブレード用の駆動軸により上記枠型ブレードと別々に独立して回転させることもできるが、図に示す実施例では、上記駆動軸(3)に取り付けることにより上記枠型ブレード(2)と同一回転数で同一方向に回転する。
【0008】
上記補助ブレード(8)は板状に形成され、上端に設けたボス部(9)からタンク底部に向かって下方に延び、上記駆動軸(3)にキー等で固定した取付台(10)に上記ボス部(5)を取付ボルト(11)で固定することにより、該駆動軸(3)に取り付けられる。該取付台(10)とボス部(9)の接触面は平面のままでもよいが、適宜の凹凸係合部等を設け、固定したときに該係合部を係合させて回り止めするようにしてもよい(図示略)。また、適宜の連結具(図示略)を用いて上記枠型ブレード(2)の底枠部(7)に補助ブレード(8)の下端を連結することもできる。
【0009】
上記補助ブレード(8)は板面の上端と下端を結ぶ線が垂直方向に存するように上記ボス部(9)と取付台(10)の取付位置を固定してもよいが、好ましくは垂直方向に対して板面を傾斜できるよう取付角度を調整可能に設けてある。この取付角度の調整は上記ボス部(9)を上記取付ボルト(11)を中心として回転させ、適宜の位置で角度セット用ボルト(12)で該取付ボルト(11)に固定すればよい。この際、駆動軸(3)の回転方向(13)に対し、補助ブレード(8)の下端(14)が上端(15)よりも前方に位置するよう傾斜させて取り付けると、タンク底部側に存するスラリー液を上方に掻き上げる作用を増大することができる。
【0010】
上記補助ブレード(8)の内方側縁(8a)と外方側縁(8b)は、図1に示す実施例では、回転する際、両側縁(8a),(8b) が半径方向に沿って並び、上記板面が回転方向に正対するように設けられているが、図4(A)に示すように、両側縁(8a),(8b) が円周方向にずれるように板面をねじり、回転方向に対して該板面が傾斜するように設けてもよい。また、板面をねじらずに上記取付台(10)とボス部(9)の接触面が傾斜するよう取付ボルト(11)の軸心を駆動軸の中心から外して上記ボス部(9)を取付台(10)に対して傾斜して取り付けることにより補助ブレード(8)の板面を半径方向に対して傾斜させることもできる。なお、半径方向に対する板面の傾斜角度は、タンク中央部に効率よくスラリー液を集めて液面方向に流動できるよう適宜の角度とする。
【0011】
上記の構成により、混合、混練、分散等の処理を行ったスラリー液中において、上記駆動軸(3)を回転させると、枠型ブレード(2)によりタンク(1)の底部のスラリー液は上方に掻き上げられ、壁部のスラリー液は中心部に流動され全体としてタンク中央部に向かって流動する。このときの回転数は約100r.p.m以下とするとよい。そして、タンク中央部で回転する補助ブレード(8)により中央部に集まったスラリー液は液面に向かって軸方向に流動し、液面のスラリー液はまんべんなく更新され、脱泡される。この際、好ましくはタンク内を真空にするとよい。
【0012】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成され、タンク底部に存するスラリー液を上方に掻き上げると共にタンク壁面に存するスラリー液をタンク中央部に流動させるようタンクの底面及び壁面に沿って回転する枠型ブレードを設け、上記タンク中央部に流動したスラリー液を液面側に向けて掻き上げるようタンク中央部で回転する補助ブレードを設けたから、タンク内のスラリー液は均一に攪拌されて、液面に向かって流動し、該液面のスラリー液は連続的に更新され、効率よく脱泡することができ、従来公知の枠型ブレードの中央部に補助ブレードを付設するだけでよいから、構成が簡単であり、経済的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、タンクを断面した正面図。
【図2】平面図。
【図3】補助ブレード部分の側面図。
【図4】補助ブレードを示し、(A),(B)はそれぞれ他の実施例を示す各斜視図。
【符号の説明】
1…タンク
2…枠型ブレード
3…駆動軸
8…補助ブレード

Claims (1)

  1. タンク内を真空にする真空手段を設け、タンク底部に存するスラリー液を上方に掻き上げると共にタンク壁面に存するスラリー液をタンク中央部に流動させるようタンクの底面に沿って回転する底枠部と該底枠部の両端から延びタンクの壁面に沿って回転する側枠部と該側枠部から延び駆動軸に連絡する上枠部を有する枠型ブレードを設け、上記タンク中央部で回転する板状の補助ブレードを設け、上記補助ブレードは、流動したスラリー液を液面側に向けて掻き上げるようにタンク中央部上記補助ブレードの上端が上記駆動軸に固定した取付台の側面に取り付けられ、上記補助ブレードの板面は、回転方向に対して傾斜しており、上記補助ブレードの下端が上端よりも回転方向に向かって前方に位置するようにタンク底部に向かって延びるものであることを特徴とする脱泡攪拌機。
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