JP4026021B2 - フロアヒンジ - Google Patents

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Description

本発明は、フロアヒンジに関し、更に詳しくは、フロアヒンジ本体をケース内で位置調整する機構に関する。
フロアヒンジは、建築物等の開き扉において使用され、扉本体を支持し、扉本体に閉止力を付与するものである。フロアヒンジは建築物等の床に設置される。扉本体とフロアヒンジの設置は、まず、ケースを建築物等の床面下に固定し、フロアヒンジ本体をケースに収容する。次いで、フロアヒンジ本体の主軸に扉本体を取り付けて、扉本体を吊り込む。そして、フロアヒンジ本体の位置調整を行った後、フロアヒンジ本体はケースに固定される。
フロアヒンジ本体の位置調整は、長手方向調整及び回転方向調整を行なう。前記長手方向調整は、フロアヒンジ本体の主軸の位置をフロアヒンジの長手方向、すなわち扉幅方向(開き扉の開口幅の方向)に前後させ、扉本体の下部を長手方向に前後させることにより、取付枠体と扉本体との間に生じる隙間を略一定にする調整である。
前記回転方向調整は、フロアヒンジ本体を主軸の回転方向に回転させ、扉本体を主軸の回転方向に回転させることにより、フロアヒンジの主軸が扉閉鎖位置となった状態において、扉本体が取付枠体に対して全閉されるようにする調整である。
従来のフロアヒンジ9の構成を図7に示す。フロアヒンジ9の主軸93側においては、フロアヒンジ本体91に設けた凹部94とケース92に設けた凸部95とを係合させ、フロアヒンジ本体91がその係合位置を中心にして回転できるようにしていている。フロアヒンジ9のピストン側においては、短手方向に長いスリット(図示せず)を形成した係止具96をケース92に固定し、調整用ボルト97を前記スリットに通し、フロアヒンジ本体91のネジ孔に螺合させている。前記調整用ボルト97には調整用ナット98を螺合させ、調整用ボルト97と調整用ナット98とで係止具96を挟持している。また、フロアヒンジ本体91の側部においては、短手固定用ボルト99が螺合されており、短手固定用ボルト99がケース92の内面に当接している。
長手方向調整は、短手固定用ボルト99をケース92内面から離した上で、前記調整用ボルト97と調整用ナット98とを緩め、フロアヒンジ本体91に形成されたネジ孔に対する調整用ボルト97の螺合の深さを変化させることにより、ケース92に対してフロアヒンジ本体91を長手方向に移動させて位置調整を行なう。
また、回転方向調整は、短手固定用ボルト99をケース92内面から離した上で、前記調整用ボルト97と調整用ナット98とを緩め、調整用ボルト97をスリットに対して短手方向にスライドさせることにより、前記凹部94及び凸部95との係合位置を中心としてフロアヒンジ本体91を主軸93の回転方向に回転させて位置調整を行なう。
フロアヒンジ本体91とケース92との固定は、前記調整用ボルト97と調整用ナット98とで前記係止具96を締め付けるとともに短手固定用ボルト99をケース92内面に当接させて固定する(例えば、特許文献1参照。)。
実用新案登録第2596095号公報
一般にフロアヒンジの長手方向調整及び回転方向調整では、前述のように、扉本体をフロアヒンジの主軸に取り付けて、吊り込んだ状態で調整を行なう必要がある。このため、フロアヒンジ本体はその位置をずらす方向の力を扉本体から受けている。
上記従来のフロアヒンジ9では、長手方向調整と回転方向調整を1本の調整用ボルト97と調整用ナット98で行うため、長手方向調整及び回転方向調整のどちらを行なう場合にも、短手固定用ボルト99をケース92内面から離した上で、調整用ボルト97と調整用ナット98とを緩める操作が必要である。この操作により、フロアヒンジ本体91は、ケース92に対して長手方向に移動自在となるとともに、回転自在となる。また、フロアヒンジ本体91はその位置をずらす方向の力を扉本体から受けている。このため、フロアヒンジ本体91は、長手方向と回転方向の両方向にずれてしまう。
従って、上記従来のフロアヒンジ9では、長手方向調整と、回転方向調整のいずれかだけを行なおうとしても、フロアヒンジ本体91の長手方向の位置と、回転方向の位置とが同時に変わってしまい、その結果、長手方向調整と回転方向調整の両方を同時に行なう必要があり、フロアヒンジ本体91の位置調整が難しい点に問題があった。
本発明は、前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、長手方向調整と回転方向調整を個別に行なうことができ、フロアヒンジ本体の位置調整を容易に行なうことができるフロアヒンジを提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
フロアヒンジ本体と、
前記フロアヒンジ本体を収容するケースと、
ケースに対するフロアヒンジ本体の主軸の位置を長手方向及び主軸の回転方向に変更し、且つフロアヒンジ本体をケースに固定する本体位置調整手段と、を備えたフロアヒンジであって、
前記本体位置調整手段は、
フロアヒンジ本体の主軸側とケースの主軸側とを係合させ、フロアヒンジ本体を長手方向に移動自在に保持し、かつ、その係合位置を中心にしてフロアヒンジ本体を回転自在に保持するとともに、フロアヒンジ本体の短手方向の移動を規制する係合手段と、
フロアヒンジ本体のピストン側又はケースのピストン側の一方に設けられ、長手方向に貫通する長手方向調整孔を有するブラケットと、
フロアヒンジ本体のピストン側又はケースのピストン側の他方であって、前記ブラケットに対向する位置に設けられる係止部材と、
前記係止部材に対して後記回転方向調整手段によって接続される接続部主体と、
一端部が前記接続部主体に固定され、他端部が後記長手方向調整手段によって前記ブラケットに接続される長手方向調整ボルトと、
を有し、
前記回転方向調整手段は、係止部材及び接続部主体のうち一方に、短手方向に長い案内孔を設け、他方に回転方向調整孔を設け、前記案内孔と回転方向調整孔とに前記回転方向調整ボルトを挿通し、回転方向調整ボルトを緩めることにより係止部材に対して接続部主体を短手方向に位置調整自在とし、回転方向調整ボルトで締め付けることにより、係止部材に対して接続部主体を固定し、
前記長手方向調整手段は、ブラケットの長手方向調整孔に前記長手方向調整ボルトを挿通し、ブラケットを挟持する挟持用ナットを長手方向調整ボルトに螺合し、前記挟持用ナットの螺合位置を調整することにより、長手方向調整ボルトに対するブラケットの位置を長手方向に調整する、
フロアヒンジとした。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、回転方向調整手段のうち、係止部材及び接続部主体の一方に設けられる、短手方向に長い案内孔が上下方向に貫通しており、係止部材及び接続部主体の他方に設けられる回転方向調整孔が上下方向に貫通させることとした。
(作用)
従って、請求項1に記載の発明では、長手方向調整の場合、長手方向調整手段のうち、長手方向調整ボルトに螺合されている挟持用ナットの螺合位置を調整するだけで、長手方向調整ボルトに対するブラケットの位置を長手方向に調整することができ、長手方向調整を行なうことができる。この場合、回転方向調整手段の回転方向調整ボルトを緩める必要はなく、フロアヒンジ本体が回転方向にずれるおそれはない。
また、回転方向調整の場合、回転方向調整手段のうち、回転方向調整ボルトを緩め、係止部材に対して接続部主体を短手方向に位置調整するだけで、フロアヒンジ本体を主軸の回転方向に回転させることができ、回転方向調整を行なうことができる。この場合、長手方向調整手段の挟持用ナットの螺合位置を調整する必要はなく、フロアヒンジ本体が長手方向にずれるおそれはない。
請求項2に記載の発明では、係止部材及び接続部主体の一方に設けられる、短手方向に長い案内孔が上下方向に貫通しており、また、係止部材及び接続部主体の他方に設けられる回転方向調整孔が上下方向に貫通しているため、前記案内孔と回転方向調整孔とに挿通される回転方向調整ボルトは上下方向に設けられる。このため、回転方向調整ボルトの緩め操作及び締め付け操作を行なう場合に、操作に用いる工具が周囲と干渉しないなど、回転方向調整ボルトの緩め操作及び締め付け操作を容易に行なうことができる。
以上より、請求項1から請求項2に記載の発明によれば、長手方向調整と、回転方向調整のいずれを行なう場合にも、フロアヒンジ本体の長手方向の位置と、回転方向の位置とが同時に変わることがない。そのため、長手方向調整と、回転方向調整のいずれかだけを行なうことができ、両方を同時に行なう必要はなく、フロアヒンジ本体の位置調整が容易である。
請求項2に記載の発明によれば、回転方向調整ボルトの緩め操作及び締め付け操作を行なう場合に、操作に用いる工具が周囲と干渉しないなど、回転方向調整ボルトの緩め操作及び締め付け操作が容易であり、回転方向調整を容易に行なうことができる。
本発明を具体化した実施形態について図1から図6に従って説明する。フロアヒンジ1はその長手方向が扉本体の扉幅方向(開き扉の開口幅の方向)に略一致するように設置される。フロアヒンジ1の主軸側は、フロアヒンジ1の長手方向において、主軸が設けられている側とする。フロアヒンジ1のピストン側は、フロアヒンジ1の長手方向において、ピストンが内蔵されている側とする。上下方向は、フロアヒンジ1を設置して使用状態においた場合の上下方向とする。
本発明の実施例に係るフロアヒンジ1は、フロアヒンジ本体2と、ケース3と、本体位置調整手段とを有する。
前記フロアヒンジ本体2について説明する。フロアヒンジ本体2は、開き扉の扉本体を支持し、扉本体に閉止力を付与する部分である。図1に示すように、フロアヒンジ本体2の一端側には、主軸21が設けられている。主軸21は扉本体が連結される部分であり、上方に突出している。フロアヒンジ本体2の他端側にはピストン(図示せず)が内蔵されている。主軸21とピストンとは連動しており、扉本体を開ける動作により蓄勢して扉本体に付与する閉扉力を発生する。フロアヒンジ本体2の内部の機構は本発明の特徴部分ではないため、詳細な説明は省略する。
次に前記ケース3について説明する。ケース3は、建築物等の床面下に設けられ、内部にフロアヒンジ本体2を収容して固定することにより、フロアヒンジ本体2を建築物等の床面下に固定する部分である。図1、図3、図4に示すように、ケース3は、底面部31、底面部31の周縁部に立設される長手方向側面部32及び短手方向側面部33を有する。ケース3上部は開口部であり、フロアヒンジ本体2を収容して固定した後、ケース3上部の開口部を化粧プレート(図示せず)で閉塞する。
次に、本体位置調整手段について説明する。本体位置調整手段は、ケース3に対するフロアヒンジ本体2の主軸21の位置を長手方向及び主軸21の回転方向に変更し、且つフロアヒンジ本体2をケース3に固定する手段である。本体位置調整手段は、係合手段、ブラケット4、係止部材5、接続部主体6、長手方向調整ボルト7を有する。
前記係合手段は、フロアヒンジ本体2とケース3とを係合させる部分である。図1、図3に示すように、係合手段は、長溝部22と突起部34とを有する。前記長溝部22は、フロアヒンジ本体2の下面部の主軸21側において、フロアヒンジ本体2の長手方向に形成される。前記突起部34は、前記長溝部22に係合する部分であり、ケース3の底面部31の主軸21側に形成される。フロアヒンジ本体2の長溝部22とケース3の突起部34とを係合させ、フロアヒンジ本体2を長手方向に移動自在に保持し、かつ、長溝部22と突起部34との係合位置を中心にしてフロアヒンジ本体2を回転自在に保持する。また、長溝部22と突起部34とを係合させることにより、フロアヒンジ本体2の短手方向の移動を規制している。
前記ブラケット4は、フロアヒンジ本体2に設けられ、フロアヒンジ本体2とケース3とを接続するための部分である。図1に示すように、ブラケット4はフロアヒンジ本体2のピストン側に設けられる。ブラケット4は金属製の板状体を屈曲して、ケース3の長手方向側面部32に対向する部分と、ケース3の短手方向側面部33に対向する部分とが形成される。図4に示すように、短手方向側面部33に対向する部分には、長手方向調整孔41が設けられる。長手方向調整孔41は後記長手方向調整ボルト7が挿通される部分である。長手方向調整孔41は、短手方向側面部33に対向する部分の略中央に設けられ、長手方向に貫通している。また、図1を参照して、長手方向側面部32に対向する部分には、側部ネジ孔(図示せず)が設けられる。側部ネジ孔は後記短手固定ボルト75が螺合する部分である。
前記係止部材5は、ケース3に設けられ、フロアヒンジ本体2とケース3とを接続するための部分である。図1に示すように、係止部材5はケース3のピストン側に設けられる。係止部材5は、板状体を屈曲して、ケース3の内面に沿う形状に形成される。ケース3の短手方向側面部33に沿う部分には、係止部材副体51が設けられる。係止部材5としての係止部材副体51は、フロアヒンジ本体2に設けられた前記ブラケット4に対向する位置に設けられる。図4に示すように、係止部材副体51は、係止部材5の一部をケース3の底面部31と略平行となるように屈曲して形成しており、ブラケット4に向けて突出させた板状の部分である。
前記接続部主体6は、前記係止部材5としての係止部材副体51に対して後記回転方向調整手段によって接続される部分である。図4に示すように、接続部主体6は、接続用上部61と接続用側部62とを有しており、接続用上部61と接続用側部62とで断面略L字形を形成している。前記接続用上部61は前記係止部材5としての係止部材副体51に係止することができる板状の部分である。前記接続用側部62には後記長手方向調整ボルト7を挿通させて固定するためのボルト固定用孔64が設けられている。
前記長手方向調整ボルト7は、一端部が前記接続部主体6に固定され、他端部が後記長手方向調整手段によって前記ブラケット4に接続される部分である。図4に示すように、長手方向調整ボルト7は、前記接続部主体6の接続用側部62に設けられたボルト固定用孔64に挿通させ、溶接手段によって固定される。
次に、前記回転方向調整手段について説明する。回転方向調整手段は、前記係止部材5としての係止部材副体51と前記接続部主体6とを接続する手段である。図4に示すように、係止部材5としての係止部材副体51には回転方向調整孔52を設ける。回転方向調整孔52には、後記回転方向調整ボルト71と螺合する雌ネジを形成する。また、図1、図4に示すように、接続部主体6の接続用上部61には短手方向に長い案内孔63を設ける。回転方向調整孔52と案内孔63とは、ともに上下方向に貫通するように設ける。また、案内孔63を設ける位置は、係止部材副体51の上方に接続部主体6の接続用上部61を重ねた状態で、案内孔63が回転方向調整孔52に対応する位置とする。前記案内孔63の上方から下方に向けて回転方向調整ボルト71を挿通し、回転方向調整ボルト71を回転方向調整孔52に螺合させる。回転方向調整ボルト71を緩めると、案内孔63が短手方向に長く形成されていることにより、係止部材副体51に対して接続部主体6は短手方向に位置調整自在となる。回転方向調整ボルト71を締め付けることにより、係止部材5に対して接続部主体6は固定される。
次に、前記長手方向調整手段について説明する。長手方向調整手段は、長手方向調整ボルト7とブラケット4とを接続する手段である。図1、図4に示すように、一端部が前記接続部主体6に固定された長手方向調整ボルト7の他端部には、第1の挟持用ナット72を螺合する。その長手方向調整ボルト7の他端部はブラケット4の長手方向調整孔41に挿通する。ブラケット4の長手方向調整孔41から突出した長手方向調整ボルト7には第2の挟持用ナット73を螺合する。第1、第2の挟持用ナット72、73でブラケット4を挟持した状態とし、第1、第2の挟持用ナット72、73の螺合位置を調整する。これにより、長手方向調整ボルト7に対するブラケット4の位置を長手方向に調整する。
短手固定ボルト75は、フロアヒンジ本体2を短手方向に固定する部分である。図1に示すように、短手固定ボルト75は、前記ブラケット4に形成された側部ネジ孔に螺合される。短手固定ボルト75は、前記係止部材5のうち、ケース3の長手方向側面部32に沿う部分に当接している。短手固定ボルト75の突出長さの変更は、短手固定ボルト75を正逆に回転させることにより行なう。
次に、本実施例に係るフロアヒンジ1について、フロアヒンジ本体2の位置調整を説明する。
まず、長手方向調整について説明する。長手方向調整は、図1の状態から、フロアヒンジ本体2の主軸21の位置をフロアヒンジ1の長手方向に前後させて調整を行なう。短手固定ボルト75は、前記係止部材5のうち、ケース3の長手方向側面部32に沿う部分に当接した状態であり、短手固定ボルト75を深くねじ込むことによって、係止部材5に当接している状態から離間させる。
長手方向調整ボルト7に螺合され、ブラケット4を挟持した状態の第1、第2の挟持用ナット72、73の螺合位置を調整する。これにより、ケース3に対するフロアヒンジ本体2の長手方向の位置を調整できるため、フロアヒンジ本体2の主軸21の位置が適切な位置となるように、フロアヒンジ本体2を長手方向に前後させて調整を行なう。
前記第1、第2の挟持用ナット72、73の螺合位置を調整して長手方向調整を行なった後、フロアヒンジ本体2をケース3に対して固定する。第1、第2の挟持用ナット72、73でブラケット4を締め付けることにより、ケース3に対するフロアヒンジ本体2の長手方向の移動は阻止される。また、短手固定ボルト75を、前記係止部材5のうち、ケース3の長手方向側面部32に沿う部分に当接した状態に戻す。
次に、回転方向調整について説明する。回転方向調整は、図1の状態から、フロアヒンジ本体2を主軸21の回転方向に回転させて調整を行なう。短手固定ボルト75は、前記係止部材5のうち、ケース3の長手方向側面部32に沿う部分に当接した状態であり、フロアヒンジ本体2を短手方向に移動調整させる側の短手固定ボルト75を深くねじ込んで、係止部材5に当接している状態から離間させる。
回転方向調整ボルト71を緩めると、接続部主体6の案内孔63が短手方向に長く形成されていることにより、図2に示すように、係止部材副体51に対して接続部主体6は短手方向に位置調整自在となる。接続部主体6は長手方向調整ボルト7を介してフロアヒンジ本体2と接続されているため、フロアヒンジ本体2のピストン側を短手方向に移動させることができる。また、フロアヒンジ本体2の主軸21側において、フロアヒンジ本体2の長溝部22とケース3の突起部34とを係合させているため、フロアヒンジ本体2のピストン側を短手方向に移動させることにより、フロアヒンジ本体2は主軸21の回転方向に回転する。フロアヒンジ本体2を回転させることにより、フロアヒンジ本体2の主軸21の位置が適切な位置となるように調整を行なう。
回転方向調整ボルト71を緩めて回転方向調整を行なった後、フロアヒンジ本体2をケース3に対して固定する。回転方向調整ボルト71を締め付けることにより、係止部材5に対して接続部主体6は固定され、ケース3に対するフロアヒンジ本体2の短手方向の移動は阻止される。また、短手固定ボルト75を、前記係止部材5のうち、ケース3の長手方向側面部32に沿う部分に当接した状態に戻す。
実施例に係るフロアヒンジ1によれば、以下の効果を有する。
長手方向調整の場合、長手方向調整手段のうち、長手方向調整ボルト7に螺合されている第1、第2の挟持用ナット72、73の螺合位置を調整するだけで、長手方向調整ボルト7に対するブラケット4の位置を長手方向に調整することができ、長手方向調整を行なうことができる。この場合、回転方向調整手段の回転方向調整ボルト71を緩める必要はない。このため、フロアヒンジ本体2の回転方向の位置は変わらない。従って、長手方向調整だけを行なうことができ、両方を同時に行なう必要はなく、フロアヒンジ本体2の位置調整が容易である。
回転方向調整の場合、回転方向調整手段のうち、回転方向調整ボルト71を緩め、係止部材5に対して接続部主体6を短手方向に位置調整するだけで、フロアヒンジ本体2を主軸21の回転方向に回転させることができ、回転方向調整を行なうことができる。この場合、長手方向調整手段の第1、第2の挟持用ナット72、73を緩める必要はない。このため、フロアヒンジ本体2の長手方向の位置は変わらない。従って、回転方向調整だけを行なうことができ、両方を同時に行なう必要はなく、フロアヒンジ本体2の位置調整が容易である。
接続部主体6に設けた案内孔63が上下方向に貫通しており、係止部材5としての係止部材副体51に設けた回転方向調整孔52が上下方向に貫通しているため、前記案内孔63と回転方向調整孔52とに挿通される回転方向調整ボルト71は上下方向に設けられる。このため、回転方向調整ボルト71の緩め操作及び締め付け操作を行なう場合に、操作に用いる工具が周囲と干渉しないなど、回転方向調整ボルト71の緩め操作及び締め付け操作が容易であり、回転方向調整を容易に行なうことができる。
尚、実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば、次のように変更してもよい。
フロアヒンジ本体2にブラケット4を設け、ケース3に係止部材5を設けたが、図6にしめすように、フロアヒンジ本体2に係止部材5を設け、ケース3にブラケット4を設けてもよい。
回転方向調整手段の接続部主体6に設けた、短手方向に長い案内孔63は、円弧状に湾曲させて形状としてもよい。円弧の曲率半径は、ケース3に形成した突起部34から案内孔63までの略距離と等しくすれば、フロアヒンジ本体2の回転方向調整がより円滑になり好ましい。
係止部材5と接続部主体6とを締め付ける手段は、回転方向調整孔52に雌ネジを形成し、回転方向調整孔52に回転方向調整ボルト71を螺合させて係止部材5と接続部主体6とを締め付ける手段のほか、図5に示すように、回転方向調整孔52には雌ネジを形成せず、回転方向調整ボルト71に固定用ナット74を螺合させて締め付けるようにしてもよい。
図5に示すように、回転方向調整孔52には雌ネジを形成せず、回転方向調整ボルト71に固定用ナット74を螺合させて締め付けるようにした場合、係止部材5としての係止部材副体51に案内孔63を設け、接続部主体6に回転方向調整孔52を設けてもよい。
本発明の実施例に係るフロアヒンジ1の平面簡略図である。 回転方向調整を行なった状態のフロアヒンジ1の平面簡略図である。 図1のA―A線における端面簡略図である。 図1のB―B線における端面簡略図である。 図1のB―B線に対応する位置で切断した、他の例に係るフロアヒンジ1の端面簡略図である。 他の例に係るフロアヒンジ1の平面簡略図である。 従来のフロアヒンジ9の平面簡略図である。
符号の説明
1 フロアヒンジ
2 フロアヒンジ本体
21 主軸
22 長溝部
3 ケース
31 底面部
32 長手方向側面部
33 短手方向側面部
34 突起部
4 ブラケット
41 長手方向調整孔
5 係止部材
51 係止部材としての係止部材副体
52 回転方向調整孔
6 接続部主体
61 接続用上部
62 接続用側部
63 案内孔
64 ボルト固定用孔
7 長手方向調整ボルト
71 回転方向調整ボルト
72 第1の挟持用ナット
73 第2の挟持用ナット
74 固定用ナット
75 短手固定ボルト
9 従来のフロアヒンジ
91 フロアヒンジ本体
92 ケース
93 主軸
94 凹部
95 凸部
96 係止具
97 調整用ボルト
98 調整用ナット
99 短手固定用ボルト

Claims (2)

  1. フロアヒンジ本体と、
    前記フロアヒンジ本体を収容するケースと、
    ケースに対するフロアヒンジ本体の主軸の位置を長手方向及び主軸の回転方向に変更し、且つフロアヒンジ本体をケースに固定する本体位置調整手段と、を備えたフロアヒンジであって、
    前記本体位置調整手段は、
    フロアヒンジ本体の主軸側とケースの主軸側とを係合させ、フロアヒンジ本体を長手方向に移動自在に保持し、かつ、その係合位置を中心にしてフロアヒンジ本体を回転自在に保持するとともに、フロアヒンジ本体の短手方向の移動を規制する係合手段と、
    フロアヒンジ本体のピストン側又はケースのピストン側の一方に設けられ、長手方向に貫通する長手方向調整孔を有するブラケットと、
    フロアヒンジ本体のピストン側又はケースのピストン側の他方であって、前記ブラケットに対向する位置に設けられる係止部材と、
    前記係止部材に対して後記回転方向調整手段によって接続される接続部主体と、
    一端部が前記接続部主体に固定され、他端部が後記長手方向調整手段によって前記ブラケットに接続される長手方向調整ボルトと、
    を有し、
    前記回転方向調整手段は、係止部材及び接続部主体のうち一方に、短手方向に長い案内孔を設け、他方に回転方向調整孔を設け、前記案内孔と回転方向調整孔とに前記回転方向調整ボルトを挿通し、回転方向調整ボルトを緩めることにより係止部材に対して接続部主体を短手方向に位置調整自在とし、回転方向調整ボルトで締め付けることにより、係止部材に対して接続部主体を固定し、
    前記長手方向調整手段は、ブラケットの長手方向調整孔に前記長手方向調整ボルトを挿通し、ブラケットを挟持する挟持用ナットを長手方向調整ボルトに螺合し、前記挟持用ナットの螺合位置を調整することにより、長手方向調整ボルトに対するブラケットの位置を長手方向に調整する、
    ことを特徴とするフロアヒンジ。
  2. 回転方向調整手段のうち、係止部材及び接続部主体の一方に設けられる、短手方向に長い案内孔が上下方向に貫通しており、係止部材及び接続部主体の他方に設けられる回転方向調整孔が上下方向に貫通していることを特徴とする請求項1に記載のフロアヒンジ。
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