[実施形態1]
[計量装置10全体の構成]
本発明の一実施形態に係る計量装置10は、上部に開口を有する容器Cに入れられた食品等の被計量物の計量を行い、複数蓄えられた容器Cの中から所望の容器Cを取り出して、容器Cから被計量物を排出させる計量装置である。また、計量装置10は、図1および図2に示すように、主要な構成として、供給部12、計量部13、ストック部14、排出部15、受渡し部16a〜16c、排出シュート17、操作部18および旋回機構19を備えている。
容器Cは、上部が開口したコップ状の容器であって外周部につば部分C1を有しており、計量装置10内を循環しながら被計量物を供給位置から排出位置まで搬送する。また、容器Cは、計量部13、ストック部14、排出部15において常に移動させられながら計量装置10内を循環している。このため、本実施形態の計量装置10では、移動中の容器Cに対して被計量物の供給、計量、ストック、排出という各工程が行われる。また、容器Cは、金属製または一部が金属製の部材であって、以下で説明する計量部13、ストック部14、排出部15が有する磁石の磁力によって各部13〜15において保持される。
供給部12は、計量装置10によって計量される被計量物を移動中の容器C内へ投入する。
計量部13は、複数の計量器25a〜25e(図5参照)を有しており、被計量物が入れられてない空の容器Cおよび被計量物が入れられた容器Cの計量を行う。
ストック部14は、被計量物が入れられた複数の容器Cを蓄える。
排出部15は、ストック部14において立体的に蓄えられている複数の容器Cの中から取り出された所望の容器Cを、供給部12の方向へ移動させながら反転させる。これにより、容器Cに入れられている被計量物を所望の場所に排出することができる。
受渡し部16a〜16cは、計量部13とストック部14との間、ストック部14と排出部15との間、排出部15と計量部13との間に設けられており、各部間で容器Cの受け渡しを行う。
排出シュート17は、上部と下部とが開口した漏斗形状の部材であって、下部開口17aを有しており、排出部15の近傍に配置されている。また、排出シュート17は、排出部15において反転させた容器Cから排出される被計量物を下部開口17aから排出する。
操作部18は、ユーザによって運転速度等の設定値が入力され、運転等に関する各種情報を表示する。なお、本実施形態では、この計量装置10の全体の動作を制御する制御部20が操作部18の内部に備えられている。
制御部20は、例えば、RAM20a(図11参照)と組合せ計量の演算を行う演算部20b(図11参照)とを内部に備えている。制御部20は、これらのRAM20aに被計量物の重量データを記憶させる。そして、演算部20bが、RAM20aに記憶させた重量データを用いて組合せ演算を行う。
なお、本実施形態では、被計量物の重量データ等を計量装置10内のRAM20bに記憶させている例を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、容器Cに付されたIDタグにその容器Cに入った被計量物の重量データを記憶させてもよい。この場合には、容器Cとともに重量データが移動することになるため、容器Cとその中に入った被計量物の重量データとの関連付けを容易かつ確実に行うことができる。
なお、これらの主要な構成については、後段においてそれぞれ詳しく説明する。
また、本実施形態の計量装置10には、容器Cの移動経路に沿って、図2に示すように、供給計量ゾーンR1、容器受渡しゾーンR2、ストックゾーンR3、容器受渡しゾーンR4、排出ゾーンR5および容器受渡しゾーンR6が形成される。そして、容器Cは、この各ゾーンR1からR6の順に移動して計量装置10内を循環している。なお、図2に示す1点鎖線は、循環する容器Cの中心位置の軌跡を示している。
供給計量ゾーンR1は、計量部13において、被計量物の容器Cへの供給と容器Cおよび被計量物の計量が行われる部分である。ここでは、まず空の容器Cの計量を行う。そして、その容器Cに対して被計量物を投入するとともに、被計量物が入った容器Cの計量を行う。容器受渡しゾーンR2は、受渡し部16aにおいて計量部13から計量済みの容器Cを受け取って、ストック部14へ引き渡す部分である。ストックゾーンR3は、受渡し部16aから容器Cを受け取って、ストック部14において立体的に蓄える部分である。ここでは、計量済みの複数の容器Cを立体的に蓄えており、ストック部14内でこれらの複数の容器Cを循環させる。容器受渡しゾーンR4は、ストック部14において蓄えられた複数の容器Cの中から制御部20によって選択された容器Cを受け取って、排出部15に対して引き渡す部分である。排出ゾーンR5は、受渡し部16bから受け取った容器Cを旋回させながら反転させて、排出シュート17の下部開口17aを排出目標位置として被計量物を排出する部分である。容器受渡しゾーンR6は、被計量物が排出されて空になった容器Cを排出部15から受け取って、再び計量部13へ引き渡す部分である。
本実施形態の計量装置10では、以上のような各ゾーンR1〜R6を経て、容器Cを計量装置10内で循環させている。
なお、後段にて説明する「上流側」、「下流側」とは、上述した容器Cの循環方向を基準にした上流側、下流側を示すものとする。
[供給部12の構成]
供給部12は、図1および図2に示すように、計量部13が旋回させている容器Cに対して被計量物を投入するために計量部13における容器Cの旋回軌道の上部に配置された振動フィーダである。そして、供給部12は、図3に示すように、トラフ21とモータボックス22とを備えており、トラフ21の下に設けられたシュート24に被計量物を投入する。
トラフ21には、容器Cに投入される被計量物が載置される。そして、モータボックス22内の駆動モータが回転することによって、トラフ21を図3に示すX方向へはゆっくり、Y方向へはX方向よりも速く移動させる。これにより、トラフ21上に載置された被計量物をシュート24側へ少しずつ連続して搬送することができる。
被計量物は、トラフ21からシュート24に落とされ、シュート24から計量部13が旋回させている容器C内に投入される。つまり、供給部12は、計量部13によって回転軸A1を中心に旋回している容器Cに対して被計量物を投入する。これにより、容器Cを停止させて被計量物を容器Cへ投入する場合と比較して高速化が図れる。
シュート24は、上部と下部とが開口したステンレス製の部品であって、トラフ21から投入された被計量物を集めて、計量部13において旋回している容器Cの真上から被計量物を落下させる。
[計量部13の構成]
計量部13は、容器Cに入れられた被計量物の計量を行う装置であって、図2に示すように、排出部15の下流側で、かつストック部14の上流側に配置されている。また、計量部13は、図4および図5に示すように、5つの計量器25a〜25eと各計量器25a〜25eに対応して設けられたホルダー28を備えている。そして、計量部13は、これらの計量器25a〜25e等を、後述する旋回機構19からの回転駆動力を伝達された回転軸A1を中心に旋回させる。これにより、計量部13は容器Cの搬送機構としての機能も有する。なお、回転軸A1を回転させる旋回機構19については後段にて詳述する。
計量器25a〜25eは、図4に示すように、円形ボックス26内にロードセル27を有している。そして、ホルダー28によって保持された容器Cの計量を旋回しながら行う。これにより、次工程が行われるストック部14の方へ旋回しながら計量が行われるため、計量からストックまでの工程を高速化できる。また、移動しながらの計量であっても、計量部13とストック部14との間に設けられた受渡し部16aにおける受け渡し位置まで旋回するまでの時間を、計量を行うための時間として充分に確保できる。
ホルダー28は、容器Cの底面を下から支える底板28aとU字型の部材28bとを有している。そして、容器Cの外周に形成されたつば部分C1に沿ってU字型の部材28bを被せることで、底板28aとU字型の部材28bとの間で容器Cを保持する。さらに、ホルダー28の底板28aには、磁石(永久磁石)が埋め込まれている。このため、この磁石の磁力によって金属製の容器Cを保持することができる。なお、磁石は底板28aではなく側壁側に埋め込まれていてもよいし、底板28aと側壁側の双方に埋め込まれていてもよい。以下に示すホルダー31,35についても同様である。
計量は、容器Cと計量器25a〜25eとが相対的停止している状態で行われる。すなわち、容器Cと計量器25a〜25eとは同じ速度で移動しながら計量が行われる。これにより、容器Cを移動させながらであっても、容器Cの移動を停止させて計量する場合と同様に正確な計量を行うことができる。
なお、容器Cは樹脂製であってもよいし、ホルダー28においては磁石以外で容器Cを保持してもよい。
また、計量部13は、排出部15において被計量物が排出されて空になった容器Cを受渡し部16cから受け取り、空の容器Cを計量しながら供給部12が備えているシュート24の下部開口24aの直下まで移動させる。このように、計量部13では、計量から排出までの工程を終えた容器Cを受け取って、再び計量から排出までの工程に送り込んでいる。このため、容器Cを計量装置10内で循環させることができる。
さらに、計量部13の各計量器25a〜25eは、受渡し部16cから空の容器Cを受け取った後、供給部12から被計量物が投入されるまでの間にゼロ点調整を行う。本実施形態の計量装置10では、以上のように、各計量器25a〜25eが容器Cとともに回転移動しているため、各計量器25a〜25eが新たな容器Cを受け取るたびにゼロ点調整を行うことができる。このため、計量装置10内で容器Cを循環させており、排出後の被計量物が少量容器C内に残っている場合でも、新たな容器Cを受け取る度にゼロ点調整を行うため、常に正確な計量を行うことができる。なお、排出後の容器C内に少量の被計量物が残る場合としては、被計量物が漬物等の粘着質の食品である場合が挙げられる。
[ストック部14の構成]
ストック部14は、計量部13において計量された複数の容器Cを蓄える装置であって、図2に示すように、計量部13の下流側であって排出部15の直上流側に配置されている。このため、ストック部14は、制御部20(図1参照)によって選択された容器Cを即座に排出部15へ引き渡すことができる。また、ストック部14は、図6および図7に示すように、鉛直方向に5つの容器Cを保持することが可能な5つの蓄積部30を備えている。そして、これらの蓄積部30は、回転軸A2を中心に周方向に等間隔で配置されている。
蓄積部30は、5つの容器Cを鉛直方向において保持するために、鉛直方向に並ぶ5つのホルダー31を有している。ホルダー31は、計量部13のホルダー28と同様の、容器Cの底面を下から支える底板31aとU字型の部材31bとを備えている。そして、ホルダー31においても、底板31aに埋め込まれた磁石の磁力によって金属製の容器Cを保持する。
また、ストック部14は、回転軸A2を中心に蓄積部30を旋回させる。これにより、ストック部14は、計量部13と同様に、容器Cの搬送機構としての機能を有する。また、常に容器Cを水平方向で旋回させながら蓄えているため、制御部20によって容器Cの選択が行われると、選択された容器Cを即座にストック部14から受渡し部16bへ引き渡すことができる。
さらに、ストック部14は、蓄積部30を鉛直方向に移動させる機構34を有している。
機構34は、ねじ溝が形成されている軸32と、軸32の下部に配置され軸32を回転させるモータ(図示せず)と、蓄積部30と軸32とを接続する接続部材33とを備えている。この機構34では、5本の軸32の下部にそれぞれに取り付けられたモータによって軸32を正転反転させることで、この軸32に取り付けられた接続部材33を昇降させる。詳細には、軸32を回転させるモータは、通常、回転軸A2の回転速度と同期するように軸32を常時回転させている。これにより、回転軸A2の周りを回転しながら軸32を相対的に無回転状態とすることができる。ここで、鉛直方向に容器Cを移動させる際には、この常時回転させているモータの回転速度を増減させることで、回転軸A2に対して相対的に軸32を正転させたり反転させたりする。これにより、接続部材33とともに蓄積部30に保持された容器Cを鉛直方向に移動させることができる。
また、ストック部14において、鉛直方向に容器Cを移動させる機構34を備えることで、ストック部14において立体的に複数の容器Cを蓄えることができる。さらに、受渡し部16aから水平移動してきた容器Cを鉛直方向に蓄えていき、鉛直方向に蓄えた容器Cを水平方向に移動させて受渡し部16bに引き渡すことで、容器Cの移動方向と容器Cを蓄えていく方向とを交差させることができる。5つの蓄積部30は、運転開始時には図6に示す3F〜7Fの間に位置している。そして、制御部20からの容器Cの排出要求に応じて、5段の容器Cを保持しながら1F〜9Fの間で鉛直方向に移動する。なお、図6に示す1F〜9Fの表示は、容器Cが鉛直方向において位置している階層を示すものである。
また、本実施形態の計量装置10では、鉛直方向に5つの容器Cを保持している蓄積部30において、運転開始時の蓄積部30の中央部分に相当する5F部分の高さにおいて容器Cの受け取りと引き渡しとを行う。これにより、どの階層で保持されている容器Cを取り出す場合でも、蓄積部30の鉛直方向の移動距離を、5Fを中心とする上下2階層以内に抑えることができる。
また、ストック部14は、容器Cの受け取りと引き渡しとを同じ階層(高さ)で行う。つまり、図6に示すように、受渡し部16aからは5Fの階層で容器Cを受け取り、受渡し部16bに対しては同じく5Fの階層で容器Cを引き渡す。このように、容器Cの受け取りと引き渡しとを同じ高さで行うことにより、容器Cが排出された後、そのまま回転軸A2を中心に蓄積部30を旋回させるだけでその位置に新たな容器Cを追加補充できる。
[排出部15の構成]
排出部15は、容器Cに入れられた状態で搬送されてきた被計量物を容器Cから排出するための装置である。そして、図2に示すように、ストック部14の下流側であって、計量部13の上流側に配置されている。また、排出部15は、図8および図9に示すように、5つのホルダー35と、5本のシャフト36と、傾斜板37と、回転軸A3と、反転機構(反転部)38とを備えている。
ホルダー35は、容器Cを保持するために、計量部13のホルダー28、ストック部14のホルダー31と同様の、容器Cの底面を下から支える底板35aとU字型の部材35bとを備えている。そして、ホルダー35においても、底板35aに埋め込まれた磁石の磁力によって金属製の容器Cを保持する。また、ホルダー35は、回転軸A3を中心として周方向に等間隔で5つ配置されており、回転軸A3の周りを旋回する。
シャフト36は、その上端部にホルダー35がそれぞれに取り付けられており、鉛直方向に伸びる内部が空洞の金属製の円筒である。このシャフト36の内部には、ホルダー35を反転させるための反転機構38を構成するカムやギア等の部品が備えられている。
傾斜板37は、図10(a)〜図10(f)に示すように、回転軸A3を中心として並列に旋回している5本のシャフト36の下部にそれぞれ取り付けられた誘導部39を、傾斜板37の傾斜面に沿って持ち上げる。これにより、シャフト36の上端部に取り付けられたホルダー35とともにホルダー35に保持された容器Cを鉛直方向に移動させることができる。
反転機構38は、容器Cから被計量物Pを排出するために、シャフト36の内部に設けられた反転機構38のカムやギアを駆動させることで、容器Cを保持しているホルダーを180度回転させる。また、反転機構38は、排出シュート17内の所望の排出位置、すなわち下部開口17aに向かって被計量物Pが排出されるように、制御部20(図1参照)において容器Cを回転させるタイミングが制御される。なお、反転機構38によって開口が下向きになるように反転させられた容器Cは、つば部分C1をホルダー35のU字型の部材35bで下から支えられることで保持される。
回転軸A3は、ホルダー35とともに容器Cを旋回させる。これにより、排出部15は、計量部13およびストック部14と同様に、後述する旋回機構19から回転駆動力が伝達されて、容器Cの搬送機構としての機能を有する。そして、回転軸A3は、後述する旋回機構19が備えている回転モータM1からの回転駆動力により、他の回転軸A1,A2,A4と同期しながら回転する。
本実施形態の計量装置10では、排出部15が回転軸A3を中心として容器Cを旋回させながら被計量物Pを容器Cから排出させている。このため、容器C内の被計量物Pは、遠心力が加えられた状態で容器Cから排出される。よって、容器Cから排出された被計量物に遠心力と重力とがかかった状態で、回転軸A3を中心とする旋回軌道の接線方向に配置された排出シュート17の中心部に設けられた下部開口17a付近に被計量物Pを自由落下させることができる。
[制御部20の構成]
制御部20は、図11に示すように、内部にRAM20aと演算部20bとを備えている。
RAM20aは、計量部13における計量結果としての被計量物の重量データを計量部13から送信される。そして、受信した重量データとその被計量物が入れられている容器Cが格納されているストック部14における位置とを関連付けた状態で記憶する。
演算部20bは、ストック部14に蓄えられている複数の容器Cに入れられた被計量物の重量データであって、RAM20aに記憶されている重量データを組み合わせて、所望の範囲内の重量になるように組合せ演算を行う。
本実施形態の計量装置10では、演算部20bにおける演算結果に基づいて選択された複数の容器Cをストック部14から取り出して、排出部15から連続して被計量物を排出する。これにより、選択された複数の容器Cから排出された被計量物の重量を合計すると所望の範囲内の重量になるように組合せ計量を行うことができる。
例えば、演算部20bが、RAM20aに記憶されている重量データ用いて、ストック部14における蓄積部30aの中の容器C1、蓄積部30bの中の容器C2、蓄積部30cの中の容器C3および蓄積部30dの中の容器C4に入れられている被計量物の重量データを組み合わせると所望の範囲内の重量になるという演算結果を出したとする。この場合には、制御部20が、各容器C1〜C4が順番に受渡し部16bの高さ(図6の5F部分)に移動するようにストック部14における蓄積部30の鉛直方向の移動を制御する。そして、受渡し部16bの近傍に設けられている爪部材45と所望の容器Cが接触することで、ストック部14における旋回軌道から外れてその容器Cを受渡し部16bに引き渡すことができる。
また、他の容器Cについても同様に、各蓄積部30a〜30dから順番に受渡し部16bへ引き渡される。そして、排出部15において、これらの容器C1〜C4内の被計量物をそれぞれ排出することで、所望の重量の被計量物を排出シュート17へ排出することができる。
なお、本実施形態では、被計量物の重量データ等を計量装置10内のRAM20bに記憶させている例を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、容器Cに付されたIDタグにその容器Cに入った被計量物の重量データを記憶させてもよい。この場合には、容器Cとともに重量データが移動することになるため、容器Cとその中に入った被計量物の重量データとの関連付けを容易かつ確実に行うことができる。
[受渡し部16a〜16cの構成]
受渡し部16a〜16cは、図2に示すように、計量部13とストック部14との間、ストック部14と排出部15との間、排出部15と計量部13との間にそれぞれ配置されている。そして、受渡し部16a〜16cが配置されている高さは、すべて図6に示す5Fの階層に相当する位置である。
受渡し部16aは、計量部13とストック部14との間に設けられており、計量済みの容器Cを計量部13から受け取ってストック部14へ引き渡す。受渡し部16bは、ストック部14と排出部15との間に設けられており、制御部20(図1参照)において選択されて、図6の5F位置に移動してきた所望の容器Cをストック部14から受け取って、排出部15へ引き渡す。受渡し部16cは、排出部15と計量部13との間に設けられており、排出部15において被計量物を排出した空の容器Cを排出部15から受け取って計量部13へ引き渡す。このように、受渡し部16a〜16cが計量、ストック、排出等の各工程間における容器Cの受け渡しを行うことで、容器Cを計量装置10内で循環させることができる。
また、受渡し部16a〜16cは、それぞれが図12に示すように上板41と下板42と3本の回転軸A4とを備えている。上板41は、容器Cの外周面に沿った円弧部分44を3つ有しており、この円弧部分44において容器Cを保持する。下板42は、突起部43を6つ有しており、2本の突起部43の間に容器Cをはめ込んで容器Cを下から支える。3本の回転軸A4は、後述する旋回機構19から回転駆動力が伝達されて、それぞれの受渡し部16a〜16cが同期するように受渡し部16a〜16cを回転させる。これにより、受渡し部16a〜16cは、各部間において容器Cの受け渡しを行う機能とともに、容器Cの搬送機構としての機能も有する。なお、受渡し部16a〜16cの回転方向は、計量部13、ストック部14、排出部15の回転方向とは反対の方向である。これにより、各受渡し部16a〜16cと計量部13等が隣接する容器Cの受け渡しを行う側においては、同じ方向に容器Cを移動させることになる。よって、容器Cの受け渡しをスムーズに行うことができる。
ここで、容器Cの受け渡しに用いられる部材として、受渡し部16a〜16cの近傍には、図7に示すように、爪部材(移動方向変更部、保持解除部材)45が設けられている。
この爪部材45は、各受渡し部16a〜16cの近傍に突き出た爪46を有する部材である。そして、計量部13とストック部14と排出部15との間のほぼ中心部分であって、容器Cの受け取りと引き渡しとが行われる図6に示す5Fの階層に相当する高さ位置に固定配置されている。
本実施形態の計量装置10では、例えば、図7に示すストック部14において旋回している複数の容器Cの中から、制御部20によって選択された容器Cを5Fの階層に相当する高さ位置まで鉛直方向に移動させる。取り出す容器Cが移動してきた5Fの階層に相当する高さ位置には、爪部材45の爪46が突き出ている。このため、この爪46がストック部14における旋回軌道から外れるように容器Cを誘導することで、受渡し部16bの方へ取り出す容器Cの移動方向が変化する。これにより、ストック部14における容器Cの保持を解除して、容器Cを受渡し部16bの方向へ誘導することができる。
このように、受渡し部16bにおいて、爪部材45を用いて強制的に容器Cの保持を解除することで、本実施形態のように永久磁石の磁力によって容器Cを保持している場合でも、容器Cの保持解除を容易に行うことができる。よって、電磁石を用いて電気的に容器Cの保持解除を制御しなくても、簡易な構成により容器Cの保持を解除して、容器Cの受け渡しを行うことができる。
他の受渡し部16a、16cにおいても同様に、爪部材45の爪46を用いて、計量部13において保持されている容器C、排出部15において保持されている容器Cの保持を解除して、計量部13とストック部14との間、排出部15と計量部13との間でそれぞれ容器Cの受け渡しを行う。
[旋回機構19の構成]
本実施形態の計量装置10が備えている旋回機構19は、上述した計量部13、ストック部14、排出部15および受渡し部16a〜16cに対して回転駆動力を与える機構であって、図1に示すように、計量装置10の下部に配置されている。そして、旋回機構19は、図13に示すように、回転モータM1、伝達部51を備えている。
伝達部51は、計量部13を回転させる回転軸A1、ストック部14を回転させる回転軸A2、排出部15を回転させる回転軸A3、受渡し部を回転させる回転軸A4に対して、ギアやプーリ、図示しないベルトを介して回転モータM1の回転駆動力を伝達する。そして、計量部13、ストック部14、排出部15が同期するように回転軸A1〜A4を回転させる。このように容器Cの受け渡しを行う各部が同期させた状態で回転しているため、隣接する各部が同じ速度で容器Cを旋回させていることになる。このため、各部において保持された容器Cの受け渡しをスムーズに行うことができる。
なお、回転軸A4は、上述したように、計量部13、ストック部14、排出部15とは反対方向に回転する受渡し部16a〜16cを回転させる軸である。このため、本実施形態の計量装置10では、回転軸A4については、伝達部51において回転方向を逆回転に変換して回転駆動力を伝達している。
[本実施形態の計量装置10による計量〜排出までの動作]
ここで、以上のような構成を備えた本実施形態の計量装置10による処理の流れについて、図14〜図16に示すフローチャートを用いて説明すれば以下の通りである。なお、以下で示すフローチャートに従って行われる各工程は、制御部20(図1参照)によってコントロールされた制御フローである。
最初に、計量部13における供給および計量工程について、図14に示すフローチャートを用いて説明する。
計量部13では、ステップ(以下、Sと示す)1において、空の容器Cを受渡し部16cから受け取る。そして、S2において、計量部13における各計量器25a〜25eは、供給部12から被計量物を投入されるまでの間に、新たに受け取った空の容器を載せた状態でゼロ点調整を行う。続いて、S3において、供給部12が計量部13により旋回させている容器Cに対して順次被計量物を投入する。S4においては、計量部13が、被計量物が入った容器Cの計量を行う。ここで、被計量物が入った容器Cの計量結果から空の容器Cの計量結果を差し引くことで、被計量物の計量を行うことができる。最後に、S5において、計量済みの容器Cを受渡し部16aに引き渡す。
なお、計量を終えた計量部13は、計量結果を制御部20に送信する。制御部20は、受信した被計量物の計量結果をRAM20aに記憶させ、組合せ計量を行うためのデータを蓄積する。
次に、ストック部14における容器Cの蓄積工程について、図15に示すフローチャートを用いて説明する。
ストック部14では、S11において、受渡し部16aから計量済みの容器Cを蓄積部30のホルダー31で受け取る。続いて、S12において、受け取った容器Cが制御部20によって選択されるまで、蓄積部30に保持された状態でストック部14内において循環(待機)させる。ここで、ストック部14において待機しているその重量データに対応する被計量物が入れられた容器Cの位置が、上述した計量結果としての重量データと関連付けされた状態で制御部20のRAM20aに記憶される。そして、S13において、制御部20から組合せ計量に用いられる被計量物が入った所望の容器Cの排出要求を受信すると、S14において、所望の容器Cが受渡し部16bの高さ(図6の5F部分)までくるように蓄積部30を鉛直方向に移動させる。次に、S15において、排出要求があった容器Cを受渡し部16bに引き渡す。ここで、受渡し部16bに引き渡された容器Cは、図15に示すS21へ進む。なお、フローチャートには含まれていないが、ストック部14においては、引き渡された容器Cを保持していた蓄積部30の位置に計量部13から新たな容器Cを追加補充すべく、蓄積部30をそのままの高さ位置で維持したまま、受渡し部16aの位置まで回転軸A2の周りを旋回していく。そして、その位置に受渡し部16aから新たに計量済みの容器Cが追加補充される。
本実施形態の計量装置10では、図6に示すように、ストック部14における容器Cの受け取りと引き渡しとを同じ高さ(図6の5F部分)で行っている。このため、容器Cの引き渡しから新たな容器Cを受け取るまでの処理を、そのまま蓄積部30を旋回させるだけでスムーズに行うことができる。また、蓄積部30においては、引き渡した容器Cが保持されていた位置に新たな容器Cが追加補充される。このため、蓄積部30を鉛直方向に移動させることなく容器Cの追加補充を行うことができる。よって、容器Cの移動量を低減して、容器C内に入れられた被計量物に与える衝撃等を軽減することができ、被計量物を保護することができる。
最後に、排出部15における容器Cから被計量物を排出する工程について、図16に示すフローチャートと図10(a)〜図10(f)を用いて説明する。
排出部15では、図10(a)に示すように、S21において、受渡し部16bから排出要求があった容器Cをホルダー35で受け取る。そして、S22において、図10(b)に示すように、容器Cを回転軸A3の周りを旋回移動させながら上昇させ、かつ上昇と同時に容器Cの回転を開始させる。なお、このときの容器Cの平面上での位置は、図9に2点鎖線で示す「容器回転開始」位置である。そして、図10(c)に示すように、上昇とともに容器Cをさらに回転させ、図10(d)に示すように、最高点まで上昇するまでに容器Cを完全に180度回転させ、開口が下向きになるように容器Cをひっくり返す。続いて、S23において、図10(e)に示すように、容器Cが180度反転した後、そのままの状態で容器Cを下降させる。なお、このときの容器Cの平面上での位置は、図9に2点鎖線で示す「容器下向き最終地点」である。ここで、被計量物は容器Cから、排出部15における容器Cの旋回軌道から外れて、この旋回軌道の接線方向に配置された排出シュート17の中央部付近に向かって排出される。このときの容器Cの平面上での位置は、図9に2点鎖線で示す「排出完了」位置である。そして、S24において、図10(f)に示すように、被計量物が排出された容器Cを再度180度回転させて、開口が上向きの状態に戻す。最後に、S25において、この容器Cを受渡し部16cに引き渡す。
なお、上述したように、容器Cの旋回移動は、旋回機構19における回転モータM1からの回転駆動力が各回転軸A1〜A4に伝達されることによって行われる。一方、容器Cの上昇および下降、つまり鉛直方向への移動は、シャフト36の下部に取り付けられた誘導部39が傾斜板37に沿って移動することにより行われる。
本実施形態の計量装置10では、以上のように、被計量物を容器Cから排出する際に、排出部15が容器Cを鉛直方向に移動させるとともに180度回転させている。これにより、被計量物に対して鉛直方向上向きの慣性力を与えることができる。このため、容器Cを回転させてからすぐに被計量物が容器Cから排出されることを防止できる。
さらに、本実施形態の計量装置10では、排出部15が容器Cを180度反転させた後、鉛直下向き方向に容器Cを移動させる。通常、容器Cにポテトチップ等の複数の被計量物が入れられている場合において、単に容器Cを反転させて複数の被計量物を容器Cから排出しようとすると、最初に容器Cから排出される被計量物と最後に容器Cから排出される被計量物との間に時間差が生じる。この場合、被計量物は容器Cから細長い帯状となって排出されるため、いわゆる尾引きの問題が発生する。そこで、本実施形態の計量装置10では、排出部15が容器Cの反転後に鉛直下向きに容器Cを移動させることで、複数の被計量物のうち、容器Cから遅れて排出される被計量物に対して鉛直方向下向きの力を与えることができる。よって、最初に容器Cから排出される被計量物と最後に容器Cから排出される被計量物との間に時間差をなくして、尾引きの問題を解消することができる。
[本実施形態の計量装置10の特徴]
(1)
本実施形態の計量装置10では、図4および図5に示すように、容器Cを移動させながら容器Cに入れられた被計量物の計量を行っている。このため、計量工程の次工程となるストック部14等の方向へ容器Cを移動させながら計量を行うことで、スムーズに容器Cの引き渡しを行うことができる。よって、計量部13から次工程へ容器Cを引き渡すまでの処理を高速化できる。
さらに、制御部20が備えているRAM20aにおいて、計量済みの容器Cと計量結果としての重量データとを関連付けて記憶している。このため、本実施形態のように複数の容器Cを移動させながらストックしているような場合には、組合せ計量に用いる所望の容器Cをすぐに取り出すことができる。よって、移動しながらストックされている容器Cをすぐに排出部へ引き渡すことができるため、制御部20からの選択要求を受信してから所望の容器Cを取り出すまでの処理を高速化することができる。
なお、本実施形態では、被計量物の重量データ等を計量装置10内のRAM20bに記憶させている例を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、容器Cに付されたIDタグにその容器Cに入った被計量物の重量データを記憶させてもよい。この場合には、容器Cとともに重量データが移動することになるため、容器Cとその中に入った被計量物の重量データとの関連付けを容易かつ確実に行うことができる。
(2)
本実施形態の計量装置10は、図4および図5に示すように、計量部13が5つの計量器25a〜25eを備えている。
これにより、同時に複数の計量を行うことができるため、大量の容器Cの計量を効率よく処理することができる。
(3)
本実施形態の計量装置10では、計量部13における計量器25a〜25eのゼロ点調整を受渡し部16cから空の容器Cを受け取った後、供給部12から被計量物が容器Cに供給されるまでの間に行っている。
このように、計量装置10内を循環している容器Cを受け取るたびに計量器25a〜25eがゼロ点調整を行うことで、各容器Cに対して毎回ゼロ点調整を行うことができるため、常に正確な計量を行うことができる。
また、被計量物が粉体や粘着物等である場合には、排出部15において排出されなかった被計量物が容器Cの中に残ってしまい、受渡し部16cから受け取った排出後の容器Cの重量が少しずつ変化していく。このため、容器Cを装置内で循環させている本実施形態のような計量装置10では、ゼロ点調整を行わないと正確な計量を行うことができない場合がある。そこで、本実施形態の計量装置10では、ゼロ点調整を空の容器Cが載せた状態で行っている。これにより、新たに被計量物が供給される前の容器Cの重量を基準にしてゼロ点調整することで、常に正確な計量を行うことができる。
(4)
本実施形態の計量装置10は、計量部13における各計量器25a〜25eが常に移動している容器Cに対して相対停止状態で計量を行う。つまり、各計量器25a〜25eが容器Cと同じ速度で同じ方向に移動しながら計量を行う。
これにより、容器Cを移動させながら行う計量であっても、容器Cを停止させた状態で行う計量と同等の正確性を維持できる。
[実施形態2]
本発明にかかる他の実施形態について、図17および図18を用いて説明すれば、以下の通りである。
本実施形態の組合せ計量装置60は、食品や工業製品などの物品を上部に開口を有する複数の容器に振り分け、各容器に収容された物品の重量の合計が所定重量範囲となるように組み合わせる容器を選択して、所定重量範囲の複数の物品を排出する装置である。
組合せ計量装置60は、図17に示すように、実施形態1の計量装置10を4台と、排出シュート17とを備えている。
また、組合せ計量装置60は、この4台の計量装置10と接続されている制御部20を、そのうちの1台の計量装置10に備えている。
制御部20は、4台の計量装置10の計量部13において計量され、ストック部14において蓄えられている被計量物の重量に関するデータを計量部13から受信する。そして、4台の計量装置10のストック部14に容器Cに入れられた状態で蓄えられている被計量物の重量を加算して所望の重量の範囲内になるように、被計量物の組み合わせを行う。ここで、制御部20が所望の重量範囲になる組合せを決定すると、各計量装置10から組合せに用いられた重量の被計量物が入れられている容器Cを選択してストック部14から取り出す。そして、排出部15において所望の被計量物が容器Cから排出されて排出シュート17に投げ込まれる。
本実施形態の組合せ計量装置60による組合せ計量は、図18に示すように、4台の計量装置10a〜10dが排出シュート17の周りを取り囲むように配置されている状態で行われる。
各計量装置10a〜10dは、実施形態1で説明した計量装置10と同様に、計量部13a〜13d、ストック部14a〜14d、排出部15a〜15dを備えている。そして、ストック部14a〜14dは、それぞれが上述したように鉛直方向に5つの容器Cを保持する5列の蓄積部30aa〜30deを有している。
また、本実施形態の組合せ計量装置60では、実施形態1の計量装置10が備えている制御部20を計量装置10aのみが有しており、ここで4台の計量装置10の動作を制御する。つまり、計量装置10aにおける制御部20において、4台の計量装置10a〜10dが備えているストック部14a〜14dに蓄えられている複数の容器Cに入れられた被計量物の重量の組合せが行われる。そして、排出された被計量物の合計が所望の重量範囲内に収まるように、計量装置10a〜10dのうちの3台または4台から被計量物が排出シュート17の下部開口17aに向かって排出される。
以上のような4台の計量装置10a〜10dを備えた組合せ計量装置60では、例えば、計量装置10aのストック部14aが備えている蓄積部30acにおいて鉛直方向に保持されている5つの容器Cから所望の重量の被計量物が入った容器Cが排出部15aへ引き渡される。
同時に、他の計量装置10b〜10dにおいても、同様に各ストック部14b〜14dにおける蓄積部30bc〜30dcのそれぞれに保持されている5つの容器Cの中から、組合せ計量に必要な所望の重量の被計量物が入った容器Cが排出部15b〜15dへ引き渡される。
続いて、各計量装置10a〜10dにおいて、ストック部14a〜14dが備えている蓄積部30ad〜30ddの4つの蓄積部がそれぞれ保持している5つの容器C、つまり合計20個の容器Cに入れられた被計量物の重量データを用いて組合せ計量が行われる。
以下、蓄積部30ae〜30de、蓄積部30aa〜30da、蓄積部30ab〜30dbについても同様に、制御部20における演算部20bにおいて、RAM20aに記憶されている20個の重量データを用いて組合せ演算が行われる。
ここで、制御部20における組合せ演算と所望の容器Cの取り出しとの関係についてさらに詳細に説明すれば、以下の通りである。
まず、制御部20における演算部20bが、RAM20aに記憶されている各容器に入れられた被計量物の重量データの中から3つあるいは4つのデータを取り出して加算し、その合計重量が所望の範囲内になるような重量データの組合せを演算によって求める。そして、制御部20は、組み合わせに用いられる重量データが決定すると、その重量データに関連付けされた容器Cが格納されているストック部14における位置を確認する。続いて、制御部20は、各ストック部14a〜14dにおいて蓄積部30ad〜30ddを鉛直方向に移動させて、選択された容器Cを受渡し部16bの高さまで移動させるようにストック部14を制御する。これにより、受渡し部16bにおいて、組合せ計量に用いられる被計量物が入れられた容器Cをストック部14a〜14dから取り出すことができる。
本実施形態の組合せ計量装置60では、以上のように、各ストック部14a〜14dが備えている蓄積部30aa〜30deの中において、蓄積部30aa,30ba,30ca,30daおよび蓄積部30ab,30bb,30cb,30dbおよび蓄積部30ac,30bc,30cc,30dcおよび蓄積部30da,30db,30dc,30ddおよび蓄積部30ae,30be,30ce,30deをそれぞれ1組として組合せ計量が行われる。
なお、例えば、4台の計量装置10a〜10dのうち、3台の計量装置10a〜10cのみから被計量物を排出して組合せ計量を行う場合には、排出を行わない計量装置10dにおいては排出部15dにおける容器Cの反転が行われない。
このように、ストック部14a〜14dにおいてそれぞれ対応する蓄積部30において保持されている複数の容器Cの中で組合せ計量を行うことで、ストック部14a〜14dが一回転してくるのを待つことなく、連続して組合せ計量を行うことができる。
また、このような組合せは、4台の計量装置10のそれぞれから被計量物が排出されてもよいし、最初から所望の重量範囲内の重量の被計量物が入れられた容器Cがあれば、1台の計量装置10から排出されてもよい。
これにより、所望の重量範囲内に収まる量の被計量物を排出することができる。このように、実施形態1の4台の計量装置10を組み合わせることで、例えば、毎分200回を超える高速処理を行うことが可能になる。
[本実施形態の組合せ計量装置60の特徴]
本実施形態の組合せ計量装置60は、上記実施形態1の計量装置10を4台組み合わせて構成されている。
上記実施形態2の計量装置10は以上のような効果を奏することから、本実施形態のように組合せ計量に用いた場合には、容器Cを移動させながら計量を行うとともに、RAM20aに記憶させた重量データの中から所望の重量データを選択し、選択された重量データと関連付けられた容器Cから被計量物を排出させることで、組合せ計量の高速化を図ることができる。
さらに、本実施形態の組合せ計量装置60においては、上述した計量装置10の構成によって得られるすべての効果を得ることができる。
なお、本実施形態でも、被計量物の重量データ等を計量装置10内のRAM20bに記憶させている例を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、容器Cに付されたIDタグにその容器Cに入った被計量物の重量データを記憶させてもよい。この場合には、容器Cとともに重量データが移動することになるため、容器Cとその中に入った被計量物の重量データとの関連付けを容易かつ確実に行うことができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、被計量物の重量を記憶している例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、容器Cの重量と被計量物が入れられた容器Cの重量とを容器Cと関連付けて記憶させていてもよい。この場合でも、被計量物が入れられた容器Cの重量から容器Cの重量を減することで、結果として被計量物の重量を記憶している場合と同様の効果を得ることができる。
(B)
上記実施形態では、ゼロ点調整を、計量部13が排出部15側の受渡し部16cから空の容器Cを受け取った後、供給部12から容器Cに被計量物が投入される前に行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、受渡し部16aに対して計量済みの容器Cを引き渡した後、空の容器Cを受渡し部16cから受け取る前に行ってもよい。この場合には、容器Cが載っていない状態で計量器25a等のゼロ点調整を行うことができる。ただし、被計量物が粘着性の物品等であって、容器C内に付着しやすい場合には、排出後の容器Cに被計量物が少量ずつ残ってしまう可能性があるため、上記実施形態のように空の容器Cが載った状態でゼロ点調整を行うことが毎回正確な計量を行うことができる点でより望ましい。
(C)
上記実施形態では、計量結果として被計量物の重量データを用いている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、計量部13における計量結果が被計量物の個数であってもよい。この場合でも、所望の個数を組み合わせた組合せ計量を高速で行うことができる。
(D)
上記実施形態では、4台の計量装置10を組み合わせて組合せ計量装置を構成した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、1台の計量装置10を、いわゆる自動計量装置として用いてもよいし、組合せ計量装置として用いてもよい。すなわち、1台の計量装置10を用いて複数回の排出を行うことにより、組合せ計量を行ってもよい。