JP4024777B2 - コネクタ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
この発明はコネクタ及びその製造方法に関し、特に導体パターン間ピッチが100μm以下のプリント配線板と電子部品との接続やプリント配線板同士の接続等に用いられるコネクタ及びその製造方法に関する。
従来、導電性高分子膜と金属メッキとからなるファインピッチ用異方導電性接続材料が知られている(下記特許文献1参照)。
導電性高分子膜の一部は絶縁化され、残りの部分に導電パターンが形成されている。
金属メッキは導電パターンの表面に形成されている。
このファインピッチ用異方導電性接続材料を製造するには、まず、白金板上に導電性高分子膜を成膜する。
次に、所定のパターンを有する複数の穴が形成されたシートをマスクとして導電性高分子膜の一面に載せる。
その後、この導電性高分子膜の一面に紫外線を照射する。その結果、紫外線が照射された部分が絶縁化され、残りの部分が導電パターンとなる。
次に、白金板を電解析出装置の作用電極に電気的に接続して電解浴に漬ける。これにより、導電性高分子膜の導電パターンの一面に電解メッキを施す。この電解メッキは電極として使用される。
導電性高分子膜の導電パターンの他面にも電極を形成する場合、導電性高分子膜を白金板から外し、導体パターンの全てを作用電極に電気的に接続し、更に導電性高分子膜の一面をマスクで覆って電解メッキを行なう。
以上の工程により、導体パターンの両面に電極を形成したファインピッチ用異方導電性接続材料が完成する。
特開平7−192790号公報(段落0031〜0036、図2参照)
上述のように従来のファインピッチ用異方導電性接続材料の製造方法は複雑であり、特に導体パターンの両面に電極を形成する工程は非常に複雑である。
電解メッキの代わりにスパッタ等により導体パターンの両面に電極を形成してもよいが、この方法では電極の位置を導体パターンに合わせるのが非常に困難である。
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は導電部及び絶縁部を有するシート状の高分子と導電部の両面に形成された電極とを備えるコネクタを容易に製造することである。
前述の課題を解決するため請求項1の発明のコネクタの製造方法は、シート状の導電性高分子の両面にそれぞれ複数の電極を形成する電極形成工程と、この工程の後、前記導電性高分子に光を照射して露光部を絶縁化する露光工程とを含むことを特徴とする。
上述のように電極形成工程で形成した電極をマスクとして露光工程を行なうようにしたので、従来の製造方法のように、電極の位置を導電部に合わせるために電極を電解メッキで形成する必要が無くなり、印刷、スパッタ、転写等の方法で電極を形成することが可能になった。
請求項2の発明は、請求項1記載のコネクタの製造方法において、前記電極形成工程では、前記電極がインクジェットプリント技術を用いて形成されることを特徴とする。
上述のようにインクジェットプリント技術を用いて電極を形成するので、電極形成工程をより簡単に行なえる。
請求項3の発明のコネクタは、シート状の高分子と、前記高分子の両面にそれぞれ形成され、前記高分子を介して互いに対向する複数の電極とを備え、前記高分子の一方の面上の前記電極と他方の面上の前記電極とに挟まれた部分が導電性を有する導電部であり、前記挟まれた部分以外の部分が絶縁性を有する絶縁部であることを特徴とする。
上述のように高分子の両面にそれぞれ形成され、高分子を介して互いに対向する複数の電極を備えているので、この電極をマスクとして高分子を露光することが可能である。
以上説明したように請求項1の発明のコネクタの製造方法によれば、従来のコネクタの製造方法よりも簡単にコネクタを製造することができる。
請求項2の発明のコネクタの製造方法によれば、電極形成工程をより正確かつ簡単に行うことができる。
請求項3の発明のコネクタによれば、コネクタの製造を容易にすることが可能である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の一実施形態に係るコネクタをプリント配線板と電子部品との間に配置した状態を示す断面図である。
コネクタ10はプリント配線板20と電子部品30とを電気的に接続するためのコネクタである。
コネクタ10は導電性高分子シート(シート状の導電性高分子)11と複数の第1電極12と複数の第2電極13とを有する。
導電性高分子シート11の材料としては、例えばポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等のπ電子共役結合を繰返し単位とする導電性高分子全般を用いることができる。導電性高分子シート11は弾性を有する。導電性高分子シート11は導電部11aと絶縁部11bとを有する。導電性高分子シート11の導電部11a以外の部分が絶縁部11bである。絶縁部11bは後述するように導電性高分子シート11に紫外線を照射することによって形成される。
複数の第1電極12はそれぞれ帯状であり、電子部品30の電極32の配列ピッチと等しいピッチで並び、電極32と対向する。第1電極12は導電部11aの上面に形成されている。
複数の第2電極13はそれぞれ帯状であり、プリント配線板20の電極22の配列ピッチと等しいピッチで並び、電極22と対向する。第2電極13は導電部11aの下面に形成されている。第2電極13と第1電極12とは導電部11aを介して対向する。
コネクタ10を用いてプリント配線板20と電子部品30とを電気的に接続するには、まず、プリント配線板20と電子部品30でコネクタ10を挟む。このとき、第1電極12を電子部品30の電極32に、第2電極13をプリント配線板20の電極22にそれぞれ接触させる。次に、コネクタ10を介してプリント配線板20と電子部品30とをボルト、ナット等の締結手段によって結合する。この結果、第1電極12、導電部11a及び第2電極13を通じて電極22,32同士が電気的に接続される。
コネクタ10によれば、導電性高分子シート11が弾性を有するので、コネクタ10の使用時に第1及び第2電極12,13の高さのバラツキを吸収することができ、安定した接触力を得られる。
また、コネクタ10によれば、後述するように第1電極12をマスクとして利用することができるので、コネクタの製造を容易にすることが可能である。
図2〜図5は図1に示すコネクタの製造工程を示し、図2は導電性高分子シートの断面図、図3は導電性高分子シートに電極を形成した状態を示す断面図、図4は露光工程中の導電性高分子シートの断面図、図5は完成状態のコネクタの断面図である。
図2〜図5に基づいてコネクタ10の製造方法(第1実施形態)について説明する。
この製造方法では、まず、図2に示すように、導電性高分子をシート状に成形して導電性高分子シート11を形成する。
次に、電極形成工程に移る。この工程では、まず、インクジェットプリント技術を用いて、図3に示すように、導電性高分子シート11の上面に導電性インクで所定のパターンを印刷して、複数の第1電極12を形成する。
その後、第1電極12と同様に、インクジェットプリント技術を用いて導電性高分子シート11の下面に導電性インクで所定のパターンを印刷して、複数の第2電極13を形成する。
インクジェットプリント技術とは、インクをノズルから噴射し、印字する技術である。この実施形態で用いられる導電性インクは金属ナノ粒子をバインダ樹脂に混合して作られたインクである。
次に、図4に示すように、導電性高分子シート11の上面に紫外線UVを照射する(露光工程)。このとき、複数の第1電極12がマスクの役目をするので、導電性高分子シート11の紫外線UVが照射された部分ではπ電子共役系が切断され、その部分が絶縁化する。この結果、絶縁部11bと導電部11aとが形成される。
紫外線UVの強さ及び照射時間は絶縁部11bの形成に必要な最小限に留めるのがよい。紫外線UVが強すぎたり照射時間が長すぎたりすると絶縁部11bが硬化し、弾性を失う虞がある。
以上の工程により、図5に示すように、導電部11aの上下面にそれぞれ電極12,13が形成されたコネクタ10が完成する。
この第1実施形態の製造方法によれば、露光工程のときに第1電極12をマスクとして利用するので、従来の製造方法のようにマスクを正確に導電性高分子シート上に載せる工程や露光工程後にマスクを外す工程を省け、コネクタを簡単に製造することができる。
また、第1電極12をマスクとして露光工程を行なうので、第1、第2電極12,13と導電部11aとがずれない。
更に、電極形成工程でインクジェットプリント技術を採用したので、第1及び第2の電極12,13を簡単に形成することができる。
図6〜図8は第2実施形態に係る製造方法の製造工程を示し、図6は導電性高分子シートにマスクを被せた状態を示す断面図、図7はスパッタによって導電性高分子シートに金属電極を形成した状態を示す断面図、図8は導電性高分子シートからマスクを外した状態を示す断面図である。
第1実施形態と共通する構成部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる構成部分についてだけ説明する。
第1実施形態ではインクジェットプリント技術を用いて導電性高分子シート11の両面に複数の第1、第2電極12,13を形成したが、この第2実施形態では、直接スパッタ方式によって第1、第2金属電極212,213を形成する。
まず、図6に示すように、導電性高分子シート11の両面にそれぞれマスク41,42を配置する。マスク41,42は予め金属薄板から作っておく。マスク41,42にはそれぞれ複数の孔41a,42aが形成されている。孔41a,42aの幅W1,W2は導電性高分子シート11に近づくに連れて広くなる。
次に、図7に示すように、直接スパッタ方式によって導電性高分子シート11の一面に第1金属電極212を形成し、他面に第2金属電極213を形成する。
その後、図8に示すように、導電性高分子シート11からマスク41,42を外す。
次に、露光工程に移るが、露光工程は第1実施形態と同様にして行なわれる。
この第2実施形態によれば、電解メッキによって金属電極を形成するよりも簡単に第1、第2金属電極212,213を形成することができる。
また、孔41a,42aの幅W1,W2が導電性高分子シート11に近づくに連れて広くなったマスク41,42を用いるので、第1、第2金属電極212,213の表面にバリが発生するのを防止することができる。
図9〜図12は第3実施形態に係る製造方法の製造工程を示し、図9は第1型の断面図、図10は表面に金属薄膜を形成した状態の第1型の断面図、図11は表面に金属薄膜を形成した第1、第2型を導電性高分子シートに押し付けた状態を示す断面図、図12は導電性高分子シートから第1、第2型を外した状態を示す断面図である。
第1実施形態と共通する構成部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる構成部分についてだけ説明する。
第3実施形態では、転写によって導電性高分子シート11の両面に第1、第2金属電極312,313を形成した。
まず、図9に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いてシリコンウェハに所定のパターン(複数の凸部51a)を形成して第1型51を作る。同様にして所定のパターン(複数の凸部52a)を有する第2型52(図11参照)を作る。
次に、第1型51の一面(パターンが形成された面)にスパッタによって金の薄膜314を形成する。同様に、第2型52の一面(パターンが形成された面)にスパッタによって金の金属薄膜314を形成する。
その後、導電性高分子シート11の一面に第1型51を押しつけて凸部51aの表面の金属薄膜314を導電性高分子シート11の一面に転写する。同様に、導電性高分子シート11の他面に第2型52を押しつけて凸部52a表面の金属薄膜314を導電性高分子シート11の他面に転写する。
以上の工程を経て、図12に示すように、導電性高分子シート11の一面に第1金属電極312が形成され、他面に第2金属電極313が形成される。
次に、露光工程に移るが、露光工程は第1実施形態と同様にして行なわれる。
この第3実施形態によれば、電解メッキによって金属電極を形成するよりも簡単に第1、第2金属電極312,313を形成することができる。
なお、第3実施形態では、導電性高分子シート11を成形する前に導電性高分子に粘着剤を混合しておくとよい。こうすると、金属薄膜314の転写性が向上する。粘着剤としては例えばシリコン系の粘着剤が挙げられる。
また、第1、第2型51,52の材料としてはシリコンに限られず、表面が滑らかで金属薄膜との密着性が高くない材料であればよい。
10 コネクタ
11 導電性高分子シート(シート状の導電性高分子)
11a 導電部
11b 絶縁部
12 第1電極
13 第2電極
212,312 第1金属電極
213,313 第2金属電極
11 導電性高分子シート(シート状の導電性高分子)
11a 導電部
11b 絶縁部
12 第1電極
13 第2電極
212,312 第1金属電極
213,313 第2金属電極
Claims (3)
- シート状の導電性高分子の両面にそれぞれ複数の電極を形成する電極形成工程と、
この工程の後、前記導電性高分子に光を照射して露光部を絶縁化する露光工程と
を含むことを特徴とするコネクタの製造方法。 - 前記電極形成工程では、前記電極がインクジェットプリント技術を用いて形成されることを特徴とする請求項1記載のコネクタの製造方法。
- シート状の高分子と、
前記高分子の両面にそれぞれ形成され、前記高分子を介して互いに対向する複数の電極とを備え、
前記高分子の一方の面上の前記電極と他方の面上の前記電極とに挟まれた部分が導電性を有する導電部であり、前記挟まれた部分以外の部分が絶縁性を有する絶縁部である
ことを特徴とするコネクタ。
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