JP4024368B2 - 発熱型薄膜素子を備えたセンサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱状態にある発熱型薄膜素子の抵抗値の変化から相対湿度や相対流量等を検出する発熱型薄膜素子を備えたセンサに関するものであり、特に湿度センサや流量センサに適用できるものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来の発熱型薄膜素子を備えた湿度センサの概略断面図である。図において、1は空洞部2を有するシリコン基板である。そしてこのシリコン基板1の空洞部2の上に発熱部6aが位置するようにシリコン基板1の空洞部2を囲む基板面3上に発熱型薄膜素子4が支持されている。空洞部2の上に発熱型薄膜素子4の発熱部6aを位置させるのは、該発熱部6aからシリコン基板1に熱が放散するのを防止し、発熱部6aの温度をできるだけ所望の温度に保つためである。そして発熱型薄膜素子4は、薄膜により形成された下側絶縁膜5と、下側絶縁膜5の上に白金の薄膜により形成されて発熱部6aを構成する発熱パターン6a1 、発熱パターン6a1 に電流を通電する通電パターン6b及び通電パターン6bの端部に位置する電極6c,6dを含む導電膜6と、下側絶縁膜5と共に導電膜6を挟むように薄膜により形成された上側絶縁膜7とから構成されている。下側絶縁膜5は、空洞部2を図示しないエッチング窓を通してエッチングにより形成する際のエッチングレジスト膜を構成するパターンでエッチング前の単結晶シリコン基板1上に形成される。また上側絶縁膜7は、前述したエッチング窓に対応して設けられているエッチング窓と、電極6c,6dとを除いて導電膜6を覆うように形成されている。
【0003】
従来は、下側絶縁膜5と上側絶縁膜7とをスパッタリングを用いてTa2 5 の膜により形成していた。また白金の薄膜からなる導電膜6もスパッタリングにより形成していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
導電膜6の発熱パターン6a1 は、通常300〜350℃の温度で発熱している。しかしながら従来の下側絶縁膜5及び上側絶縁膜7を構成しているTa2 5 の膜には、導電膜6の発熱パターン6a1 が繰り返し発熱した場合に、クラックすなわち割れが入り易い。絶縁膜5,7にクラックが入ると、発熱部6aの温度が変わり、そのことが導電膜6の抵抗値を変化させることになって、検出精度を低下させる。また最悪の場合には、このクラックの発生に伴って導電膜6も切断される(折れる)問題が発生することもあった。そこで発明者は、クラックが入り難い絶縁材料を種々選択した。例えば、Si3 4 で絶縁膜5,7を形成すると、クラックが入らないことが確認できた。しかしながらSi3 4 により形成した絶縁膜5,7は、内部に発生する応力が大きく、発熱型薄膜素子に大きな撓みが発生して、導電膜6が破損する(折れる)おそれがあった。
【0005】
またスパッタリングで形成した白金の導電膜6は、長時間使用すると抵抗値のバラツキが大きくなる傾向がある。
【0006】
本発明の目的は、寿命の長い発熱型薄膜素子を備えたセンサを提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、下側絶縁膜及び上側絶縁膜にクラックが入り難い発熱型薄膜素子を備えたセンサを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、下側絶縁膜及び上側絶縁膜と発熱型薄膜素子との間の剥離を防止できる発熱型薄膜素子を備えたセンサを提供することにある。
【0009】
本発明の更に他の目的は、導電膜の抵抗値の経年変化が少い発熱型薄膜素子を備えたセンサを提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、撓みの少い発熱型薄膜素子を備えたセンサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明が改良の対象とするセンサは、空洞部を有するシリコン基板と、空洞部の上に発熱部が位置するようにシリコン基板の空洞部を囲む基板面上に支持された発熱型薄膜素子とを具備している。シリコン基板は、好ましくは単結晶シリコン基板である。シリコン基板に形成される空洞部は、異方性エッチングにより形成されるものである。そして発熱型薄膜素子は、薄膜により形成された下側絶縁膜と、該下側絶縁膜の上に薄膜により形成され発熱部を構成する発熱パターン及び発熱パターンに電流を通電する通電パターンを含む導電膜と、下側絶縁膜と共に導電膜を挟むように薄膜により形成された上側絶縁膜とを備えて構成されている。導電膜は通常通電パターンの端部に位置する電極を含んでいる。この導電膜は、好ましくは白金のように発熱状態における抵抗値が安定した材料を用いて形成するのが好ましい。導電膜は、従来と同様にスパッタリングによって形成してもよいが、スパッタリングで導電膜を形成すると、膜中にArが残留してこれが抵抗値にバラツキを生じさせるおそれがある。したがって蒸着(特に物理蒸着[電子ビーム蒸着])により導電膜を形成するのが好ましい。
【0012】
下側絶縁膜は、空洞部がシリコン基板の上方に開口しているタイプのものにあっては、空洞部をエッチグ窓を通してエッチングにより形成する際のエッチグ窓付きエッチングレジスト膜を構成するパターンでエッチング前のシリコン基板上に形成される。またその場合、上側絶縁膜は前述したエッチグ窓に対応して設けられているエッチグ窓と導電膜の電極とを除いて導電膜を覆うように下側絶縁膜の上にほぼ全面的に形成してもよい。
【0013】
また下側絶縁膜は、空洞部がシリコン基板の下方に開口しているタイプのものにあっては、空洞部を単結晶シリコン基板の下部からエッチングすることによりにより形成する際の空洞部の天上を塞ぐためのエッチングレジスト膜であってエッチング前の単結晶シリコン基板上に形成される。
【0014】
本発明においては、下側絶縁膜及び上側絶縁膜をシリコンオキシナイトライト(SiOx y )により形成する。種々の絶縁材料について検討した結果、シリコンオキシナイトライト(SiOx y )により形成した絶縁膜は、繰り返し加熱されてもクラックが入り難く、また絶縁膜の内部に発生する応力はSi3 4 の絶縁膜の内部に発生する応力と比べて小さいことがわかった。そのため下側絶縁膜及び上側絶縁膜をシリコンオキシナイトライト(SiOx y )により形成することが、現状最も好ましいとの結論に至った。なお、SiOx y のx及びyの値を適宜に選択することにより、より好ましい特性の絶縁膜を得ることができる。発明者の試験によると、xは0.7〜0.8の範囲、yは0.7〜0.8の範囲に入るのが好ましいことが分かった。
【0015】
シリコンオキシナイトライト(SiOx y )の薄膜により下側絶縁膜及び上側絶縁膜を形成した場合には、膜が化学的に安定しており、絶縁膜にクラックが入り難く、また発熱型薄膜素子が極端に撓むことがないので、寿命を延ばすことができる。
【0016】
本発明においては、シリコンオキシナイトライトよりなる下側絶縁膜と導電膜との間及び該導電膜とシリコンオキシナイトライトよりなる上側絶縁膜との間にそれぞれ薄膜により形成された五酸化タンタル膜を介在させる。このように五酸化タンタル膜を介在させると、この五酸化タンタル膜が接着層として作用し、下側絶縁膜と導電膜との間の剥離強度が向上し、また導電膜と上側絶縁膜との間の剥離強度が向上し、発熱型薄膜素子の箇所での構成層間の剥離を確実に防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1乃至図3(A)及び(B)は、本発明に係る発熱型薄膜素子を備えたセンサを湿度センサに適用した実施の形態の第1例を示したものである。この湿度センサは、上面の中央に空洞部102を有する単結晶シリコン基板101と、空洞部102の上に発熱部106aが位置するように空洞部102を囲む単結晶シリコン基板101の基板面103上に支持された発熱型薄膜素子104とを具備している。空洞部102は開口部の輪郭形状がほぼ矩形状になっていて、奥に向かうに従って矩形状の断面積が小さくなるように形成されている。このような形状の空洞部102はエッチングにより自然と形成されるものであり、その原因は単結晶シリコン基板の結晶面のエッチング速度(腐食速度)に違いがあることによるものである。発熱型薄膜素子104は空洞部102の開口部の対角線上で対向する一対の角部間に形成されている。このような発熱型薄膜素子104は、下側絶縁膜105と、導電膜106と、上側絶縁膜107と、五酸化タンタル膜108,109とから構成される。下側絶縁膜105はプラズマ化学蒸着(プラズマCVD)により形成されたシリコンオキシナイトライト(SiOx y )の薄膜により形成されている。導電膜106は、下側絶縁膜105の上に白金の薄膜により形成されており、発熱部106aを構成する発熱パターン106a1 と、該発熱パターン106a1 に電流を通電する通電パターン106bと通電パターン106bの端部に位置する電極106c,106dとを含んで構成される。この例では導電膜106を物理蒸着(電子ビーム蒸着)により形成している。電極106c,106dは、矩形状の空洞部102の開口部の対向する2つの辺の外側に、発熱部106aを間に挟むように形成されている。すなわち電極106c,106dは、基板101の2つの辺の中央部にそれぞれ形成されている。このような電極配置にすると、これらの電極106c,106dにボンディング線を接続する場合に、ボンディング線の長さが等しくなり、ボンディング作業が容易になる。上側絶縁膜107は、下側絶縁膜105と共に導電膜106を挟むようにプラズマCVDにより形成したシリコンオキシナイトライト(SiOx y )の薄膜により形成されている。五酸化タンタル膜108は、下側絶縁膜105と導電膜106との間に介在された五酸化タンタル(Ta2 5 )の薄膜により形成されている。五酸化タンタル膜109は、導電膜106と上側絶縁膜107との間に介在された薄膜五酸化タンタルの薄膜により形成されている。
【0018】
発熱パターン106a1 は、空洞部102の中央部に蛇行状態で集中的に形成されている。下側絶縁膜105は、空洞部102をエッチング窓105aを通してエッチングすることによりにより形成する際のエッチング窓付きエッチングレジスト膜を構成するパターンでエッチング前の単結晶シリコン基板101上に形成されている。また上側絶縁膜107は、エッチング窓105aに対応して設けられているエッチング窓107aと各電極106c,106dを除いて導電膜106を覆うように下側絶縁膜105の上に形成されている。
【0019】
特に、下側絶縁膜105及び上側絶縁膜107は、シリコンオキシナイトライト(SiOx y )により形成されている。この場合、シリコンオキシナイトライト(SiOx y )の好ましいxの値は0.7〜0.8であり、yの値は0.7〜0.8である。
【0020】
下側絶縁膜105の厚みは、上側絶縁膜107の厚みよりも厚く、両者の厚みは下側絶縁膜105から導電膜106に加わる応力と上側絶縁膜107から導電膜106に加わる応力の差が、導電膜106を破損させない程度になるように定められている。各膜の数値例を示すと、本例では、下側絶縁膜105の厚みは1.5〜2μm、上側絶縁膜107の厚みは1〜1.5μm、導電膜106の厚みは4000〜5000オングストロームとしている。このような下側絶縁膜105及び上側絶縁膜107も、この例ではプラズマ化学蒸着(CVD)によって形成されている。
【0021】
このように下側絶縁膜105及び上側絶縁膜107をシリコンオキシナイトライト(SiOx y )により形成すると、この絶縁膜は、繰り返し加熱されてもクラックが入り難く、また絶縁膜の内部に発生する応力はSi3 4 の絶縁膜の内部に発生する応力と比べて小さい。そのため下側絶縁膜105及び上側絶縁膜107をシリコンオキシナイトライト(SiOx y )により形成することが、現状最も好ましい。なお、SiOx y のx及びyの値を適宜に選択することにより、より好ましい特性の絶縁膜を得ることができる。発明者の試験によると、xは0.7〜0.8の範囲、yは0.7〜0.8の範囲に入るのが好ましいことが分かった。x及びyの値がこれらの範囲を外れると、応力が大きくなり、抵抗値が変化するという問題が発生する可能性が高くなる。
【0022】
シリコンオキシナイトライト(SiOx y )の薄膜により下側絶縁膜105及び上側絶縁膜107を形成した場合には、膜が化学的に安定しており、絶縁膜にクラックが入り難く、また発熱型薄膜素子104が極端に撓むことがないので、寿命を延ばすことができる。更に寿命を延ばすためには、発熱型薄膜素子104の撓み量を小さくすることが好ましい。これを実現するためには下側絶縁膜105の厚みを、上側絶縁膜107の厚みよりも厚くして、両者の厚みを下側絶縁膜105から導電膜106に加わる応力と上側絶縁膜107から導電膜106に加わる応力との差が、導電膜106を破損させない程度になるように定めるのが好ましい。具体的には、前述したように下側絶縁膜105の厚みを1.5〜2μmの範囲とし、上側絶縁膜107の厚みを1〜1.5μmの厚みとすると、発熱型薄膜素子104の撓み量を下側絶縁膜105から導電膜106に加わる応力と上側絶縁膜107から導電膜106に加わる応力との差が、導電膜106を破損させない程度に小さくすることが可能である。なお、このような厚みで絶縁膜を形成した場合には、導電膜106の厚みは4000〜5000オングストロームの厚みにすればよい。
【0023】
この例のように、空洞部102の開口部の対角線上で対向する一対の角部間に発熱型薄膜素子104を形成すると、発熱型薄膜素子104の長さを最も長くすることができて、発熱部106aの熱がシリコン基板101側に逃げるのを抑制できる。すなわち発熱部106aの温度を所望の高い温度に維持することができる。発熱部106aの温度変化及び温度低下を抑制するためには、導電膜106の発熱パターン106a1 が空洞部102の中央部に集中的に形成されているのが好ましい。
【0024】
シリコンオキシナイトライトよりなる下側絶縁膜105と導電膜106との間及び該導電膜106とシリコンオキシナイトライトよりなる上側絶縁膜107との間にそれぞれ薄膜により形成された五酸化タンタル膜108,109を介在させると、これら五酸化タンタル膜108,109が接着層として作用し、下側絶縁膜105と導電膜106との間の剥離強度が向上し、また導電膜106と上側絶縁膜107との間の剥離強度が向上し、発熱型薄膜素子104の箇所での構成層間の剥離を確実に防止することができる。五酸化タンタル膜108,109の厚みは、数10オングストローム〜数100オングストローム程度の厚みにすればよい。また、五酸化タンタル膜108,109の着膜によって応力歪みがが生じても、五酸化タンタル膜108,109による応力を考慮してシリコンオキシナイトライトよりなる下側絶縁膜105と上側絶縁膜107との着膜条件をコントロールすれば、全体としての応力緩和が可能である。
【0025】
この種の湿度センサでは、発熱部106aの温度が300〜350℃の温度になるようにして使用される。本例の湿度センサを1000時間使用した後でも、温度の変化は2%以内であった。この湿度センサでは、周囲の大気の湿度が変化することにより、大気への放熱量が変化し、この放熱量の変化に伴う発熱部106aの温度の低下が導電膜106の抵抗値の変化となって検出される。したがっって湿度の変化は抵抗値の変化として検出される。なお検出される湿度は相対湿度である。
【0026】
図4〜図6は、本発明に係る発熱型薄膜素子を備えたセンサを流量センサに適用した実施の形態の第2例を示したものである。
【0027】
この流量センサでは、単結晶シリコン基板101には空洞部102が下側に開口して形成されている。この空洞部102もエッチングにより形成され、その開口部の輪郭形状も前述した例と同様にほぼ矩形状となっている。単結晶シリコン基板101の基板面103上には、発熱型薄膜素子104が支持されている。発熱型薄膜素子104は空洞部102を覆ってドーム形に形成されている。このような発熱型薄膜素子104も、下側絶縁膜105と、導電膜106と、上側絶縁膜107と、五酸化タンタル膜108,109とから構成されている。下側絶縁膜105は空洞部102を単結晶シリコン基板101の下部からエッチングすることによりにより形成する際の空洞部102の天上を塞ぐためのエッチングレジスト膜であって、シリコンオキシナイトライト(SiOx y )の薄膜により形成されている。このシリコンオキシナイトライトの薄膜は、エッチング前の単結晶シリコン基板101上にプラズマ化学蒸着(プラズマCVD)により形成される。導電膜106は、発熱パターン106a1 と、この発熱パターン106a1 に通電をする通電パターン106bと、これら通電パターン106bの端部に位置する電極106c,106dとの他に、これらのパターン106a1 ,106bの両側に設けられている白金製の抵抗値可変形センサ本体パターン106e,106fを備えている。これらセンサ本体パターン106e,106fは、同じ温度の加熱を受けると実質的に同じ抵抗値を示すものが使用されている。これらセンサ本体パターン106e,106fの両端にも、電極106g,106h,106i,106jが設けられている。この例でも導電膜106は物理蒸着(電子ビーム蒸着)により形成している。上側絶縁膜107は、下側絶縁膜105と共に導電膜106を挟むようにプラズマCVDにより形成したシリコンオキシナイトライト(SiOx y )の薄膜により形成されている。五酸化タンタル膜108は、下側絶縁膜105と導電膜106との間に介在された五酸化タンタル(Ta2 5 )の薄膜により形成されている。五酸化タンタル膜109は、導電膜106と上側絶縁膜107との間に介在する薄膜五酸化タンタルの薄膜により形成されている。
【0028】
このように導電膜106が発熱パターン106a1 の両側にセンサ本体パターン106e,106fを備えた発熱型薄膜素子104においては、通電パターン106bを通して発熱パターン106a1 に通電をし、発熱パターン106a1 を発熱させてセンサ本体パターン106e,106fを加熱した状態で、この発熱型薄膜素子104に触れながらこの発熱型薄膜素子104を横切って流れる流体の流量の検出を行う。この際にセンサ本体パターン106e,106fは、一方のセンサ本体パターン106eが検出すべき流体の流れ方向に対して上流側に位置し、他方のセンサ本体パターン106fが検出すべき流体の流れ方向に対して下流側に位置するように配置する。
【0029】
センサ本体パターン106e,106fは、流体が流れていないときには発熱パターン106a1 により同じ温度に加熱されているので、センサ本体パターン106e,106fの抵抗値は同じ値を示している。流体が流れると、上流側のセンサ本体パターン106eの温度低下が下流側のセンサ本体パターン106fの温度低下より大きくなり、上流側のセンサ本体パターン106eの抵抗値が下流側のセンサ本体パターン106fの抵抗値より小さくなる。これらセンサ本体パターン106e,106fの抵抗値の差より流体の流量を測定する。
【0030】
この例でも、下側絶縁膜105及び上側絶縁膜107をシリコンオキシナイトライト(SiOx y )により形成し、下側絶縁膜105と導電膜106との間及び導電膜106と上側絶縁膜107との間に五酸化タンタル(Ta2 5 )の薄膜を介在させているので、第1例と同様の効果を得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
本発明においては、下側絶縁膜及び上側絶縁膜をシリコンオキシナイトライト(SiOx y )により形成しているので、この膜は化学的に安定しており、絶縁膜にクラックが入り難く、また発熱型薄膜素子が極端に撓むことがなく、センサの寿命を延ばすことができる。さらに本発明においては、シリコンオキシナイトライトよりなる下側絶縁膜と導電膜との間及び該導電膜とシリコンオキシナイトライトよりなる上側絶縁膜との間にそれぞれ薄膜により形成された五酸化タンタル膜を介在させているので、この五酸化タンタル膜が接着層として作用し、下側絶縁膜と導電膜との間の剥離強度が向上し、また導電膜と上側絶縁膜との間の剥離強度が向上し、発熱型薄膜素子の箇所での構成層間の剥離を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発熱型薄膜素子を備えたセンサを湿度センサに適用した実施の形態の第1例を示した斜視図である。
【図2】図1の対角線に沿った縦断面図である。
【図3】(A)(B)は図1の導電膜のパターンの詳細を示したもので、(A)は正面図、(B)はその発熱パターンの拡大図である。
【図4】本発明に係る発熱型薄膜素子を備えたセンサを流量センサに適用した実施の形態の第2例を示した斜視図である。
【図5】図4のX−X線縦断面図である。
【図6】第2例で用いている発熱型薄膜素子の構造を示す平面図である。
【図7】従来の発熱型薄膜素子を備えたセンサにおける対角線に沿った縦断面図である。
【符号の説明】
101 シリコン基板
102 空洞部
103 空洞部を囲む基板面
104 発熱型薄膜素子
105 下側絶縁膜
105a エッチング窓
106 導電膜
106a 発熱部
106a1 発熱パターン
106b 通電パターン
106c,106d 電極
106e,106f 抵抗値可変形センサ本体パターン
106g,106h,106i,106j 電極
107 上側絶縁膜
107a エッチング窓
108,109 五酸化タンタル膜

Claims (4)

  1. 空洞部を有するシリコン基板と、前記空洞部の上に発熱部が位置するように前記シリコン基板の前記空洞部を囲む前記シリコン基板の基板面上に支持された発熱型薄膜素子とを具備し、
    前記発熱型薄膜素子が、薄膜により形成された下側絶縁膜と、前記下側絶縁膜の上に薄膜により形成され前記発熱部を構成する発熱パターン及び前記発熱パターンに電流を通電する通電パターンを含む導電膜と、前記下側絶縁膜と共に前記導電膜を挟むように薄膜により形成された上側絶縁膜とを備えて構成されている発熱型薄膜素子を備えたセンサであって、
    前記下側絶縁膜及び前記上側絶縁膜がシリコンオキシナイトライト(SiOx y )により形成され、
    前記下側絶縁膜と前記導電膜との間及び該導電膜と前記上側絶縁膜との間にそれぞれ薄膜により形成された五酸化タンタル膜が介在していることを特徴とする発熱型薄膜素子を備えたセンサ。
  2. 空洞部を有する単結晶シリコン基板と、前記空洞部の上に発熱部が位置するように前記単結晶シリコン基板の前記空洞部を囲む基板面上に支持された発熱型薄膜素子とを具備し、
    前記発熱型薄膜素子が、薄膜により形成された下側絶縁膜と、前記下側絶縁膜の上に白金の薄膜により形成され前記発熱部を構成する発熱パターン、前記発熱パターンに電流を通電する通電パターン及び前記通電パターンの端部に位置する電極を含む導電膜と、前記下側絶縁膜と共に前記導電膜を挟むように薄膜により形成された上側絶縁膜とから構成され、
    前記下側絶縁膜が前記空洞部をエッチング窓を通してエッチングすることによりにより形成する際のエッチング窓付きエッチングレジスト膜を構成するパターンでエッチング前の前記単結晶シリコン基板上に形成され、
    前記上側絶縁膜が前記エッチング窓に対応して設けられているエッチング窓と前記電極を除いて前記導電膜を覆うように前記下側絶縁膜の上に形成されている発熱型薄膜素子を備えたセンサであって、
    前記下側絶縁膜及び前記上側絶縁膜がシリコンオキシナイトライト(SiOx y )により形成され、
    前記下側絶縁膜と前記導電膜との間及び該導電膜と前記上側絶縁膜との間にそれぞれ薄膜により形成された五酸化タンタル膜が介在していることを特徴とする発熱型薄膜素子を備えたセンサ。
  3. 空洞部を有する単結晶シリコン基板と、前記空洞部の上に発熱部が位置するように前記単結晶シリコン基板の前記空洞部を囲む基板面上に支持された発熱型薄膜素子とを具備し、
    前記発熱型薄膜素子が、薄膜により形成された下側絶縁膜と、前記下側絶縁膜の上に白金の薄膜により形成され前記発熱部を構成する発熱パターン、前記発熱パターンに電流を通電する通電パターン及び前記通電パターンの端部に位置する電極を含む導電膜と、前記下側絶縁膜と共に前記導電膜を挟むように薄膜により形成された上側絶縁膜とから構成され、
    前記下側絶縁膜が前記空洞部を前記単結晶シリコン基板の下部からエッチングすることによりにより形成する際の前記空洞部の天上を塞ぐためのエッチングレジスト膜であってエッチング前の前記単結晶シリコン基板上に形成され、
    前記上側絶縁膜が前記電極を除いて前記導電膜を覆うように前記下側絶縁膜の上に形成されている発熱型薄膜素子を備えたセンサであって、
    前記下側絶縁膜及び前記上側絶縁膜がシリコンオキシナイトライト(SiOx y )により形成され、
    前記下側絶縁膜と前記導電膜との間及び該導電膜と前記上側絶縁膜との間にそれぞれ薄膜により形成された五酸化タンタル膜が介在していることを特徴とする発熱型薄膜素子を備えたセンサ。
  4. 前記シリコンオキシナイトライト(SiOx y )のxが0.7〜0.8であり、yが0.7〜0.8であることを特徴とする請求項1,2または3に記載の発熱型薄膜素子を備えたセンサ。
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