JP4024190B2 - 物品の締結構造 - Google Patents

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本発明は、段付きボルトが挿通される貫通孔が形成された取付部を備える物品の締結構造に関する。
取付部を備える部品を取付対象にボルトにより締結する場合、取付部に形成された貫通孔に挿通されるボルトの締付け力による取付部の破損を防止するために、貫通孔に円筒状のカラーが圧入されたり、または大径部を有する段付きボルトが使用される。例えば特許文献1に開示された樹脂カバーの締着構造において、ボルトが挿通される貫通孔が形成されたボス部を備える樹脂カバーとしてのタイミングベルトカバーは、貫通孔に圧入された金属製のカラーの内周面により形成されるボルト挿通孔に挿通されたボルトにより、または貫通孔に挿通された段付きボルトにより、基体としてのシリンダヘッドに取り付けられる。
特開平6−207699号公報(図1、図5)
ところで、物品の取付部の厚さが段付きボルトのねじ部の長さよりも小さい場合、ねじ込みの途中で段付きボルトが部分的にねじ孔にねじ込まれた状態では、ねじ込み完了状態で基体に当接する段付きボルトの大径部が貫通孔に収容されていないときがある。そのとき、段付きボルト(または基体)と樹脂カバーのボス部との相対的な位置がずれて、その後のねじ込みにより大径部が貫通孔に収容されなくなるほど段付きボルトの中心軸線と貫通孔の中心軸線とがずれると、そのままでは大径部がボス部に当接し、大径部がボス部に乗り上げた状態で締結されることになって、正規の状態での締結が不可能になる。そのため、大径部が貫通孔に収容されるまで、作業者が大径部と貫通孔とがねじ込み方向で整合するように樹脂カバーを移動させて、その位置を保持しつつ、ねじ込み作業をする必要がある。この結果、締結作業に時間を要して、物品の取付作業の効率が低下する一因となっていた。特に、段付きボルトにおいては、大径部に対して頭部寄りに、大径部よりも大径のフランジ部が設けられているため、ねじ込み方向から大径部と貫通孔との位置関係を確認するのが困難であり、大径部と貫通孔とを整合させる作業は時間を要する作業となっていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1−3記載の発明は、段付きボルトにより締結される物品の取付作業の効率の向上を図ると共に、貫通孔の形成を容易にして、コストの削減を図ることを目的とする。
請求項1記載の発明は、取付部を備える物品が、前記取付部に設けられた貫通孔に挿通された段付きボルトにより取付対象に締結される物品の締結構造において、前記ボルトは、その頭部とねじ部が形成された軸部との間に、ねじ込み完了状態で締結力を前記取付部に加える第1フランジ部と、前記第1フランジ部よりも前記ねじ部寄りに位置して前記ねじ込み完了状態で前記取付対象に当接すると共に前記第1フランジ部の外径よりも小さい外径の第2フランジ部とを有し、前記貫通孔は、ねじ込み方向に向かって順次形成されて、前記ねじ込み完了状態で前記第1フランジ部を収容する第1収容部と、前記ねじ込み完了状態で前記第2フランジ部を収容する第2収容部とを有し、前記第1収容部は前記第1フランジ部の外径および前記第2収容部の直径よりも大きな直径を有する第1案内部を有し、前記第2収容部は前記ねじ込み方向で前記第1収容部に隣接する第2案内部を有し、
前記ボルトが部分的に前記対象部材にねじ込まれたねじ込み中間状態で、前記第2フランジ部と前記第2収容部との間に前記ねじ込み方向での第2隙間が形成されているとき、前記第1フランジ部と前記第1案内部との間に第2間隙よりも小さい前記ねじ込み方向での第1隙間が形成されているか、もしくは前記第1フランジ部が前記第1案内部のみに収容されており、前記第1案内部を形成する第1案内面と前記第1フランジ部とは、前記ねじ込み中間状態から前記ねじ込み完了状態までの途中での前記ボルトのねじ込みに伴う前記第1フランジ部と前記第1案内面との当接により、前記ボルトの中心軸線と前記貫通孔の中心軸線とが接近するように前記取付部および前記取付対象を相対的に移動させて、その後の前記ボルトのねじ込みにより前記第2フランジ部が前記第2案内部を形成する前記第2案内面に当接するように案内する形状に形成され、前記第2案内面と前記第2フランジ部とは、前記第1フランジが前記第1収容部に収容された後の前記ボルトのねじ込みに伴う前記第2フランジ部と前記第2案内面との当接により、前記ボルトの中心軸線と前記貫通孔の中心軸線とをほぼ一致させるように前記取付部および前記取付対象を相対的に移動させる形状に形成されている物品の締結構造である。
これによれば、ねじ込み中間状態でボルトの中心軸線と貫通孔の中心軸線との位置がずれていても、段付きボルトが取付対象にねじ込まれてねじ込み完了となるまでのねじ込みの過程で、第1フランジ部と第1案内面とを当接させた状態でねじ込むことにより、ボルトの中心軸線と貫通孔の中心軸線とが接近するように取付部および取付対象が相対的に移動して、第2フランジ部が第2収容部に収容される位置を占めるように矯正される。また、このとき、ねじ込みの過程で第1フランジ部が第1案内面に当接するように、取付部および取付対象を相対的に移動させることは、ねじ込み方向で見て、第1フランジ部が第2フランジ部よりも手前にあり、第1案内部が第2収容部よりも手前にあることで、第2フランジ部が第2収容部に収容されるよう取付部および取付対象を相対的に移動させる場合に比べて容易である。
さらに、第1フランジ部および第1案内面は、径方向にある程度の範囲に渡って形成される第2案内部の第2案内面に、ねじ込みの過程で第2フランジ部が当接するよう案内する形状であればよいので、第1フランジ部および第1案内面を高精度に形成する必要がない。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の物品の締結構造において、前記ねじ込み中間状態において、前記軸部および前記第2フランジ部の少なくとも一方が前記貫通孔の周壁面に当接することにより前記取付部と前記ボルトの間の、前記ボルトの径方向での相対的な移動が規制される規制状態になり、前記規制状態で、前記ねじ込み方向から見て、前記第1フランジ部の全体が前記第1案内部の範囲内に位置するものである。
これによれば、取付部とボルトとが規制状態にあることにより、両中心軸線がそれ以上離れることが阻止されると共に、規制状態ではねじ込み方向から見て、第1フランジ部の全体第1案内部の範囲内に位置するので、ボルトをねじ込むことにより、自動的に第1フランジ部と第1案内面とが当接し、または第1フランジ部と第1案内面との当接により、ボルトの中心軸線と貫通孔の中心軸線とを接近させる作用が自動的に行われる。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の物品の締結構造において、前記第1収容部は前記ねじ込み方向に前記第1案内部に連続する規制部を有し、前記規制部は前記第1フランジ部が前記ボルトの径方向へ移動することを規制するものである。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、ボルトは第1フランジ部と第2フランジ部とを有し、貫通孔は、第1フランジ部を収容する第1収容部と、ねじ込み完了状態で第2フランジ部を収容する第2収容部とを有し、第1案内面と第1フランジ部とは、ねじ込み中間状態からねじ込み完了状態までの途中でのボルトのねじ込みに伴う第1フランジ部と第1案内面との当接により、ボルトの中心軸線と貫通孔の中心軸線とが接近するように取付部および取付対象を相対的に移動させて、第2フランジ部を第2収容部に収容させる形状に形成されていることにより、ねじ込みの過程で第2フランジ部が第2収容部に収容される位置を占めるように矯正され、しかもねじ込みの過程で第1フランジ部が第1案内面に当接するように、取付部および取付対象を相対的に移動させることが容易であるので、段付きボルトにより締結される物品の取付作業の効率が向上する。
さらに、第2収容部は、第1収容部に隣接する第2案内部を有し、第2案内面と第2フランジ部とは、第1フランジが第1収容部に収容された後のボルトのねじ込みに伴う第2フランジ部と第2案内面との当接により、ボルトの中心軸線と貫通孔の中心軸線とをほぼ一致させるように取付部および取付対象を相対的に移動させる形状に形成されていることにより、第1フランジ部および第1案内面を高精度に形成する必要がないので、加工精度の管理が容易になって、コストの削減ができる。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、ねじ込み中間状態において、軸部および第2フランジ部の少なくとも一方が貫通孔の周壁面に当接することにより取付部とボルトの間の相対的な移動が規制される規制状態で、ねじ込み方向から見て、第1フランジ部の全体第1案内部の範囲内に位置することにより、ねじ込み中間状態において、第1フランジ部と第1案内とを当接させるために、作業者が意識的に取付部およびボルトを相対的に移動させる作業が不要になるので、取付作業の効率が一層向上する。
以下、本発明の実施形態を図1ないし図3を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明が適用された物品は、車両に搭載される電気機器や電子機器のための車両用ワイヤハーネスを保持する装着用ホルダHであり、装着用ホルダHを車体やエンジンなどの取付対象Mに取り付けることにより、ワイヤハーネスが車両に配索される。
樹脂成形品である装着用ホルダHにおいて、そのホルダ本体Haは、段付きボルト1により装着用ホルダHを取付対象Mに締結して取り付けるための1つまたは複数の取付部20を備える。そのために、取付部20には、ボルト1が挿通される貫通孔21が形成され、取付対象Mにはボルト1がねじ込まれるねじ孔40が形成されている。
ボルト1は、ねじ込み用の工具と係合する係合部2aが形成された頭部2と、ねじ孔40のねじ部40aに螺合するねじ部3aが形成された軸部3と、頭部2および軸部3の間でねじ込み方向Aに頭部2寄りから順次設けられる第1フランジ部4および第2フランジ部5からなるフランジ部とを有する。頭部2よりも大径の円柱状の第1フランジ部4は、ほぼ六角形柱状の係合部2aを有する頭部2に一体に形成され、軸部3よりも大径の円柱状の第2フランジ部5は、第1フランジ部4および軸部3に一体に形成される。
ボルト1の取付対象Mへのねじ込み完了状態で取付部20の座面24a(周24一部でもある。)に当接する当接面4aを有する第1フランジ部4の外径d1は、第2フランジ部5の外径d2よりも大きく設定される。ねじ込み完了状態で取付対象Mの取付面41に当接する当接面5aを有する第2フランジ部5の厚さは、座面24aが形成される部分での取付部20の厚さに応じて設定され、ねじ込み完了状態での当接面4aと取付面41との間のねじ込み方向Aでの間隔を規定する。そして、ねじ込み完了状態において、座面24aに当接する第1フランジ部4が、この実施形態では第1フランジ部4の厚さよりも厚い厚さを有する第2フランジ部5の厚さにより規定される前記間隔を保持した状態で、取付部20を締め付ける。ここで、「厚さ」は、ねじ込み方向Aでの長さである。
取付部20は、基部22と、ねじ込み方向Aとは反対方向に基部22から突出する円筒状の筒部23とを有する。貫通孔21は、ねじ孔40の中心軸線と一致する1つの中心軸線L2を有すると共に、中心軸線L2に直交する平面での断面(以下、「横断面」という。)が、中心軸線L2が延びる方向での位置で異なる直径の円である円孔から構成される。そして、取付部20の内周面を周壁面24として形成される貫通孔21は、中心軸線L2に平行なねじ込み方向Aに順次設けられた開口部25と、第1収容部26と、第2収容部27とを有する。
開口部25は、貫通孔21に挿通されるボルト1の挿入口であり、第1収容部26の直径d4以上で、かつ第2収容部27の直径d5よりも大きい直径d3を有する円からなる。第1収容部26は、ねじ込み完了状態においてねじ込み方向Aでの第1フランジ部4の少なくとも一部を、この実施形態では第1フランジ部4の全体を収容可能であるように第1フランジ部4の外径d1よりも大きな直径d4を有する。第2収容部27は、第1フランジ部4の外径d1よりも小さい直径d5を有すると共に、ねじ込み完了状態で第2フランジ部5の全体を収容可能であるように第2フランジ部5の外径d2よりも大きい直径d5を有する。また、この実施形態では、開口部25および第1収容部26が形成されている筒部23の突出高さは、ねじ込み完了状態でのボルト1の頭部2の高さとほぼ同じか僅かに高く設定される(図3(E)参照)。
図2を併せて参照すると、第1収容部26は、ねじ込み方向Aでの少なくとも一部の範囲に、開口部25に向かって拡開する、すなわち前記反対方向に向かうにつれて横断面の直径が連続的に大きくなる第1案内部としての案内部26aを有する。
この実施形態では、第1収容部26は、ねじ込み方向Aに順次形成された案内部26aと、案内部26aに連続する規制部26bとを有する。そして、案内部26aの最小直径は、ねじ込み完了状態で第1フランジ部4が位置する部分である規制部26bの直径、ここでは直径d4以上に設定される。開口部25に連続する円錐台状の案内部26aは、周壁面24のうちのテーパ面からなる部分である第1案内面としての案内面24bにより形成され、円柱状の規制部26bは、周壁面24のうちの円柱面からなる周壁面部分24cにより形成される。規制部26bの直径d4は、第1フランジ部4が径方向へ移動することを規制するために、第1フランジ部4の外径d1よりも僅かに大きい。ここで、径方向とは、ボルト1の径方向、すなわちボルト1の中心軸線L1を中心とした放射方向を意味する。
第2収容部27は、ねじ込み方向Aに順次形成された第2案内部としての案内部27aと、案内部27aに連続する規制部27bとを有する。第1収容部26に連続する案内部27aは、周壁面24のうち、中心軸線L2を含む平面での断面(以下、「縦断面」という。)が円弧状の曲線である湾曲面からなる部分である第2案内面としての案内面24dにより形成される。そして、案内27aは、ねじ込み方向Aでの一部の範囲に渡って形成され、第1収容部26に向かって拡開する、すなわち前記反対方向に向かうにつれて横断面の直径が連続的に大きくなる。また、円柱状の規制部27bは、周壁面24のうちの円柱面からな周壁面部分24eにより形成される。規制部27bの直径は、第2フランジ部5が径方向へ移動することを規制するために、第2フランジ部5を収容可能な範囲で、第2フランジ部5の外径d2よりも僅かに大きく、第2フランジ部5の外径2dに極力近い値に設定される。
さらに、案内部27aの最大直径は、第1フランジ部4が周壁面部分24cに当接した状態でボルト1がねじ込まれたときに、ねじ込み方向Aから見て、第2フランジ部5が案内部27aの範囲内に位置して、その後のねじ込みにより第2フランジ部5が案内面24dに当接する値に設定される。また、案内部27aの最小直径は規制部27bの直径に等しい。
また、ボルト1における頭部2、軸部3、ねじ部3a、第1フランジ部4および第2フランジ部5のねじ込み方向Aでの寸法、そして貫通孔21における第1収容部26、第2収容部27のねじ込み方向Aでの寸法は、次の条件を満たすように適宜設定される。
図3(A)に示されるように、ボルト1が取付対象Mへのねじ込み過程にあって、ボルト1が部分的にねじ孔40にねじ込まれたねじ込み中間状態で、第2フランジ部5が第2収容部27に部分的にも収容されておらず、第2フランジ部5と第2収容部27との間にねじ込み方向Aでの第2隙間としての隙間G2が形成され、また同じねじ込み中間状態のとき、第1フランジ部4と案内部26aおよび開口部25との間にはねじ込み方向Aでの第1隙間としての隙間G1が形成されているか、もしくは第1フランジ部4が部分的に第1収容部26に収容されて、案内部26aのみに収容されていてもよい。そして、このねじ込み中間状態では、第2フランジ部5と第2収容部27との間に形成されるねじ込み方向Aでの隙間G2は、隙間G1よりも大きく、しかも軸部3が第2収容部27の周壁面部分24eに当接する(図3(B)参照)ことにより、取付部20とボルト1との間で、径方向への相対的な移動が規制される規制状態になる。そして、この規制状態で、ねじ込み方向Aから見て、第1フランジ部4の全体が案内部26aの範囲内に位置する。
次に、図1,図3を参照して、ねじ込み工程について説明する。
図1に示されるように、ねじ込み方向Aから見てねじ孔40全体が貫通孔21内に位置するように、取付部20が取付対象Mの取付面41に当てられ、その後、開口部25から挿入されたボルト1が、ねじ孔40に部分的にねじ込まれて、例えば図3(A)に示されるねじ込み中間状態になる。このねじ込み中間状態では、第1フランジ部4は、案内部26aの外部に位置して、案内部26aまたは第1収容部26に収容されておらず、同様に第2フランジ部5は、第2収容部27の外部に位置して、案内部27aまたは第2収容部27に収容されていない。そして、第1フランジ部4と開口部25との間の隙間G1および第2ランジ部と案内部27aとの間の隙間G2が形成されている。また、このねじ込み中間状態では、両中心軸線L1,L2が一致している場合が示されており、さらにねじ込み方向Aから見て第1フランジ部4が案内部26aの範囲内に位置しており、また軸部3が周壁面部分24eに当接していない状態にある。
図3(B)には、取付部20および取付対象Mが、図3(A)に示される状態から、径方向に相対的に移動して、中心軸線L1と中心軸線L2とがずれた位置を占め、ボルト1がさらにねじ込まれた状態が示されている。この状態も、ボルト1が部分的に取付対象Mにねじ込まれており、かつ第2収容部27に第2フランジ部5が収容されていない点で、図3(A)とは別のねじ込み中間状態といえるものである。
そして、このねじ込み中間状態では、中心軸線L1と中心軸線L2とがずれるように取付部20が相対的に移動しているものの、その相対移動は、軸部3が周壁面部分24eに当接することで、それ以上に両中心軸線L1,L2がずれることを阻止するように、取付部20とボルト1の間、径方向での相対的な移動が規制される規制状態になっている。そして、このとき、ねじ込み方向Aから見て、第1フランジ部4の全体が案内部26aの範囲内に位置していて、第1フランジ部4が開口部25から僅かに収容部27寄りの位置で案内面24bに当接している。その後、ボルト1がさらにねじ込まれると、第1フランジ部4と当接している案内面24bの形状に従って、ボルト1の中心軸線L1および貫通孔21の中心軸線L2が接近するように、取付部20が、取付対象Mすなわち部分的にねじ込まれているボルト1に対して移動することにより、取付部20および取付対象Mが相対的に移動する。
そして、第1フランジ部4と取付部20との当接箇所が、案内面24bから周壁面部分24cへ移行した後、僅かな量もしくは比較的小さな量のボルト1のねじ込みにより、図3(C)に示されるように、第2フランジ部5が案内面24dに当接する。そして、その後のねじ込みにより、第2フランジ部5と当接している案内面24dの形状に従って、中心軸線L1および中心軸線L2が接近して両中心軸線L1,L2が一致もしくはほぼ一致するように、取付部20が取付対象Mに対して移動することにより、取付部20および取付対象Mが相対的に移動して、取付部20は、第2フランジ部5が当接している案内面24dの形状に従って中心軸線L1と中心軸線L2とが接近するように移動する。
そして、さらにねじ込まれると、第2フランジ部5が案内部27aから規制部27bに移動する。このとき、図3(D)に示されるように、両中心軸線L1,L2が一致もしくはほぼ一致した状態で、第2フランジ部5が第2収容部27の規制部27bに収容され始める。その後、ボルト1がさらにねじ込まれると、図3(E)に示されるように、第2フランジ部5が取付面41に当接し、かつ第1フランジ部4が段差面からなる座面24aに当接するねじ込み完了状態になって、ボルト1の締付け力が座面24aに作用して、装着用ホルダHが取付対象Mに締結される。
前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
ボルト1は第1フランジ部4と第2フランジ部5とを有し、貫通孔21は、第1フランジ部4を収容する第1収容部26と、ねじ込み完了状態で第2フランジ部5を収容する第2収容部27とを有し、案内面24bと第1フランジ部4とは、ねじ込み中間状態からねじ込み完了状態までの途中でのボルト1のねじ込みに伴う第1フランジ部4と案内面24bとの当接により、ボルト1の中心軸線L1と貫通孔21の中心軸線L2とが接近するように取付部20および取付対象Mを相対的に移動させて、第2フランジ部5を第2収容部27に収容させる形状に形成されていることにより、ねじ込み中間状態で中心軸線L1と中心軸線L2との位置がずれていても、ボルト1が取付対象Mにねじ込まれてねじ込み完了となるまでのねじ込みの過程で、第1フランジ部4と案内面24bとを当接させた状態でねじ込むことにより、両中心軸線L1,L2が接近するように取付部20および取付対象Mが相対的に移動して、第2フランジ部5が第2収容部27に収容される位置を占めるように矯正されるので、ボルト1により締結される装着用ホルダHの取付作業の効率が向上する。
ねじ込み中間状態において、軸部3が第2収容部27の周壁面部分24eに当接することにより取付部20とボルト1の間の相対的な移動が規制される規制状態で、ねじ込み方向Aから見て、第1フランジ部4の全体が案内部26aの範囲内に位置することにより、前記規制状態にあることで、両中心軸線L1,L2がそれ以上離れることが阻止されると共に、前記規制状態では、ねじ込み方向Aから見て、第1フランジ部4の全体が案内部26aの範囲内に位置するので、ボルト1をねじ込むことにより、自動的に第1フランジ部4と案内面24bとが当接して、または第1フランジ部4と案内面24bとの当接により、中心軸線L1と中心軸線L2とを接近させる作用が自動的に行われるねじ込み中間状態において、第1フランジ部4と案内24bとを当接させるために、作業者が意識的に取付部20およびボルト1を相対的に移動させる作業が不要になるので、取付作業の効率が一層向上する。
第2収容部27は、第1収容部26に隣接する案内部27aを有し、案内面24dと第2フランジ部5とは、第1フランジ部4が第1収容部26に収容された後のボルト1のねじ込みに伴う第2フランジ部5と案内面24dとの当接により、両中心軸線L1,L2をほぼ一致させるように取付部20および取付対象Mを相対的に移動させる形状に形成されていることにより、第1フランジ部4および案内面24bは、径方向にある程度の範囲に渡って形成される案内部27aの案内面24dに、ねじ込みの過程で第2フランジ部5が当接するよう案内する形状であればよいので、第1フランジ部4および案内面24bを高精度に形成する必要がなく、加工精度の管理が容易になって、コストの削減ができる。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
ねじ込み中間状態において、軸部3が第2収容部27の周壁面部分24eに当接することにより取付部20とボルト1の間の相対的な移動が規制される前記規制状態で、ねじ込み方向Aから見て、第1フランジ部4の一部が案内部26aの範囲外に位置していてもよい。その場合にも、ねじ込みの過程で第1フランジ部4が案内面24に当接するように、取付部20および取付対象Mを相対的に移動させることは、ねじ込み方向Aで見て、第1フランジ部4が第2フランジ部5よりも手前にあり、案内部26aが第2収容部27よりも手前にあることで、第2フランジ部5が第2収容部27に収容されるよう取付部20および取付対象Mを相対的に移動させる場合に比べて容易であるので、ボルト1により締結される装着用ホルダHの取付作業の効率が向上する。
第1収容部26において、ねじ込み方向Aでの全範囲が案内面により形成されていてもよい。また、開口部25と案内部26aとの間に、円柱状の大径部があってもよい。案内面24bは、傾斜の程度が異なる複数のテーパ面から構成されてもよく、また傾斜が連続的に変化する湾曲面から構成されてもよい。さらに、案内面24dは、単一のテーパ面または傾斜の程度が異なる複数のテーパ面から構成されてもよい。
第2収容部27は、案内部27aを有することなく、第1収容部26の案内部26aのみで、第1フランジ部4と案内面24bとの当接により、両中心軸線L1,L2が一致もしくはほぼ一致するまで取付部20および取付対象Mが相対的に移動して、その後のボルト1のねじ込みにより、第2フランジ部5が第2収容部27に収容されるように案内されてもよい。
前記規制状態で、第2フランジ部5が、第1収容部26に収容された状態で、周壁面部分24cに当接していてもよい。
内燃機関は、前記実施形態では車両に使用されるものであったが、鉛直方向を指向するクランク軸を備える船外機等の船舶推進装置に使用されるものであってもよい。
本発明の実施形態であるボルトと物品の取付部の断面とを示し、ボルトが取付対象にねじ込まれる前の状態を示す図である。 図1の取付部の要部拡大図である。 図1の取付対象に対するボルトのねじ込み工程を説明する図であり、(A)は、ねじ込み中間状態を示し、(B)は、ボルトがさらにねじ込まれて、ボルトの第1フランジ部が案内面に当接した状態の別のねじ込み中間状態を示し、(C)は、ボルトの第2フランジ部が案内面に当接した状態を示し、(D)は、ボルトの第2フランジ部が第2収容部に収容され始めた状態を示し、(E)は、ボルトのねじ込み完了状態を示す。
符号の説明
1…ボルト、2…頭部、3…軸部、4…第1フランジ部、5…第2フランジ部、
20…取付部、21…貫通孔、22…基部、23…筒部、24…周壁面、24b,24d…案内面、25…開口部、26…第1収容部、26a…案内部、27…第2収容部、
40…ねじ孔、41…取付面、
H…装着用ホルダ、M…取付対象、d1,d2…外径、d3〜d5…直径、A…ねじ込み方向、L1,L2…中心軸線、G1,G2…隙間。

Claims (3)

  1. 取付部を備える物品が、前記取付部に設けられた貫通孔に挿通された段付きボルトにより取付対象に締結される物品の締結構造において、
    前記ボルトは、その頭部とねじ部が形成された軸部との間に、ねじ込み完了状態で締結力を前記取付部に加える第1フランジ部と、前記第1フランジ部よりも前記ねじ部寄りに位置して前記ねじ込み完了状態で前記取付対象に当接すると共に前記第1フランジ部の外径よりも小さい外径の第2フランジ部とを有し、
    前記貫通孔は、ねじ込み方向に向かって順次形成されて、前記ねじ込み完了状態で前記第1フランジ部を収容する第1収容部と、前記ねじ込み完了状態で前記第2フランジ部を収容する第2収容部とを有し、
    前記第1収容部は前記第1フランジ部の外径および前記第2収容部の直径よりも大きな直径を有する第1案内部を有し、前記第2収容部は前記ねじ込み方向で前記第1収容部に隣接する第2案内部を有し、
    前記ボルトが部分的に前記対象部材にねじ込まれたねじ込み中間状態で、前記第2フランジ部と前記第2収容部との間に前記ねじ込み方向での第2隙間が形成されているとき、前記第1フランジ部と前記第1案内部との間に第2間隙よりも小さい前記ねじ込み方向での第1隙間が形成されているか、もしくは前記第1フランジ部が前記第1案内部のみに収容されており
    前記第1案内部を形成する第1案内面と前記第1フランジ部とは、前記ねじ込み中間状態から前記ねじ込み完了状態までの途中での前記ボルトのねじ込みに伴う前記第1フランジ部と前記第1案内面との当接により、前記ボルトの中心軸線と前記貫通孔の中心軸線とが接近するように前記取付部および前記取付対象を相対的に移動させて、その後の前記ボルトのねじ込みにより前記第2フランジ部が前記第2案内部を形成する前記第2案内面に当接するように案内する形状に形成され
    前記第2案内面と前記第2フランジ部とは、前記第1フランジが前記第1収容部に収容された後の前記ボルトのねじ込みに伴う前記第2フランジ部と前記第2案内面との当接により、前記ボルトの中心軸線と前記貫通孔の中心軸線とをほぼ一致させるように前記取付部および前記取付対象を相対的に移動させる形状に形成されていることを特徴とする物品の締結構造。
  2. 前記ねじ込み中間状態において、前記軸部および前記第2フランジ部の少なくとも一方が前記貫通孔の周壁面に当接することにより、前記取付部と前記ボルトの間の、前記ボルトの径方向での相対的な移動が規制される規制状態になり、前記規制状態で、前記ねじ込み方向から見て、前記第1フランジ部の全体が前記第1案内部の範囲内に位置することを特徴とする請求項1記載の物品の締結構造。
  3. 前記第1収容部は前記ねじ込み方向に前記第1案内部に連続する規制部を有し、前記規制部は前記第1フランジ部が前記ボルトの径方向へ移動することを規制することを特徴とする請求項1または請求項2記載の物品の締結構造。
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