JP4024094B2 - 再帰性反射板、再帰性反射板付き偏光板及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半透過反射型液晶表示装置(反射型液晶表示装置への適用も可能)に用いるのに好適な半透過反射板としての再帰性反射板、再帰性反射板付き偏光板及びこれを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半透過反射型液晶表示装置に用いられる半透過反射板として、マイカフィラーの半透過性を利用した物や、金属蒸着薄膜の半透過性を利用した物などが使用されているが、反射率の低さや薄膜固有の着色等の問題があった。
【0003】
また、半透過反射板として、片面にコーナーキューブ(互いに直角な反射面を3面有するプリズム)が所定ピッチ毎に細密充填された再帰性反射板も知られている。斯かる再帰性反射板は、全反射(臨界反射)を利用する原理であるため、反射率は実質的に100%に近い上、反射スペクトルがニュートラルである点で、優れた反射板であると言える。また、光の不透過面を有さないため、透過率も高く、半透過反射板として優れた特性を有するものである。
【0004】
しかし、再帰性反射板単体では、光源(外光)から入射した光がコーナーキューブの反射面で全反射し、当該光源方向に戻るのみである。従って、半透過反射型液晶表示装置或いは反射型液晶表示装置に再帰性反射板単体を適用し、外光からの反射光を視認しようとする場合、視認者自体が写り込むのみであり、光源(外光)を効率良く利用することができず、結果的に明るい表示を得ることができないという問題があった。
【0005】
そこで、前記再帰性反射板に拡散性を付与して散乱反射特性を生じさせることにより、再帰反射方向から若干離れた方向への反射能力を与えることで、視認性を改善することも試みられている。
【0006】
しかしながら、たとえ拡散性を付与したとしても、全反射(臨界反射)自体は、再帰性反射板の正面方向から±20度程度の狭い範囲で入射した光に対してのみ生じるものであり、それ以上大きな角度で入射した光は、全反射条件(臨界条件)から外れることにより、再帰反射せずに損失してしまうという問題がある。例えば、図4に示すように、コーナーキューブが所定ピッチ毎に細密充填された再帰性反射板1において、各コーナーキューブの反射面を構成する3つの斜面(11a、12a及び13aの3つの斜面、又は、11b、12b及び13bの3つの斜面)の傾斜角、つまり、各斜面の法線が再帰性反射板の正面方向に対してなす角度がそれぞれ約55度、コーナーキューブの屈折率が1.5である場合、臨界角は約42度となる。この場合、再帰性反射板1の正面方向から±20度程度の範囲で入射した光しか全反射条件を満たさないことになる。つまり、図4に示すように、前記範囲内で入射した光(図4のL1)は、斜面11b、12b及び13bで全反射して入射方向に再帰反射する一方、前記範囲外で入射した光(図4のL2、L3)は、斜面12a及び13aで全反射した後に斜面11aに到達し(L2)、或いは、直接斜面11aに到達し(L3)、斜面11aで全反射条件を満たさないために、再帰反射せずに再帰性反射板1外に出射してしまう。換言すれば、一の反射面で全反射条件を満たしたとしても、他の反射面で全反射条件を満たさない場合が生じ、3つ全ての反射面で全反射条件を満たすのは、再帰性反射板1の正面方向から±20度程度の狭い範囲で入射した光に対してのみである。従って、たとえ拡散性を付与したとしても、視認方向と光源とが略同一方向にあり、且つ、再帰性反射板1の正面近傍に位置する狭い範囲で視認する(光源も当該狭い範囲に位置する)場合にのみ、明るい表示を得ることができるに留まるという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、斯かる従来技術の問題点を解決するべくなされたものであり、半透過反射型液晶表示装置や反射型液晶表示装置に用いた場合、正面近傍のみならず、より広い範囲で明るい表示を得ることのできる半透過反射板としての再帰性反射板、再帰性反射板付き偏光板及びこれを用いた液晶表示装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するべく、本発明の発明者らは鋭意検討した結果、正面近傍外の大きな入射角を有する光が、再帰性反射板を構成するコーナーキューブのいずれかの斜面でたとえ全反射しても、残りの斜面で全反射条件を満たさないことに起因して再帰反射できない問題を解決すれば、入射光の反射率を向上し得ることを見出し、本発明を完成させたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、請求項1に記載の如く、一方の面に所定ピッチ毎にコーナーキューブが縦横に多数形成された再帰性反射板であって、前記各コーナーキューブの反射面を構成する3つの斜面の内、特定の1つの斜面に金属蒸着膜が形成されたコーナーキューブと、該金属蒸着膜が形成された特定の斜面を除いた残りの2つの斜面に金属蒸着膜が形成されたコーナーキューブの2種類を備え、前記一方のコーナーキューブに対して縦横方向で隣り合うコーナーキューブを前記他方のコーナーキューブにて構成したことを特徴とする再帰性反射板を提供するものである。
【0010】
請求項1に係る発明によれば、再帰性反射板の正面近傍外の大きな入射角を有する光の内、金属蒸着膜が形成されていない斜面で全反射した後に金属蒸着膜が形成された斜面に到達する光、或いは、金属蒸着膜が形成されている斜面に直接到達する光を、当該金属蒸着膜が形成された斜面で再帰反射させることができる。従って、請求項1に係る再帰性反射板を半透過反射型液晶表示装置や反射型液晶表示装置に用いた場合、正面近傍のみならず、より広い範囲で明るい表示を得ることが可能である。なお、金属蒸着膜が形成されていない斜面は、光透過性を有するため、半透過反射板としての機能は保持され、半透過反射型液晶表示装置への適用が可能である。
【0011】
好ましくは、請求項2に記載の如く、前記金属蒸着膜は、アルミニウム、銀、金、クロム、ニッケル、白金、パラジウム等の反射率が50%以上の金属で形成される。なお、前記反射率は、視感度補正した反射率を意味し、前記金属蒸着膜は、より好ましくは、60%以上、さらに好ましくは、70%以上の反射率を有する金属から形成される。
【0012】
前記再帰性反射板が支持基材を備える場合、近年の液晶表示装置が反射偏光子を備えることが多く、当該反射偏光子の偏光特性を損なわないようにするという観点から、好ましくは、請求項3に記載の如く、支持基材の面内位相差値は、50nm以下とされ、より好ましくは、20nm以下、さらに好ましくは、10nm以下とされる。
【0013】
また、本発明は、請求項4に記載の如く、請求項1から3のいずれかに記載の再帰性反射板と、当該再帰性反射板の他方の面(コーナーキューブ形成面とは反対側の面)側に貼着された偏光板とを備えることを特徴とする再帰性反射板付き偏光板としても提供される。
【0014】
好ましくは、請求項5に記載の如く、前記再帰性反射板付き偏光板は、前記偏光板の再帰性反射板に対向する面と反対側の面、又は、前記再帰性反射板と前記偏光板との間に配置され、実質的に偏光状態を解消しない光拡散手段を更に備えるように構成される。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、光拡散手段を備えることにより、再帰反射方向から離れた方向への反射能力が向上するため、当該再帰性反射板付き偏光板を半透過反射型液晶表示装置等に用いた場合の視認性が改善されるという利点を有する。
【0016】
好ましくは、請求項6に記載の如く、前記光拡散手段は、粘着剤と、前記粘着剤に分散され、前記粘着剤とは異なる屈折率を有する等方性真球粒子とから形成された光拡散性粘着剤とされる。
【0017】
また、本発明は、請求項7に記載の如く、液晶セルと、前記再帰性反射板の前記他方の面(コーナーキューブ形成面とは反対側の面)側が前記液晶セルと対向するように当該液晶セルに貼着された請求項1から3のいずれかに記載の再帰性反射板又は請求項4から6のいずれかに記載の再帰性反射板付き偏光板とを備えることを特徴とする液晶表示装置としても提供される。
【0018】
前記液晶表示装置の表示画面が縦置型とされている場合、好ましくは、請求項8に記載の如く、前記液晶表示装置が視認される状態において、前記液晶表示装置の視認側に延びる法線が水平面に対して仰角をなす斜面に対し、前記金属蒸着膜が形成される。
【0019】
表示画面が縦置型の半透過反射型液晶表示装置等に入射する光の大半は、上方(水平面に対し仰角をなす方向)からの入射光であり、斯かる光は、液晶表示装置の視認側に延びる法線が水平面に対して俯角をなす斜面で全反射した後に仰角をなす斜面に到達するか、或いは、仰角をなす斜面に直接到達することになる。従って、請求項8に記載のように、液晶表示装置が視認される状態(表示画面が縦置きされた状態)において、仰角をなす斜面に金属蒸着膜を形成すれば、当該液晶表示装置の反射率を大幅に向上させることができる。
【0020】
一方、前記液晶表示装置の表示画面が水平置型とされている場合、当該表示画面には、周囲から等方的に光が入射するため、請求項9に記載の如く、前記金属蒸着膜の形成された斜面を等方的に配置することにより、再帰性反射板で反射できる入射光の角度分布を略無指向性にする(いずれの方向から入射した光に対しても反射率を向上させる)のが好ましい。なお、金属蒸着膜の形成された斜面を等方的に配置するとは、再帰性反射板で反射できる入射光の角度分布を略無指向性にできる配置を意味し、各コーナーキューブ毎に無作為に選択した斜面(1つ以上2つ以下)に金属蒸着膜を形成する場合の他、所定の周期的配置とすることも可能である。
【0021】
好ましくは、請求項10に記載の如く、前記液晶表示装置は、前記再帰性反射板の前記一方の面(コーナーキューブ形成面)側に配置されたバックライトと、前記再帰性反射板と前記バックライトとの間に配置された反射偏光子とを更に備える。
【0022】
請求項10に係る発明によれば、バックライトを備えるため、半透過反射型液晶表示装置を構成すると共に、反射偏光子を備えるため、バックライト光の利用効率を高めることが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る再帰性反射板の概略構成図であリ、(a)は平面図を、(b)は側面図をそれぞれ示す。図2は、図1に示す再帰性反射板を用いた半透過反射型液晶表示装置の一例を概略的に示す縦断面図である。
【0025】
図2に示すように、本実施形態に係る半透過反射型液晶表示装置100は、再帰性反射板1と、バックライト2と、偏光板3、4と、液晶セル5と、拡散板6と、反射偏光子7とを備えている。
【0026】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る再帰性反射板1は、一方の面に所定ピッチP毎にコーナーキューブが細密充填されて形成されている。より具体的には、斜面11a、12a及び13aで構成された反射面を有するコーナーキューブが、所定ピッチP毎に形成される一方、当該ピッチP間に、斜面11b、12b及び13bで構成された反射面を有するコーナーキューブが、同じくピッチPで形成され、これらが細密充填された形態となっている。ここで、各コーナーキューブは、熱プレスやUV重合による形状転写や切削等、種々の公知の手法で形成することができる。
【0027】
本実施形態に係る再帰性反射板1は、所定ピッチP毎に形成された各コーナキューブの3つの斜面11a、12a及び13a(又は、斜面11b、12b及び13b)の内、1つ以上2つ以下の斜面にのみ、金属蒸着膜14が形成されている。特に、本実施形態では、表示画面が縦置型の液晶表示装置100に再帰性反射板1を適用する場合を想定しているため、図1に示すように、液晶表示装置の視認側(図1(b)の右方向)に延びる法線が水平面に対して仰角をなす斜面11a、12b及び13bに対し、金属蒸着膜14が形成されている。
【0028】
ここで、図3に示すように、表示画面が縦置型の液晶表示装置に入射する光(外光)の大半は、上方(水平面に対し仰角をなす方向)からの入射光(図3のL2、L3)であり、斯かる光は、液晶表示装置の視認側に延びる法線が水平面に対して俯角をなす斜面12a及び13a(又は11b)で全反射した後に斜面11a(又は、12b及び13b)に到達するか(L2)、或いは、斜面12b及び13b(又は11a)に直接到達する(L3)ことになる。斜面11a(又は、12b及び13b)に到達した光(L2及びL3の双方)は、斜面11a(又は12b及び13b)に形成された金属蒸着膜14で反射するため、上方からの入射光を再帰反射させることが可能である。なお、再帰性反射板1の正面方向近傍から入射した光は、斜面11b(又は、12a及び13a)で全反射し斜面12b及び13b(又は11a)で反射することにより、或いは、斜面12b及び13b(又は11a)で反射し斜面11b(又は、12a及び13a)で全反射することにより、同様にして再帰反射させることが可能である。従って、本実施形態に係る再帰性反射板1を半透過反射型液晶表示装置(図2)や、反射型液晶表示装置に用いた場合、正面近傍のみならず、より広い範囲で明るい表示を得ることが可能である。なお、金属蒸着膜14が形成されていない斜面11b、12a及び13aは、光透過性を有するため、換言すれば、実質的に1/2〜1/3の面積しか光不透過面(金属蒸着膜14が形成された斜面)を有さないため、半透過反射板としての機能は保持され、図2に示すように、再帰性反射板1のプリズム形成面側(図2の左方向)にバックライト2を配置することにより、半透過反射型液晶表示装置100を構成することが可能である。
【0029】
金属蒸着膜14は、アルミニウム、銀、金、クロム、ニッケル、白金、パラジウム等の高反射率金属で形成されるのが好ましい。また、金属蒸着膜14の蒸着パターン(つまり、一部の斜面にのみ金属蒸着膜14を形成するパターン)は、レジスト処理やエッチング処理等によって形成できる他、再帰性反射板1に対して斜め蒸着を施すことにより、蒸着源に対向する斜面のみに金属薄膜を形成することによっても好適に得られる。
【0030】
なお、再帰性反射板1単独では、光の反射分布がシャープで、明るく表示できる角度範囲が狭く(再帰反射方向から離れた方向への反射能力に乏しい)、結果的に視野角特性が狭くなってしまうが、図2に示すように、光拡散手段としての拡散板6を配置することにより、この問題を解消することができる。より具体的には、再帰性反射板1と偏光板3との間に、実質的に偏光状態を解消しない拡散板6を配置することにより、より実用的な視野角特性を得ることができる。なお、拡散板6の配置は、図2に示すものに限らず、例えば、再帰性反射板1のコーナーキューブ形成面と反対側の面に、拡散板6を介さずに偏光板3を貼着して再帰性反射板付き偏光板を形成し、当該再帰性反射板付き偏光板の偏光板側(図3に示す偏光板3の右側)に拡散板6を配置する構成を採用することも可能である。
【0031】
拡散板6は、粘着剤と、前記粘着剤に分散され、前記粘着剤とは異なる屈折率を有する等方性真球粒子とから形成された光拡散性粘着剤とするのが好ましい。より具体的には、例えば、前記粘着剤として、アクリル系粘着剤(屈折率1.48)が、前記等方性真球粒子として、メラミン系樹脂ビーズ(φ6μm、屈折率1.57)、スチレン系樹脂ビーズ(φ6μm、屈折率1.59)、シリカ系ビーズ(φ4μm、屈折率1.44)等が好適に用いられる。
【0032】
なお、再帰性反射板1を構成する部材が、透明な材料から形成される必要があることは自明である。また、再帰性反射板1が支持基材(図示せず)を有する場合には、面内位相差の小さい支持基材とすることが望ましい。特に、図2に示すように、バックライト2の出射光の利用効率を高めるべく、近年の多くの液晶表示装置に適用されている反射偏光子7を備える場合には、反射偏光子の偏光特性を損なわないようにするという観点から、前記面内位相差は、好ましくは、50nm以下とされ、より好ましくは、20nm以下、さらに好ましくは、10nm以下とされる。
【0033】
本実施形態では、表示画面が縦置型の液晶表示装置100に再帰性反射板1を適用する場合について説明したが、本発明に係る再帰性反射板は、これに限るものではなく、表示画面が水平置型の液晶表示装置に適用することも無論可能である。表示画面が水平置型とされた液晶表示装置に適用する場合、当該表示画面には、周囲から等方的に光が入射することになる。従って、金属蒸着膜14の形成された斜面を等方的に配置することにより、再帰性反射板1で反射できる入射光の角度分布を略無指向性にする(いずれの方向から入射した光に対しても反射率を向上させる)のが好ましい。ここで、金属蒸着膜14の形成された斜面を等方的に配置するとは、再帰性反射板1で反射できる入射光の角度分布を略無指向性にできる配置を意味し、例えば、各コーナーキューブ毎に無作為に選択した斜面(1つ以上2つ以下)に金属蒸着膜14を形成する場合の他、所定の周期的配置(例えば、図1に示す斜面11a及び11bのみに金属蒸着膜14を形成する場合がこれに該当する)とすることも可能である。
【0034】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示すことにより、本発明の特徴をより一層明らかにする。
【0035】
(実施例1)
ピッチ500μm(図1に示すピッチP)でコーナーキューブが形成されたアクリル製再帰性反射板の斜面に、図1に示すパターンと同様(斜面11a、12b及び13bにのみ金属蒸着膜を形成する)の金属蒸着を施した。より具体的には、アルミニウムの斜め蒸着を施し、略斜面11a、12b及び13bにのみ金属蒸着膜を形成することができた(蒸着面と非蒸着面の比率は、約1:1)。
【0036】
本実施例の金属蒸着膜の反射率は80%程度であり、非蒸着面(斜面11b、12a及び13a)の反射率は10%以下であった。また、再帰性反射板の正面方向から±10度以内の範囲で入射した光の反射率は80%程度の高い値となった。また、ヘイズ80%の拡散板を配置した後の拡散反射率は70%、拡散透過率は25%となり、優れた数値を示すことが分かった。さらに、本実施例の再帰性反射板を液晶表示装置に適用し、反射モードで正面方向から20度以上離れた位置で観察したところ、表示を視認することができるほどの明るさを得られることが分かった。
【0037】
(実施例2)
ピッチ50μmでコーナーキューブが形成されたアクリル製再帰性反射板の全斜面に対してアルミニウムを蒸着した後、レジストを塗布し、マスク露光及びエッチングを施すことにより、無作為に配置された蒸着面とした(蒸着面と非蒸着面の比率は、約2:1)。
【0038】
本実施例の再帰性反射板の正面方向から±10度以内の範囲で入射した光の反射率は80%程度の高い値となった。また、ヘイズ80%の拡散板を配置した後の拡散反射率は70%、拡散透過率は20%弱となり、優れた数値を示すことが分かった。さらに、本実施例の再帰性反射板を液晶表示装置に適用し、反射モードで正面方向から20度以上離れた位置で観察したところ、表示を視認することができるほどの明るさを得られることが分かった。
【0039】
(比較例)
実施例1と同じ再帰性反射板(但し、金属蒸着膜は形成せず)を用いて、同様の評価試験を行った。
【0040】
再帰性反射板の正面方向から±5度以内の範囲で入射した光の反射率は90%程度の高い値となった。また、拡散板を配置した後の拡散反射率は50%、拡散透過率50%となり、優れた数値を示した。しかしながら、正面方向から離れるに従って反射率は低下し、正面方向から20度以上離れた方向では十分な反射率が得られず、本比較例の再帰性反射板を液晶表示装置に適用し、反射モードで正面方向から20度以上離れた位置で観察したところ、表示を視認することが困難であった。
【0041】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る再帰性反射板によれば、再帰性反射板の正面近傍外の大きな入射角を有する光の内、金属蒸着膜が形成されていない斜面で全反射した後に金属蒸着膜が形成された斜面に到達する光、或いは、金属蒸着膜が形成されている斜面に直接到達する光を、当該金属蒸着膜が形成された斜面で再帰反射させることができる。従って、本発明に係る再帰性反射板を半透過反射型液晶表示装置や反射型液晶表示装置に用いた場合、正面近傍のみならず、より広い範囲で明るい表示を得ることが可能である。なお、金属蒸着膜が形成されていない斜面は、光透過性を有するため、半透過反射板としての機能は保持され、半透過反射型液晶表示装置への適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施形態に係る再帰性反射板の概略構成図である。
【図2】 図2は、図1に示す再帰性反射板を用いた半透過反射型液晶表示装置の一例を概略的に示す縦断面図である。
【図3】 図3は、図1に示す再帰性反射板における再帰反射を説明する説明図である。
【図4】 図4は、従来の再帰性反射板の概略構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1…再帰性反射板 2…バックライト 3,4…偏光板 5…液晶セル
6…拡散板 7…反射偏光子
11a,11b,12a,12b,13a,13b…斜面 14…金属蒸着膜
100…半透過反射型液晶表示装置
Claims (10)
- 一方の面に所定ピッチ毎にコーナーキューブが縦横に多数形成された再帰性反射板であって、前記各コーナーキューブの反射面を構成する3つの斜面の内、特定の1つの斜面に金属蒸着膜が形成されたコーナーキューブと、該金属蒸着膜が形成された特定の斜面を除いた残りの2つの斜面に金属蒸着膜が形成されたコーナーキューブの2種類を備え、前記一方のコーナーキューブに対して縦横方向で隣り合うコーナーキューブを前記他方のコーナーキューブにて構成したことを特徴とする再帰性反射板。
- 前記金属蒸着膜は、アルミニウム、銀、金、クロム、ニッケル、白金、パラジウム等の反射率が50%以上の金属で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の再帰性反射板。
- 前記再帰性反射板は、支持基材を備え、当該支持基材の面内位相差値が50nm以下とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の再帰性反射板。
- 請求項1から3のいずれかに記載の再帰性反射板と、当該再帰性反射板の他方の面側に貼着された偏光板とを備えることを特徴とする再帰性反射板付き偏光板。
- 前記偏光板の前記再帰性反射板に対向する面と反対側の面、又は、前記再帰性反射板と前記偏光板との間に配置され、実質的に偏光状態を解消しない光拡散手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の再帰性反射板付き偏光板。
- 前記光拡散手段は、粘着剤と、前記粘着剤に分散され、前記粘着剤とは異なる屈折率を有する等方性真球粒子とから形成された光拡散性粘着剤であることを特徴とする請求項5に記載の再帰性反射板付き偏光板。
- 液晶セルと、前記再帰性反射板の前記他方の面側が前記液晶セルと対向するように当該液晶セルに貼着された請求項1から3のいずれかに記載の再帰性反射板又は請求項4から6のいずれかに記載の再帰性反射板付き偏光板とを備えることを特徴とする液晶表示装置。
- 前記液晶表示装置は、表示画面が縦置型とされており、前記液晶表示装置が視認される状態において、前記液晶表示装置の視認側に延びる法線が水平面に対して仰角をなす斜面に対し、前記金属蒸着膜が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
- 前記液晶表示装置は、表示画面が水平置型とされており、前記金属蒸着膜の形成された斜面が等方的に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
- 前記再帰性反射板の前記一方の面側に配置されたバックライトと、前記再帰性反射板と前記バックライトとの間に配置された反射偏光子とを更に備えることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の液晶表示装置。
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