JP4023680B2 - 糖尿病性疾患の予防・治療剤及び糖尿病性疾患の予防・改善用機能性食品 - Google Patents

糖尿病性疾患の予防・治療剤及び糖尿病性疾患の予防・改善用機能性食品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の化合物、より詳しくはアセキサム酸亜鉛を有効成分として含有する糖尿病性骨粗鬆症、糖尿病性高血糖症、糖尿病性高脂血症等の糖尿病性疾患の予防・治療剤や、糖尿病性疾患の予防・改善用機能性食品又は食品素材に関する。
【0002】
【従来の技術】
わが国において多くの患者数を有する糖尿病は、慢性の高血糖とそれにともなう慢性の全身性代謝障害を主な特徴とする疾患であり、生活習慣病として位置づけられ、21世紀の高齢化社会における大きな問題として取りあげられている。糖尿病は、インスリンが分泌されずブトウ糖の代謝がうまくなされないために血液中のブドウ糖濃度が増加し、高血糖状態となる結果、様々な症状が出現する病気であり、インスリン依存性糖尿病(I型糖尿病)とインスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病)に分類され、いずれもその発症には、遺伝因子と環境因子が関連している。インスリン依存性糖尿病(I型糖尿病)は若年で発病し、インスリンを注射しなければ治療できない。インスリン非依存性糖尿病(II型糖尿病)は遺伝的要素が強いとされ、生まれつきインスリンをつくる細胞の力が弱い体質の人が、肥満、運動不足、ホルモンの分泌状態の変化等の誘因によりインスリンの供給が減少し必要量を満たさなくなり発病する。
【0003】
また、糖尿病には種々の合併症があり、その中で、糖尿病疾患の合併症として、糖尿病性骨粗鬆症が医療の面から重要な課題として注目されている。かかる糖尿病性骨粗鬆症に関与する因子としてインスリン欠乏状態、高血糖状態、それに動脈硬化や神経障害、腎障害といった糖尿病に伴う合併症が挙げられ、絶対的および相対的インスリン欠乏が、骨芽細胞の機能や数を低下させ、さらに高血糖状態の持続で骨芽細胞内にソルビトールが蓄積することで骨芽細胞機能の低下が招来され、糖尿病初期には、尿糖排泄に伴う尿中カルシウム排泄の増加で、二次的に副甲状腺ホルモンの分泌が増加し骨吸収促進が起こるものの、長期的には副甲状腺の副甲状腺ホルモン分泌能が低下し、最終像は低回転型骨粗鬆症を呈するとされている(例えば、非特許文献1参照。)。更に、糖尿病状態では尿中亜鉛排泄が亢進し、生体内亜鉛レベルは負に傾くことが知られている。
【0004】
糖尿病の治療剤としては、インシュリンの分泌を促すスルフォニウムウレア系製剤、食後の過血糖を抑制するα−グルコシダーゼ阻害剤、あるいは最近ではインシュリン抵抗性を改善するチアゾリジン系製剤等が用いられているが、製剤の投与又は服用により種々の副作用を伴うことがある等、治療剤として充分なものがない。特に、糖尿病状態において生じる骨量減少に起因する糖尿病性骨粗鬆症は難治性疾患であり、有効な治療剤がないのが現状である。
【0005】
ところで、体内の亜鉛の欠乏は骨成長の遅延の誘因となることから、骨代謝調節における亜鉛の役割が明らかにされ、亜鉛が強い骨形成促進作用を発現することが解明されている。本発明者は既にアセキサム酸亜鉛が骨疾患予防・治療剤として有効であることを報告している(例えば、非特許文献2、特許文献1参照。)。
【0006】
その他、アセキサム酸やその誘導体等を用いたものとして、例えば、生理学的に許容可能な活性ケア試薬としてアセキサム酸、及びこの活性試薬を含む脂肪相を含む唇のためのケアまたはメークアップ組成物(例えば、特許文献2参照。)や、アセキサム酸を鎮静剤として使用した化粧品または皮膚科用組成物(例えば、特許文献3参照。)等が知られているが、アセキサム酸亜鉛を用いた糖尿病性疾患の予防・治療剤等は知られていない。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−218767号公報
【特許文献2】
特開平11−255618号公報
【特許文献3】
特開2002−393718号公報
【非特許文献1】
CLINICAL CALCIUM2000年10月号(Vol.10 No.10)p9(1189)〜p16(1196)
【非特許文献2】
Yamaguchi M. Gao YH. General Pharmacology 30(3) 423-427, 1998
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、糖尿病性高血糖症、糖尿病性高脂血症、糖尿病性骨粗鬆症等の糖尿病性疾患を改善することができる、副作用の少ない糖尿病性疾患の予防・治療剤や、糖尿病性疾患の予防・改善用機能性食品又は食品素材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、亜鉛化合物が糖尿病に対し有効に作用することを想定し鋭意研究を行った結果、アセキサム酸亜鉛に糖尿病性高血糖症、糖尿病性高脂血症、糖尿病性骨粗鬆症等の糖尿病疾患を改善する作用があることをたまたま見い出した。すなわち、ストレプトゾトシン投与によって、膵臓β細胞からのインスリン分泌障害により糖尿病状態が惹起されたI型糖尿病のモデル動物である実験的糖尿病ラットに、アセキサム酸亜鉛を経口投与したところ、血清中のカルシウムの上昇と無機リンの低下、高血糖、高脂血症が有意に改善され、また、実験的糖尿病ラットにおいて骨幹部組織や骨幹端部組織のカルシウム量や、DNA量の減少が引き起こされ、アルカリ性ホスファターゼ活性の低下が観られたが、このカルシウム量やDNA量の減少、アルカリ性ホスファターゼ活性の低下がアセキサム酸亜鉛の経口投与によって極めて有意に改善されることの知見を得て、アセキサム酸亜鉛がI型及びII型の糖尿病に対する修復作用を発揮することを見い出し、本発明を完成するに至った。なお、アセキサム酸亜鉛と同様に、従来骨疾患治療剤として知られているカルシトニン、ビタミンD3化合物、ビタミンK2(メナキノン−4)、ビスホスホネート化合物、副甲状腺ホルモン等について、糖尿病性疾患の予防・治療効果調べてみたが、これらいずれにも糖尿病性疾患の予防・治療効果が認められなかった。
【0010】
すなわち本発明は、一般式(I)
【化4】
Figure 0004023680
[式中、R、Rは独立してC1〜C6のアルキル基を表し、m、nは独立して1〜20の整数を表す。]で示される化合物を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病性高血糖症の予防・治療剤(請求項1)や、一般式(I)
【化5】
Figure 0004023680
[式中、R 、R は独立してC1〜C6のアルキル基を表し、m、nは独立して1〜20の整数を表す。]で示される化合物を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病性高脂血症の予防・治療剤(請求項2)や、一般式(I)で示される化合物が、アセキサム酸亜鉛であることを特徴とする請求項1又は2記載の予防・治療剤(請求項3)に関する。
【0011】
また、本発明は、一般式(I)
【化6】
Figure 0004023680
[式中、R、Rは独立してC1〜C6のアルキル基を表し、m、nは独立して1〜20の整数を表す。]で示される化合物を配合してなる食品又は食品素材(請求項4)や、一般式(I)で示される化合物が、アセキサム酸亜鉛であることを特徴とする請求項記載の食品又は食品素材(請求項5)に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤や、糖尿病性疾患の予防・改善用機能性食品又は食品素材としては、一般式(I)[式中、R、Rは独立してC1〜C6のアルキル基を表し、m、nは独立して1〜20の整数を表す。]で示される化合物を有効成分として含有するものであれば特に制限されるものではない。かかる一般式(I)で示される化合物は分子量が1000以下であり水に易溶であって、それゆえ腸管吸収が容易で、糖尿病疾患に対する優れた効能を有する。一般式(I)における置換基R、Rは、独立してC1〜C6のアルキル基を示し、C1〜C6のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基等を挙げることができる。
【0013】
かかる一般式(I)で示される化合物としては、具体的には、ジ(5−アセチルアミノペンタン酸)亜鉛、ジ(5−プロピオニルアミノペンタン酸)亜鉛、ジ(6−アセチルアミノヘキサン酸)亜鉛、ジ(6−プロピオニルアミノヘキサン酸)亜鉛、ジ(7−アセチルアミノヘプタン酸)亜鉛、ジ(5−アセチルアミノヘプタン酸)亜鉛等を具体的に挙げることができる。このうち特に、式(II)
【化7】
Figure 0004023680
で表されるアセキサム酸亜鉛[ジ(6−アセチルアミノヘキサン酸)亜鉛]が水に易溶であり腸管吸収が高く好ましい。
【0014】
このような一般式(I)で示される化合物は血液中の亜鉛濃度の上昇作用、血糖量の降下作用、血液中の脂肪酸エステル濃度の降下作用、血液中のカルシウム濃度の降下作用、血液中の無機リン濃度の上昇作用、骨幹部組織及び骨幹端部組織中のカルシウム濃度の上昇作用、骨幹部組織及び骨幹端部組織中のDNA含有量の上昇作用、骨幹部組織及び骨幹端部組織中のアルカリ性ホスファターゼ活性上昇作用を有し、糖尿病性骨粗鬆症、糖尿病性高血糖症、糖尿病性高脂血症等に対して優れた効能を有する。
【0015】
本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤は、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤等の各種調剤用配合成分を添加することができる他、他の糖尿病性高血糖症、糖尿病性高脂血症、糖尿病性骨粗鬆症等の糖尿病性疾患の治療薬と併用することもできる。
【0016】
本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤の調製方法としては、公知の方法に基づき調製した一般式(I)で示される化合物をミキサー等で粉末とし、得られた粉末を常法により顆粒化、カプセル化、錠剤化する方法等を具体例に例示することができる。また、アセキサム酸亜鉛の調製方法としては公知の方法を具体例に例示することができる。
【0017】
本発明において糖尿病性疾患とは、I型及び/又はII型糖尿病及びこれら糖尿病に起因する種々の合併症等の疾病の症状を呈した状態をいい、糖尿病性疾患としては、糖尿病性骨粗鬆症、糖尿病性高血糖症、糖尿病性高脂血症、糖尿病により体重が減少する症状や、糖尿病により血中ミネラル濃度が変動する症状、神経障害や網膜症や腎臓障害等の合併症などの症状を呈した状態を具体的に例示することができる。そして、本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤は、糖尿病性骨粗鬆症、糖尿病性高血糖症、糖尿病性高脂血症等の糖尿病性疾患の予防・改善作用を有することから、糖尿病患者又は糖尿病予備軍の人に経口投与することによる糖尿病性疾患の予防・治療方法に、あるいは、食品に添加配合することにより該食品を糖尿病性疾患の予防・改善作用を有する機能性食品や、薬理組成物食品素材として、有利に用いることができる。かかる本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤は通常経口投与され、治療剤として用いる場合は、アセキサム酸亜鉛として1日あたり1mg〜5g/Kg体重、好ましくは10〜1000mg/Kg体重の範囲で摂取することにより、糖尿病性疾患を改善することができるが、症状、性別、年齢等に応じて、摂取量は適宜調整することができる。また、本発明の糖尿病性疾患の予防薬として使用する場合は、予め摂取することにより糖尿病性疾患の罹患率を低下させることができる。予防剤としての摂取方法は治療剤として用いる場合と同様の方法によることができ、摂取量は治療剤より少量から同量とすることができる。
【0018】
アセキサム酸亜鉛を有効成分として含有する本発明の糖尿病性疾患の予防・改善用機能性食品又は食品素材は、前記本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤を飲食品原料の一部として用いたり、あるいは製造工程又は製造後に添加・配合することにより得ることができる。かかる機能性食品としては特に制限されるものではなく、クッキー、パン、ケーキ、煎餅などの焼き菓子、ラムネ菓子等などの錠菓、羊羹などの和菓子、プリン、ゼリー、アイスクリーム類などの冷菓、チューインガム、キャンディ等の菓子類や、クラッカー、チップス等のスナック類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、チーズ、バターなどの乳製品や、みそ、しょう油、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ、スープ、シチュー等の各種総菜や、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料などを具体的に例示することができる。例えば、アセキサム酸亜鉛を微粉末化し、該微粉末を常法に従い打錠することにより錠菓を製造することができ、この場合かかる微粉末を造粒した後に打錠することもできる。また、アセキサム酸亜鉛を微粉末化し、これに乳糖、デキストリン、乾燥酵母等を配合したものを打錠することもできる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
実施例1[材料]
実験動物は、ウイスター系雄ラット(4週齢;体重90〜100g)(日本SLC(浜松)から入手)を用いた。また、ストレプトゾトシン(streptozotocin;STZ)(Sigma社(米国)製)を、生理食塩水(150mM NaCl)を50mM クエン酸ナトリウム水溶液中に溶解し、STZ液を調製した。
アセキサム酸亜鉛(Zinc acexamate;ニッショー医薬品研究所より恵与)を亜鉛量として2.5mg/mlになるように精製蒸留水で溶解し、投与試料溶液を調製した。比較例として、硫酸亜鉛(和光純薬工業;大阪)の亜鉛量として同じ濃度(2.5mg/ml)の投与試料溶液を調製した。
【0020】
実施例2[投与方法]
上記ラットに体重100g当り6.0mgのSTZ液を1回皮下投与し、以後亜鉛化合物を投与しないものをSTZ投与(II群)とした。STZ投与後3時間目にラット体重100g当り亜鉛量として2.5mgの硫酸亜鉛溶液(III群)、又は2.5mgのアセキサム酸亜鉛溶液(IV群)を、胃ゾンデを用いて1日1回14日間にわたって経口投与した。この間、固型飼料(オリエンタル酵母、MF)と精製蒸留水を自由に摂取させ、亜鉛化合物の最終投与の24時間目に屠殺した。また、STZと亜鉛化合物を共に投与しないものを対照(I群)とした。なお、各群6匹の構成とした。
【0021】
実施例3[測定項目と測定方法]
上記各群のラットを、それぞれ最終投与の24時間後にエーテル麻酔下で体重を測定した後、心臓穿刺により採血後屠殺し、大腿骨を摘出した。採血の30分後に血液を2500回転で5分間遠心分離して血清を採取し、血清中のグルコース濃度は和光純薬工業株式会社製のグルコース測定用キット「グルコース−テストワコー」を、血清中のトリグリセライド濃度は和光純薬工業株式会社製のトリグリセライド測定用キット「トリグリセライド−テストワコー」を、血清中のカルシウム濃度は和光純薬工業株式会社製のカルシウム測定用キット「カルシウムC−テストワコー」を、血清中の無機リン濃度は和光純薬工業株式会社製の無機リン濃度測定用キット「ピーテストワコー」を、それぞれ使用説明書のとおり用いて定量した。また大腿骨は、筋肉組織を除去し、骨幹部(diaphysis;皮質骨で硬い骨質をもつ)組織と骨幹端部(metaphysis;海綿骨で軟い骨質をもつ)組織に分け、冷0.25Mショ糖溶液中で骨髄細胞を洗浄除去した。それぞれの骨組織を用いて、以下に記載の方法でカルシウム量、骨の石灰化の促進に関する最も重要な酵素であるアルカリ性ホスファターゼの発現量、及び骨組織中の細胞数の指標としてDNA量をそれぞれ測定した。
【0022】
(骨カルシウムの測定)
摘出した大腿骨の組織片を0.25Mショ糖溶液で洗浄、乾燥後、骨重量を測定した。その後、組織片に濃硝酸を加えて120℃で12時間灰化し、原子吸光分光光度計(パーキンエルマー社製「パーキンエルマー303」)を用いて骨カルシウム量を定量した。
【0023】
(アルカリ性ホスファターゼ活性の測定)
摘出した大腿骨の組織片を0.25Mのショ糖液で洗浄し、6.5mMのバルビタール緩衝液(pH7.4)3mL中で破砕し、超音波処理した。この液を遠心分離して上清を酵素液としてWalter及びSchuttの方法(in Method of Enzymatic Analysis, Vol1-2,p856, Academic Press, New York, 1965)に従って測定した。すなわち、p−ニトロフェニール燐酸を基質として、ジエタノールアミン緩衝液(pH9.8)2mLに酵素液0.05mLを添加し、37℃で30分間インキュベーションし、0.05NのNaOHを10mL添加した後、分光光度計を用いて吸光度(405nm)を測定し、骨に対する予防・治療剤及び骨に対する作用の知られている化合物の骨アルカリ性ホスファターゼ活性を調べた。
【0024】
(DNA量の定量)
骨組織中の細胞数の指標として、DNA量を定量した。摘出した大腿骨の組織片を0.25Mのショ糖溶液で洗浄し、湿重量を測定した。その後、0.1NのNaOH4mL中で粉砕して、4℃で24時間浸透させた。この液を遠心分離し、上清を試料としてCeriottiらの方法(J.Biol.Chem., 241: 34-77, 1951)に従って定量した。すなわち、試料2mLに濃塩酸1mL及び0.04%のインドール溶液1mLを添加し沸騰水中で100℃に加熱後、急冷して、クロロホルム4mLで抽出し、クロロホルム層を採取して、分光光度計(490nm)を用いて骨中のDNA量を測定した。
【0025】
(データの処理)
得られたデータについて、対照群と亜鉛化合物投与群との2群間の有意差検定はStudent's t‐test(t検定)を用いて行なった。また、多群間の有意差検定はANOVA及びTurkey−Kramerの方法を用いて行った。危険率(p)5%未満をもって有意差ありとした。
【0026】
実施例4[結果]
(体重)
図1に示すように、ラットの体重増加は、STZ投与群(II群)で有意に抑制された。この抑制は、硫酸亜鉛投与群(III群)では改善されなかったが、アセキサム酸亜鉛投与群(IV群)では有意に改善された。なお、対照群(I群)のデータと比較して危険率(p)1%未満であった場合に“※”印を、SYZ投与群(II群)のデータと比較して危険率(p)1%未満であった場合に“#”印を、それぞれ図中に付した(以下同様)。更に、アセキサム酸亜鉛の投与量とラットの体重増加の関係を図8に示す。アセキサム酸亜鉛10mg/100gの投与量でSTZ投与群(II群)と比較して危険率(p)1%未満に改善された。
【0027】
(血清中の亜鉛濃度)
図2に示すように、血清中亜鉛濃度は、STZ投与群(II群)で有意に減少し、この減少は硫酸亜鉛投与群(III群)では改善されなかったが、アセキサム酸亜鉛投与群(IV群)でほぼ完全に改善された。硫酸亜鉛と比較してアセキサム酸亜鉛は腸管吸収されやすいことが示唆された。更に、アセキサム酸亜鉛の投与量と血清中亜鉛濃度の関係を図9に示す。アセキサム酸亜鉛10mg/100gの投与量でSTZ投与群(II群)と比較して危険率(p)1%未満に改善された。
【0028】
(血清中のグルコース濃度、トリグリセライド濃度)
図3(a)に示すように、血清中グルコース濃度は、STZ投与群(II群)で著しく上昇したが、この上昇は硫酸亜鉛投与群(III群)で危険率(p)5%未満に抑制され、アセキサム酸亜鉛投与群(IV群)は、硫酸亜鉛投与群と比較してさらに危険率(p)1%未満に改善されることが示された。このように、糖尿病状態における血糖降下作用が硫酸亜鉛投与群(III群)と比較してアセキサム酸亜鉛投与群(IV群)で強く発現されることが明らかになった。更に、アセキサム酸亜鉛の投与量と血清中グルコース濃度の関係を図10(a)に示す。アセキサム酸亜鉛10mg/100gの投与量でSTZ投与群(II群)と比較して危険率(p)1%未満に改善された。
同様のことが、図3(b)に示すように、血清中トリグリセライド濃度においても認められ、また、図10(b)に示すように、アセキサム酸亜鉛の投与量と血清中トリグリセライド濃度の関係においても、アセキサム酸亜鉛10mg/100gの投与量でSTZ投与群(II群)と比較して危険率(p)1%未満に改善された。
以上の結果から、アセキサム酸亜鉛には血清脂質濃度降下作用があり、糖尿病状態の高血糖、高脂血症及び体重減少がアセキサム酸亜鉛によって有意に改善されることが明かにされた。
【0029】
(血清中のカルシウム濃度及び無機リン濃度)
図4(a)に示すように、血清中カルシウム濃度が、STZ投与群で上昇し、一方、図4(b)に示すように、血清中無機リン濃度は、STZ投与群で低下した。これらの変動は、硫酸亜鉛投与群(III群)では改善されなかったが、アセキサム酸亜鉛投与群(IV群)で有意に改善された。更に、アセキサム酸亜鉛の投与量と血清中カルシウム濃度の関係を図11(a)に、アセキサム酸亜鉛の投与量と血清中無機リン濃度の関係を図11(b)に示す。いずれもアセキサム酸亜鉛10mg/100gの投与量でSTZ投与群(II群)と比較して危険率(p)1%未満に改善された。
糖尿病状態において、血清中の亜鉛濃度、カルシウム濃度、無機リン濃度が変動するが、この変動はアセキサム酸亜鉛の投与によって有意に修復されることが明らかとなり、アセキサム酸亜鉛は優れた抗糖尿病効果を発揮することが明かとなった。
【0030】
(骨組織中のカルシウム濃度)
図5に示すように、大腿骨組織の骨幹部組織(a)及び骨幹端部組織(b)におけるカルシウム濃度がSTZ投与群(II群)において低下することが明かにされた。この低下は、アセキサム酸亜鉛投与群(IV群)において、危険率(p)1%未満に改善された。更に、アセキサム酸亜鉛の投与量と大腿骨組織の骨幹部組織(a)及び骨幹端部組織(b)中のカルシウム濃度の関係を図12(a)、(b)に示す。アセキサム酸亜鉛10mg/100gの投与量でSTZ投与群(II群)と比較して危険率(p)1%未満に改善された。
【0031】
(骨組織中のアルカリ性ホスフォターゼ濃度)
図6に示すように、大腿骨組織の骨幹部組織(a)及び骨幹端部組織(b)におけるアルカリ性ホスフォターゼ濃度がSTZ投与群(II群)において低下することが明かにされた。この低下は、アセキサム酸亜鉛投与群(IV群)において、危険率(p)1%未満に改善された。しかしながら、硫酸亜鉛投与群(III群)では、骨幹部組織におけるアルカリ性ホスファターゼ活性が硫酸亜鉛投与群(III群)で有意差(p)1%未満に上昇した(この上昇効果はアセキサム酸亜鉛の効果と比較して有意差(p)1%未満に減弱されていた)のみで、他のものについては有意な効果を発揮しなかった。更に、アセキサム酸亜鉛の投与量と大腿骨組織の骨幹部組織(a)及び骨幹端部組織(b)中のアルカリ性ホスファターゼ活性の関係を図13(a)、(b)に示す。アセキサム酸亜鉛10mg/100gの投与量でSTZ投与群(II群)と比較して危険率(p)1%未満であった。
【0032】
(骨組織中のDNA濃度)
図7に示すように、大腿骨組織の骨幹部組織(a)及び骨幹端部組織(b)におけるDNA濃度の有意な低下がSTZ投与群(II群)において明かにされた。この低下は、アセキサム酸亜鉛投与群(IV群)において、危険率(p)1%未満に改善され、硫酸亜鉛投与群(III群)と比較して、DNA濃度が改善されることが明かになった。更に、アセキサム酸亜鉛の投与量と大腿骨組織の骨幹部組織(a)及び骨幹端部組織(b)中のDNA濃度の関係を図14(a)、(b)に示す。アセキサム酸亜鉛10mg/100gの投与量でSTZ投与群(II群)と比較して危険率(p)1%未満に改善された。
【0033】
(まとめ)
以上の結果から明らかなように、糖尿病状態の血液中の亜鉛濃度の下降や、カルシウム濃度の上昇、無機リン濃度の下降、骨組織中のカルシウム濃度、DNA濃度、アルカリ性ホスファオターゼ活性の下降等、骨減少に対してアセキサム酸亜が骨形成促進作用を有し、有意な改善効果を発現することが初めて明かにされ、硫酸亜鉛では改善効果がほとんどみられないことから、アセキサム酸亜鉛においてかかる糖尿病状態の骨減少に対する改善効果は特異な現象である。さらに、糖尿病状態における体重増加の抑制、高血糖及び高脂血症がアセキサム酸亜鉛投与で改善されたのに対し、硫酸亜鉛投与ではみられなかったことから、アセキサム酸亜鉛の抗糖尿病作用は特異なものである。STZ投与による糖尿病はI型(インスリン分泌障害による糖尿病)であるが、アセキサム酸亜鉛投与による高血糖及びトリグリセライド血症を有意に改善できたことから、アセキサム酸亜鉛はII型糖尿病状態に対しても改善効果を発揮し得るものと推察される。このように、アセキサム酸亜鉛は、糖尿病性骨量減少に係わる糖尿病性骨粗鬆症をも改善でき、抗糖尿病疾患予防・治療剤としての優れた有効性を有することが明らかにされた。
【0034】
【発明の効果】
本発明によると、一般式(I)で示される化合物を有効成分として含有することで、糖尿病性疾患において血液中の亜鉛濃度や無機リン濃度を上昇させ、カルシウム濃度の下降を図り、骨組織内のカルシウム濃度やDNA濃度の上昇を図り、アルカリ性ホスフォターゼ活性の上昇を図り、副作用が少なく、糖尿病性骨粗鬆症、高血糖症、高脂血症等の糖尿病性疾患を治療することができ、予防・改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与のラットの体重を示す図である。
【図2】本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与のラットの血清液中の亜鉛濃度を示す図である。
【図3】(a)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与のラットの血清中のグルコース濃度を示す図である。
(b)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与のラットの血清中のトリグリセライド濃度を示す図である。
【図4】(a)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与のラットの血清中のカルシウム濃度を示す図である。
(b)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与のラットの血清中の無機リン濃度を示す図である。
【図5】(a)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与のラットの骨幹部組織中のカルシウム濃度を示す図である。
(b)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与のラットの骨幹端部組織中のカルシウム濃度を示す図である。
【図6】(a)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与のラットの骨幹部組織中のホスフォターゼ濃度を示す図である。
(b)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与のラットの骨幹端部組織中のホスフォターゼ濃度を示す図である。
【図7】(a)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与のラットの骨幹部組織中のDNA濃度を示す図である。
(b)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与のラットの骨幹端部組織中のDNA濃度を示す図である。
【図8】本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤の投与量とラットの体重の関係を示す図である。
【図9】本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤の投与量とラットの血清中の亜鉛濃度の関係を示す図である。
【図10】(a)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤の投与量とラットの血清中のグルコース濃度の関係を示す図である。
(b)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤の投与量とラットの血清中のトリグリセライド濃度の関係を示す図である。
【図11】(a)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤の投与量とラットの血清中のカルシウム濃度の関係を示す図である。
(b)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤の投与量とラットの血清中の無機リン濃度の関係を示す図である。
【図12】(a)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与量とラットの骨幹部組織中のカルシウム濃度を示す図である。
(b)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与量とラットの骨幹端部組織中のカルシウム濃度を示す図である。
【図13】(a)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与量とラットの骨幹部組織中のアルカリ性ホスフォターゼ濃度を示す図である。
(b)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与量とラットの骨幹端部組織中のアルカリ性ホスフォターゼ濃度を示す図である。
【図14】(a)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与量とラットの骨幹部組織中のDNA濃度を示す図である。
(b)本発明の糖尿病性疾患の予防・治療剤投与量とラットの骨幹端部組織中のDNA濃度を示す図である。

Claims (5)

  1. 一般式(I)
    Figure 0004023680
    [式中、R、Rは独立してC1〜C6のアルキル基を表し、m、nは独立して1〜20の整数を表す。]で示される化合物を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病性高血糖症の予防・治療剤。
  2. 一般式(I)
    Figure 0004023680
    [式中、R、Rは独立してC1〜C6のアルキル基を表し、m、nは独立して1〜20の整数を表す。]で示される化合物を有効成分として含有することを特徴とする糖尿病性高脂血症の予防・治療剤。
  3. 一般式(I)で示される化合物が、アセキサム酸亜鉛であることを特徴とする請求項1又は2記載の予防・治療剤。
  4. 一般式(I)
    Figure 0004023680
    [式中、R、Rは独立してC1〜C6のアルキル基を表し、m、nは独立して1〜20の整数を表す。]で示される化合物を配合してなる食品又は食品素材。
  5. 一般式(I)で示される化合物が、アセキサム酸亜鉛であることを特徴とする請求項記載の食品又は食品素材。
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