JP4023364B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、共振回路を備えて特に非磁性かつ低抵抗率の金属からなる負荷をも誘導加熱する誘導加熱調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の誘導加熱調理器の例として、加熱コイルから高周波磁界を発生し、電磁誘導による渦電流によって鍋等の負荷を加熱する誘導加熱調理器について説明する。
【0003】
従来の誘導加熱調理器(例えば、特許文献1参照)について、図5に基づいて説明する。電源51は低周波交流電源である200V商用電源であり、ブリッジダイオードである整流回路52の入力端に接続される。整流回路52の出力端間に第1の平滑コンデンサ53が接続される。整流回路52の出力端間には、さらに、チョークコイル54と第2のスイッチング素子57の直列接続体が接続される。加熱コイル59はアルミニウム製の鍋61と対向して配置されている。
【0004】
第2の平滑コンデンサ62の低電位側端子(エミッタ)は整流回路52の負極端子に接続され、第2の平滑コンデンサ62の高電位側端子は第1のスイッチング素子(IGBT)55の高電位側端子(コレクタ)に接続され、第1のスイッチング素子(IGBT)55の低電位側端子はチョークコイル54と第2のスイッチング素子(IGBT)57の高電位側端子(コレクタ)との接続点に接続される。加熱コイル59と共振コンデンサ60の直列共振回路が第2のスイッチング素子57に並列に接続される。
【0005】
第1のダイオード56(第1の逆導通素子)は第1のスイッチング素子55に逆並列に接続(第1のダイオード56のカソードと第1のスイッチング素子55のコレクタとを接続)され、第2のダイオード58(第2の逆導通素子)は第2のスイッチング素子57に逆並列に接続される。
【0006】
制御手段63は、所定の出力になるように第1のスイッチング素子55と第2のスイッチング素子57のゲートに信号を出力する。
【0007】
以上のように構成された誘導加熱調理器において、第1のスイッチング素子55と、第2のスイッチング素子57の駆動周波数に比べ、共振電流の周波数は2倍以上に設定することにより、第1のスイッチング素子55と、第2のスイッチング素子57の損失を増やすことなく、かつ、チョークコイル54により、第2の平滑コンデンサ電圧は昇圧されるので、アルミニウム等の非磁性かつ低抵抗率の負荷を高出力で誘導加熱できる。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−75620号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の構成では、インバータ出力電圧すなわち共振回路にかかる電圧は各部品の耐電圧など限度があり最大加熱出力にも限度がある。特に等価共振時抵抗が大きくなると等価共振時抵抗に反比例して最大加熱出力が小さくなることがあった。
【0010】
さらにこの課題は共振周波数がスイッチング素子の駆動周波数の略整数倍となるようにした場合にはインバータ電流は(1/略整数)倍と反比例して減少するのでより顕著となる(但し、略整数は2以上)。このような場合、所定の加熱出力となるようにスイッチング素子の駆動周波数を制御することで加熱出力を可変した場合に、設定される所定の加熱出力値が最大加熱出力より小さい場合は、動作点が存在し所定の出力値に安定するが、設定される所定の加熱出力値が最大加熱出力より大きい場合は、動作点が存在しないため、駆動周波数を下げ続け、制御手段は加熱出力を上げようとするが、安定点を見出すことができず、安定に加熱することが出来ないという問題があった。
【0011】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、負荷の特性を等価共振時抵抗検知手段により検知して負荷の特性に応じて過大な加熱出力設定とならないように加熱出力を抑制したり最大加熱出力が大となるようにスイッチング素子の駆動周波数を変更したりすることで負荷の特性によらず安定に負荷を加熱することができるようにした誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は負荷を磁気結合させる加熱コイルと共振コンデンサを有する共振回路と、スイッチング素子を有し前記共振回路に電力を供給するインバータと、少なくとも周波数可変制御の機能を有し前記スイッチング素子の駆動周波数を前記共振回路の共振周波数の略1/n倍(nは2以上の整数)として前記共振周波数の1/n倍に近づくように下げることにより前記加熱コイルの加熱出力を増加させてアルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の前記負荷を加熱し前記共振周波数の1/n倍としたときの共振時加熱出力である最大加熱出力以下に設定した加熱出力を得る制御をする加熱出力制御手段と、前記共振回路の等価共振時抵抗を検知する等価共振時抵抗検知手段とを備え、前記加熱出力制御手段は、前記アルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の負荷を加熱する場合よりも前記等価共振時抵抗が大きい場合に、設定する加熱出力が前記最大加熱出力より大きくなり前記駆動周波数を下げ続けることがないように前記等価共振時抵抗が大きくなると設定する加熱出力を小さくして加熱出力を抑制し安定に前記負荷を加熱する構成とした。この構成により、スイッチング素子の駆動周波数を共振周波数の略1/n倍に低くしてインバータ損失を小さくできる。また、負荷の特性を等価共振時抵抗検知手段により検知して負荷の特性によらず安定に負荷を加熱することができる。
【0013】
また、負荷の特性を等価共振時抵抗検知手段により検知すれば、負荷の特性に応じて加熱出力を制御することができる。従って、負荷の特性によらず安定に負荷を加熱することができる誘導加熱調理器とすることができる。すなわち、上記、等価共振時抵抗が大きくなると等価共振時抵抗に反比例して最大加熱出力が小さくなるような負荷のときに、設定される所定の加熱出力値が最大加熱出力より大きい場合は、動作点が存在しないため、駆動周波数を下げ続けないように抑制し、制御手段が安定点を見出すことができなくても適当な出力で加熱するようにするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、負荷を磁気結合させる加熱コイルと共振コンデンサを有する共振回路と、スイッチング素子を有し前記共振回路に電力を供給するインバータと、少なくとも周波数可変制御の機能を有し前記スイッチング素子の駆動周波数を前記共振回路の共振周波数の略1/n倍(nは2以上の整数)として前記共振周波数の1/n倍に近づくように下げることにより前記加熱コイルの加熱出力を増加させてアルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の前記負荷を加熱し前記共振周波数の1/n倍としたときの共振時加熱出力である最大加熱出力以下に設定した加熱出力を得る制御をする加熱出力制御手段と、前記共振回路の等価共振時抵抗を検知する等価共振時抵抗検知手段とを備え、前記加熱出力制御手段は、前記アルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の負荷を加熱する場合よりも前記等価共振時抵抗が大きい場合に、設定する加熱出力が前記最大加熱出力より大きくなり前記駆動周波数を下げ続けることがないように前記等価共振時抵抗が大きくなると設定する加熱出力を小さくして加熱出力を抑制し安定に前記負荷を加熱する構成とした。この構成により、スイッチング素子の駆動周波数を共振周波数の略1/n倍に低くすることができインバータ損失を小さくできるとともに、負荷の特性を等価共振時抵抗検知手段により検知することができる。
【0015】
また、負荷の特性を等価共振時抵抗検知手段により検知すれば、負荷の特性に応じて加熱出力を制御することができる。加熱出力制御手段は、アルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の負荷を加熱する場合よりも前記等価共振時抵抗が大きい場合に、設定する加熱出力が前記最大加熱出力より大きくなり前記駆動周波数を下げ続けることがないように前記等価共振時抵抗が大きくなると設定する加熱出力を小さくして加熱出力を抑制し安定に前記負荷を加熱する。等価共振時抵抗が大きくなると等価共振時抵抗に反比例して最大加熱出力が小さくなるので、等価共振時抵抗がアルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の負荷を加熱する場合よりも大きい負荷のときに、設定する加熱出力値が最大加熱出力より大きい場合は、動作点が存在しないため、駆動周波数を下げ続けるが、加熱出力制御手段が設定する加熱出力を小さくして加熱出力を抑制し適当な出力で安定に負荷を加熱するようにすることができる。従って、負荷の特性によらず安定に負荷を加熱することができる誘導加熱調理器とすることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明は、特に請求項1に記載の構成において、等価共振時抵抗検知手段は、加熱出力毎に共振電圧の所定値を設定し、加熱出力制御手段は、前記等価共振時抵抗検知手段の出力に応じて前記共振電圧が前記所定値以上となるように前記加熱出力を抑制することを特徴とした構成とした。この構成により、負荷の特性に応じて過大な加熱出力設定とならないように加熱出力を抑制することができる。従って、負荷の特性によらず安定に負荷を加熱することができる誘導加熱調理器とすることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、特に請求項1または2に記載の構成において、インバータは少なくともシングルエンドプッシュプル構成を有する構成とした。この構成により、インバータの出力制御が容易となる。また、スイッチング素子の耐電圧を小さくできる。従って、負荷の特性によらず安定に負荷を加熱することができる誘導加熱調理器とすることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、負荷を磁気結合させる加熱コイルと共振コンデンサを有する共振回路と、スイッチング素子を有し前記共振回路に電力を供給するインバータと、少なくとも周波数可変制御の機能を有し前記スイッチング素子の駆動周波数を前記共振回路の共振周波数のおよそ1/n倍(nは2以上の整数)として前記共振周波数の1/n倍に近づくように下げることにより前記加熱コイルの加熱出力を増加させてアルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の前記負荷を加熱し前記駆動周波数を前記共振周波数の1/n倍としたときの共振時加熱出力である最大加熱出力以下に設定した加熱出力を得る制御をする加熱出力制御手段と、前記共振回路の等価共振時抵抗を検知する等価共振時抵抗検知手段とを備え、前記加熱出力制御手段は、前記アルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の負荷を加熱する場合よりも前記等価共振時抵抗が大きい場合に、設定する加熱出力より前記最大加熱出力が大となるように前記nを変更して安定に前記負荷を加熱することにより、スイッチング素子の駆動周波数を小さくしてアルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の負荷を、共振時加熱出力である最大加熱出力以下に設定した加熱出力で加熱することができインバータ損失を小さくできる。
【0020】
また、アルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の負荷を加熱する場合よりも等価共振時抵抗が大きい場合に、設定する加熱出力より最大加熱出力が大となるようにnを変更してスイッチング素子の駆動周波数を変更することができるので、負荷の特性によらず所定加熱出力にて安定に負荷を加熱することができる誘導加熱調理器とすることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、特に請求項1〜4に記載の構成において、等価共振時抵抗検知手段は少なくとも、加熱出力に応じた出力をする加熱出力検知手段の出力と、共振コンデンサまたは加熱コイルの電圧または電流を検知する共振電圧検知手段の出力を入力とし、共振電圧検知手段の出力が加熱出力検知手段の出力に応じた所定値以下となる場合に加熱出力を抑制する構成とした。この構成により、負荷の特性に応じて過大な加熱出力設定とならないように加熱出力を抑制することができる。従って、負荷の特性によらず安定に負荷を加熱することができる誘導加熱調理器とすることができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、特に請求項5に記載の構成において、加熱出力検知手段は少なくとも入力電流、入力電圧、入力電力、共振回路電圧または共振回路電流のいずれか一つを検知するものとした構成とした。この構成により、加熱出力を容易に検知でき、従って、負荷の特性によらず安定に負荷を加熱することができる誘導加熱調理器とすることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明は、特に請求項1〜6に記載の構成において、負荷の材質が、アルミ鍋の場合にn=3として加熱出力が抑制され、前記負荷の材質が、前記アルミ鍋より等価共振時抵抗が大きなアルミとステンレスの多層鍋であるときに、前記n=2として前記加熱出力が抑制される構成とした。この構成により、非磁性かつ低抵抗率の金属からなるアルミ鍋の場合でも、負荷の材質が少なくともその一部は非磁性かつ低抵抗率の金属からなるアルミとステンレスの多層鍋のような等価共振時抵抗がアルミ鍋より大きい鍋の場合でも、負荷の特性によらず安定に負荷を加熱することができる誘導加熱調理器とすることができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
(実施例1)
図1は本発明の実施例における誘導加熱調理器の模式図であり、図2は負荷と磁気結合した場合の同誘導加熱調理器の共振回路と等価共振時抵抗の構成図、図3は同誘導加熱調理器の加熱出力特性図、図4は同誘導加熱調理器の等価共振時抵抗検知手段の動作を説明する特性図である。
【0026】
図1において、電源12は200V商用電源であり、インバータ7により高周波に変換され、高周波磁界を加熱コイル1に発生させる。2は負荷である鍋であり、加熱コイル1と対向して設置する。3は共振コンデンサであり、インバータ7の出力に対して加熱コイル1とともに直列の共振回路4を構成している。インバータ7は、ダイオードブリッジからなる整流手段13と第1の平滑コンデンサ14によって商用電源を直流に変換し、加熱出力制御手段8により第1のスイッチング素子5と第2のスイッチング素子6を交互に駆動することでチョークコイル16により第1の平滑コンデンサ14の電圧よりも昇圧して第2の平滑コンデンサ15に蓄電しかつ第2の平滑コンデンサ15を入力、共振回路4を出力としたシングルエンドプッシュプル構成となるよう第1のスイッチング素子5および第2のスイッチング素子6を接続している。
【0027】
第1のスイッチング素子5および第2のスイッチング素子6はIGBTに逆並列にダイオードを接続したものとしている。インバータ7は周波数制御のインバータで、出力を増加させる場合にはスイッチング素子の駆動周波数が共振周波数に近づくように加熱出力制御手段8によりスイッチング素子を駆動し、カレントトランスからなる加熱出力検知手段10により加熱出力を検知して所定の加熱出力が得られるようにする。共振電圧検知手段11は抵抗分圧により共振コンデンサ3の電圧を分圧して出力する。等価共振時抵抗検知手段9は加熱出力検知手段10の出力と、共振電圧検知手段11の出力をそれぞれ入力として後で説明する動作を行う。
【0028】
本実施例では共振回路4の共振周波数は約60kHzとなるよう加熱コイル1および共振コンデンサ3を設定し、スイッチング素子の駆動周波数は共振回路4の共振周波数の1/3である約20kHzとなるようにして、スイッチング素子の損失を低減することでアルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率である金属も加熱できるようにしているものである。
【0029】
図2で示すように左側の加熱コイル1に負荷2を磁気結合した場合の共振回路4の等価回路は右側の等価直列インダクタンス21と等価共振時抵抗22と共振コンデンサ3で表される。加熱コイル1および共振コンデンサ3の損失を無視すれば負荷2の加熱出力は等価共振時抵抗22の損失と考えることができる。また、共振時は共振回路4のインピーダンスは等価共振時抵抗22のみで表されることになり、共振回路4に加えられる電圧はインバータに使用する部品の耐電圧によって決まる値に制限されることや加熱出力は共振時に最大となることから等価共振時抵抗22の値によって決定されるすなわち図3のように負荷によって異なる最大加熱出力となる。
【0030】
図3に示すようにアルミ鍋のように等価共振時抵抗が小さい負荷の場合は最大加熱出力も大きく周波数制御により所定加熱出力でA点において動作することができる。アルミとステンレスを多層に積み重ねた多層鍋はステンレスの影響により等価共振時抵抗がアルミ鍋より大きい負荷となる。この場合は、最大加熱出力は所定加熱出力より小さく仮に周波数制御を行うのみでは加熱出力は所定加熱出力とすることができず安定に加熱することができないこととなる。
【0031】
しかし図4で示すように加熱出力毎に共振電圧の所定値を実線の直線のように設定し共振電圧が所定値以下であれば所定値となるように加熱出力を抑制すれば図4のB点で安定に加熱動作を継続することができる。また、等価共振時抵抗がより大きい場合には図4の破線よりさらに共振電圧が小さい方向に動作線が変わる。その場合には等価共振時抵抗の大きさに応じて加熱出力はより抑制される。すなわち、図3の抑制後加熱出力と記した点線のように加熱出力は抑制され、アルミとステンレスを多層に積み重ねた多層鍋の場合は図3のB点で安定に負荷を加熱することが出来る。
【0032】
以上述べたように、本実施例では加熱出力毎に共振電圧の所定値を設定し共振電圧が所定値以下であれば所定値となるように加熱出力を抑制する構成としているので、負荷の特性に応じて過大な加熱出力設定とならないように加熱出力を抑制して負荷の特性によらず安定に負荷を加熱することができる。
【0033】
なお、アルミ鍋と、アルミとステンレスの多層鍋の場合で説明したが、どのような材質でも等価共振時抵抗検知手段出力が異なればすなわち負荷の特性が異なれば負荷の特性に応じて加熱出力を抑制できるので本実施例と同等の効果が得られる。
【0034】
また、本実施例ではインバータを昇圧機能ありのシングルエンドプッシュプル構成としたが拘ることはなく、単なるシングルエンドプッシュプル構成でもよいし、別の構成でも同等の効果が得られる。
【0035】
また、本実施例では周波数制御によるものとしたが、デューティ制御などどのようなものであっても、本発明の主旨にかなうものであれば良い。
【0036】
さらに、共振回路は直列共振としたが、並列共振として電流駆動によっても同等の効果が得られるのは言うまでもない。
【0037】
(実施例2)
本実施例の基本構成は実施例1と同じなので異なる点を中心に説明する。また、実施例1と同じ機能には同じ符号を付しその説明は省略する。
【0038】
図5は本発明の実施例における誘導加熱調理器の加熱出力特性図である。
【0039】
本実施例が実施例1と異なる点は図1の等価共振時抵抗検知手段9の出力に対して加熱出力制御手段8の動作が異なるところである。具体的には、加熱出力制御手段8はスイッチング素子の駆動周波数は共振回路の共振周波数約60kHzの1/3倍の約20kHzとして動作し、等価共振時抵抗検知手段9の出力により等価共振時抵抗が小の場合そのまま約20kHzとして動作し、等価共振時抵抗が大の場合スイッチング素子の駆動周波数は共振回路の共振周波数約60kHzの1/2倍の約30kHzとして動作する。
【0040】
すなわち図5に示すように、アルミ鍋など等価共振時抵抗が小の場合A点で所定加熱出力にて加熱動作を行い、アルミとステンレスを多層に積み重ねた多層鍋など等価共振時抵抗が大の場合B点で所定加熱出力にて加熱動作を行う。これにより等価共振時抵抗が様々な大きさになるすなわち負荷の特性が変化しても最大加熱出力が大となるようにスイッチング素子の駆動周波数を変更することで負荷の特性によらず所定加熱出力にて安定に負荷を加熱することができる。
【0041】
なお、本実施例ではn=2および3の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、nを変えても本実施例と同等の効果が得られる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜7に記載の発明によれば、アルミニウムのような等価共振時抵抗が小さくなる負荷を共振周波数の1/n(nは2以上の整数)倍の駆動周波数でスイッチング素子を駆動することによりスイッチング素子の損失を低減しかつ所定加熱出力で加熱できる。また、負荷の特性を等価共振時抵抗検知手段により検知してアルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の負荷を加熱するときよりも等価共振時抵抗が大きくなる負荷を安定に加熱することができる誘導加熱調理器にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における誘導加熱調理器の模式図
【図2】負荷と磁気結合した場合の同誘導加熱調理器の共振回路と等価共振時抵抗の構成図
【図3】同誘導加熱調理器の加熱出力特性図
【図4】同誘導加熱調理器の等価共振時抵抗検知手段の動作を説明する特性図
【図5】本発明の別の実施例における誘導加熱調理器の加熱出力特性図
【図6】従来の誘導加熱調理器の概略構成図
【符号の説明】
1 加熱コイル
2 負荷
3 共振コンデンサ
4 共振回路
5 第1のスイッチング素子
6 第2のスイッチング素子
7 インバータ
8 加熱出力制御手段
9 等価共振時抵抗検知手段
10 加熱出力検知手段
11 共振電圧検知手段
Claims (7)
- 負荷を磁気結合させる加熱コイルと共振コンデンサを有する共振回路と、スイッチング素子を有し前記共振回路に電力を供給するインバータと、少なくとも周波数可変制御の機能を有し前記スイッチング素子の駆動周波数を前記共振回路の共振周波数の略1/n倍(nは2以上の整数)として前記共振周波数の1/n倍に近づくように下げることにより前記加熱コイルの加熱出力を増加させてアルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の前記負荷を加熱し前記駆動周波数を前記共振周波数の1/n倍としたときの共振時加熱出力である最大加熱出力以下に設定した加熱出力を得る制御をする加熱出力制御手段と、前記共振回路の等価共振時抵抗を検知する等価共振時抵抗検知手段とを備え、前記加熱出力制御手段は、前記アルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の負荷を加熱する場合よりも前記等価共振時抵抗が大きい場合に、設定する加熱出力が前記最大加熱出力より大きくなり前記駆動周波数を下げ続けることがないように前記等価共振時抵抗が大きくなると設定する加熱出力を小さくして加熱出力を抑制し安定に前記負荷を加熱する誘導加熱調理器。
- 等価共振時抵抗検知手段は、加熱出力毎に共振電圧の所定値を設定し、加熱出力制御手段は、前記等価共振時抵抗検知手段の出力に応じて前記共振電圧が前記所定値以上となるように前記加熱出力を抑制する請求項1に記載の誘導加熱調理器。
- インバータは少なくともシングルエンドプッシュプル構成を有する請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
- 負荷を磁気結合させる加熱コイルと共振コンデンサを有する共振回路と、スイッチング素子を有し前記共振回路に電力を供給するインバータと、少なくとも周波数可変制御の機能を有し前記スイッチング素子の駆動周波数を前記共振回路の共振周波数の略1/n倍(nは2以上の整数)として前記共振周波数の1/n倍に近づくように下げることにより前記加熱コイルの加熱出力を増加させてアルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の前記負荷を加熱し前記駆動周波数を前記共振周波数の1/n倍としたときの共振時加熱出力である最大加熱出力以下に設定した加熱出力を得る制御をする加熱出力制御手段と、前記共振回路の等価共振時抵抗を検知する等価共振時抵抗検知手段とを備え、前記加熱出力制御手段は、前記アルミニウムのような非磁性かつ低抵抗率の負荷を加熱する場合よりも前記等価共振時抵抗が大きい場合に、設定する加熱出力より前記最大加熱出力が大となるように前記nを変更して安定に前記負荷を加熱する誘導加熱調理器。
- 等価共振時抵抗検知手段は少なくとも、加熱出力に応じた出力をする加熱出力検知手段の出力と、共振コンデンサまたは加熱コイルの電圧または電流を検知する共振電圧検知手段の出力を入力とし、共振電圧検知手段の出力が加熱出力検知手段の出力に応じた所定値以下となる場合に加熱出力を抑制する構成とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
- 加熱出力検知手段は、入力電流、入力電圧、入力電力、共振回路電圧、共振回路電流のうち少なくとも一つを検知するものとした請求項5に記載の誘導加熱調理器。
- 負荷の材質が、アルミ鍋の場合にn=3として加熱出力が抑制され、前記負荷の材質が、前記アルミ鍋より等価共振時抵抗が大きなアルミとステンレスの多層鍋であるときに、前記n=2として前記加熱出力が抑制される請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
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