JP4023091B2 - 使用方法警告電話機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電話機に関し、特に携帯電話機の使用方法の警告付携帯電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電話機(携帯電話機)は、販売者、製造者が指定する安全に使用するための使用方法を取扱説明書に記載していた。しかしながら、電話機利用者の全員が取扱説明書を熟読、熟知することは現実的には不可能である。電話機利用者は分からないことがある場合に取扱説明書を参照する例が多い。
【0003】
販売者・製造者が、最適な音響特性設計・安全設計を考慮して指定する使用方法が、全ての利用者に対して提供されないのは本来の意図に反する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、利用者が取扱説明書を見ない場合であっても、正しい使用方法(特に受話機の保持方法)を利用者が実施できるように監視、警告する使用方法警告電話機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の使用方法警告電話機は、利用者が通話を行っている状態かどうかを検出する通話/非通話状態検出手段と、電話機の受話器に配置され、通話/非通話状態検出手段によって、利用者が通話状態であることが検出された場合、利用者の耳が受話器に接触しているかどうかを検出する接触圧検出手段と、電話機の任意の位置に配置され、接触圧検出手段によって、利用者の耳が受話器に接触していることが検出された場合、通話時の受話器の鉛直軸に対する筐体傾斜角を検出する傾斜角検出手段と、傾斜角検出手段によって検出された筐体傾斜角をあらかじめ設定された傾斜角範囲と比較し、筐体傾斜角が傾斜角範囲を外れる場合に、利用者に警告する警告手段とを有する。
【0006】
また、接触圧検出手段は、受話器に配置され、通話時に受話器と耳との接触圧力によりオン状態になるスイッチであっても良い。
【0007】
また、傾斜角検出手段は、電話機の任意の位置に配置され、電話機の正面X軸と奥行きY軸の鉛直軸に対する回転角を検出するポテンショメータであっても良い。
【0009】
また、警告手段は、警告時に作動するバイブレーター、ブザー、筐体表面に搭載するピエゾ素子等の警報器である。
【0010】
さらに、使用方法警告電話機は、ハンズフリー機能を有し、ハンズフリー状態での通話を検出し、警告手段を抑制する抑制手段を有する。
【0011】
本発明は、受話器(携帯電話機本体)に接触圧センサ及び傾斜角センサを搭載していることを特徴としている電話装置である。接触圧センサを利用して、通話/非通話の検出を行い、傾斜角センサを利用して通話時の受話器(携帯電話本体)の筐体傾斜角を検出する。検出された受話器の筐体傾斜角があらかじめ製造者、販売者によって設定された傾斜角範囲から逸脱した場合、警告手段によって利用者に警告を行う。
【0012】
図1を参照して特徴を説明する。装置全体の動作を制御する制御回路部1は通信制御部2を通じて通信回線と接続して通話を行う。利用者が通話を行っているとき、接触圧検出手段4は利用者が通話中かどうかを検出する。
【0013】
接触圧検出手段4の搭載位置は、たとえば図2に示す様にレシーバー部周辺とする。これにより通話時に利用者の耳が受話器(携帯電話本体)に接触するので、利用者が通話中であることを検出することができる。
【0014】
利用者の通話状態を接触圧検出手段4により検出した制御回路部1は、傾斜検出手段3により受話器(携帯電話本体)の鉛直軸に対する筐体傾斜角を検出する。図2で示されているとおり、傾斜検出手段3は筐体内の任意の場所に搭載され、図2に示すx,y軸回転方向の鉛直軸に対する傾斜を検出する。これにより、図3に示すような筐体傾斜角α、βを検出することができる。
【0015】
制御部1はメモリ5に記録されている、製造者及び販売者が設定した最適な音響特性設計・安全設計を考慮して指定する筐体傾斜角範囲データを読み出す。傾斜検出手段3により検出される筐体傾斜角度との比較を行い、筐体傾斜角範囲から逸脱している場合には警告部6あるいは表示部7、レシーバー9により利用者に警告を行う。
【0016】
本発明により、万が一、利用者が取扱説明書を読まなかった場合においても、利用者は通話中、最適な音響特性・安全性を得られる受話器(携帯電話機)保持姿勢を維持することできるという効果が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。図4は本発明の一実施例として携帯電話端末に適用されている例が示されている。
【0018】
図4によれば、図1との違いは、図1の通信制御部2が、図4の携帯電話端末では送受信部11と、アンテナ12に置きかえられている。本実施例では携帯電話端末の例として説明する。
【0019】
本実施例では、装置全体の制御を行う制御回路部1と、送受信回路の制御を行う送受信部11と、送受信部11の空中線であるアンテナ12と、携帯電話端末の筐体傾斜角を検出する傾斜検出手段3と、通話中かどうかを利用者の耳との接触圧によって検出する接触検出手段4と、販売者・製造者が、最適な音響特性設計・安全設計を考慮して指定する通話時の筐体傾斜角範囲等のデータが記録されているメモリ5と、利用者に対して筐体傾斜角が販売者・製造者が指定している角度を逸脱した場合に警告を与える手段である警告部6(バイブレーター、ブザー、筐体表面に搭載するピエゾ素子等が例としてあげられる)と、種々のデータを表示する表示部7と、電話番号、メッセージなどを入力するキーボード8と、受話を行う際に使用されるレシーバ9と、送話を行う際に使用するマイク10とを備える。これらの構成により本実施例では万が一利用者が取扱説明書を熟読していなかった場合でも、利用者が最適な音響特性・安全性を得られる通話時の筐体傾斜角範囲を維持できる携帯電話機を実現する。
【0020】
利用者が、入力部8から通話動作を行い、アンテナ12と、送受信部11とを介して回線接続するとき、制御回路部1は接触圧検出手段4から接触圧を検出するのを待機する。利用者が携帯電話端末を耳に当てると制御回路部1は接触圧検出するので、続いて、携帯電話端末の筐体傾斜角を検出する。制御回路部1は傾斜角検出手段から検出した傾斜角がメモリ5内に保存されている筐体傾斜角範囲を逸脱している場合、警告部6と、表示部7と、レシーバ9などを用いて利用者に、筐体傾斜角範囲を逸脱したことを警告する。
【0021】
次に、本実施例の動作について図を用いて説明する。本発明が実施される電話装置のうち、携帯電話端末の場合について説明する。図5は本実施例の動作を示すフローチャートである。
【0022】
制御回路部1は、利用者が通話を行っている状態かどうかを検出する(ステップ101)。利用者が通話状態であることを検出した場合、制御回路部1はレシーバー9付近に取り付けられている接触圧検出手段4により、レシーバー9付近に耳が接触しているかどうかを検出する(ステップ102)。接触を検出した時、制御回路部1は傾斜検出手段3により筐体の鉛直軸に対する筐体傾斜角度を検出する(ステッ103)。傾斜検出手段3は、図3に示すような少なくとも2つの傾斜角度(α、β)を検出する。
【0023】
この検出した傾斜角が、販売者・製造者が、最適な音響特性設計・安全設計を考慮して指定する傾斜角範囲を逸脱する場合(ステップ104でNoの場合)、制御回路部1は警告部6と、表示部7と、レシーバ9などを用いて利用者に、筐体傾斜角範囲を逸脱したことを警告する(ステップ105)。警告後、通話が終了したかどうかの検出・判断を行う(ステップ106)。
【0024】
制御回路部1が傾斜検出手段3を介して検出した傾斜角が、販売者・製造者が、最適な音響特性設計・安全設計を考慮して指定する傾斜角範囲内の場合(ステップ104、Yesの場合)、制御回路部1は利用者に警告を与えることなく、通話が終了したかどうかの検出・判断を行う(ステップ106)。
【0025】
制御回路部1が、通話終了を検出した場合、制御回路部1は本発明の動作を終了する(ステップ107)。
【0026】
制御回路部1が通話終了を検出せず、利用者が通話中の場合は、再びステップ2から処理を繰り返す。
【0027】
図6は販売者・製造者が、最適な音響特性設計・安全設計を考慮して指定する傾斜角範囲の例を示し、図7は販売者・製造者の指定する傾斜角範囲を逸脱する使用例を示している。制御回路部1は利用者が通話を終えたかどうかを検出・判断し(ステップ106)、耳位置の接触検出(ステップ102)、筐体の筐体傾斜角の検出(ステップ103)、利用者に対しての警告(ステップ105)は通話終了まで継続される(ステップ102へ動作を戻す)。通話が終了した場合、制御回路部1は、本発明で提供する動作を終える(ステップ107)。
【0028】
図6、から判るように頭を斜めにしたり、前かがみで通話した場合傾斜角範囲を逸脱することがあるが、販売者・製造者の指定する傾斜角範囲を広めに設定しておけば、わずかの頭を斜めにしたり、前かがみで通話した場合の利用者に対する警告を抑止することができる。また、頭を斜めにしたり、前かがみで通話した状態の継続時間を考慮することでも利用者に対する警告を抑止することができる。
【0029】
本実施例において接触圧検出手段は受話器と耳との接触圧を受話器と耳の接触する部分に配置されたマイクロスイッチとしたが、ピエゾ圧電素子によるスイッチでも良いし、接触圧を検知するスイッチであれば、その内容に拘るものではない。
【0030】
また、本実施例において傾斜角検出手段は、電話機の任意の位置に配置され、電話機の正面X軸と奥行きY軸の鉛直軸に対する回転角を検出するもので、回転軸に取り付けられた重りにより傾斜角を検出するポテンショメータとしたが、リードスイッチを組み合わせた傾斜角検出器でも良いし、市販されている小型の傾斜センサでも良い。電話機の正面X軸と奥行きY軸の鉛直軸に対する回転角を検出する傾斜角検出器であれば、その種類に拘るものではない。
【0031】
次に本発明の他の実施例1について図面を用いて説明する。図8はハンズフリー装置が電話装置に接続された場合の動作を示すフローチャートである。
【0032】
図8によれば、本実施例は前実施例の図5に示すフローチャートを一部変更したものである。ハンズフリー装置が電話装置に接続した場合、本発明が提供する警告機能をキャンセルする。
【0033】
図5に示す実施例に、制御回路部1がハンズフリー装置の有無を確認する動作を加えた(図8ステップ20)。ハンズフリー装置が接続されている場合(ステップ202、YESの場合)制御回路部1は、耳位置の接触検出(ステップ203)筐体傾斜角度の検出(ステップ204)、筐体傾斜角度が最適かどうかの判断(ステップ205)、利用者に対する警告(ステップ206)を行わない。利用者が通話を終了するまで、(ステップ207、YESの判断が行われるまで)ハンズフリー装置の検出が行われる。通話中にハンズフリー装置がはずされた場合は実施例と同様の動作をする。
【0038】
【発明の効果】
第1の効果は、万が一利用者が、取扱説明書に記載されている通話時の正しい使用方法(販売者・製造者が、最適な音響特性設計・安全設計を考慮して指定する筐体保持方法)を熟知していない場合であっても、利用者が取扱説明書に記載されている正しい使用方法を実施することができるということである。
【0039】
その理由は、本発明では接触圧検出手段4と利用者の耳の接触検出、筐体傾斜角の検出を行い、検出された筐体傾斜角が、あらかじめ設定された通話時の正しい使用方法の筐体傾斜角範囲から逸脱した場合、警告部6、表示部7、レシーバ9などを用いて利用者に、筐体傾斜角範囲を逸脱したことを警告するからである。
【0040】
第2の効果は、利用者が常に最適な音響特性で、送話、受話することができると言うことである。
【0041】
その理由は、本発明によって、利用者が、正しい利用方法(販売者・製造者が、最適な音響特性設計・安全設計を考慮して指定する筐体保持方法)を実施できるので、レシーバー9、マイク10の位置が、頭部に対して音響的に最適になるからである。
【0042】
第3の効果は、利用者の現在の状態を携帯端末が把握することができると言うことである。
【0043】
その理由は、本発明によって携帯端末が、利用者が誤った使用方法をしていること警告しても改善が見られない場合(タイマ等で検出)、利用者に何らかの異常事態が起こっていることを把握することができると言うことである。利用者の状態を把握することによって、例えば、電話帳に登録してある通信相手に緊急通報を行うといった応用が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の一実施例の接触センサの位置と傾斜検出センサの検出軸との傾斜を示す図である。
【図3】 本実施例における傾斜検出センサの検出軸との傾斜角を示す図である。
【図4】 本発明の一実施例における携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の一実施例における携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【図6】 販売者・製造者の推奨する使用方法の傾斜角範囲を示す図である。
【図7】 販売者・製造者の推奨する使用方法を逸脱している傾斜角例を示す図である。
【図8】 本発明の他の実施例における携帯電話機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 制御回路部
2 通信制御部
3 傾斜検出手段
4 接触圧検出手段
5 メモリ
6 警告部
7 表示部
8 入力部
9 スピーカ
10 マイク
11 送受信部
12 アンテナ

Claims (5)

  1. 利用者が通話を行っている状態かどうかを検出する通話/非通話状態検出手段と
    電話機の受話器に配置され、前記通話/非通話状態検出手段によって、前記利用者が通話状態であることが検出された場合、前記利用者の耳が前記受話器に接触しているかどうかを検出する接触圧検出手段と、
    電話機の任意の位置に配置され、前記接触圧検出手段によって、前記利用者の耳が前記受話器に接触していることが検出された場合、通話時の前記受話器の鉛直軸に対する筐体傾斜角を検出する傾斜角検出手段と、
    前記傾斜角検出手段によって検出された筐体傾斜角をあらかじめ設定された傾斜角範囲と比較し、前記筐体傾斜角が前記傾斜角範囲を外れる場合に、前記利用者に警告する警告手段と
    を有する使用方法警告電話機。
  2. 前記接触圧検出手段が、前記受話器に配置され、通話時に前記受話器と耳との接触圧力によりオン状態になるスイッチを有する請求項1記載の使用方法警告電話機。
  3. 前記傾斜角検出手段が、前記電話機の任意の位置に配置され、前記電話機の正面X軸と奥行きY軸の鉛直軸に対する回転角を検出するポテンショメータを有する請求項1記載の使用方法警告電話機。
  4. 前記警告手段が、警告時に作動するバイブレーター、ブザー、筐体表面に搭載するピエゾ素子等の警報器である請求項1記載の使用方法警告電話機。
  5. 前記使用方法警告電話機が、ハンズフリー機能を有し、ハンズフリー状態での通話を検出し、前記警告手段を抑制する抑制手段を有する請求項1記載の使用方法警告電話機。
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