JP4021719B2 - コンタクトプローブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板等の電気的な測定用およびLSIチップまたはLSIパッケージ試験用ソケット等に用いられる電気的な接触子であるコンタクトプローブに関するものである。特に、最近の高周波化高パワー化に対応するためのコンタクトプローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板やICパッケージ等の試験のためには、先端の尖った金属ピンとスプリングを用いたスプリングプローブが広く用いられている。また、BGA(ボールグリッドアレイ)やCSP(チップサイズパッケージ)などの端子部分が高密度化されたIC、LSIには、押圧した部分が導電性となる異方性導電コネクタや異方性導電ゴムシートなども用いられている。
【0003】
従来のスプリングプローブは、試験対象と試験基板やソケット等の電気的な接触を実現するのみである。つまり、試験対象の端子や試験基板の電極は十分大きくても、先のとがったコンタクトピンで点接触するだけである。ピン先端形状として広く知られているものは、円錐状(尖頭)、球面、フラット、クラウンなどである。
【0004】
しかし、最近の高パワーのICやLSIでは積極的に発生する熱を周囲に逃がすことが高性能を維持する大きな課題となっている。このためには、できるだけ大きな接触面積が得られるようなピン構造が必要である。
【0005】
図9は従来のコンタクトプローブの説明図であり、図9(a)は円錐状プローブの説明、図9(b)はクラウン状プローブの説明である。
【0006】
図9(a)において、従来のコンタクトプローブには、試験対象の端子である球状端子8と接触する円錐状のピン先端部1、チューブ3、ピン部5、スプリング7が設けてある。ピン先端部1は、試験対象の球状端子8と点接触するものである。チューブ3は、ピン先端部1が球状端子8に押圧されるとピン部5がスプリング7に抗して下方にさがり、ピン先端部1と球状端子8が弾性的に接触するものである。ピン部5は、チューブ3内で上下に摺動するものである。スプリング7は、ピン先端部1を試験対象である球状端子8に弾性的に接触するためのものである。球状端子8は、ICやLSI等の試験対象の端子である。
【0007】
図9(b)において、従来のコンタクトプローブには、試験対象の端子である球状端子8と接触する複数の先のとがったクラウン状のピン先端部1、チューブ3、ピン部5、スプリング7が設けてある。ピン先端部1は、試験対象の球状端子8と複数の点で点接触するものである。
【0008】
図10は従来の狭ピッチ化したコンタクトプローブの説明図である。図10において、狭ピッチ化した3個のコンタクトプローブが設けてある。各コンタクトプローブには、円錐状の窪みを設けたピン先端部1、チューブ3、ピン部5、スプリング7が設けてある。ピン先端部1は、試験対象の球状端子8が円錐状の窪み内で線接触するものである。チューブ3は、ピン先端部1が球状端子8に押圧されるとピン部5がスプリング7に抗して下方にさがり、ピン先端部1と球状端子8が弾性的に接触するものである。ピン部5は、チューブ3内で上下に摺動するものである。スプリング7は、ピン先端部1を試験対象である球状端子8に弾性的に押圧するためのものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のものは、次のような課題があった。
【0010】
従来は、球状のBGA端子の接続には、円錐状もしくはクラウン形状の先端部を有するコンタクトピンを用いてきたが、試験対象との接触部分は1点もしくは複数の点接触となっていた。
【0011】
また、従来の狭ピッチ化したコンタクトプローブでは、ピン先端部を球状端子より大型化した円錐状の窪みが必要であり、狭ピッチ化が難しいものであった。
【0012】
本発明はこのような従来の課題を解決し、試験対象の端子部を複数に分割された先端部で包み込むことで、接触面積を大きくし、電気的な接続も確実なものとすることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の試験対象が球状端子の場合の説明図である。図1において、1はピン先端部、2はピン先端分割部、3はチューブ部、4はチューブ先端漏斗状部、5はピン部、6はピン先端傾斜部、7はスプリング部、8は球状端子である。
【0014】
本発明は、上記従来の課題を解決するため次のような手段を有する。
【0015】
(1):試験対象の端子部に接する先端が複数に分割され、該分割されたそれぞれが間隙を有すように広げられた先端部を有し、前記試験対象の端子部に接する前記先端部内側の断面形状が半球より大きい球状構造を有するピン部5と、先端側の直径が根元側より広くなった漏斗状の先端部を有すチューブ部3と、前記ピン部5が前記チューブ部3内で摺動することができるように前記ピン部5の後端と前記チューブ部3根元間に設けられた弾性体7とを有し、前記試験対象と前記チューブ部3側のどちらか、もしくは両方が押圧されることにより、前記ピン部5が前記弾性体7を押し縮め、前記分割されたピン先端部分の間隙が前記漏斗状のチューブ先端部により狭められることにより、前記試験対象の端子部と電気的に接続するように構成する。このため、試験対象の端子部である球状端子8と電気的な接続も確実なものとできると共に試験対象から発生する熱をコンタクトプローブ側に逃がすことができ、また、ピン部5先端部内側の断面が半球より少し大きい球状構造とすることにより、試験対象もしくはチューブ部3側(試験基板側)が押圧されることにより開いている先端部が、まず閉じてから、もしくは、少なくとも球の直径以内まで閉じた後でロックすることができるのでより確実に電気的な接続と試験対象からの発熱を逃がすことができる。
【0018】
(2):前記(1)のコンタクトプローブにおいて、前記チューブ部3の外側に密着させて絶縁物の円筒を配置し、さらに該絶縁物円筒の外側に金属材料の円筒を密着させるように構成する。このため、試験対象の端子部と電気的な接続を確実なものとできると共に試験対象から発生する熱をコンタクトプローブ側に逃がすことができる同軸型のコンタクトプローブとすることができる。
【0019】
(3):前記(1)のコンタクトプローブにおいて、前記チューブ部3の両側に前記漏斗状の先端部と前記ピン部5を有する。このため、2つの基板間を接続するためのインターポーザとして使用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(1):試験対象が球状端子の場合の説明
図1は本発明の実施の形態における試験対象が球状端子の場合の説明図であり、図1(a)は球状端子と非接触時の上面図、図1(b)は球状端子と非接触時の断面図、図1(c)は球状端子と接触時の上面図、図1(d)は球状端子と接触時の断面図である。
【0021】
図1(a)、(b)において、コンタクトプローブは、試験対象と試験基板(図示省略)間を電気的に接続するものであり、コンタクトプローブには、試験対象の端子(端子部)である球状端子8と接触する半球状のピン先端部1、ピン先端分割部2、チューブ(チューブ部)3、チューブ先端漏斗状部4、ピン部5、ピン先端傾斜部6、スプリング(スプリング部)7が設けてある。
【0022】
ピン先端部1は、試験対象の球状端子8が納まるような球状の空間を持っており、図1(a)の上面図に示す用に二つに分割され開いている。ピン先端分割部2は、ピンの先端部にいくに当たり自身の弾性により徐々に開いている。チューブ3は、先端部が漏斗状4になっており、ピン部5の先端の傾斜部(外周部)6を狭めながら収容できる構造である。チューブ先端漏斗状部4は、ピン部5の先端部を狭めながら収容するものである。ピン部5は、チューブ3内で上下に摺動するものである。ピン先端傾斜部6は、外周部が先端部から離れるにしたがって細くなるような構造で途中からチューブ3内で滑らかに摺動できるように円柱状になっている。スプリング7は、チューブ3内に収容されており、ピン部5を弾性的に上下動作させるものである。球状端子8は、ICやLSI等の試験対象の端子である。なお、ここでは、ピン部およびチューブ部の抜け防止構造は図示を省略してある。
【0023】
図1(a)、(b)のコンタクトピンが開放されている状態から、試験対象の球状端子8が押圧されてピン部先端1を押し始める(球状端子8側又はコンタクトプローブ側の何方かを押圧)と、ピン部のピン先端傾斜部6がチューブ3の先端部に当たり、徐々に開いているピン先端分割部2が閉じ、球状端子8をピン先端部1に収容する。さらに押されると、ピン部5はチューブ3内にほぼ収容されてしまいピン先端部1によって球状端子8とピン部5の電気的な接続がなされる。
【0024】
図1(c)、(d)は球状端子8が収容された状態を示す図である。球状端子8の押圧が開放されると、スプリング7の反力により図1(a)、(b)の状態に戻る。ここでは、ピン先端部の分割数を2としたが、3、4とさらに多くしても問題はなく、試験対象の形状への自由度が増してくる。また、この分割数を多くすることにより、ピン先端部1の開く弾性力をよりなめらかにすることができる。
【0025】
図2は狭ピッチ化したコンタクトプローブの説明図である。図2において、狭ピッチ化した3個のコンタクトプローブが設けてある。各コンタクトプローブには、半球状の窪みを設けたピン先端部1、チューブ3、ピン部5、スプリング7が設けてある。ピン先端部1は、試験対象の球状端子8が納まるような球状の空間を持つものである。チューブ3は、ピン先端部1が球状端子8に押圧されるとピン部5がスプリング7に抗して下方にさがり、ピン先端部1と球状端子8が弾性的に接触するものである。ピン部5は、チューブ3内で上下に摺動するものである。スプリング7は、ピン先端部1を試験対象である球状端子8に弾性的に押圧するためのものである。このコンタクトプローブのチューブ3の直径は球状端子8の直径より少し大きくすればよいので、従来のもの(図9参照)より狭ピッチ化することができる。
【0026】
図3はピン先端部内側の断面形状を半球より少し大きい球状とした説明図であり、図3(a)はコンタクトピンが開放されている状態の説明、図3(b)は球状端子8が収容された状態の説明である。
【0027】
図3(a)において、ピン先端部1内側の断面形状として、半球より少し大きい球状構造を有する(ピン先端部1以外の構造は省略してある)。ピン先端部1が、試験対象の球状端子8に押圧されることにより開いているピン先端部1が、まず閉じて(球状端子をつかんで)から、もしくは、少なくとも球の直径以内まで閉じた後でロックされる。このため、球状端子8との接触面積がより大きくなり、試験対象もしくは試験基板から発生する熱を球状端子8からコンタクトプローブへと放熱することができる。
【0028】
(2):試験対象が円柱状端子の場合の説明
図4は試験対象が円柱状端子の場合の説明図であり、図4(a)は円柱状端子と非接触時の上面図、図4(b)は球状端子と非接触時の断面図、図4(c)は円柱状端子と接触時の上面図、図4(d)は円柱状端子と接触時の断面図である。
【0029】
図4(a)、(b)において、コンタクトプローブには、試験対象の端子である円柱状端子81と接触するスリーブ状のピン先端部1、ピン先端分割部2、ピン部5、ピン先端傾斜部6が設けてある。
【0030】
図4(c)、(d)において、ピン先端部1が、試験対象もしくは試験基板の円柱状端子81に押圧されることにより、円柱状端子81の直径と等しい内径をもつスリーブ状のピン先端部1が閉じた状態を示している。即ち、円柱状端子81をピン先端部1のスリーブが円柱状端子81を両側面から挟み込むようにして収容するものである。ここでは、ピン部5のみを図示した(チューブ3、スプリング7等は省略)。ここでも、ピン先端部1の分割数を3、4とさらに多くしても問題はなく、試験対象の形状への自由度が増してくる。そして、この分割数を多くすることにより、ピン先端部1の開く弾性力をよりなめらかにすることができる。
【0031】
(3):試験対象が角状端子の場合の説明
図5は試験対象が角状端子の場合の説明図であり、図5(a)は角状端子と非接触時の上面図、図5(b)は角状端子と非接触時の断面図、図5(c)は角状端子と接触時の上面図、図5(d)は角状端子と接触時の断面図である。
【0032】
図5(a)、(b)において、コンタクトプローブには、試験対象の端子である角状端子82と接触する角状溝をもつピン先端部1、ピン先端分割部2、ピン部5、ピン先端傾斜部6が設けてある。
【0033】
図5(c)、(d)において、ピン先端部1が、試験対象の角状(角柱状)端子82に押圧されることにより、角状端子82の幅とほぼ等しい幅をもつ角状溝のピン先端部1が閉じた状態を示している。即ち、角状端子82をピン先端部1の角状溝が、角状端子82を両側面から挟み込むようにして収容するものである。ここでは、ピン部5のみを図示した(チューブ3、スプリング7、角状端子82等は省略)。ここでも、ピン先端部1の分割数を3、4とさらに多くしても問題はなく、試験対象の形状への自由度が増してくる。そして、この分割数を多くすることにより、ピン先端部1の開く弾性力をよりなめらかにすることができる。
【0034】
(4):試験対象が平面電極への適用の説明
図6は試験対象が平面電極の場合の説明図であり、図6(a)は平面電極との押圧前の上面図、図6(b)は平面電極との押圧前の断面図、図6(c)は平面電極との押圧後の上面図、図6(d)は平面電極との押圧後の断面図である。
【0035】
図6(a)、(b)において、コンタクトプローブには、試験対象の端子である平面電極83と接触する円錐状のピン先端部1、ピン先端分割部2、ピン部5、ピン先端傾斜部6が設けてある。
【0036】
図6(c)、(d)において、ピン先端部1が、試験対象もしくは試験基板の平面電極83に押圧されることにより、ピン先端分割部2が閉じ、電極表面を引っ掻くことでカンチ式プローブと同様の効果が得られ電気的な接続状態を向上することができる。
【0037】
ここでは、ピン部5のみを図示した(チューブ3、スプリング7、平面電極82等は省略)。ここでも、ピン先端部1の分割数を3、4とさらに多くして、ピン先端部1の開く弾性力をよりなめらかにすることができる。また、ピン先端部は円錐状でなく多角錐状にして尖らせた構造とすることもできる。
【0038】
(5):両ピンプローブの説明
図7は両ピンプローブの説明図である。図7において、両ピンプローブは、コンタクトプローブをインターポーザとして使用するためコンタクトプローブが両側に設けられている。各コンタクトプローブには、接続対象の端子である球状端子8と接触する半球状のピン先端部1、ピン先端分割部2、チューブ3、チューブ先端漏斗状部4、ピン部5、ピン先端傾斜部6、スプリング7が設けてある。インターポーザとしては、例えば両ピンプローブがプリント回路基板に固定されており、下側はプリント回路基板側の球状端子8であり上側はICの球状端子8であり、下のプリント回路基板と上のICを電気的に接続するものである。この接続は、半田付が不要であり、試験対象ICの変更等の接続変更に容易に対応することができる。
【0039】
電気的な接続動作は図1のものと同様である。この例では、両側ピンとも球状端子用の先端部を示したが、前記実施の形態で示した先端部をどのように組み合わせ(例えば、一方を球状端子用とし他方を角状端子用とする)ても良い。
【0040】
(6):同軸プローブの説明
図8は同軸プローブの説明図であり、図8(a)は球状端子と非接触時の同軸プローブの上面図、図8(b)は球状端子と非接触時の同軸プローブの断面図、図8(c)は球状端子と接触時の同軸プローブの上面図、図8(d)は球状端子と接触時の同軸プローブの断面図である。
【0041】
図8(a)、(b)において、同軸プローブのコンタクトプローブには、試験対象の端子である球状端子8と接触する半球状のピン先端部1、ピン先端分割部2、チューブ3、チューブ先端漏斗状部4、ピン部5、ピン先端傾斜部6、スプリング7、絶縁材料11、第2の金属チューブ12が設けてある。ここでは、球状端子用ピン先端部を例にして構成した同軸プローブである。図1のコンタクトプローブのチューブ3の外側に絶縁材料11を介して第2の金属チューブ12を設けた構造となっている。絶縁材料11は、所望の特性インピーダンスの大きさにより、材質、厚さを決める。また、絶縁材料を塗布して硬化させても、スリーブ状の加工を施して取り付けてもどちらでも良い。
【0042】
動作は、図8(a)、(b)のコンタクトピンが開放されている状態から、試験対象の球状端子8が押圧されてピン部先端1を押し始めると、ピン部のピン先端傾斜部6がチューブ3の先端部に当たり、徐々に開いているピン先端分割部2が閉じ球状端子8をピン先端部1に収容する。さらに押されると、ピン部5はチューブ3内にほぼ収容されてしまいピン先端部1によって球状端子8とピン部5の電気的な接続がなされる。図8(c)、(d)が球状端子8が収容された状態を示す図である。
【0043】
ここでは、ピン先端部の分割数を2としたが、3、4とさらに多くしても問題はなく、試験対象の形状への自由度が増してくる。また、この分割数を多くすることにより、ピン先端部1の開く弾性力をよりなめらかにすることができる。また、同軸コンタクトプローブのピン先端部1は、前記実施の形態に示した構造をどのように組み合わせても良い。通常、金属チューブ3が信号線側となり第2の金属チューブ12は接地して使用される。
【0044】
なお、前記各図面では、スプリング7としてコイルスプリングを示したが、板バネ、ゴム、空気(気体)バネ等の他の弾性体(弾性手段)を使用することもできる。
【0045】
以上実施の形態で説明したように、試験対象の接続端子と試験基板を電気的に確実に接続することができるとともに、接触点数、接触面積を大きくすることができるので、コンタクトピンを介して試験対象から発生する熱を逃がすことができる。また、コンタクトプローブの幅を短くできるので狭ピッチ化することができ、更に、コンタクトプローブの全長を従来より短くすることができるため高周波に対する抵抗分(インダクタンス分)を少なくするこができる。
【0046】
〔以下付記を記載する〕
(付記1) 試験対象の端子部に接する先端が複数に分割され、該分割されたそれぞれが間隙を有すように広げられた先端部を有するピン部と、
先端側の直径が根元側より広くなった漏斗状の先端部を有すチューブ部と、
前記ピン部が前記チューブ部内で摺動することができるように前記ピン部の後端と前記チューブ部根元間に設けられた弾性体とを有し、
前記試験対象と前記チューブ部側のどちらか、もしくは両方が押圧されることにより、前記ピン部が前記弾性体を押し縮め、前記分割されたピン先端部分の間隙が前記漏斗状のチューブ先端部により狭められることにより、前記試験対象の端子部と電気的に接続するように構成したことを特徴とするコンタクトプローブ。
【0047】
(付記2) 前記試験対象の端子部に接する前記ピン部先端部内側の断面形状として、半球状又は半球より少し大きい球状構造を有することを特徴とする付記1記載のコンタクトプローブ。
【0048】
(付記3) 前記試験対象の端子部に接する前記ピン先端部内側の形状として、円筒状もしくは、多角形状の構造を有することを特徴とする付記1記載のコンタクトプローブ。
【0049】
(付記4) 前記チューブ部の外側に密着させて絶縁物の円筒を配置し、さらに該絶縁物円筒の外側に金属材料の円筒を密着させるように構成したことを特徴とする付記1記載のコンタクトプローブ。
【0050】
(付記5) 前記チューブ部の両側に前記漏斗状の先端部と前記ピン部を有することを特徴とした付記1記載のコンタクトプローブ。
【0051】
(付記6) 前記複数に分割形成されたピン部先端形状として、円錐状もしくは多角錐状を有することを特徴とする付記1記載のコンタクトプローブ。
【0052】
(付記7) 前記先端形状が異なるピン部を両端に有することを特徴とする付記5記載のコンタクトプローブ。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。
【0054】
(1):試験対象とチューブ部側のどちらか、もしくは両方が押圧されることにより、ピン部がスプリング部を押し縮め、分割されたピン先端部分の間隙が漏斗状のチューブ先端部により狭められることにより、試験対象の端子部と電気的に接続するように構成するため、試験対象の端子部を複数に分割された先端部で包み込むことで、接触面積を大きくすることが可能となり、電気的な接続も確実なものとできると共に試験対象から発生する熱をコンタクトプローブ側に逃がすことができ、また、ピン先端部形状を試験対象(ボール直径等)とほぼ等しくできるため、従来より狭ピッチ化が可能となる。
【0055】
(2):試験対象の端子部に接するピン部先端部内側の断面形状として、半球状又は半球より少し大きい球状構造を有するため、球状の試験対象の端子部と電気的な接続も確実なものとできると共に試験対象から発生する熱をコンタクトプローブ側に逃がすことができ、また、ピン部先端部内側の断面が半球より少し大きい球状構造とすることにより、試験対象もしくはチューブ部側(試験基板側)が押圧されることにより開いている先端部が、まず閉じてから、もしくは、少なくとも球の直径以内まで閉じた後でロックすることができるのでより確実に電気的な接続と試験対象からの発熱を逃がすことができる。
【0056】
(3):関連発明によれば、試験対象の端子部に接するピン先端部内側の形状として、円筒状もしくは、多角形状の構造を有するため、円柱状もしくは多角柱状の試験対象の端子部と確実に電気的な接続と試験対象からの発熱を逃がすことができる。
【0057】
(4):チューブ部の外側に密着させて絶縁物の円筒を配置し、さらに該絶縁物円筒の外側に金属材料の円筒を密着させるように構成するため、試験対象の端子部と電気的な接続も確実なものとできると共に試験対象から発生する熱をコンタクトプローブ側に逃がすことができる同軸型のコンタクトプローブとすることができる。
【0058】
(5):チューブ部の両側に漏斗状の先端部とピン部を有するため、2つの基板間を接続するためのインターポーザとして使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態における試験対象が球状端子の場合の説明図である。
【図2】実施の形態における狭ピッチ化したコンタクトプローブの説明図である。
【図3】実施の形態におけるピン先端部内側の断面形状を半球より少し大きい球状とした説明図である。
【図4】関連発明における試験対象が円柱状端子の場合の説明図である。
【図5】関連発明における試験対象が角状端子の場合の説明図である。
【図6】関連発明における試験対象が平面電極の場合の説明図である。
【図7】実施の形態における両ピンプローブの説明図である。
【図8】実施の形態における同軸プローブの説明図である。
【図9】従来のコンタクトプローブの説明図である。
【図10】従来の狭ピッチ化したコンタクトプローブの説明図である。
【符号の説明】
1 ピン先端部
2 ピン先端分割部
3 チューブ部
4 チューブ先端漏斗状部
5 ピン部
6 ピン先端傾斜部
7 弾性体(スプリング部)
8 球状端子
Claims (3)
- 試験対象の端子部に接する先端が複数に分割され、該分割されたそれぞれが間隙を有すように広げられた先端部を有し、前記試験対象の端子部に接する前記先端部内側の断面形状が半球より大きい球状構造を有するピン部と、
先端側の直径が根元側より広くなった漏斗状の先端部を有すチューブ部と、
前記ピン部が前記チューブ部内で摺動することができるように前記ピン部の後端と前記チューブ部根元間に設けられた弾性体とを有し、
前記試験対象と前記チューブ部側のどちらか、もしくは両方が押圧されることにより、前記ピン部が前記弾性体を押し縮め、前記分割されたピン先端部分の間隙が前記漏斗状のチューブ先端部により狭められることにより、前記試験対象の端子部と電気的に接続するように構成することを特徴とするコンタクトプローブ。 - 前記チューブ部の外側に密着させて絶縁物の円筒を配置し、さらに該絶縁物円筒の外側に金属材料の円筒を密着させるように構成することを特徴とする請求項1記載のコンタクトプローブ。
- 前記チューブ部の両側に前記漏斗状の先端部と前記ピン部を有することを特徴とする請求項1記載のコンタクトプローブ。
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