JP4461226B2 - スパイラル状接触子 - Google Patents
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Description
図13(a)は、インライン型と呼ばれる挿入実装型パッケージ50の斜視図である。ICのリード(足)51が両サイドから下向きにまっすぐ伸びており、このリード51をプリント基板上に設けられた開口部に差込み、ハンダ付けをして固定すると同時に電気的接続を確保する。しかし、多機能化、高性能化により、パッケージ50の個数が多くなるとそのスペースも大きくなることから、より小型化・薄型化、省スペースに対応できない。
図13(d)は、ピンをボールに換え、より薄く、より狭ピッチ化に対応可能なタイプ、球状接続端子(BGA:Ball Grid Array)のパッケージ70を表から見た斜視図であり、(e)は、裏返しにして見た斜視図である。つまり、ピンはボール71に代えることにより薄くでき、省スペースに貢献できた。
図13(f)は、ICチップサイズのパッケージ、つまり、CSP(Chip Size Package)のパッケージ80を示し、表から見た斜視図であり、(g)は、裏返しにして見た斜視図である。これは、小型化を狙ったものであり、ICを覆うプラスチックがなく、薄い基板と基板に載せたICのチップそのもののサイズがその大きさであり、裏面には、一段と小さなボール81が接続端子として採用されている。
図14(a)は、前記した特願のスパイラルコンタクタ10を平面視した平面図であり、図14(b)は、スパイラルコンタクタ10のスパイラル状接触子11を絶縁基板上に形成した様子を示す断面図である。
図14(a)に示すように、このスパイラルコンタクタ10は、複数のスパイラル状接触子11より構成している。スパイラル状接触子11は、渦巻き(スパイラル)状を形成し、根元から中心に向かって徐々に細くなっており、押圧による弾性変形がしやすい形状になっている。
図14(b)において、絶縁基板16に孔(スルーホール)13を穿設し、孔13の内面を銅メッキ14により接続し、開口部にスパイラル状接触子11を形成している。
図16は、絶縁基板16上のスパイラル状接触子11に、電子部品18のボール17を挿着した様子を示す断面図である。電子部品18のボール17が押圧されると、カイドフレーム12に当接し、その時、ちょうどよい押し込み量が確保されて接触する。つまり、自然態では平坦状スパイラルであるが、電気部品のボール17がスパイラル状接触子11を押圧すると、スパイラル状接触子11の中央部から外側に接触を広げ、渦巻き部は凹状に撓みボールを抱き込むように変形する。なお、この耐久試験に対しては、10万回クリアしている。
また、電子部品の超小型、薄型、球状接続端子ピッチの縮小化に伴い、ボールの接合面積(寸法eを直径とする円)は小さいため欠けが発生し易く、信頼性に問題があった。
さらに、より薄く、狭く、高密度化に対応できる接触子の開発が要望されていた。
(参考例1の実施の形態)
図1(a)は、本発明の参考例1の実施の形態を説明するための模式図であり、電子部品1の正面図、図1(b)はその1部を破断した下面図である。
図1(a)に示すように、CSP(Chip Size Package)と呼ばれる極小のパッケージでは、電子部品1は、ICチップ4とインターポーザの基板3と円錐形状の接続端子2(以下、コーン状接続端子2という。)により構成される。
また、ウエハレベルのCSPのパッケージでは、電子部品1は、ICチップ4とコーン状接続端子2により構成される。
いずれの場合の接続端子も、錐体形状(コーン)となっている。
図1(b)は、例えば、コーン状接続端子2が格子状に配置された様子を示している。
コーン状接続端子2としたことにより、スパイラル状接触子11の撓み量は、根元付近の撓み量(寸法a)と先端部の撓み量(寸法b)がほぼ均等にすることができるため、根元付近の曲げ応力が軽減できて、衝撃的な繰り返し荷重に対しても、その影響を小さくできる作用効果がある。また、コーン状接続端子2は、四角錐形状、三角錐形状のような多角錐形状の接続端子であってもよいし、さらに、砲弾形状であっても構わない。
なお、CGA(Cone Grid Array)とは、IC基板等の電子部品に、コーン状接続端子を縦横に配置したものをもいう。
図3(a)は、挿着する前の従来のボール17を有する電子部品18と、絶縁基板16にスパイラル状接触子11を有する電子部品の断面図、(b)は本発明のコーン状接続端子2を有する電子部品3と、同様に絶縁基板16にスパイラル状接触子11を有する電子部品の断面図である。
図3(a)に示すように、従来のボール17の直径をDとすれば、(b)に示すコーン状接続端子2は、ちょうどD/2の高さをもつ三角形で、スパイラル状接触子11を同じ量だけ撓ませることができる。
したがって、両者を比較すると、接続端子の大きさの差分だけ、H1>h1となる。また、接続端子の高さをD/2としたことから、ガイドフレーム12も、低くすることができるため、H2>h2とすることができる。トータルでは、H>hとなり、ボール径に相当する寸法を薄くすることが可能である。
また、電子部品18とボール17の接合面は、接触部の直径が寸法eであるのに対し、コーン状接続端子2の接合面は、たとえば、コーン状接続端子2が円錐とすれば、寸法fを直径とする円となり、接合面積が4〜5倍に拡大できるため、接合は充分であり、欠けが発生しにくく、信頼性を確保できる。
図4(a)、(b)に示すように、両者の接続端子による撓み量を同じ(H3=h3)とした場合、コーン状接続端子2を採用した電子部品の厚み寸法は、H4>h4となり、ボール17の半径分、薄くすることができることが判る。
このように、コーン状接続端子との組み合わせは、例えば、携帯電話に要求される、軽量化、小型化、多機能化に伴う狭ピッチ化に多大なる作用効果を発揮することが可能である。
図5は、本発明の参考例2の実施の形態を説明するための斜視図である。
図5に示すように、スパイラル状接触子11を有するコネクタ5と、コーン状接続端子を有するプリント基板(PWB:Printed Wire Board)7との接続を示す斜視図である。たとえば、プリント基板7の厚みは、0.7mmであり、複数のエッジ7cにそれぞれ複数個のコーン状接続端子2が配置され、コネクタ5との位置決め用ピン7aと抜け止め用のノッチ7bを備えている。
一方、コネクタ5には、スパイラル状接触子11と、位置決め用穴5aと、抜け止め用の穴5bを有している。
したがって、プリント基板7とコネクタ5との挿着は、位置決め用穴5a、5aに位置決め用ピン7a、7aが挿入されると、複数個配列したコーン状接続端子2はスパイラル状接触子11を押圧し、抜け止め用のノッチ7b、7bは、抜け止め用の穴5b、5bに装填されて、接続される。
なお、コネクタ5にコーン状接続端子2を設け、相手部品のプリント基板7にスパイラル状接触子11を設ける構成としてもよい。
一方、バックプレーン9には、スパイラル状接触子11と、位置決め用の穴9aを備えており、多層のPWB7を一体化して省スペースを可能としている。
この場合も、バックプレーン9にコーン状接続端子2を設け、相手部品のPWB7にスパイラル状接触子11を設ける構成としても構わない。
図8は、図7(d)の一部を示した断面拡大図であり、これにより、多層化であっても薄型にして、確実に接続できる。
図9は、本発明の参考例3の実施の形態を説明するための模式図であり、図9(a)は、電子部品をソケットに挿着する様子を示す模式図、図9(b)は、電子部品がソケットに挿着された状態の模式図である。
図9(a)に示すように、電子部品41の下面にはコーン状接続端子2が複数個配置されており、相対する電子部品であるソケット40の上面にはスパイラル状接触子11が複数個配置されている。
つぎに、図9(b)では、電子部品41のコーン状接続端子2がソケット40上のガイドフレーム12によりガイドされながら当接し、スパイラル状接触子11が押圧されて接触し、フック部42で固定される。これにより、確実な接続が確保される。
図10(a)に示すように、図9と反対にソケット43にコーン状接続端子2を設け、電子部品44にスパイラル状接触子11を設けている。
図10(b)は、電子部品44のガイドフレーム12によりガイドされ、位置決めされて、ソケット43のコーン状接続端子2にスパイラル状接触子11がかぶさりながら押圧されて接触し、フック部42で固定される。これにより、確実な接続が確保される。
図11(a)、(b)は、本発明の実施の形態を説明するための模式図であり、コーン状接続端子(コーン)2をパッド状接続端子2′にした場合を示す断面図である。
図11(a)に示すように、パッド状接続端子2′にした場合は、代わりにスパイラル状接触子11を凸型形状にすればよく、スルーホール13内に球状の弾性体21を複数個入れ、絶縁基板15aの入り口を塞ぐことで、スパイラル状接触子11がちょうど突き出る形の凸型スパイラル状接触子11にすることができることから、接触が容易にできる。
なお、弾性体21は、ボール状のエラストマが都合よく、個数は絶縁基板16の厚みに合わせて、図のように複数個としても構わない。
図11(b)は、もう一例である。円錐形状に形成した弾性体(エラストマ)21′をスパイラル状接触子11の内側に装填することにより、凸型のスパイラル状接触子11にすることができるため、絶縁基板16より薄い絶縁基板15aの超薄型の電子部品が可能である。
なお、弾性体(エラストマ)21′は、円錐形状に限定されるものではなく、三角錐、四角錐等の多角錐やコーンのほか、半球状のものや球であっても構わない。
図12は、電子部品の表面に、円錐形の接続端子2を複数形成する製造方法を示した工程図である。以下、各工程を説明する。
第1工程の(a)では、基板となるステンレス板22の上面に第1絶縁層であるドライフィルム23を塗布する。
第2工程の(b)では、前記ドライフィルム23上に第1金属層である銅メッキ24を形成する。
第3工程の(c)では、前記ドライフィルム23上の第1金属層である銅メッキ24を押圧工具25により押圧してくぼみ部を形成する。ここでは、円錐形状
の工具とするが、工具形状を多角錐形状にすれば多角錐形状のくぼみにすることができる。
第4工程の(d)では、前記した銅メッキ24のくぼみ部を除く上面のフラット部に、第2絶縁層であるドライフィルム26を塗布する。
第5工程の(e)では、引き続き上面に第2金属層である金メッキ27を施し、ニッケルメッキ28を施し、また、金メッキ27を施す。但し、第2金属層はニッケルメッキ28の一つとしても構わない。
第6工程の(f)では、第2絶縁層であるドライフィルム26を除去する。
第7工程の(g)では、別途、プリント基板(PWB)29を用意して、上面の要部パッドに導電接着材30を塗布する。
第8工程の(h)では、前記導電接着材30を塗布したPWB29に、銅メッキ23の上面にコーン状接続端子を成形したステンレス板22を反転して接合する。
第9工程の(i)では、前記ステンレス板22を剥がし取る。
第10工程の(j)では、前記ドライフィルム23を除去する。
第11工程の(k)では、前記銅メッキ24をエッチングにより除去する。
以上の加工手順にしたがえば、電子部品6の一面に配置したコーン状接続端子2の製作が可能である。また、次世代の接続端子として、ボールがコーンに置き換わることが予想される。
2 コーン状接続端子
2′ パッド状接続端子
3 基板(電子部品)
4 ICチップ
5 コネクタ
5a 位置決め用穴
5b 抜け止め用穴
7,29 プリント基板(PWB)
7a 位置決め用ピン
7b 抜け止め用ノッチ
7c エッジ
8 両面コネクタ
9 バックプレーン
10 スパイラルコンタクタ
11 スパイラル状接触子
12 ガイドフレーム
13 孔(スルーホール)
14 銅メッキ
15 接続部
15a,16 絶縁基板
17 球状接続端子(ボール)
21,21′ 弾性体
22 ステンレス板
23,第1ドライフィルム
24 銅メッキ
25 工具金
26 第2ドライフィルム
27 金、ニッケルメッキ
28 ニッケルメッキ
30 導電接着材
40 ソケット
42 フック部
Claims (1)
- 渦巻き状を呈し、根元から中心に向かって徐々に細くなり、先端をフリーにし、押圧による弾性変形がしやすい形状に形成され、半導体デバイス又は電子部品との電気的接続により、押圧によって中央部から外側に広げ、撓みながら変形するスパイラル状接触子(11)であって、
下部に弾性体(21)を配置して凸型に形成し、パッド状接続端子(2′)によって押圧されて接続することを特徴とするスパイラル状接触子(11)。
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