JP4021552B2 - 手術器具を密閉するためのシールアセンブリおよびそのシールアセンブリを備えた手術用トロカール - Google Patents

手術器具を密閉するためのシールアセンブリおよびそのシールアセンブリを備えた手術用トロカール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に内視鏡による外科手術に関し、より詳しくは、内視鏡による外科手術手技(手順)で使用するための防護具(シールド)あるいは保護具(プロテクター)を有するトロカールと、そのトロカールに利用可能な密閉具(シール)アセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】
外科手術で内視鏡による手順(内視鏡的手技)の使用が広く受け入れられている。本明細書で使用される用語、内視鏡的とは、腹腔鏡的手技や関節鏡的手技を含め損傷が僅かな全てのタイプの手術手技を包含するように定義する。従って、外科医が複雑な手術手技を、特定の体腔あるいは解剖学的部位を囲む皮膚と組織に僅かな切開で行なうことができる多数の内視鏡的器具が開発されている。内視鏡的器具を体腔内に挿入するために、トロカールを使用して体腔に穿刺あるいはカニューレ挿入を行なうことが必要になることが多い。トロカールは当業界で広く知られており、閉塞具とトロカールカニューレからなるのが普通である。
【0003】
密閉配置あるいは密閉装置がカニューレと共に使用され、内視鏡的手技時に流体や気体が漏れるのを防止することが一般的である。内視鏡的手術手技時に、この手技を良好に完了するために内部ガス圧を維持しなければならない。腹腔に配置したトロカールから器具を出し入れ(挿入、抜去)する間、内部ガス圧を維持するために、その器具とトロカールアセンブリに密閉装置が必要になる。腹壁に穿刺した後、閉塞具を抜去する場合、そのような密閉装置がトロカールアセンンブリ内の開口を全て密閉することが望ましい。残りの外科手術手技の間、他の外科手術器具をトロカールカニューレに挿入する際に密閉することも望ましい。さらに、トロカールカニューレを通して外科手術器具を何回も挿入したり抜去してもこれらの密閉装置が腹腔内のガス圧を維持することが望ましい。
【0004】
内視鏡的器具用の現在の密閉装置は、米国特許第5,224,952号(Daniega ら)に記載されたような特定の弁のデザインが代表的である。このデザインは、トロカールに挿入した外科手術器具の断面に合わせるように密閉ガスケットと組み合わせたばね押し弁を備えている。この二部品弁アセンブリはシールとして十分に機能するが、理想と比べて非常に複雑である。米国特許第5,141,498号(Christian)は少なくとも3つのフレキシブルなリーフレットを示し、米国特許第4,424,833号(Spector ら)は3つの接続スリットを備えたスポンジタイプ弁を示す。多くのリーフレットや多くのスリットの弁は、手術器具をその弁を通じて挿入しない場合によく密閉するが、円形断面をもった挿入器具の周囲に隙間(ギャップ)を生じ易く、その器具を抜去する際にその密閉面が逆さ(反転)になり易い。密閉面が逆さになると密閉面間に隙間を生じ易く、それによりシールを通してガス漏れとなる。米国特許第5,242,412号(Blake)はトロカール器具に適用したアヒルの嘴状の弁のデザインを示している。この弁のデザインは手術器具を密閉(シール)するために真っ直ぐな1個のスリットを備えている。米国特許第4,475,548号(Muto)、同第4,809,679号(Shimonaka ら)、同第4,143,853号(Abramson)も1スリット弁のデザインを同様に示す。1スリット弁はまた円形断面形状に適合しにくく、手術器具を抜去すると逆さになり易い。
【0005】
1スリット弁のデザインの変形例が米国特許第4,798,594号(Hillstead)、同第4,177,814号(Knepshield ら)、同第4,673,393号(Suzuki ら)に示されている。これらの特許に示された変形例はシール中心から広がる3スリットを包含し、円形器具周囲の密閉と反転について1スリットと同じ特性を保有する。他の外科手術弁には、米国特許第4,364,127号(Pierce ら)、同第3,861,416号(Wichterle)、同第4,222,126号(Boretos ら)に示された心臓弁に代表される特殊なデザインが挙げられる。これらの弁は重い液体が1方向に流れるように設計され、少なくとも3つの組織弁(フラップ)を備えている。そのような弁はガス圧の低下に対して手術器具周囲を密閉するようになっていない。
【0006】
これらの参考文献を検討すると、内視鏡的外科手術手技時にガス圧をシールするためにトロカールで使用するための1個の単純なアセンブリの必要性を示している。さらに、器具を挿入するのに余分な力を必要とせず一旦手術器具を抜去しても密閉エッジを反転しないような単純なデザインを備えた1個のアセンブリを有することが望ましい。
【0007】
以上に概説した上記の密閉のニーズを解決する試みで開発された1つの知られたシールアセンブリのデザインは、本明細書に参考文献として含める米国特許第5,330,437号(Durman)に開示されている。このシールアセンブリのデザインとしてはS字形のアヒルの嘴状弁を有する1個のアセンブリが挙げられる。この特定のシールデザインは、他の公知の密閉装置に見られる欠点の幾つかを扱う上で良好であることがわかったが、本願の開示で後に説明するように、このシールデザインは手術器具を出し入れするのに必要な力をかなり減らすように改良することができる。
【0008】
さらに、トロカールは、挿入前後や閉塞具とトロカールカニューレの取外し後にも、閉塞具の鋭い穿刺用先端を覆う保護要素を閉塞具周囲に被せることができる。その保護要素は安全防護具(シールド)あるいは保護具(プロテクター)と呼ばれることが多い。
【0009】
1つのタイプのトロカールは、安全防護具を利用し、患者の外側の皮膚にトロカールアセンブリの遠位端を押付けることによって閉塞具の穿刺用端が皮膚、皮下脂肪、筋肉、筋膜を通して体腔内に十分に刺さる力で通常挿入される。安全防護具を近くに引いて鋭い穿刺先端を露出するためにトロカールを体腔に貫通させる。しかしながら、その貫通が終了すると同時に、安全防護具は穿刺先端を覆うその保護場所に自動的に戻る。このタイプのトロカールは、完全に戻る安全防護された(fully returnable safety shielded)トロカールである。外科医が一旦トロカールを体腔内に適切に配置したら、安全防護と共に閉塞具を取外し、次にトロカールカニューレを、例えば、内視鏡的器具の挿入のための通路として利用する。米国特許第5,387,197号(Smithら)はこのタイプのトロカールを記載している。
【0010】
完全に戻る安全防護された現在のトロカールについては、トロカールが体腔に完全に貫通していない場合のために、カニューレハンドルを閉塞具から取り外してトロカール閉塞具にその防護具を「再取付け」(reload)する必要がある。従って、この方法ではトロカール閉塞具を気腹内に挿入しながら余分な工程を行なう必要がある。
【0011】
さらに、幾つかの手技では、安全防護具を使わずにトロカールを利用することあるいはトロカール閉塞具をトロカールカニューレ内に配置した時にトロカール閉塞具を防護しないトロカールデザインを利用することが望ましい。従って、防護された閉塞具とカニューレを連結すると同時に、防護具を引き込み、閉塞具の穿刺先端を露出させる。このタイプのトロカールはアセンブリで作動するトロカールと称することができる。
【0012】
アセンブリで作動するトロカールは、閉塞具をカニューレ内に配置した時に防護具がその保護場所に戻らないようにする。米国特許第5,248,298号(Bendiら)にはこのタイプのトロカールが記載されている。このように、ユーザーは刺された組織からトロカールをわずかに抜去し、残りの組織層に続けて通すことができる。これにより気腹の「テント」(tenting)と一般に呼ばれるものが防止される。この方法では体腔にさらに十分にアクセスができると同時にテントを減らすことができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
テントに関する問題を取り除き、手術のコストを下げようとする場合に、安全防護具を使用しないトロカールは完全に戻る安全防護されたトロカールより、通常、コストが安いため、外科医はこれらのタイプのトロカールを利用することが多い。しかしながら、安全防護具無しでトロカールを利用するトロカールの手技の場合、トロカールを扱う人がその先端で切ったりあるいはトロカールシールアセンブリあるいはその器具の他の構成要素をその閉塞具先端で損傷する可能性がある。
【0014】
現在のところ、外科医に低いコストの選択肢を提供すると同時に、防護具や保護具で穿刺先端を保護する能力を、閉塞具をカニューレの近位端に連結する時まで維持するようなトロカールは知られていない。
【0015】
さらに、手術器具を出し入れするのに必要な力をかなり減らすようなシールアセンブリを利用するトロカールは知られていない。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、損傷が少ない手技(手順)、腹腔鏡手技、関節鏡手技などのような内視鏡的手技で使用される外科手術用トロカールである。
【0017】
本発明による外科手術用トロカールは、近位端と遠位端とそれらを貫通する通路を有するスリーブを備えたカニューレアセンブリを具備している。開口を有するハウジングがスリーブの近位端に配置され、スリーブの通路と一直線上(心合わせ)にある。この手術用トロカールはまた、カニューレアセンブリと係合可能な閉塞具アセンブリも具備している。この閉塞具アセンブリはハンドルと閉塞具シャフトを備えている。この閉塞具シャフトは、ハンドルに接続された近位端と、近位端と反対側の遠位端を有する。穿刺用先端が閉塞具シャフトの遠位端に配置されている。
【0018】
閉塞具アセンブリはまた、閉塞具穿刺用先端を覆うために閉塞具シャフトの周囲にスライド可能に配置された保護具を備えている。この保護具は閉塞具シャフトの穿刺用先端を通すことができるように開口(孔)を保護具遠位端に有する。この保護具はまた、保護具開口とスリーブ遠位端を越えて穿刺用先端を露出するために、閉塞具アセンブリをカニューレアセンブリ内に挿入することによりハンドルがハウジングに接触(コンタクト)すると、ハンドルのコンタクト部分に対してスライド移動できるフレキシブルな近位端も有する。それにより、閉塞具アセンブリをカニューレアセンブリ内に挿入することにより近位側への力が保護具にかかり、保護具のフレキシブル近位端がハンドルのコンタクト部分に対してスライド移動するように、保護具を近位側へ移動させる。この接触により、フレキシブル近位側がハンドルのコンタクト部分に対してスライド移動するにつれてフレキシブルな近位端が曲がる、若しくは撓む。
【0019】
本発明によれば、保護具のフレキシブル近位端の実施形態は幾つかある。第1の実施形態は1対の可撓性アームである。保護具のフレキシブル近位端の第2の実施形態は、保護具と一体型の正弦波形部材である。
【0020】
本発明による別の実施形態は、外科手術用トロカール、より詳細には開口とフレキシブルな接触部分を有するハンドルを具備する閉塞具アセンブリを提供する。閉塞具シャフトは、ハンドル開口を通して延在し、ハンドルに固定される近位端と穿刺用先端を有する遠位端を有する。保護具は閉塞具シャフトの穿刺用先端を覆うために閉塞具シャフトの周囲にスライド可能に配置され、ハンドル開口を通して延在する。この保護具はその遠位端に閉塞具シャフトの穿刺用先端を通すことができる開口を有している。この保護具はまた、近位側への力をかけた時に穿刺用先端を露出できるように保護具を引き込み位置まで引き込むためにハンドルのフレキシブルな接触部分に対してスライド移動可能な近位端も有している。
【0021】
本発明はまた、トロカール閉塞具アセンブリや他の手術器具を密閉するために、外科手術用トロカールの改良されたシールアセンブリを提供する。このシールアセンブリは貫通する開口を有する上部シール装置とその上部シール装置の下に位置する圧力シールを備えている。その圧力シールは各側壁が内面を有する1対の側壁を備えている。少なくとも1つのリブが各側壁の内面に配置されている。各側壁は他の一方の側壁に対し折りたたむことができ、その間でS字形スリットを作る。側壁リブはトロカール閉塞具アセンブリや他の手術器具のための挿入力と抜去力をかなり減らす。さらに、側壁リブはまた圧力シールの補強を行ない、閉塞具あるいは他の手術器具をシールアセンブリから抜去する時に側壁の反転を防止する。
【0022】
本発明の1つの利点は、閉塞具がカニューレアセンブリと接触する瞬間まで外科医やその他の人をその間、保護する外科手術用トロカールを提供することである。
【0023】
本発明による他の利点は、トロカールシールとトロカールの他の構成要素を保護する外科手術用トロカールを提供することである。
【0024】
本発明による他の利点は、腹膜のテントを無くす外科手術用トロカールを提供することである。
【0025】
本発明による他の利点は、内視鏡的手術手技の二次的なポートとして閉塞具保護具を有する外科手術用トロカールを提供することである。
【0026】
本発明の他の利点は、手術器具を貫通させることができ、公知の密閉装置に関して典型的な挿入力と抜去力をかなり減らすシールアセンブリを提供することである。
【0027】
本発明を特徴づける様々な新規な特徴を、この開示の一部を構成する添付特許請求の範囲に特に示す。本発明、本発明の作用による利点、および本発明を使用することによって得られる特定の目的をさらに理解するために、本発明の好ましい実施形態を示す添付図面とその説明を参照する。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1に最もよく示すように、本発明は腹腔鏡的手術手技と関節鏡的手術手技のような損傷が小さい全ての手術手技を含む内視鏡的手術手技のために、アセンブリとして作動するトロカールとして利用される低コスト手術用トロカール20である。この外科手術用トロカール20は使い捨てであり、一人の患者に使用するだけの装置としての使用が企図されている。すなわち、本発明によるトロカール20は特定の手術手技のために一人の患者だけに使え、その使用後には、そのトロカール20が廃棄される。
【0029】
手術用トロカール20は、米国特許出願第08/543,455号(10/16/95);同第08/543,547号(10/16/95);同第08/572,172号(12/13/95);同第08/694,980号(8/9/96)および米国特許第4,535,773号;同第5,224,952号;同第5,256,149号;同第5,314,417号;同第5,387,197号;同第5,248,298号;同第5,330,437号;同第5,399,167号;同第5,066,288号;同第5,215,526号;および同第5,267,965号に記載されたトロカールと同様であり、上記文献の全てをを本明細書の参考文献として含める。
【0030】
外科手術用トロカール20は閉塞具30を備え、その閉塞具30は、手術用アクセスポートを構成するためのカニューレアセンブリ80を通る。図2は下部に開口34を有するハンドル32を備えた閉塞具アセンブリ30を示す。ハンドル32は、1対の第1保持リブ37と、その1対の第1保持リブ37に近接して配置された1対の第2保持リブとを有するコンタクト部分36も備えている。さらに、そのコンタクト(接触)部分36は第1ランプ(傾斜)面41とその第1ランプ面41に鈍角で配置された第2ランプ面43も有する。
【0031】
第1被保持部分47と第2被保持部分49を近位端に有する閉塞具シャフト45は、第1保持リブ37と第2保持リブ39でそれぞれハンドル32に固定される。閉塞具シャフト45の残りの部分はハンドルの開口34を通してハンドル32から延在する。
【0032】
閉塞具シャフト45はまた、組織に刺すためのフラットブレード(平刃)55と1対の上肩部53を備えたブレードアセンブリである穿刺用先端50も有する。穿刺用先端50は閉塞具シャフト45の遠位端に固定されている。
【0033】
保護具を貫通する(中を通る)チャンネル61を有する保護スリーブ(保護具)57は、閉塞具シャフト45の周囲にスライド可能に配置されている。保護具57は、閉塞具シャフト45の近位部分に沿ってハンドル32内に配置されたフレキシブル近位端59を備えている。図4に示したように、保護具57は1個の成形プラスチックである。保護具の近位端59は1対の可撓性アーム62を備え、その可撓性アーム62は、閉塞具シャフト45から外側に撓ませることができる程に弾性的でフレキシブルであり、撓んだ後は保護具57から外れずに元の形とサイズに戻る。しかしながら、保護具57は成形プラスチックにのみ限定されることを意図するものではなく、上記のようなフレキシブル近位端59にとって必要な性質、特性を有する全ての種類の材料を包含することができる。
【0034】
保護具の可撓性アーム62は、図4に示したように各可撓性アーム62の端部に内面64と端面68を備えている。保護具の可撓性アーム62の端面68は、ハンドルコンタクト部分36の第1ランプ面41から遠位側に当初は配置されており、それにより第1ランプ面41と可撓性アーム端面68の間にギャップ(隙間)を形成する。
【0035】
閉塞具シャフト45と同様に、保護具57はハンドル開口34を通りハンドル32から延在する。保護具57は、トロカールを組織に挿入した後に、組織を拡張して手術用アクセスポートを作るための、保護具57の遠位端に配置された拡張先端部67を備えている。
【0036】
保護具57は、その外面円周に配置されハンドル開口34近くに配置されたボス66を有する。保護具57の拡張先端部67は保護具57のチャンネル61に通じる開口60を備えている。開口60は、閉塞具シャフト45の穿刺用先端50を通すことができように閉塞具57の遠位端に配置されている。
【0037】
拡張先端部67は、穿刺用先端50を通すことができように開口60から保護具57の遠位端近くの位置まで垂直に延在するスロット69を備えている(図4)。保護具57は、穿刺用先端50の上肩部53で支持できるように拡張先端部67のチャンネル61内に円周に配置されたストッパー65を有する。
【0038】
保護具57のフレキシブル近位端62はハンドル32内のコンタクト部分36近くに位置するため、保護具57は、閉塞具シャフト45の穿刺用先端50の上肩部53とハンドルコンタクト部分36の間で、閉塞具シャフト45の周囲をスライド移動することができる。ストッパー65は、保護具57が閉塞具ハンドル32から外れないように穿刺用先端50の上肩部53で支持される。
【0039】
図2に最もよく示されているように、閉塞具アセンブリ30は、保護位置にあり、このことは、保護具57が穿刺用先端50を越えて延在することによって穿刺用先端50を覆い、フラットブレード55で不注意に切らないようにすることを意味する。
【0040】
図5は、貫通する中央通路を形成するカニューレスリーブ82と、そのスリーブ82の近位端に配置されたシールハウジング85とを備えるカニューレアセンブリ80を示している。カニューレスリーブ82は、そのスリーブ82を組織に配置するためにスリーブ82の外面にらせんねじ山83を設けている。ハウジング85は、ハウジング85の両側から略垂直方向に外側に延びたハンドル部分84を有する。ハウジング85は、シール(密封)アセンブリ100を中に収納するための中央開口87を備えている。シールアセンブリ100は中央開口87に配置されカニューレスリーブ82上に取付けられる。ハウジング85はまた、2個の保持装置ロック92を備えた保持装置90を有し、シールアセンブリ100の上面に取付けられ、カニューレハウジング85に固定される。シール保持装置90は、シールアセンブリ100を通して閉塞具アセンブリ30を直接挿入できる円錐形プラスチックリングである。
【0041】
ハウジング85はまた、シール保持装置90の保持装置ロック92を受けるため、ハウジング85の両側に位置する1対の保持装置ロックスロット86を備えている。そこで、保持装置90の保持装置ロック92は、図1に最もよく示されているようにハウジング85の保持装置ロックスロット86内に圧入される。
【0042】
図3に最もよく示されているように、保護具57をカニューレハンドル32内で近位側に引き込んだ位置まで引き込むことによって穿刺用先端50を露出させる。保護具57に近位側への力Fを働かせると、可撓性アーム端面68はハンドルコンタクト部分36の第1ランプ面41に接触し、それからハンドルコンタクト部分36の第1ランプ面41を横切ってスライド移動可能になっている。可撓性アーム端面68と第1ランプ面41との最初の接触後は、近位側への力Fがかかることにより保護具57がハンドル32内で近位に強く引き込まれ、可撓性アーム62が弾性でフレキシブルな材料から作られているために閉塞具シャフト45から外側に撓み離れる。その近位端の材料特性のために、可撓性アーム62をコンタクト部分36に対してスライド移動させると、対抗する力が保護具57にかかる。これらの材料特性により近位側への力Fを保護具57から解除すると、保護具57は保護されていた位置まで遠位側に戻る。
【0043】
一旦、第1ランプ面41を越えるように可撓性アーム端面68をスライドさせれば、可撓性アーム62の内面64は、ハンドルコンタクト部分36の第2ランプ面43に接触し、それから第2ランプ面43を横切ってスライド移動可能になっている。そのため可撓性アーム62の端面68と内面64は、ハンドルコンタクト部分36の第1ランプ面41と第2ランプ面43に対してそれぞれスライド移動して閉塞具32内に保護具57が容易に滑らかに引き込まれる。可撓性アーム62が第1ランプ面41を越えて容易にはスライドしないための充分な抵抗面を可撓性アーム62に与えるべく、第1ランプ面41を閉塞具シャフト45に略垂直に配置する。この配置により閉塞具32内に保護具57引き込ませようとするまでは、誤って引き込まれないことになる。第2ランプ面43が第1ランプ面41に対して鈍角であるため、可撓性アーム62に対して抵抗性が小さな面となる。これにより引き込みの際に保護具57を容易に引き込むことができる。
【0044】
例えば、外科医が保護具のボス66を掴み、その保護具57をハンドル32に向って近位側に引くなどの手動により保護具57にかけられる近位側への力Fにより、保護具はその引き込み位置まで引き込む。あるいはまた、保護具57の拡張先端部67が図1および図3に示したようにカニューレスリーブ82の遠位端を通して延在するまで、そして保護具のボス66がハンドル開口34でハンドル32に接触する位置まで、カニューレアセンブリ80を通してカニューレスリーブ82内に閉塞具アセンブリ30を挿入することにより、保護具57がその引き込み位置まで引き込む。この位置で保護具57のボス66は円錐形シール保持装置90の内面と接触して近位側への力Fが保護具57に対して作用する。この近位側への力Fは、保護具開口60を通して穿刺用先端50を延ばすためにハンドル32内で保護具57を近位側へと送り、組織を切るためのフラットブレード55を露出させる。ハンドル開口34は、保護具のボス66が閉塞具ハンドル32内に挿入できないように、円周に配置された保護具のボス66の外径より小さな径を有する。
【0045】
さらに、図5に示したように、閉塞具32はまた、ハンドル開口34に隣接してハンドルから横に延在する保持ピン33を備えている。そのため、一旦カニューレアセンブリ80に閉塞具アセンブリ30を挿入してアセンブリで作動するトロカール20を形成したら、ハンドル32のわずかな回転運動によって保持ピン33をシール保持装置90のピンスロット94に回し入れることによって、閉塞具アセンブリ30をカニューレアセンブリ80にロックすることができる。
【0046】
回しピン(保持ピン)33がピンスロット94から外れて保護具57が穿刺用先端50を覆うその保護位置まで戻るように、回転動作を逆にすることによってのみハンドル32はロック解除される。保護具の近位端59の弾性でフレキシブルな特性のため、ハンドル32をカニューレハウジング85から離すことにより、保護具57は穿刺用先端50を越えて遠位側に送られる。
【0047】
図6〜図10に示すように、シールアセンブリ100は、シリコーン材料からできており、ダイアフラム(隔膜)シール108を囲む円筒状のエラストマー部材であるハウジングシール104を備えている。ダイアフラムシール108は、それを貫通する中央開口110を有し、ハウジングシール104から、上向き外側に突き出た略凸形状を有している。ハウジングシール104とダイアフラムシール108の両方が、シールアセンブリ100の上部シール装置102を形成する。フランジ112はハウジングシール104の外周を取り囲む。
【0048】
さらに、シールアセンブリ100はまた、ハウジングシール104とダイアフラムシール108の下面から遠位側に延在する2つの側壁122からなるS字形圧力シール120を備える。図8に示すように、各側壁122は各他の一方に対し折りたたむことができ、各側壁122は互いに隣接する端部126を有し、その間でS字形スリット128を形成する。そのためシールアセンブリ100の中央開口110とS字形スリット128により閉塞具アセンブリ30(図2)を密閉した状態で中に挿入することができ、手術用流体の漏れを防止する。しかしながら、一旦、カニューレアセンブリ80(図5)を配置したら、手術手技を容易にできる他の手術器具をカニューレアセンブリ80に通せるように、閉塞具アセンブリ30をカニューレアセンブリ80から引き出すことができる。閉塞具30と同様に、シールアセンブリ100に挿入された他の手術器具は、シールアセンブリ100で、特に、S字形圧力シール120と上部シール装置102で密閉される。
【0049】
図9および図10に示すように、各側壁122は内面123を備えている。複数のリブ130が側壁122の内面123に配置されている。これらのリブ130は圧力シール120の近位部分から遠位側にスリット128まで延在している。リブ130は側壁122を補強し、それにより使用後、一旦、閉塞具アセンブリ30(図2)あるいは他の手術器具をシールアセンブリ100から抜去すると側壁122が反転する(逆さになる)のを防止する。
【0050】
リブ130が無ければシールアセンブリ100は、側壁122の内面123に器具が付着する傾向を有し、シールアセンブリ100が一般にシリコーンから作られているため挿入された器具の摩擦が増大することになる。
【0051】
従って、側壁内面123に側壁リブ130があることにより、側壁リブ130は閉塞具アセンブリ30(図2)あるいは他の全ての手術器具の接触領域を減らし、その結果、閉塞具アセンブリ30あるいは他の全ての手術器具の出し入れで生じる摩擦力をかなり下げる。
【0052】
並列して行なった比較テストでは、本発明によるシールアセンブリが、米国特許第5,330,437号(Durman)に開示されたリブを利用しない先行技術シールより性能がかなり優れていることがわかった。Durmanのシールと本発明のシールアセンブリ100の両方を、加熱後の環境で同じ条件下でプローブを使用しながら所定の挿入力と抜去力についてテストした。Durmanのシールの場合、プローブを挿入するのに0.32ポンドの力が必要であり、プローブを抜去するのに0.46ポンドの力が必要であった。しかしながら、本発明のシールアセンブリ100の場合、プローブを挿入するのに0.20ポンドの力が必要であり、プローブを抜去するのに0.20ポンドの力が必要であった。その結果、Durmanのシールと比べると本発明のシールアセンブリ100のリブ130により挿入力と抜去力の両方が大きく低下するのである。
【0053】
本発明による保護具の第2実施形態57aを図12に示す。この実施形態では保護具57aが、中央ボア(孔)73と、間にノッチ76を形成した1対の近位先端74を有する正弦波形(シヌソイダル)部材72であるフレキシブルな近位端59aを備えている。ノッチ76と中央ボア73は保護具57aのチャンネル61と一直線上にある。保護具57aのチャンネルに沿ったノッチ76と中央ボア73は両方とも互いに直線配列(心合わせ)されるため閉塞具シャフト45を受ける形になっている。近位先端74は、上述のように保護具57aに対して近位側への力Fがかけられることにより、第1ランプ面41に接触するためハンドルコンタクト部分36の第1ランプ面41近くに配置される。近位先端74は、第2ランプ面43へ移動しないで第1ランプ面41に接触する比較的平らな部材である。
【0054】
上記保護具57(図4)と同様に、保護具57aは1個の一体構成要素として成形プラスチックからできている。その形態と材料成分により、正弦波形部材72は弾性でフレキシブル部材であり、保護具57aが上記保護具57(図4)と同様の機能を果たすことができる。
【0055】
本発明による他の実施形態を図11に示す。この実施形態ではトロカール20は近位端70を有する保護具57bを備えている。カニューレハンドル32のコンタクト部分36は、保護具57bの近位端70によって移動する1対の可撓性部材48からなる。一旦、近位側への力Fを保護具57bにかけたら、保護具57bの近位端70が可撓性部材48の内面に対しスライド可能に移動しながらコンタクト部分36に近位側に進むように、可撓性部材48はフレキシブルで弾性材料から作られる。保護具近位端70は可撓性部材48を閉塞具シャフト45から外側に離して撓ませ保護具57bを引き込ませ穿刺用先端50を露出する。このようにこの配置によって図2〜図5に示した好ましい実施形態と同様の利点が提供される。
【0056】
上述のように本発明によるトロカール20は幾つかの利点がある。特にこのトロカール20はアセンブリとして作動するトロカールであり、電流コストを意識した手術環境で選択されるトロカールに関するものである。コストは本手術界では大きな問題であるため、患者のために安全で有効な優れた手術による治療を行なうため新規で創造的な器具と技術を開発すると同時に手術手技からコストを下げるように求めることが必要であることが多い。本発明によって与えられる手術手技からコストを下げる有意義な方法の1つは、本発明による1個以上のトロカール20に沿って本発明の分野と背景の一部として記載したトロカールのような1個の完全に戻る安全防護のトロカールを利用することである。
【0057】
完全に戻る防護トロカールは、主に付随的な部品と製造のコストの点で本発明によるトロカールよりもコストがかかるため、多くの外科医は1つの手術手技(手順)時に利用される完全に戻る安全防護のトロカール数が限られることを求めるだろう。従って、外科医の多くは、患者に第1のアクセスポートを形成するために1個の完全に戻る安全防護のトロカールだけを利用することができる。安全防護の閉塞具をカニューレから外したら第1アクセスポートが形成され、第2アクセスポートの配置のために透視を行なうため内視鏡を第1アクセスポートに挿入する。
【0058】
第2アクセスポートは、手術手技を容易にするため様々なタイプの手術器具を収納するように利用される。そこで、本発明によるトロカール20をこれらの第2アクセスポートを形成するのに使用することができる。図2に示したように、本発明によるトロカールは保護具57を利用するため、穿刺用先端55が覆われ、従って、閉塞具アセンブリ30をカニューレアセンブリ80内に取付けロックする前に閉塞具アセンブリ30を扱う全ての人に良好な安全性が与えられる。さらに、シールアセンブリ100を通してカニューレスリーブ82内に閉塞具をスライドすると穿刺用先端55がまだ覆われているためトロカール20のシールアセンブリ100も保護される。
【0059】
この発明は最も好ましい態様に基づいて説明されたが、この詳細な説明を検討する人には、非常に多くの他の実施形態が特許請求の範囲に限定されない。特許請求の範囲に述べられた範囲と趣旨に十分入ることが容易に明らかであろう。
【0060】
なお本発明の具体的な実施態様は、以下の通りである。
(1)前記側壁の前記内面の各々に少なくとも1つのリブを備えている請求項1に記載のシールアセンブリ。
(2)前記側壁の前記内面の各々に複数のリブを備えている実施態様(1)に記載のシールアセンブリ。
(3)前記圧力シールはS字形状である実施態様(2)に記載のシールアセンブリ。
(4)前記スリットはS字形状である実施態様(3)に記載のシールアセンブリ。
(5)前記上部シール装置は略凸形状を有するダイアフラムシールを備える実施態様(4)に記載のシールアセンブリ。
【0061】
(6)前記シールアセンブリは、内面および前記内面の少なくとも1つにある少なくとも1つのリブを有する1対の側壁を備える請求項2に記載の外科手術用トロカール。
(7)前記シールアセンブリは各側壁の前記内面に少なくとも1つのリブを備える実施態様(6)に記載の外科手術用トロカール。
(8)前記側壁はS字形状の圧力シールを形成する実施態様(7)に記載の外科手術用トロカール。
(9)前記シールアセンブリは、略凸形状のダイアフラムシールをさらに備えており、前記ダイアフラムシールの中に前記開口が配置される実施態様(8)に記載の外科手術用トロカール。
【0062】
(10)前記保護具の前記フレキシブル近位端は、前記ハンドルの接触部分をスライド移動可能な少なくとも1つの可撓性アームを備える実施態様(9)に記載の外科手術用トロカール。
(11)前記保護具の前記フレキシブル近位端は、前記ハンドルの前記接触部分に対してスライド移動可能な1対の可撓性アームを備える実施態様(10)に記載の外科手術用トロカール。
(12)前記接触部分は第1ランプ面を備え、各可撓性アームは、前記接触部分の前記ランプ面に対してスライド可能に移動するために各アームの近位端に端面を備える実施態様(11)に記載の外科手術用トロカール。
【0063】
(13)前記接触部分はさらに、前記第1ランプ面に隣接する第2ランプ面を備え、各可撓性アームは、前記第2ランプ面に対してスライド可能に移動するために前記端面に隣接する内面を備える実施態様(12)に記載の外科手術用トロカール。
(14)前記保護具は、前記保護具を前記引き込み位置まで引き込んだ時に前記ハンドルと接触させるためのボスを備える実施態様(13)に記載の外科手術用トロカール。
(15)前記ハウジングは少なくとも1つのスロットを備え、前記ハンドルは前記ハウジングに前記ハンドルをロックするために前記少なくとも1つのスロットと取外し可能に取付けられる少なくとも1つのピンを備える実施態様(14)に記載の外科手術用トロカール。
【0064】
(16)前記穿刺用先端はフラットブレードを備える実施態様(15)に記載の外科手術用トロカール。
(17)前記保護具は、前記保護具の前記遠位端に拡張先端部を備える実施態様(16)に記載の外科手術用トロカール。
(18)前記スリーブは、前記スリーブの外面にらせんねじ山を備える実施態様(17)に記載の外科手術用トロカール。
(19)前記保護具のフレキシブル近位端は、前記ハンドルの接触部分と接触させるための正弦波形部材を備える請求項2に記載の外科手術用トロカール。
(20)前記正弦波形部材は、前記正弦波形部材の近位端に1対の突起先端とその先端の間のノッチを備える実施態様(19)に記載の外科手術用トロカール。
【0065】
(21)前記正弦波形部材は、貫通する中央開口を備え、前記中央開口と前記ノッチは前記閉塞具シャフトを受ける形状となっている実施態様(20)に記載の外科手術用トロカール。
(22)前記ハンドルは、前記保護具を前記引き込み位置まで引き込んだ時に、前記ハンドルと接触させるためのボスを備える実施態様(21)に記載の外科手術用トロカール。
(23)前記ハウジングは少なくとも1つのスロットを備え、前記ハンドルは前記ハウジングにそのハンドルをロックするために前記少なくとも1つのスロットと取外し可能に取付けられる少なくとも1つのピンを備える実施態様(22)に記載の外科手術用トロカール。
【0066】
(24)前記穿刺用先端はフラットブレードを備える実施態様(23)に記載の外科手術用トロカール。
(25)前記保護具は、前記保護具の前記遠位端に拡張先端部を備える実施態様(24)に記載の外科手術用トロカール。
(26)前記スリーブは、前記スリーブの外面にらせんねじ山を備える実施態様(25)に記載の外科手術用トロカール。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による外科手術用トロカールによれば、損傷が少ない手技(手順)、腹腔鏡手技、関節鏡手技などのような内視鏡的手技で有効に使用することができる。また、本発明によるシールアセンブリを利用したトロカールによれば、手術器具を出し入れするのに必要な力を大きく減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による閉塞具とカニューレを有するトロカールの斜視図である。
【図2】本発明による覆った位置で穿刺用先端を備えたトロカール閉塞具の断面平面図である。
【図3】露出した位置で穿刺用先端を備えた図1のカニューレと連結関係にある図2の閉塞具の断面平面図である。
【図4】本発明による保護具を示す一部破断斜視図である。
【図5】図1の閉塞具とカニューレの分解斜視図である。
【図6】図5のカニューレで使用される本発明による改良されたシールアセンブリの斜視図である。
【図7】図6に示した改良されたシールアセンブリの側面図である。
【図8】図6に示した改良されたシールアセンブリの正面図である。
【図9】図8のライン9−9に沿った図6に示した改良されたシールアセンブリの縦断面図である。
【図10】図9のライン10−10に沿った改良されたシールアセンブリの横断面図である。
【図11】本発明によるトロカールの他の実施形態の断面平面図である。
【図12】図3の保護具の他の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
100 シールアセンブリ
102 上部シール装置
104 ハウジングシール
108 ダイアフラムシール
110 開口
112 フランジ
120 圧力シール
122 側壁
123 内面
128 スリット
130 リブ

Claims (22)

  1. 外科手術用トロカール(20)において、
    リーブ(82)を備えたカニューレアセンブリ(80)であって、前記スリーブは近位端および当該スリーブを貫通する通路を有する、カニューレアセンブリ(80)と、
    前記スリーブ(82)の前記通路と心合わせされた開口(87)を有し、前記スリーブ(82)の前記近位端に配置されたハウジング(85)と、
    前記カニューレアセンブリ(80)内に挿入可能な閉塞具アセンブリ(30)であって、ハンドル(32)、前記ハンドル(32)に接続された近位端および前記近位端と反対側の遠位端を有する閉塞具シャフト(45)ならびに、前記閉塞具シャフト(45)の前記遠位端に配置された穿刺用先端(50)を備えた閉塞具アセンブリ(30)と、
    遠位端を有し、前記閉塞具シャフト(45)の前記穿刺用先端(50)を覆うために前記閉塞具シャフト(45)の周囲にスライド可能に配置されており、前記閉塞具シャフト(45)の前記穿刺用先端(50)を通すことができるように開口(60)を前記遠位端に有する保護具(57)であって、前記保護具(57)はまた前記ハンドル(32)に対して移動可能で弾性を持つフレキシブルな材料から作られたフレキシブル近位端(59)を有し、前記保護具(57)1つの一体の部材であり、前記閉塞具アセンブリ(30)を前記カニューレアセンブリ(80)に挿入して前記ハンドル(32)が前記ハウジング(85)に接触したときに前記保護具開口(60)および前記スリーブ(82)の遠位端を越えて前記穿刺用先端(50)を露出させるために前記保護具(57)は引き込み位置まで移動可能でありその際、近位側への力前記保護具(57)加わっており、前記近位側への力が前記保護具に加わらなくなると前記フレキシブル近位端(59)の材料の弾性により前記保護具(57)は保護位置に戻され、これにより前記穿刺用先端(50)が覆われる保護具(57)と、
    前記ハウジング(85)に配置され、前記閉塞具シャフト(45)の周囲に配置された前記保護具(57)が取り付けられた閉塞具アセンブリ(30)、あるいは、他の手術器具に対してシールを施す、シールアセンブリ(100)であって、当該シールアセンブリ(100)を貫通する開口(110)と、内面(123)、および当該内面上(123)の少なくとも1つのリブ(130)を有する少なくとも1つの側壁(122)とを有しており、前記閉塞具アセンブリ(30)あるいは前記手術器具を前記カニューレアセンブリ(80)から抜去した際に前記シールアセンブリ(100)の前記側壁(122)が反転することを防止するように前記リブ(130)前記側壁(122)を補強するシールアセンブリ(100)と、
    を具備する外科手術用トロカール(20)
  2. 前記シールアセンブリ(100)1対の側壁(122)を備え前記1対の側壁(122)は内面(123)および前記内面(123)の少なくとも1つに少なくとも1つのリブ(130)を有する請求項1に記載の外科手術用トロカール。
  3. 前記シールアセンブリ(100)は各側壁の前記内面に少なくとも1つのリブ(130)を備える請求項2に記載の外科手術用トロカール。
  4. 前記シールアセンブリ(100)は、ほぼ凸形状のダイアフラムシール(108)をさらに備えており、前記ダイアフラムシール(108)の中に前記開口(110)設けられている、請求項3に記載の外科手術用トロカール。
  5. 前記ハンドル(32)は、前記保護具(57)に対する接触部分(36)をさらに備え、
    前記保護具(57)の前記フレキシブル近位端(59)は、前記ハンドル(32)前記接触部分(36)に対してスライド移動可能な少なくとも1つの可撓性アーム(62)を備える
    請求項4に記載の外科手術用トロカール。
  6. 前記保護具(57)の前記フレキシブル近位端(59)は、前記ハンドル(32)の前記接触部分(36)に対してスライド移動可能な1対の可撓性アーム(62)を備える請求項5に記載の外科手術用トロカール。
  7. 前記接触部分(36)は第1ランプ面(43)を備え、各可撓性アーム(62)は、前記接触部分(36)の前記第1ランプ面(43)に対してスライド可能に移動するために各可撓性アーム(62)の近位端に端面(68)を備える請求項6に記載の外科手術用トロカール。
  8. 前記接触部分(36)は、前記第1ランプ面(41)に隣接する第2ランプ面(43)さらに備え、各可撓性アーム(62)は、前記第2ランプ面(43)に対してスライド可能に移動するために前記端面(68)に隣接する内面(64)を備える請求項7に記載の外科手術用トロカール。
  9. 前記保護具(57)は、前記保護具(57)が前記引き込み位置まで引き込まれた時に前記ハンドル(32)と接触させるためのボス(66)を備える請求項8に記載の外科手術用トロカール。
  10. 前記ハウジング(85)は少なくとも1つのスロット(94)を備え、前記ハンドル(32)は前記ハウジング(85)に前記ハンドル(32)をロックするために前記少なくとも1つのスロット(94)と取外し可能に係合する少なくとも1つのピン(33)を備える請求項9に記載の外科手術用トロカール。
  11. 前記穿刺用先端(50)はフラットブレード(55)を備える請求項10に記載の外科手術用トロカール。
  12. 前記保護具(57)は、前記保護具(57)の前記遠位端に拡張先端部(67)を備える請求項11に記載の外科手術用トロカール。
  13. 前記スリーブ(82)は、前記スリーブ(82)の外面にらせんねじ山(83)を備える請求項12に記載の外科手術用トロカール。
  14. 前記ハンドル(32)は、前記保護具(57a)に対する接触部分(36)をさらに備え、
    前記保護具(57a)のフレキシブル近位端は、前記ハンドル(32)前記接触部分(36)と接触させるための正弦波形部材(72)を備える請求項1に記載の外科手術用トロカール。
  15. 前記正弦波形部材(72)は、その近位端に1対の突起先端(74)とその先端の間のノッチ(76)を備える請求項14に記載の外科手術用トロカール。
  16. 前記正弦波形部材(72)は、貫通する中央開口(73)を備え、前記中央開口(73)と前記ノッチは(76)前記閉塞具シャフト(45)を受け入れる形状となっている請求項15に記載の外科手術用トロカール。
  17. 前記保護具(57a)は、前記保護具(57a)が前記引き込み位置まで引き込まれた時に、前記ハンドル(32)と接触させるためのボス(66)を備える請求項16に記載の外科手術用トロカール。
  18. 前記ハウジング(85)は少なくとも1つのスロット(94)を備え、前記ハンドル(32)前記ハウジング(85)にそのハンドル(32)をロックするために前記少なくとも1つのスロット(94)に取外し可能に係合する少なくとも1つのピン(33)を備える請求項17に記載の外科手術用トロカール。
  19. 前記穿刺用先端(50)はフラットブレード(55)を備える請求項18に記載の外科手術用トロカール。
  20. 前記保護具(57a)は、の前記遠位端に拡張先端部(67)を備える請求項19に記載の外科手術用トロカール。
  21. 前記スリーブ(82)は、の外面にらせんねじ山(83)を備える請求項20に記載の外科手術用トロカール。
  22. 前記シールアセンブリ(100)は、前記1対の側壁(122)からなるS字形圧力シール(120)をさらに備える、請求項2に記載の外科手術用トロカール。
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