JP4021019B2 - 車両走行用データ記録解析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の故障個所や故障内容を迅速且つ的確に把握することを可能とする車両走行用データ記録解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載されるナビゲーション装置としては、GPS(世界測位衛星システム)からの地図情報、位置情報等の測位情報を受信して自車位置を計測し、現在の走行データと照合して地図上における車両の現在位置を表示するものがある。
【0003】
他方、特開平6−288873号公報には、車両が故障したときの情報として、上記ナビゲーション装置から得られる位置情報に加えて、時刻、車速等を記録し、どのような走行中に故障が発生したのかを把握できるようにし、ディーラ等での修理に際して故障発生原因の追及を容易とした技術が開示されており、特に、修理時において故障が再現され難いケース等において故障個所の特定を容易化することを可能とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記先行技術によれば、故障発生時の走行データのみを記録するため、故障発生箇所の特定には有効であるものの、運転状態により故障が発生したのか、それ以外の原因により発生したのかを特定するには、記憶しているデータが十分でなく、故障の原因を解明することが困難であるという課題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、故障原因を特定し、解析することの可能な車両走行用データ記録解析装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明による第1の車両走行用データ記録解析装置は、車両に搭載され車両の走行状態を計測する計測装置と該計測装置で計測した走行データを読込み表示するデータ解析装置とからなる車両走行用データ記録解析装置において、上記計測装置は、外部から入力される測位情報を受信する受信回路と、自車の走行状態を検出する走行状態検出部と、上記受信回路で受信した測位情報に基づき自車位置を計測すると共に上記自車位置のデータに基づき自車の走行軌跡を演算し又上記走行状態検出部から出力される計測信号に基づき走行データを演算するデータ処理部と、上記データ処理部で演算した上記走行軌跡のデータ及び上記走行データを記録するデータ記録部と、上記車両に搭載されている各制御ユニットの故障の有無を検出する故障検出部とを備え、又上記データ解析装置は、上記データ記録部に記録されている上記走行軌跡のデータと対応する上記走行データとを読込む処理部と、上記両データを表示可能な表示部とを備え、上記データ処理部では、上記故障検出部で故障を検出したときの位置データを上記走行軌跡のデータにリンクさせた状態で上記データ記録部に記録し、上記処理部では、上記表示部に表示された走行軌跡から故障を検出したときの位置データを含む走行データ表示区間が特定されたときは当該走行データ表示区間に対応する走行データを上記データ記録部から読込み、故障発生までの走行データを上記表示部へ出力することを特徴とする。
【0009】
の車両走行用データ記録解析装置は、第の車両走行用データ記録解析装置において、上記データ処理部には、走行データ記録用閾値が設定されており、上記故障検出部が故障発生を検出しないときは、閾値以上の上記走行軌跡のデータ及び上記走行データのみを上記データ記録部に記録することを特徴とする。
【0010】
の車両走行用データ記録解析装置は、第1の車両走行用データ記録解析装置において、上記データ処理部では、予め設定したデータ検索条件と異なる上記走行データが検出されたときは、上記表示部に表示された上記走行軌跡上の対応する走行区間を識別可能な表示に切換えることを特徴とする。
【0011】
の車両走行用データ記録解析装置は、第1の車両走行用データ記録解析装置において、上記処理部では、一定走行距離或いは一定時間毎に走行軌跡を移動させる3次元画像処理を行い、処理された3次元画像信号を上記表示部へ出力することを特徴とする。
【0012】
すなわち、第1の車両走行用データ記録解析装置では、走行中、車両に搭載した車両の走行状態を計測する計測装置に設けた受信回路において外部から入力される測位情報を受信し、又、走行状態検出部において各種センサ等の出力信号に基づき自車の走行状態を検出する。そして、データ処理部において上記測位情報に基づき自車位置を計測すると共に該自車位置データに基づき走行軌跡を演算し、又上記走行状態を示す信号に基づき走行データを演算し、上記走行軌跡のデータと走行データとをデータ記録部に記録する。上記データ記録部に記録されているデータは、データ解析装置に読込まれる。そして、上記データ解析装置の処理部において読込まれた上記走行軌跡のデータと上記走行データとを画像処理して表示部へ出力する。作業者は表示部に表示された走行軌跡から解析対象となる走行区間を特定し、当該走行区間に対応する走行データを検索することで、データの解析作業を行う。そして、作業者が上記表示部に表示されている走行軌跡から所望の走行データ表示区間を特定すると、上記処理部では、当該走行データ表示区間に対応する走行データを上記データ記録部から読込み上記表示部に表示する。
【0013】
この場合、上記計測装置に故障検出部を設け、この故障検出部にて車両に搭載されている各制御ユニットが故障したときは、上記データ処理部において故障発生時の位置データを演算し、上記走行軌跡データにリンクさせた状態で上記データ記録部に記録させる。
【0015】
の車両走行用データ記録解析装置では、第の車両走行用データ記録解析装置において、上記データ処理部では、上記故障検出部にて各制御ユニットの故障発生を検出しないときは、走行データ記録用閾値以上の走行軌跡のデータ及び走行データのみを上記データ記録部に記録する。
【0016】
の車両走行用データ記録解析装置では、第1の車両走行用データ記録解析装置において、上記データ処理部では、予め設定したデータ検索条件と異なる走行データが検出されたときは、上記表示部に表示された上記走行軌跡上の対応する走行区間を識別可能な表示に切換えて表示する。
【0017】
の車両走行用データ記録解析装置では、第1の車両走行用データ記録解析装置において、上記処理部では、一定走行距離或いは一定時間毎に走行軌跡を移動させる3次元処理を行い、処理された三次元画像信号を上記表示部へ出力する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施の第1形態を説明する。本実施の形態で採用する車両用走行データ記録解析装置は、計測装置Aとデータ解析装置Bとから成り、何れも周知のマイクロコンピュータを主体として構成されており、上記計測装置Aが車両に載置され、又上記データ解析装置Bが、例えばディーラー、研究室等に配設されている。
【0019】
図1に示すように、上記計測装置Aは、データ処理部1と受信部としてのGPS受信回路2と走行状態検出部3とデータ記録部4と故障検出部5と故障の発生をドライバに知らせるブザー等の警報手段6とで構成されている。
【0020】
上記GPS受信回路2は、GPS衛星から出力される測位情報を受信する。
【0021】
走行状態検出部3は、走行時の車両状態を示す走行データを検出するエンジン回転数センサ、車速センサ、ヨーレイトセンサ、横加速度センサ、舵角センサ等の各種センサ、スイッチ類で構成されており、この各センサ、スイッチ類からの信号をデータ処理部1へ出力する。
【0022】
故障検出部5は、車両の電子制御装置を構成する各制御ユニット7に接続されている。この制御ユニット7は、例えば、エンジン制御ユニット、エアバック制御ユニット、トランスミッション制御ユニット、ABS制御ユニット、空調制御ユニットであり、これら各制御ユニット7から出力される故障信号に基づき、各制御ユニット7に接続された車両機構部の故障の有無を判定し、故障発生の有無を表す故障信号をデータ処理部1へ出力する。
【0023】
上記データ処理部1では、上記GPS受信回路2で受信した測位情報に基づき自車の絶対位置を測定すると共に、測定した自車位置データに基づき走行軌跡を演算し、更に、上記走行状態検出部3から出力される各種信号に基づき走行データを計測し、故障検出部5から出力される信号に基づき故障の有無を監視する。そして、上記軌跡データと上記走行データと故障情報とを、磁気ディスク、光磁気ディスク等の記録媒体を備えるデータ記録部4へ出力して記憶させる。
【0024】
また、故障が発生した場合には、警報手段6を動作させてドライバに故障発生を知らせる。尚、この警報手段6は、インストルメントパネル内に設けたウォーニングランプ、或いは、ナビゲーションシステムに組み込まれている液晶モニタ等であっても良い。
【0025】
一方、図2に示すように、上記データ解析装置Bが、装置本体11、表示部12とキーボード13、マウス14、及びプリンタ15で構成され、上記装置本体11に処理部11aが内蔵されている。
【0026】
次に、上記計測装置Aに設けたデータ処理部1で実行されるデータ計測ルーチンを、図3に示すフローチャートに従い説明する。
【0027】
計測装置AはイグニッションスイッチをONするとこれに連動して起動される。尚、別に起動スイッチを設け、イグニッションスイッチとは無関係に起動させる構成としても良い。
【0028】
先ず、ステップS1で、GPS受信回路2で受信したGPS衛星からの絶対位置情報に基づき測定した自車位置データに基づき走行軌跡を演算し、上記データ記録部5に記録する。次に、ステップS2で、走行データを示すセンサ或はスイッチからの出力信号を走行状態検出部3から読込み、データ記録部5に記録する。
【0029】
次いで、ステップS3へ進み。各制御ユニット7に故障が発生したか否かを表す故障信号を故障検出部5から取り入れる。
【0030】
そして、故障の発生が検出されると、ステップS4で故障発生時の位置データを走行軌跡データにリンクさせて記録し、ステップS5で警報手段6を作動させてドライバに故障発生を知らせ、ステップS6に進む。また、ステップS3で故障の発生が検出されなかったときは、そのままステップS6へ進む。
【0031】
ステップS6では、イグニッションスイッチがオフされたかを判定し、ONのときはステップS1へ戻り、オフのときは処理を終了する。
【0032】
運転者が警報手段7の作動により故障発生を知り、ディーラ等に車両を持ち込むと、ディーラ等では、データ記録部4に記録されている走行軌跡データ、走行データ、故障の発生位置をデータ解析装置Bの処理部11aに取り込み、当該車両の走行データの解析作業を行なう。
【0033】
この解析作業は、図4に示すデータ解析ルーチンに従って実行される。
作業者が上記データ解析装置Bのスイッチをオンすると、表示部12に選択メニューが表示され、作業者が「故障解析」の項目を選択すると、ステップS11で走行軌跡データが読込まれ、ステップS12で、走行軌跡データを上記表示部12に表示する。このとき、図5に示す様に、表示部12は、上下に2分割され、上段の画面12aに走行軌跡c、故障発生位置d及び故障発生時点での走行データeが表示される。
【0034】
次いで、ステップS13で、走行データを表示する区間が選択されたか否かを判定し、未だ選択されていないときは待機し、選択されたとき、ステップS14へ進む。
【0035】
走行データの表示区間は、例えば、図5に示すように、上記表示部12に表示されたポインタfをマウス14を操作することで走行軌跡cの解析対象上に移動させて表示区間を指定すると、上記走行軌跡c上に設定した走行区間c’が強調表示され、ステップS14では、対応する走行データが読み込まれ、ステップS15で、表示部12の下段の画面12bに走行データgを表示し、ルーチンを抜ける。尚、この場合、表示する走行データの種類を指定し、特定のデータのみ表示させる構成としても良い。
【0036】
作業者は表示部12に表示された故障が発生するまでの走行軌跡c、走行データgに基づき故障が発生するまでどのような走行が行われていたか、及び故障発生時の走行データを解析し、故障原因、及び故障個所を特定する。
【0037】
このように、本実施の形態によれば、故障発生の走行データのみならず、故障発生までの走行データを記録し表示するため、故障箇所のみならず故障原因についても解析し、特定することができる。
【0038】
尚、データ記録部5の記録媒体を交換可能に構成し、定期的に交換すれば記録容量不足によるデータの欠落を防止することができる。
【0039】
図6、図7に本発明の第2実施の形態を示す。
車両データの記録については、イグニッションがオンされてからオフされるまで全てのデータを記録することも可能であるが、必要なデータのみ記録させることも可能である。
【0040】
すなわち、図6に示すように、データ処理部1に取り外し可能なキーボード等の操作手段8を設け、閾値の設定を可能とし、通常の走行で発生すると考えられる走行データ以上のデータ値を測定した場合に、その走行データをのみ記録させる。
【0041】
具体的には、図7のフローチャートに示すように、ステップS21でデータ閾値をキーボード入力等により設定するか否かを判定し、設定しないときはステップS1へ進み、設定するときは、ステップS22へ進み、閾値を入力する。
【0042】
そして、S1,S2で自車位置、走行データを読み込み、ステップS3で故障が発生したか否かを判定し、故障が発生していなければ、ステップS23に進み、ステップS22で設定した閾値以上のデータだけを残して、所定時間または所定距離以前に記録した走行データを削除する。
【0043】
また、ステップS3で故障が発生したと判定したときは、ステップS4へ進み、故障発生位置を記録し、ステップS5で警報手段6を作動せることでドライバに故障の発生を知らせる。
【0044】
走行データの削除は、車両データのうちどれか一つでも、設定した閾値を超えていない場合のみ行ない、故障発生の所定時間または所定距離内のデータ及び、閾値を超えたデータは削除されないため、故障発生原因の解明に何ら障害を与えるものではない。
【0045】
本実施の形態によれば、必要以外のデータを削除するようにしたことで、データ記録部5に記録されるデータ量を減らすことができる。
【0046】
図8〜図11に本発明の第3実施の形態を示す。
上述した第1,第2実施の形態で示した計測装置Aとデータ記憶装置Bは故障発生時の故障原因解析のみならず、走行試験等により各種データを計測する計測装置としても使用することができる。以下、計測装置として使用した場合について説明する。
【0047】
一般に4輪操舵システム(4WS)等の制御システムを開発する際には、実車で様々な走行データを計測し、この計測した走行データを解析することで制御システムの動作評価を行なっている。
【0048】
走行データの計測は、図1に示す計測装置Aにより行ない、走行軌跡データ、走行データをデータ記録部4に記録する。
【0049】
作業者は計測が終了すると上記データ記録部4に記録されている走行軌跡データ、走行データをデータ解析装置Bの処理部11aに取り込み、解析作業を行う。
【0050】
この解析作業は、図8に示すデータ解析ルーチンに従って実行される。作業者が上記データ解析装置Bのスイッチをオンすると、表示部12に選択メニューが表示され、作業者が「データ解析」の項目を選択すると、ステップS31で各走行データの許容値の設定を行なうか否かを判定し、設定を行なうときはステップS32へ進み、また、行わないときはステップS33へジャンプする。
【0051】
ステップS32では、許容値を設定し、この許容値から外れるような走行データを計測した区間について識別が容易となるよう走行軌跡データの色、線の太さ等を代えて表示させる。
【0052】
続いて、ステップS33へ進むと、表示部12に、走行軌跡データを2次元表示するか、3次元表示するかの選択項目が表示され、作業者が2次元表示を選択すると、ステップS34へ進み、上記表示部12の上下に2分割された上段の画面12aに走行軌跡cを2次元表示する。
【0053】
次いで、ステップS35で、走行データ表示区間が確定したか否かが判定される。この走行データ表示区間は、例えば、図9に示すように、上記表示部12に表示されたポインタfをマウス14を操作することで走行軌跡cの解析対象上に移動させて表示区間を指定すると、上記走行軌跡c上に設定した走行区間c’が強調表示され、ステップS36で対応する走行データが読込まれ、ステップS37で表示部12の下段の画面12bに走行データhを表示し、ルーチンを抜ける。
【0054】
作業者は表示部12に表示された走行データhに基づき4WSシステム等の制御系の動作状態等を解析する。
【0055】
一方、上記ステップS33で、3次元表示を選択すると、ステップS38へ分岐し、走行軌跡を3次元表示するために、走行軌跡を一定距離、或は一定時間毎に移動させる画像処理を行ない、ステップS34へ戻り、表示部12の上段の画面12aに模擬的に3次元処理された走行軌跡cを表示する。
【0056】
この3次元表示は、例えば同一の走行コースを複数回周回したときに有効であり、図10に示すように、横軸に距離軸、或は時間軸を取ることで上記走行軌跡eが螺旋状に表示されるため、表示位置を指し示すポインタfをマウス14で操作して走行軌上の所望位置に素早く移動させることができ、更に、画面12aを視認しながら周回数を簡単にカウントすることができる。尚、マウス14に代えてジョイスティック、或いはキーボート上に配設されている矢印キーを用いてポインタfを操作しても良い。
【0057】
ところで、図11には表示部12の上段の画面12aに表示する走行軌跡、及び走行データの一例が示されている。同図(a)にはダブルレーンチェンジ時の走行軌跡cが表示されており、同図(b)に示すように初期の走行レーンへ車両を戻すときの区間Gをポインタfにより指定すると、同図(c)に示すように、表示部12には当該区間Gを走行時に計測した走行データhが直ちに表示される。
【0058】
このように、本実施の形態によれば走行軌跡の区間を指定することで、対応する走行データを読込むようにしているので、直線走行の走行データ、カーブ走行時の走行データ等、走行コースに対応した走行データを画面上に瞬時に表示させることができ、解析作業を直ちに開始することが可能となる。
【0059】
又、表示部12に表示された走行軌跡の中で、走行データが許容値を外れた区間では、その線色、線幅、線種等が変更して表示されるので、制御系の不具合を示す動作区間を素早く識別することができ、解析作業を迅速に進めることができる。
【0060】
尚、この場合、走行データの記録については、通常の走行時に計測されると考えられるデータ閾値を設け、この値を超えた場合にのみ走行データを記録させる構成とすることで、データ記録部4の記録容量を抑えることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、計測装置において実車時に走行軌跡データと走行データとを計測し、解析時には、データ解析装置において上記走行軌跡データに基づき解析対象となる走行区間を特定し、対応する区間の走行データを検索し表示するようにしたので、走行データの計測が比較的長距離に亘って行われた場合であっても、解析対象とする走行区間を容易に特定することができ、解析作業の迅速化、及び効率化を図ることができる。
【0062】
この場合、上記計測装置において、車両に搭載されている各制御ユニットの故障の有無を検出し、故障発生時の位置データを上記走行軌跡データにリンクさせた状態で記録することで、故障発生時の走行データに加えて走行軌跡データをも解析対象とすることができるため、故障原因、及び故障個所を特定するために必要なデータが十分に得られ、再現性のない故障であっても、その原因、及び故障個所を的確に特定することが可能になる。
【0063】
更に、表示部に表示された走行軌跡から所望の走行データ表示区間を特定することで当該走行区間の走行データを表示するようにしたので、作業者は故障原因の解析作業等において、解析対象となる走行区間の走行データを検索する必要が無く、解析作業の迅速化が図れる。
【0064】
又、上記各制御ユニットから故障が検出されないときは、走行データ記録用閾値以上の走行軌跡データ及び対応する走行データのみを記録するようすれば、データ記録部に記録するデータ容量の増加を抑制することができ、故障原因の解明に結びつくデータのみをより多く記録することが可能となる。
【0065】
更に、予め設定したデータ検索条件と異なる走行データが検出されたときは、検出位置に対応する上記走行軌跡上の走行区間を識別可能な表示にて表示するようにすれば、作業者は異常な走行データを示す区間を瞬時に識別することができ解析作業の効率化を図ることが可能となる。
【0066】
又、一定走行距離或いは一定時間毎に走行軌跡を移動させる3次元処理を行い、処理された三次元画像を表示部に表示することで、走行軌跡の認識度合いが向上し、解析作業をより一層効率よく行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施の形態による計測装置の回路ブロック図
【図2】同、データ解析装置の概略図
【図3】同、データ計測ルーチンを示すフローチャート
【図4】同、データ解析ルーチンを示すフローチャート
【図5】同、表示部に表示される走行軌跡及び走行データの説明図
【図6】第2実施の形態による計測装置の回路ブロック図
【図7】同、データ計測ルーチンを示すフローチャート
【図8】第3実施の形態によるデータ解析ルーチンを示すフローチャート
【図9】同、表示部に表示される走行軌跡及び走行データの説明図
【図10】同、表示部に3次元画像で表示される走行軌跡の説明図
【図11】同、表示部に表示される別の走行軌跡及び走行データの説明図
【符号の説明】
A,A’…計測装置
B…データ解析装置
1…データ処理部
2…受信回路
3…走行状態検出部
4…データ記録部
5…故障検出部
7…制御ユニット
11a…処理部
12…表示部
c…走行軌跡
c’…走行データ表示区間
h…走行データ

Claims (4)

  1. 車両に搭載され車両の走行状態を計測する計測装置と該計測装置で計測した走行データを読込み表示するデータ解析装置とからなる車両走行用データ記録解析装置において、
    上記計測装置は、外部から入力される測位情報を受信する受信回路と、自車の走行状態を検出する走行状態検出部と、上記受信回路で受信した測位情報に基づき自車位置を計測すると共に上記自車位置のデータに基づき自車の走行軌跡を演算し又上記走行状態検出部から出力される計測信号に基づき走行データを演算するデータ処理部と、上記データ処理部で演算した上記走行軌跡のデータ及び上記走行データを記録するデータ記録部と、上記車両に搭載されている各制御ユニットの故障の有無を検出する故障検出部とを備え、
    又上記データ解析装置は、上記データ記録部に記録されている上記走行軌跡のデータと対応する上記走行データとを読込む処理部と、上記両データを表示可能な表示部とを備え、
    上記データ処理部では、上記故障検出部で故障を検出したときの位置データを上記走行軌跡のデータにリンクさせた状態で上記データ記録部に記録し、
    上記処理部では、上記表示部に表示された走行軌跡から故障を検出したときの位置データを含む走行データ表示区間が特定されたときは当該走行データ表示区間に対応する走行データを上記データ記録部から読込み、故障発生までの走行データを上記表示部へ出力する
    ことを特徴とする車両走行用データ記録解析装置。
  2. 上記データ処理部には、走行データ記録用閾値が設定されており、上記故障検出部が故障発生を検出しないときは、閾値以上の上記走行軌跡のデータ及び上記走行データのみを上記データ記録部に記録することを特徴とする請求項記載の車両走行用データ記録解析装置。
  3. 上記データ処理部では、予め設定したデータ検索条件と異なる上記走行データが検出されたときは、上記表示部に表示された上記走行軌跡上の対応する走行区間を識別可能な表示に切換えることを特徴とする請求項1記載の車両走行用データ記録解析装置。
  4. 上記処理部では、一定走行距離或いは一定時間毎に走行軌跡を移動させる3次元画像処理を行い、処理された3次元画像信号を上記表示部へ出力することを特徴とする請求項1記載の車両走行用データ記録解析装置。
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