JP4020472B2 - 伸縮性布帛の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性エラストマーと伸長性不織布とを積層一体化して伸縮性布帛を製造する方法に関し、更に詳しくは十分な接合強度および良好な伸縮弾性が発現し得る伸縮性布帛を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
熱可塑性樹脂と織布や不織布とを積層一体化して得られる各種の積層シートが知られている。これらの積層シートは、一般に溶融ラミネート法により製造されており、各層はその全面において他の層と接合している。従って、このような積層シートでは、織布や不織布が本来有している布様の感覚が損なわれていまい、ドレープ感に欠けた、硬い感触のものになってしまう。
【0003】
そこで、熱可塑性樹脂からなるフィルムと織布や不織布とをホットメルト等の接着剤を用いて断続的に接着することにより、上述した溶融ラミネート法により製造される積層シートの有する問題点を解決する試みがなされている。しかし、この方法では、熱可塑性樹脂から一旦フィルムを製造する工程、及びそのフィルムを織布や不織布と接着する工程が余分に必要となり、また溶融ラミネート法では不要であった接着剤が必要となるため、コスト高になるという問題がある。
【0004】
また、特開平5−293906号公報においては、上述した各問題を解決することを目的として、熱可塑性樹脂を押し出しラミネート加工するに際し、プレスロール表面に凹凸を設けて、織布や不織布と熱可塑性樹脂とを部分的に圧着させる方法が提案されている。しかし、この方法では、熱可塑性樹脂として熱可塑性エラストマーを用い且つ織布や不織布として伸縮性布帛を用いた場合には、繰り返し引き伸ばされるのに耐え得るだけの接合強度が得られず、使用中に層間剥離が発生することがあり、逆に高い接合強度を得るために接合面積を大きくしようとすると、得られる伸縮性布帛の伸縮弾性が損なわれてしまい、ヒステリシスが大きくなったり或いは永久歪みが大きくなってしまうという欠点を有している。
【0005】
従って、本発明の目的は、繰り返し引き伸ばされるのに耐え得るだけの接合強度および良好な伸縮弾性を有する伸縮性布帛を製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、溶融ラミネート法で用いられるプレスロールとして特定の形状を有するものを用いることにより上記目的が達成されることを知見した。
【0007】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、溶融状態の熱可塑性エラストマーを伸長性布帛上に積層し、次いで凹凸形状が表面に形成されてなるプレスロールと受けロールとにより両者を押圧・一体化して伸縮性布帛を製造する方法において、上記プレスロールが、第1の凸部と、該第1の凸部よりも高さの低い第2の凸部とを有していることを特徴とする伸縮性布帛の製造方法を提供することにより上記目的を達成したものである(以下、第1発明というときは、この発明を意味する)。
【0008】
また、本発明は、溶融状態の熱可塑性エラストマーを伸長性布帛上に積層し、次いで凹凸形状が表面に形成されてなる受けロールとプレスロールとにより両者を押圧・一体化して伸縮性布帛を製造する方法において、上記受けロールが、第1の凸部と、該第1の凸部よりも高さの低い第2の凸部とを有していることを特徴とする伸縮性布帛の製造方法を提供するものである(以下、第2発明というときは、この発明を意味する)。
【0009】
第1発明の伸縮性布帛の製造方法においては、熱可塑性エラストマーと伸長性布帛との積層体が、プレスロールと受けロールとの押圧によって一体化する際に、プレスロールにおける第1の凸部と受けロールとによって強く押圧されると共に第2の凸部と受けロールとによってソフトに押圧されることによって、広い接合面積に亘ってソフトに接合が行われ、その結果、得られる伸縮性布帛に、繰り返し引き伸ばされるのに耐え得るだけの接合強度および良好な伸縮弾性が付与される。第2発明の伸縮性布帛の製造方法においても同様に、熱可塑性エラストマーと伸長性布帛との積層体が、受けロールにおける第1の凸部とプレスロールとによって強く押圧されると共に第2の凸部とプレスロールとによってソフトに押圧される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の伸縮性布帛の製造方法を、その好ましい実施形態に基づき、図面を参照して説明する。ここで、図1は、第1発明の第1の実施形態の伸縮性布帛の製造装置を示す概略図であり、図2は、図1におけるプレスロールの概略斜視図であり、図3は、図2におけるプレスロールを平面に展開した状態を示す図であり、図4は、図3におけるI−I線断面図であり、図5は、伸長性布帛と熱可塑性エラストマーとの接合状態を示す模式図である。
【0011】
図1に示すように、第1の実施形態において用いられる伸縮性布帛の製造装置10は、伸長性布帛11が繰り出されるアンワインダー12、熱可塑性エラストマー13が溶融押し出しされるTダイスロット14、プレスロール15、受けロール16、及び製造された伸縮性布帛17を巻き取るためのワインダー18を具備している。
【0012】
図1に示す装置10を用いた伸縮性布帛17の製造方法について詳述すると、先ず、アンワインダー12から伸長性布帛11が所定の速度で繰り出されると共にTダイスロット14からフィルム状の熱可塑性エラストマー13が溶融状態で押し出されて伸長性布帛11上に積層される。両者はプレスロール15と受けロール16との間を通過することにより、その押圧で一体化され伸縮性布帛17が製造される。この際、熱可塑性エラストマー13がプレスロール15と当接していると共に伸長性布帛11が受けロール16と当接している。得られた伸縮性布帛17はワインダー18によって巻き取られ、そのまま製品として用いられるか又は必要に応じて所定の後工程に付される。
【0013】
図1に示す装置10におけるプレスロール15は、図2に示すように、その表面に多数の凸部を有する凹凸形状をなしている。そして該凸部は、高さの高い第1の凸部20,20,・・・と、第1の凸部20よりも高さの低い第2の凸部21,21,・・・とから構成されている。
【0014】
第1の凸部20と第2の凸部21との配置状態は図3に示す通りであり、第1の凸部20は千鳥状に配置されている。一方、第2の凸部21は隣り合う第1の凸部20間の中央に一個ずつ配置されており、第1の凸部20と同様に千鳥状に配置されている。プレスロール15の回転方向Rにおける隣り合う第1の凸部20間の距離L(この距離Lは回転方向Rにおける隣り合う第2の凸部21間の距離でもある)は5〜20mm、特に5〜10mmとすることが好適である。距離Lが5mmに満たないと、伸長性布帛11と熱可塑性エラストマー13とが強固に接合する部位が多くなるため得られる伸縮性布帛17の伸縮物性が悪化することがあり、20mmを超えると、伸長性布帛11と熱可塑性エラストマー13との接着性が低下することがあるので上記範囲内とすることが好適である。一方、プレスロール15の幅方向Wにおける隣り合う第1の凸部20間の距離M(この距離Mは幅方向Wにおける隣り合う第2の凸部21間の距離でもある)は、上記間隔Lの場合と同様の理由により1〜10mm、特に2〜5mmとすることが好適である。
【0015】
第1の凸部20及び第2の凸部21は何れも円柱形状をしている。第1の凸部20の横断面の直径d1は、隣り合う第1の凸部20間の距離と密接な関係にあり、直径d1が小さい場合には該距離を小さくしないと個々の第1の凸部20に加わる圧力が大きくなって摩耗が早まってしまう。逆に直径d1が大きい場合には上記距離を大きくすることができるが、得られる伸縮性布帛17も使用目的・用途等によっては、直径d1を大きくできない場合もある。これらの事情を勘案すると、直径d1は0.5〜2.0mm、特に1.0〜1.5mmであることが好適である。一方、第2の凸部21の横断面の直径d2は、後述する第1の凸部20の高さH1と第2の凸部21の高さH2との差ΔHと関係しており、ΔHが大きければd2の値はある程度大きくすることができ、逆にΔHが小さい場合にはd2の値を小さくする必要がある。具体的には、d2は0.2〜2.0mm、特に0.5〜1.0mmであることが好適である。d2が0.2mmに満たないと、得られる伸縮性布帛17に十分な接合強度を付与できない場合がある。これはΔHが大きい場合に特に顕著である。一方、d2が2.0mmを超えると、得られる伸縮性布帛17の接合強度が大きくなり過ぎて伸縮物性が悪化してしまうことがある。これはΔHが小さい場合に特に顕著である。
【0016】
図3から明らかなように、第1の凸部20及び第2の凸部21はそれぞれプレスロール15の表面に均一に配置されている。この場合、プレスロール15を平面に展開した状態において(即ち図3に示す状態において)、直径10cmの円を考えたときに、当該円内に第1の凸部20は10〜65個、特に20〜40個存在するように配置されていることが好適である。一方、同円内に第2の凸部21は10〜100個、特に20〜60個存在するように配置されていることが好適である。
【0017】
同様にプレスロール15を平面に展開した状態において、第1の凸部20の合計面積は、プレスロール15の面積(即ち、プレスロール15の幅×円周)の1〜10%、特に1〜5%であることが伸縮性と接着性とのバランス面から好適である。一方、第2の凸部21の合計面積は、プレスロール15の面積の1〜20%、特に2〜10%であることが、同様の理由により好適である。また、第1の凸部20の合計面積と第2の凸部21の合計面積(前者/後者)は1〜20、特に1〜10であることが、やはり同様の理由により好適である。
【0018】
プレスロール15表面における基底部22から第1の凸部20の上端までの高さH1(図4参照)及び基底部22から第2の凸部21の上端までの高さH2には特に制限はなく、重要なのはH1とH2との差ΔHと、伸長性布帛11及び熱可塑性エラストマー13の厚さの合計との関係である。即ち、ΔHが該厚さの合計に比べて小さ過ぎると、第1の凸部20のみならず、第2の凸部21によっても押圧が行われてしまい、得られる伸縮性布帛17の接合強度が高くなりすぎて伸縮物性が悪化してしまう。逆に、ΔHが該厚さの合計に比べて大き過ぎると、第2の凸部21によるソフトな押圧が行われなくなってしまい十分な接合強度が得られず、得られる伸縮性布帛17の使用中に層間剥離が起こることがある。これらの事情を勘案すると、第1の凸部の高さH1と第2の凸部の高さH2との差ΔHは、伸長性布帛11及び熱可塑性エラストマー13の厚さの合計の50〜95%、特に70〜95%であることが好適である。
【0019】
上述の通り、第1の凸部20の高さH1及び第2の凸部21の高さH2の値に特に制限はないが、一般的な範囲として、H1は0.2〜2.0mmであり、H2は0.1〜1.9mmである。
【0020】
プレスロール15は、金属やプラスチック、ゴム等から構成されている。一方、プレスロール15と対になって使用される受けロール16は平滑ロールであり、プレスロール15と同様に金属やプラスチック、ゴム等から構成されている。
【0021】
プレスロール15と受けロール16による一体化の際の線圧は、伸長性布帛11及び熱可塑性エラストマー13の坪量等にもよるが、0.1〜10kg/cm、特に1〜5kg/cmであることが好適である。
【0022】
プレスロール15及び受けロール16を用いた伸長性布帛11と熱可塑性エラストマー13との一体化においては、図5に示すように、プレスロール15における第1の凸部20が熱可塑性エラストマー13に強い圧力で当接して該当接部における伸長性布帛11と熱可塑性エラストマー13とが高い接合強度で接合される。この状態においては、第2の凸部21は熱可塑性エラストマー13に当接はしているものの、その圧力は第1の凸部20による圧力ほど高くないので、該当接部における伸長性布帛11と熱可塑性エラストマー13とはソフトに接合される。その結果、広い接合面積に亘って接合が行われ、しかも接合の程度が適切になるので、得られる伸縮性布帛に、繰り返し引き伸ばされるのに耐え得るだけの接合強度および良好な伸縮弾性が付与される。
【0023】
伸長性布帛11としては、通常公知のものが特に制限なく用いられ、その例としては、スパンレース不織布、特開平1−321962号公報に記載のような縦伸長した連続長繊維不織布又はトリコット編布等が挙げられる。一方、熱可塑性エラストマー13としても通常公知のものが特に制限なく用いられ、その例としてはスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー又はエステル系エラストマー等が挙げられる。これらの材料の坪量に特に制限はなく、得られる伸縮性布帛17の使用目的・用途により様々であるが、一般的な範囲として、伸長性布帛11の坪量は10〜50g/m2 であり、熱可塑性エラストマー13の坪量は10〜100g/m2 である。
【0024】
得られる伸縮性布帛17の坪量にも特に制限はなく、使用目的・用途により様々であるが、一般的な範囲としては20〜200g/m2 である。
【0025】
次に、第1発明の第2の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。ここで、図6は、第2の実施形態に用いられる伸縮性布帛の製造装置を示す概略図であり、第1の実施形態における図1に相当する図である。図7は、第2の実施形態における伸長性布帛と熱可塑性エラストマーとの接合状態を示す模式図であり、第1の実施形態における図5に相当する図である。尚、第2の実施形態については上述した第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し同じ点については特に説明しないが、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図6及び図7に関し、図1及び図5と同じ部材には同じ符号を付した。
【0026】
本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態では二層構造の伸縮性布帛が製造されるのに対して、本実施形態では二枚の伸長性布帛間に熱可塑性エラストマーの層が介在してなる三層構造の伸縮性布帛が製造される点である。従って、図6に示すように、本実施形態に用いられる伸縮性布帛の製造装置10は、図1に示す伸縮性布帛の製造装置10と異なり、第2の伸長性布帛11’が繰り出されるアンワインダー12’を更に具備している。
【0027】
図6に示す装置10を用いた伸縮性布帛17の製造方法について詳述すると、先ず、アンワインダー12,12’から伸長性布帛11,11’がそれぞれ所定の速度で繰り出されると共にTダイスロット14からフィルム状の熱可塑性エラストマー13が溶融状態で押し出されて二枚の伸長性布帛11,11’間に積層される。この場合、二枚の伸長性布帛11,11’の材質や坪量等は同じでもよく或いは異なっていてもよい。これら三者はプレスロール15と受けロール16との間を通過することにより、その押圧で一体化され伸縮性布帛17が製造される。
【0028】
この一体化について図7を参照して説明すると、プレスロール15における第1の凸部20が第2の伸長性布帛11’に強い圧力で当接して該当接部における第2の伸長性布帛11’、熱可塑性エラストマー13および伸長性布帛11が高い接合強度で互いに接合される。この状態においては、第2の凸部21は第2の伸長性布帛11’に当接はしているものの、その圧力は第1の凸部20による圧力ほど高くないので、該当接部における第2の伸長性布帛11’、熱可塑性エラストマー13および伸長性布帛11はソフトに接合される。その結果、第1の実施形態の場合と同様に、広い接合面積に亘って接合が行われ、しかも接合の程度が適切になるので、得られる伸縮性布帛に、繰り返し引き伸ばされるのに耐え得るだけの接合強度および良好な伸縮弾性が付与される。
【0029】
以上、第1発明の伸縮性布帛の製造方法を、その好ましい実施形態に基づき説明したが、第1発明は上記実施形態に制限されるものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、プレスロール15においては、第1及び第2の凸部20,21に加えて、第2の凸部よりも高さの低い凸部を一種又は二種以上設けてもよい。
また、第2の凸部21は第1の凸部20間に一個配置されているが、これに代えて第2の凸部を二個以上配置してもよい。
また、第1及び第2の凸部20,21は何れも断面が円形であるが、これに代えて半円形、楕円形、矩形、三角形、その他の多角形、星形等の形状を用いてもよく、或いはこれらの形状の中から異なる形状のものを適宜組み合わせて用いてもよい。
また、第1及び第2の凸部20,21として、プレスロール15の幅方向に亘る直線状の条筋凸部や円周方向に亘る環状の条筋凸部を用いてもよく、或いはこれらの条筋凸部を図2〜図4に示す円柱状凸部を組み合わせて用いてもよい。
また、第2の実施形態では一層の熱可塑性エラストマーの両面に伸長性布帛を積層一体化して三層構造の伸縮性布帛となしたが、これに代えて、一層の伸長性布帛の両面に熱可塑性エラストマーを積層一体化して三層構造の伸縮性布帛となしてもよい。
【0030】
次に、第2発明について説明すると、第2発明が第1発明と異なる点は、第1発明では凹凸形状が表面に形成されてなるプレスロールと受けロールとを用いるのに対して、第2発明では凹凸形状が表面に形成されてなる受けロールとプレスロールとを用いる点である。これ以外の点については、第2発明は第1発明と同様であるので特に説明しないが第1発明に関して詳述した説明が適宜適用される。
【0031】
第2発明において用いられる受けロール及びプレスロールの材質は第1発明の倍と同様となされている。そして、受けロールには第1発明におけるプレスロールと同様の凹凸形状が表面に形成されており、またプレスロールは平滑ロールとなされている。斯かる受けロールとプレスロールとの組み合わせを用いた場合にも、第1発明の場合と同様の効果が奏される。
【0032】
本発明の方法によって製造される伸縮性布帛は、例えば使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品の外層材、医療用シーツ、手術着等として好適に用いられる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明の伸縮性布帛の製造方法を更に詳細に説明すると共にその有効性を例証する。しかしながら、本発明の範囲は斯かる実施例に制限されるものではない。
【0034】
〔実施例1〕
図6に示す製造装置10によって、二枚の伸長性布帛間に熱可塑性エラストマーが介在してなる三層構造の伸縮性布帛を製造した。
先ず、伸長性布帛としてレーヨンのスパンレース不織布(坪量90g/m2 )を二枚用い、熱可塑性エラストマー〔ダウケミカル製のエンゲージEG8200(商品名)〕をTダイスロットから押し出して、このスパンレース不織布間に溶融ラミネートした(坪量40g/m2 )。Tダイスロット下のプレスロールは金属製で、図2〜図4に示す凹凸形状を有するものであり、第1及び第2の凸部に関して、L=10mm、M=2.0mm、d1=0.7mm、d2=0.4mm、H1=0.7mm、H2=0.4mmであった。このプレスロールとゴム製の受けロールとを用いて、スパンレース不織布と熱可塑性エラストマーとを一体化し、伸縮性布帛を得た。
【0035】
〔実施例2〜4並びに比較例1及び2〕
実施例1で用いたプレスロールにおける第1及び第2の凸部に関する諸元を表1に示す通りとする以外は実施例1と同様にして三層構造の伸縮性布帛を得た。
【0036】
実施例および比較例で得られた伸縮性布帛の性能を評価するため、下記の方法により接合強度を測定すると共に伸縮物性(応力比および永久歪み)を評価した。その結果を表1に示す。
【0037】
<接合強度の測定>
引張試験〔オリエンテック社のテンシロン(商品名)〕を用い、サンプル幅25mm、チャック間距離100mm、引張速度300mm/分の条件でサンプルを200%伸長させた。伸長後のサンプルについて、図8に示すように、引張速度300mm/分の条件で180°剥離試験を行い、スパンレース不織布11一層と、熱可塑性エラストマー13及びスパンレース不織布11’からなる二層との間の接合強度(cN/25mm)を測定した。
【0038】
<伸縮物性の評価>
引張試験〔オリエンテック社のテンシロン(商品名)〕を用い、サンプル幅25mm、チャック間距離100mm、引張速度300mm/分の条件でサンプルを100%伸長後回復させた際の(50%伸長時応力S1 ÷50%回復時応力S2 )の値、即ち応力比(S1 /S2 )を測定し(図9参照)、伸縮物性の尺度とした。この応力比の値が小さいほど伸縮物性が優れていることを意味する。また、この応力比の測定と同時にサンプルの永久歪みD(%)、即ち(伸長後長さ−伸長前長さ)÷(伸長前長さ)を測定した(同図参照)。この永久歪みDの値が小さいほど伸縮物性が優れていることを意味する。
【0039】
【表1】
Figure 0004020472
【0040】
表1に示す結果から明らかなように、本発明の方法により製造された伸縮性布帛(実施例1〜4)は、従来の方法により製造された伸縮性布帛(比較例1及び2)に比して、接合強度が同程度でも伸縮物性が良好であることが判る。
【0041】
【発明の効果】
以上、詳述した通り、本発明の製造方法によれば、繰り返し引き伸ばされるのに耐え得るだけの接合強度および良好な伸縮弾性を有する伸縮性布帛が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の第1の実施形態の伸縮性布帛の製造装置を示す概略図である。
【図2】図1におけるプレスロールの概略斜視図である。
【図3】図2におけるプレスロールを平面に展開した状態を示す図である。
【図4】図3におけるI−I線断面図である。
【図5】伸長性布帛と熱可塑性エラストマーとの接合状態を示す模式図である。
【図6】第1発明の第2の実施形態に用いられる伸縮性布帛の製造装置を示す概略図(図1相当図)である。
【図7】第1発明の第2の実施形態における伸長性布帛と熱可塑性エラストマーとの接合状態を示す模式図(図5相当図)である。
【図8】実施例および比較例で得られた伸縮性布帛の接合強度の測定方法を示す模式図である。
【図9】実施例および比較例で得られた伸縮性布帛の伸縮物性(応力比および永久歪み)の測定方法を示す模式図である。
【符号の説明】
11 伸長性布帛
13 熱可塑性エラストマー
15 プレスロール
16 受けロール
17 伸縮性布帛
20 第1の凸部
21 第2の凸部

Claims (9)

  1. 溶融状態の熱可塑性エラストマーを伸長性布帛上に積層し、次いで凹凸形状が表面に形成されてなるプレスロールと受けロールとにより両者を押圧・一体化して伸縮性布帛を製造する方法において、上記プレスロールが、第1の凸部と、該第1の凸部よりも高さの低い第2の凸部とを有していることを特徴とする伸縮性布帛の製造方法。
  2. 隣り合う上記第1の凸部間に少なくとも一個の上記第2の凸部が存在していることを特徴とする請求項1記載の伸縮性布帛の製造方法。
  3. 上記第1の凸部の高さと、上記第2の凸部の高さとの差が、上記熱可塑性エラストマー及び伸長性布帛の厚さの合計の50〜95%であることを特徴とする請求項1又は2記載の伸縮性布帛の製造方法。
  4. 隣り合う上記第1の凸部間の距離が5〜20mmであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の伸縮性布帛の製造方法。
  5. 上記第1の凸部の合計面積が上記プレスロールの面積の1〜10%で且つ上記第2の凸部の合計面積が該プレスロールの面積の1〜20%であり、該第1の凸部の面積と該第2の凸部の面積との比(前者/後者)が1〜20であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の伸縮性布帛の製造方法。
  6. 上記第1の凸部および上記第2の凸部が何れも円柱形状であり、該第1の凸部および該第2の凸部の横断面の直径がそれぞれ0.5〜2.0mm及び0.2〜2.0mmであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の伸縮性布帛の製造方法。
  7. 上記熱可塑性エラストマーが、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ウレタン系エラストマー又はエステル系エラストマーからなることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の伸縮性布帛の製造方法。
  8. 上記伸長性布帛が、スパンレース不織布、縦伸長した連続長繊維不織布又はトリコット編布からなることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の伸縮性布帛の製造方法。
  9. 溶融状態の熱可塑性エラストマーを伸長性布帛上に積層し、次いで凹凸形状が表面に形成されてなる受けロールとプレスロールとにより両者を押圧・一体化して伸縮性布帛を製造する方法において、上記受けロールが、第1の凸部と、該第1の凸部よりも高さの低い第2の凸部とを有していることを特徴とする伸縮性布帛の製造方法。
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