JP4020467B2 - 細胞接着活性ペプチド - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な細胞接着活性を有するペプチド、及びそれを含有する医薬品に関する。
【0002】
本発明において、アミノ酸の名称は以下のように省略する。
アラニン A or Ala
アルギニン R or Arg
アスパラギン N or Asn
アスパラギン酸 D or Asp
システイン C or Cys
グルタミン Q or Gln
グルタミン酸 E or Glu
グリシン G or Gly
ヒスチジン H or His
イソロイシン I or Ile
ロイシン L or Leu
リジン K or Lys
メチオニン M or Met
フェニルアラニン F or Phe
プロリン P or Pro
セリン S or Ser
トレオニン T or Thr
トリプトファン W or Trp
チロシン Y or Tyr
バリン V or Val
【0003】
【従来の技術】
病気の発見や診断に関して、血液、リンパ液、尿等の体液中に含有される各種成分の有無並びにその量を知ることは極めて重要なことであり、また、病気の原因となる物質に対する薬剤の投与により、ほとんどの病気は治療される。例えば、尿或いは血液など体液中のブドウ糖の量を知ることは、糖尿病の早期発見、診断、並びに管理に必要不可欠であり、インスリンの投与により生体内のブドウ糖量が減少する。
また、原因物質に対する抗体の利用による病気の治療や、原因物質の活性部位のみを競合物質として治療薬とする試みもされている。
【0004】
動物細胞の細胞外基質に対する接着性に関与する因子として、フィブロネクチン、ビトロネクチン、オステオポンチン、コラーゲン、トロンボスポンジン、フィブリノーゲンおよびフォンビルブランド(von Willebrand)因子などの各種粘着タンパク質が知られている。これらのタンパク質は、トリペプチドの-Arg-Gly-Asp-(RGD配列)を細胞認識部位として含む。
このトリペプチドは、二つの膜に結合したサブユニットからなるヘテロ二量体タンパク質である受容体インテグリン(integrin)に属する少なくとも一つのタンパク質によって認識される[1]。RGD配列を認識する構造的に関連するインテグリン受容体は、血小板の細胞外表面糖タンパク質GPIIb/IIIaや内皮細胞、白血球、リンパ球、単球、顆粒球に発現していることが知られている。
RGD配列を有する化合物は細胞接着因子が結合する被接着部位と競合的に結合することにより、細胞接着因子が結合することを阻害する。このようなRGD配列を有する細胞接着阻害物質としては、例えばH-Gly-Arg-Gly-Asp-Ser-Pro-OHが知られている。
【0005】
血管が障害を受けると、血管内皮下のコラーゲンなどで血小板が活性化され、血小板へのフィブリノーゲン、フォンビルブランド因子などの粘着タンパク質の結合を通じて血小板凝集が生じ、血栓が形成される。血小板とフィブリノーゲン、フォンビルブランド因子などの粘着タンパク質との相互作用はGPIIb/IIIaを介して起こり、これが血小板凝集の重要な特徴である。
したがって細胞接着阻害物質はトロンビン、エピネフリン、ADP、コラーゲンなどの血小板凝集惹起物質や高ずり応力などの物理的血小板刺激条件による血小板凝集を阻害することができる。また、細胞接着阻害物質は、癌細胞の転移の抑制あるいは阻害(転移先での細胞固定化、浸潤の阻止)のための薬剤として期待されている。さらに、細胞接着阻害物質は、破骨細胞の骨表面への結合を阻害し、骨吸収を抑制する骨粗鬆症の治療のための薬剤として期待されている。また、細胞接着阻害物質は、単球、好中球、リンパ球などの血管壁への結合、浸潤を阻害し、アレルギー疾患をはじめとする各種の炎症を抑制する薬剤として、また動脈硬化の治療薬として期待されている。公知の細胞接着阻害物質として、-Arg-Gly-Asp-(RGD)のアミノ酸配列を含む線状ペプチドあるいは環状ペプチドが知られている[2][3]。
【0006】
このように、RGD配列は、生体内に存在する一群の接着因子と呼ばれる蛋白質に共通のアミノ酸配列であり、この部位が細胞を接着させる活性を持つ。また、癌の浸潤や転移においては、これらの接着因子がその細胞接着活性に基づいて、癌細胞の運動性に深く関与していることが知られている。そこで、これらの接着因子に対する中和抗体や、或いはRGD配列の重合体、更には接着因子そのものの重合体を治療薬として用いることにより、癌の浸潤や転移を抑制することが試みられている。
【0007】
例えば、[4]では、癌細胞を移植したマウスに、合成したRGD重合体を投与することにより、コントロール群よりも癌の転移が抑制され、癌由来の血管新生も抑制される結果が得られている。これはRGD配列を持つフィブロネクチンに対する、細胞の遊走性をRGD重合体が阻害しているためであった。
また、[5]では、癌細胞を移植したマウスに、重合処理を施したフィブロネクチンを投与することによって、癌の浸潤が抑制される結果が得られている。これは、フィブロネクチン重合体が、細胞の伸展性や遊走性を阻害しているためであった。
【0008】
一方、細胞接着活性を有するタンパク質としてAMD(Angiomodulin)/TAF(Tumor−derived Adhesion Factor)と呼ばれる蛋白質も知られている。この蛋白はRGD配列を含まないにも関わらず、細胞接着活性を有する蛋白質である。AMD/TAFのアミノ酸配列を配列2に示す。
AMD/TAFは、ヒト膀胱癌細胞株EJ−1が多量に分泌する分子量約30,000の蛋白で、その培養上清中から精製される。このAMD/TAFが、ヒト臍帯静脈由来内皮細胞株ECV−304細胞やラット肝細胞由来細胞株BRL細胞の接着を促進する活性を有することより、Tumor−derived Adhesion Factor(TAF)と呼ばれた[6]。
【0009】
また、AMD/TAFは、腫瘍組織の血管基底膜に多量に存在し、血管基底膜の構成成分であるIV型コラーゲンと親和性があり、癌近傍で形成された新生血管に蓄積され、血管新生への関与が示唆されたことよりAngiomodulin(AMD)と改名され[7]、現在ではAMD/TAFと略称される。
【0010】
また、AMD/TAFにはIGFBP(インスリン様成長因子結合蛋白)に似た細胞増殖促進活性があることが報告され、また、新規のIGFBPファミリーであるという報告も得られている。[8][9]
【0011】
また、AMD/TAFは、アクチビンに特異的に結合するフォリスタチンに類似しており、癌細胞の成長を抑制する働きがあることが報告され、さらに、プロスタサイクリンの産生を促進する活性があることが報告され、更にまた、生体内での広い分布と、糖尿病における腎臓での発現の低下が報告されている。[10][11][12]
【0012】
このようにAMD/TAFは、生体内に広く分布する分泌性の蛋白質であり、これまでに分かっている活性からも明らかなように、生体内で重要な働きを担っていることが十分に予想される。未だ不明の点も多いが、癌や糖尿病等の様々な病気に関与していると考えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
AMD/TAFは、細胞接着活性を有するが、その分子内にRGD配列のような既知の細胞接着部位を持たない。そこで本発明は、AMD/TAFと同等の細胞接着活性を有する活性部位の部分ペプチドのアミノ酸配列を明らかにし、またその部分ペプチドを含有する医薬品を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、AMD/TAF内の細胞接着活性部位について鋭意検討した結果、配列1で表される塩基性アミノ酸を多く含む領域 GMECVKSRKRRKGKAGAAAG の部位がAMD/TAFの活性部位であることを突き止め、本発明を完成した。
【0015】
すなわち、本発明は
(1) 配列1で示されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する細胞接着活性ペプチド。
(2) (1)の細胞接着活性ペプチドをコードする遺伝子
(3) (2)の細胞接着活性ペプチドをコードする遺伝子を含むベクター
(4) (3)のベクターを保持する形質転換体
(5) (1)のペプチドに対する抗体
(6) (5)の抗体を含有する(1)のペプチドもしくは該ペプチドを含有する蛋白質の検出用試薬
(7) (1)のペプチドを含有する医薬品
(8) (1)のペプチドを含有する細胞接着阻害剤
である。
【0016】
本発明の細胞接着活性を示すペプチドは配列1で表される。本配列は配列2で表されるAMD/TAFの84〜103の部位に相当し、AMD/TAFと同等の細胞接着活性を示し、さらにAMD/TAFの細胞接着活性を競合的に阻害することより、AMD/TAFの活性中心部位であると考えられる。
【0017】
本発明の配列1で表されるAMD/TAFの部分ペプチドは、通常のペプチド合成方法、例えばFmoc法により調製することができる。Fmoc法は、α−アミノ基を9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基、側鎖官能基をt−ブチルアルコール系保護基で保護する方法で、Fmoc基を第二級アミンであるピペリジンにより脱保護しつつFmocアミノ酸を縮合し、最後に側鎖保護基をトリフルオロ酢酸のような弱酸により脱保護する。つまり、合成しようとするペプチドのC末端側より、α−アミノ保護基の選択的除去、保護アミノ酸の縮合という一連の操作を繰り返して保護ペプチド鎖を構築し、側鎖官能基の保護基を脱保護することにより、目的のペプチドを得ることができる。またペプチド自動合成機で合成してもよい。
このようにして得られたペプチドは、元の蛋白質であるAMD/TAFと同等の細胞接着活性を示し、更にAMD/TAFの細胞接着活性を競合的に阻害する。
【0018】
また、本発明のペプチドは、それをコードするDNAを適当な発現用ベクターに組み込んで発現用の宿主を形質転換することによって得ることもができる。配列1に示した本発明のペプチドは、一般的なホスト・ベクター系で十分に高い生産量を期待できる。
【0019】
また本発明の配列1のペプチドを抗原として、ポリクローナル抗体やモノクローナル抗体を通常の方法で作成することが可能である。ポリクローナル抗体であれば本発明のペプチドを抗原としてウサギやヤギ等の動物に免疫し、動物の血液中に出現するポリクローナルな抗体を精製して用いればよい。
またKohlarとMilsteinの報告[13]に従って、モノクローナル抗体を作成してもよい。また、抗体の遺伝子をクローニングして大腸菌や培養細胞で抗体を製造してもよい[14]。
従来、細胞融合により製造されるモノクローナル抗体は、その大部分がマウス由来であったが、遺伝子組み換えにより製造される抗体は、抗体分子の可変領域と定常領域の組み合わせに自由度が増し、抗体の利用範囲を大きく広げた。中でもヒト以外の動物を免疫して得られた抗体分子の可変領域に、ヒトの抗体分子の定常領域を結合して作るヒト型キメラ抗体は、ヒトに投与した際の抗原性、免疫活性、安定性等の点で他の抗体より優れており、体内診断薬や治療薬への応用が試みられている。[15]では、そうしたヒト型キメラ抗体を簡便に作成するための抗体可変領域遺伝子の増幅用プライマーとキメラ抗体製造用ベクターが開示されている。
【0020】
このようにして得られた抗体を用いて配列1のペプチドもしくは該ペプチドを含有する蛋白質の検出が可能である。測定方法としては、抗原抗体反応を利用した通常の各種のイムノアッセイが利用できる。たとえば、EIA、RIA、凝集法、比濁法などがあげられる。
【0021】
生体内で重要な役割を果たすと考えられるAMD/TAFは、病気によって血液等の体液中濃度に変動が生じることが十分に予想される。従って、AMD/TAFの血液、リンパ液、尿等の体液中の濃度を測定することは、病気の発見、診断に有用であると考えられる。例えば、上記抗体をもちいて既知の技術を利用することにより、AMD/TAFに対する特異的な抗体を用いた測定系を容易に作成することができるため、病気の発見、診断に利用可能となる。その場合、本発明の配列1のペプチドに対する抗体をそのまま利用すればよい。
【0022】
本発明のペプチドは、生体内に広く分布するAMD/TAFの、癌等の病気に関わる生理的機能を、競合的に阻害する。従って本発明のペプチドは医薬として有用である。
また、この部位の活性を阻害するような中和抗体も、癌等の病気に関わるAMD/TAFの生理的機能を阻害すると考えられる。従って本発明のペプチドの中和抗体も医薬として有用とかんがえられる。
【0023】
本発明の配列1のペプチドは、医薬品例えば、細胞接着阻害剤として有用であり、例えば、哺乳動物の末梢動脈閉塞症、不安定狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの循環器系疾患をはじめ、リウマチ、腫瘍、骨粗鬆症、冠動脈硬化症等に対する安全で低毒性の予防・治療剤として用いることができる。本発明の医薬品は、例えば、哺乳動物(例、ラット、マウス、モルモット、トリ、ヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、サル、チンパンジー、ヒト等)などに使用することができる。
本発明の医薬品は、本発明のペプチドを、公知の方法により薬理学的に許容される担体と混合することにより得られる。本剤は、非経口剤として、例えば、注射剤,点滴剤,外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤など),坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤など)、経口剤として、例えば、カプセル剤,錠剤,シロップ剤,散剤もしくは顆粒剤またはそのほかの医薬組成物として経口的または非経口的に投与することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の配列1のペプチドはAMD/TAFと同等の細胞接着活性を示し、また競合的にAMD/TAFの活性を阻害する。従って、医薬品例えば、細胞接着阻害剤として有用である。
また本発明のペプチドに特異的な抗体を用いれば、AMD/TAFの体液中の濃度の測定が可能になり、種々の病気の発見、診断に有用であると考えられる。
【0025】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明する。なお、下記実施例は単に説明のためのものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【実施例】
【0026】
実施例1 配列1のペプチドの合成
ペプチド自動合成機(アプライドバイオシステムズ社、430Aペプチド自動合成機)を用いてFmoc法により配列1のペプチドの合成行った。430Aは、全ての操作をバッチ法で行う全自動装置であり、アミノ酸誘導体の活性化槽、濃縮槽、縮合槽の三つの容器が時間効率よく連動し、ペプチド鎖の伸長反応を時間的にも化学的にも能率よく進行する。
4−ヒドロキシメチル−フェノキシ−メチル−コポリスチレン−1%ジビニルベンゼンを固相樹脂とし、Fmoc法によりペプチドの合成を行った後、5%フェノール−2.5%EDT−5%チオアニソール−5%蒸留水−82.5%トリフルオロ酢酸で切り出しを行い、エーテル沈殿ろ過により回収し、50%酢酸により溶解した。得られた粗ペプチドは、逆相HPLC(東ソー社、カラムODS−80TM)を用いて、0.1%トリフルオロ酢酸−5%アセトニトリル−95%蒸留水と、0.1%トリフルオロ酢酸−95%アセトニトリル−5%蒸留水による2液直線勾配(グラデイエント)により溶出させることによって、精製した。
精製前の粗ペプチドのクロマトグラムを図1に、精製後のペプチドのクロマトグラムを図2に示す。
【0027】
実施例2 本発明のペプチドとAMD/TAFの細胞接着活性の比較
実施例1で調製した合成ペプチドを用いて、AMD/TAFと本発明のペプチドの細胞接着活性を比較した。
1.AMD/TAFまたはペプチドの希釈系列(0〜2500nM)をELISA用96穴プレートにコートし、
2.1%BSA-PBS(−)でブロッキングし、
3.分散させた細胞を添加後、
4.37℃ 5%CO2下で2時間incubateする。
5.Glutaraldehydeで接着した細胞を固定し、
6.Hoechst33342(蛍光色素)で染色し、
7.各wellの蛍光強度を測定した。
(1%BSA-PBS(−):牛血清アルブミンを1%含有する、Ca2+、Mg2+を含まないPhosphate Buffered Saline)
図3上段にヒト臍帯静脈由来内皮細胞株ECV−304を用いた場合の結果を、下段にマウス繊維芽細胞株BALB/c3T3を用いた場合の結果を示す。
本ペプチドの濃度の増加に伴って接着細胞数(蛍光強度)も増加することより、本ペプチドはAMD/TAFと同等の細胞接着活性を有することが認められた。
【0028】
実施例3 AMD/TAFの接着活性に対する本ペプチドの影響
1.AMD/TAF(2μg/ml)をELISA用96穴plateにコートし、
2.1%BSA-PBS(−)でブロッキングし、
3.分散させたECV−304細胞を、各濃度の本発明のペプチドとともに添加し、
4.37℃ 5%CO2下で2時間incubate後、
5.Glutaraldehydeで接着した細胞を固定し、
6.Hoechst33342(蛍光色素)で染色し、
7.各wellの蛍光強度を測定した。
結果を図4に示す。
添加した本発明のペプチドの濃度依存的にAMD/TAFのECV−304細胞への接着能は低下した。
【0029】
実施例4 プレートに固定した細胞へのAMD/TAFの接着活性に対する本ペプチドの影響
1.ELISA用plateにフィブロネクチン(5μg/ml)をコートし、2.分散させたECV−304細胞を添加し、incubateし、プレートに接着し、
3.Glutaraldehydeで接着した細胞を固定し、
4.GlycineでGlutaraldehydeを中和後、
5.Caseinでブロッキングする。
6.さらにAMD/TAF(3μg/ml)と各濃度の本発明のペプチドを添加し、
7.1%BSA−PBS(−)で再びブロッキングし、
8.1/1000希釈した抗AMDモノクローナル抗体を添加し、
9.1/1000希釈したビオチン化抗マウスIgG抗体を添加し、
10.1/1000希釈したPOD標識アビジンを添加し、
11.発色基質としてp−ニトロフェニルリン酸を添加し、
12.各wellのABS405を測定した。
結果を図5に示す。
固定したECV−304細胞に対するAMD/TAFの結合も添加したペプチドの濃度依存的に低下した。
これらの結果より、本発明のペプチドはAMD/TAFの細胞接着活性を競合的に阻害していると考えられる。
【0030】
実施例5 本発明のペプチドの血管様構造形成阻害作用
1.ヒト臍帯静脈由来内皮細胞株ECV−304を培養用24well plateでconfluentになるまで培養し、
2.I型コラーゲン(100μg/ml)、Heparin(100μg/ml)、ペプチド(100μM)をそれぞれ含む培地で、37℃ 5%CO2下でincubate(overnight)し、
4.免疫染色し写真撮影する。
結果を図6(図面代用写真)に示す。
ECV−304細胞は通常の培養では(a)のように敷石状の単層状態になる。
(b)I型コラーゲンを添加すると細胞が接着し、単層の上に盛り上がった血管様構造を形成する。
(c)コラーゲンとヘパリン(細胞接着阻害剤)を添加すると、血管様構造形成のヘパリンによる阻害が起こる。
(d)コラーゲンと本発明のペプチドを添加すると、細胞接着が本ペプチドにより阻害され、血管様構造形成が阻害された。
【0031】
引用文献
[1]Science、 238、 491 (1978)
[2]J.Biol.Chem.,262,17294(1987)
[3]特開平2−174797
[4]Jpn.J.Cancer Res.81、668−675(1990)
[5]Nature Medicine 2、1197−1203(1996)
[6]Biochem.Biophys.Res.Commun.198、1046−1053(1994)
[7]Proc.Natl.Acad.Sci.USA、 93、8384−8389(1996)
[8]Cell Growth&Differ 7、1671−1677(1996)
[9]J.Biol.Chem.271、30322−30325(1996)
[10]Oncogene 12、1361−1364(1996)
[11]Biochem.J. 303、591−598(1994)
[12]Diabetes 45、S111−S113(1996)
[13]Nature、256、495−497 (1975)
[14]Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81、6851−6855 (1984)
[15]特開平7−135978
【0032】
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】精製前の粗ペプチドのクロマトグラム
【図2】精製後のペプチドのクロマトグラム
【図3】上段:ヒト臍帯静脈由来内皮細胞株ECV−304、下段:マウス繊維芽細胞BALB/c3T3細胞を用いた場合の本ペプチドとAMD/TAFの細胞接着活性の比較
【図4】AMD/TAFの接着活性に対する本ペプチドの影響
【図5】プレートに固定した細胞へのAMD/TAFの接着活性に対する本ペプチドの影響
【図6】本発明のペプチドの血管様構造形成阻害作用 a:無処理、b:コラーゲン、c:コラーゲン+ヘパリン、d:コラーゲン+本発明のペプチド
Claims (6)
- 配列1で示されるアミノ酸配列からなる細胞接着活性ペプチド
- 請求項1の細胞接着活性ペプチドをコードする遺伝子
- 請求項2の細胞接着活性ペプチドをコードする遺伝子を含むベクター
- 請求項3のベクターを保持する形質転換体
- 請求項1のペプチドを含有する医薬品
- 請求項1のペプチドを含有する細胞接着阻害剤
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