JPH08208692A - 新規な細胞接着抑制ペプチド誘導体 - Google Patents

新規な細胞接着抑制ペプチド誘導体

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JPH08208692A
JPH08208692A JP7276418A JP27641895A JPH08208692A JP H08208692 A JPH08208692 A JP H08208692A JP 7276418 A JP7276418 A JP 7276418A JP 27641895 A JP27641895 A JP 27641895A JP H08208692 A JPH08208692 A JP H08208692A
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JP
Japan
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amino acid
peptide
cell adhesion
gly
acid sequence
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JP7276418A
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English (en)
Inventor
Michio Matsuda
道生 松田
Shinji Asakura
伸司 朝倉
Esuteru Uerunaa Miyuuraa
ミューラー・エステル,ウェルナー
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Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な癌転移抑制剤、血小板凝集抑制剤、創傷
治癒剤、炎症治療剤、動脈疾患治療剤および糸球体腎炎
治療剤の提供。 【解決手段】本発明は、高分子キニノゲンL鎖中の部分
アミノ酸配列(例えば、GlyLysGluGlnGlyHisThrArgArgH
isAspTrpGlyHisGluLysGlnArgLys 等)を有する新規な細
胞接着抑制ペプチドに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞接着抑制活性
を有し、癌転移抑制剤、血小板凝集抑制剤、創傷治癒
剤、炎症治癒剤、動脈硬化抑制剤または糸球体腎炎治療
剤として有用な新規なペプチド誘導体に関する。
【0002】
【従来技術】細胞と間質結合組織との接着に関与し、動
物細胞の細胞機能に関連した多彩な生理活性を持つ蛋白
質は、細胞接着活性蛋白質と呼ばれており、このような
蛋白質としては、例えばフィブロネクチン、ラミニン及
びビトロネクチン等が知られている。フィブリノーゲン
は、血小板膜糖タンパク複合体IIb/III a(β3 イン
テグリン)と相互作用して、血小板の凝集を引き起こす
ことが知られている(実験医学、Vol.10 No.11 1382(19
92))。これらの、細胞接着活性蛋白質は、構造的に類似
したいくつかのファミリーを形成しており、これら細胞
接着活性蛋白質を阻害する物質も最近明らかにされつつ
ある。
【0003】一般に、細胞接着活性蛋白質は、例えば前
述のような種々の生物活性を有することから、それを制
御する物質についての研究が近年盛んに行われており、
例えば、ビトロネクチンやフィブロネクチンの接着コア
であるトリペプチド Arg-Gly-Asp(以下、RGDとい
う)には、癌の転移を抑制することが確認されている
(Humphries, M. J.ら:Science, 233, 467(1986))。さ
らに、このような接着コアの繰り返し構造からなるポリ
マーペプチドは、そのモノマーペプチドに比べ強い血小
板凝集抑制活性および癌転移抑制活性を示すことが知ら
れている(東ら,特開平2-174798号公報)。しかしなが
ら、上記の様なRGD誘導体では、ビトロネクチンとフ
ィブロネクチンに共通する接着コアに対応するものであ
るため、この両者を選択、区別して細胞接着を抑制する
ことができない。ところが、2本鎖高分子キニノゲンで
は、細胞接着抑制に対する選択性が高く、フィブロネク
チンを介しての細胞接着を抑制せず、ビトロネクチンや
フィブリノーゲンを介しての細胞接着を抑制することが
知られている( Asakura et al.,J.Cell.Biol.116:465-
472,1992 )。
【0004】2本鎖高分子キニノゲンは、血漿から得ら
れる接触系凝固因子の一つであり、このように血液凝固
に関するだけでなく、細胞接着にも密接に関係している
との興味ある事実が示されている。すなわち、2本鎖高
分子キニノゲンがその活性を阻害する細胞接着活性蛋白
質のビトロネクチンは、被接着細胞のレセプターと結合
し、その情報を接着細胞に伝達する役割を果しており、
細胞と間質結合組織との接着、細胞の伸展、移動や接触
走性にも関与していることが知られている(藤本大三郎
編、「細胞外マトリックスのバイオサイエンスとバイオ
テクノロジー」、125 頁(平成2年4月10日発
行))。また、Asakura et al.,J.Cell.Biol. 116:465-
472 (1992)によれば、2本鎖高分子キニノゲンは、ビト
ロネクチンやフィブリノーゲンを介しての細胞接着阻害
物質(アンチ−インテグリン)であり、そのL鎖のヒス
チジン−リッチ領域( 372位〜 523位)が細胞接着阻害
活性に重要であるであろうことが示唆されている。
【0005】「腎と透析」 1994 年 臨時増刊号 198-2
03頁には、以下の記載がある。メサンギウム細胞には種
々のインテグリンが発現しており、糸球体腎炎において
は、そのインテグリンの発現が増加する。その発現が増
加したインテグリンの役割としては、メサンギウム細胞
が増殖してメサンギウム領域が拡大していく際の細胞外
基質と結合する足場となる役割が推定されている。RG
Dぺプチドは、フィブロネクチンに反応して遊走するメ
サンギウム細胞の遊走を阻害する。また、その誘導体で
ある環状型RGDペプチドを馬杉腎炎ラットに投与した
ところ蛋白尿が抑制され、組織障害も軽減されたことか
ら、RGDペプチドは糸球体腎炎の治療に応用できる可
能性が示唆されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、2本鎖
高分子キニノゲンはビトロネクチン等の細胞接着活性蛋
白質を選択的に抑制することから、そのものがどのよう
な接着コアを有するものであるのかの解明が求められて
いた。またそのような選択性のある接着コアのアミノ酸
配列の様子が明らかになれば、そのアミノ酸配列を含む
ペプチド誘導体を用いて、より選択性の高い細胞接着抑
制剤の開発が可能になると期待された。従って、本発明
の目的は、より選択性の高い細胞接着抑制活性を有する
新規なペプチド誘導体またはその薬学的に許容される塩
を提供すること、およびこの新規なペプチド誘導体また
はその薬学的に許容される塩を含有することを特徴とす
る癌転移抑制剤、血小板凝集抑制剤、創傷治癒剤、炎症
治癒剤、動脈硬化抑制剤および糸球体腎炎治療剤を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、2本鎖ヒト高分子キニノゲンの接着
コアが存在すると考えられるL鎖のヒスチジン−リッチ
領域( 372位〜 523位)のアミノ酸配列断片を含む各種
のペプチド誘導体を合成し、細胞接着抑制活性に関し
て、鋭意検討を行った。その結果、接着コアに該当する
細胞接着抑制活性の高い箇所を見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、 (1) 、(2) または(3) のいずれかで表されるアミノ
酸配列を有するヒト高分子キニノゲンL鎖中の部分アミ
ノ酸配列からなるペプチド誘導体、またはその薬学的に
許容される塩、 (1) GlyLysGluGlnGlyHisThrArgArgHisAspTrp (2)HisAsnLeuGlyHisGlyHisLysHisGluArgAspGlnGlyHisG
lyHisGlnArg (3) HisLysHisGlyHisGlyHisGlyLysHisLysAsnLys (1) 、(2) または(3) のいずれかで表されるアミノ
酸配列を有するヒト高分子キニノゲンL鎖の 402位〜 4
98位のペプチド中の部分アミノ酸配列からなるペプチド
誘導体、またはその薬学的に許容される塩、 (1) GlyLysGluGlnGlyHisThrArgArgHisAspTrp (2)HisAsnLeuGlyHisGlyHisLysHisGluArgAspGlnGlyHisG
lyHisGlnArg (3) HisLysHisGlyHisGlyHisGlyLysHisLysAsnLys 部分アミノ酸配列が、(1) 、(2) または(3) で表さ
れるアミノ酸配列である記載のペプチド誘導体、また
はその薬学的に許容される塩、 (1) GlyLysGluGlnGlyHisThrArgArgHisAspTrpGlyHisGluL
ysGlnArgLys (2) HisLysHisGlyHisGlyHisGlyLysHisLysAsnLysGlyLysL
ysAsnGlyLysHis (3) HisAsnLeuGlyHisGlyHisLysHisGluArgAspGlnGlyHisG
lyHisGlnArgGly 、または記載のペプチド誘導体またはその薬
学的に許容される塩を有効成分として含有することを特
徴とする細胞接着抑制剤、 、または記載のペプチド誘導体またはその薬
学的に許容される塩を有効成分として含有することを特
徴とする癌転移抑制剤、血小板凝集抑制剤、創傷治癒
剤、炎症治癒剤、動脈硬化抑制剤または糸球体腎炎治療
剤、または (1) または(2) で表されるアミノ酸配列を有するヒ
ト高分子キニノゲンL鎖中の部分アミノ酸配列からなる
ペプチド誘導体またはその薬学的に許容される塩を有効
成分として含有することを特徴とする細胞接着抑制剤、 (1) TrpGlyHisGluLysGlnArg (2)LysGlyLysLysAsnGlyLysHis に関する。
【0009】本発明において、ヒト高分子キニノゲン
(HK)のL鎖とは、ヒト高分子キニノゲンのアミノ酸
配列のN末端から 372位〜 626位(C末)のものをいう
( J.Biol. Chem.,260, 8601(1985))。文献によって
は、このL鎖をヒト高分子キニノゲンのカルボキシ末端
領域(フラグメント1・2とL鎖)とも言う(「日本臨
床」47巻 4号 816-827 (1989))。また、2本鎖ヒト高分
子キニノゲン(HKa )とは、ヒト高分子キニノゲン
(HK)がカリクレインにより切断されてブラジキニン
を放出した後の2本鎖蛋白質をいう。2本鎖ヒト高分子
キニノゲン(HKa )の接着コアに該当する細胞接着抑
制活性の高い箇所は、つぎのようにして見出された。
【0010】1)2本鎖ヒト高分子キニノゲン(HKa
)接着コア部位の特定 L鎖のヒスチジン−リッチ領域( 372位〜 523位)に存
在する接着コアを特定するため、表1の5種のペプチド
を合成した。この合成ペプチドを用いて、線維芽細胞に
対する細胞接着活性試験を行った。
【0011】
【表1】
【0012】3種のペプチド(P1、P2、P5)が、
図1のように細胞接着活性を示したが、その他のペプチ
ドは細胞接着活性を示さなかった。また、図2に示され
るように、この3種のペプチド(P1、P2、P5)は
細胞に付着することによって特異的に細胞接着を抑制し
ていることが明らかとなった。また、図3で示されるよ
うに、この3種のペプチドの細胞接着活性は、HKaに
よって抑制されるが、フィブロネクチンを用いた場合に
は抑制されなかった。これらのことより、この3種のペ
プチドの対応するアミノ酸配列部分がHKa の細胞接着
抑制活性をもたらす接着コアであることが確認された。
以上のことから、接着コアはP1、P2およびP5ペプ
チドに対応するアミノ酸配列部分に存在することが示さ
れた。さらに詳しくこの接着コアの部分を特定するた
め、表2に記載されたP1、P2およびP5ペプチドお
よびそのN末端を含む断片ペプチドを合成した。この合
成ペプチドを用いて、線維芽細胞に対する細胞接着活性
試験を行った。
【0013】
【表2】
【0014】図4、図5および図6に示される細胞接着
活性試験の結果から、P1、P2およびP5ペプチドの
N末端を含む断片ペプチドの活性は、いずれもP1、P
2およびP5ペプチドの活性より減少傾向を示したが、
P1b 、P5a およびP5bでは、接着活性を十分保っ
ている。しかし、さらに短いペプチドであるP1a およ
びP2a では、接着活性は完全に消失した。以上のこと
から、HKa の接着コアの部位は、P1b 、P2または
P5a ペプチドを中心とした部分と考えられる。従っ
て、P1b 、P2またはP5a ペプチドのアミノ酸配列
を少なくとも含むヒト高分子キニノゲンL鎖中の部分ア
ミノ酸配列からなるペプチド誘導体が細胞接着抑制活性
を有することが明らかとなった。特に高い細胞接着抑制
活性を有するペプチドとしては、P1b 、P2またはP
5a ペプチドのアミノ酸配列を少なくとも含むL鎖のヒ
スチジン−リッチ領域(372位〜 523位)中の部分アミ
ノ酸配列からなるペプチド誘導体が挙げられ、さらに高
い細胞接着抑制活性を有するペプチドとしては、P1b
、P2またはP5a ペプチドのアミノ酸配列を少なく
とも含むL鎖の 402位〜 498位のペプチド中の部分アミ
ノ酸配列からなるペプチド誘導体が挙げられる。さら
に、実験結果から、HKa の接着コアの部位は、P1ま
たはP5ペプチドのC末部分( 410位〜 420位、 492位
〜 498位)のあたりにも存在する。
【0015】2)2本鎖ヒト高分子キニノゲン(HKa
)接着コアの特性 HKa の接着コアは、前述のようにP1、P2およびP
5ペプチドに対応する部分の三箇所にあることが明らか
となったが、この接着コアに該当するアミノ酸配列は今
まで報告されている細胞接着活性蛋白質の接着コアを形
成するアミノ酸配列のいずれとも類似していない。例え
ば、細胞接着活性蛋白質であるビトロネクチン、フィブ
ロネクチン、フィブリノーゲン、ラミニン、コラーゲ
ン、フォン−ブィレブラント(von Willebrand) 因子、
スロンボスポンディンの接着コアを形成するアミノ酸配
列と、P1、P2またはP5ペプチドのアミノ酸配列と
を比較しても、その間に類似性が見出せなかった。一
方、HKa を用いた各種の細胞接着活性蛋白質に対する
抑制活性試験の結果から、HKa がβ3 インテグリンの
働きを阻害するとされている( Asakura etal.,前
掲)。従って、HKa の三箇所ある接着コアは細胞表面
に存在するβ3 インテグリンのリセプターに結合すると
考えられる。図7に示されるように、P5ペプチドはP
1ペプチドの細胞接着活性を阻害している。このこと
は、P5ペプチドとP1ペプチドが同じ細胞表面上のリ
セプターに結合することを示している。しかし、P2ペ
プチドはP1ペプチドの細胞接着活性を阻害しなかっ
た。このことは、P2ペプチドがP1ペプチドとは異な
るリセプターに結合することを示している。以上のこと
から、HKa の三箇所の接着コアの内、二箇所の接着コ
ア(P1およびP5ペプチドの対応部分)は、アミノ酸
配列に相違があるものの、細胞表面の同じリセプター
(β3 インテグリンのリセプター)と結合することが明
らかとなった。また、もう一箇所の接着コア(P2ペプ
チドの対応部分)は、それとは異なることが明らかにさ
れた。
【0016】メサンギウム細胞を用いた細胞接着活性試
験を、P2およびP5ペプチドを例として用いて行っ
た。その結果、図8および図9に示される様に、P2お
よびP5ペプチドはメサンギウム細胞を伸展させる作用
を有することから、メサンギウム細胞と接着することが
示された。この結果から、P2およびP5ペプチド等の
本願発明のペプチド誘導体は、メサンギウム細胞に接着
することで、ビトロネクチンやフィブリノーゲンを介す
るメサンギウム細胞の接着を抑制することができ、それ
によりメサンギウム細胞の増殖を抑えることで糸球体腎
炎を治療することができることがわかる。
【0017】本明細書において、アミノ酸、アミノ酸誘
導体、ペプチド、その他に関して略号で表示する場合
は、IUPAC−IUBの規定または当該分野における
慣用記号に従うものとする。またアミノ酸等に関して光
学異性体があり得る場合は、D−型、L−型のいずれの
場合も含むが、特に明記せずに略号、慣用記号を用いた
場合は、L−型を示すものとする。
【0018】アミノ酸の具体例を略号とともに以下に示
す。 略号(3文字、1文字) 名 称(構造) Asp ,D アスパラギン酸 Gly ,G グリシン Ile ,I イソロイシン Leu ,L ロイシン Pro ,P プロリン Arg ,R アルギニン Ser ,S セリン Tyr ,Y チロシン Asn ,N アスパラギン Thr ,T スレオニン His ,H ヒスチジン Phe ,F フェニルアラニン Val ,V バリン Lys ,K リジン Gln ,Q グルタミン Met ,M メチオニン Trp ,W トリプトファン Glu ,E グルタミン酸 Ala ,A アラニン Cys ,C システイン
【0019】本発明のペプチド誘導体は、化学的合成法
および遺伝子工学的手法を用いた合成法のいずれの方法
にても合成することができる。化学的合成法において
は、液相法、固相法が知られているが、いずれの方法に
ても合成可能である。また、目的とする1次配列をN末
端またはC末端より順次構築するステップワイズ延長
法、目的とする1次配列を適当なフラグメントに分け、
それらフラグメントを縮合させて目的物を構築するフラ
グメント縮合法が知られているが、いずれの方法または
それらを組み合わせることにより、合成することができ
る。また、必要に応じては、官能基(アミノ基、カルボ
キシル基、グアニジノ基、水酸基等)を保護してもよ
い。縮合法、活性化法、保護基及び反応条件等について
は、「ペプチド合成の基礎と実験」(丸善株式会社、19
85年)、「生化学実験講座・第一巻 蛋白質の化学IV」
(東京化学同人、1976年)などに記載の通常のペプチド
合成に用いられる方法、保護基、反応条件を用いて合成
することができる。以上のようにして合成された本発明
のペプチド誘導体は、必要に応じてさらに逆相HPL
C、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマト
グラフィーなどの通常のペプチドの精製法に従って、精
製することができる。また、本発明の化合物は医薬品と
して用いるために、薬学的に許容さる塩、例えば塩酸
塩、硫酸塩等の無機酸との塩や、酢酸塩、トリフルオロ
酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩等の有機酸との塩にしてもよ
く、そのような塩への変換は、慣用手段で行うことがで
きる。
【0020】本発明のペプチド誘導体は、細胞接着活性
蛋白質が有する接着コアのアミノ酸配列部分であるRG
D配列を持たない新規な細胞接着抑制活性のペプチド誘
導体である。本発明のペプチド誘導体は、RGD配列を
有する細胞接着活性ペプチドと同様の機序で細胞に接着
すると考えられる。そのために細胞接着活性蛋白質のア
ゴニストまたはアンタゴニストとして、種々の生物活性
例えば癌転移抑制作用などの生物活性および強力な血小
板凝集抑制作用を有する。また、2本鎖ヒト高分子キニ
ノゲン(HKa )は血小板の接着を抑制し、抗血栓作用
を示すと共に、癌細胞や血管内皮細胞の細胞接着を抑制
しているが、この機序もHKa の接着コアを介すると考
えられる。従って、本発明のペプチド誘導体はHKa の
アンタゴニストとして働くことから、癌転移抑制、血小
板凝集抑制にとどまらず、血栓や炎症の抑制、動脈硬化
抑制等の作用を有する。また、本願発明のペプチド誘導
体は、糸球体腎炎のよい治療剤でもある。糸球体腎炎の
中でも特に膜性増殖性糸球体腎炎の治療剤として好まし
い。ここで、膜性増殖性糸球体腎炎とは、メサンギウム
細胞の増生、増殖と糸球体基底膜の肥厚を特徴とする腎
炎である(「腎・泌尿器疾患」織田敏次、五島雄一郎編
集 朝倉書店刊 1983 99 頁) 。
【0021】従って本発明の新規な細胞接着活性ペプチ
ド誘導体は、医薬品、動物薬として極めて有効である。
本発明のペプチド誘導体は、通常それ自体公知の担体、
希釈剤などを用い、適宜の医薬品組成物よりなる製剤
(例えば、カプセル剤、注射剤など)として経口的また
は非経口的に投与される。癌転移抑制剤または、血小板
凝集抑制剤として投与する場合には、本発明のペプチド
は、 0.2μg/kg〜10mg/kg の範囲で、症状、年齢、体
重等に基づいて決定され、1日1回から数回に分けて投
与することができる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。
【0023】実施例1Gly-Lys-Glu-Gln-Gly-His-Thr-Arg-Arg-His-Asp-Trp
(配列番号:1)の製造 Gly-Lys-Glu-Gln-Gly-His-Thr-Arg-Arg-His-Asp-Trp
(P1b )の製造は、不溶性の樹脂上でペプチド鎖を C
末端から N末端方向にFmoc法により固相合成により実施
した。使用した樹脂として、粒径 100〜200 メッシュの
4-(2'-4'-Dimethoxy Phenylfluorenlaminomethyl)-Phe
noxy resin ( 渡辺化学) を用い、自動合成機 (System
990, Beckman)により行った。合成したペプチド樹脂約1
gにトリフルオロ酢酸中にフェノール5%、チオアニソー
ル5%、水5%、エタンジテオール2.5%を含む試薬20mlを加
えて室温にて 2.5時間攪拌した。10分間氷冷し、ジエチ
ルエーテル50mlを添加して室温にて30分間攪拌後、グラ
スフィルターにて濾過した。濾上物をジエチルエーテル
にて洗浄し (10ml×20回) 、 20%酢酸溶液にて目的とす
るペプチドを抽出した (20ml×3 回) 。この抽出液を濃
縮、凍結乾燥することにより粗ペプチドを得た。得られ
た粗ペプチドを5%酢酸溶液に溶解し、予め0.1%トリフル
オロ酢酸で平衡化した逆相系充填剤 YMC-ODS-120A-S15/
30カラム (50×500mm)に注入し、0.1%トリフルオロ酢酸
で洗浄した後、アセトニトリル濃度を 180分間で 15%ま
で増加させ、流速15ml/minで溶出した。溶出液を220nm
における吸光度によりモニターし、目的物を含む画分を
集めて凍結乾燥することで、Gly-Lys-Glu-Gln-Gly-His-
Thr-Arg-Arg-His-Asp-Trp (P1b )を得た。
【0024】アミノ酸分析 加水分解:6N塩酸、110°C、24時間 分析方法:PICO−TAG法 *基準アミノ酸 ( )内理論値 Asx 0.59(1) Glx 2.06(2) *Gly 2 His 2.01(2) Arg 1.76(2) Thr 1.01(19 Lys 0.80(1) HPLC保持時間:15.5分 (カラム:YMC−ODS 5μm 4.6mmΦ×2
50mm、検出波長:220nm、検出液:A液 0.
1%TFA/水、B液 0.1%TFA/CH3 CN、
流速:1.0ml/min、グラジエント:B液濃度を
10%から毎分0.5%上昇させた。)
【0025】実施例2Gly-Lys-Glu-Gln-Gly-His-Thr-Arg-Arg-His-Asp-Trp-Gl
y-His-Glu-Lys-Gln-Arg-Lys (配列番号:2)の製造 実施例1記載の方法と同様の方法によって、Gly-Lys-Gl
u-Gln-Gly-His-Thr-Arg-Arg-His-Asp-Trp-Gly-His-Glu-
Lys-Gln-Arg-Lys (P1=P1c )を得た。 アミノ酸分析 加水分解:6N塩酸、110°C、24時間 分析方法:PICO−TAG法 *基準アミノ酸 ( )内理論値 Asx 0.9(1) Glx 4.6(2) Gly 3.3(3) His 3.7(3) Arg 3.2(3) *Thr 1 Lys 3.5(3) HPLC保持時間:22.3分 (カラム:YMC−ODS 5μm 4.6mmΦ×2
50mm、検出波長:220nm、検出液:A液 0.
1%TFA/水、B液 0.1%TFA/CH3CN、
流速:1.0ml/min、グラジエント:B液濃度を
5%から毎分1%上昇させた。)
【0026】実施例3His-Asn-Leu-Gly-His-Gly-His-Lys-His-Glu-Arg-Asp-Gl
n-Gly-His-Gly-His-Gln-Arg-Gly (配列番号:3)の製
実施例1記載の方法と同様の方法によって、His-Asn-Le
u-Gly-His-Gly-His-Lys-His-Glu-Arg-Asp-Gln-Gly-His-
Gly-His-Gln-Arg-Gly (P2=P2b )を得た。 アミノ酸分析 加水分解:6N塩酸、110°C、24時間 分析方法:PICO−TAG法 *基準アミノ酸 ( )内理論値 Asx 2.1(2) Glx 3.3(3) Gly 5.3(5) His 6.3(6) Arg 2.1(2) *Leu 1 Lys 1.3(1) HPLC保持時間:18.3分 (カラム:SUMIPAX ODS A−211 5μ
m 4.6mmΦ×250mm、検出波長:220n
m、検出液:A液 0.1%TFA/水、B液 0.1
%TFA/CH3 CN、流速:1.0ml/min、グ
ラジエント:B液濃度を20%から毎分1%上昇させ
た。)
【0027】実施例4His-Lys-His-Gly-His-Gly-His-Gly-Lys-His-Lys-Asn-Ly
s (配列番号:4)の製造 実施例1記載の方法と同様の方法によって、His-Lys-Hi
s-Gly-His-Gly-His-Gly-Lys-His-Lys-Asn-Lys (P5a
)を得た。 アミノ酸分析 加水分解:6N塩酸、110°C、24時間 分析方法:PICO−TAG法 *基準アミノ酸 ( )内理論値 Asx 1.07(1) Gly 3.22(3) His 5.44(5) *Lys 4 HPLC保持時間:13.6分 (カラム:YMC−ODS 5μm 4.6mmΦ×2
50mm、検出波長:220nm、検出液:A液 0.
1%TFA/水、B液 0.1%TFA/CH3CN、
流速:1.0ml/min、グラジエント:B液濃度を
5%から毎分2%上昇させた。)
【0028】実施例5His-Lys-His-Gly-His-Gly-His-Gly-Lys-His-Lys-Asn-Ly
s-Gly-Lys (配列番号:5)の製造 実施例1記載の方法と同様の方法によって、His-Lys-Hi
s-Gly-His-Gly-His-Gly-Lys-His-Lys-Asn-Lys-Gly-Lys
(P5b )を得た。 アミノ酸分析 加水分解:6N塩酸、110°C、24時間 分析方法:PICO−TAG法 *基準アミノ酸 ( )内理論値 Asx 1.06(1) Gly 4.29(4) His 5.97(5) *Lys 4 HPLC保持時間:11.4分 (カラム:YMC−ODS 5μm 4.6mmΦ×2
50mm、検出波長:220nm、検出液:A液 0.
1%TFA/水、B液 0.1%TFA/CH3CN、
流速:1.0ml/min、グラジエント:B液濃度を
5%から毎分1%上昇させた。)
【0029】実施例6His-Lys-His-Gly-His-Gly-His-Gly-Lys-His-Lys-Asn-Ly
s-Gly-Lys-Lys-Asn-Gly-Lys-His (配列番号:6)の製
実施例1記載の方法と同様の方法によって、His-Lys-Hi
s-Gly-His-Gly-His-Gly-Lys-His-Lys-Asn-Lys-Gly-Lys-
Lys-Asn-Gly-Lys-His (P5=P5c )を得た。 アミノ酸分析 加水分解:6N塩酸、110°C、24時間 分析方法:PICO−TAG法 *基準アミノ酸 ( )内理論値 Asx 2.0(2) Gly 4.9(5) His 6.7(6) *Lys 7 HPLC保持時間:17.3分 (カラム:YMC−ODS 5μm 4.6mmΦ×2
50mm、検出波長:220nm、検出液:A液 0.
1%TFA/水、B液 0.1%TFA/CH3CN、
流速:1.0ml/min、グラジエント:B液濃度を
5%から毎分1%上昇させた。)
【0030】参考例1Gly-Lys-Glu-Gln-Gly-His-Thr-Arg (配列番号:7)の
製造 実施例1記載の方法と同様の方法によって、Gly-Lys-Gl
u-Gln-Gly-His-Thr-Arg (P1a )を得た。 アミノ酸分析 加水分解:6N塩酸、110°C、24時間 分析方法:PICO−TAG法 *基準アミノ酸 ( )内理論値 Glx 2.0(2) *Gly 2 His 1.2(1) Arg 0.9(1) Thr 1.0(1) Lys 1.0(1) HPLC保持時間:16.3分 (カラム:SUMIPAX ODS A−211 5μ
m 4.6mmΦ×250mm、検出波長:220n
m、検出液:A液 0.1%TFA/水、B液 0.1
%TFA/CH3 CN、流速:1.0ml/min、グ
ラジエント:B液濃度を0%から毎分1%上昇させ
た。)
【0031】参考例2His-Asn-Leu-Gly-His-Gly-His-Lys-His-Glu-Arg-Asp
(配列番号:8)の製造 実施例1記載の方法と同様の方法によって、His-Asn-Le
u-Gly-His-Gly-His-Lys-His-Glu-Arg-Asp (P2a )を
得た。 アミノ酸分析 加水分解:6N塩酸、110°C、24時間 分析方法:PICO−TAG法 *基準アミノ酸 ( )内理論値 Asx 2.1(2) Glx 1.1(1) Gly 2.1(2) His 4.5(4) Arg 1.0(2) *Leu 1 Lys 1.1(1) HPLC保持時間:13.3分 (カラム:SUMIPAX ODS A−211 5μ
m 4.6mmΦ×250mm、検出波長:220n
m、検出液:A液 0.1%TFA/水、B液 0.1
%TFA/CH3 CN、流速:1.0ml/min、グ
ラジエント:B液濃度を5%から毎分1%上昇させ
た。)
【0032】参考例3Gly-Leu-Gly-His-Gly-His-Glu-Gln-Gln-His-Gly-Leu-Gl
y-His-Gly-His-Lys (配列番号:9)の製造 実施例1記載の方法と同様の方法によって、Gly-Leu-Gl
y-His-Gly-His-Glu-Gln-Gln-His-Gly-Leu-Gly-His-Gly-
His-Lys (P3)を得た。 アミノ酸分析 加水分解:6N塩酸、110°C、24時間 分析方法:PICO−TAG法 *基準アミノ酸 ( )内理論値 Glx 3.3(3) Gly 6.5(6) His 5.8(5) *Leu 2 Lys 1.1(1) HPLC保持時間:16.7分 (カラム:SUMIPAX ODS A−211 5μ
m 4.6mmΦ×250mm、検出波長:220n
m、検出液:A液 0.1%TFA/水、B液 0.1
%TFA/CH3 CN、流速:1.0ml/min、グ
ラジエント:B液濃度を5%から毎分1%上昇させ
た。)
【0033】参考例4Phe-Lys-Leu-Asp-Asp-Asp-Leu-Glu-His-Gln-Gly-Gly-Hi
s-Val-Leu-Asp-His-Gly-His-Lys (配列番号:10)の
製造 実施例1記載の方法と同様の方法によって、Phe-Lys-Le
u-Asp-Asp-Asp-Leu-Glu-His-Gln-Gly-Gly-His-Val-Leu-
Asp-His-Gly-His-Lys (P4)を得た。 アミノ酸分析 加水分解:6N塩酸、110°C、24時間 分析方法:PICO−TAG法 *基準アミノ酸 ( )内理論値 Asx 4.3(4) Glx 2.2(2) Gly 3.3(3) His 4.5(4) Val 0.9(1) *Leu 3 Phe 1.0(1) Lys 2.2(2) HPLC保持時間:16.0分 (カラム:SUMIPAX ODS A−211 5μ
m 4.6mmΦ×250mm、検出波長:220n
m、検出液:A液 0.1%TFA/水、B液 0.1
%TFA/CH3 CN、流速:1.0ml/min、グ
ラジエント:B液濃度を15%から毎分1%上昇させ
た。)
【0034】試験例1P1、P2、P3およびP5ペプチドの線維芽細胞の接
着および伸展作用 細胞液 マウス 3T3線維芽細胞は岩城硝子より提供されたものを
用いた。これらの細胞は 10%ウシ胎児血清を含むダルベ
ッコ改良イーグル基礎培地にて培養した。ほぼコンフル
エントとなった細胞を 0.25%トリプシン/5mM EDTA 液に
より培養皿より剥がし、0.2%牛血清アルブミン (BSA)を
含むダルベッコ改良イーグル基礎培地にて 2×104cells
/ml となるように調製した。
【0035】細胞接着・伸展活性の測定方法 96穴ポリスチレンプレート (タイターテック社) に種々
濃度の(P1、P2、P3およびP5)ペプチド溶液(1
00μl/well) を添加して 4℃にて一晩放置することによ
りコーティングし、さらに1%牛血清アルブミン (BSA)を
250μl/well添加して37℃にて 1時間放置することによ
りブロッキングした。プレートを0.2% BSAを含むTBS (T
ris-buffered saline, 0.1M NaClを含む50mM Tris-HCl,
pH7.4)にて数回洗浄した後、 2×104cells/ml となる
ようにで調製したマウス 3T3線維芽細胞の細胞液を10
0ml/well添加して37℃にて 2時間放置した。 TBSにてプ
レートを洗浄することにより非接着細胞を除去した後、
プレートに接着したマウス 3T3線維芽細胞の細胞数及び
その伸展した細胞数を計測した。ここで伸展した細胞と
は顕微鏡下において多角形(polygonal) であり、球形を
呈する非接着細胞に比べ、その表面積が 2倍以上大きい
ものをいう。その結果を図1に示す。この結果によれ
ば、P1、P2またはP5ペプチドの場合、ペプチド濃
度に依存して接着細胞数が増加し、10μM の濃度で最大
の接着細胞数を示した。また、P1、P2およびP5以
外のペプチドは細胞接着活性を示さなかった。
【0036】試験例2P1、P2およびP5ペプチドの線維芽細胞の接着抑制
作用 試験例1記載の方法と同様に行った。まず、96穴のマイ
クロタイタープレートをP1、P2またはP5ペプチド
でコートする。TBS で洗浄した後、各種の濃度のP1、
P2またはP5ペプチドと共に、線維芽細胞を加えて、
37℃で 120分間培養した。TBS にてプレートを洗浄し、
非接着細胞を除去した後、顕微鏡下でプレートに接着
し、伸展した細胞数を計測した。その結果を図2に示
す。この結果によれば、プレートに接着し、伸展する細
胞数は、同じペプチドを添加することによって阻害され
る。このことは、これらP1及びP5ペプチドが細胞表
面のリセプターに付着するため、細胞がプレートに接着
することができなくなったことを示している。
【0037】試験例3P1、P2およびP5ペプチドによるの線維芽細胞の細
胞接着作用に対する2本鎖高分子キニノゲン(HKa) の抑
制作用 Hka は、J.Cell.Biol.,116,465(1992)記載の方法によっ
て精製した。マイクロタイタープレートを10μg/mlのP
1、P2またはP5ペプチドでコーティングし、線維芽
細胞を種々の HKa存在下で37℃にて 2時間培養した。こ
の時の伸展した細胞数を計測した。その結果を図3に示
す。この結果によれば、HKa が濃度依存でP1、P2ま
たはP5ペプチドの細胞接着作用を阻害することを示し
ている。このことは、P1、P2およびP5ペプチドが
HKa の接着コアに対応する部分であることを明らかにし
ている。
【0038】試験例4P1a 、P1b およびP1c ペプチドの線維芽細胞の伸
展作用 試験例1記載の方法と同様の方法によって、P1a 、P
1b およびP1c ペプチドの細胞接着作用を測定した。
まず、96穴のプレートに各種の濃度の3種のペプチドを
加えて、37℃で2時間保持してコートし、1% BSA-TBS
で洗浄した後、3T3 線維芽細胞のDMEM-0.2%BSA 溶液を
加えた。37℃で2時間培養後、顕微鏡下でプレートに接
着し、伸展した細胞数を計測した。その結果を図4に示
す。この結果によれば、P1ペプチドのC末部分が欠落
するにつれて作用が弱くなり、C末が11個欠落したP
1a には全く作用がないことが示された。
【0039】試験例5P2a およびP2b ペプチドの線維芽細胞の伸展作用 試験例4記載の方法によって、P2a およびP2b ペプ
チドの細胞接着作用を測定した。その結果を図5に示
す。この結果によれば、P2ペプチドのC末部分が欠落
すると作用がなくなり、C末が9個欠落したP2a では
全く作用を示さないことが明らかとなった。
【0040】試験例6P5a 、P5b およびP5c ペプチドの線維芽細胞の伸
展作用 試験例4記載の方法によって、P5a 、P5b およびP
5c ペプチドの細胞接着作用を測定した。その結果を図
6に示す。この結果によれば、P5ペプチドのC末部分
が欠落するにつれて作用が弱くなり、C末が7個欠落し
たP5a になるとP5c の約25%の作用しか示さない
ことが明らかとなった。
【0041】試験例7P1ペプチドによる線維芽細胞の細胞接着作用に対する
P2およびP5ペプチドの抑制作用 細胞液 線維芽細胞を用いて、試験例1の記載の方法により細
胞液を調製した。 細胞伸展阻害活性の測定方法 マイクロタイタープレートに10μMのP1ペプチドを添
加し、 4℃にて一晩放置することによりコーティングし
た。種々の濃度のP2またはP5ペプチドと共に 3T3線
維芽細胞をプレートに加えて培養し、その後の接着、伸
展した細胞数を計測した。その結果を図7に示す。この
結果によれば、P5ペプチドはP1ペプチドを介した細
胞接着を阻害することが示されている。このことは、P
1およびP5ペプチドが細胞表面の同じリセプターに結
合することを示している。一方、P2ペプチドはP1ペ
プチドを介した細胞接着を阻害せず、P2が結合する細
胞表面のリセプターはP1およびP5ペプチドのリセプ
ターとは異なることを示している。
【0042】試験例8P2およびP5ペプチドのメサンギウム細胞の伸展作用 細胞液 ラットメサンギウム細胞は、Virchows Arch Cell Patho
l., 49, 285 (1985)の方法により取得した。この細胞
は 10%ウシ胎児血清を含むダルベッコ改良イーグル基礎
培地にて培養した。 細胞接着・伸展活性の測定方法 2 cm2 ウエルのポリスチレンプレート (24穴Costarプレ
ート) を種々濃度のP2またはP5ペプチド溶液でコー
ティングし、さらに1%熱変性牛血清アルブミン(BSA)を
含むTBS でブロッキングした。プレートを0.2%熱変性 B
SAを含むTBS にて数回洗浄した後、で調製したメサン
ギウム細胞 ( 4×103 cells/ml) の細胞液 0.5mlを添加
して37℃にて 2時間放置した。TBS にてプレートを洗浄
することにより非接着細胞を除去した後、プレートに接
着したメサンギウム細胞の細胞数及びその伸展した細胞
数を、顕微鏡下で観察、写真撮影を行い、計測した。必
要に応じてコンピューターイメージプロセッサーを用い
て cell area および diameter の測定を行った。細胞
伸展活性はウエルの 15 mm2 における伸展細胞を測定す
ることにより行った。伸展細胞は以下の方法により同定
した。 (1) 顕微鏡下において多角形状を示しこと (2) コンピューターイメージプロセッサーにおける計
測において伸展細胞の表面面積は円形細胞(接着細胞)
より大きいこと その結果を図8に示す。この結果によれば、P2および
P5ペプチドの濃度に依存して接着細胞数が増加した。
なかでも、P2ペプチドはメサンギウム細胞の接着・伸
展活性が優れていた。
【0043】試験例9P2またはP5ペプチドでコートされたプレートへのメ
サンギウム細胞の接着に対するGRGDSP(RGDペ
プチド)による抑制作用 GRGDSPは岩城硝子(東京)より購入した。本試験
は、試験例8記載の方法と同様に行った。10μMのP2
またはP5ペプチドでコートする。TBS で洗浄した後、
各種の濃度のGRGDSPと共に、メサンギウム細胞を
加えて、37℃で120分間培養した。TBS にてプレートを
洗浄し、非接着細胞を除去した後、顕微鏡下でプレート
に接着し、伸展した細胞数を計測した。その結果を図9
に示す。この結果によれば、P2およびP5ペプチドに
よるメサンギウム細胞の接着はGRGDSPによって抑
制された。
【0044】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ヒト
【0045】配列番号:2 配列の長さ:19 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ヒト 配列 Gly Lys Glu Gln Gly His Thr Arg Arg His Asp Trp Gly His Glu Lys 1 5 10 15 Gln Arg Lys
【0046】配列番号:3 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ヒト 配列 His Asn Leu Gly His Gly His Lys His Glu Arg Asp Gln Gly His 1 5 10 15 Gly His Gln Arg Gly
【0047】配列番号:4 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ヒト 配列 His Lys His Gly His Gly His Gly Lys His Lys Asn Lys 1 5 10
【0048】配列番号:5 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ヒト 配列 His Lys His Gly His Gly His Gly Lys His Lys Asn Lys Gly Lys 1 5 10 15
【0049】配列番号:6 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ヒト 配列 His Lys His Gly His Gly His Gly Lys His Lys Asn Lys Gly Lys 1 5 10 15 Lys Asn Gly Lys His 20
【0050】配列番号:7 配列の長さ:8 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ヒト
【0051】配列番号:8 配列の長さ:12 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ヒト
【0052】配列番号:9 配列の長さ:17 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ヒト 配列 Gly Leu Gly His Gly His Glu Gln Gln His Gly Leu Gly His Gly 1 5 10 15 His Lys
【0053】配列番号:10 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 起源 生物名:ヒト 配列 Phe Lys Leu Asp Asp Asp Leu Glu His Gln Gly Gly His Val Leu 1 5 10 15 Asp His Gly His Lys 20
【図面の簡単な説明】
【図1】P1、P2、P3およびP5ペプチドの線維芽
細胞の接着および伸展作用 種々の濃度のP1、P2、P3またはP5ペプチドでコ
ーティングしたプレートに接着した線維芽細胞の細胞数
(A)及びその伸展した細胞数 (B)を示す。接着した細胞
数 (A)についてはP1( 1μM )ペプチドでコーティン
グした時に得られる接着細胞数を100%として表した。
【図2】P1、P2およびP5ペプチドの線維芽細胞の
接着抑制作用 P1、P2またはP5ペプチドでコートされたプレート
に、線維芽細胞と共に種々の濃度のP1、P2またはP
5ペプチドを添加、共存させて培養した後、このプレー
トに接着し、伸展する細胞数を測定した結果を表す。
【図3】HKaの添加による線維芽細胞の接着抑制作用 P1、P2またはP5ペプチドでコートされたプレート
に、線維芽細胞と共に種々の濃度のHKaを添加、共存
させて培養した後、このプレートに接着し、伸展する細
胞数を表す。
【図4】P1a 、P1b およびP1c ペプチドの線維芽
細胞の伸展作用 種々の濃度のP1a 、P1b およびP1c ペプチドでコ
ーティングしたプレートを用いて、これに接着し、伸展
する細胞数を示す。
【図5】P2a およびP2b ペプチドの線維芽細胞の伸
展作用 種々の濃度のP2a およびP2b ペプチドでコーティン
グしたプレートを用いて、これに接着し、伸展する細胞
数を示す。
【図6】P5a 、P5b およびP5c ペプチドの線維芽
細胞の伸展作用 種々の濃度のP5a 、P5b およびP5c ペプチドでコ
ーティングしたプレートを用いて、これに接着し、伸展
する細胞数を示す。
【図7】P2およびP5ペプチドの線維芽細胞の接着抑
制作用 P1ペプチドでコートされたプレートに、線維芽細胞と
共に種々の濃度のP2ペプチド(○)あるいはP5ペプ
チド (▲) を添加し、共存させて培養した後、このプレ
ートに接着し、伸展する細胞数を示す。
【図8】P2およびP5ペプチドのメサンギウム細胞の
伸展作用 種々の濃度のP2またはP5ペプチドでコーティングし
たプレートに接着し、伸展するメサンギウム細胞の細胞
数を示す。
【図9】P2またはP5ペプチドでコートされたプレー
トへのメサンギウム細胞の接着に対するRGDペプチド
による抑制作用 P2またはP5ペプチドでコーティングしたプレート
に、メサンギウム細胞と共に種々の濃度のGRGDSP
(RGDペプチド)を添加、共存させて培養した後、こ
のプレートに接着し、伸展する細胞数を測定した結果を
表す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/00 ADU 38/17 ACB ADS C07K 7/06 A61K 37/02 ADU 37/42 ACB ADS

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 、(2) または(3) のいずれかで表さ
    れるアミノ酸配列を有するヒト高分子キニノゲンL鎖中
    の部分アミノ酸配列からなるペプチド誘導体、またはそ
    の薬学的に許容される塩。 (1) GlyLysGluGlnGlyHisThrArgArgHisAspTrp (2)HisAsnLeuGlyHisGlyHisLysHisGluArgAspGlnGlyHisG
    lyHisGlnArg (3) HisLysHisGlyHisGlyHisGlyLysHisLysAsnLys
  2. 【請求項2】 (1) 、(2) または(3) のいずれかで表さ
    れるアミノ酸配列を有するヒト高分子キニノゲンL鎖の
    402位〜 498位のペプチド中の部分アミノ酸配列からな
    るペプチド誘導体、またはその薬学的に許容される塩。 (1) GlyLysGluGlnGlyHisThrArgArgHisAspTrp (2)HisAsnLeuGlyHisGlyHisLysHisGluArgAspGlnGlyHisG
    lyHisGlnArg (3) HisLysHisGlyHisGlyHisGlyLysHisLysAsnLys
  3. 【請求項3】 部分アミノ酸配列が、(1) 、(2) または
    (3) で表されるアミノ酸配列である請求項1記載のペプ
    チド誘導体、またはその薬学的に許容される塩。 (1) GlyLysGluGlnGlyHisThrArgArgHisAspTrpGlyHisGluL
    ysGlnArgLys (2) HisLysHisGlyHisGlyHisGlyLysHisLysAsnLysGlyLysL
    ysAsnGlyLysHis (3) HisAsnLeuGlyHisGlyHisLysHisGluArgAspGlnGlyHisG
    lyHisGlnArgGly
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3記載のペプチド誘
    導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として
    含有することを特徴とする細胞接着抑制剤。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3記載のペプチド誘
    導体またはその薬学的に許容される塩を有効成分として
    含有することを特徴とする癌転移抑制剤、血小板凝集抑
    制剤、創傷治癒剤、炎症治癒剤、動脈硬化抑制剤または
    糸球体腎炎治療剤。
  6. 【請求項6】 (1) または(2) で表されるアミノ酸配列
    を有するヒト高分子キニノゲンL鎖中の部分アミノ酸配
    列からなるペプチド誘導体またはその薬学的に許容され
    る塩を有効成分として含有することを特徴とする細胞接
    着抑制剤。 (1) TrpGlyHisGluLysGlnArg (2)LysGlyLysLysAsnGlyLysHis
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