JP4020414B2 - ファンモータ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インペラ、ファンモータ及び電子機器、並びにインペラの製造方法に属し、特にそのインペラ及びファンモータはノートパソコンのように薄型の電子機器の冷却用として好適に利用され、その電子機器はファンモータを用いて冷却する必要があるものに好適である。一方、このインペラ及びファンモータは、冷却を目的としないで単に雰囲気中の空気を送風する目的で用いることもできる。
【0002】
【従来の技術】
ノートパソコンのように薄型の電子機器においては、その機器内部を冷却するためのファンモータとして、その占有体積が小さくても効率よく送風することができる特性を有するものが要求される。例えば、図13に斜視図、図14に軸方向断面図として示すように、空気を軸方向に吸入して径方向に送り出すように形成されたインペラ103と、インペラ103を囲むとともにインペラ103の上方及び/又は下方に吸気口104、径方向の少なくとも一方の側に排気口105が形成されたハウジング108を備えた薄型の遠心ファンモータ102が用いられることがある。この遠心ファンモータは、径方向に排気するため、冷却対象であるCPUなどの発熱源を同方向に並べて配置することができ、その存在自体が電子機器の厚さを増すことがないので、薄型の電子機器に好適に取り付けられる。
【0003】
そのファンモータにおけるインペラ103は、円筒状のボスから径方向に複数の羽根が延び、各羽根は回転軸線に対して平行か或いは幾分傾斜する面を有する。各羽根は、ハウジング108内の限られたスペースにおいて大きな送風量が得られるように、図14に示すように、各羽根の高さ方向幅はハウジング108内の高さ方向幅に近い寸法であって、その径方向幅はハウジング側面の近傍まで延びる位置関係となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
各羽根は、回転中の空気抵抗に関連して風量について考慮すると上記のような許容されるスペース内でできるだけ大きな形状とすることが好ましい。しかしながら、各羽根は、吸気口104から吸い込まれる空気を考慮すると、必ずしも図15に示すような羽根形状が好ましいとはいえない。即ち、吸気口104付近に各羽根の上端又は下端が接近していたり、或いは羽根の肉厚が大きいと、吸気口104から取り入れる空気の通路が狭くなり、風量を確保できなくなり、静圧も低下する。また、羽根とハウジングの吸気口付近の間隙が狭いと、吸い込まれた空気がその間隙に入り込んで渦流となる。そして、その渦流の発生により、ハウジング内部で圧損が生じて風量を低下させるばかりか、騒音も増すことがある。
このように、図14に示すような従来のファンモータは、狭い空間に搭載できるように薄型化されると、風量、静圧及び騒音等の送風特性が低下し、より軸方向高さを小さくして薄型化することが困難であった。このため、従来のファンモータを搭載された電子機器をより薄型化しようとすると、そのファンモータの送風特性を犠牲にしたり、或いは電子機器の性能を犠牲にするといった制約をともなっていた。
【0005】
そこで、図14に示すようなファンモータにおいて、吸気口104から取り込まれる空気の通路を広くするために各羽根のボス付近(羽根の内径部分)の高さ方向幅を小さくし、吸気口104と各羽根との間のスペースを確保することで、より多くの空気を取り込めるようにしたインペラが種々提案されている(特開2002−21782、特開2001−99096、実用新案登録第3084210号、特開2000−341902、特開2001−140790、実用新案登録第3080194号、特開2002−64167等)。しかしながら、このようなインペラを有するファンモータであっても、一層の送風特性の向上を図ったり、或いはインペラがより狭い空間において使用される場合には、所定の送風特性が得られない問題があった。
それ故、この発明の課題は、薄型であっても高い送風特性を得ることができるファンモータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するために、この発明のファンモータは、次のような構成となる。
1.インペラについて
軸方向の上下方向から取り込んだ空気を径方向に吐き出すインペラであって、
円筒状のボスと、
そのボスの外周面の下端部から所定の出口角をなして径方向外方に延びており、そのボスの軸方向から眺めて幅広の複数のリブと、
そのボスの外周面から離れた位置に、回転方向に対して空気抵抗を受けるようにそのリブに設けられた羽根とを備え、隣接する該リブ間には開口が形成されたことを特徴とする。
なお、ここでの出口角とは、羽根が延びる方向と、回転軸線を中心として羽根の外端を通る円とその羽根の延びる方向との交点における接線と、がなす角のうち、回転方向の後側に形成される角をいう。
【0007】
この発明のインペラでは、ボスとリブと羽根を備えるものとし、その羽根はリブにおけるボスから離れた位置に、回転方向に対して空気抵抗を受けるように立ち上がる。羽根の軸方向に対する傾きは、軸方向に平行となるときが最大の空気抵抗を受けるものとなるが、種々の特性を考慮して平行以外にしてもよい。そのリブは、複数設けられ、ボスの外周面から所定の出口角をなして径方向外方に延びる幅広の形状である。つまり、リブは、軸方向から取り込まれた空気があたる面を有し、例えば軸方向に垂直な面を有する幅広の形状である。
このように羽根がボスから離れた位置で立ち上がることにより、ボス付近に軸方向に取り込れる空気の通路が確保される。その結果、渦流の発生が抑制され、もって風量の増大と共に低騒音化を図ることができる。そして、リブを幅広とすることにより、リブの軸方向寸法が薄肉であっても回転方向の剛性が確保される。
また、軸方向に取り込まれた空気は、リブにて羽根側に案内され、効率よく気流が発生する。単に羽根のみであると、軸方向に取り込まれた空気が、羽根にかき込まれずにインペラ空間から流れ出る空気が多く、送風上のロスとなる。しかし、リブがあることでそのような空気が少なくなり、ロス低減につながり送風特性の向上に寄与する。特に、羽根は回転方向に対してリブの回転方向の後ろ側にあると効果的である。さらに、空気が軸方向両方から取り込まれる場合は、それぞれの方向から取り込まれた空気がリブによって衝突することがなく、そのような衝突によるロスを低減することができる。
ところで、このようなリブの作用を向上させるには、隣接するリブ間を連結させることで軸方向一方から取り込まれた空気を完全に他方に流れ出ないようにすることができる。さらに両方から吸気する場合でも互いが衝突することも一層回避できる。しかしながら、このような構成にしてしまうと、そのリブ間を連結した分だけボス付近の空気通路としての空間容積が減ってしまい、より多くの空気を取り込めなくなる。仮にそのリブ間の連結部分の肉厚を薄く設定したとしても薄型化された構成にすればする程、その影響は無視できなくなり、薄型化に好適なインペラとする場合には、リブ間を連接しない方が上記ロスを抑制しつつ空間容積の確保をバランスよく構成することができる。
よって、このインペラは、インペラに空気が取り込まれる空間が狭い場合でも、良好な送風特性を得ることができる。
【0008】
2.羽根について
前記羽根は、典型的には、1つのリブの側端におけるボスの外周面から離れた位置に、回転方向に対して空気抵抗を受けるように上方に立ち上がって設けられたものである
【0009】
上記羽根の構成は、各羽根の径方向内方で、かつリブとは反対側が面取りされていると、ボス付近の軸方向に取り込れる空気の通路を一層確保することができる。
また、別の典型的な羽根として
つのリブに対して1枚を備え、全ての羽根がリブとの境界に滑らかな曲面を形成して立ち上がっているもの
とすることもできる。
これは、例えば、リブがボスから軸方向に垂直な幅広な面で延びるような形状である場合は、ボスの外周面から離れた径方向外方の位置から、回転方向に空気抵抗を受けるように次第に捻れるような形状である。
【0010】
3.インペラの材料について
前記インペラは、前記ボス、リブ及び羽根を単一の金属材から、或いは単一の樹脂からなるものとすることができる。
ボス、リブ及び羽根が単一の金属材及び単一の樹脂からなるとは、単一の素材を加工して単一素材のままボス、リブ及び羽根が一体的に形成されるものをいう。この金属材としては、例えば、鉄のような磁性材、アルミニウムのような非磁性材等をあげることができる。樹脂としては、例えば、PBTのようなものをあげることができる。
4.インペラの製造方法について
金属材或いは樹脂からなる前記インペラを製造する適切な方法は、射出成形やダイカスト成形等があるが、単一の金属材からなる場合に、特に有効な製造方法としては金属板を塑性変形させる方法で、
具体的には、一枚の金属板に対して、(a)環状もしくは円盤状のボス前駆部を形成する工程、
(b)径方向に延びるリブ前駆部及びリブ前駆部より幅広で各リブ前駆部の先に延びる羽根前駆部形成する工程、
(c)ボス前駆部を円筒状に塑性変形させる工程、及び
(d)羽根前駆部を軸方向に塑性変形させる工程
を経ることを特徴とする。
【0011】
上記(a)工程及び(b)工程は、好ましくは一枚の金属板を金型で打ち抜くことによりなされる。上記(c)工程及び(d)工程の塑性変形は、好ましくはプレス機によってなされる。上記(a)工程においてボス前駆部が環状であるときは(c)工程で円筒状となり、円盤状であるときは一端が閉塞した円筒状となる。
【0012】
5.ファンモータについて
(A)前記インペラが金属材からなる場合のファンモータの1つの好ましい構成は、磁性金属材からなる上記のインペラと、回転軸と、そのボスの内周面に固定された駆動用マグネットと、その回転軸を回転可能に保持する軸受手段と、この軸受手段の径方向外方に駆動用マグネットと対向するように固定されたステータとを備えることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、駆動用マグネットの磁路がインペラのボスに形成される。つまり、ボスと、磁路形成のための部材であるヨークを一枚の金属板にて形成でき、磁路形成用の専用の部材が不要である。
また、インペラのボスの軸方向一端部を円盤状とし、その円盤部分の中央に回転軸を固定してもよい。これによって、回転に伴って軸受手段と回転軸との間で発生する熱が、回転軸から速やかにインペラに伝わって放熱されるため、軸受手段の長寿命化を図ることができる。
また、ボスの内周面には駆動用マグネットが固定されることで、その内周面がヨークを兼ねていることから、ボスとヨークとが別体である構成に比べてヨークの分だけ径方向の肉厚が薄くなる。従って、羽根の面積を一定とすれば、羽根とボスとの間隔を広くとることができるし、間隔を一定とすれば羽根本体の面積を大きくすることができ、ボス径を一定とすれば、駆動用マグネットとステータを大径にして磁気特性の向上が図れ、いずれにしても設計上の自由度が増す。
【0014】
(B)インペラが金属材からなる場合のファンモータのもう1つの好ましい構成は、非磁性金属材からなる上記のインペラと、回転軸と、前記ボスの内周面に固定され、筒状部を有する磁性金属材からなるヨークと、このヨークの内周面に固定された駆動用マグネットと、その回転軸を回転可能に保持する軸受手段と、この軸受手段の径方向外方に駆動用マグネットと対向するように固定されたステータとを備えることを特徴とする。
この構成によれば、インペラとヨークが別体であるので、例えば、インペラを加工しやすく放熱性のよいアルミニウムで形成するなど、ヨークに使用される磁性金属材に依存しない材料で形成することができる。
また、インペラのボスの軸方向一端部を円盤状とし、この円盤部分を回転軸に固定したり、或いはヨークの筒状部の軸方向一端部を円盤状とし、この円盤部分を回転軸に固定してもよい。いずれも金属材からなるので、上記同様に回転軸の周辺の熱が速やかにインペラに伝わり放出される。
【0015】
(C)インペラが樹脂からなる場合のファンモータの1つの好ましい構成は、
樹脂からなる上記のインペラと、回転軸と、そのボスの内周面に固定され、筒状部を有する磁性金属材からなるヨークと、このヨークの内周面に固定された駆動用マグネットと、その回転軸を回転可能に保持する軸受手段と、この軸受手段の径方向外方に駆動用マグネットと対向するように固定されたステータとを備えることを特徴とする。
この構成によれば、このインペラのボス軸方向一端部が径方向内方に円盤状に拡がって、その回転軸に固定するようにしてもよい。或いは、このヨーク筒状部の軸方向一端部が径方向内方に円盤状に拡がって、その回転軸に固定するようにしてもよい。いずれもインペラを樹脂にすることで、より複雑な形状を形成するのに適している。
【0016】
上記の各ファンモータにおいて、軸受手段とは、滑り軸受け、転がり軸受けまたは動圧流体軸受けをあげることができる。ステータとは、複数の磁性鋼板を積層してなる鉄心にコイルを巻設してなる電磁作用をなすものである。
6.ファンモータのハウジングについて
更に、上記の各ファンモータは、好ましくは前記インペラを囲み、軸方向一方または両方に空気を取り込む吸気口と、径方向の少なくとも一方に空気を吐き出す排気口を有するハウジングを備える。
このハウジングは、このファンモータが搭載される電子機器を構成する回路基板、外装ケース及びその他機器を構成する基板の一部を利用して取り付けても良い。
【0017】
前記ハウジングの少なくとも一部は、金属材からなるものとすることができる。例えばハウジングが単一の部材からなる場合は、それを金属材とし、二つ以上の部材からなる場合は、少なくともその一つを金属材とする。金属材からなるハウジング部分は、熱伝導性が良好な材料であって、しかもフィンを有するものとするとよい。熱伝導性が良好な金属材とは、例えばアルミニウム、マグネシウムである。
このように金属材料からなるハウジングを備えたファンモータは、金属材の剛性の高さに起因して薄型化に適する。しかも放熱性に優れるためファンモータの冷却特性向上に寄与する。
【0018】
7.電子機器について
上記ファンモータは、そのファンモータによって冷却される電子部品を備えた電子機器に適用することができる。この電子機器とは、例えば、ノートパソコン、携帯情報端末等をあげることができる。そのような電子機器には、CPU(Central Processing Unit)等の高度集積回路が形成された小型半導体電子部品を備え、この電子部品が過度に発熱するため主な冷却対象となる。従って、このような電子部品は、電子機器内でファンモータのハウジング排気口の延長線上に取り付けられるとよいし、ハウジングの少なくとも一部が金属材からなる場合、その金属材からなる部分の外面に電子部品が接触するように固定されてもよい。また、ファンモータのハウジングとして、電子機器を構成する回路基板や外装ケースの一部が兼ねるようにしてもよい。
何れもファンモータが薄型で狭い空間に設置されても良好な送風特性を得ることができるため、このファンモータを搭載することで、ファンモータ及び電子機器の外形を拡大させることなく所望の冷却を行うことができる。つまり、この電子機器は、薄型でありながら高性能なものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態をいくつか例示するが、この発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、説明の都合上、回転軸の長手方向を軸方向、軸方向に垂直な方向を径方向とする。
−第1実施形態−
この発明の第1の実施形態を図面とともに説明する。図1は、第1実施形態のインペラ及びこれを備えたファンモータ付近を示す軸方向断面図である。図2は、そのファンモータの分解斜視図である。図3は、図1のインペラの斜視図、図4はそのインペラの軸方向断面図、図5はインペラ前駆体を示す上面図である。
ファンモータ2は、主として、インペラ3、回転軸4及び駆動用マグネット5を有する回転部材に対して、軸受手段41、支持部材6、モータ用回路基板10、ステータ7及びハウジング8を有する静止部材を備えている。
【0020】
1.回転部材について
インペラ3は、磁性を示す金属材である鉄からなり、図3、4に示すように円筒状のボス31と、ボス31の外周面より延びる複数のリブ32aと、リブ32aから立ち上がる羽根32bとを一体的に備える。インペラ3には、ボス31の軸方向一端部の径方向内方に拡がる円盤部分の中心に貫通孔3aが形成され、その貫通孔3aに回転軸4の上端が嵌合することにより、インペラ3と回転軸4が固定されている。ボス31の内周面には、円筒状の駆動用マグネット5が嵌合固定されている。インペラ3の詳細な形状は後述する。回転軸4は、軸受手段41を介して静止部材に回転可能に保持されている。なお、インペラ3は直接、回転軸4に固定されているが、回転軸4に金属製ブッシュを介在させて貫通孔3aに嵌合させて固定してもよく、このような場合の金属ブッシュは回転軸4の一部とみなすことができる。
【0021】
2.静止部材について
ハウジング8は、図1、2に示すように上板81、下板82及び側壁83からなり、上板81と下板82のそれぞれには吸気口8a、8cを有し、側壁83には排気口8bを有し、内部に上記回転部材及び静止部材を収納する空間を有する。下板82には、円筒状の支持部材6が一体的に形成されている(以下、支持部6という)。支持部6の内部には、軸受手段41が保持されている。軸受手段41は、回転軸4の径方向荷重を保持する、円筒状の含油多孔質体からなる滑り軸受と、回転軸の軸方向荷重を保持する、平板状の硬質性樹脂からなる摺動板とからなる。支持部6の底面には、その摺動板が収容され内周面にその滑り軸受が嵌合され、滑り軸受の上端面と支持部6の開口端部に当接してリング42が固定され、このようにして支持部6に軸受手段41が固定されている。また、支持部6の外周面には、ステータ7が固定され、さらにステータ7の下方には、モータ用回路基板10が固定されている。ステータ7に巻設されているコイルは、このモータ回路基板10に接続され、この回路基板10のリード72がハウジング8の裏面を通ってモータ外部へ引き出されている。ステータ7の外周面は、駆動用マグネット5の内周面に所定の間隔をあけて径方向に対向している。ステータ7と駆動用マグネット5との間には軸方向の磁気吸引力が常時作用して回転部材が静止部材から外れないようになっている。
3.ハウジングについて
ハウジング8は、上板81及び下板82とも金属材からなり、アルミニウムが使用されている。図2に示すように、下板82は平面視がU字状で上板81も、それとほぼ同形で平行に位置し、下板82はそれと直交する側壁83を一体的に有する。側壁83の外面は、下板82の縁のU字状に沿った曲面からなり、側壁83の内面も同様にU字状に沿った曲面を有するが、側壁83の一部は肉厚に形成されている。この肉厚部には雌ねじ孔が形成され、上板81を通された雄ねじ84(図1のみ示し図2では省略する)がその雌ねじ孔に嵌合することにより、上板81と下板82とが所定の間隔で対向するように互いに固定されている。上板81及び下板82の直線縁、及び側壁83の端部にて規定される方形の開口が排気口8bとなり、上記回転部材及び静止部材は、上板81、下板82及び側壁83で囲まれる空間内に収納されている。
また、図1に示すように、上板81の吸気口8aは、ボス31の上方を含み、内径が羽根32bの径方向のほぼ中間値に対応する円形をなす。さらに、下板82の吸気口8cは、同一円周上における周方向等間隔に配列した3つの円弧状の開口からなり、上板81の吸気口8aとほぼ同心位置であって、各開口の内径がボス31の外径にほぼ等しく、外径は羽根32bの方向のほほ中間値に対応する。なお、材料は、アルミニウム以外のものとして、鉄やマグネシウム等でもよい。
【0022】
4.インペラについて
4-1.形状
さてインペラ3は、図3、4に示すように、貫通孔3a以外は上端が閉塞した円筒状のボス31の外周面における軸方向下端より9枚のリブ32aが径方向外方に延びている。各リブ32aは、ボス31の外周面から互いに周方向に等間隔をあけて約60度の出口角αをなして直線的に延びている。しかも、リブ32aは、軸方向から眺めて一様の幅広(つまり、軸方向に垂直な広い面)で薄肉である。
羽根32bは、各リブ32aに1枚設けられている。羽根32bは、ボス31の外周面から離れた位置からリブ32aの先端位置までのリブ32aの側端に沿ってリブ32aに対して直角に上方に立ち上がっている。つまり、リブ32aと羽根32bとは、半径方向側面視がL字形状をなす。そのボス31の外周面から羽根32bまでの距離は、羽根32bの径方向幅の約3分の1である。羽根32aの高さはボス31の高さより幾分小さい。さらに、羽根32bは、図3に示すように、リブ32aにおける回転方向(矢印R)の後側に形成されている。羽根32bは、図4に示すように周方向側面視がほぼ方形をなし、ボス31外周面に対向する稜線と上端の稜線とでなす1角のみ円弧状に膨らんだ面取りがなされている。この面取り部の下端は、吸気口8cのほぼ中間部分に位置し、その上端はほぼ吸気口8a,8cの外周縁に位置する。
このインペラ3は、回転するとリブ32a及び羽根32bともに回転方向に対して空気抵抗を受けるが、リブ32aの平面は回転方向に平行に形成されその抵抗を受けるのはリブ32aの側端面であり、この側端面の面積は羽根32bの面積に比べて十分に小さく、気流を発生させるのに寄与するのは羽根32bである。
【0023】
4-2.製造方法
次に、インペラ3の製造方法について説明する。インペラ3は、鉄からなる金属板を塑性変形することにより形成される。まず、インペラ前駆体3’を打ち抜きによって一枚の鉄板から形成する。インペラ前駆体3’とは、その展開形状を図5に平面図として示すように、中央に貫通孔前駆部3a’を有する円盤状のボス前駆部31’、そのボス前駆部31’から径方向に延びる9本のリブ前駆部32a’及びリブ前駆部32a’より幅広で各リブ前駆部32a’の先に延びる羽根前駆部32b’からなる。続いて、プレス機を用いてボス前駆部31’を上記の一端閉塞の円筒状に鍛造(例えば、絞り加工)する(ボス31が完成)。また羽根前駆部32b’のリブ前駆部32a’の幅よりはみ出した部分をプレス機を用いて直角に折り曲げる(リブ32aと羽根32bが完成)。貫通孔前駆部3a’は、ボス前駆部31’の加工と同時或いは別のいずれに鍛造加工する(貫通孔3aが完成)。
また、図示は省略するが、上記加工順序を変更して次のように形成することもできる。金属板に対して、はじめにボス31を形成する。このとき、金属板はできたボス31の外周にリブ前駆部及び羽根前駆部が形成できる程度の大きさである。次に、ボス31の外周の金属部分を打ち抜いてリブ前駆部及び羽根前駆部を形成する。そして、羽根前駆部を折り曲げて羽根32bを形成する(リブ32aも形成される)。この加工順序では、ボス31の加工前の金属板がボス前駆部となる。貫通孔3aはボス31と同時に加工する。
上記何れの加工順序とも、主要な工程を示すのみで各工程間に部材の位置決め、置き換え及び仕上げ加工等の細部については省略している。上記加工順序は、一例であり相前後してもよいし、同時或いは別にするようにしてもよい。
【0024】
5.ファンモータの動作について
上記ファンモータ2は、リード72を通じてステータ7が給電され、ステータ7の周囲に磁界が形成され、それと駆動用マグネット5との磁気作用によってインペラ3が回転する。回転に伴ってファンモータ2外部の軸方向周辺の空気が吸気口8a、8cから軸方向に吸入されてリブ32aおよび羽根32bに当たり、遠心力を付与されて径方向外方から側壁83の内周面にそって回転方向に流れ排気口8bから排出される。
【0025】
6.ファンモータの特徴
(1)インペラ3は、羽根32bとボス31との間に空隙が形成されるため、この空隙が軸方向に取り込まれる空気の通路となり、羽根32bの上方および下方にハウジング8が接近していても十分に空気が吸気される。つまり、ファンモータ2が薄型に設計され軸方向のスペースが少ない場合や吸気口8a、8cの外部に空気の流通を阻害する障害物がある場合でも十分に空気を吸気することができる。また、羽根32bの面取り部分によって、吸気口8aから取り込まれた空気が軸方向から径方向に円滑に案内される(円滑に案内されるとは、乱流が少ないことから風損が少ないことと騒音が小さいということ)。また、この面取りを設ける羽根形状は、空気抵抗を受ける領域(羽根)と空隙の領域とをバランスよく確保する上で有利である。
(2)インペラ3の羽根32bは、リブ32aに設けられているため、吸気口8aから軸方向に取り込まれた空気がリブ32aにあたって羽根32bに案内され、気流を発生させる。リブ32aがないと、軸方向一方から取り込まれた空気がそのまま通過し他方へ流れたり、本例のように軸方向両方から吸気された空気が互いに衝突して相殺されるようにして、風損となって送風特性の低下を招いてしまう。特に、羽根32bはリブ32aの回転方向Rの後ろ側に形成されているため、リブ32aにあたった空気を羽根32bとで形成される空隙にて取り込むことができ気流発生に有利である。
【0026】
(3)インペラ3は、磁性金属材であってボス31の内周面に駆動用マグネット5が固定されているため、駆動用マグネット5の磁路がボス31に形成され、公知の構成にあるヨークが専用部材として不要である。
特に、ボス31がヨークを兼ねていることから、これらが別体である構成に比べて単に部品点数が少なく済むだけでなく、この領域の半径方向のスペースを大きく確保することができる。例えば、ステータ7と駆動用マグネット5とを一定にしてヨークの有無を比較すると、本例ではボス31の外径を小さくでき、空隙をより大きくすることができる(ヨークを設けると、その肉厚分だけ空隙が小さくなる)。或いは、ボス31の外径を一定にしてヨーク部材の有無を比較すると、本例のようなステータ7と駆動用マグネット5の外径に対して、ヨークを設ける場合はその肉厚だけステータ7と駆動用マグネット5の外径を小さくすることとなり、それだけ磁気特性が犠牲になる。つまり、ヨークがあるとそれら以外にも設計上の制約を伴うこととなり、本例のようにヨークを不要にすることによる効果は顕著である。
(4)インペラ3は、回転軸4に直接、固定されているため、インペラと回転軸との間に介在する部材が不要で、このファンモータの部品点数が少なくて足りる。
(5)インペラ3は、金属材からなり、しかも回転軸4に直接固定されているため、軸受手段41と回転軸4の接触により発生する摩擦熱が回転軸4を通じてインペラ3全域に放熱され、軸受手段41の温度が上昇しにくい。これにより、軸受手段41の寿命が延びこのファンモータ2は、長期にわたる使用が可能となる。
【0027】
(6)インペラ3は、ボス31、リブ32a及び羽根32bが単一の金属材を塑性変形することで成形することができるため、極めて簡単かつ短時間で製造することができ、量産性がある。
(7)インペラ3は、金属材からなるため剛性が高く、リブ32aや羽根32bのような肉厚が小さいような形状であっても形成することができる。このため、各部の連結部等、強度確保のために肉厚を大きくする必要がなく、薄型化に好適となる。
(8)インペラ3は、金属材であることから、廃棄処理するときにリサイクル性が良好である。
(9)インペラ3は、羽根32bが軸方向上方のみに立ち上がっていることから、軸方向上方からの吸気力が大きい。例えば、ファンモータ2が設置されたときに吸気口8aの上方の空間が吸気口8cの下方の空間よりも大きい場合に、吸気口8aからの吸気をより積極的に行うことができ、効率よく吸気することができる。なお、羽根32bが軸方向上方のみ立ち上がっているから吸気口8aからの吸気力が吸気口8cに比較して大きくなるものの、この吸気口8cから吸気されないということではない。吸気口8aから取り込まれた気流が羽根32bによって径方向外方に案内されるとともに、これに応じて吸気口8cからも空気が取り込まれる。
(10)ハウジング8は、アルミニウムが使用されているため材料の強度が大きく各部の肉厚を小さくしても十分に剛性を確保することができ、軸方向高さの小さい薄型に好適となる。
従って、本実施形態のファンモータ2は、薄型で狭い空間に配置されても良好な送風特性を有する。
【0028】
−第2実施形態−
この発明の第2の実施形態を図面と共に説明する。この実施形態は、第1実施形態のファンモータとインペラの形状が異なる以外は基本的に同形同質であることから、インペラについてのみ以下に詳述する。そのインペラは、複数あるためこれらの形態についてそれぞれ説明する。図6(a)〜(c)、図7(a)(b)、図8(a)〜(d)は、第2実施形態に係る種々のインペラを示す軸方向断面図、平面図、及び要部斜視図である。
図6(a)に示すインペラ3Aは、羽根3Abが回転方向側面視が方形で第1実施形態の羽根32bの面取りされない形状である。これは、羽根3Abとボス31との間の空隙を第1実施形態のファンモータ程は大きくする必要がない場合に好適である。
図6(b)に示すインペラ3Bは、羽根3Bbが第1実施形態の羽根32bの面取り部を直線的な斜辺とした回転方向側面視が直角三角形である。斜辺の外端は、羽根3Bbの外端まで達しているが、その手前にして羽根3Bbの面積をより確保するようにしてもよい。いずれも直線的な端縁であるため塑性変形として板金の打ち抜きや折り曲げ等の加工をするのに歪みを小さくでき有利である。
図6(c)に示すインペラ3Cは、羽根3Cbが第1実施形態の羽根32bと同じ位置に面取り部を円弧状に凹むように形成されている。
【0029】
さらに、図7(a)(b)に示すインペラ13は、第1実施形態のリブに2枚の羽根を設けた形状であり、即ち、リブ132aに羽根132b、132b’ が設けられている。羽根132b’と羽根132bとは、リブ132aの両側端で、その立ち上がり方向もリブ132aの上下方向にそれぞれ設けられている。ボス131は、第1実施形態の場合に比べて軸方向高さが約半分である。羽根132b,132b’の各々の軸方向高さは、第1実施形態のボス31の約半分であり、両方を合わせるとほぼ同じである。このインペラ13は、羽根132b,132b’が両方にあることからほぼ同等の吸気力を有するが、下の羽根132bはリブ132aの回転方向Rの前側にあるため上の羽根132b’の吸気力に比べると幾分小さい。
【0030】
図8(a)に示すインペラ13Aは、図7(a)(b)に示すインペラ13を変形したもので、各リブ132aに1枚の羽根132bまたは132b’を設けた形状であり、即ち、あるリブ132aに軸方向上方に羽根132b’が設けられ、そのリブ132aの隣りのリブ132aには軸方向下方に羽根132bが設けられ、羽根132b、132b’の立ち上げ方向を交互に変えて設けられている(この場合のリブ132aの枚数は偶数である)。この例も、図7(a)(b)に示すインペラ13と同様に上下から同等に吸気することができる。
図8(b)に示すインペラ13Bは、図6(a)〜(c)及び図7(a)(b)と同様に軸方向両方から積極的に吸気するような構成であるが、その羽根形状をさらに変更した形状である。即ち、リブ132aは、内径側は上記と同様にボス131から延び外径側の途中(吸気口8a,8cの中央付近)からリブ132aの長手方向を軸線として回転する方向に捻りながら立ち上げて羽根132bbを設けた形状である。これにより、リブ132aと羽根132bbとの境界が滑らかな曲面で形成され空気を円滑に案内することができる。
図8(c)に示すインペラ13Cは、図7(a)(b)のように1つのリブに対して2枚の羽根を有するものであるが、それら羽根132c、132c’が共にリブ132aの軸方向一方に形成されている点で異なる。しかも、リブ132aにおける回転方向Rの後ろ側にある羽根132cに対して、回転方向の前側にある羽根132c’は表面積が小さい。
図8(d)に示すインペラ13Dも、図7(a)(b)のように1つのリブに対して2枚の羽根を有するものであるが、それら羽根132d、132d’が共にリブ132aを境にして軸方向両方で、しかもともに回転方向Rの後ろ側に形成されている点で異なる。このインペラ13Dは、羽根132d,132d’が上下両方に同じ位置にあるので、上下ほぼ同等の吸気力を有する
【0031】
−第3実施形態−
この発明の第3の実施形態を図面と共に説明する。この実施形態は、第1及び第2実施形態のファンモータのインペラを中心に回転部材の形状が異なる以外は基本的に同形同質である。よって、回転部材についてのみ以下に図9に示す軸方向断面図を用いて詳述する。
図9に示すファンモータ22の回転部材は、インペラ232、回転軸24、ヨーク233及び駆動用マグネット25からなる。
インペラ232は、上記実施形態と同様にボス231、リブ232a及び羽根232bとを有するが、ボス231は円筒状部の軸方向上方に径方向内方に幾分拡がる段差部231aを有するのみで円盤状部がない。しかも、金属ではなく樹脂にて射出一体成型されている。
ヨーク233は、鉄のような磁性金属材からなり、円筒部とこれの軸方向上方から径方向内方に拡がる円盤状部とこれの中心に設けられた貫通孔とからなり、円筒部と円盤状部の境界付近は内側に窪んでいる。
回転軸24は、ヨーク233の貫通孔に嵌合固定されている。ヨーク233の円筒部の内周面には駆動用マグネット5が、その窪み部に当接して嵌合固定されている。インペラ232は、ボス231がヨーク233の円筒部に嵌合し段差部が窪み部に係止して固定されている。
【0032】
このファンモータ22は、第1実施形態のファンモータと同形同質の部位について同じ特徴、即ち、第1実施形態にて説明した上記(1)、(2)、(9)及び(10)を有するが、さらに、インペラ232が樹脂で形成されていることに関連して第1実施形態のファンモータにはない特徴を有している。
即ち、インペラ232を樹脂にすることで、成形を容易に行うことができ、上記の鍛造では不可能な複雑な形状を形成することができる。また、樹脂を使用することにより回転部材を軽量にすることができ、回転トルクが少なくなり電流値を小さくすることができる。
なお、詳述は省略するが、第3実施形態のインペラ232は、第1実施形態のリブ32a及び羽根32bと同形のものを例示したが、これ以外に第2実施形態で示した種々の形状としてもよい。
また、第1及び第2実施形態のようにインペラに金属材を使用する場合でも、非磁性金属(アルミニウムやマグネシウム等)を使用する場合は、駆動用マグネットに対してヨークが必要になるため、回転部材の構成としては第3実施形態と同様となる。
【0033】
―第4実施形態―
この発明の第4の実施形態を図面と共に説明する。この実施形態は、第1実施形態のファンモータのハウジングの形状が異なる以外は基本的に同形同質である。よってハウジングについてのみ以下の図10に示す軸方向断面図を用いて詳述する。
図10に示すファンモータ51のハウジング58は、第1実施形態の排気口8bが排気方向に延長されていて、その延長部分に複数のフィンが設けられこれらフィンの延長線上に排気口が位置する。即ち、上板581は、上記実施形態の長手方向に約二倍の長さであり、下板582も同様の長さである。この上板582の延長部分には、下板581側に突出する複数のフィン584がその延長方向に沿って形成され、互いに所定の間隔をあけて形成されている。側壁583もそれらに応じて延長されている。
これにより、ハウジング58のフィン584群がある上板582の裏面は、フィン584群の放熱効果により熱伝導性が良好となる(フィン群がヒートシンクとして機能している)。つまり、この面に冷却対象である電子部品等の発熱源Hを当接するように配置することで、その発熱源Hを円滑に冷却することができる。この場合、当該ファンモータ51のハウジングと冷却対象に設けたヒートシンクとが一体的に構成されているため、当該ファンモータをヒートシンクとともに設置するときに容易に行うことができる。また、ヒートシンクをなす放熱面積をより広く確保することができ放熱性が良好となる。フィン584は、上板582ではなく下板581に設けられてもよい。
なお、第4実施形態は、第1実施形態を変形させた構成であるが、他の第2及び3実施形態のものを適用することもできる。
【0034】
−第5実施形態−
この発明の第5の実施形態を図面と共に説明する。この実施形態は、ファンモータを備えた電子機器である。この電子機器とは、例えばノートパソコンや携帯情報端末である。その電子機器を図11に示す軸方向断面図を用いて詳述する。図11に示す電子機器1は、外装ケースのカバー61と底板62との間に、CPUやメモリー等の電子部品が実装された回路基板63が両板に平行に設置されている。そして第1実施形態と同様のファンモータ2が回路基板63と底板62とで挟まれる空間に設置されている。そのファンモータ2は、第1実施形態の上板81の代わりにその回路基板63を下板82と組み合わせている。このとき、回路基板63におけるファンモータ2の上方部分には、上板81と同様の吸気口64が形成されている。回路基板63の冷却対象である電子部品または電子部品に当接するヒートシンク(図示省略)は、その下面に設けられていてファンモータ2の排気口8bの延長線上に位置している。
そのファンモータ2は、薄型で狭い空間に配置されても高い送風特性が得られるため、この電子機器1は、狭い空間に発熱源が置かれても所望の冷却を行うことができ、薄型でありながら高性能とすることができる。特に、回路基板63がファンモータ2のハウジングの一部を兼ねる構成とすると、ファンモータをノートパソコンのような狭い空間に搭載する場合に、電子機器の軸方向の所定高さに対してファンモータ或いは電子機器の軸方向高さを犠牲にすることなく搭載することができる。なお、第5実施形態は、第1実施形態のファンモータを備えているが、第2〜4実施形態のファンモータを適用することもできる。
【0035】
−第6実施形態−
この発明の第6の実施形態を図面と共に説明する。この実施形態は、第5実施形態とファンモータの設置構造が異なる以外は基本的に同形同質である。よって、そのファンモータの設置構造をついてのみ以下に図12に示す軸方向断面図を用いて詳述する。
図12に示す電子機器11は、第5実施形態と同様に第1実施形態のファンモータ2が回路基板63と外装ケースの底板62とで挟まれる空間に設置されているが、支持部6を有する下板82が回路基板63側に固定されている。即ち、回路基板63には、下板82の吸気口8cと同じ外径の円形の開口が形成されており、この開口と吸気口8cとが同心となるように下板82が取り付けられている。この回路基板63の開口に対向する底板62には、その吸気口8cと同心に円弧状の開口が複数形成され、下板82は底板62に対しても固定され、この開口が外装ケースの内外に空気が流通する吸気口8dとして作用する。また、底板62の吸気口8d付近は、当該電子機器をテーブルなどの載置面Tに載置したときにその吸気口8dが塞がって吸気作用を阻害しないように、載置面Tから遠ざかるように窪んでいる(符号D)。
【0036】
本実施形態の電子機器でも、第6実施形態と同様に狭い空間に発熱源が置かれても所望の冷却を行うことができ、薄型でありながら高性能とすることができ、特に、底板62がファンモータ2のハウジングの一部を兼ねる構成とすると、ファンモータをノートパソコンのような狭い空間に搭載する場合に、電子機器の軸方向の所定高さに対してファンモータ或いは電子機器の軸方向高さを犠牲にすることなく搭載することができる。
なお、本実施形態ではファンモータを底板62に取り付けているが、カバー61に取り付けても良い。また、第6実施形態は、第1実施形態のファンモータを備えているが、第2〜4実施形態のファンモータを適用することもできる。
【0037】
−その他の変形例について−
上記した各実施形態の構成は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、以下に例示するような種々の変更が可能である。
上記インペラのリブの出口角αは、60度となっているが、これよりも小さくてもよいし或いはこれよりも大きくてもよい。
上記リブは、上記羽根を、その空隙を介して位置付けることができれば、径方向外方に向けて次第に幅が狭くなる形状であってもよい。
上記リブは、径方向に直線的に延びているが曲線的に延びる形状であってもよい。
上記羽根は、リブに対して垂直に設けられている(軸方向に平行である)が、回転方向に空気抵抗を受けることができれば、必ずしも垂直である必要はなく種々の特性や寸法を考慮して傾かせてもよい。
上記駆動用マグネットとステータとは、径方向に対向しているが、軸方向に対向する構成であってもよい。
上記ファンモータの軸受手段は、転がり軸受や動圧流体軸受等を適用してもい。
上記ファンモータは、吸気口が軸方向両側に設けられた構成であるが、一方が閉塞されて片側のみに吸気口を有する構成としてもよい。
上記インペラが金属材を、プレス機を使って塑性加工されたものを示したが、鋳造による製造方法にて形成するようにしてもよい。
上記ファンモータは、冷却用として説明したが、これ以外に狭い空間の雰囲気中の流体を送風する目的で用いる場合にも好適である。
【0038】
【発明の効果】
以上の通り、この発明のファンモータは、軸方向の上下方向から空気が取り込むことができるインペラを有し、このインペラにモータ部分が収容されることにより、薄型化されていながら、良好な送風特性を有する。そのため、このファンモータは、空気を取り込む空間が狭い場合でも、良好な送風特性を得ることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のファンモータを示す軸方向断面図である。
【図2】 図1のファンモータの分解斜視図である。
【図3】 図1に示すファンモータのインペラの斜視図である。
【図4】 図3に示すインペラの軸方向断面図である。
【図5】 図3に示すインペラの前駆体の上面図である。
【図6】 (a)〜(c)は、本発明の第2実施形態のファンモータの種々のインペラを示す軸方向断面図である。
【図7】 (a)は本発明の第2実施形態として図6(a)〜(c)とは別のインペラを示す上面図、(b)はその要部斜視図である。
【図8】 (a)及び(b)は本発明の第2実施形態としての図6(a)〜(c)及び図7とは別のインペラを示す軸方向断面図、(c)及び(d)は同じく要部斜視図である。
【図9】 本発明の第3実施形態のファンモータを示す軸方向断面図である。
【図10】 本発明の第4実施形態のファンモータを示す軸方向断面図である。
【図11】 本発明の第5実施形態の電子機器を示す主要部断面図である。
【図12】 本発明の第6実施形態の電子機器を示す主要部断面図である。
【図13】 従来のファンモータを示す斜視図である。
【図14】 図13のファンモータの軸方向断面図である。
【符号の説明】
1,11 ノートパソコン(電子機器)
2,22,102 ファンモータ
3,13,232,103,3A,3B,3C,13A,13B,13C,13D インペラ
3’ インペラ前駆体
31,131,231 ボス
31’ ボス前駆部
32a,132a,232a リブ
32a’ リブ前駆部
32b,132b,132b‘,132bb,3Ab,3Bb,3Cb,132c,132c’,132d,132d’,232b 羽根
32b’ 羽根本体前駆部
4,24 回転軸
5,25 駆動用マグネット
6 スリーブ
7 ステータ
8,28,108 ハウジング
9 CPU
85 フィン

Claims (4)

  1. 磁性金属材からなり、軸方向の上下方向から取り込んだ空気を径方向に吐き出すことができるインペラと、
    回転軸と、
    該回転軸とともに回転する駆動用マグネットと、
    該回転軸を回転可能に保持する軸受手段と、
    該軸受手段の径方向外方に前記駆動用マグネットと対向するように固定されたステータと、
    該インペラを収容するハウジングと、
    を備えたファンモータであって、
    前記インペラは、
    前記回転軸、前記軸受手段、及び前記ステータを収容すると共に、前記駆動用マグネットが内周面に固定された円筒状のボスと、
    該ボスの外周面の下端部から所定の出口角をなして径方向外方に延び、該ボスの軸方向から眺めて幅広に形成された複数のリブと、
    該リブの側端における該ボスの外周面から離れた位置に、回転方向に対して空気抵抗を受けるように上方に立ち上がって設けられた羽根と、
    を備え、隣接する該リブ間には開口が形成され、
    前記ハウジングは、前記インペラにおける前記ボスの外周面と前記羽根の径方向内方端とで定義される環状空隙の上側及び下側に対向する上側及び下側の吸気口と、前記インペラの径方向に対向する排気口とを備え、
    前記上側及び下側の吸気口から取り込まれた空気が前記環状空隙を介して前記羽根側へ流れることを特徴とするファンモータ。
  2. 非磁性金属材又は樹脂の何れかからなり、軸方向の上下方向から取り込んだ空気を径方向に吐き出すことができるインペラと、
    回転軸と、
    該回転軸とともに回転する駆動用マグネットと、
    該駆動用マグネットが内周面に固定された円筒状のヨークと、
    該回転軸を回転可能に保持する軸受手段と、
    該軸受手段の径方向外方に前記駆動用マグネットと対向するように固定されたステータと、
    該インペラを収容するハウジングと、
    を備えたファンモータであって、
    前記インペラは、
    前記回転軸、前記軸受手段、及び前記ステータを収容すると共に、前記駆動用マグネットを備えた前記ヨークが内周面に固定された円筒状のボスと、
    該ボスの外周面の下端部から所定の出口角をなして径方向外方に延び、該ボスの軸方向から眺めて幅広に形成された複数のリブと、
    該リブの側端における該ボスの外周面から離れた位置に、回転方向に対して空気抵抗を受けるように上方に立ち上がって設けられた羽根と、
    を備え、隣接する該リブ間には開口が形成され、
    前記ハウジングは、前記インペラにおける前記ボスの外周面と前記羽根の径方向内方端とで定義される環状空隙の上側及び下側に対向する上側及び下側の吸気口と、前記インペラの径方向に対向する排気口とを備え、
    前記上側及び下側の吸気口から取り込まれた空気が前記環状空隙を介して前記羽根側へ流れることを特徴とするファンモータ。
  3. 前記羽根は、径方向内方で、かつ前記リブとは反対側が面取りされた請求項1又は2の何れかに記載のファンモータ。
  4. 前記羽根は、前記リブとの境界に滑らかな曲面を形成して立ち上がった構成を有する請求項1又は2の何れかに記載のファンモータ。
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