JP6460443B2 - 低温液化ガス用ポンプ装置 - Google Patents

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本発明は、液化窒素などの極低温液体を低い所から高い所へ揚液するために用いる低温液化ガス用ポンプ装置に関し、特に、冷菓等の食品を製造するラインに設置される低温液化ガス用ポンプ装置に関する。
従来より、液体窒素などの極低温液体に用いられるポンプが種々提案されている(例えば特許文献1、2を参照。)。しかし、何れのポンプも構造が複雑であり、内部を分解清掃することが容易ではない。このため、頻繁な分解清掃が義務付けられる食品の製造ライン用ポンプには適していない。
また、従来より、極低温液体に用いられるポンプでは、極低温環境に起因して軸受やシール材に多くのトラブルが発生することが知られている。もちろん、極低温用の特殊な軸受やシール材を使用すれば、そのトラブルの発生は少なくなるが、そのような軸受やシール材は高価である。さらに、食品の製造ライン用ポンプとして使用する場合は、極低温液体内に軸受け等があると、それらを分解清掃するのに手間が掛かるという点でも問題がある。
特開平8−200274号公報 特開2012−92813号公報
本発明は、上記課題に鑑みて創案されたものであり、食品の製造ラインに使用される低温液化ガスを揚液するために用いるポンプ装置において、分解清掃を容易にできるシンプルな構造であり、極低温環境に起因するトラブルが発生しにくく、低コストにて製造可能な低温液化ガス用ポンプ装置を提供することを目的とする。また、本発明は、分解清掃を容易にできるシンプルな構造でありながらも、高いポンプ能力を発揮し得る低温液化ガス用ポンプ装置を提供することをも目的とする。
本発明に係る低温液化ガス用ポンプ装置は、長手方向を略鉛直方向に向けて、上部のみが支持されたシャフトと、前記シャフトの下部に回転一体に設けられた羽根車と、前記羽根車を非接触状態で収容する略円柱状空間のポンプ室及び該ポンプ室の上方に形成され前記シャフトを挿入した吸引口を有するケーシングと、前記シャフトの上部に連結され、当該シャフトに回転動力を付与するモータと、前記ケーシングを浸漬させる低温液化ガスを貯留する低温液化ガス貯留部と、前記ケーシングの吸引口からポンプ室内へ吸引可能な液面高さまで前記低温液化ガス貯留部に貯留された低温液化ガスと、を備える。前記シャフトを支持する支持部および前記モータは、何れも、前記低温液化ガス貯留部に貯留された低温液化ガスの液面高さよりも200mm以上高い位置に設けられている。また、前記羽根車は、前記シャフトに固定された固定部と、該固定部を中心として放射状に設けられ且つ回転中心から遠心側に向かって幅広に形成された複数枚の羽根部と、を有する。
かかる構成を備える低温液化ガス用ポンプ装置によれば、シャフトの上部を支持する支持部およびモータは、何れも、低温液化ガス貯留部に貯留された低温液化ガスの液面高さよりも200mm以上高い位置に設けられている。多くの場合、低温液化ガスの液面高さよりも200mm以上高い位置では、物体の表面に霜が発生しない程度の温度環境になることから、当該支持部やモータにおいて極低温環境に起因するトラブルは発生しにくい。また、シャフトの上部のみが支持されるとともに、シャフトの下部に設けられた羽根車がケーシングのポンプ室内に無接触状態で収容されることで、低温液化ガスに浸漬する部分に軸受けや摺動部を設けないようにすることができる。これにより、低温液化ガスに浸漬した部分における極低温環境に起因するトラブルの発生を無くすことができ、軸受け等が無いことにより清掃も容易に行える。また、羽根車の羽根部を回転中心から遠心側に向かって幅広に形成したものとすることにより、ポンプ室が略円柱状空間という簡易な形状・構造であっても高いポンプ能力を発揮させることができ、併せて、ポンプ室が略円柱状空間という簡易な形状・構造であることにより、ケーシング内の分解清掃が容易に行える。
また、本発明に係る低温液化ガス用ポンプ装置は、以下の構成を備えるものであってもよい。すなわち、長手方向を略鉛直方向に向けて、上部のみが支持されたシャフトと、前記シャフトの下部に回転一体に設けられた羽根車と、前記羽根車を非接触状態で収容する略円柱状空間のポンプ室及び該ポンプ室の上方に形成され前記シャフトを挿入した吸引口を有するケーシングと、前記シャフトの上部に連結され、当該シャフトに回転動力を付与するモータと、前記ケーシングを浸漬させる低温液化ガスを貯留する低温液化ガス貯留部と、を備える。前記シャフトを支持する支持部および前記モータは、何れも、前記ケーシングの吸引口の上端よりも200mm以上高い位置に設けられている。また、前記羽根車は、前記シャフトに固定された固定部と、該固定部を中心として放射状に設けられ且つ回転中心から遠心側に向かって幅広に形成された複数枚の羽根部と、を有する。
かかる構成を備える低温液化ガス用ポンプ装置によれば、既述した低温液化ガス用ポンプ装置と同様の作用効果が得られる。
前記羽根車は、円板に対して、所定半径位置から外周部に亘って放射状にスリット加工を施すことにより複数の扇状板を形成し、各扇状板を各扇状板の中心線回りに回転させて、スリットの中心側の端部間を略90°捩ることにより形成されたものとすることができる。
かかる低温液化ガス用ポンプ装置によれば、一枚の円板にスリット加工等を施すことにより羽根車を製造することができるため、当該羽根車を安価に製造することが可能となる。
本発明に係る低温液化ガス用ポンプ装置は、ケーシングを容易に分解清掃できるシンプルな形状・構造であり、極低温環境に起因するトラブルが発生しにくく、低コストにて製造することが可能である。また、本発明に係る低温液化ガス用ポンプ装置は、ケーシングが容易に分解清掃できるシンプルな形状・構造でありながらも、高いポンプ能力を発揮することができる。
本発明の実施の形態に係る低温液化ガス用ポンプ装置の斜視図である。 本発明の実施の形態に係るケーシング内の様子を示す断面図である。羽根車の羽根部は2枚のみを示し、その他の羽根部は図示を省略している。 本発明の実施の形態に係る羽根車の製造工程例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る羽根車との比較対象例に係る羽根車を示す図である。(a)は、回転軸方向から視た図である。(b)は、回転軸方向に対して直交する方向から視た図である。羽根部は2枚のみを示し、その他の羽根部は図示を省略している。 本発明の実施の形態に係る羽根車と、その比較対象例に係る羽根車について行った実験結果を示すグラフである。横軸は吐出量を、縦軸は羽根車の回転数を示す。
以下、本発明の実施の形態に係る低温液化ガス用ポンプ装置について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、低温液化ガスとして液化窒素を使用した場合の例を挙げる。
図1および図2に示すように、本発明の実施の形態に係る低温液化ガス用ポンプ装置1は、シャフト2、羽根車3、ケーシング4、モータ6、モータ台7、液化窒素貯留部8、揚液配管9等で構成されている。ポンプ圧送の対象となる液化窒素32は、直接食品に接するため、各部材2〜9の主たる材質としては、ステンレス鋼などの錆びにくいものが採用される。
シャフト2は、長手方向を略鉛直方向に向けた状態で上端部が片持ち支持されている。シャフト2の上端部は、後述するモータ6の出力軸に連結されているため、本実施形態では、モータ6の出力軸が支持部となっている。シャフト2は、下方より上方の方が大径となった異径部2aを有しており、この異径部2aより低い位置に、液化窒素貯留部8に貯留される液化窒素の液面32aの高さがくるように液面調整がなされている。
なお、本実施形態では、シャフト2の上端部がモータ6の出力軸に連結され、当該出力軸が片持ち支持の支持部となっているが、これとは別にモータ台7等の固定構造物に対してベアリング等の軸受けを取付け、この軸受けにシャフト2の上部ないし上端部を支持させるようにしてもよい。
羽根車3は、図2に示すように、シャフト2の下端部に回転一体に設けられている。この羽根車3は、シャフト2に固定される固定部11と、図3(c)に示すように、この固定部11を中心として放射状に設けられた複数の羽根部12とを備えている。
固定部11は、中心がボルト挿通孔13となった円環板となっている。図2に示すように、羽根車3は、固定部11のボルト挿通孔13に挿通されたボルト14がシャフト2の下端面に形成された雌ねじに螺着されることで、シャフト2の下端部に回転一体に固定される。
羽根部12は、図2に示すように、回転中心から遠心側に向かってその羽根幅が広くなっている。また、図3(c)に示すように、羽根部12同士の間隔は回転方向に均等になっている。
本実施形態における羽根車3は、図3(a)に示すような円板から製造される。すなわち、図3(a)に示すような所定半径の円板に対して、図3(b)に示すように、中心に貫通孔(ボルト挿通孔13)を形成し、所定半径位置(貫通孔の外側位置)から外周部17に亘って放射状にスリット加工を施す。好ましくは、予め前記所定半径位置において周方向に複数の小貫通孔19(前記貫通孔16より小径の貫通孔)を均等に形成した後に、各小貫通孔19から外周部17に亘って放射状にスリット加工を施す。そして、スリット加工により、形成された複数の扇状板18を、各扇状板18の中心線21回りに回転させ、スリット20の中心側の端部間(小貫通孔19,19間)を中心線21回りに90°捩ることにより、図3(c)および図2に示すような羽根車3を製造することができる。よって、このようにして製造された羽根車3は、回転中心から遠心側に向かって幅広に形成された複数枚の羽根部12を有するものとなる。
ケーシング4は、略円柱状空間からなるポンプ室22を有し、このポンプ室22の上方および下方に円孔状の吸引口23,24(以下、それぞれ「上部吸引口23」、「下部吸引口24」ともいう。)が形成されている。また、ポンプ室22の外周面には、遠心方向に液化窒素を吐出するための円孔状の吐出口25が形成されている。ケーシング4のポンプ室22には、シャフト2の下端に固定された羽根車3が非接触状態で収容されている。シャフト2の下端部は、上部吸引口23からポンプ室22に挿入されている。なお、上部吸引口23および下部吸引口24の流路断面積からシャフト2の断面積を差し引いた値が吸引流路の断面積S1となり、2つの吐出口25,25の流路断面積の和が吐出量の断面積S2となるが、これらはS1≧S2の条件を満たしていることが望ましい。
図1および図2に例示するケーシング4は、円筒状部材4aの両開口部をそれぞれ吸引口23,24が予め形成された薄板4b,4cで覆い、これら薄板4b,4c同士をボルト26およびナット27を用いて締結したものとされている。このため、ボルト26およびナット27による締結を開放するだけで、ケーシング4を分解でき、ケーシング4の内部および羽根車3を簡単に清掃することができる。
モータ6は、後述するモータ台7上に固定されている。モータ6の出力軸は、シャフト2の上端部に回転一体に直列状態で連結され、シャフト2に回転動力を付与する。なお、モータ6の一例として電動モータが挙げられる。
モータ台7は、ケーシング4上に立設された複数の柱部材28の上部に架設された板材7aで構成されている。柱部材28は、ケーシング4の薄板4b,4c同士を締結するためのボルト26が兼ねており、当該ボルト26の上端部を板材7aの隅部に形成された貫通孔に挿通させて、板材7aの表裏面を柱部材28に取り付けたナット31で挟み込むことにより、柱部材28に対して板材7aを固定している。なお、板材7aには、モータ6の出力軸を挿通するための開口部(不図示)が形成されている。
液化窒素貯留部8は、液化窒素32を貯留するためのものであり、少なくともケーシング4全体を浸漬できる液面高さまで液化窒素を貯留できる所定形状の容器にて構成される。
液化窒素は極低温液体であるため、低温環境においてトラブルを起こしやすい部材、機器は、この液化窒素32から一定の距離をおいて設置されている。例えば、モータ6は、低温液化ガス貯留部8に貯留された低温液化ガス32の液面32aの高さよりも200mm以上高い位置(本実施形態では、約350mm高い位置)に設けられている。また、シャフト2を支持する支持部(本実施形態ではモータ6の出力軸)も液面32aの高さよりも200mm以上高い位置(本実施形態では、約350mm高い位置)に設けられている。なお、既述したように、モータ台7等の固定構造物に対してベアリング等の軸受けを取付け、この軸受けにシャフト2の上部ないし上端部を支持させる場合は、当該軸受けを液面32aの高さよりも200mm以上高い位置に設けることが望ましい。
揚液配管9は、ケーシング4に形成された吐出口25,25にそれぞれ接続されており、吐出口25,25から吐出される液化窒素を当該吐出口25,25よりも高い位置に導くように形成されている。
以上のように構成された、低温液化ガス用ポンプ装置1において、モータ6を回転駆動させると、モータ6の出力軸に連結されたシャフト2が軸回転し、このシャフト2とともに、羽根車3が回転する。これによりポンプ室22内の液化窒素は羽根車3とともにポンプ室22内で回転し、遠心力によって外側に押し付けられ、吐出口25,25から吐出される。同時に、上部吸引口23および下部吸引口24から新たに液化窒素がポンプ室22内に吸引される。このポンプ作用により、吐出口25,25から吐出された液化窒素は、揚液配管9,9内を圧送されて、吐出口25より高い位置にある所定の場所に排出される。なお、図1に示す例では、揚液配管9,9の下流端部から排出される液化窒素は、樋37に供給される。樋37に供給された液化窒素は、冷菓等の食品を冷却、氷結等させるために用いられ、その後、所定の経路を通じて液化窒素貯留部8へ還流するように設備構成されている。
ところで、図2に示すように、羽根車3の羽根部12として、回転中心から遠心側に向かってその羽根幅が広くなるように形成されたものが採用されているが、略円柱状のポンプ室22に対してこの種の形状の羽根部12を有する羽根車3を採用することで、簡易な構造ながらも、高いポンプ能力が得られることを本件発明者は確認している。このことを次の実験結果に基づいて説明する。
実験では、上記羽根車3として、半径50mm、厚さ2mmのステンレス鋼板から既述の製造方法により製造したものを使用した。一方、図4に示すように、比較対象となる羽根車34として、羽根部36の羽根幅W2が、羽根車3の羽根部12の羽根幅の最大値Wmaxと同じ値を有し、半径が羽根車3と同一のものを採用した。図4(b)に示すように両者の羽根部12,36の面積は、本実施形態に係る羽根車3の羽根部12(図4(b)において2点鎖線で示す。)よりも比較対象に係る羽根車34の羽根部36の方が大きい。なお、羽根部12,34の枚数および板厚は同一である。
ポンプ室22のサイズは直径114.3mm、高さ50mmである。吸引口23,24の直径は34mmである。吐出口の直径は34mmである。揚液配管9は、管呼び径25Aのものを使用し、揚程高さは400mmである。また、吐出口25の中心から液面32aまでの高さは50mmである。
以上の条件の下で、先ず、図2に示すように、シャフト2の下端に羽根車3を取付けて羽根車3を回転させた場合と、この羽根車3を比較対象に係る羽根車34に取り替えた後、当該羽根車34を回転させた場合とでデータを採取した。具体的には、モータ6(羽根車3、34)の回転数を500rpm〜1000rpmの間で段階的に変化させて、揚液配管9の下流端部から吐出される液化窒素の吐出量を計測した。
図5に示すグラフはその計測結果である。図5において、○印は、本実施形態に係る羽根車3を使用した場合の計測結果であり、□印は、比較対象に係る羽根車34を使用した場合の計測結果である。このグラフからわかるように、本実施形態に係る羽根車3を使用した場合は、全回転数領域にわたって、回転数の上昇に伴って吐出量が増加している。これに対し、比較対象に係る羽根車34を使用した場合は、600rpm以上の回転数では、吐出量が殆ど増加していないことが分かる。これは、本実施形態に係る羽根車3の場合、吸引口23,24の近傍で羽根幅が小さいため、液化窒素が流入し易くなっているのに対し、比較対象に係る羽根車34の場合、吸引口23,24の近傍で羽根幅が大きいため、液化窒素が流入しにくくなっていることによるものと考えられる。すなわち、比較対象に係る羽根車34を使用した場合、500rpm〜600rpmの低速回転域では、吐出量に対して十分な吸引流量が確保できるが、600rpm以上の高速回転域では、吐出量に対して十分な吸引流量が確保できず、その結果、吐出量が頭打ちになると考えられる。本実施形態に係る羽根車3を使用した場合は、高速回転域でも十分な吸引流量が確保でき、その結果、吐出量の頭打ちが生じないと考えられる。
以上に説明した本発明の実施の形態に係る低温液化ガス用ポンプ装置1によれば、次の(1)〜(7)に示すような利点が得られる。
(1)長手方向を鉛直方向に向け、上部のみを支持したシャフト2を採用し、羽根車3およびケーシング4を液体窒素に浸漬させる一方で、モータ6は、液体窒素の液面32aより200mm以上高い位置に設置している。−196℃の液化窒素の液面32aから200mm以上高い位置では、当該位置に設置した物体の表面に霜が発生しないことから、モータ6として、極低温用の特殊なものを採用する必要はなく、一般的な安価なモータを採用しても、モータ6に極低温環境に起因するトラブル(例えばモータ内の軸受等を潤滑する潤滑剤の凍結等によるモータの焼き付き等)は発生しにくくなっている。
(2)シャフト2は上端部のみが支持され、当該支持部が液体窒素の液面32aより200mm以上高い位置に設けられている。既述したように、当該位置に設置した物体の表面に霜が発生しないことから、支持部に対して極低温環境に起因する問題が生じない。
(3)シャフト2の上端部のみが支持されるとともに、シャフト2の下部に設けられた羽根車3がケーシング4のポンプ室22内に無接触状態で収容されることで、液体窒素32に浸漬する部分に軸受けや摺動部を設けないようにすることができる。これにより、液体窒素に浸漬した部分における極低温環境に起因するトラブルの発生を無くすことができる。
(4)略円柱状のポンプ室22に配置される羽根車3として、羽根部12の羽根幅が回転中心から遠心側に向かって広くなるように形成されたものを採用していることにより、ポンプ室22が略円柱状空間という簡易な形状・構造であっても高いポンプ能力を発揮させることができる。
(5)ポンプ室22が略円柱状空間という簡易な形状・構造であることにより、ケーシング4内の分解清掃が容易に行える。
(6)本実施形態における羽根車3は、一枚の円板にスリット加工等を施すことにより、製造することができるため、極めて安価に製造することが可能である。
(7)本実施形態では、液化窒素の液面32aをシャフト2の異径部2aより低い位置とすることで、異径部2aを有しない全体的に太いシャフトを採用した場合と比較して、液体窒素からシャフト2への入熱量を抑制することができる。一方、異径部2aを有しない全体的に細いシャフトを採用した場合と比較すると、液体窒素からシャフト2への入熱量は同様になるが、異径部2aを有するシャフト2の方が比較的直径の大きな部分を有することから、機械加工上、芯振れの少ないものとなる。また、異径部2aを有するシャフト2の方が比較的直径の大きな部分を有することから、外的要因(シャフトに何か物をぶつけてしまった場合等)に対して芯振れ、損傷等を起こし難いものとなる。
<他の実施形態>
既述の実施形態においては、上部吸引口23、下部吸引口24が設けられ、2カ所に吐出口25,25および揚液配管9,9が設けられていたが、下部吸引口23を省略し、2カ所に設けられた吐出口25,25および揚液配管9,9を1カ所にすることもの可能である。また、吸引口、吐出口、揚液配管を3カ所以上にすることも可能である。
既述の実施形態においては、羽根車3の羽根部12は、回転中心から半径方向に延びたものであるが、必要に応じて半径方向に対して回転方向(又は回転方向と逆方向)に湾曲させたものであってもよい。また、羽根部12は、その羽根面が回転方向に対して垂直に向いているが、必要に応じて(例えば下部吸引口24を省略した場合などにおいて)、回転方向に対して斜め方向に向けたものであってもよい。
既述の実施形態においては、シャフト2を支持する支持部およびモータ6は、何れも、液化窒素貯留部8に貯留された液化窒素の液面32aの高さよりも200mm以上高い位置に設けられているが、シャフト2を支持する支持部およびモータ6は、ケーシング4の上部吸引口23の上端よりも200mm以上高い位置に設けられているものとしてもよい。本装置1の使用時には、ケーシング4の上部吸引口23の上端より高い位置に液化窒素の液面32aが設定されるので、シャフト2を支持する支持部およびモータ6は、自ずと、液化窒素の液面32aの高さよりも200mm以上高い位置に設けられていることになるからである。
1 低温液化ガス用ポンプ装置
2 シャフト
2a 異径部
3 羽根車
4 ケーシング
4a 円筒状部材
4b,4c 薄板
6 モータ
7a 板材
8 液化窒素貯留部(低温液化ガス貯留部)
9 揚液配管
11 固定部
12 羽根部
17 円板の外周部
18 扇状板
20 スリット
21 扇状板の中心線
22 ポンプ室
23 上部吸引口
24 下部吸引口
25 吐出口
26 ボルト
27 ナット
28 柱部材

Claims (9)

  1. 長手方向を略鉛直方向に向けて、上部のみが支持されたシャフトと、
    前記シャフトの下部に設けられた羽根車と、
    前記羽根車を非接触状態で収容する略円柱状空間のポンプ室と、該ポンプ室の上方に形成され前記シャフトを挿入した吸引口と、前記ポンプ室の外周面に形成された吐出口と、を有するケーシングと、
    前記シャフトの上部に連結され、当該シャフトに回転動力を付与するモータと、
    前記ケーシングを浸漬させる低温液化ガスを貯留する低温液化ガス貯留部と、
    前記ケーシングの吸引口からポンプ室内へ吸引可能な液面高さまで前記低温液化ガス貯留部に貯留された低温液化ガスと、
    前記ケーシングの吐出口に接続された揚液配管と、
    を備える低温液化ガス用ポンプ装置であって、
    前記シャフトの上部を支持する支持部および前記モータは、何れも、前記低温液化ガス貯留部に貯留された低温液化ガスの液面高さよりも200mm以上高い位置に設けられており、
    前記モータは、前記ケーシング上に前記揚液配管から離れて立設された複数の柱部材の上部に架設された板材上に固定されており、
    前記羽根車は、前記シャフトに固定された固定部と、該固定部を中心として放射状に設けられ且つ回転中心から遠心側に向かって幅広に形成された複数枚の羽根部と、を有する、
    ことを特徴とする低温液化ガス用ポンプ装置。
  2. 長手方向を略鉛直方向に向けて、上部のみが支持されたシャフトと、
    前記シャフトの下部に設けられた羽根車と、
    前記羽根車を非接触状態で収容する略円柱状空間のポンプ室と、該ポンプ室の上方に形成され前記シャフトを挿入した吸引口と、前記ポンプ室の外周面に形成された吐出口と、を有するケーシングと、
    前記シャフトの上部に連結され、当該シャフトに回転動力を付与するモータと、
    前記ケーシングを浸漬させる低温液化ガスを貯留する低温液化ガス貯留部と、
    前記ケーシングの吐出口に接続された揚液配管と、
    を備える低温液化ガス用ポンプ装置であって、
    前記シャフトの上部を支持する支持部および前記モータは、何れも、前記ケーシングの吸引口の上端よりも200mm以上高い位置に設けられており、
    前記モータは、前記ケーシング上に前記揚液配管から離れて立設された複数の柱部材の上部に架設された板材上に固定されており、
    前記羽根車は、前記シャフトに固定された固定部と、該固定部を中心として放射状に設けられ且つ回転中心から遠心側に向かって幅広に形成された複数枚の羽根部と、を有する、
    ことを特徴とする低温液化ガス用ポンプ装置。
  3. 長手方向を略鉛直方向に向けて、上部のみが支持されたシャフトと、
    前記シャフトの下部に設けられた羽根車と、
    前記羽根車を非接触状態で収容する略円柱状空間のポンプ室と、該ポンプ室の上方に形成され前記シャフトを挿入した吸引口と、を有するケーシングと、
    前記シャフトの上部に連結され、当該シャフトに回転動力を付与するモータと、
    前記ケーシングを浸漬させる低温液化ガスを貯留する低温液化ガス貯留部と、
    前記ケーシングの吸引口からポンプ室内へ吸引可能な液面高さまで前記低温液化ガス貯留部に貯留された低温液化ガスと、
    を備える低温液化ガス用ポンプ装置であって、
    前記シャフトの上部を支持する支持部および前記モータは、何れも、前記低温液化ガス貯留部に貯留された低温液化ガスの液面高さよりも200mm以上高い位置に設けられており、
    前記羽根車は、前記シャフトに固定された固定部と、該固定部を中心として放射状に設けられ且つ回転中心から遠心側に向かって幅広に形成された複数枚の羽根部と、を有し、
    前記羽根車は、円板に対して、所定半径位置から外周部に亘って放射状にスリット加工を施すことにより複数の扇状板を形成し、各扇状板を各扇状板の中心線回りに回転させて、スリットの中心側端部間を略90°捩ることにより形成されたものである、
    ことを特徴とする低温液化ガス用ポンプ装置。
  4. 長手方向を略鉛直方向に向けて、上部のみが支持されたシャフトと、
    前記シャフトの下部に設けられた羽根車と、
    前記羽根車を非接触状態で収容する略円柱状空間のポンプ室と、該ポンプ室の上方に形成され前記シャフトを挿入した吸引口と、を有するケーシングと、
    前記シャフトの上部に連結され、当該シャフトに回転動力を付与するモータと、
    前記ケーシングを浸漬させる低温液化ガスを貯留する低温液化ガス貯留部と、
    を備える低温液化ガス用ポンプ装置であって、
    前記シャフトの上部を支持する支持部および前記モータは、何れも、前記ケーシングの吸引口の上端よりも200mm以上高い位置に設けられており、
    前記羽根車は、前記シャフトに固定された固定部と、該固定部を中心として放射状に設けられ且つ回転中心から遠心側に向かって幅広に形成された複数枚の羽根部と、を有し、
    前記羽根車は、円板に対して、所定半径位置から外周部に亘って放射状にスリット加工を施すことにより複数の扇状板を形成し、各扇状板を各扇状板の中心線回りに回転させて、スリットの中心側端部間を略90°捩ることにより形成されたものである、
    ことを特徴とする低温液化ガス用ポンプ装置。
  5. 長手方向を略鉛直方向に向けて、上部のみが支持されたシャフトと、
    前記シャフトの下部に設けられた羽根車と、
    前記羽根車を非接触状態で収容する略円柱状空間のポンプ室と、該ポンプ室の上方に形成され前記シャフトを挿入した上部吸引口と、前記ポンプ室の下方に形成された下部吸引口と、を有するケーシングと、
    前記シャフトの上部に連結され、当該シャフトに回転動力を付与するモータと、
    前記ケーシングを浸漬させる低温液化ガスを貯留する低温液化ガス貯留部と、
    前記ケーシングの上部吸引口からポンプ室内へ吸引可能な液面高さまで前記低温液化ガス貯留部に貯留された低温液化ガスと、
    を備える低温液化ガス用ポンプ装置であって、
    前記シャフトの上部を支持する支持部および前記モータは、何れも、前記低温液化ガス貯留部に貯留された低温液化ガスの液面高さよりも200mm以上高い位置に設けられており、
    前記羽根車は、前記シャフトに固定された固定部と、該固定部を中心として放射状に設けられ且つ回転中心から遠心側に向かって幅広に形成された複数枚の羽根部と、を有する、
    ことを特徴とする低温液化ガス用ポンプ装置。
  6. 長手方向を略鉛直方向に向けて、上部のみが支持されたシャフトと、
    前記シャフトの下部に設けられた羽根車と、
    前記羽根車を非接触状態で収容する略円柱状空間のポンプ室と、該ポンプ室の上方に形成され前記シャフトを挿入した上部吸引口と、前記ポンプ室の下方に形成された下部吸引口と、を有するケーシングと、
    前記シャフトの上部に連結され、当該シャフトに回転動力を付与するモータと、
    前記ケーシングを浸漬させる低温液化ガスを貯留する低温液化ガス貯留部と、
    を備える低温液化ガス用ポンプ装置であって、
    前記シャフトの上部を支持する支持部および前記モータは、何れも、前記ケーシングの上部吸引口の上端よりも200mm以上高い位置に設けられており、
    前記羽根車は、前記シャフトに固定された固定部と、該固定部を中心として放射状に設けられ且つ回転中心から遠心側に向かって幅広に形成された複数枚の羽根部と、を有する、
    ことを特徴とする低温液化ガス用ポンプ装置。
  7. 長手方向を略鉛直方向に向けて、上部のみが支持されたシャフトと、
    前記シャフトの下部に設けられた羽根車と、
    前記羽根車を非接触状態で収容する略円柱状空間のポンプ室と、該ポンプ室の上方に形成され前記シャフトを挿入した吸引口と、を有するケーシングと、
    前記シャフトの上部に連結され、当該シャフトに回転動力を付与するモータと、
    前記ケーシングを浸漬させる低温液化ガスを貯留する低温液化ガス貯留部と、
    前記ケーシングの吸引口からポンプ室内へ吸引可能な液面高さまで前記低温液化ガス貯留部に貯留された低温液化ガスと、
    を備える低温液化ガス用ポンプ装置であって、
    前記シャフトの上部を支持する支持部および前記モータは、何れも、前記低温液化ガス貯留部に貯留された低温液化ガスの液面高さよりも200mm以上高い位置に設けられており、
    前記羽根車は、前記シャフトに固定された固定部と、該固定部を中心として放射状に設けられ且つ回転中心から遠心側に向かって幅広に形成された複数枚の羽根部と、を有し、
    前記シャフトは、下方より上方の方が大径となった異径部を有し、この異径部より低い位置に前記低温液化ガスの液面がある、
    ことを特徴とする低温液化ガス用ポンプ装置。
  8. 長手方向を略鉛直方向に向けて、上部のみが支持されたシャフトと、
    前記シャフトの下部に設けられた羽根車と、
    前記羽根車を非接触状態で収容する略円柱状空間のポンプ室と、該ポンプ室の上方に形成され前記シャフトを挿入した吸引口と、を有するケーシングと、
    前記シャフトの上部に連結され、当該シャフトに回転動力を付与するモータと、
    前記ケーシングを浸漬させる低温液化ガスを貯留する低温液化ガス貯留部と、
    を備える低温液化ガス用ポンプ装置であって、
    前記シャフトの上部を支持する支持部および前記モータは、何れも、前記ケーシングの吸引口の上端よりも200mm以上高い位置に設けられており、
    前記羽根車は、前記シャフトに固定された固定部と、該固定部を中心として放射状に設けられ且つ回転中心から遠心側に向かって幅広に形成された複数枚の羽根部と、を有し、
    前記シャフトは、下方より上方の方が大径となった異径部を有する、
    ことを特徴とする低温液化ガス用ポンプ装置。
  9. 請求項1又は2に記載の低温液化ガス用ポンプ装置において、
    前記ケーシングは、
    円筒状部材と、
    前記円筒状部材の両開口部をそれぞれ覆う薄板と、
    前記薄板同士を締結するボルトおよびナットと、
    を有し、
    前記ボルトが前記柱部材を兼ねている、
    ことを特徴とする低温液化ガス用ポンプ装置。
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