JP4020000B2 - 複合誘電体材料、複合誘電体成形物、およびこれを用いたレンズアンテナ、並びにこれを用いた表面実装型アンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合誘電体材料、複合誘電体成形物、これを用いたレンズアンテナ、並びにこれを用いた表面実装型アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、アンテナ材料として、誘電体無機フィラーと樹脂とからなる複合誘電体材料を成形してなる複合誘電体成形物を用いることが知られている。この複合誘電体成形物は、たとえば高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)において、クルージング時の安全運転を支援するための機能として注目される、ミリ波レーダーを用いたレンズアンテナに用いられることが知られている。
【0003】
レンズアンテナは、その射出面が凸状となったレンズ本体と、その後方に設けられた1次送波器とからなり、1次送波器から出射される点波源の電磁波が、レンズを介して平面波に変換する。そしてレンズを介して出射された平面波は、対象物に反射し、反射して戻ってきた平面波をレンズを介して、点波に再度変換して、1次送波器から対象物までの距離を測定する。このようなレンズアンテナは、レンズ本体の厚みを薄くする必要があるものにはそのレンズ本体の材質として、誘電率の高い複合誘電体材料が好適に用いられる。
【0004】
また複合誘電体成形物の別の用途として、携帯電話、及びパソコン等の移動用通信手段に搭載される表面実装タイプのアンテナが知られている。
【0005】
この表面実装タイプのアンテナは、複合誘電体材料からなるアンテナ素子と、電極とからなり、アンテナ素子の誘電率、及び電極パターンによって、共振周波数が決まり、その周波数の電磁波を送受信することができる。このようなアンテナ素子においても、含有する誘電体セラミックによってアンテナ素子個体の誘電率を調整でき、成形しやすいという利点から、複合誘電体材料が好適に用いられる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−112816号公報
【特許文献2】
特開平7−249929号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の複合誘電体材料を成形して得られる複合誘電体成形物を、アンテナ素子として用いる場合、例えばレンズアンテナの場合、アンテナ利得が設計どおりの値を達成できなかったり、特性にばらつきが見られたりして、歩溜りがよいとはいえなかった。また、表面実装型アンテナのような小型化の進んでいるアンテナ素子であっても、アンテナ素子個体内の誘電率のばらつきだけでなく、アンテナ素子個体間でも誘電率のばらつきが生じ、表面実装型アンテナ等は共振周波数のずれ幅が大きくなることがわかった。
【0008】
本発明の目的は、アンテナ利得に優れ、かつ個体内および個体間の特性ばらつきが小さい複合誘電体材料、複合誘電体成形物、及びこれを用いたレンズアンテナ、並びに表面実装型アンテナを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような目的に鑑みてなされたものである。
【0010】
本願発明の複合誘電体材料は、誘電体無機フィラーと有機高分子材料(ポリフェニレンサルファイドを除く)とを含む複合誘電体材料であって、前記誘電体無機フィラーは、平均粒径が0.32μm〜2.3μmであり、誘電率が104〜180である高誘電率セラミック粉末と、平均粒径が0.64μm〜32.6μmであり、誘電率が6〜18である低誘電率セラミック粉末とからなり、前記低誘電率セラミック粉末の平均粒径が前記高誘電率セラミック粉末の平均粒径の0.27〜125倍であり、前記誘電体無機フィラーが12vol%〜50vol%であり、前記有機高分子材料が50vol%〜88vol%であり、前記誘電体無機フィラーのうち、前記高誘電率セラミック粉末が50vol%以下であることを特徴とする。また、上記複合誘電体材料を用いて成形された複合誘電体材料成形物を特徴とする。
【0011】
上記のような誘電体無機フィラーと有機高分子材料とを混合してなる複合誘電体材料は、誘電体無機フィラーと有機高分子材料とが均一に混合分散された混合物の状態になっている。このような複合誘電体材料を用いて射出成形することによって得られた複合誘電体成形物は、複合誘電体成形物の個体内および個体間の誘電率ばらつきを小さくすることができる。その結果、これらの複合誘電体材料を用いて成形された複合誘電体成形物を、アンテナ素子として用いた場合、アンテナ利得の優れたアンテナを得ることができる。
【0012】
以下に具体的に述べると、例えばレンズアンテナの場合、複合誘電体成形物の特性にばらつきが見られる原因について検討したところ、レンズアンテナの複合誘電体成形物個体内の誘電率に異方性が生じることに起因することを見出した。レンズアンテナの場合は、射出成形機を用いて、レンズアンテナを形成する複合誘電体材料を金型の所定の注入口に射出することによって成形される。本発明者は、この複合誘電体材料に含まれる誘電体無機フィラーが、もともと固有の誘電率を有しており、金型の樹脂注入口から一方向に射出成形した場合、樹脂のミクロな流動方向に沿って誘電体無機フィラーの粒子が一定の方向性をもって配列することを見出した。これにより、レンズアンテナにおいて、誘電率の高くなる部分と誘電率の低くなる部分とがそれぞれ方向性をもって存在していることが判明した。ここで、本発明者はさらに検討を重ねたうえ、レンズアンテナ個体において、誘電率が最大となる方向での誘電率Aと、誘電率が最低となる方向での誘電率Bとの誘電率の比A/B(誘電率異方性)を小さくした場合、レンズアンテナの誘電率のばらつきを防ぐことができることに想到した。
【0013】
そこで、本発明のような複合誘電体成形材料を用いることによって、高誘電率セラミック粉末の平均粒径よりも0.27〜125倍の平均粒径を有し、誘電率異方性にはほとんど影響のない低誘電率セラミック粉末が、誘電率異方性を生じさせる原因となる高誘電率セラミック粉末の粒子の配列間に入り込み、配列を乱すことができる。これにより、高誘電率セラミック粉末の粒子の配列に起因する誘電率の方向性がなくなり、誘電率異方性が低い複合誘電体成形物が形成されることになる。
【0014】
また、このような複合誘電体材料を用いて、例えば表面実装型アンテナ素子のような、そのままアンテナとして機能するアンテナ素子を、ゲートが小径の金型に射出成形して形成する際、各アンテナ素子個体間にて誘電率のばらつきが大きくなっていたが、本願発明の複合誘電体材料を用いることによって各アンテナ素子個体間のばらつきを小さくすることができる。具体的に述べると、表面実装型アンテナの場合も、射出成形機を用いて、複合誘電体材料を金型の所定の注入口に射出することによって成形される。従来、表面実装型アンテナの各アンテナ素子の個体間のばらつきは、複合誘電体成形物中に含まれるセラミック粉末の誘電率と、セラミック粉末の充填量によって生じることは知られていた。しかし、本願発明者らは鋭意検討した結果、複合誘電体成形物に含まれるセラミック粉末の各粒子の配置にも影響されることを見出した。そこで、本願発明者らは、高誘電率セラミック粉末に、低誘電率セラミック粉末を上記の範囲で添加することによって、高誘電率セラミック粉末の粒子配置を、低誘電率セラミック粉末によって配列を乱して配置状態を変えることによって、複合誘電体材料の射出成形による誘電率のばらつきを安定化させることを可能とした。その結果、アンテナ素子個体間のばらつきを防ぐことができる。これにより、どのようなロットで作製したとしても、アンテナ素子個体間の誘電率ばらつきの少ない表面実装型アンテナを得ることができる。
【0015】
また、本願発明の複合誘電体材料は、高誘電率セラミック粉末の平均粒径が0.32〜2.3μmであり、前記低誘電率セラミック粉末の平均粒径が0.64〜32.6μmであることが好ましい。
【0016】
このような高誘電率セラミック粉末及び低誘電率セラミック粉末を誘電体無機フィラーとして用いることによって、誘電率異方性が1.00〜1.05の範囲であり、特性のばらつきが低く、アンテナ利得が優れている複合誘電体成形物を得ることができる。また、この複合誘電体成形物を表面実装型アンテナのアンテナ素子として用いた時も、アンテナ素子個体間の誘電率のばらつきを防ぎ、共振周波数のズレを小さくすることができる。
【0017】
また、本願発明の複合誘電体材料は、複合誘電体材料のうち、誘電体無機フィラーが12vol%〜50vol%であり、有機高分子材料が50vol%〜88vol%であることが好ましい。
【0018】
さらに、本願発明の複合誘電体材料は、誘電体無機フィラーのうち、高誘電率セラミック粉末が50vol%以下であることが好ましい。このような誘電体無機フィラーと有機高分子材料とを用いることによって、射出成形に適しており、アンテナ利得の優れた複合誘電体成形物を得ることができる。また、表面実装型アンテナのアンテナ素子として用いた場合、アンテナ素子間の共振周波数のズレの小さい複合誘電体成形物を得ることができる。
【0019】
また、本願発明の複合誘電体材料は、有機高分子材料が熱可塑性樹脂であることが好ましい。このような有機高分子材料とすることによって、射出成形に適しており、製造コストが低減できるとともに、形状精度が高く、かつ容易に成形することができる。
【0020】
本願発明の複合誘電体は、高誘電率セラミック粉末がチタン酸カルシウム及び/または酸化チタンであることが好ましい。このような高誘電率セラミック粉末を用いて複合誘電体成形物を形成した場合、複合誘電体成形物の誘電率を低コストで高めることができる。レンズアンテナとして用いた場合は、複合誘電体成形物個体の誘電率を高くすることができ、レンズ厚みを薄くすることが可能となる。その結果、レーダーモジュールの奥行方向のサイズを短くできる。また、表面実装型アンテナとして用いた場合も、複合誘電体成形物単体の誘電率が高くなることで、従来のものよりも体積を小さくできる。このため、別途機能を付加してもサイズが大きくならず、今後のマルチバンド化に適した小型化を図ることが可能となる。特にチタン酸カルシウムは、Qが高いため、アンテナ利得の高い複合誘電体成形物を得られる。
【0021】
本願発明の複合誘電体材料は、低誘電率セラミック粉末がアルミナ及び/または炭酸カルシウムであることが好ましい。このような低誘電率セラミック粉末を有する複合誘電体材料を用いて複合誘電体成形物を形成した場合、低コストであり、個体内部、もしくは個体間の誘電率ばらつきを大幅に低減できる。特に炭酸カルシウムは、アルミナと同等でQが高いため、アンテナ利得の高い複合誘電体成形物を得られるだけでなく、セラミック粉末そのものの比重が軽いため、複合誘電体成形物の軽量化を図れる。
【0022】
本願発明の複合誘電体材料は、有機高分子材料がポリプロピレンであることが好ましい。このような有機高分子材料を用いた場合、Qが高いためアンテナ利得の高い複合誘電体成形物を得られるだけでなく、耐熱性の高い複合誘電体成形物を得られる。また、表面実装型アンテナとして用いた場合、低比重のアンテナ素子が得られ、かつ複雑な形状であっても対応可能である。
【0023】
上記のような複合誘電体材料を用いて成形して得られた複合誘電体成形物は、Qが高く、アンテナ利得の高い複合誘電体成形物が得られる。特に、レンズアンテナのような一方方向から射出され、アンテナ素子個体内の誘電率ばらつきが、特性のばらつきに影響するようなものにおいては、誘電率異方性を1.00〜1.05の範囲に抑えることができ、アンテナ利得の高い。また、表面実装型アンテナのような小型のものでは、共振周波数のばらつきを小さくすることができる。
【0024】
本願発明のレンズアンテナは、出射面が凸状のレンズ部と、前記レンズ部の後方に設けられた1次送波器とで少なくとも構成されたレンズアンテナであって、レンズ部は、本願発明のいずれかの発明の複合誘電体成形物であることを特徴とする。このような構成にすることによって、アンテナの利得が大きく、かつ特性のばらつきの少ないレンズアンテナとすることができる。
【0025】
本願発明のレンズアンテナは、レンズ部は、レンズ本体と、レンズ本体の表面に形成され、レンズ本体と大気との整合をとる整合層からなり、レンズ本体および整合層は、本願発明のいずれかの発明の複合誘電体絶縁物からなることが好ましい。このようにレンズ本体に整合層を設けることによって、電磁波の出射時及び受波時において、電磁波の反射をより抑制することができる。
【0026】
本願発明の表面実装型アンテナは、誘電体基板からなるアンテナ素子と、放射電極と、給電手段と、基板とで少なくとも構成された表面実装型アンテナであって、前記アンテナ素子が本願発明のいずれかに記載の複合誘電体成形物からなることを特徴とする。このように、表面実装型アンテナのアンテナ素子として、本願発明の複合誘電体成形物を用いることによって、誘電率のばらつきを防ぎ、共振周波数のずれ幅を小さくできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の複合誘電体成形物は、誘電体無機フィラーと有機高分子材料(ポリフェニレンサルファイドを除く)とを含む複合誘電体材料を成形してなる複合誘電体成形物であって、前記誘電体無機フィラーは、平均粒径が0.32μm〜2.3μmであり、誘電率が104〜180である高誘電率セラミック粉末と、平均粒径が0.64μm〜32.6μmであり、誘電率が6〜18である低誘電率セラミック粉末とからなり、前記低誘電率セラミック粉末の平均粒径が前記高誘電率セラミック粉末の平均粒径の0.27〜125倍であり、 前記誘電体無機フィラーが12vol%〜50vol%であり、前記有機高分子材料が50vol%〜88vol%であり、前記誘電体無機フィラーのうち、前記高誘電率セラミック粉末が50vol%以下であることを特徴としている。
【0028】
ここで、誘電体無機フィラーは、実質的に複合誘電体成形物としての誘電率を決定するものであり、誘電体無機フィラーの種類及び添加量を調整することによって、複合誘電体成形物の誘電率を調整することができる。このような誘電体無機フィラーとしては、IIa、IVa、IIIb、IVb族の酸化物、炭酸塩、リン酸塩、珪酸塩、またはIIa、IVa、IIIb、IVb族を含む複合酸化物から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記誘電体無機フィラーのうち高誘電率セラミック粉末は誘電率が104〜180である。この高誘電率セラミック粉末が複合誘電体成形物中に誘電率のばらつきを生じさせ、誘電率異方性が大きくなる原因となる。高誘電率セラミック粉末の誘電率が104よりも小さい場合、複合誘電体成形物として必要な誘電率を得るために高誘電率セラミック粉末の充填量を増やす必要があり、組成のばらつきが増加する。また、高誘電率セラミック粉末の誘電率が180よりも大きい場合、Qが低下するため、所望のアンテナ利得が得られない。
【0029】
高誘電率セラミック粉末として有用なものは、ルチル型酸化チタン(104)、チタン酸カルシウム(180)等が挙げられる。なかでも、ルチル型酸化チタンは価格が安く、量産に向いているという利点がある。また、チタン酸カルシウムはQ値が高いため、アンテナ利得の高い複合誘電体成形物を得ることができてより好ましい。この誘電率は、必ずしもセラミック粉末単体の誘電率である必要はなく、複数のセラミック粉末を混合して、この混合粉末の誘電率が104〜180の範囲であればよい。
【0030】
また、上記誘電体無機フィラーのうち低誘電率セラミック粉末は誘電率が6〜18である。低誘電率セラミック粉末の誘電率が6よりも小さい場合、有機高分子材料が有する誘電率と変わらないため、誘電率付与効果が得られない。また、低誘電率セラミック粉末の誘電率が18よりも大きい場合、低誘電率セラミック粉末自体の誘電率を無視できなくなるため、複合誘電体成形物としての誘電率のばらつきが大きくなる。低誘電率セラミック粉末として、有用なものは、アルミナ(9.8)、炭酸カルシウム(8)、フォルステライト(6.4)等が挙げられる。なかでも、アルミナは誘電率が低いものの中でも安定しており、コストが安くQが高いという利点がある。また、炭酸カルシウムも、コストが安くQが高い上、比重が軽いため、複合誘電体成形物そのものも軽量にすることができて好ましい。この誘電率は、必ずしもセラミック粉末単体の誘電率である必要はなく、複数のセラミック粉末を混合して、この混合粉末の誘電率が6〜18の範囲であればよい。
【0031】
なお、上記誘電体無機フィラーが複合誘電体材料に対して添加含有される割合は、好ましくは12vol%〜50vol%である。ここで、上記誘電体無機フィラーの添加割合が12vol%よりも小さい場合、実質的に複合誘電体成形物の誘電率を示す誘電体無機フィラーの含有量が少なすぎるため、レンズアンテナ、または表面実装型アンテナとして必要な誘電率が得られない。また、上記誘電体無機フィラーの添加割合が50vol%よりも大きい場合、複合誘電体材料としたときの粘度が高くなるため、射出成形が困難になる。
【0032】
また、上記高誘電率セラミック粉末が、上記誘電体無機フィラーに対して添加含有される割合は、50vol%以下であることが好ましい。ここで、誘電体無機フィラーのうち高誘電率セラミック粉末が50vol%よりも大きい場合、誘電率異方性の原因となる高誘電率セラミックの誘電体無機フィラーに占める割合が多くなるため、誘電率異方性を低く抑えることができない。また、表面実装型アンテナのアンテナ素子として用いた場合は、アンテナ素子間の誘電率のばらつきが大きくなるため、好ましくない。
【0033】
また、低誘電率セラミック粉末の平均粒径が高誘電率セラミック粉末の平均粒径の0.27〜125倍であることを特徴とする。ここで、高誘電率セラミック粉末の粒子の配列を乱すことができればよいため、低誘電率セラミック粉末の平均粒径が高誘電率セラミック粉末の平均粒径よりも必ずしも大きくある必要はない。特に、レンズアンテナのアンテナ素子として用いる場合には、低誘電率セラミック粉末の平均粒径が高誘電率セラミック粉末の0.3〜125倍であることが好ましい。
【0034】
ここで、高誘電率セラミック粉末の平均粒径が0.32μm〜2.3μmであることが好ましい。高誘電率セラミック粉末の平均粒径が0.32μmよりも小さい場合、セラミック粒子成長が不十分であるため、Qが低下してしまい、アンテナ利得が得られない。一方、高誘電率セラミック粉末の平均粒径が2.3μmよりも大きい場合、粒子間の相互作用が低下し、流動しやすくなるため誘電率異方性が大きくなる。また、アンテナ素子個体間の誘電率のばらつきを十分に抑制できない。
【0035】
また、低誘電率セラミック粉末の平均粒径が0.64μm〜32.6μmであることが好ましい。なかでも低誘電率セラミックの平均粒径が1.4μm〜7.0μmであることがより好ましい。これをレンズアンテナとして用いた場合、誘電率異方性を1.00〜1.02に抑えられ、かつ複合誘電体成形物の誘電率のばらつきを、0.12以下にすることができる。一方、表面実装型アンテナとして用いた場合、誘電率ばらつきを5%未満にすることができる。低誘電率セラミックの平均粒径が0.64μmよりも小さい場合、高誘電率セラミック粉末の粒子配列を十分に下げることができない。一方、低誘電率セラミック粉末の平均粒径が32.6μmよりも大きい場合、低誘電率セラミック粉末により射出成形機のスクリューが磨耗され、複合誘電体成形物に異物が混入し、アンテナ利得が低下したり、アンテナ素子個体間の誘電率ばらつきが大きくなるため好ましくない。
【0036】
また、有機高分子材料は、射出成形に適していることから、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリピロピレン、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、液晶ポリマー、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、メチルペンテンポリマー、ノルボルネン樹脂、ポリカーボネイト、ポリフェニレンエーテル、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン等が挙げられるが、特にポリプロピレンは高周波におけるQ値が高く、耐熱性に優れており、軽量な成形物を作ることができるため好ましい。
【0037】
また、上記有機高分子材料を、樹脂フィラーが添加された熱可塑性樹脂で構成することもできる。このような有機高分子材料とすることによって、樹脂フィラーが誘電体無機フィラーの配向を抑制するため、低比重で、高誘電率セラミックの粒子の配列を乱すことができる。具体的には、マトリックスとなる熱可塑性樹脂には上に列挙した熱可塑性樹脂を用いることができる。また、樹脂フィラーには上に列挙した熱可塑性樹脂のほかに、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等の熱硬化樹脂を用いることができる。ただし、樹脂フィラーに熱可塑性樹脂を用いる場合は、マトリックスとなる熱可塑性樹脂として選択した熱可塑性樹脂の成形温度では溶融しない熱可塑性樹脂を選択する。
【0038】
また、上記複合誘電体材料は、溶融時の粘度がせん断速度1000S-1において170Pa・s以上であることが好ましく、さらに好ましくは200Pa・s以上である。なお、粘度の上限については、射出成形機の性能によるため特に限定はしないが、現在の射出成形機の性能からみて800Pa・s以下であることが好ましい。
【0039】
以下、本発明のレンズアンテナについて説明する。図1は本発明のレンズアンテナを示す概略説明図である。
本発明のレンズアンテナ1は、レンズ部2と、導波管(1次送波器)3と、レンズ部2および1次送波器3とに係合する支持板4とからなる。
レンズ部2はレンズ本体2aと整合層2bとからなり、このうちレンズ本体2aは、本発明の複合誘電体成形物からなり、出射面2a1が凸状、入射面2a2が平板状、出射面2a1垂直断面が円弧状となるように、射出成形によって成形されている。また、整合層2bは、レンズ本体2aと大気との整合を取るためのものであって、レンズ本体2aと同様に本発明の複合誘電体成形物からなり、レンズ本体2aの外縁を覆うような形状となるように形成され、レンズ本体2aと接着されている。なお、整合層2bの比誘電率はレンズ本体2aの比誘電率の平方根あるいはそれに近い値を有していることが好ましい。また、整合層2bの厚みは所望のマイクロ波の波長の約1/4であることが好ましい。
【0040】
1次波送器としては本実施例では導波管3で構成されており、アルミニウム製の直方体系状である。また、導波管3は上面に送波用開口部3a、側面に挿入用開口部3bが形成されており、これらの開口部3a、3bは内部で連通している。
【0041】
支持板4は、導波管3aの外周部から、レンズ部2の縁部の全周にわたってテーパ状に広がった筒状に構成されており、導波管3aとレンズ部2との位置関係を固定するために設けられる。また、支持板4の内側には、電磁波を反射するように金属メッキが施されていることが好ましい。
【0042】
誘電体線路5は、送波用開口部3aが形成された位置にその端部が来るように挿入用開口部3bから挿入されている。また図示していないが、誘電体線路5には電極が形成されている。
【0043】
以下、本発明の表面実装型アンテナについて説明する。図4は本発明の表面実装型アンテナの一実施形態であるメインアンテナを示す概略斜視外観図である。 本発明のメインアンテナ21は、アンテナ素子22と放射電極23と給電電極24と、基板25とからなる。
アンテナ素子22の一方主面、及び側面の一部には放射電極23が形成されている。そして、給電電極24は放射電極23aの一端から、アンテナ素子22の側面に形成された給電電極23bを通じて接続されており、給電電極24は基板25と接続されている。その結果、アンテナ素子22と基板25とが固定され、実装されたことになる。
【0044】
ここでは、アンテナ素子22は射出成形によって、直方体の他方主面が開口されたケース形状に形成されている。これは機能に不要な複合誘電体成形物の不要部分を削り、軽量化を図ったものであり、このような形状に限るものではない。例えば、通常の円板、平板、積層体等を用いることができる。
【0045】
また、放射電極23は、低コスト、及び工程数を減らすことができるため、インサート成形もしくはアウトサート成形されることが好ましい。この放射電極23の形状により、アンテナ素子22との共振周波数を調整することになるため、放射電極の形状及び配置は適宜調整することができる。なお、放射電極23としてはAu、Ag、Cu、及びその合金等の材料を用いることができるが、Cu及びその合金が最も好ましい。経時安定性などの点から、複数層のめっき品を用いる場合もある。なお、アンテナ素子22と基板とは、電気的には給電点で接続するが、物理的な固定は、ねじ止め、はんだ、接着剤等で実装してもよい。
【0046】
以上のように構成されたメインアンテナ21は、基板25の給電電極24から放射電極23に対して高周波電力が供給される。これにより、高周波電磁界を発生し、電波を送信する。また、放射電極23は、電波を受信したとき、高周波電流を誘起し、RF回路 へと伝達する。このような表面実装型アンテナ21において、本願発明の複合誘電体成形物をアンテナ素子22として用いることにより、アンテナ素子22個体間の誘電率ばらつきを小さく抑えられているので、メインアンテナ21としても共振周波数のずれを小さくすることができる。
【0047】
以下、本名発明の複合誘電体成形物について、実施例に基づき、さらに詳細な説明をする。
(実施例1)
以下、本発明の複合誘電体成形物について、レンズアンテナをもとにより具体的に説明する。図2は本発明のレンズアンテナの複合誘電体成形物を示す概略斜視図、図3は本発明の複合誘電体の水平断面図である。なお、図3(a)は図2におけるA−A’面の断面、図3(b)は図2におけるB−B’面断面、図3(c)は図2におけるC−C’面を示す。
【0048】
まず、誘電体無機フィラーの高誘電率セラミック粉末と低誘電率セラミック粉末と、有機高分子材料とを表1に示す材料、粒径、及び混合比となるように秤量した。これらをヘンシェルミキサーで予備混合して複合誘電体材料とした。次に、シリンダー温度を200℃にした二軸の押出機を用いて、得られた混合粉末を溶融状態で混練し、複合誘電体材料とした後、ヘッド穴を通して糸状に成形した。この成形物を水中で冷却後、φ2×5mm程度にカットしてペレットとした。次に、得られたペレットを射出成形機に投入し、溶融後、凸レンズ状の金型のφ3mmのサイドゲートに射出し、直径73.2mm、最大厚み20mmの凸レンズ状に射出成形して複合誘電体成形物を得た。
【0049】
次に、得られた複合誘電体成形物の誘電率異方性、材料誘電率を測定した。ここで、材料誘電率はTE01δモードの12GHzの電界を用いた摂動法で測定した。なお、誘電率異方性は以下のようにして測定した。まず、図1に示すようにA−A’面、 B−B’面 、およびC−C’面で、複合誘電体成形物10を厚み方向に4等分した後、図2に示すように、それぞれの断面10a、10b、10cから合計15点のサンプル11を切り出した。次に、各サンプル11をTE10モードの14.5GHzの電界を用いた摂動法において、電界の方向を30℃ずつ回転させて個体内の誘電率ばらつきの測定を行った。そして各サンプルの最大誘電率と最小誘電率との比である誘電率異方性を算出し、最後に各サンプルの誘電率異方性の平均を算出して複合誘電体成形物の誘電率異方性とした。また、アンテナ利得を電波暗室内においてTE10モードで76GHzの電界を用いて測定した。これらの結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
表1に示すように、誘電体無機フィラーとして、平均粒径が0.32μm〜2.3μmであり、104〜180の高誘電率セラミックと、平均粒径が0.64μm〜32.6μmであり、6〜18の低誘電率セラミック粉末とを用い、低誘電率セラミック粉末の平均粒径が高誘電率セラミック粉末の平均粒径の0.3〜125倍であり、複合誘電体成形物のうち、誘電体無機フィラーが12vol%〜50vol%であり、有機高分子材料(ポリフェニレンサルファイドを除く)が50vol%〜88vol%であり、誘電体無機フィラーのうち、高誘電率セラミック粉末が50vol%以下である試料は、誘電率異方性が低く、誘電率のばらつきも0.22以下に抑えることができ、アンテナ利得が31以上にできることがわかる。
【0052】
また、誘電率異方性は1.007〜1.040となり、特性のばらつきの少ない複合誘電体成形物を得ることができる。
【0053】
なお、試料1は樹脂の含有量が高く、試料14は低誘電率セラミック粉末の誘電率が6よりも低いため、複合誘電体成形物としての誘電率が低くなることがわかった。また、試料8は低誘電率セラミック粉末の含有量が多いため、射出成形できず、複合誘電体成形物が形成できなかった。
【0054】
(実施例2)
以下、本発明の複合誘電体成形物について、表面実装型アンテナをもとにより具体的に説明する。
まず、誘電体無機フィラーの高誘電率セラミック粉末と低誘電率セラミック粉末と、有機高分子材料とを所定の材料、粒径、及び混合比となるように秤量した。これらをヘンシェルミキサーで予備混合して複合誘電体材料とした。次に、シリンダー温度を200℃にした二軸の押出機を用いて、得られた混合粉末を溶融状態で混練し、複合誘電体材料とした後、ヘッド穴を通して糸状に成形した。この成形物を水中で15sec冷却後、φ2×5mm程度にカットしてペレットとした。これとは別に一方主面が開口したケース形状の金型を用意した。次に、得られたペレットを油圧式射出成形機(日精TH30−2VSE)に投入し、溶融後、シリンダー温度230℃、射出圧力190MPaで、金型の裏面に設けられているφ3mmのセンターゲートに射出成形して、40mm×20mm×6.5mmの凹部を有する直方体状にアンテナ素子を得た。
【0055】
次に、アンテナ素子の一主面、及び側面にインサート成形によって放射電極を形成した。上記のようにして得られたアンテナ素子を、はんだによって基板に物理的に固定し、電気的には放射電極のうちアンテナ素子側面に形成された部分と給電電極をはんだで接続して形成した。
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【発明の効果】
本発明の複合誘電体成材料を用いて得られた複合誘電体成形物は、誘電体成形物の誘電率異方性による複合誘電体成形物単体の誘電率のばらつきが小さく、かつ、複合誘電体成形物個体間の誘電率のばらつきを小さくすることができる。
【0061】
また、高誘電率セラミック粉末の平均粒径が0.32〜2.3であり、前記低誘電率セラミック粉末の平均粒径が0.64〜32.6μmとすることにより、レンズアンテナの場合、誘電率異方性が1.00〜1.05の範囲となり、特性のばらつきが低く、アンテナ利得が優れている複合誘電体成形物を製造することができる。また、表面実装型アンテナに用いた場合、アンテナ素子間の誘電率のばらつきを5%以下と小さくすることができ、かつ共振周波数のばらつきも小さくすることができる。
【0062】
また、複合誘電体材料のうち、前記誘電体無機フィラーが12vol%〜50vol%であり、前記有機高分子材料が50vol%〜88vol%であるとし、誘電体無機フィラーのうち、高誘電率セラミック粉末が50vol%以下とすることによって、射出成形に適しており、アンテナ利得が高く、共振周波数のばらつきを低減できる複合誘電体成形物を作製することができる。
【0063】
また、複合誘電体材料は、有機高分子材料(ポリフェニレンサルファイドを除く)が熱可塑性樹脂であることによって、射出成形に適しており、製造コストが低減できるとともに、形状精度が高く、かつ容易に成形することができる。
また、高誘電率セラミック粉末として、チタン酸カルシウムが及び/または酸化チタンを用いることによって、低コストで、安定した誘電率異方性を得られる。特にチタン酸カルシウムは、Q値が高いため、アンテナ利得の高い複合誘電体成形物を得られる。
また、低誘電率セラミック粉末として、アルミナ及び/または炭酸カルシウムを用いることによって、低コストで安定した誘電率異方性を得られる。特に炭酸カルシウムは、Q値が高いため、アンテナ利得の高い複合誘電体成形物を得られるだけでなく、セラミック粉末そのものの比重が軽いため、複合誘電体成形物の軽量化を図れる。
また、有機高分子材料がポリプロピレンを用いることによって、Q値が高いためアンテナ利得の高い複合誘電体成形物を得られるだけでなく、耐熱性の高い複合誘電体成形物を得られる。
【0064】
また、このような本願発明の複合誘電体材料を用いて形成された複合誘電体成形物は、複合誘電体成形物個体内、及び個体間の誘電率ばらつきが小さいので、Qが高く、アンテナ利得に優れている。
【0065】
また、このような複合誘電体成形物をレンズに用いることによって、アンテナの利得が大きく、かつ特性のばらつきの少ないレンズアンテナを得ることができる。
また、レンズ部は、レンズ本体と、レンズ本体の表面に形成され、レンズ本体と大気との整合をとる整合層からなり、レンズ本体および整合層は、本願発明のいずれかの複合誘電体絶縁物からなることが好ましい。
このようにレンズ本体に整合層を設けることによって、電磁波の出射時及び受波時において、電磁波の反射をより抑制することができる。
また、本願発明の表面実装型アンテナにおいて、アンテナ素子が本願発明のいずれかの複合誘電体成形物を用いることによって、アンテナ素子個体間の誘電率のばらつきを防ぎ、共振周波数のずれ幅を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズアンテナを示す概略断面図。
【図2】本発明の複合誘電体成形物を示す概略断面図。
【図3】本発明の複合誘電体の水平断面図。
【図4】本発明の表面実装型アンテナを示す概略斜視外観図。
【符号の説明】
1 レンズアンテナ
2 レンズ部
2a レンズ本体
2b 整合層
3 導波管(1次送波器)
4 支持板
5 誘電体線路
10 複合誘電体成形物
11 サンプル
21 メインアンテナ
22 アンテナ素子
23 放射電極
24 給電電極
25 基板
26 設置電極
Claims (13)
- 誘電体無機フィラーと有機高分子材料(ポリフェニレンサルファイドを除く)とを含む複合誘電体材料であって、前記誘電体無機フィラーは、平均粒径が0.32μm〜2.3μmであり、誘電率が104〜180である高誘電率セラミック粉末と、平均粒径が0.64μm〜32.6μmであり、誘電率が6〜18である低誘電率セラミック粉末とからなり、
前記低誘電率セラミック粉末の平均粒径が前記高誘電率セラミック粉末の平均粒径の0.27〜125倍であり、
前記誘電体無機フィラーが12vol%〜50vol%であり、前記有機高分子材料が50vol%〜88vol%であり、
前記誘電体無機フィラーのうち、前記高誘電率セラミック粉末が50vol%以下であることを特徴とする複合誘電体材料。 - 前記有機高分子材料が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の複合誘電体材料。
- 前記高誘電率セラミック粉末が、チタン酸カルシウム及び/または酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の複合誘電体材料。
- 前記低誘電率セラミック粉末が、アルミナ及び/または炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の複合誘電体材料。
- 前記有機高分子材料がポリプロピレンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の複合誘電体材料。
- 誘電体無機フィラーと有機高分子材料(ポリフェニレンサルファイドを除く)とを含む複合誘電体材料を成形してなる複合誘電体成形物であって、
前記誘電体無機フィラーは、平均粒径が0.32μm〜2.3μmであり、誘電率が104〜180である高誘電率セラミック粉末と、平均粒径が0.64μm〜32.6μmであり、誘電率が6〜18である低誘電率セラミック粉末とからなり、前記低誘電率セラミック粉末の平均粒径が前記高誘電率セラミック粉末の平均粒径の0.27〜125倍であり、
前記誘電体無機フィラーが12vol%〜50vol%であり、前記有機高分子材料が50vol%〜88vol%であり、
前記誘電体無機フィラーのうち、前記高誘電率セラミック粉末が50vol%以下であることを特徴とする複合誘電体成形物。 - 前記有機高分子材料が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の複合誘電体成形物。
- 前記高誘電率セラミック粉末が、チタン酸カルシウム及び/または酸化チタンであることを特徴とする請求項6〜7のいずれかに記載の複合誘電体成形物。
- 前記低誘電率セラミック粉末が、アルミナ及び/または炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の複合誘電体成形物。
- 前記有機高分子材料がポリプロピレンであることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の複合誘電体成形物。
- 出射面が凸状のレンズ部と、前記レンズ部の後方に設けられた1次送波器とで少なくとも構成されたレンズアンテナであって、前記レンズ部は、請求項6〜10のいずれかに記載の複合誘電体成形物であることを特徴とするレンズアンテナ。
- 前記レンズ部は、レンズ本体と、前記レンズ本体の表面に形成され、前記レンズ本体と大気との整合をとる整合層からなることを特徴とする請求項11に記載のレンズアンテナ。
- 誘電体基板からなるアンテナ素子と、放射電極と、給電手段と、基板とで少なくとも構成された表面実装型アンテナであって、前記アンテナ素子が請求項6〜10のいずれかに記載の複合誘電体成形物からなることを特徴とする表面実装型アンテナ。
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