JP4019810B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両に搭載される内燃機関に適用されて排気空燃比を一時的にリッチにするリッチスパイク処理によりNOx吸蔵還元型触媒に吸蔵されているNOxの還元を実行する内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両に搭載される内燃機関の排気浄化のためにNOx吸蔵還元型触媒を内燃機関の排気通路に備えた排気浄化システムが知られている(特許第2586739)。この排気浄化システムでは、NOx吸蔵還元型触媒におけるNOx吸蔵量がNOx吸蔵量判定値に到達する毎にリッチスパイク処理を実行して、吸蔵されているNOxの還元を繰り返している。
【0003】
ここでNOx吸蔵還元型触媒のNOx吸蔵容量(NOx吸蔵還元型触媒においてNOxが完全に飽和した時のNOx吸蔵量)は触媒温度により変化するので、前記NOx吸蔵量判定値についても触媒温度に応じて変化させることでNOx吸蔵容量の温度変化に対応させている。
【0004】
ところでNOx吸蔵量判定値をNOx吸蔵容量に一致させるとNOx吸蔵量判定値にNOx吸蔵量が近づいた状態では急激に排気浄化率が低下する。これはNOx吸蔵量がNOx吸蔵容量に接近した場合には、NOx吸蔵還元型触媒においてNOxの吸蔵速度が遅くなりNOxの通過を許してしまうからである。
【0005】
したがって、NOx吸蔵量判定値は、余裕代を設けることでNOx吸蔵容量よりも小さい値に設定されている。このことによりNOx吸蔵還元型触媒の排気浄化率が低下しない内にリッチスパイク処理にてNOxを還元できるので、排気エミッションを良好に維持することができる。
【0006】
ただし前記余裕代も、あまり大きくすると、NOx吸蔵量判定値が小さくなりすぎることにより、短いリッチスパイク処理が高頻度に実行されるおそれがある。リッチスパイク処理により生じた排気中の還元剤は、NOxの還元以外に触媒中に吸着されている酸素等によっても消費されることから、リッチスパイク処理回数が高頻度になると燃費が悪化する傾向がある。
【0007】
このため排気エミッションが悪化せず、かつできるだけ小さい余裕代となるようにNOx吸蔵量判定値が設定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、車両が渋滞走行状態となった場合には前述したごとくNOx吸蔵還元型触媒の温度に対応してNOx吸蔵量判定値を設定しているにもかかわらず、排気浄化が悪化するおそれがあることが判明した。
【0009】
すなわち、渋滞走行状態では内燃機関においてアイドル状態やこれに近い低負荷状態が長時間生じることでNOx吸蔵還元型触媒の温度が低下するためNOx吸蔵容量自体が低下する。そして、この時、渋滞走行状態状態であるために、通常走行時のごとくに内燃機関の高負荷状態が頻繁に生じることはなく、理論空燃比やリッチ空燃比の排気によるNOx還元の可能性は低下している。
【0010】
しかも渋滞走行状態では低負荷状態であるため排気によりNOx吸蔵還元型触媒に供給されるNOxの絶対量は少なくてNOx吸蔵量の上昇は遅いが、NOx吸蔵量が高くなってからは通常走行時に比較してNOx吸蔵量判定値に到達するのに時間がかかる。したがってNOx吸蔵量の高レベル状態が通常走行時よりも長時間継続することになる。
【0011】
すなわち、渋滞走行状態では、元来、浄化率の低下しやすい低NOx吸蔵容量が長く続き、しかもNOx吸蔵量がNOx吸蔵量判定値に近い状態を長く継続するので排気浄化が悪化するおそれが非常に高くなる。
【0012】
本発明は、車両が渋滞走行状態となってもNOx吸蔵還元型触媒によりNOxを確実に吸蔵して排気エミッションの悪化を防止することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、車両に搭載される内燃機関に適用され、排気空燃比がリーンの時に排気中のNOxを吸蔵するとともに排気空燃比がリッチの時に吸蔵されていたNOxを還元するNOx吸蔵還元型触媒を内燃機関の排気通路に備え、排気空燃比を一時的にリッチにするリッチスパイク処理により、前記NOxの還元を実行する内燃機関の排気浄化装置であって、前記NOx吸蔵還元型触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、前記NOx吸蔵還元型触媒におけるNOx吸蔵容量の温度変化に対応させて、前記触媒温度検出手段にて検出された触媒温度に応じてリッチスパイク実行を判定するためのNOx吸蔵量判定値を前記NOx吸蔵容量よりも小さい値として設定する判定値設定手段と、車両が渋滞走行状態であるか否かを判定する渋滞走行判定手段と、該渋滞走行判定手段にて渋滞走行状態であると判定されている場合に、前記判定値設定手段に対して、前記NOx吸蔵容量と前記NOx吸蔵量判定値との差である余裕代を大きくさせる余裕代増加手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
余裕代増加手段が、渋滞走行判定手段にて渋滞走行状態であると判定されている場合に、判定値設定手段に対してNOx吸蔵容量に対するNOx吸蔵量判定値の余裕代を大きくしているため、NOx吸蔵量判定値がNOx吸蔵容量から離される。このため、渋滞走行によりNOx吸蔵量がNOx吸蔵量判定値に近い状態が長時間継続したとしても、実際のNOx吸蔵量は、通常走行時よりもNOx吸蔵容量から十分に離れた状態となっている。
【0015】
したがってNOx吸蔵還元型触媒は高浄化率に維持され、渋滞走行状態においても確実にNOxを吸蔵できるので、排気エミッションの悪化を防止することができる。しかも渋滞走行状態以外では、通常の余裕代にて設定されるNOx吸蔵量判定値が用いられるため、燃費の悪化を極力抑制できる。
【0016】
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記渋滞走行判定手段は、周期的に平均車速を算出し、該平均車速が渋滞判定基準速度より低い場合に、車両が渋滞走行状態であると判定することを特徴とする。
【0017】
渋滞走行時では、通常走行時に比較して平均車速は低くなることから、渋滞走行判定手段は、渋滞判定基準速度を設けて平均車速が渋滞判定基準速度より低い場合に車両が渋滞走行状態であると判定する。このことにより容易に渋滞走行状態を判定でき、渋滞走行状態時において排気エミッションの悪化を防止することができる。
【0018】
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記渋滞走行判定手段は、周期的に停車頻度を求め、該停車頻度が渋滞判定基準頻度より高い場合に、車両が渋滞走行状態であると判定することを特徴とする。
【0019】
渋滞走行時では、通常走行時に比較して停車頻度が高くなることから、渋滞走行判定手段は、渋滞判定基準頻度を設けて停車頻度が渋滞判定基準頻度より高い場合に車両が渋滞走行状態であると判定する。このことにより容易に渋滞走行状態を判定でき、渋滞走行状態時において排気エミッションの悪化を防止することができる。
【0020】
(4)請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記渋滞走行判定手段は、前記触媒温度検出手段にて検出された触媒温度が渋滞判定基準温度より低い状態が、渋滞判定基準期間より長く継続していた場合に、車両が渋滞走行状態であると判定することを特徴とする。
【0021】
渋滞走行時では、通常走行時に比較して触媒温度が低い状態が長く継続することから、渋滞走行判定手段は、渋滞判定基準温度と渋滞判定基準期間とを設けて、触媒温度が渋滞判定基準温度より低い状態が渋滞判定基準期間より長く継続していた場合に車両が渋滞走行状態であると判定する。このことにより容易に渋滞走行状態を判定でき、渋滞走行状態時において排気エミッションの悪化を防止することができる。
【0022】
(5)請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記余裕代増加手段は、前記触媒温度検出手段にて検出された触媒温度を判定して、十分に高温側に存在する場合には、前記渋滞走行判定手段にて渋滞走行状態であると判定されている場合でも前記余裕代は大きくさせる処理を実行しないことを特徴とする。
【0023】
渋滞走行時であっても、NOx吸蔵還元型触媒の温度が十分に高温側に存在する場合には、通常走行時と同じ余裕代のNOx吸蔵量判定値を用いても、NOx吸蔵容量自体が十分に高いためにNOx浄化率が低下しにくい状態となっている。したがって、このような場合には余裕代増加手段は余裕代を大きくする処理を実行しないようにしても良い。このようにすることにより、渋滞走行時においても通常のNOx吸蔵量判定値が設定される期間が生じてリッチスパイクを実行する頻度を低下させることができるので、燃費の悪化を一層効果的に抑制できる。
【0024】
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記余裕代増加手段は、前記余裕代を大きくさせる場合には、前記触媒温度検出手段にて検出された触媒温度に応じて、触媒温度が低いほど前記余裕代を大きくさせる程度を増大することを特徴とする。
【0025】
尚、NOx吸蔵還元型触媒の温度が低いほどNOx吸蔵容量自体が低下してNOx浄化率が低下しやすくなるので、余裕代増加手段は、触媒温度が低いほど余裕代を大きくさせる程度を増大している。このことにより渋滞走行によりNOx吸蔵量がNOx吸蔵量判定値に近い状態が長時間継続したとしても、一層確実にNOxを吸蔵できるようになるので、排気エミッションの悪化をより的確に防止することができる。
【0026】
(7)請求項7に記載の発明は、NOx吸蔵還元触媒における限界のNOx吸蔵量であるNOx吸蔵容量よりも小さい値として且つNOx吸蔵還元触媒の温度である触媒温度に基づいてNOx吸蔵量判定値を設定し、このNOx吸蔵量判定値とNOx吸蔵還元触媒のNOx吸蔵量とに基づいてNOx吸蔵還元触媒のNOxを還元する必要がある旨判定したとき、排気空燃比を一時的にリッチにするリッチスパイク処理を行う内燃機関の排気浄化装置において、車両が渋滞走行状態にあるときの前記NOx吸蔵量判定値を車両が渋滞走行状態にないときのNOx吸蔵量判定値よりも小さくすることを特徴とする。
(8)請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置において、周期的に算出される平均車速が渋滞判定基準速度よりも低いことに基づいて車両が渋滞走行状態にある旨判定することを特徴とする。
(9)請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置において、周期的に算出される車両の停車頻度が渋滞判定基準頻度よりも高いことに基づいて車両が渋滞走行状態にある旨判定することを特徴とする。
(10)請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記触媒温度が渋滞判定基準温度よりも低い状態が渋滞判定基準期間よりも長い期間にわたり継続したことに基づいて車両が渋滞走行状態にある旨判定することを特徴とする。
(11)請求項11に記載の発明は、請求項7〜10のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、車両が渋滞走行状態にあり且つ前記NOx吸蔵容量が十分な大きさにある旨判定しているとき、車両が渋滞走行状態にあることに基づいてNOx吸蔵量判定値を小さくする前記処理を行わないことを特徴とする。
(12)請求項12に記載の発明は、請求項7〜11のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記触媒温度が低いものとなるにつれて前記NOx吸蔵量判定値を小さくする度合いを増大させることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、車両に搭載された筒内噴射型ガソリンエンジン(以下「エンジン」と略す)2及びその電子制御ユニット(以下、「ECU」と称す)4の概略構成を示している。エンジン2の各気筒には、燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射バルブ6と、この噴射された燃料に点火する点火プラグ8とがそれぞれ設けられている。燃焼室に吸気バルブ(図示略)を介して接続された吸気経路10の途中にはモータによって開度が調節されるスロットルバルブ12が設けられている。このスロットルバルブ12の開度(スロットル開度TA)により各気筒へ供給される吸入空気量GA(mg/sec)が調整される。スロットル開度TAはスロットル開度センサ14により検出され、吸入空気量GAは吸入空気量センサ16により検出されて、ECU4に読み込まれている。
【0028】
燃焼室に排気バルブ(図示略)を介して接続された排気経路18の途中には上流側に三元触媒としてのスタートキャタリスト20が、下流側にNOx吸蔵還元型触媒22が設けられている。
【0029】
スタートキャタリスト20の上流側には排気成分から空燃比を検出する空燃比センサ24が設けられている。そしてスタートキャタリスト20とNOx吸蔵還元型触媒22との間には排気成分中の酸素を検出する第1酸素センサ26が、NOx吸蔵還元型触媒22の下流には排気成分中の酸素を検出する第2酸素センサ28が設けられている。
【0030】
ECU4はデジタルコンピュータを中心として構成されているエンジン制御回路である。このECU4は、スロットル開度センサ14、吸入空気量センサ16、空燃比センサ24、2つの酸素センサ26,28からそれぞれ信号を入力している。またアクセルペダル30の踏み込み量(アクセル開度ACCP)を検出するアクセル開度センサ32からそれぞれ信号を入力している。更にクランク軸(図示略)の回転からエンジン回転数NEを検出するエンジン回転数センサ34、エンジン2の冷却水温THWを検出する冷却水温センサ36、車速SPDを検出する車速センサ38などからもそれぞれ信号を入力している。尚、このようなセンサ以外にも、図示省略しているがエンジン制御に必要なセンサが設けられている。
【0031】
ECU4は、上述した各種センサからの検出内容に基づいて、エンジン2の燃料噴射時期、燃料噴射量、点火時期及びスロットル開度TA等を適宜制御する。このことにより、例えば燃焼形態については運転状態に応じて成層燃焼と均質燃焼との間で切り換えがなされている。本実施の形態1では、冷間時などの状態を除いた通常運転時においては、エンジン回転数NEと負荷率eklqとのマップに基づいて、前記燃焼形態が決定されている。具体的にはアイドル領域を含む低エンジン回転数NEでかつ低負荷率eklqの領域にて成層燃焼が選択され、これ以外では均質燃焼が選択される。ここで負荷率eklqは、最大機関負荷に対する現在の負荷の割合を示すものとして、例えばアクセル開度ACCPとエンジン回転数NEとをパラメータとするマップから求められる値である。均質燃焼が選択された場合には、吸入空気量GAに対応して理論空燃比となる燃料量(一時的には理論空燃比よりも燃料が濃いリッチとすることもある)が吸気行程にて噴射されて、燃焼室では理論空燃比(場合によりリッチ空燃比)での均質燃焼がなされる。この場合には排気空燃比は理論空燃比(場合によりリッチ空燃比)となる。成層燃焼が選択された場合には、スロットルバルブ12が開き気味となり負荷率eklqに応じて理論空燃比よりも少ない燃料量が圧縮行程にて噴射され、燃焼室ではリーンでの成層燃焼がなされる。この場合には排気空燃比はリーン空燃比となる。
【0032】
次に本実施の形態において、ECU4により実行されるNOx吸蔵還元型触媒22に対する処理の内、リッチスパイクに関する処理について説明する。図2にリッチスパイク設定処理を示す。本処理は一定時間周期(例えば100msec以下の周期)で繰り返し実行される処理である。
【0033】
本処理が開始されると、まずエンジン運転状態が前述した成層燃焼領域に該当することにより成層燃焼要求がなされているか否かが判定される(S100)。ここで成層燃焼要求時でなければ(S100で「NO」)、すなわち前記均質燃焼要求時であれば、次に前回の制御周期時に成層燃焼状態であったか否かが判定される(S102)。すなわち、成層燃焼から均質燃焼への切り換え時か否かが判定される。均質燃焼が継続している場合には(S102で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。
【0034】
尚、前回成層燃焼状態であった場合には(S102で「YES」)、リッチスパイク実行フラグFrsに「ON」が設定される(S118)。リッチスパイク実行フラグFrsはリッチスパイク開始を要求するフラグであり、「ON」に設定されることにより、後述する燃料噴射制御処理(図4)においてリッチ空燃比となる燃料量が燃焼室内に噴射される。これは、リーン空燃比にされている成層燃焼から理論空燃比での均質燃焼に切り換わると、NOx吸蔵還元型触媒22から大量のNOxが排出されて還元剤量が不足し、NOxの還元が十分になされなくなるおそれがある。したがって、成層燃焼から均質燃焼への切り換え時に、予めリッチスパイクにてNOx吸蔵還元型触媒22に吸蔵されたNOxを全て還元しておくことにより、理論空燃比の均質燃焼になった場合にNOxがNOx吸蔵還元型触媒22の下流へ排出されることを防止している。
【0035】
一方、成層燃焼要求時で有れば(S100で「YES」)、次にリッチスパイク実行フラグFrsが「OFF」か否かが判定される(S104)。尚、リッチスパイク実行フラグFrsは、ECU4の電源オン時の初期設定ではFrs=「OFF」に設定されている。
【0036】
ここでFrs=「OFF」であれば(S104で「YES」)、次に図5に実線にて示したマップにより、NOx吸蔵還元型触媒22の温度etempaveに基づいてリッチスパイク実行を判定するためのNOx吸蔵量判定値enoxmxを求める(S105)。
【0037】
NOx吸蔵還元型触媒22のNOx吸蔵容量は図5で一点鎖線にて示すごとくであり、このNOx吸蔵容量に近いNOx吸蔵状態では排気中のNOxを完全に吸蔵できるNOx濃度が急激に低下してエミッションの悪化を招くおそれがある。このためNOx吸蔵量判定値enoxmxは、余裕代を設けることでNOx吸蔵容量よりも少し低い値に設定されている。ただし余裕代が大きいとリッチスパイクの頻度が高くなり、燃費が悪化するので、余裕代は極力小さく設定されている。
【0038】
尚、触媒温度etempaveは、ECU4にて別途行われる触媒温度推定処理によりエンジン回転数NEと吸入空気量GAとから推定されている。この触媒温度推定処理としては、例えば、エンジン2の安定運転時のエンジン回転数NEと吸入空気量GAとから求められる排気温として触媒温度を推定できる。そしてエンジン2の過渡時においては吸入空気量GAによる時定数に基づいて排気温に追随するように触媒温度を繰り替えし算出することで、触媒温度etempaveを求めている。尚、このように推定する代わりにNOx吸蔵還元型触媒22内に温度センサを設けて、直接、触媒温度を測定して用いても良い。
【0039】
次に渋滞走行判定フラグFtjが「ON」か否かが判定される(S106)。渋滞走行判定フラグFtjは、図3に示す渋滞走行状態判定処理にて設定されるフラグである。
【0040】
ここで渋滞走行状態判定処理(図3)について説明する。本処理は一定時間周期(例えば5sec以下の周期)で繰り返し実行される処理である。本処理が開始されると、まず車速積算値Mspdに、車速センサ38により検出されている現在の車速SPDが積算される(S200)。次に車速判定用カウンタCspdが基準回数A(例えばA=「10」)未満か否かが判定される(S202)。車速判定用カウンタCspdはオートインクリメントカウンタであり渋滞走行状態判定処理(図3)と同じ周期でインクリメントされている。
【0041】
ここでCspd<Aであれば(S202で「YES」)、次にステップS210の処理に移行する。
一方、インクリメントが繰り返された結果、Cspd=Aとなれば(S202で「NO」)、車速判定用カウンタCspdが「0」に戻される(S204)。そして今回A個サンプリングされた車速SPDの平均値(Mspd/A)が求められて、短期平均車速SPDaとして設定される(S206)。そしてこの短期平均車速SPDaに対して次式1の重み付け平均化計算にて、長期平均車速SPDaveを求める(S208)。
【0042】
【数1】
SPDave ← SPDave +(SPDa − SPDave)/N… [式1]
上記式1の右辺のSPDaveは前回Cspd=Aとなった時に求められた長期平均車速であり、左辺のSPDaveは今回新しく求められた長期平均車速である。重み付け係数Nは、長期平均車速SPDaveの値において周期の短い変動を抑制するために設けられ、N>「1」となる値が設定されている。
【0043】
ステップS202にて「YES」とされた場合、あるいはステップS208の次には、現在の車速SPDが「0(km/h)」か否かが判定される(S210)。SPD=「0」であれば(S210で「YES」)、停車カウンタMstpがインクリメントされる(S212)。
【0044】
SPD>「0」である場合(S210で「NO」)、あるいはステップS212の次には、停車判定用カウンタCstpが基準回数B(例えばB=「100」)未満か否かが判定される(S214)。停車判定用カウンタCstpはオートインクリメントカウンタであり渋滞走行状態判定処理(図3)と同じ周期でインクリメントされている。
【0045】
Cstp=Bであれば(S214で「NO」)、停車判定用カウンタCstpが「0」に戻される(S216)。次に停車頻度Mfqに停車カウンタMstpの値が設定される(S218)。そして停車カウンタMstpの値が「0」に戻される(S220)。
【0046】
Cstp<Bである場合(S214で「YES」)、あるいはステップS220の次には、長期平均車速SPDaveが渋滞判定基準速度C以下か否かが判定される(S222)。ここでSPDave≦Cであれば(S222で「YES」)、前述した渋滞走行判定フラグFtjに「ON」が設定されて(S224)、一旦本処理を終了する。
【0047】
一方、SPDave>Cであれば(S222で「NO」)、停車頻度Mfqが渋滞判定基準頻度D以上か否かが判定される(S226)。ここでMfq≧Dであれば(S226で「YES」)、Ftj=「ON」に設定されて(S224)、一旦本処理を終了する。
【0048】
一方、Mfq<Dであれば(S226で「NO」)、Ftj=「OFF」に設定されて(S228)、一旦本処理を終了する。
このように渋滞走行判定フラグFtjは、SPDave≦C又はMfq≧Dのいずれかであれば「ON」、すなわち渋滞走行状態であると判定され、SPDave>C及びMfq<Dであれば「OFF」、すなわち渋滞走行状態ではないと判定される。
【0049】
リッチスパイク設定処理(図2)の説明に戻り、ステップS106の判定にて、渋滞走行判定フラグFtjが「OFF」であると判定された場合には(S106で「NO」)、すなわち車両は渋滞走行状態ではないと判定された場合には、次に加速時リッチスパイク要求が有るか否かが判定される(S108)。
【0050】
通常走行時においてアクセルペダル30が大きく踏み込まれたことにより、この直後に理論空燃比の均質燃焼が生じる可能性が高まる。したがってリーン空燃比の成層燃焼から理論空燃比の均質燃焼に切り換わる際に前述したごとくNOxの大量放出をさせないように予め対処するためになされる判定処理である。例えば、別途ECU4が単位時間当たりのアクセル開度ACCPの増加量が基準増加量以上であるか否かにより加速時リッチスパイク要求の有無を判定する。
【0051】
加速時リッチスパイク要求が有ると判定された場合には(S108で「YES」)、リッチスパイク実行フラグFrsに「ON」が設定されて(S118)、一旦本処理を終了する。このことにより、後述する燃料噴射制御処理(図4)においてリッチスパイク用空燃比とするための燃料が燃焼室内に噴射される。
【0052】
一方、加速時リッチスパイク要求が無いと判定された場合には(S108で「NO」)、次にNOx吸蔵還元型触媒22のNOx吸蔵量eqnoxcntがステップS105で設定したNOx吸蔵量判定値enoxmx以上か否かが判定される(S110)。
【0053】
ここでNOx吸蔵量eqnoxcntは、別途ECU4が実行する処理にて、エンジン2の運転状態に応じてNOx吸蔵還元型触媒22に流入する排気中に含まれるNOx量と還元剤量とを繰り返し求め、NOx量を積算するとともに還元剤により還元されるNOx量を差し引くことにより継続的に算出されている。
【0054】
ステップS110にてeqnoxcnt<enoxmxであれば(S110で「NO」)、リッチスパイク処理にて還元するタイミングではないことから、このまま一旦本処理を終了する。
【0055】
一方、成層燃焼が継続してNOx吸蔵還元型触媒22にNOxが継続的に供給されることでeqnoxcnt≧enoxmxとなると(S110で「YES」)、リッチスパイク実行フラグFrsは「ON」に設定され(S118)、一旦本処理を終了する。
【0056】
次に、ステップS106の判定にて、渋滞走行判定フラグFtjが「ON」であると判定された場合には(S106で「YES」)、すなわち車両が渋滞走行状態であると判定された場合には、次に触媒温度etempaveが渋滞時処理判定温度Ttj以下か否かが判定される(S112)。ここで渋滞時処理判定温度Ttjには、図5に示したごとく車両の渋滞走行時において、触媒温度etempaveが十分に高いためにNOx吸蔵容量自体が高くてNOx浄化率が低下しにくい状態あるか否かの境界を示す触媒温度が設定してある。
【0057】
etempave>Ttjであれば(S112で「NO」)、渋滞走行時においてもNOx浄化率が低下しにくい状態であることから、前記ステップS110の判定に移行する。したがってNOx吸蔵量eqnoxcntとステップS105にて求められたNOx吸蔵量判定値enoxmxとの比較により、リッチスパイク実行フラグFrsを「ON」するか否かが判定されることになる。
【0058】
一方、etempave≦Ttjであれば(S112で「YES」)、渋滞走行時においてNOx浄化率が低下して排気エミッションの悪化が生じるおそれがある触媒温度であることから、次に余裕代増加係数αの設定が行われる(S114)。この余裕代増加係数αは「1.0」より小さい値であり、図6のマップに実線で示すごとく触媒温度etempaveが低いほど小さい値に設定される。
【0059】
そして、次にNOx吸蔵量eqnoxcntが「enoxmx・α」以上か否かが判定される(S116)。すなわち余裕代増加係数α<「1.0」であることにより、図5の成層燃焼渋滞走行時において矢印にて示すごとく、NOx吸蔵量判定値enoxmxの値を余裕代増加係数αの積によって引き下げることで、余裕代を大きくしてリッチスパイク実行フラグFrsを設定をするか否かを判定する。更に、図6のごとく余裕代増加係数αが設定されているため、触媒温度etempaveが低いほど余裕代はより大きくされている。
【0060】
ここでeqnoxcnt<enoxmx・αであれば(S116で「NO」)、このまま一旦本処理を終了する。
一方、eqnoxcnt≧enoxmx・αであれば(S116で「YES」)、リッチスパイク実行フラグFrsは「ON」に設定される(S118)。こうして一旦本処理を終了する。
【0061】
尚、上述したごとくステップS102,S108,S110,S116のいずれかで「YES」と判定されることで、Frs=「ON」(S118)とされた次の制御周期では、ステップS102又はステップS104にて「NO」と判定されて直ちに本処理を終了する処理が繰り返されるようになる。
【0062】
次にリッチスパイク設定処理(図2)にて設定されたリッチスパイク実行フラグFrsの内容に応じた処理がなされる燃料噴射制御処理(図4)について説明する。本処理は、一定クランク角(4気筒エンジンでは180°、6気筒エンジンでは120°)毎に実行される処理である。本処理が開始されると、まず成層燃焼要求時か否かが判定される(S300)。この判定は前記リッチスパイク設定処理(図2)のステップS100にて説明したごとくである。
【0063】
成層燃焼要求時でなければ(S300で「NO」)、Frs=「OFF」か否かが判定される(S302)。これは前記ステップS102にて説明した成層燃焼から均質燃焼への燃焼形態の切り換え時に行われるリッチスパイク処理が完了しているか否かを判定するためである。Frs=「OFF」である場合(S302で「YES」)、すなわち既に燃焼形態切り換え時のリッチスパイク処理が完了している場合には均質燃焼が設定される(S304)。この設定により、吸気行程にて吸入空気量GAに対応して理論空燃比(場合によりリッチ)となる燃料量が燃焼室に噴射される。このことにより理論空燃比(場合によりリッチ)での均質燃焼がなされる。
【0064】
一方、Frs=「ON」である場合には(S302で「NO」)、次にNOx吸蔵還元型触媒22の出口側に設けられている第2酸素センサ28の出力がリーン状態であるか否かが判定される(S308)。未だリッチスパイク処理によるNOx吸蔵還元型触媒22のNOx還元が完了していない場合には第2酸素センサ28の出力はリーン状態を示している(S308で「YES」)。したがってエンジン2の運転状態に応じてリッチスパイク用空燃比AFrsが設定される(S310)。
【0065】
次に目標空燃比AFtにリッチスパイク用空燃比AFrsが設定される(S312)。そして目標空燃比AFtが達成されるように、吸入空気量センサ16により検出されている吸入空気量GAと、空燃比センサ24の出力に基づく空燃比フィードバック制御補正値とに基づいて燃料量Qを算出し、この燃料量Qを吸気行程にて燃焼室内に噴射するように設定する(S314)。このことによりリッチ空燃比での均質燃焼が実行される。
【0066】
そして第2酸素センサ28の出力がリーン状態からリッチ状態へ変化すると(S308で「NO」)、リッチスパイク処理によりNOx吸蔵還元型触媒22のNOx還元が完了したのでリッチスパイク実行フラグFrsに「OFF」を設定して(S316)、成層燃焼要求時か否かが判定される(S318)。ここでは燃焼形態切り換え時のリッチスパイク処理が完了した場合であることから現在は均質燃焼要求がなされているので(S318で「NO」)、前述したごとく均質燃焼が設定されて(S304)、本処理を一旦終了する。
【0067】
一方、ステップS300にて成層燃焼要求時であれば(S300で「YES」)、リッチスパイク実行フラグFrsが「ON」か否かが判定される(S306)。この時、Frs=「OFF」であれば(S306で「NO」)、成層燃焼が設定される(S320)。この設定により、圧縮行程にて理論空燃比よりも少ない燃料が負荷率eklqに応じた量で燃焼室内に噴射される。このことでリーン空燃比での成層燃焼がなされる。
【0068】
一方、Frs=「ON」であれば(S306で「YES」)、第2酸素センサ28の出力がリーン状態であるか否かが判定される(S308)。未だ成層燃焼時のリッチスパイク処理によるNOx吸蔵還元型触媒22のNOx還元が完了していない場合には第2酸素センサ28の出力はリーン状態を示している(S308で「YES」)。したがって前述したステップS310〜S314の処理によりリッチ空燃比での均質燃焼が実行される。
【0069】
そして第2酸素センサ28の出力がリーン状態からリッチ側へ変化すると(S308で「NO」)、リッチスパイク実行フラグFrsに「OFF」が設定されて(S316)、次に成層燃焼要求時か否かが判定される(S318)。ここでは成層燃焼時でのリッチスパイク処理が完了した場合であることから現在は成層燃焼要求がなされているので(S318で「YES」)、前述したごとく成層燃焼が設定されて(S320)、本処理を一旦終了する。
【0070】
図7(A)のタイミングチャートに、本実施の形態の処理によるNOx吸蔵量eqnoxcnt及びNOx吸蔵量判定値enoxmxの変化の一例を示す。尚、図7(B)は比較例である。
【0071】
図7(A)では、時刻t0にて渋滞走行判定フラグFtj=「ON」に設定され、時刻t1にて触媒温度etempave≦Ttjとなったものとする(S112で「YES」)。したがって時刻t1からはNOx吸蔵量eqnoxcntはNOx吸蔵量判定値(enoxmx・α)によりリッチスパイクの開始が判定される(S116)。そして時刻t2にてFtj=「OFF」となり、NOx吸蔵量eqnoxcntはNOx吸蔵量判定値enoxmxによりリッチスパイクの開始が判定される状態に戻る(S110)。尚、時刻t3では加速時のリッチスパイクが要求されたタイミングであり、時刻t4は成層燃焼から均質燃焼への切り換え時でリッチスパイクが要求されたタイミングである。
【0072】
このように渋滞走行状態にて触媒温度etempaveが渋滞時処理判定温度Ttjより低下すれば、通常よりも大きな余裕代にてNOx吸蔵量eqnoxcntの増加を制限しているので、NOx吸蔵量eqnoxcntを一点鎖線で示したNOx吸蔵容量から常に大きく離しておくことができる。このため渋滞走行によりNOx浄化率が低下しやすい低NOx吸蔵容量状態が長期間継続しても、NOx浄化が悪化することがなく確実にNOx吸蔵還元型触媒22にNOxを吸蔵できるので排気エミッションを良好に維持できる。
【0073】
しかし従来例の図7(B)では、渋滞走行によりNOx浄化率が低下しやすい低NOx吸蔵容量状態においても余裕代は大きくされていない。したがってNOx吸蔵量eqnoxcntが最大値となる頂点pは、通常走行時と同様にNOx吸蔵容量に近い位置にある。しかもエンジン2は低負荷状態であることからNOx吸蔵量eqnoxcntの上昇が鈍く、頂点p直前においてNOx吸蔵量eqnoxcntがNOx吸蔵容量に近い状態が通常よりも長く継続する。このためNOx吸蔵還元型触媒22を十分に吸蔵することができずにNOx吸蔵還元型触媒22からNOxを排出してしまい、排気エミッションを悪化させるおそれがある。
【0074】
上述した構成において、ECU4により実行される触媒温度etempaveを推定する処理が触媒温度検出手段としての処理に、リッチスパイク設定処理(図2)のステップS105が判定値設定手段としての処理に相当する。また渋滞走行状態判定処理(図3)が渋滞走行判定手段としての処理に、リッチスパイク設定処理(図2)のステップS106,S112,S114,S116が余裕代増加手段としての処理に相当する。
【0075】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).渋滞走行状態判定処理(図3)にて渋滞走行判定フラグFtj=「ON」が設定された場合(図2:S106で「YES」)、NOx吸蔵量判定値enoxmxと余裕代増加係数αとの積により、図5に矢印にて示すごとくNOx吸蔵容量に対するNOx吸蔵量判定値の余裕代を更に大きくしている。
【0076】
このため、渋滞走行によりNOx吸蔵量eqnoxcntがNOx吸蔵量判定値(enoxmx・α)に近い状態が高頻度に生じたとしても、実際にはNOx吸蔵量eqnoxcntは通常走行時よりもNOx吸蔵容量からは十分に離れた状態となっている。
【0077】
したがってNOx吸蔵還元型触媒22は高浄化率に維持され、渋滞走行状態においても確実にNOxを吸蔵できるので、排気エミッションの悪化を防止することができる。
【0078】
しかも渋滞走行状態以外では(図2:S106で「NO」)、通常の余裕代にて設定されるNOx吸蔵量判定値enoxmxが用いられるため(S110)、燃費の悪化を極力抑制できる。
【0079】
(ロ).渋滞走行時では、通常走行時に比較して車速SPDは低くなることから、平均車速(ここでは長期平均車速SPDave)が渋滞判定基準速度Cより低い場合に(S222で「YES」)、車両が渋滞走行状態であると判定している(S224)。又、渋滞走行時では、通常走行時に比較して停車頻度Mfqが高くなることから、渋滞判定基準頻度Dを設けて停車頻度が渋滞判定基準頻度Dより高い場合に(S226で「YES」)、車両が渋滞走行状態であると判定している(S224)。
【0080】
このことにより容易に渋滞走行状態が判定でき、渋滞走行状態時において排気エミッションの悪化を確実に防止することができる。
(ハ).渋滞走行時であっても(S106で「YES」)、触媒温度etempaveが渋滞時処理判定温度Ttjよりも高い場合には、NOx吸蔵容量自体が十分に高いために、NOx浄化率が低下しにくい状態となっている。
【0081】
したがって、このような場合には、前記余裕代を大きくさせる処理を実行しないようにしている(S112で「NO」)。このため渋滞走行時においても、通常の余裕代のNOx吸蔵量判定値enoxmxが用いられる期間が生じることになるため、リッチスパイク処理を実行する頻度が低下して燃費の悪化を一層効果的に抑制できる。
【0082】
(ニ).渋滞走行判定フラグFtj=「ON」が設定された場合(図2:S106で「YES」)においても、低温側ほどNOx吸蔵容量が低下してNOx浄化率が低下しやすくなる。このため低温側ほど図6に示すごとく余裕代増加係数αを小さくすることで、余裕代を大きくさせる程度を増大している。このことにより渋滞走行によりNOx吸蔵量eqnoxcntがNOx吸蔵量判定値(enoxmx・α)に近い状態が長時間継続したとしても、一層確実にNOxを吸蔵できるようになるので、排気エミッションの悪化を効果的に防止することができる。
【0083】
[実施の形態2]
本実施の形態は前記実施の形態1の渋滞走行状態判定処理(図3)の代わりに、図8に示す渋滞走行状態判定処理を実行する。他の構成は前記実施の形態1と同じである。
【0084】
渋滞走行状態判定処理(図8)について説明する。本処理は一定時間周期で繰り返し実行される。本処理が開始されると、まず、触媒温度etempaveが渋滞判定基準温度Tj以下か否かが判定される(S400)。この渋滞判定基準温度Tjは渋滞走行状態を判定するための温度判定値であり、前記リッチスパイク設定処理(図2)のステップS112にて用いている渋滞時処理判定温度Ttjとは異なるが、同一の値でも良い。
【0085】
etempave>Tjであれば(S400で「NO」)、渋滞走行の可能性が低いとして、低温カウンタCcに「0」を設定し(S402)、渋滞走行判定フラグFtjに「OFF」を設定して(S404)、一旦本処理を終了する。
【0086】
一方、etempave≦Tjであれば(S400で「YES」)、次に低温カウンタCcが渋滞判定基準期間Cj以上か否かが判定される(S406)。この渋滞判定基準期間Cjは渋滞走行状態を判定するための時間判定値であり、渋滞走行に入って触媒温度etempaveが渋滞判定基準温度Tj以下となった後、NOx吸蔵還元型触媒22が更に低温下してNOx浄化率が問題となるほどに低下するまでの時間に相当する値が設定されている。例えば、数秒から数十秒に相当する値が設定されている。尚、低温カウンタCcは初期値として「0」が設定されている。
【0087】
最初は、Cc<Cjであることから(S406で「NO」)、次に低温カウンタCcのインクリメントが実行されて(S408)、本処理を一旦終了する。
以後、etempave≦Tjで(S400で「YES」)、かつCc<Cjであれば(S406で「NO」)、低温カウンタCcのインクリメント(S408)が継続して低温カウンタCcが増加するが、渋滞走行判定フラグFtjには変化がないので、Ftj=「OFF」が継続する。
【0088】
尚、Cc<Cjである間に、etempave>Tjとなれば(S400で「NO」)、低温カウンタCcに「0」を設定し(S402)、渋滞走行判定フラグFtjに「OFF」を設定する(S404)ので、この場合もFtj=「OFF」のままである。
【0089】
しかし、etempave≦Tjが継続することで、Cc≧Cjとなれば(S406で「YES」)、渋滞走行判定フラグFtjに「ON」を設定する(S410)。以後、etempave≦Tjが継続する限り、ステップS400,S406にて「YES」と判定されて、Ftj=「ON」(S410)が継続する。そして通常走行状態となってetempave>Tjとなれば(S400で「NO」)、低温カウンタCcに「0」を設定し(S402)、渋滞走行判定フラグFtjに「OFF」を設定する(S404)ので、Ftj=「OFF」に戻る。
【0090】
このようにして、渋滞走行判定フラグFtjが設定されることにより、リッチスパイク設定処理(図2)において、前記実施の形態1にて述べたごとくNOx吸蔵量eqnoxcntを判定するための余裕代が調整される。
【0091】
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).渋滞走行時では、通常走行時に比較して触媒温度etempaveの低温状態が継続することから、etempave≦Tjの状態が、渋滞判定基準期間Cj以上継続している場合に(S406で「YES」)、車両が渋滞走行状態であると判定している(S410)。
【0092】
このことにより容易に渋滞走行状態が判定でき、渋滞走行状態時において排気エミッションの悪化を確実に防止することができる。
(ロ).前記実施の形態1の(イ)、(ハ)、(ニ)の効果を生じる。
【0093】
[その他の実施の形態]
(a).渋滞走行状態判定処理(図3)においては、長期平均車速SPDaveと停車頻度Mfqとのいずれかが渋滞走行状態であるとされる(S222で「YES」又はS226で「YES」)と、渋滞走行判定フラグFtj=「ON」に設定した。これ以外に、長期平均車速SPDaveと停車頻度Mfqとのいずれかのみを条件として判定しても良い。
【0094】
(b).リッチスパイク設定処理(図2)においては、余裕代増加係数αは図6のマップにより触媒温度etempaveが低いほど小さい値に設定された(S114)。これ以外に、余裕代増加係数αは「1.0」より小さい一定値に設定しても良い。
【0095】
(c).リッチスパイク設定処理(図2)においては、触媒温度etempaveが渋滞時処理判定温度Ttj以下である場合に(S112で「YES」)、enoxmx・αの値によりリッチスパイクタイミングか否かを判定した(S116)。これ以外に、触媒温度etempaveと渋滞時処理判定温度Ttjとの比較は行わずに、Ftj=「ON」の場合は(S106で「YES」)、全てenoxmx・αの値によりリッチスパイクタイミングを判定しても良い。
【0096】
(d).図1において、排気経路18にスタートキャタリスト20と第1酸素センサ26とを設けない構成を採用しても良い。
(e).前記各実施の形態においては、リーン空燃比は成層燃焼により、理論空燃比及びリッチ空燃比は均質燃焼により行われたが、吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射型エンジンの場合は、成層燃焼の代わりに均質燃焼にてリーン空燃比を実行することで本発明を適用できる。又、筒内噴射型エンジンにおいてもリーン空燃比にて均質燃焼を実行することで本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1としてのエンジンとその制御系の概略説明図。
【図2】実施の形態1のECUが実行するリッチスパイク設定処理のフローチャート。
【図3】同じく渋滞走行状態判定処理のフローチャート。
【図4】同じく燃料噴射制御処理のフローチャート。
【図5】触媒温度etempaveからNOx吸蔵量判定値enoxmxを求めるためのマップの構成説明図。
【図6】触媒温度etempaveから余裕代増加係数αを求めるためのマップの構成説明図。
【図7】実施の形態1の制御の一例を示すタイミングチャート。
【図8】実施の形態2の渋滞走行状態判定処理のフローチャート。
【符号の説明】
2…エンジン、4…ECU、6…燃料噴射バルブ、8…点火プラグ、10…吸気経路、12…スロットルバルブ、14…スロットル開度センサ、16…吸入空気量センサ、18…排気経路、20…スタートキャタリスト、22…NOx吸蔵還元型触媒、24…空燃比センサ、26…第1酸素センサ、28…第2酸素センサ、30…アクセルペダル、32…アクセル開度センサ、34…エンジン回転数センサ、36…冷却水温センサ、38…車速センサ。
Claims (12)
- 車両に搭載される内燃機関に適用され、排気空燃比がリーンの時に排気中のNOxを吸蔵するとともに排気空燃比がリッチの時に吸蔵されていたNOxを還元するNOx吸蔵還元型触媒を内燃機関の排気通路に備え、排気空燃比を一時的にリッチにするリッチスパイク処理により、前記NOxの還元を実行する内燃機関の排気浄化装置であって、
前記NOx吸蔵還元型触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
前記NOx吸蔵還元型触媒におけるNOx吸蔵容量の温度変化に対応させて、前記触媒温度検出手段にて検出された触媒温度に応じてリッチスパイク実行を判定するためのNOx吸蔵量判定値を前記NOx吸蔵容量よりも小さい値として設定する判定値設定手段と、
車両が渋滞走行状態であるか否かを判定する渋滞走行判定手段と、
該渋滞走行判定手段にて渋滞走行状態であると判定されている場合に、前記判定値設定手段に対して、前記NOx吸蔵容量と前記NOx吸蔵量判定値との差である余裕代を大きくさせる余裕代増加手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記渋滞走行判定手段は、周期的に平均車速を算出し、該平均車速が渋滞判定基準速度より低い場合に、車両が渋滞走行状態であると判定する
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記渋滞走行判定手段は、周期的に停車頻度を求め、該停車頻度が渋滞判定基準頻度より高い場合に、車両が渋滞走行状態であると判定する
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記渋滞走行判定手段は、前記触媒温度検出手段にて検出された触媒温度が渋滞判定基準温度より低い状態が、渋滞判定基準期間より長く継続していた場合に、車両が渋滞走行状態であると判定する
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記余裕代増加手段は、前記触媒温度検出手段にて検出された触媒温度を判定して、十分に高温側に存在する場合には、前記渋滞走行判定手段にて渋滞走行状態であると判定されている場合でも前記余裕代は大きくさせる処理を実行しない
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記余裕代増加手段は、前記余裕代を大きくさせる場合には、前記触媒温度検出手段にて検出された触媒温度に応じて、触媒温度が低いほど前記余裕代を大きくさせる程度を増大する
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - NOx吸蔵還元触媒における限界のNOx吸蔵量であるNOx吸蔵容量よりも小さい値として且つNOx吸蔵還元触媒の温度である触媒温度に基づいてNOx吸蔵量判定値を設定し、このNOx吸蔵量判定値とNOx吸蔵還元触媒のNOx吸蔵量とに基づいてNOx吸蔵還元触媒のNOxを還元する必要がある旨判定したとき、排気空燃比を一時的にリッチにするリッチスパイク処理を行う内燃機関の排気浄化装置において、
車両が渋滞走行状態にあるときの前記NOx吸蔵量判定値を車両が渋滞走行状態にないときのNOx吸蔵量判定値よりも小さくする
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
周期的に算出される平均車速が渋滞判定基準速度よりも低いことに基づいて車両が渋滞 走行状態にある旨判定する
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
周期的に算出される車両の停車頻度が渋滞判定基準頻度よりも高いことに基づいて車両が渋滞走行状態にある旨判定する
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記触媒温度が渋滞判定基準温度よりも低い状態が渋滞判定基準期間よりも長い期間にわたり継続したことに基づいて車両が渋滞走行状態にある旨判定する
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項7〜10のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
車両が渋滞走行状態にあり且つ前記NOx吸蔵容量が十分な大きさにある旨判定しているとき、車両が渋滞走行状態にあることに基づいてNOx吸蔵量判定値を小さくする前記処理を行わない
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項7〜11のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記触媒温度が低いものとなるにつれて前記NOx吸蔵量判定値を小さくする度合いを増大させる
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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