JP4019542B2 - ハニカム構造体成形用金型の製造方法及び製造装置 - Google Patents

ハニカム構造体成形用金型の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,ハニカム構造成形体を成形するための金型の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来技術】
例えばコージェライト等を主成分としたセラミック製のハニカム構造体は,成形用金型を用いて材料を押出成形することにより製造される。このハニカム構造体は,隔壁を格子状に設けて多数のセルを構成してなり,そのセル形状としては,四角形,六角形等種々の形状がある。
【0003】
例えば六角形状のセルを有するハニカム構造体を製造するには,六角形格子状のスリット溝を有する金型を用いる。
具体的には,材料供給用の供給穴81と,該供給穴81に連通して六角格子状に設けたスリット溝82とを有するハニカム構造体成形用金型8を用いる(図2参照)。
【0004】
上記ハニカム構造体成形用金型8を製造する方法として,従来,特公平4−74132号公報,特公平7−14574号公報に開示される製造方法がある。
上記従来の製造方法は,正六角形状のハニカム構造体を成形するための金型の製造方法である。
上記ハニカム構造体成形用金型8の製造に当っては,図9に示すごとく,複数の板状の突起電極部91を有する加工用電極9を用いる。そして,該加工用電極9を用いて放電加工により,金型素材の溝形成面に上記スリット溝82を形成する。
【0005】
上記突起電極部91の配置は,上記スリット溝82の格子であるそれぞれの正六角形の一辺に対応する。即ち,上記複数の突起電極部91は互いに平行に設けられており,互いに平行な上記複数の正六角形の辺の配置に対応した間隔で設けられている。
上記加工用電極9を上記金型素材に対し,水平方向において60度ずつ回転させながら放電加工を行うことにより,正六角形状のハニカム形状のスリット溝82を形成する。
【0006】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の製造方法には,以下の問題がある。
近年,壁厚みの薄いハニカム構造体が,市場の要望として高まってきている。かかる要望に応えるためには,上記ハニカム構造体成形用金型8におけるスリット溝82の幅を小さくする必要がある。そして,そのためには上記突起電極部91の厚みを薄くする必要がある。
【0007】
ところが,上記突起電極部91の厚みを薄くすると剛性が低下し,加工精度が低下するという問題がある。また,上記突起電極部91の厚みが薄いと,該突起電極部91の消耗が早くなり,加工精度が低下し易く,また生産効率が低下する。
更に,上記スリット溝82の幅が小さいと,(溝深さ/溝幅)が大きくなる。そのため,放電加工により発生する加工屑やスラッジが,上記スリット溝82から排出され難く,これらが放電加工を阻害し,加工速度が大幅に低下し生産効率が低下するという問題もある。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,加工精度及び生産効率の高いハニカム構造体成形用金型の製造方法及び製造装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
請求項1に記載の発明は,材料を供給するための供給穴と,該供給穴に連通し材料をハニカム形状に成形するためのスリット溝とを有するハニカム構造体成形用金型を製造する方法において,
上記スリット溝の加工は,金型素材の溝形成面を,上記ハニカムにおける一つの格子と同形状の断面を有するパイプ状の加工用電極を用いて,加工液中において,複数回放電加工をすることにより行い,
また,上記放電加工は,既に形成したスリット溝に上記加工用電極の側壁の一辺を一致させて行うことを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法にある。
【0010】
本発明において最も注目すべきことは,上記スリット溝の加工は,上記ハニカムにおける一つの格子と同形状の断面を有するパイプ状の加工用電極を用いて行うことである。
【0011】
上記加工用電極は,例えば銅などの導電性材料からなる。
上記ハニカムにおける一つの格子とは,ハニカムを構成する多数の格子の中の一つの格子をいい,上記加工用電極の軸方向に対し垂直な断面形状が,この一つの格子と略同形状となっている。
なお,上記の「材料を供給するための供給穴」における材料とは,上記ハニカム構造体成形用金型を用いてハニカム構造体を製造する際に用いる材料であり,例えばコージェライト等を主成分とするセラミック材料である。
【0012】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
上記スリット溝の加工に用いる加工用電極は,パイプ状の電極であるため剛性が高い。それ故,スリット溝の幅を小さくするために,上記加工用電極の側壁の厚みを小さくしても充分な剛性を保つことができる。そのため,加工時に上記加工用電極が変形するおそれがなく,加工精度を向上することができる。
【0013】
また,上記加工用電極はパイプ状であるため,例えば上記加工用電極の中空部から,加工により生じた加工屑を吸引することもできる。或いは,上記中空部から新しい加工液を供給して,上記加工屑を排出しながら行うこともできる。
これにより,上記スリット溝の中の加工屑により,加工が阻害されて加工速度が低下するおそれもない。そのため,生産効率の高いハニカム構造体成形用金型の製造方法を得ることができる。
【0014】
以上のごとく,本発明によれば,加工精度及び生産効率の高いハニカム構造体成形用金型の製造方法を提供することができる。
【0015】
次に,上記金型素材の溝形成面の加工は,放電加工により行う。
これにより,高硬度の金型素材であっても容易にスリット溝の加工を行うことができる。
【0016】
また,上記放電加工の場合には,切り代が小さく,幅の狭いスリット溝を高い精度で加工することができる
【0017】
次に,請求項に記載の発明のように,上記スリット溝の加工は,上記電気的加工により発生する加工屑を上記加工用電極の内側の中空部から吸引しながら行うことが好ましい。
これにより,上記スリット溝の幅が小さい場合にも,加工屑を加工部分から効率的に除去することができる。
そのため,上記スリット溝の中の加工屑により,放電加工が阻害されて加工速度が低下するおそれがない。それ故,生産効率の高いハニカム構造体成形用金型の製造方法を得ることができる。
【0018】
次に,請求項に記載の発明のように,上記スリット溝の加工は,上記加工用電極の内側の中空部から新しい加工液を供給して,上記加工屑を排出しながら行うこともできる。
即ち,上記中空部から新しい加工液を供給して,上記加工屑を加工部分から外側へ向って押出すように排出する。
この場合にも,上記請求項の発明と同様に生産効率の高いハニカム構造体成形用金型の製造方法を得ることができる。
【0019】
次に,請求項に記載の発明のように,上記加工用電極の側壁の厚みは,上記スリット溝の幅よりも小さいことが好ましい。
これにより,所望の幅を有するスリット溝を形成することができる。
【0020】
次に,請求項に記載の発明のように,上記加工用電極の側壁の厚みは0.2mm未満であることが好ましい。
これにより,例えば0.1mmという壁厚みの薄いハニカム構造体を成形するための金型を製造することができる。また,厚みの下限は,加工用電極製造の限界の点から0.05mmとすることが好ましい。
なお,上記側壁の厚みが0.2mm以上の場合には,ハニカム構造体の早期排ガス浄化機能が低下するおそれがある。
【0021】
次に,請求項に記載の発明のように,上記加工用電極の断面形状は,四角形,又は六角形のいずれかとすることができる。
これにより,四角形等の任意のスリット溝を有し,それぞれの形状のハニカム構造体を成形するための,ハニカム構造体成形用金型を得ることができる。
【0022】
次に,請求項に記載の発明のように,上記加工用電極は,不均一消耗を定期的に整形することが好ましい。
これにより,一層加工精度の高いハニカム構造体成形用金型の製造方法を得ることができる。
【0023】
次に,上記放電加工は,既に形成したスリット溝に加工用電極の側壁の一辺を一致させて放電加工を行う(図7(A)参照)。
これにより,ハニカム構造体成形用金型を容易に製造することができる。
【0024】
次に,請求項に記載の発明のように,上記加工用電極は,上記金型素材に対して,水平方向において異なる角度で上記スリット溝の加工を行うことが好ましい。
これにより,上記加工用電極の局部的な消耗を防ぐことができる。そのため,一層加工精度,生産効率の高いハニカム構造体成形用金型の製造方法を得ることができる。
【0025】
次に,請求項に記載の発明のように,材料を供給するための供給穴と,該供給穴に連通し材料をハニカム形状に成形するためのスリット溝とを有するハニカム構造体成形用金型を製造するための装置であって,
該製造装置は,金属素材に対して放電加工を施すことにより該金型素材に上記スリット溝を形成するための加工用電極と,
該加工用電極を保持し移動させるための電極ホルダーと,
上記金型素材を加工液の中に保持するための加工槽と,
上記加工用電極と上記金型素材に加工電流を供給するための加工電源とよりなり,
かつ上記加工用電極は,上記ハニカムにおける一つの格子と同形状の断面を有するパイプ状の電極であり,
また,上記放電加工は,既に形成したスリット溝に上記加工用電極の側壁の一辺を一致させて行うよう制御されていることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造装置。
【0026】
本製造装置は,上記のごとくパイプ状の加工用電極を有する。
そのため,上記製造装置によれば,上記請求項1の発明の説明で述べた作用効果により,高い加工精度でハニカム構造体成形用金型のスリット溝を加工することができる。また,生産効率も高い。
【0027】
また,上記製造装置は,上記加工用電極を保持し移動させるための電極ホルダーを有するため,金型材料に対して上記加工用電極を移動させながら次々とスリット溝を加工することができる。そのため,ハニカム構造体成形用金型を生産効率良く製造することができる。
【0028】
次に,請求項10に記載の発明のように,上記電極ホルダーと,上記加工用電極を保持する電極ガイドは所定の角度で回転するよう構成してあることが好ましい。
これにより,六角などの異形のパイプ状の加工用電極に対しても六角の任意の辺を任意の溝へ対応させることが可能となる。
【0029】
次に,請求項11に記載の発明のように,上記製造装置は,上記加工用電極の長さを計測する計測器を有し,該計測器の測定値に基づき,上記スリット溝を常に所定深さまで加工するよう上記加工用電極の動きを制御するよう構成してあることが好ましい。
これにより,上記スリット溝を一層高精度で加工することができる。また,上記加工用電極が消耗した場合にも,連続して加工を行うことができるため,一層生産効率を向上することができる。
【0030】
次に,請求項12に記載の発明のように,上記電極ホルダーは,スリット溝の加工中に上記加工用電極を上記金型素材に対して水平方向に揺動させる揺動機構を有することが好ましい。
これにより,上記加工用電極の側壁の厚みを変えることなく,所望の幅を有するスリット溝を容易に加工することができる。即ち,上記揺動機構を用いて,スリット溝の加工中に上記加工用電極を所定幅揺動させることにより,スリット溝の幅を所定量広げることができる。
【0031】
次に,請求項13に記載の発明のように,上記製造装置は,電気的加工により発生する加工屑を上記加工用電極の内側の中空部を通じて吸引する吸引装置を有することが好ましい。
これにより,請求項の発明の説明で述べたごとく,生産効率よくハニカム構造体成形用金型を製造することができる。
【0032】
次に,請求項14に記載の発明のように,上記製造装置は,上記加工用電極の内側の中空部を通じて新しい加工液を供給して,上記加工屑を排出する排出装置を有することが好ましい。
これにより,請求項の発明の説明で述べたごとく,生産効率良くハニカム構造体成形用金型を製造することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかるハニカム構造体成形用金型の製造方法につき,図1〜図7を用いて説明する。
本例の製造方法は,図2に示すごとく,材料を供給するための供給穴81と,該供給穴81に連通し材料をハニカム形状に成形するためのスリット溝82とを有するハニカム構造体成形用金型8を製造する方法である。
【0034】
上記スリット溝82の加工は,図1に示すごとく,金型素材80の溝形成面89を,上記ハニカムにおける一つの格子と同形状の断面を有するパイプ状の加工用電極1を用いて,加工液中において,複数回放電加工をすることにより行う。
【0035】
上記加工用電極1は,銅などの導電性材料からなる。
上記ハニカムにおける一つの格子とは,ハニカムを構成する多数の格子の中の一つの格子をいい,本例では正六角形である(図5)。上記加工用電極1の軸方向に対し垂直な断面形状が,この一つの格子と略同形状となっている(図5)。即ち,上記加工用電極1は,図1に示すごとく正六角形の筒状体である。
なお,上記供給穴81に供給する材料とは,ハニカム構造体成形用金型8を用いて成形するハニカム構造体の材料であり,例えばコージェライト等を主成分とするセラミック材料である。
【0036】
上記スリット溝82の加工は,図4に示すごとく,上記放電加工により発生する加工屑88を上記加工用電極1の内側の中空部12から吸引しながら行う。即ち,上記中空部12に接続された吸引装置28(図3)を用いて,上記加工屑88を加工液3と共に吸引する。
上記加工用電極1の側壁11の厚みDは,図5に示すごとく,上記スリット溝82の幅Eよりも小さく,その厚みは0.2mm未満である。
なお,上記加工用電極1は,不均一消耗を定期的に整形する。
【0037】
上記放電加工は,図7(A)に示すごとく,場合によっては,既に形成したスリット溝82に加工用電極1の側壁11の一辺を一致させて放電加工を行う。
即ち,金型素材80の溝形成面89に,まず図6に示す格子番号1〜15のスリット溝を,格子番号順に所定間隔を空けて放電加工する。次いで,格子番号A〜Iのスリット溝82を順次加工する。このとき,既に加工してある格子番号1〜15のスリット溝82に,上記加工用電極1の側壁11のうちの3辺を一致させて放電加工を行う。また,格子番号A〜Iのスリット溝82の加工の際には,上記加工用電極1を水平方向において順次60度ずつ回転させて行う。
【0038】
例えば,図6における格子番号A(同図の右下方)のスリット溝82の加工を行う際には,既に形成されている格子番号1,2,7のそれぞれの一辺であるスリット溝82に,上記加工用電極1の側壁11のうち側壁113,115,111をそれぞれ一致させて放電加工を行う。
【0039】
このとき,側壁112,114,116によって,新たなスリット溝822,824,826が形成される。なお,上記側壁113,115,111を一致させたスリット溝82は,この放電加工によって溝幅が広がることはない(図7(A))。
次いで,上記加工用電極1を60度右回転させて格子番号Bのスリット溝82の加工を行う。
【0040】
即ち,既に形成されている格子番号2,3,8のそれぞれの一辺であるスリット溝82に,上記加工用電極1の側壁11のうち側壁112,114,116をそれぞれ一致させて放電加工を行う。
このとき,側壁111,113,115によって,新たなスリット溝821,823,825が形成される。
【0041】
次いで,格子番号Cのスリット溝82を加工する際には,上記加工用電極1を更に60度右回転させる。このようにして,格子番号Iまで,順次上記加工用電極1を60度ずつ右回転させながら放電加工を行う。
以上のごとく,スリット溝82を加工することにより,格子番号1〜15,A〜I,更には,これらの間に形成される格子番号a〜gのスリット溝82が形成される。
【0042】
次に,本例のハニカム構造体成形用金型8の製造方法に用いる製造装置2につき図3を用いて説明する。
該製造装置2は,金型素材80に上記スリット溝82を形成するための加工用電極1と,該加工用電極1を保持し上下に移動させると共に水平方向に回転させるための電極ホルダー22と,上記金型素材80を加工液3の中に保持するための加工槽23と,上記加工用電極1と上記金型素材80に加工電流を供給するための加工電源24とよりなる。
【0043】
また,上記加工槽23は,載置台25に載置されている。該載置台25は,例えばX方向に移動可能な基台251と,該基台251に対し上記X方向と直角方向のY方向に移動可能な載置板252とよりなる。
更に,上記加工用電極1は,その下端部付近を絶縁材料からなる電極ガイド26によっても保持されている。該電極ガイド26は保持アーム29に保持されていると共に,上記電極ホルダー22と同期して回転するよう構成されている。
【0044】
即ち,上記電極ホルダー22及び電極ガイド26は,コントローラ27に電気的に接続されている。そして,該コントローラ27が,上記電極ホルダー22の上下方向の移動を制御すると共に,上記電極ホルダー22及び電極ガイド26の回転を制御している。
更に,上記載置台25も上記コントローラ27に電気的に接続されている。そして,該コントローラ27は,上記載置台25の基台251及び載置板252の移動を制御している。
【0045】
上記製造装置2は,上記加工用電極1の長さを計測する計測器を有する(図示略)。該計測器の測定値は上記コントローラ27に送られ,上記スリット溝82を常に所定深さまで加工するよう上記加工用電極1の動きを制御している。
【0046】
また,図8に示すごとく,上記電極ホルダー22は,スリット溝82の加工中に上記加工用電極1を上記金型素材80に対して水平方向(図8の矢印X)に揺動させる揺動機構を有する。
また,上記製造装置2は,図4に示すごとく,放電加工により発生する加工屑88を上記加工用電極1の内側の中空部12を通じて吸引する吸引装置28を有する(図3)。
【0047】
次に,本例の作用効果につき説明する。
上記スリット溝82の加工に用いる加工用電極1は,パイプ状の電極であるため剛性が高い。それ故,スリット溝82の幅を小さくするために,上記加工用電極1の側壁11の厚みを小さくしても充分な剛性を保つことができる。そのため,加工時に上記加工用電極1が変形するおそれがなく,加工精度を向上することができる。
【0048】
また,放電加工によって上記スリット溝82の加工を行うため,高硬度の金型素材80であっても容易に加工できる。更に,上記放電加工の場合には,切り代が小さく,幅の狭いスリット溝82を高い精度で加工することができる。
【0049】
上記スリット溝82の加工は,上記放電加工により発生する加工屑88を上記加工用電極1の内側の中空部12から吸引装置28を用いて吸引しながら行う(図4,図3)。即ち,上記中空部12に接続された吸引装置28を用いて,上記加工屑88を加工液3と共に吸引する。
【0050】
これにより,上記スリット溝82の幅が小さい場合にも,加工屑88を加工部分から効率的に除去することができる。そのため,上記スリット溝82の中の加工屑88により,加工が阻害されて加工速度が低下するおそれがない。それ故,生産効率の高いハニカム構造体成形用金型8の製造方法を得ることができる。
なお,加工している部分において,上記加工用電極1の中空部12から直接加工液3を吸引するため,上記スリット溝82の中の加工液3の循環もよくなり,一層効率的に上記加工屑88を除去することができる。
【0051】
上記加工用電極1の側壁11の厚みDは,図5に示すごとく,上記スリット溝82の幅Eよりも小さいため,所望の幅を有するスリット溝82を形成することができる。上記加工用電極1の側壁11の厚みDは0.2mm未満であるため,例えば0.1mmという壁厚みの薄いハニカム構造体を成形するためのハニカム構造体成形用金型8を製造することができる。
【0052】
また,上記加工用電極1は,不均一消耗を定期的に整形するため,一層加工精度の高いハニカム構造体成形用金型8を製造することができる。
また,上記放電加工は,図6に示すごとく,格子番号A〜Iのスリット溝の形成に当っては,既に形成したスリット溝82に加工用電極1の側壁11の一辺を一致させて放電加工を行う。そのため,ハニカム構造体成形用金型8を容易に製造することができる。
【0053】
また,上記加工用電極1は,上記金型素材80に対して,水平方向において異なる角度で上記スリット溝82の加工を行う。即ち,図6における格子番号A〜Iのスリット溝82の形成は,加工用電極1の角度を60度ずつ変えながら順次放電加工を行う。
【0054】
例えば,格子番号Aのスリット溝82の加工を行う際には,既に形成されている格子番号1,2,7のそれぞれの一辺であるスリット溝82に,上記加工用電極1の側壁11のうち側壁113,115,111を一致させて放電加工を行う。次いで,上記加工用電極1を60度右回転させて格子番号Bのスリット溝82の加工を行う。即ち,既に形成されている格子番号2,3,8のそれぞれの一辺であるスリット溝82に,上記加工用電極1の側壁11のうち側壁112,114,116を一致させて放電加工を行う。
【0055】
このとき,格子番号Aのスリット溝82の加工時には,上記加工用電極1の側壁112,114,116は所定量消耗するが,側壁111,113,115は加工に使用されないため消耗しない。次に,格子番号Bのスリット溝82の加工時には,上記側壁111,113,115は所定量消耗するが,上記側壁112,114,116は加工に使用されないため消耗しない。
このようにして,上記加工用電極1は,全ての側壁11につき均一に消耗していく。従って,上記加工用電極1の局部的な消耗を防ぐことができる。そのため,一層加工精度,生産効率の高いハニカム構造体成形用金型8の製造方法を得ることができる。
【0056】
また,上記製造装置2は,上記加工用電極1の長さを計測する計測器を有し,該計測器の測定値に基づき,上記スリット溝82を常に所定深さまで加工するよう上記加工用電極1の動きを制御するよう構成してある。
これにより,上記スリット溝82の深さを一層高精度で加工することができる。また,上記加工用電極1が消耗した場合にも,連続して加工を行うことができるため,一層生産効率を向上することができる。
【0057】
また,上記電極ホルダー22は,図8に示すごとく,スリット溝82の加工中に上記加工用電極1を上記金型素材80に対して水平方向に揺動させる揺動機構を有する。
これにより,上記加工用電極1の側壁11の厚みを変えることなく,所望の幅を有するスリット溝82を容易に加工することができる。即ち,上記揺動機構を用いて,スリット溝82の加工中に上記加工用電極1を所定幅揺動させることにより,スリット溝82の幅を所定量広げることができる。
【0058】
以上のごとく,本例によれば,加工精度及び生産効率の高いハニカム構造体成形用金型の製造方法を得ることができる。
【0059】
本例においては,図7(A)に示すごとく,放電加工の際に,既に形成したスリット溝82に上記加工用電極1の側壁11の一辺を完全に一致させて放電加工を行ったが,図7(B)に示すごとく,上記スリット溝82に上記側壁11の一辺を隣接させて放電加工を行ってもよい。
【0060】
この場合には,最終的に形成されるスリット溝の溝幅は,上述の場合(図7(A))の2倍となる(図7(B))。
また,この場合には,既に形成したスリット溝に対し2次放電が生じないため,隣接させて放電加工したスリット溝側の精度により全体の加工精度を確保できるという利点がある。
【0061】
実施形態例2
本例は,上記放電加工に代えて,電解加工により上記ハニカム構造体成形用金型のスリット溝の加工を行う例である。
その他は,実施形態例1と同様である。
【0062】
この場合には,上記スリット溝において,一層表面粗さの小さい平滑な加工面を得ることができる。
その他,実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0063】
上記実施形態例1及び実施形態例2においては,上記加工用電極の断面形状は,正六角形としたが,四角形や円形等,他の形状としても,同様の作用効果を得ることができる。
これにより,それぞれの形状のハニカム構造体を成形するためのハニカム構造体成形用金型を,高い加工精度,生産効率で製造することができる。
【0064】
また,実施形態例1で示した製造装置2は,載置台25により金型素材80を水平方向に移動させ,加工用電極1は水平方向の移動をせずに加工を行うものであったが,上記金型素材80を固定して加工用電極1を水平方向に移動させても或いは両者共に移動させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,ハニカム構造体成形用金型の製造方法の説明図。
【図2】実施形態例1における,ハニカム構造体成形用金型の斜視図。
【図3】実施形態例1における,ハニカム構造体成形用金型の製造装置の説明図。
【図4】実施形態例1における,スリット溝の加工屑の吸引を表す説明図。
【図5】実施形態例1における,スリット溝と加工用電極の断面図。
【図6】実施形態例1における,スリット溝の加工順序を説明する説明図。
【図7】(A)実施形態例1における,既に形成されているスリット溝に側壁を一致させるスリット溝の加工方法,及び(B)既に形成されているスリット溝に側壁を隣接させるスリット溝の加工方法を説明する説明図。
【図8】実施形態例1における,加工用電極の揺動を表す説明図。
【図9】従来例における,ハニカム構造体成形用金型の加工用電極の斜視図。
【符号の説明】
1...加工用電極,
11...側壁,
12...中空部,
2...金型製造装置,
22...電極ホルダー,
23...加工槽,
24...加工電源,
3...加工液,
8...ハニカム構造体成形用金型,
80...金型素材,
82...スリット溝,
88...加工屑,
89...溝形成面,

Claims (14)

  1. 材料を供給するための供給穴と,該供給穴に連通し材料をハニカム形状に成形するためのスリット溝とを有するハニカム構造体成形用金型を製造する方法において,
    上記スリット溝の加工は,金型素材の溝形成面を,上記ハニカムにおける一つの格子と同形状の断面を有するパイプ状の加工用電極を用いて,加工液中において,複数回放電加工をすることにより行い,
    また,上記放電加工は,既に形成したスリット溝に上記加工用電極の側壁の一辺を一致させて行うことを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  2. 請求項1において,上記スリット溝の加工は,上記放電加工により発生する加工屑を上記加工用電極の内側の中空部から吸引しながら行うことを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  3. 請求項1において,上記スリット溝の加工は,上記加工用電極の内側の中空部から新しい加工液を供給して,上記加工屑を排出しながら行うことを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において,上記加工用電極の側壁の厚みは,上記スリット溝の幅よりも小さいことを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において,上記加工用電極の側壁の厚みは0.2mm未満であることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において,上記加工用電極の断面形状は,四角形,又は六角形のいずれかであることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において,上記加工用電極は,不均一消耗を定期的に整形することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において,上記加工用電極は,上記金型素材に対して,水平方向において異なる角度で上記スリット溝の加工を行うことを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造方法。
  9. 材料を供給するための供給穴と,該供給穴に連通し材料をハニカム形状に成形するためのスリット溝とを有するハニカム構造体成形用金型を製造するための装置であって,
    該製造装置は,金属素材に対して放電加工を施すことにより該金型素材に上記スリット溝を形成するための加工用電極と,
    該加工用電極を保持し移動させるための電極ホルダーと,
    上記金型素材を加工液の中に保持するための加工槽と,
    上記加工用電極と上記金型素材に加工電流を供給するための加工電源とよりなり,
    かつ上記加工用電極は,上記ハニカムにおける一つの格子と同形状の断面を有するパイプ状の電極であり,
    また,上記放電加工は,既に形成したスリット溝に上記加工用電極の側壁の一辺を一致させて行うよう制御されていることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造装置。
  10. 請求項9において,上記電極ホルダーと,上記加工用電極を保持する電極ガイドは所定の角度で回転するよう構成してあることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造装置。
  11. 請求項9又は10において,上記製造装置は,上記加工用電極の長さを計測する計測器を有し,該計測器の測定値に基づき,上記スリット溝を常に所定深さまで加工するよう上記加工用電極の動きを制御するよう構成してあることを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造装置。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項において,上記電極ホルダーは,スリット溝の加工中に上記加工用電極を上記金型素材に対して水平方向に揺動させる揺動機構を有することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造装置。
  13. 請求項9〜12のいずれか一項において,上記製造装置は,放電加工により発生する加工屑を上記加工用電極の内側の中空部を通じて吸引する吸引装置を有することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造装置。
  14. 請求項9〜12のいずれか一項において,上記製造装置は,上記加工用電極の内側の中空部を通じて新しい加工液を供給して,上記加工屑を排出する排出装置を有することを特徴とするハニカム構造体成形用金型の製造装置。
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