JP4019091B2 - プレス成形用ガラス素材の品質保証方法、ガラス成形品の製造方法、およびガラス塊サンプルの内部品質検査装置 - Google Patents
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また、第二の目的は、上記検査方法を用いて、ガラス塊あるいはガラス成形品の製造過程または連続的な成形を開始する時にガラス塊あるいは成形品に内部欠陥がないか迅速かつ確実に検査し、検査結果に基づいて成形条件を設定して連続成形を開始でき、あるいは、検査結果を製造中に成形条件にフィードバックして良品を安定して量産できるガラス塊あるいはガラス成形品を製造する方法を提供することである。
さらに、第三の目的は、上記方法で得られたガラス成形品より光学素子を製造する方法を提供することである。
[1]光学ガラスからなり、レンズブランクまたはレンズをプレス成形するためのプレス成形用ガラス素材を量産する際に量産品の品質を保証する方法であって、
前記量産品の品質保証は、複数の量産品の中から取り出した検査用サンプルを液体中に浸漬し、液体中に浸漬した検査用サンプルに、前記液体の外部から照明光を照射し、前記サンプルを透過した照明光を前記液体の外部にて観察することにより、前記検査用サンプルの内部品質を検査することによって行われ、
前記照明光は、液体と接触する透明部材を介して液体に入射し、前記サンプルを透過した照明光は、液体と接触する透明部材を介して液体の外部に出射し、かつ、
前記観察は、前記液体中で前記サンプルを転がすあるいは回転させることにより、前記照明光の進行方向に対する前記サンプルの向きを少なくとも1回変えて多方向から行われること
を特徴とする、前記方法。
[2]前記プレス成形用ガラス素材が熔融ガラスを流出して成形されたガラス塊であることを特徴とする[1]に記載の方法。
[3]前記プレス成形用ガラス素材が球状であるか、または1つの回転対称軸を有し、前記回転対称軸を含む断面において輪郭を構成する各点における接線が、前記回転対称軸と交わる前記プレス成形用ガラス素材の両極では回転対称軸に対して垂直であり、両極から離れて行くにつれて、前記接線と回転対称軸のなす内角の角度が単調に減少し、前記プレス成形用ガラス素材の外径を構成する部分においては前記接線が回転対称軸と平行になる形状であることを特徴とする[1]または[2]に記載の方法。
[4]前記プレス成形用ガラス素材が、1つの回転対称軸を有し、回転対称軸に直交する径方向の長さに対する回転対称軸方向の長さの割合が0.7以上であることを特徴とする[1]または[2]に記載の方法。
[5]前記プレス成形用ガラス素材が精密プレス成形用ガラスプリフォームであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の方法により品質保証されたプレス成形用ガラス素材を加熱、軟化してレンズブランクまたはレンズにプレス成形するガラス成形品の製造方法。
[7]内部品質を検査する対象であるガラス塊サンプルを浸漬するための液体を収容するための容器、
前記ガラス塊サンプルに照明光を照射するための照明手段、及び
液体に浸漬されたガラス塊サンプルの、前記照明光の進行方向に対するガラス塊サンプルの向きを変えるための手段を含み、かつ
前記容器は、前記照明光が入射するための入射窓と、該入射窓から入射した照明光を出射するための出射窓とを、容器に収容される液体と接触し得る位置にそれぞれ有し、かつ、
前記照明光の進行方向に対するガラス塊サンプルの向きを少なくとも1回変えて、ガラス塊サンプルを透過した照明光の観察を多方向から行うために用いられることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法に使用される、ガラス塊サンプルの内部品質検査装置。
また、本発明のガラス塊の製造方法、ガラス成形品の製造方法によれば、上記検査方法を用いて、ガラス塊あるいはガラス成形品の製造過程で成形品に内部欠陥がないか迅速かつ確実に検査し、この検査結果に基づき成形条件を設定してガラス塊やガラス成形品の成形を開始したり、検査結果を成形条件にフィードバックすることにより、良品を安定して量産できるガラス塊あるいはガラス成形品を製造することができる。
さらに、本発明の光学素子の製造方法によれば、上記方法で得られたガラス成形品より優れた内部品質を有する光学素子を安定して製造することができる。
加えて、本発明のプレス成形用ガラス素材によれば、容易に内部品質検査ができるとともに、プレス成形素材として好適なプレス成形用ガラス素材を提供することができる。
(好ましい形態1−1)
ガラス塊を浸漬する液体は、ガラス塊と屈折率が近似する[1]に記載の検査方法。
(好ましい形態1−2)
ガラス塊を浸漬する液体の屈折率は、ガラス塊の屈折率に対して±0.07以内である[1]に記載の検査方法。
(好ましい形態1−3)
照明光の入射及び前記ガラス塊を透過した照明光の出射の方向が、垂直方向または水平方向である[1]に記載の検査方法。
(好ましい形態1−4)
ガラス塊を磁石上に載せ状態で液体に浸漬し、外部から磁界を印加してガラス塊を載せた磁石を移動または回転させ、ガラス塊を透過した照明光の観察を行う[1]に記載の検査方法。
(好ましい形態1−5)
照明光として平行光を用い、外部に出射した照明光を結像し、結像した像を観察する[1]に記載の検査方法。
(好ましい形態1−6)
照射光の入射は、液体の上面と接触する位置にある透明部材から行い、かつ照射光の出射は、液体を保持する容器底面に位置する透明部材から行う、[1]に記載の検査方法。
(好ましい形態1−7)
照射光の入射は、液体を保持する容器底面に位置する透明部材から行い、かつ照射光の出射は、液体の上面と接触する位置にある透明部材から行う、[1]に記載の検査方法。
(好ましい形態1−8)
照射光の入射は、液体を保持する容器の側面に位置する透明部材から行い、かつ照射光の出射は、液体を保持する容器の側面に位置し、かつ照射光入射用透明部材と対向する位置にある透明部材から行う、[1]に記載の検査方法。
(好ましい形態1−9)
検査されるガラス塊が、溶融ガラスを流出して成形されたガラス塊である[1]に検査方法。
(好ましい形態1−10)
検査されるガラス塊が、溶融ガラスを流出して成形されたガラス塊をアニール、バレル研磨したバレル研磨後のガラス塊である[1]に検査方法。
(好ましい形態1−11)
検査されるガラス塊が、1つの回転対称軸を有し、回転対称軸に直交する径方向の長さに対する回転対称軸方向の長さの割合が、0.7以上、0.97以下のガラス塊である[1]に記載の検査方法。
(好ましい形態1−12)
検査されるガラス塊が、1つの回転対称軸、前記回転対称軸方向の厚み、前記回転対称軸に直交する外径を有し、前記外径における断面が非対称面になっている(即ち、外径において分断された2つの塊は相互に表面形状が異なる)ガラス塊である[1]に記載の検査方法。
(好ましい形態1−13)
検査されるガラス塊が、溶融ガラスをプレス成形して得られたガラス塊である[1]に記載のガラス塊の検査方法。
好ましい形態1−1〜5、8〜13のうち、任意の形態を組み合わせることもできる。
好ましい形態1−1〜3、5〜7、9〜13のうち、任意の形態を組み合わせることもできる。
(好ましい形態2−1)
流出した溶融ガラスを成形型に受けてガラス塊を成形する[2]〜[4]のいずれかに記載のガラス塊の製造方法。
(好ましい形態2−2)
流出した溶融ガラスを液体に投入してガラス塊を成形する[2]〜[4]のいずれかに記載のガラス塊の製造方法。
(好ましい形態2−3)
溶融ガラスの流出条件は、少なくとも流出パイプの温度及び溶融ガラス作製用の作業槽の温度であり、前記ガラス塊の成形条件は、少なくともガラス塊成形用成形型の温度並びに成形型が噴出する気体を利用した成形型の場合、気体の噴出量及び温度である[2]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
(好ましい形態2−4)
前記検査の結果に基づき、前記流出パイプの温度を決定する[2]〜[4]のいずれかに記載のガラス塊の製造方法。
(好ましい形態2−5)
1つの回転対称軸を有し、回転対称軸に直交する径方向の長さに対する回転対称軸方向の長さの割合が、0.7以上、0.97以下のガラス塊を成形する[2]〜[4]のいずれかに記載のガラス塊の製造方法。
(好ましい形態2−6)
1つの回転対称軸、前記回転対称軸方向の厚み、前記回転対称軸に直交する外径を有し、前記外径における断面が非対称面になっている(即ち、外径において分断された2つの塊は相互に表面形状が異なる)ガラス塊を成形することを特徴とする[2]〜[4]のいずれかに記載のガラス塊の製造方法。
(好ましい形態2−7)
成形したガラス塊をアニールする工程、及びバレル研磨する工程を含む[2]〜[4]のいずれかに記載のガラス塊の製造方法。
(好ましい形態2−8)
ガラス塊が精密プレス成形用のガラスプリフォームである[2]〜[4]のいずれかに記載のガラス塊の製造方法。
好ましい形態2−1〜2−8のうち、任意の形態を組み合わせることもできる。
(好ましい形態3−1)
前記溶融ガラスの流出条件は、少なくとも流出パイプの温度及び溶融ガラス作製用の作業槽の温度であり、前記ガラス成形品のプレス成形条件は、少なくともプレス成形型の温度の経時変化及びプレス圧力の経時変化である[6]〜[8]のいずれかに記載の製造方法。
(好ましい形態3−2)
前記検査結果に基づき、流出パイプの温度を決定することを特徴とする[6]〜[8]のいずれかに記載のガラス成形品の製造方法。
(好ましい形態4−1)
光学素子ブランクをアニールした後に研削、研磨することを特徴とする[9]に記載の光学素子の製造方法。
(好ましい形態4−2)
レンズブランクを成形し、研削、研磨してレンズを作製する[9]に記載の光学素子の製造方法。
(好ましい形態4−3)
レンズブランクを成形し、アニールした後に研削、研磨してレンズを作製する[9]に記載の光学素子の製造方法。
(好ましい形態5−1)
ガラス塊の向きを変えるための手段が、ガラス塊を回転させるためのガラス塊回転手段である[12]に記載の検査装置。
(好ましい形態5−2)
出射窓から出射した照明光を捕捉するためのCCDカメラをさらに含む[12]または[13]に記載の検査装置。
[ガラス塊の検査方法]
本発明のガラス塊の検査方法は、液体中に浸漬したガラス塊に、前記液体の外部から照明光を照射し、前記ガラス塊を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含むガラス塊の内部品質を検査する方法である。
ガラス塊を浸漬するための液体は、ガラス塊と近似した屈折率を持ち、可視域において透明であるものであれば、特に制限はない。ガラス塊と近似した屈折率を持ち、かつ可視域において透明である液体としては、例えば、マッチングオイル(マッチング液)として市販されている液体を用いることができる。マッチングオイルは、可視域における透明性に優れ、ガラス塊に合わせた種々の屈折率を有するものが市販されている。ガラス塊の屈折率とマッチングオイルの屈折率との差は、ガラス塊の内部の所望の範囲を所定方向から観察可能なように設定すれば良いが、観察を良好に行うという観点から、±0.07以内とすることが好ましく、±0.03以内とすることがより好ましく、±0.01以内とすることがさらに好ましい。なお、屈折率としては、可視域内の波長に対する値を用いればよいが、光学ガラスからなるガラス塊を検査する場合、光学ガラスの特性として重要な波長587.56nmにおける屈折率ndを用いることができる。前記液体(マッチング液)の比重は、1〜4の範囲にあるものが好ましく、ガラス塊を構成するガラスの比重よりも小さいことが好ましい。このようにすることにより、液体中でガラス塊が浮上したり、浮遊して、検査効率が低下するのを防ぐことができる。また、ガラスの比重としては、3〜6の範囲であることが好ましい。
ガラス塊の内部品質の検査は、液体の外部から、液体と接触する透明部材を介して液体に入射させた照明光をガラス塊に照射し、かつガラス塊を透過した照明光を、液体と接触する透明部材を介して液体の外部に出射し、観察することで行う。
本発明の検査方法においては、ガラス塊に照射される照明光の入射及び出射が、いずれも液体と接触する透明部材を介して行われるために、例えば、ガラス塊の液体中での位置や姿勢を変更するために液体中に接触する必要があり、その結果、液体表面が乱れてしまう場合であっても、液体表面の乱れが観察の妨げにならないという利点がある。
本発明の検査方法の一実施態様を、本発明のガラス塊の内部品質検査装置である図1に示す装置を用いた場合を例に、以下に説明する。
図1は、ガラス塊の内部品質検査装置の側面から見た概略図である。
この装置は、内部品質を検査する対象であるガラス塊を浸漬するための液体を収容するための容器10、ガラス塊に照明光を照射するための照明手段(図示せず)、及び液体に浸漬されたガラス塊の、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを変えるための手段(図示せず)を含み、かつ容器10は、前記照明光が入射するための入射窓11と、該入射窓から入射した照明光を出射するための出射窓12とを、容器に収容される液体と接触し得る位置にそれぞれ有する。
上記容器10を用いた本発明の検査方法の一態様を説明する。容器10は、図示されていないが、実体顕微鏡の試料台上に水平に置かれ、試料台の下には透過照明光源が配されている。照明光源から出射した照明光(透過光ともいう。)は容器底部13の入射窓11からマッチングオイル20へと入射し、ガラス塊(以下、サンプルという。)30を透過して、再びマッチングオイル20を通り、窓材15を通って検査光として出射する。検査光は顕微鏡(図示せず)の光学系へ入射し、拡大観察され、サンプル中の脈理などの欠陥検査が行われる。
本発明の検査方法は、本発明のガラス塊の内部品質検査装置である図2に示す装置を用いて実施することもできる。
図2に示す装置は、内部品質を検査する対象であるガラス塊を浸漬するための液体を収容するための容器10、ガラス塊に照明光を照射するための照明手段である照明40、及び液体に浸漬されたガラス塊の、前記照明光の進行方向に対するガラス塊の向きを変えるための手段(図示せず)を含み、かつ
容器10は、照明光が入射するための入射窓16と、入射窓16から入射した照明光を出射するための出射窓17とを、容器に収容される液体と接触し得る位置にそれぞれ有する。
照明光の光源40を点光源化するため、光源から出た光はピンホール41を通り抜け、コリメーターレンズ42により平行光にされる。平行光にされた照明光(透過光という)は容器10の前記平板状の側面にある入射窓16に対して垂直に容器10へ入射され、マッチングオイル20、サンプル30、マッチングオイル20、透過光が入射した容器側面に対向する側面にある出射窓17を通って容器10外へと出射する。出射した検査光はコリメーターレンズ51によってCCDカメラ50へと導かれ、サンプル30内部の様子が撮影される。得られた画像から脈理などの内部欠陥の有無が観察される。なお、画像を電気的に処理して欠陥の有無を自動的に判別するようにしてもよい。
次にガラス塊の製造方法について一例を示して説明する。
図3は、本製造方法で使用する装置の平面図、図4は同装置の側面図である。本装置の上方にはガラスの溶解設備104があり、そこで溶解された溶融ガラスは、白金合金製の流出パイプ104aを通って連続的に流下する。流出パイプの温度は、溶融ガラスの粘度(あるいは温度)を調整するために調温器により調温されている。この溶融ガラスからは光学ガラスが得られる。
また、本発明のガラス塊の製造方法の第2の態様(前記[3])では、実際に製造されているガラス塊(ホットサンプル)をサンプリングし、このサンプルガラス塊を液体中に浸漬し、液体中に浸漬したガラス塊に、液体の外部から照明光を照射し、かつガラス塊を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により検査用ガラス塊の内部品質を行う。
このガラス塊の内部品質の検査は、好ましくは上述した本発明の検査方法により行う。本発明の検査方法としては検査方法1及び2のいずれかであっても、他の形態であってもよい。
実際に製造されているガラス塊(ホットサンプル)をサンプリングして内部品質の検査を行う上記第2の態様では、ホットサンプルに脈理が発見された場合は、流出条件及び成形条件のいずれか一方又は両方にフィードバックをかけ、脈理発生源を解消する。
但し、上記点を除けば、球状のガラス塊でも問題なく本発明の方法に適用できる。
検査結果は流出条件及び/又は成形条件にフィードバックされるため、検査はガラス塊の成形と並行して行い、1ロットの成形の初期に検査を行い、成形条件の改善を初期に行うことが好ましい。
上記本発明の製造方法で得られたガラス塊は、そのままプレス成形用ガラス素材とすることができる。即ち、上記本発明の製造方法により製造されたガラス塊を加熱、軟化し、プレス成形して、ガラス成形品を製造することができる(前記[5])。ガラス塊を加熱軟化し、プレス成形する方法は、公知の方法をそのまま利用することができる。
上記プレス成形のための加熱軟化は、アニールを施さず、成形したままのガラス塊(ホットサンプルと呼ぶことがある)に対して行うことも、アニールによって歪みを低減したガラス塊(エンドサンプルと呼ぶことがある)に対して行うこともできる。さらに、アニールによって歪みを低減した後に、さらに表面を研磨し、重量調整を行った後に、上記プレス成形のための加熱軟化を行う(即ち、プレス成形用ガラス素材とする)こともできる。
さらにプレス成形用ガラス素材は、自由表面を有するプレス成形用ガラス素材、光学ガラスからなるプレス成形用ガラス素材、表面研磨が粗面化研磨であるプレス成形用ガラス素材、表面研磨がバレル研磨されたプレス成形用ガラス素材が好ましい。
前記のようにして得られたプレス成形用ガラス素材(ガラス塊を研磨してかられた素材)は、加熱、軟化してレンズブランクやレンズなどにプレス成形することができる。モールドオプティクス成形などの精密プレス成形の場合、プレス成形型の酸化防止などのため、窒素ガスなどの非酸化性雰囲気中でプレス成形を行う。また、レンズブランクのようにプレス成形後、成形品を研削、研磨する場合は、加熱、軟化、プレス成形を大気中で行うことができる。
(1)ガラス塊形成工程の溶融ガラスは30〜2ポアズの粘性とする形態、
(2)ガラス転移点Tgが580℃以上のガラスを用いる形態、
(3)ガラス塊に粗面研磨加工を施し、該ガラス塊表面に粉末状の離型剤を形成してプレス成形を行う形態、
(4)溶融ガラスは、その粘性と降下切断の降下条件とによって重量管理がされている形態、
(5)ガラス塊製造工程は、連続して供給される溶融ガラスを、順次、所定温度に加熱され且つ連続して供給される成形型で受け取り、成形してガラス塊を形成する形態、
(6)溶融ガラスは、成形型上で浮上又は略浮上された状態でガラス塊に成形される形態、
(7)溶融ガラスの切断時間は1.0秒以下である形態とその任意の組合わせの形態がある。
得られたレンズなどの表面には反射防止膜のような光学薄膜を形成することもできる。
これまでの成形方法は、溶融ガラスからガラス塊を成形し、そのガラス塊からプレス成形用素材を作製し、その素材を再度、加熱、軟化してからプレス成形するというものであった。溶融ガラスが軟化状態にある間に、プレス成形型でプレス成形してレンズブランクのような成形品を作製するダイレクトプレス成形と呼ばれる方法もある。
本発明のガラス成形品の製造方法の第1の態様では、ガラス成形品の製造に先立って、内部品質検査用ガラス成形品をプレス成形し、成形したガラス成形品の内部品質を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記溶融ガラスの流出条件及び/又はガラス成形品のプレス成形条件を設定する。
また、本発明のガラス成形品の製造方法の第2の態様では、製造されたガラス成形品をサンプリングし、サンプリングしたガラス成形品の内部品質を検査し、得られた検査結果に基づいて、前記溶融ガラスの流出条件を維持若しくは変更し、及び/又は前記ガラス成形品のプレス成形条件を維持若しくは変更する。
いずれの態様においても、内部品質の検査は、液体中に浸漬したガラス成形品に、前記液体の外部から照明光を照射し、かつ前記ガラス成形品を透過した照明光を前記液体の外部にて観察することを含む方法により行われる。
さらに、前記内部品質の検査は、前記照明光が、液体と接触する透明部材を介して液体に入射し、前記ガラス塊を透過した照明光が、液体と接触する透明部材を介して液体の外部に出射し、かつ前記観察が、前記照明光の進行方向に対するガラス成形品の向きを少なくとも1回変えて行われることが、好ましい。即ち、前記内部品質の検査を、本発明の検査方法で行うことが好ましい。
上記ガラス成形品の製造方法により、光学素子ブランクを成形し、得られたブランクを研削、研磨して光学素子を作製することもできる。
得られた光学素子に対しても上記内部検査を適用できる。得られた光学素子の表面には必要に応じて反射防止膜などの光学薄膜を設けることもできる。
以上のように、各段階においてガラスの内部検査を迅速に実行できるので、光学ガラス製品の内部品質保証だけでなく、内部検査結果を成形条件に速やかにフィードバックして歩留まりを上げることができる。
尚、プレス成形用ガラス素材、プレス成形品の検査では、量産された前記素材や成形品から、適宜、検査用サンプルを取り出して、本発明の方法で検査し、量産品(ロット)全体の品質保証を行うこともできる。そのため、このような検査方法は、前記素材や成形品の製造方法であると考えることもできる。
(実施例1〜3)
SiO2−TiO2系光学ガラスが得られる溶融ガラスを連続流出し、図3、4に示す装置を用いて1つの回転対称軸を有するガラス塊に成形した。成形開始とともにアニール炉へと移送される前のガラス塊を抜き取り、図1に示した装置を用い、ガラス塊をピンセットで転がしながらその内部を観察、脈理の有無を確認した。マッチングオイルには、カーギール(CARGILLE)製標準屈折液を使用し、照明光源には白色ランプを使用した。尚、上記ガラスの比重は3〜6の範囲であり、マッチングオイルの比重は1〜4の範囲である。このとき、ガラスの比重をマッチングオイルの比重より大きくなるように組み合わせた。このようにすることにより、ガラス塊が浮上、浮遊し、検査効率を低下させてしまうのを防ぐことができる。
なお、ガラスの内部品質検査は、品質保証等を目的として、ガラス塊のエンドサンプル、プレス成形用ガラス素材、プレス成形品、最終製品である光学素子の各段階で行うことができる。
実施例1〜3に対応する成形を行い、図2に示す装置を用いてホットサンプルの内部検査を行い、成形条件に実施例1〜3と同様のフィードバックをかけて内部品質の優れたガラス塊を量産した。ガラス塊の内部検査では、マグネットスターラー上にガラス塊を置き、容器外部から磁界を印加して、回転対称軸のまわりにガラス塊を回転して、多方向から脈理の有無を見た。得られたガラス塊を実施例1〜3と同様にプレス成形用ガラス素材に加工し、加熱、軟化、プレス成形してレンズブランクを作り、アニール後、研削、研磨を施してレンズに仕上げた。
また、成形開始時にまず検査用ガラス塊を成形し、その内部品質を上記のように検査してその結果に基づき成形条件を設定して成形を開始してもよく、成形条件の設定は成形条件へのフィードバックを同じ方法を適用することができる。
次に、SiO2−TiO2系光学ガラスが得られる溶融ガラスを連続流出し、ダイレクトプレス成形によりレンズブランクを作製した。成形開始後、ホットサンプルを抜き取り、図1に示す装置を用い、プレス成形品の内部を多方向から観察した。
なお、実施例7においては、下型上のガラスゴブを上方から金型で押圧して、ガラスゴブ上部の熱を奪ってゴブの総熱量を減少させた後、下型と上型でプレス成形を行った。プレス成形前に上方から金型で押圧することを本実施例では仮押しと呼ぶ。
また、成形開始時にまず検査用ガラス成形品を成形し、その内部品質を上記のように検査してその結果に基づき成形条件を設定して成形を開始してもよく、成形条件の設定は成形条件へのフィードバックを同じ方法を適用することができる。
プレス成形品はアニール炉へと移送され、アニールされた後に、研削、研磨加工が施されてレンズに仕上げられる。レンズ表面には必要に応じて反射防止膜などの光学薄膜を設けてもよい。
なお、ガラスの内部品質検査は、品質保証等を目的として、プレス成形品のエンドサンプル、最終製品である光学素子の各段階で行うことができる。
Claims (7)
- 光学ガラスからなり、レンズブランクまたはレンズをプレス成形するためのプレス成形用ガラス素材を量産する際に量産品の品質を保証する方法であって、
前記量産品の品質保証は、複数の量産品の中から取り出した検査用サンプルを液体中に浸漬し、液体中に浸漬した検査用サンプルに、前記液体の外部から照明光を照射し、前記サンプルを透過した照明光を前記液体の外部にて観察することにより、前記検査用サンプルの内部品質を検査することによって行われ、
前記照明光は、液体と接触する透明部材を介して液体に入射し、前記サンプルを透過した照明光は、液体と接触する透明部材を介して液体の外部に出射し、かつ、
前記観察は、前記液体中で前記サンプルを転がすあるいは回転させることにより、前記照明光の進行方向に対する前記サンプルの向きを少なくとも1回変えて多方向から行われること
を特徴とする、前記方法。 - 前記プレス成形用ガラス素材が熔融ガラスを流出して成形されたガラス塊であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記プレス成形用ガラス素材が球状であるか、または1つの回転対称軸を有し、前記回転対称軸を含む断面において輪郭を構成する各点における接線が、前記回転対称軸と交わる前記プレス成形用ガラス素材の両極では回転対称軸に対して垂直であり、両極から離れて行くにつれて、前記接線と回転対称軸のなす内角の角度が単調に減少し、前記プレス成形用ガラス素材の外径を構成する部分においては前記接線が回転対称軸と平行になる形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前記プレス成形用ガラス素材が、1つの回転対称軸を有し、回転対称軸に直交する径方向の長さに対する回転対称軸方向の長さの割合が0.7以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前記プレス成形用ガラス素材が精密プレス成形用ガラスプリフォームであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法により品質保証されたプレス成形用ガラス素材を加熱、軟化してレンズブランクまたはレンズにプレス成形するガラス成形品の製造方法。
- 内部品質を検査する対象であるガラス塊サンプルを浸漬するための液体を収容するための容器、
前記ガラス塊サンプルに照明光を照射するための照明手段、及び
液体に浸漬されたガラス塊サンプルの、前記照明光の進行方向に対するガラス塊サンプルの向きを変えるための手段を含み、かつ
前記容器は、前記照明光が入射するための入射窓と、該入射窓から入射した照明光を出射するための出射窓とを、容器に収容される液体と接触し得る位置にそれぞれ有し、かつ、
前記照明光の進行方向に対するガラス塊サンプルの向きを少なくとも1回変えて、ガラス塊サンプルを透過した照明光の観察を多方向から行うために用いられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法に使用される、ガラス塊サンプルの内部品質検査装置。
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