JP4019046B2 - 繊維集合体の成形方法及び成形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、合成繊維の捲縮短繊維からなるマトリックス繊維中に該捲縮短繊維より低い融点を有するバインダー繊維が分散混入された繊維集合体を通気性金型内へ充填し、充填した繊維集合体を熱成形し、立体形状を有するクッション構造体を得るための繊維集合体の成形方法と成形装置とに関する。
【0002】
【背景技術】
一般に、事務椅子、自動車、航空機等の複雑な形状を有するシート用クッション材として安価なウレタンフォームが多用されてきた。しかしながら、ウレタンフォームは、燃焼時に有毒ガスを発生する。また、リサイクル使用が困難であるといった問題を有する。このため、これに代わる成形素材が切望されてきた。
【0003】
このような問題から、近年、ウレタンフォームを代替するための素材として、合成繊維の繊維集合体から得られる成形品が注目されている。この繊維集合体は、合成繊維の短繊維からなるマトリックス中に該短繊維より低い融点を有するバインダー繊維が分散混入されたものであって、この繊維集合体の成形品が、上記の諸問題を解決することができる素材として注目されている。
【0004】
このようにして得られる成形品は、開繊された前記繊維集合体を空気搬送流に随伴させて金型キャビティ内へ充填し、これを熱成形することで得られる。つまり、繊維集合体のマトリックス繊維中に分散混入されたバインダー繊維によって繊維集合体中の繊維同士をその交絡点において熱融着させて形成されたものである。そして、このような繊維集合体の成形方法として、小片の繊維集合体の塊として空気搬送流と共に成形金型内へ輸送する方法が、例えば特開平5−220278号公報等に提案されている。
【0005】
しかしながら、前記従来の成形方法では、以下に述べるような問題を有する。そこで、この問題について、第16図及び第17図を参照しながら説明する。
【0006】
ここで、前記第16図は概略正断面図であって、繊維集合体を成形するための装置を模式的に例示した説明図である。この第16図において、参照符号1'は下金型、参照符号2'は上金型、参照符号3'はチャンバー、参照符号4'は吸引装置、参照符号5'は吹込ダクト、そして、参照符号F’は繊維集合体をそれぞれ示す。なお、第16a図は、繊維集合体の小塊を空気搬送流によって金型キャビティに吹き込む空気吹き込み式充填方式を例示したものであり、第16b図は金型キャビティへ吹き込んだ繊維集合体を圧縮して、所定の形状に成形するための方法を示したものである。
【0007】
この第16図に示すように、従来の成形装置では、先ず第16a図に示したように、繊維集合体F’を下金型1'へ空気搬送流に随伴させて充填することから始められる。この充填工程では、チャンバー3'内に設けられた吸引装置4'を用いてチャンバー3'の内部を負圧にすることにより下金型2'の底面を吸引した状態にして空気搬送流を図の矢印方向へ発生させ、この空気搬送流によって繊維集合体Fをダクト5'から下金型1'のキャビティ内に吹込み、積層させる。
【0008】
このようにして、繊維集合体F’の吹込み充填が完了すると、第16b図に例示したように、上金型2'を下金型1'の外枠内にセットし、この上金型2'を繊維集合体F’の圧縮方向へ移動させて、吹き込んだ繊維集合体F’を圧縮する。そして、最終的に加熱冷却工程を経て、バインダー繊維とマトリックス繊維をバインダー繊維との交叉点において互いに接着させ、第17図に例示したような成形品C’を得る。
【0009】
しかしながら、この従来法においては、金型形状が複雑になると、次に述べるような問題を生じる。すなわち、成形品C’が複雑な形状であった場合においても、繊維集合体F’を吹き込む下金型1'に対しては、下金型1'が繊維集合体F’の吹込み堆積面を構成するために、繊維集合体F’の堆積状態は下金型1'の複雑な形状に十分に対応できる。したがって、この場合には、得られる成形品の下金型部CB'は、下金型1'の形状に十分正確に追従することができ、正確な形状に賦形することができる。
【0010】
しかしながら、成形品C’が極めて複雑な形状であった場合(即ち、成形品C’の意匠面にヒレをつけたり、溝を形成したりするような深絞り形状、立壁形状、袋形状などを有したりする場合)などの複雑な形状を有する意匠面に対しては、対応が十分にできない。特に、第16b図に示したように、繊維集合体F’を下金型1'へ充填した後、上金型2'で繊維集合体F’を圧縮することによる型締めだけでは、第17図に示したように、上金型2'の絞り部分CA'への繊維集合体F’の充填が充分に行われない。すなわち、ヒレ、溝などの深絞りを要する複雑な形状を上金型2'のキャビティが有する場合、型締めだけではこれらの部分に繊維集合体F’が充分に詰まらない(上金型2'の形状に追従して繊維集合体が移動し、その形状通りに充填されない)といった問題がある。このために、第17図に例示したように、絞り部の先端CA'では成形不良部分が発生する。
【0011】
また、従来の成形方法と装置では、第16b図に示すように、外枠を有する下金型1'内に繊維集合体F’を吹き込んだ後、上金型2'を下金型1'の外枠に沿って挿入しなければならない。このため、上金型2'を下金型1'の外枠内に挿入する際の位置決めやクリアランスについても、厳密な調整が必要となり、型の位置決め精度及び型のクリアランス設定が非常に困難であった。更には、下金型1'への上金型2'の挿入が失敗すれば金型が損傷したり、破損したりするという問題も生じる。
【0012】
更に、前記のようにして成形された成形品C’には、表皮が被せられて使用されるが、このような場合に、前記表皮を成形品C’に固定するための吊ワイヤーが必要になる。また、成形品C’自体を基部に固定するための固定金具を成形品C’に取付けたりする必要が生じる。
【0013】
このような場合には、従来法においては、成形後の成形品C’に穴あけ加工をして、取付ける必要がある。しかしながら、この方法では、穴あけ加工という製造工程が余分にかかるため、コストアップとなる。このような理由から、余分な加工工程を省略できる成形品C’の成形加工方法とその装置が切望されていた。
【0014】
【発明の開示】
本発明は以上に述べた諸問題に鑑みなされたものであって、本発明の目的は、合成繊維の捲縮短繊維からなるマトリックス繊維中に該短繊維より低い融点を有するバインダー繊維が分散混入された繊維集合体を使用し、溶融あるいは軟化させたバインダー繊維を接着材として用いて、金型内に充填した前記繊維集合体を所望の立体形状に成形するための成形方法とそのための装置を提供することである。なお、以下の説明において、前記“繊維集合体”を“綿”とも称することがある。
【0015】
既に、背景技術の欄で述べたように、従来の前記繊維集合体を成形するための金型では、深絞り、立壁、袋、折り返し等の複雑な形状を有する品質に優れた成形品を得ることは困難であった。そこで、本発明者等がその原因を鋭意検討した結果、従来技術が採用していた「金型壁によって囲まれたキャビティを形成した後に、綿を前記キャビティに充填し、型締めを行って熱成形する」という方式を採用することにあることを究明した。
【0016】
そこで、本発明においては、先ず、金型を複数に分割し、分割した分割金型へ前記綿を充填する。このように金型を分割することによって、複雑なキャビティ形状を有する金型であっても、単純なキャビティ形状を有する複数の分割金型へと還元することができる。つまり、金型のキャビティ形状を複雑な形状から単純な形状へと還元することができるのである。そして、このようにしてキャビティへの充填不良もなく充填された各綿は、次いで合体させられ所望の立体形状が形成される。したがって、合体させた綿によって複雑な形状、例えば、深絞り形状、立壁形状、袋壁形状,あるいは折返し壁形状といった複雑な立体形状を有する成形品を容易に得ることができる。
【0017】
さらに、以上に述べた成形品を品質に優れた成形品として得るためには、成形品の硬軟度、反発性能、対へたり性能などの性質に優れていることが必要となる。そこで、本発明においては、綿を合体させる際に、綿の充填密度、金型のキャビティに充填する材料構成、機能性材料の添加などを調整自在とすることが好ましい。
【0018】
まず、綿の充填密度の調整に関しては、本発明のように、予め金型キャビティの所定部位に所定の密度で綿を詰め込み、綿の加熱前、加熱中、そして加熱直後の何れかの工程で前記分割金型内の綿を合体させて型締めを行う。そして、合体させた前記綿に対して、加熱前、加熱途中、加熱後、及び冷却途中の何れかの工程において型締めによって少なくとも1回圧縮することによって具現化できる。このとき、綿の成形後の寸法安定性を確保するためには、型締めによる綿の圧縮は、加熱中、加熱後、冷却途中の何れかの工程で寸法変化を吸収するための圧縮操作を少なくとも1回施すことが好ましい。また、綿を合体するに当たっては、合体面での引き裂き強度などが弱くなるため、この合体面に予め接着材を散布又は塗布したり、合体させる綿の合体部を部分的に補助加熱したりすることによって、合体面の接着強度を向上させることが好ましい。
【0019】
また、成形品の性能を局所的に変えてみたり、異なる性能を有する材料をハイブリッドして複合化された性能を引き出したりするために、本発明では、空気吹込み法を採用した充填手段及び/又はロボットを使用した充填手段などを組み合わせて、これらの機能性材料、異種材料からなる綿、マトリックス繊維とバインダー繊維の混合率を異ならせた材料、単独のバインダー繊維などを分割金型の各キャビティ部位へ積層させたり、併置させたりして、あるいは散布又は塗布したりすることが極めて容易であるという特徴を有する。また、充填した綿を前記分割金型内へ押し込むか、あるいは綿の塊を追加充填することもできるため、決められたキャビティ部位に充填される綿の嵩高密度が所定の密度となるよう密度調整を行うことが極めて容易である。何故ならば、本発明の分割金型では、そのキャビティ形状か単純であり、かつキャビティへ充填物を充填する充填口が広く開放されていおり、複数の搬送手段を同時に受け入れられるからである。
【0020】
また、本発明においては、分割した各分割金型に対して、同時かつ一斉に綿をキャビティに充填することができるため、充填に要する時間は、従来方式と比較すると大幅に短縮される。また、分割によって単純化されたキャビティ形状に対して綿を充填することになるから、キャビティの隅々まで綿が斑なく良好に充填されることとなって、充填不良が生じないという利点を有する。
【0021】
さらには、成形が完了した成形品に各種の付属品や装飾品を取り着けるための部品をキャビティ内にセットする必要がある場合には、従来の方式ではキャビティを形成してから綿を充填する必要があるため、形成したキャビティ内に予め前記部品を組み込んでおく必要がある。しかしながら、このような場合には、キャビティに組み込んだ部品が障害物として作用し、キャビティ内への綿の充填が良好に行えない原因ともなっていた。これに対して、本発明では、金型を分割するために、このような障害物があったとしても、障害物を回避するように金型の分割方法を予め設計すること、もしくは金型に部品のない状態で型詰めを行い、型詰め途中で部品をセットして最型締めすることによって、キャビティ内に綿を充填するのに妨げとならないようにすることができる。
【0022】
しかも、本発明においては、前記付属品や装飾品を取り付けるために、例えば、成形品に穴あけ加工を施したりする場合において、分割金型に穴あけ冶具を予め付設しておけば、分割金型を合体させた段階で既に成形品に必要な穴あけ加工が施されている。このため、従来の方式のように成形後の成形品に対して改めて穴あけ加工を施すという余分な工程を省略することができる。
【0023】
なお、本発明では、分割金型を使用するため、金型のつなぎ目が成形品に転写されるという問題があるが、この点に関しては、例えば、金型を分割するに当たって、意匠面を基準に行うことによって、成形品のつなぎ目がそれほど問題とならないようにすることができる。また、分割金型を合体させる場合に、本発明においては、分割金型に充填された綿が正規の位置から別の位置へと移動してしまうという問題が生じる可能性がある。そこで、このような問題を解消するために、開口部を塞ぐための蓋の役目を果たす補助金型を使用して分割金型の開口部を塞ぎ、これによって分割金型のキャビティを開放空間ではなく、分割金型の移動時に綿を身動きできないようにする閉鎖空間とすることが好ましい。ただし、このような場合には、完全に綿を合体させた後、あるいは綿を合体させる直前に前記補助金型を取り外すことが必要である。なお、この補助金型としては、場合によっては本発明の成形に供する綿と同じ素材を使用した熱成形完了品を用いることもできるし、あるいは綿とは別の熱接着性素材を使用しても良い。
【0024】
また、本発明においては、分割金型の綿を収容するキャビティ面とちょうど裏面となる背面からキャビティ内の空気を吸引する吸引装置をフレキシブルダクトなどを介して接続し、この吸引装置を作動させながら、綿の合体を行うことが好ましい。何故ならば、前記吸引装置によって吸引する空気圧力(風圧)が充填された綿の前面に作用することとなり、この風圧が綿を分割金型壁に押し付ける作用を果たすからである。なお、本発明では、この吸引装置と前記補助金型とは、個別に用いることもできるし、併用することもできることは言うまでもない。
【0025】
本発明の方法と装置では、前記分割金型が合体もしくは展開した状態で一体となって独立に移動自在であることが好ましい。何故ならば、このようにすることによって、綿を分割金型へ充填して合体させた状態をそのまま維持することができるため、例えば熱成形工程において、加熱冷却装置を別途設け、綿を合体させた多数の合体金型を収納し、一度に熱処理を行うことができるからである。したがって、熱成形工程での熱処理時間が長いため、この成形時間を短縮することが律速となっても、大量の成形品を同時に製造することができるため、成形品一個当りの成形時間で見れば、大幅に成形時間を短縮できることとなる。
【0026】
なお、本発明では、熱成形に当たって、加熱風を綿中へ反重力方向に向かって貫流させることが好ましい。何故ならば、綿は加熱されて変形し易くなっている上に、重力方向にむかって加熱風を綿中へ貫流させると、加熱風の風圧と綿の自重とによって、綿を過度に変形させてしまうからである。したがって、このようにして成形品を得たとしても、形が歪な成形品となり、製品価値が低下するからである。また、加熱風の繊維集合体中での貫流方向を反重力方向としながら、金型を上下反転させることによって、加熱風を綿の上下から斑なく加熱することが、成形品の熱処理斑を解消する上で好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の繊維集合体(綿)は、マトリックス繊維とこのマトリックス繊維に分散混入されたバインダー繊維から構成されている。ここで、本発明に使用するマトリックス繊維の素材については、本発明の目的を達成できる限り特に制限する理由はない。しかしながら、マトリックス繊維の具体的な例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ1,4-ジメチルシクロヘキサンテレフタレート、ポリピバラクトン、ポリトリメチレンテレフタレートまたはこれらの共重合エステルからなる短繊維、及至これらの繊維の混合体、または上記のポリマー成分の中の2種類以上からなる複合繊維(コンジュゲート繊維)等を挙げることができる。
【0028】
この時、短繊維形状を有するマトリックス繊維の断面形状は、円形、扁平、異形または中空のいずれであっても良い。さらに、この場合の合成繊維の短繊維に付与する捲縮としては、顕在捲縮であることが好ましい。この顕在捲縮は、クリンパー等による機械的な方法、紡糸時の異方冷却による方法、サイドバイサイド型あるいは偏心シースコア型複合繊維の加熱による方法等で得ることができる。
【0029】
一方、バインダー繊維としては、例えばポリウレタン系エラストマーやポリエステル系エラストマー繊維を好適に使用でき、特にこれらポリマーが繊維表面の一部又は全てに露出した複合繊維を好適に使用することができる。このような複合繊維では、前記マトリックス繊維を構成するポリマーと、ポリウレタン系エラストマーやポリエステル系エラストマーなどのエラストマーとをサイドバイサイド、あるいは偏芯シースコア状に貼り合わせた形のコンジュゲート繊維として提供される。そして、このようにして形成されたバインダー繊維は成形する製品の要求性能に合わせて適当な量が前記のマトリックス繊維中に分散・混入されている。
【0030】
ここで、バインダー繊維として複合繊維(コンジュケート繊維)を用いることの利点は、バインダー繊維をマトリックス繊維との接着材として使用する際に、バインダー繊維を構成する非溶融成分を溶融させずにそのまま繊維形状を残存させ、溶融成分のみを溶融させることができるため、繊維としての形状を保ったままで、そのバインダー成分のみを溶融させて、マトリックス繊維との接合点において、互いに接着できる点にある。このとき、バインダー繊維の溶融成分と非溶融成分との間の融点差を大きくでき、これによって、熱成形を実施する時にその温度上昇を厳密に制御する必要がなく、バインダー繊維の溶融成分のみを迅速に溶融することができるからである。なお、このような利点を利用する必要がない場合には、バインダー繊維を複合繊維とせずに、軟化させて繊維形状を失わせない状態で使用することもできる。ただし、このような場合には、バインダー繊維全体が溶融してしまって繊維形状を失ってしまわないように、熱成形温度を厳密に制御する必要が生じることは言うまでもない。
【0031】
以上に述べたように、バインダー繊維の溶融温度又は軟化温度以上、且つマトリックス繊維の溶融温度より低い温度に繊維集合体を加熱することで、繊維集合体に含まれるバインダー繊維を溶融ないし軟化させ、バインダー繊維と交差する部位で繊維集合体を構成する繊維同士を融着させることができる。なお、繊維同士の融着が完了すると冷却して、融着部を固化することで、前記繊維集合体由来のクッション構造体を任意の立体形状に熱成形することができる。
【0032】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0033】
第1図は本発明の綿詰め方法を実施するための装置を模式的に例示した説明図である。この図において、参照符号1と2は意匠面を基準として上下に分割された表意匠面金型と裏意匠面金型とをそれぞれ表し、これら表意匠面金型1と裏意匠面金型2とはそれぞれ分割金型を構成する。このように以下の説明においては、その説明が錯綜することを回避するために、分割金型として最も簡単な実施形態である表意匠面金型1と裏意匠面金型という2分割金型を使用した場合について説明するが、三つ以上に分割された分割金型についても同様である。ただし、前記表意匠面金型1と前記裏意匠面金型2とは通気性を有することが必要である。なお、この通気性は、金型の壁面に多数の孔を穿設して形成することもできるし、また、金属細線などによって織製又は編製された金網や多孔質の焼結金属などののような素材を使用することによって具現化できる。
【0034】
以上に述べたようにして、表意匠面金型1と裏意匠面金型2とを通気性を有する素材で構成することによって、金型壁を空気が自由に流通できるようにする。本発明では、人手やロボットハンドなどを介して金型1及び2のキャビティ内へ綿Fを充填することもその実施態様として含まれるが、このような場合とは別に、綿Fを搬送空気流に随伴させて表意匠面金型1と裏意匠面金型2のキャビティに充填する場合に、金型キャビティに充填する綿のみを残して、搬送空気流がこのような通気性を有する金型壁から容易に分離できるようにする。
【0035】
また、このようにして通気性金型とすることによって、表意匠面金型1と裏意匠面金型2のキャビティに綿Fを充填して、綿Fを所望の充填密度にまで圧縮した後、綿Fをクッション材へと転換する際に、綿Fを加熱したり、冷却したりするための熱成形時の気流(以下、「成形気流」とも称する)が金型壁を貫通して容易に流通できるようにする。なお、金型キャビティへ充填した綿そのものは、通気性がよいことは言うまでも無く、したがって、金型キャビティに充填した綿の中を自由に成形気流を流通させることができる。これによって、熱成形斑なく、しかも短時間で綿の温度を上昇させることを可能とし、成形時間の短縮を図りながら、品質に優れた成形品を得ることができるという優れた効果を奏する。
【0036】
なお、第1図に例示した実施形態では、分割金型として、表意匠面金型1と裏意匠面金型2とに分割した2分割金型を例示しているが、既に述べたように3分割以上の金型を使用することもできることはいうまでもない。このような場合においては、成形品の意匠面を基準にして複数個の金型に分割し、分割した金型毎に綿が別々に充填される通気性を有する分割金型を使用する必要がある。
【0037】
本発明においては、分割金型のそれぞれのキャビティ、即ち第1図の例では表意匠面金型1と裏意匠面金型2の各キャビティとなるが、これらのキャビティに対して、それぞれ個別に綿FAと綿FBとを充填することを一つの大きな特徴とする。そして、このようにして綿FAと綿FBとがそれぞれ別々に充填された表意匠面金型1と裏意匠面金型2とを合体させて、綿FAと綿FBとが合体した綿の塊Fを形成させることが大きな特徴である。なお、3分割以上された分割金型においては、分割された分割金型群が一体として組み合わせられて型締めされることによって、一つの成形品を得るための合体金型を形成する。
【0038】
これに対して、従来方法とその装置では、第16a図に示したように、所定量の綿F’を下金型1のキャビティに一度に吹き込んだり、人手やロボットなどを使用したりして一度に充填し、最終的に、第16b図に示したように、上金型によって綿F’が所定密度にまで型締めによって圧縮し、その後、熱成形工程でクッション材C’へ転換することによって実施される。
【0039】
しかしながら、本発明は、このような従来技術とは大きく異なっている。つまり、本発明の方法と装置では、第1図に示したように、表意匠面金型1と裏意匠面金型2とに形成された各キャビティにそれぞれ綿FAとFBとを充填するという従来技術と異なる大きな特徴を有する。そこで、この点について、以下に詳細に説明する。
【0040】
本発明では、既に述べたように、表意匠面金型1のキャビティと裏意匠面金型2のキャビティとに綿FAとFBとを別々に充填することから先ず始める。なお、第1図に示した実施形態では、前記表意匠面金型1のキャビティと前記裏意匠面金型2のキャビティへの綿FAとFBの充填は、それぞれ充填ノズル8Aと8B(本発明で言う「充填手段」に相当する)を使用して搬送気流によって行っている。ただし、本発明において好ましく用いることができる他の充填手段としては、綿を一定の形に仮整形しておき、仮整形した綿をロボットによって型詰めするような充填手段、あるいはスライバー状にした綿をニップローラーやフィードローラ、ベルトコンベアなどの定量送り手段を採用して充填する充填手段などを使用することもできる。しかしながら、金型キャビティに綿を自動的に充填し、充填時間を短縮するという点からは、第1図の実施形態のように、充填手段として充填ノズル8Aと8Bとを使用して搬送気流によって行うことが好ましい態様である。
【0041】
このようにして、充填手段である充填ノズル8Aと8Bの吹出し口より、小塊状に開繊した綿FAとFBとを搬送空気流に随伴させて吹出すことによって、前記の表意匠面金型1のキャビティと裏意匠面金型2のキャビティへの綿の充填が行われる。このとき、充填ノズル8A及び8Bの前記吹出し口は、金型1及び2の任意の位置へ移動自在とされていることは言うまでもない。このように充填ノズル8A及び8Bの吹出し口を移動自在とすることによって、金型キャビティの任意の箇所へ移動することができ、キャビティ形状が複雑であっても、キャビティの隅々まで偏り無く綿の充填を行うことができる。このとき、充填ノズル8A及び8Bの吹出し口に加熱風を吹出すための加熱風吹出手段を付設しておくのも好ましい態様である。何故ならば、この加熱風吹出手段から吹出される加熱風によって、金型キャビティに充填された綿を軟化させたり、弾性を失わせたりすることによって、綿のキャビティへの充填密度を変えることができるからである。また、分割綿を合併させる場合のように、分割綿の接合面を部分的に加熱して、分割綿が合体し易くしたりすることもできる。
【0042】
なお、充填ノズル8A及び8Bには、その移動の自由度が保証されるように、フレキシブルな搬送ダクト9A及び9Bがそれぞれ接続されている。このように、充填ノズル8Aと8Bとは、フレキシブルな搬送ダクト9Aと9Bとにそれぞれ接続されているので、金型キャビティの任意の位置へ自由に移動することができる。ここで、このような、充填ノズル8Aと8Bの移動の自由度を保証する搬送ダクト9A及び9Bの例を挙げるならば、その構造としては蛇腹構造を有するダクト、テレスコープ型の前後方向へ伸縮自在のダクトなどを挙げることができ、柔軟な素材としては機密性がある織編物、プラスチックフィルムなどの柔軟な膜材料などで製作された可撓性を有するダクトを挙げることができる。
【0043】
したがって、搬送ダクト9A及び9Bの中を前記の搬送気流によってそれぞれ空気輸送されてきた小塊の綿は、これらの充填ノズル8A及び8Bから搬送空気流と共に、充填したい金型の決められた位置へ吹出される。そして、これによって、前記表意匠面金型1のキャビティと前記裏意匠面金型2のキャビティに綿FAとFBとをそれぞれ堆積させることで金型キャビティへの綿の充填が行われる。
【0044】
このような金型キャビティへの綿の充填において、綿が堆積して行く充填面の背面から吸引装置6Aと6Bとにより空気吸引をかけた状態で、綿FAとFBとを金型キャビティへ吹き込むことが好ましい。何故ならば、このようにすることによって、金型キャビティ内に吹き込まれた搬送空気流を速やかに排出することができるからである。また、このようにすることによって、表意匠面金型1及び裏意匠面金型2内に小塊状の綿を良好に堆積または積層させることができる。
【0045】
このとき、金型キャビティへの綿の充填が均一に行われるようにするために、充填ノズル8A及び8Bを移動手段によって移動させ、充填する位置を変えながら充填を行う。したがって、充填ノズル8A及び8Bは、例えば、3軸以上の自由度を有するロボットアーム10A及び10Bからなる移動手段によって保持され、これによって、前記の金型キャビティ上を移動自在とされている。
【0046】
その際、前記ロボットアーム10A及び10Bからなる移動手段は、コンピュータやシーケンサーなどで構成される制御手段11A及び11Bにそれぞれ内蔵されたプログラムに従って制御される。つまり、前記の内蔵されたプログラムには、各状況に応じて予め決められた動作手順が収められ、この動作手順に従って、前記移動手段を所定の位置に所定の時間だけ滞在させるように、制御手段11A及び11Bによって様々な制御をする。
【0047】
このとき、制御手段11A及び11Bには、金型1及び2の意匠面形状と前記充填ノズル8A及び8Bの移動手段10A及び10Bの移動経路と必要に応じて各部位での滞留時間とがプログラムされている。したがって、例えば、制御手段11A及び11Bによって、金型1及び2内での綿FA及びFBの充填高さをビデオカメラなどから得られた充填状態(分割金型のキャビティ内へ充填した綿の体積高さなど)を取り込んだ画像情報、分割金型の各キャビティ部位の吸引差圧情報などに基づいて、綿FA及びFBの充填をフィードバック制御することができるようにすることもできる。このとき、前記金型各部位の吸引差圧情報は、吸引装置6A及び6Bによって吸引される金型1及び2の各キャビティ部背面における吸引圧力の変化を圧力検出プローブによって測定することによって得られることは言うまでもない。
【0048】
なお、第1図の実施例では、充填ノズルの吹出し口8Aと8Bが、表意匠面金型1と裏意匠面金型2とに対応させて、それぞれ一個ずつ設けられている態様が記載されているが、必要に応じて2個以上設置することもできる。その際、複雑な金型キャビティ形状に応じて、充填斑が生じやすい場所などには専用の充填ノズル(図示せず)を設けるようにして、綿を充填するようにしてもよい。更には、金型キャビティの形状に対応させるだけでなく、吹き込む綿を変更することにも対応できるようにすることもできる。即ち、金型キャビティへの綿の吹き込みにおいて、吹き込む綿の種類を容易に変更できるように、異種の綿、異混率の綿、熱接着材料、そして、バインダー繊維などを吹き込むために必要な個数だけ充填ノズルを複数設置することも可能である。
【0049】
この様にすれば、搬送する材料に対応した専用の充填ノズルとこの充填ノズル専用の搬送ダクトとを使用することが可能となり、異種綿、異混率の綿、熱接着材料、そして、バインダー繊維などが交じり合うことがないようにすることができる。なお、前記材料の僅かな混入が許容できる場合には、前記搬送ダクト9A及び9Bの上流側に、前記の各材料を個別に供給するための分岐ダクト(図示せず)を設け、この分岐ダクトから前記の各材料を必要に応じて切替えながら充填ノズル8A及び/又は8Bへ供給するような実施形態をとることもできる。
【0050】
このようにすることによって、決められた場所に複数種の綿を充填できるようになり、得られる成形品の品質や特性を局所的に最適化することができる。例えば、従来は金型キャビティへ吹き込んだ綿の圧縮度合いを変更することだけで、成形品の局所的な剛柔度、反発性、通気度などの性質を変更していたものが、綿の種類を変えることによっても剛柔度、反発性、通気度などの変更でき、極めて柔軟な対応が可能となる。また、霧状及び/又は粉末状の機能性材料を吹出すための機能性材料の吹出手段を前記充填手段と併設して、綿の充填中に接着剤、吸湿剤、芳香剤、抗菌剤などの機能性材料を綿中に散布又は塗布しておくことも好ましい態様である。
【0051】
なお、金型キャビティの各部分へ充填する綿量の調節は、充填ノズルの滞留時間、搬送気流の圧力及び流量、搬送気流に随伴させる綿量などを各部分において調整することによって行ってもよい。また、充填中の綿の堆積または積層状況を監視して、その状況をフィードバック制御するようにすることもできる。その際、綿を金型キャビティへ供給するための供給装置の構成としては、既に述べた搬送ダクト9A及び9Bが長くなると、搬送中に発生する静電気、乱流などによって空気搬送中に小塊状の綿が互いに絡み合って供給量にばらつきが生じる恐れが生じる。したがって、第2図に示すように、このような場合などでは、綿の搬送手段として搬送空気流ではなく、スライバー状にした綿FSを定量送りする定量送り手段12として一対のニップロールを使用して、充填ノズルの近くに設けられた開繊機13へ供給し、該開繊装置13から綿を充填ノズル8Aへ定量供給する方式を採用してもよい。このとき、開繊装置13としては、第2図に例示したように、回転するシリンダー上に繊維塊をバラバラにする開繊針を植説したものを好適に使用することができる。なお、このとき定量送り手段12を単独で使用して定量送り手段12から直接金型キャビティへ綿を供給することも、あるいは定量送り手段12を用いる方法と空気搬送を用いる方法とを併用することもできる。
【0052】
ただし、この場合、スライバーを予め準備しておくような態様では、スライバー材料を置いておくためのスペースが必要となる。このため、そのような実施態様においては、カード機を装置に直結して取付けて、これによってスライバーを供給することが望ましい。更には、空気輸送中に発生する静電気によって、綿が搬送ダクト9A及び9Bに吸着したりして、綿の搬送に障害がでるのを防止する必要もある。このために、綿の空気吹込み装置の周りに静電気の発生を防止するための湿度調整手段、あるいは除電装置を用いることが好ましい。
【0053】
以上に述べたようにして、展開状態にある表意匠面金型1と裏意匠面金型2のキャビティに対して、それぞれ個別に綿FAとFBとを充填が完了すると、金型キャビティに別々に充填された分割綿FAとFBとを互いに重ね合わせて合体させ、一つの大きな綿の塊(合体綿)を形成する。そして、このようにして一つに併せた大きな綿の塊を熱成形して成形品を得る。以下、この工程について、詳細に説明する。
【0054】
先ず、金型キャビティに別々に充填された綿FAとFBとを充填面で互いに併せて、一つの大きな綿の塊とするために、本発明では、前述の第1図に例示したように、表意匠面金型1と裏意匠金型2とは、綿の充填時において展開状態に置き、各金型キャビティへの綿の充填完了後に充填面で綿を互いに合体できるような折り重ね可能な金型構造を採用している。このとき、裏意匠金型2には型締案内部材の役割を果たす外枠3が図示したように一体に形成されており、この外枠3の内周面を裏意匠金型2の外周面が摺動することによって型締めされ、この型締めの際に綿が所定の密度にまで圧縮される。更に、展開状態にある表意匠面金型1と裏意匠金型2及び外枠3とは、折り重ねることによって、第2図に示したように互いの充填面で綿FAとFBを併合して接合できる構造を有する。このようにすることによって、その後の熱成形工程において、綿FAとFBとは併せて、一体となった成形品として成形することを可能とする。
【0055】
なお、第1図では、展開状態にある表意匠面金型1と裏意匠金型2及び外枠3との折り重ねは、金型の折り返し手段として蝶番7を介することによって折り重ね自在な構造を具現化している。この場合、折り返し手段である蝶番7を介することで、展開状態にある表意匠面金型1と裏意匠金型2及び外枠3とを正確に位置決めしながら、折り重ねて合体させることができる。また、金型の折り重ねに際しては、吸引装置6Aと6Bとを作動させ、この吸引装置6Aと6Bとで綿FAとFBとがそれぞれ表意匠面金型1と裏意匠金型2に吸着するような状態を現出しておくことが好ましい。何故ならば、このようにすることによって、金型1及び/又は金型2を移動(第1図の例では、金型2のみ移動)する際に綿を空気流によって保持させることができ、金型に堆積または積層されて充填された綿の形状を崩すことなく綿を重ね合わせることができるからである。
【0056】
また、場合によっては、第3図に示すように、通気性を有する補助金型42を使用することで通気性を残しながら表意匠面金型1と裏意匠金型2の綿を投入する開口面を閉塞すること、つまり、開口面に補助金型42という蓋を設けることによって、裏意匠金型2を反転した場合に、充填した綿FBが落下したり、別の位置へ移動したりするのを防止することは好ましい態様である。ただし、このような場合には、完全に綿を合体させた後、あるいは綿を合体させる直前に前記補助金型42を取り外すことが必要である。なお、この補助金型42としては、場合によっては本発明の成形に供する綿と同じ素材を使用した熱成形完了品を用いることもできるし、あるいは、綿とは別の熱接着性有する素材を使用しても良い。このようにしておくことによって、補助金型42自体が成形品と同一の素材として成形品の一部に組み込まれてしまうために、前述のような場合と異なって、補助金型42をいちいち取り外す手間を回避することができる。
【0057】
次に、前述のように必要に応じて補助金型42などを使用し、第4図に示すように吸引装置6Aと6Bによる吸引をかけた状態のままで、表意匠面金型1、外枠3、及び裏意匠面金型2で構成される合体した金型キャビティを構成し、各金型キャビティ内に充填した綿を密閉して合体させる。なお、このようにして分割綿を合体させる際には、合体前に図示省略した補助加熱手段を設けて、合体させる分割綿の合体部を部分的に補助加熱することによって合体部における分割綿同士の接合性を向上させおくことは好ましい態様であり、必要であれば、接着材あるいは接着剤を合体面に散布又は塗布しておくことも好ましい態様である。更には、このような接着材あるいは接着剤に限定されず、紫外線吸収剤、吸湿剤、芳香剤などを繊維集合体中に散布又は塗布しておくことも好ましい態様である。また、その際特に、この補助加熱を反転させる裏意匠面金型2に対して行い、充填したFBの表面部の綿のみを融着させることによって、裏意匠面金型2が反転する際の綿の移動を防止する前記補助金型の役割を果たさせることもできる。
【0058】
このようにして、合体綿Fを形成させると、吸引装置6Aと6Bの作動を停止させて、空気の吸引を止め、金型キャビティに充填した綿を圧縮して所定の密度とする。このときの圧縮による綿の密度調整に関して第5図を参照しながら詳細に説明する。なお、第5a図は、分割綿FAとFBとが金型キャビティへ吹き込まれた状態のままで、その吹き込み面で互いに重ねあわされて合体させられた状態を図示したものであって、第5b図は、分割綿FAとFBとを合体させた合体綿Fを裏意匠金型2によって圧縮した状態を示している。第5図(なお、第1図〜第4図も参照のこと)に示したように、裏意匠金型2と型締案内部材でもある外枠3は一体に形成されており、しかも、型締案内部材である外枠3の内周面に対して裏意匠金型2の外周面が綿の圧縮方向へ摺動自在に構成されている。したがって、一体化した金型キャビティに充填された合体綿F(第5a図の状態)を所定の充填密度にまで移動自在の裏意匠金型2によって圧縮(第5b図の状態)すれば、合体綿Fの密度調整を容易に行うことができる。このように、合体させた綿Fを裏意匠金型2によって圧縮することによって、合体綿Fの充填密度を調整自在とし、綿Fが熱成形されて、例えば、クッション材のような成形品とされた時の剛柔度、反発性、通気度などの特性を調整自在としている。
【0059】
なお、このような合体綿Fの圧縮に関しては、加熱前、加熱途中、又は加熱直後に綿を合体させた後、合体させた綿の加熱前、加熱途中、加熱後、及び冷却途中の何れかの工程において綿を更に少なくとも1回型締めすることが、成形時に引き起こされる綿の熱収縮によって成形品形状を安定化する上で効果がある。しかも、多段に圧縮することで熱成形時における成形品の収縮などによる寸法変化を吸収して、成形品の寸法安定性を向上させている。
【0060】
このような点から、型締め時の裏意匠金型2の位置決め制御は極めて重要であって、第5a図に示した合体綿Fを充填して合体した上端位置と、第5b図に示した型締めによる合体綿Fの圧縮完了時の下降位置とで、裏意匠金型2を正確に位置決めする必要がある。したがって、型締案内部材を兼ねる前記外枠3には、ここではその詳細説明を省略するが、裏意匠面金型2が所定の位置まで下降した場合に、これを停止させる位置決め停止させる手段を設けてあり、この手段によって裏意匠面金型2の下降位置を正確な位置に維持するための位置決めを行うための機構(図示せず)を備えていることが肝要である。このとき、このような位置決めは、3段以上の多段に実施できるようにしておいても良い。なお、念のために、このような位置決め機構として、一例を挙げるならば、裏意匠面金型2の上昇端と下降端とにストッパーを設けて裏意匠面金型2の移動を確実に停止させると共に、このストッパーに対してバネなどの付勢された力によって押し当てる位置決め機構などを挙げることができる。また、その他の公知の方法と手段としては、油圧あるいは空気圧などで作動する市販の位置決め機構を有する流体圧作動シリンダーなどを使用することができる。
【0061】
このとき、表意匠面金型1、裏意匠面金型2、及び外枠3は、第1図に示したチャンバー4と5とに対して、それぞれ着脱自在にしておくことも好ましい態様である。このようにしておけば、第1図に例示した装置を綿の吹き込みなどの綿充填工程においてのみ使用する専用装置とすることができるからである。つまり、これにより、先ず綿の充填が完了して合体させられた綿Fを内部に有する金型1及び2と外枠3とを綿の充填装置から型締めした状態あるいは展開状態のままで取り外して、別に設けられた熱処理装置(図示せず)へ移動することができる。そして、更にこの熱処理装置で金型1及び2と外枠3と共に、綿の充填装置とは別の場所で成形品に熱成形を行うことが可能となる。
【0062】
このようにすることの利点としては、熱処理時間を長く要するような成形においては、綿がそのキャビティ内に充填された金型を多数用意しておき、これらの金型群を一度に熱処理装置内で熱処理できるようにしておくことができことにある。そして、この様にすることで、成形品の熱処理効率を上げることができ、大量生産とコストダウンを図ることができる。なお、この熱処理においては、加熱前、加熱途中、加熱後、及び冷却途中の何れか、又はその組合せによって、裏意匠面金型2により綿Fを圧締して、成形品Cの熱収縮を吸収して成形品の形状安定性を向上させることができるのは言うまでもない。そして、これによって寸法安定性が向上すると共に、金型形状の賦形を成形品へ正確に行うことができる。
【0063】
ところで、熱処理装置内に金型を投入する際に、第3図のように表意匠面金型と裏意匠面金型を合体せずに、綿FAとFBとを展開したままの展開状態で投入し(なお、この際、図のように表意匠面金型と裏意匠面金型の開口部に通気性を有する補助金型42をセットして型詰めした綿FAとFBを押えて移動しないようにしても良い)、加熱中及び/又は加熱後に表意匠面金型1と裏意匠面金型2を合体させてもよい。なお、金型1と2の合体後は前述と同様の成形工程を行う。ただし、このような成形を行うと、熱処理装置の設備構成が複雑となるという欠点はある。しかしながら、このような不利にもかかわらず、特に大きな厚みを有するクッションや通気性が低い材料を使用する場合には加熱時間を大幅に短縮できるという極めて大きな利点がある。
【0064】
このようにして、最終的に第6図に例示したように、綿Fが熱処理され、その際に、綿を構成するマトリックス繊維中に分散混入されたバインダー繊維が溶融又は軟化され、バインダー繊維との交差部において熱接着される。そして、これに引き続く冷却によって、バインダー繊維は固化され、繊維同士が互いに融着し合った繊維構造体からなる成形品Cが成形される。なお、第6図に例示したように、このようにして成形される本発明の成形品Cでは、第17図に例示したような従来の方法で発現していた成形不良部分CA’は発生しない。このため、本発明の上記方法は、複雑な形状を有する成形品を得るために極めて優れた効果がある。
【0065】
次に、以上に述べた本発明の方法と装置について、その他の様々な実施形態について、以下に説明する。
【0066】
先ず、本発明においては、金型の各キャビティ部位における綿の充填密度を制御するために、充填ノズルの各部位に滞在する時間を基準に、金型への綿の充填制御を行うことが好ましい実施形態である。ただし、このような実施形態のほかに、第7図に示したように、それぞれ部分的にキャビティ内の綿の充填密度を異ならせるための密度制御を行うための実施形態もある。先ず、第7a図の実施形態から説明すると、この実施形態では、金型の各部位の通気度を局所的に異ならせ、金型の通気度を上げた部分101Aと、通気度を下げた部分102Aとを形成した例を示す。この場合は、通気度を上げた部分101Aの空気をそれ以外の部分102Aより強く吸引することによって、この部分101Aの綿の充填を局所的に多くするための実施態様である。このような金型の各キャビティ部位の通気度を局所的に異ならせるためには、例えば通気性を持たせるために金型に穿孔する細孔の孔径を異ならせたり、孔の数を異ならせたりすることで実施できる。また、金網など使用する場合にはその織組織などを変えることによっても実施できる。
【0067】
また、第7b図は、金型の通気度とは別に、第7a図に示したチャンバー4をチャンバー4A、4B、及び4Cに3分割し、綿の充填密度を上げたい部分101Bとその他の部分102Bとにそれぞれ対応させて、部分的に補助吸引装置6A、6B、及び6Cを設けた実施形態である。この実施態様によれば、充填密度を上げたい部分101Bを他の部分102Bよりも金型の背面から強く吸引することができ、これによって、この部分101Bの綿の充填密度を上げることが可能となる。なお、勿論この実施態様において、金型の通気度を変える方法も併用できることは言うまでもない。
【0068】
このとき、金型の各部位における吸引圧力の変化を検出し、この吸引圧力の変化を基に充填ノズルの前記滞在時間を修正するようなフィードバック制御も好ましい態様である。なお、このように部分的に金型の背面に補助吸引装置6A、6B、及び6Cを複数台設ける実施形態の他に、補助吸引装置を一台でまかなうこともできる。例えば、チャンバーを各チャンバー4A、4B、及び4Cに分割して、これらの各チャンバー4A、4B、及び4Cに対して公知のダンパーなどの流量調節手段を設け、これによって、補助吸引装置が吸引する流量を各チャンバー4A、4B、及び4Cで調整自在とすることもできる。
【0069】
以上に述べたように、金型キャビティの各部での通気度や空気吸引力をそれぞれ最適に調整することによって、金型キャビティの各部の綿詰め密度に見合った吸引力を持たせることが可能となる。そして、これによって金型に充填する綿の量あるいは充填密度を部分的に調整することができる。
【0070】
次に、第8図の実施形態について説明すると、これらの図は、異種の綿、異混率の綿、熱接着材料等の補助材料などを多層に積層するための方法とその装置を例示した実施形態である。この実施形態では、先ず、第8a図に示すように、最初に金型キャビティに充填する第1層の綿Faを詰める工程と、第8b図に示すように、この工程に引き続いて第2層目の綿Fbを詰め工程からなる。なお、この綿Fa及びFbの充填工程は、吸引装置6によって金型1の背面から吸引を行いながら行うことが好ましい。ただし、第8図では、表意匠面金型1への吹き込み充填に係る実施形態のみを例示しているが、裏意匠面金型2への綿の充填工程についても同様な方法と装置によって行うことができるので、説明の簡略化のために、ここでは省略している。
【0071】
8a図に例示した第1層の綿Faを詰める工程では、空気吹き込み法を採用する場合において、前記第1図に示したのと同様の方法と装置を使用して、制御装置11Aによって制御されるロボットアーム10Aによって保持される充填ノズル8Aから表意匠面金型1へダクト9Aから供給された綿Faを充填する。このとき、表意匠面金型1に堆積される綿Faの堆積高さは、制御装置11Aによって制御されるロボットアーム10Aに保持された充填ノズル8Aの移動速度あるいは充填ノズル8Aから吹出される搬送空気量や綿量などによって決められることは言うまでもない。このようにして、第1層の綿Faの表意匠面金型1への綿Faの充填が完了すると、第8b図に例示したように、第2層目の綿Fbの充填を行う。この第2層目の綿Fbを詰める工程では、制御装置11Cによって制御されるロボットアーム10Cによって保持される充填ノズル8Cから表意匠面金型1へダクト9Cから供給された綿Fbを充填する。
【0072】
この第2層の綿充填工程の場合には、第8b図に例示したように、別のロボットアーム10Cを使用することもできるが、第1層の綿充填工程で使用したロボットアーム10Aを引き続いて使用することもできる。ただし、この場合、ロボットアーム10Aは、充填ノズル8Aから充填ノズル8Cへと充填ノズルを持ち替えて、持ち替えた充填ノズル8Cによって、ダクト9Cから供給される綿Fbを空気移送して、金型キャビティへの綿Fbの充填が行われる。
【0073】
以上のようにして金型キャビティへの綿の充填が完了すると、既に述べたように、表意匠面金型1と裏意匠面金型2を合体させて型締めを行い、熱処理工程に供する。なお、このとき金型1と2とを合体させずに開放したままで熱処理工程に供する場合もあることは既に述べた通りである。
【0074】
以上は2層(異種層、異混率層)の綿FaとFbとを金型に充填した後に熱成形して成形品を得る場合についての実施形態であるが、3層以上の多層積層を行う場合も同様にして行うことができる。そこで、このような実施形態について、第9図を参照しながら以下に詳細に説明する。
【0075】
第9図は、前述のような方法と装置によって3層以上に多層積層して充填した綿を熱処理して得た成形品の断面図である。ここで、第9a図は硬いバネ受け材層Fbを裏意匠面側に積層したもの、第9b図は成形品の中層部にクッション性の異なる異種材料Fcを積層して成形品のクッション性やコストを改善したもの、第9c図は表層に耐炎材料や表皮材料等の材料Fdを積層したもの、第9d図は熱融着が困難である層間に熱接着材料Feを積層した成形品をそれぞれ例示したものである。なお、本発明においては、前記第9図の各実施形態に例示された多層の積層形態に限定する必要はなく、例えば、綿の塊を金型内部に中綿として部分的に堆積配置する積層形態以外の形態を採ることも容易に行えることは言うまでもない。
【0076】
その際、成形品としてクッション材を成形しようとする場合には、その中間層部分には、例えばマトリックス繊維としてその単繊維繊度が10〜200dtexである太い単繊維を使用して高反撥層を形成しても良い。また、クッション性改善のために、単繊維繊度が2〜10dtex程度の細い繊維層を形成しても良い。その他、本発明で使用する綿材料によって成形された成形品を細かく切断又は小塊状にしたり、起毛した材料を原料の綿に適量混合させたりして成形品を製作してもよい。このようにすることの利点としては、成形品のコストをより安価にしたり、成形品を容易にリサイクル使用したりすることができることなどを挙げることができる。また、熱融着のしにくい層間を接着させるための手段、若しくはある層に硬い層を設けるための手段に用いる熱融着繊維の材質としては、既に述べたバインダー繊維あるいはポリエチレンテレフタレート(PET)からなるスパンボンドなどを好ましく用いることができる。
【0077】
次に、第10a図〜第10d図は、成形品内に成形品を固定したり、成形品の該表面を覆うカバーを固定したりするための成形品に付属する各種部品を、綿の充填時に成形品に組み込む製作工程を例示した図である。なお、前述の各種部品をここで例示するならば、針金、金属棒、プラスチック材料、金属金網、合成繊維織物又は編物からなるネット状物、不織布塊、不織布シート、及び/又は織編物など、そして、これらを設置するための支持部材などを挙げることができる。
【0078】
この第10図において、第10a図は前記各種部品を特定位置にセットするための支持部材16を設けた金型の断面図、第10b図は綿詰めの前半工程、第10c図は部品17をセットする工程、第10d図は綿詰めの後半工程をそれぞれ示す。このとき、部品17のセットは、人が行ってもよいが、ロボットアーム10Fなどの自動機械により実施するのが工程の自動化という点で好ましい。なお、このロボットアーム10Fは、必要に応じて、既に別の実施態様によって述べたロボットアーム10A〜10Eを流用して使用することもできることは言うまでもない。その際、部品17のセット工程は、その形状や組み込み位置に対応して、綿Fの型詰め前、型詰め途中、型詰め後のいずれかのタイミングで行われることは言うまでもない。また、部品17は、必要に応じて、金型1に設置した支持部材16の上もしくは積層した綿Fの上のどちらにセットしてもよい。なお、本発明においては、分割綿をそれぞれ充填した分割金型を展開状態で熱処理する場合には、分割金型は展開状態、すなわち開かれた状態にあるため、加熱成形の途中及び/又は加熱後に前記各種部品をセットすることも好ましい太陽である。
【0079】
本発明の方法と装置を使用すると、以上に述べたようにして、各種部品16や17を成形品の内部に、綿Fの充填工程あるいは場合によっては加熱工程において良好に組み込むことができる。つまり、本発明においては、充填ノズル8Aを使用して、金型キャビティの狙った部位へ狙った量の綿Fを充填できるために、前記のような支持部材16や各種部品17が金型キャビティに設けられていても、これら障害物に綿が引っ掛かるような問題もなく充填することができる。また、分割金型を展開状態で熱処理する場合には、加熱成形の途中及び/又は加熱後に前記各種部品をセットすることもできる。
【0080】
更には、前述のように支持部材16や各種部品17の金型キャビティ内への設置は、ロボットアーム10A〜Eによって行うことができる。しかも、これら部材の設置は、綿Fの型詰め前、型詰め途中、型詰め後のいずれかのタイミングにおいても実施することを可能としている。このため、支持部材16や各種部品17が障害とならないように綿Fの充填の進行に合わせて、適宜障害物を一時除去したり、綿Fの充填を一時停止したりして、これら部材16及び17を設置するということもできる。
【0081】
ここで、以上に述べた実施形態を詳細かつ具体的に説明すると、先ず、第10a図に示すように、綿の充填に障害とならない支持部材16を金型1内にロボットアーム10Aなどによって載置する。そして、第10b図に示すように、支持部材16の周りへ綿Fを充填する。このとき、後述する押し込み手段(第10図には図示せず)を使用して、綿Fを圧縮充填しても良い。次いで、第10c図に示すように、針金、金属棒、プラスチック材料、金属金網、合成繊維織物又は編物からなるネット状物、不織布塊、不織布シート、及び/又は織編物などの部品17を前記支持部材16上に設置する。なお、付言すると、この工程において、綿Fを吹き込む前の第10a図に示した段階で、金型1内に部品17を設置してしまうと、部品17が障害となって、綿詰めが充分に行えないことは言うまでもない。そして最終的に、第10d図に示すように、必要な量の綿Fを充填することによって、綿Fを充填斑なく金型1内へ充填することができる。
【0082】
これに対して、従来の充填方式、特に、従来の空気吹き込み式充填方式では、金型キャビティにこのような各種部材16及び17を綿Fの充填前に組み込むと、吹き込む綿Fがこれらの部材16及び17に引っ掛かったり、金型キャビティ内に設けた部材16及び17などの背後に綿が充填されにくい箇所が生じたりするなどの問題を生じていたことは言うまでもない。そこで、この問題を解消するために、従来の方式では綿を金型キャビティに吹き込み充填し、熱処理をして成形品を得た後、各種部品16及び17などを組み込むための穴あけ加工などを行っていた。したがって、従来方式では、このような余分な工程が必須となっていたが、本発明においては、このような工程を省略することができるか、あるいは大幅に簡略化することができる。
【0083】
次に、第11図に例示した実施形態について説明するが、この実施形態では、金型の深絞り部分への綿の充填性を良化させ、かつ充填された綿が金型壁面でずれることを防止するための手段を示したものである。つまり、第11a図の実施形態においては、金型壁の水平面に近い形状を有する部分に針18を設置した実施形態例、第11b図は金型キャビティの水平面に近い部分の金型壁の表面粗さを粗く設定した実施形態例をそれぞれ示している。ただし、それ以外の垂直面に近い部分では、金型壁の表面は滑らかに形成してある。このようにすることによって、垂直面に近い部分の金型壁面の表面摩擦係数を下げることができ、この垂直面に近い部分の充填面において綿を滑り易くし、綿を深絞り部分に挿入しやすくすることができる。また、水平に近い部分の金型壁面の表面摩擦係数を高く設定したり、針を設置したりすることで、綿が金型の充填面で滑り難くし、一度セットされた綿が既に述べた吸引装置4などによる吸引力や綿の充填ノズルから搬送風による吹出しの際の風力等で横ずれることがないようにしている。
【0084】
また、第12図は、前述の第11図による方法とその装置によっても解決できないような非常に深い深絞り部分に対しても良好に綿詰めできる綿詰め工程を例示したものである。ここで、第12a図において、綿の吹込み途中でロボットアーム10Fなどに固定された押し込み手段であるロッド30により、綿Fを押えて圧縮することによって充填密度を上げたり、あるいは第12b図に示すように、補助充填手段として前記ロッド30の先端に追加綿をセットして深い絞り部分に対して綿の供給を行いながら押えたりすることで、綿Fを高密度で深い絞り部分へ充填する。なお、第12a図のロッド30には、必要に応じて綿押込み時に補助的に圧空を吹付けるための圧空吹付手段(図示せず)を付設しておいてもよい。また、前述の追加充填に関しては、綿Fだけに限定する必要はなく、必要に応じて綿以外の任意の材料を充填することができることは言うまでもない。
【0085】
その際、深絞り部分以外への綿の充填については、第12c図に示すように、第1図に述べた本発明の方法と装置によって通常どおり充填することができる。そして、このような充填方式を採用することで、綿Fの充填に空気吹き込み法を採用した場合であっても、空気吹き込み法だけでは限界があった深絞り部分への高密度な綿の充填(図のFf部)を具現化することができる。このように、前記補助充填手段を必要に応じて使用することにより、従来法では非常に困難であり、更には前述の本発明による吸引力の強化及び金型表面の仕上げによっても容易に解決できない非常に深い深絞り部分への高密度な綿の充填あるいは積層が可能となる。
【0086】
さらには、成形品に対して、穴あけ加工のように開口部を形成することが求められた場合には、第13図に例示したような金型を用いた実施形態を採用することによって、穴あき部が形成された成形品の成形が可能となり、成形後の穴あけ工程が不要若しくは極めて容易となる。そこで、このような場合の実施形態について、以下に第13図を参照しながら詳細に説明する。
【0087】
13a図は、成形品に穴開き部を形成するための金型1及び2に対して、既に綿Fを充填した状態を例示している。なお、このような綿Fの金型1及び2への充填は既に述べたような本発明の方法と装置によって、容易に行えることは言うまでもないので、この充填工程についての説明は省略する。
【0088】
ここで、第13a図の金型1及び2について更に詳細に説明すると、一方の表意匠面金型1には穴あけ用の雌冶具31が付設されており、他方の裏意匠面金型2には穴あけ用の前記雌冶具31の内周面に嵌合する雄冶具32が付設されている。このとき、前記雄冶具32と前記雌冶具31とは、金型1と2を折り重ねた際に、前記雄冶具32が前記雌冶具31に挿入されるように位置決めされて設けられている。したがって、第13a図の状態から第13b図に例示した状態のように、展開状態にある金型1と2とを折り重ねて合体させた状態(つまり、分割金型1と2を位置決めして一体に組み込んだ型締め状態)において、金型2を型締案内部材を兼ねる外枠3の内周面に沿って下方に摺動させれば、雄冶具32は雌冶具31内に嵌合しながら挿入される。ついで、第13c図に例示したように、金型2を下降端まで移動させると、雄冶具32の内部には綿Fが存在しない状態が具現化される。このような状態において、綿Fを熱処理すれば、得られた成形品には穴あけ加工が施されたと同様の開口が形成されることは言うまでもない。そして、第13c図に示した状態で熱成形することで、第13d図に示したような開口(孔)を有する成形品を熱成形すると同時に形成することを可能とする。
【0089】
このような実施形態に対して、成形品に穴あけ加工を施すためのもう一つの実施形態を例示したのが、第13e図〜第13h図である。これらの図において、参照符号32と34は、第13a図〜第13c図に例示したものとは別の穴あけ冶具である。このとき、雌冶具32及び雄冶具34には補助加熱効果を得るためにヒーター等の加熱手段(図示せず)を設けても良い。ここで、このような冶具32及び34を使用した穴あけ加工は以下のようにして行われる。
【0090】
先ず、第13e図に例示したように、綿Fを金型1及び2へ充填する。そして、第13f図に例示したように、金型1及び2を折り重ねる。つまり、分割金型1と2を位置決めして一体に組み込んだ型締め状態に置く。このとき、雌冶具32及び雄冶具34に付設された加熱手段によって、雌冶具32又は雄冶具34とが進入する部位にある綿を溶融することによって穴あけ加工を良好に行うようにすることは好ましい態様である。なお、この場合、雌冶具32及び雄冶具34に加熱手段の役割を付与し、この加熱手段でもある雌冶具32及び雄冶具34に直接通電することによって加熱するようにしてもよい。次いで、この折り重ね状態において、型締案内部材を兼ねる外枠3の内周面に対して金型2を摺動させて下降させる。その際、第13g図に例示したように、冶具32と34の先端同士は下降端で互いに先端が正確に接触可能ないし僅かな間隔を置いて接触可能なように位置決めされている。つまり、金型1及び2の折り重ね状態において、対向するように設けられた二つの冶具32と34とは突き合わされる状態で、冶具32と34との各中心線は互いに一致するように位置決めされている。
【0091】
以上のような状態で、綿Fが熱処理されると、第13h図に例示したような成形品を得ることができる。ただし、この成形品においては、図示したように冶具32と34の合せ面に薄い高密度のバリFhbが発生する。しかしながら、この薄い高密度のバリFhbは、熱成形後に行うトリミング工程において、成形品から簡単に取り除くことができる。あるいは、そのまま成形品に残しておいても、部品を開口部へ挿入する段階で容易に除去することができる。更には、雌冶具32及び雄冶具34に付設されたヒーター等の加熱手段によって溶融させて除去するようにしてもよい。
【0092】
以上のようにして、本発明によれば、成形時に穴あけ加工が同時にできるため、従来のように、成形後の製品に穴あけ工具を使用して穴あけ加工を施すという必要がなくなる。このため、製造工程を短縮することができ、更には、成形品の製造コストを低減できるという利点を有する。
【0093】
また、本発明の方法と装置によれば、これまでは表意匠面及び裏意匠面ともに複雑な形状の成形が非常に困難であった表皮一体成形をも可能とする。そこで、この実施形態について、第14図を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0094】
先ず、この実施形態においては、第14a図に示すように、人又は自動機械などを使用して、表皮35及び36をそれぞれ金型1及び2の内周面にセットする。そして、表皮を35及び36をそれぞれセットした金型1及び2に対して、既に述べたような本発明の方法と装置によって、綿Fを充填した後に、第14b図に例示したように、金型1及び2を折り重ねる。この様にして、折り重ねた状態で表皮35及び36と綿Fとを熱処理に供することで、第14c図に例示したように、表皮35及び36と綿Fとを一体に成形することができる。なお、このとき生じる、薄くて高密度のバリ部37は、硬くて薄いバリであるため容易に折り曲げて除去することができるため、既に述べた第13h図の薄くて高密度のバリFhbと同様に、簡単に折れるために人手によって簡単に除去できることは言うまでもない。
【0095】
したがって、本発明の方法と装置とを使用することで、綿の吹込み充填方式を採用した場合であっても、従来法では困難であった表皮35及び36と綿Fの一体成形が簡易かつ仕上がり形状も美しく成形可能となる。このような場合には、成形品表面全体にわたって表皮に覆われた成形品の製作可能となるが、表皮35及び36の裏当て材として熱融着繊維を採用しておくと、綿Fとの熱接着性が更に良くなり好ましい。
【0096】
その際、前記の表皮としては、例えば、針金、金属棒、プラスチック材料、金属金網、ネット状繊維織物、不織布ブロック及び不織布シート、Wラッセルやニットや織物等のシート状物等が挙げられる。また、前記裏当て材のその他の材料としては、例えば、低捲縮のマトリックス繊維からなる短繊維に既に述べたようなバインダー繊維を混ぜたもの、パルプ状のプラスチック片、コーデラン寒冷紗、PP不織布、タフネル等に上記記載のバインダー繊維を混ぜたものなど挙げることができる。前記表意匠面金型と前記裏意匠面金型とからなる、型締め後の一体金型あるいは型締め前の展開状態の金型に対して加熱風及び/又は冷却風を貫流させて加熱及び/又は冷却するに当たって、前記加熱風及び/又は冷却風の貫流方向を少なくとも1回反転させて繊維集合体を加熱成形する
【0097】
以上のようにして、綿を金型へ型詰めした後に熱成形するに際して、加熱風及び/又は冷却風を合体金型の場合には金型の表意匠面側と裏意匠面側とから少なくとも各1回加熱風及び/又は冷却風を貫流し、また、展開状態の金型の場合には、綿の充填側と反充填側から少なくとも各1回加熱風及び/又は冷却風を貫流して、金型キャビティに充填された綿を均一に加熱及び/又は冷却することが、加熱斑を無くして、良好な成形品を得る上で好ましい。
【0098】
このとき、更に好ましくは、加熱風及び/又は冷却風を通気性金型へ貫流させる方向は下から上(重力とは逆の方向、すなわち反重力方向)とし、次いで、金型の上下方向を変えることによって、加熱風を金型の表意匠面側および裏意匠面側からそれぞれ少なくとも1回加熱風及び/又は冷却風を貫流して加熱及び/又は冷却を行うことで成形品を均一に加熱し、加熱時の変形を最小限に防ぐことが好ましい。なお、展開状態にある金型の場合も同様であるが、この場合には綿を充填するための開口部に前述の補助金型を使用してこの開口部を閉塞した後で行われることは言うまでもない。
【0099】
以上のようにすることの理由は、金型へ貫流させる加熱風及び/又は冷却風の流れ方向を上から下(重力方向)へとした場合には、加熱風及び/又は冷却風による風圧の影響で、成形品の仕上がり形状が変化してしまうからである。これに対して、反重力方向へ加熱風及び/又は冷却風を通すようにすれば、加熱風及び/又は冷却風の風圧と成形品の重量とが相殺され、成形品の仕上がり形状を良好に保つことができる。
【0100】
また、型詰め後における加熱の際に、前述のように加熱風方向を下から上(重力方向とは逆の方向)とし、成形品で見てヒレ状の突起のような深絞り突起を有する場合、突起面を下面にした状態で、金型内に加熱風を貫流させることが好ましい。何故ならば、このようにすることによって、特に加熱の困難なヒレ状突起部分に最初に加熱風を接触させることができるからである。そして、これによって、ヒレ状突起部分の昇温性を向上させ、成形品の加熱時の変形を最小限に防ぐことができる。
【0101】
また、本発明の方法と装置によれば、これまでは成形が非常に困難であった自動車シートの特に背もたれ部分に見られるような高い立壁部分,あるいは袋形状の成形も可能とする。そこで、この実施形態について、第15図を参照しながら、以下に詳細に説明する。
【0102】
先ず、この実施形態においては、第15a図〜第15b図に示すように、人又は自動機械などを使用して、綿Fを金型37の内周面にセットする。なお、金型37の外周上に設置された金型壁38と39は蝶番等で折り曲げ可能な構造とされている。このため、金型壁を折り曲げることにより、その上部に積層した綿を折り曲げることが可能である。また、金型38と39を折り曲げて立壁形状や袋形状を形成するタイミングとしては、綿の充填途中あるいは綿の充填完了直後であっても良いし、加熱時間の短縮や賦形性向上のために金型を展開したままで加熱を行い、加熱途中又は加熱終了後のいずれにかのタイミングで行っても良いが、好ましくは、加熱時間短縮,加熱条件を簡易にするために展開したままで加熱すると良い。その際、さらには、展開形状のまま加熱を行う際は、通気性を有する補助金型である蓋を綿上にセットすることで綿が動かないようにしても良い。また、展開した金型を折り曲げる際は、キャビティの背面から空気を吸引して、吸引した空気の風圧によって綿を押さえつけるようにすることで、綿の形状が崩れないようにその形状を確保しておくことも好ましい態様である。
【0103】
その後、更に金型を折り曲げて第15c図の状態を経て第15d図の状態にした後、加熱及び/又は冷却を実施し、第15e1図の立壁形状,袋形状を有する成形品を得る。ここで、本発明のようにして、展開した金型を折り曲げて金型キャビティを形成すると同時に綿も充填するような方式を採用すると、従来の空気吹き込み法による綿の充填では困難であった立壁形状,袋形状などの複雑なキャビティ形状を有する場合にも良好な綿の充填を可能とする。しかも、第15e1図に例示したように、綿の積層面が成形品の該表面に沿って形成されるため、第15e2図に例示した従来の成形品のように綿の積層面が成形品の外表面に現れず、成形品の表面仕上げが滑らかで美しい状態を現出させることができる。さらには、第15e2図に示した成形品では、図の丸で囲んだ箇所において、その積層面が外表面に向かって走っているため、この部分の引き裂き強度が著しく低下して、引き裂き方向に力が作用すると、積層面で簡単に引き裂かれてしまうという問題がある。これに対して、本発明の成形品では、積層面が成形品の外表面に沿って走っているため、このような問題は生じない。
【0104】
また、第15f図のように、分割金型38と39の折り曲げの際、展開した分割金型38と39を合体位置へ移動させて合体金型とする際に、展開した分割金型38と39に充填された分割綿がキャビティから移動しないように分割金型38と39の上面と側面とにそれぞれ補助金型壁40と41とを設け、分割金型38と39が移動するときに綿が金型キャビティからはみ出さないように、綿をキャビティ内に保持するようにしても良い。更に、このとき、補助金型壁40と41が、展開状態から合体状態へと移行する分割金型38と39を合体位置まで案内する合体案内手段を兼ねることがより好ましい。なお、第15f図中に2点鎖線で記載のものは分割金型38と39が合体位置まで移動して合体し、最終の金型形状を採る位置にセットしたものである。
【0105】
なお、前記補助金型壁40と41に関して、補助金型壁40は折り曲げ可能の分割金型38と39が合体方向へ曲線を描きながら摺動する摺動面を形成し、補助金型壁41は分割金型38と39の側端が摺動する摺動面を形成し、これらは分割金型38と39の合体案内手段の役割をも果たす。このとき、補助金型壁40と41は、分割金型37、38あるいは39に固定であっても良いし、着脱自在であっても良い。ただし、円周方向の摺動面を形成する補助金型壁40については、分割金型37、38あるいは39へ綿を型詰めする時には邪魔となるため着脱自在とし、取り外した状態で型詰めを行い、その後、分割金型38と39を折り曲げる前に金型にセットすることが好ましい。また、分割金型38と39を折曲げ部分にヒーターを配置して、金型に充填した綿に対して、加熱補助を行うことによって、分割金型38と39を折り曲げる際に、綿も分割金型38と39の折り曲げ部で容易に折れ曲がることができるようにしておくことは、分割金型38と39へ綿を充填する際に、充填する綿に事前に折れ曲がりが容易な切れ目などを形成しておくことと相俟って、好ましい態様である。
【0106】
【産業上の利用可能性】
以上に述べたように本発明によれば、綿の空気吹込み充填法を採用しながらも、複雑な深絞り等の形状を有する金型キャビティであっても、綿を金型の形状に沿って良好に型詰めすることができる。更に、成形品内に各種部品を組み込む一体成形や穴あけ加工までも容易に実施可能な成形方法及び装置を提供できる。しかも、異種綿、異混率綿、及び熱接着材料などを多層に吹き込んだり、積層したりすることによって、成形品のクッション性能を向上に有用である。また、厚物の成形品や通気度の低い材料を使用した場合においても短時間の熱処理が可能であり、更に、立壁形状、袋形状、あるいは折り返し形状などの複雑な形状を有する成形品も容易に成形可能である。その上、成形品の各部位の嵩密度も所望の値に容易に制御可能となり、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の綿詰め方法を実施するための装置を模式的に説明するために例示した説明図である。
第2図は、スライバー状形態で供給された綿を開繊した後、空気吹き込み方法によって、金型キャビティに充填する様子を模式的に説明するために例示した説明図(側断面図)である。
第3図は、開口を補助金型で閉塞させて成形品を熱成形工程で製造するための分割金型を模式的に説明するために例示した説明図である。
第4図は、本発明の綿の成形装置において、型詰め後の分割金型を併わせた状態を模式的に説明するために例示した側断面図である。
第5(a)図は綿を分割金型キャビティへ充填後の圧縮前の状態、そして第5(b)図は分割金型内部で綿を圧縮後の状態をそれぞれ模式的に説明するために例示した説明図(側断面図)である。
第6図は、第5図の型締め金型を使用して綿を熱成形して得た成形品を模式的に説明するために例示した説明図(側断面図)である。
第7(a)図は金型の各部位の通気度を局所的に異ならせた実施形態を、そして、第7(b)図は金型に型詰めする綿の充填密度を金型の背面から局所的に吸引して制御するための実施形態をそれぞれ模式的に説明するために例示した説明図(側断面図)である。
第8図は、異種材料を多層に分割金型内へ積層充填する様子を模式的に説明するために例示した説明図(側断面図)である。
第9図は、第8図に例示した方法によって異種材料が多層に積層された成形品の各種実施形態を模式的に説明するために例示した説明図(側断面図)である。
第10図は、成形品の内部に各種部品、付属品、支持部材などを成形時に組み込む様子を模式的に説明するために例示した説明図(側断面図)である。
第11図は、分割金型の深絞り部分への綿の吹込み性を良化させ、かつ吹き込まれた綿が金型壁面でずれを起こすことを防止するための各種実施形態を模式的に説明するために例示した説明図(側断面図)である。
第12図は、分割金型の深絞り部分へ綿詰めする様子を模式的に説明するために例示した説明図(側断面図)である。
第13図は、熱成形後に成形品に穴開け加工することなく、成形過程で穴開け加工を行なう方法を模式的に例示した説明図(側断面図)である。
第14図は、表皮と綿とを一体成形する方法を模式的に説明するために例示した説明図(側断面図)である。
第15図は、袋形状,立壁形状を有する成形品を成形するための装置を模式的に例示した説明図(側断面図)であって、第15(a)図は綿詰め前の展開状態にある金型の状態、第15(b)図は綿詰め直後の状態、第15(c)図は展開金型の型締め途中の状態、第15(d)図は型締め完了後の状態、第15(e)図は本成形方法による成形品及び積層方向、第15(f)図は従来成形法による成形品及び積層方向、そして、第15(g)図は分割金型を一体化する際の案内手段をそれぞれ模式的に説明するために例示した説明図である。
第16図は、従来の綿詰め方法とその装置を模式的に例示した側断面図である。
第17図、従来の綿の型詰め方法とその装置によって熱成形された成形品を模式的に例示した説明図(側断面図)である。

Claims (52)

  1. 通気性を有する金型を複数個に分割して分割した金型を展開状態に置き、
    合成繊維の捲縮短繊維からなるマトリックス繊維中に該短繊維より低い融点を有するバインダー繊維が分散混入された繊維集合体を展開状態にある前記分割された金型キャビティにそれぞれに充填し、
    展開状態にある分割金型を合体させて、分割充填された各繊維集合体を合体させ、そして、
    合体させた前記繊維集合体を加熱してバインダー繊維を溶融又は軟化させマトリックス繊維とその交差点において融着させた後、冷却してバインダー繊維を固化させて成形品を得る繊維集合体の成形方法。
  2. 加熱前、加熱途中、又は加熱直後に分割された前記繊維集合体を合体させ、合体させた前記繊維集合体の加熱前、加熱途中、加熱後、及び冷却途中の何れかの工程において繊維集合体を更に少なくとも1回型締めする請求項1に記載の繊維集合体の成形方法。
  3. 分割された前記繊維集合体を合体させる際に、繊維集合体の合体部を部分的に補助加熱する請求項1に記載の繊維集合体の成形装置。
  4. 通気性を残しながら前記分割金型の開口面を閉塞した後に加熱を開始し、加熱中又は加熱後に展開状態にある前記分割金型を合体させる請求項1に記載の繊維集合体の成形方法。
  5. 前記分割金型への繊維集合体の型詰め途中、型詰め後、型詰めした繊維集合体の加熱途中、あるいは加熱後の何れかの工程において前記各分割金型にそれぞれ充填されて分割状態にある繊維集合体を合体させ、
    合体させた繊維集合体によって深絞り形状、立壁形状、袋壁形状,あるいは折返し壁形状を形成させる請求項1に記載の繊維集合体の成形方法。
  6. 前記分割金型への繊維集合体の充填に際して、前記分割金型の背面からキャビティ内の空気を吸引する請求項1に記載の繊維集合体の成形方法。
  7. 型詰め途中で前記分割金型からの空気吸引量を少なくとも一度変更する請求項6に記載の繊維集合体の成形方法。
  8. 前記分割金型が成形品の意匠面を基準にして分割されている請求項1に記載の繊維集合体の成形方法。
  9. 前記分割金型が表意匠面金型と裏意匠面金型とから構成され、これらの表意匠面金型と裏意匠面金型とは折り重ね又は折り曲げ自在であって、これら金型の折り重ね及び/又は折り曲げ時に各金型に充填された各繊維集合体を合体させて一体とする請求項8に記載の繊維集合体の成形方法。
  10. 展開状態にある前記表意匠面金型と前記裏意匠面金型の背面から吸引を行いながら前記表意匠面金型と前記裏意匠面金型を合体する請求項9に記載の繊維集合体の成形方法。
  11. 小塊状に開繊した前記繊維集合体を空気流によって随伴搬送して各分割金型の所望のキャビティ部へ充填する請求項1に記載の繊維集合体の成形方法。
  12. 前記分割金型の各キャビティ部位に対応して、各分割金型壁面の通気度及び/又は各分割金型背面からの空気吸引量を変え、各分割金型の各キャビティ部位に応じた量の繊維集合体を積層状又は塊状に充填する請求項11に記載の繊維集合体の成形方法。
  13. 前記繊維集合体とは異なる種類の繊維集合体からなる材料、マトリックス繊維とバインダー繊維の混合率を異ならせた材料、熱接着材料、及びバインダー繊維からなる材料から選ばれる少なくとも一つの材料を各分割金型中の予め決められたキャビティ部位へ充填する請求項1に記載の繊維集合体の成形方法。
  14. 繊維集合体の各分割金型への吹き込み充填に際して充填前、充填途中、及び充填後の何れかの一以上の熱成形前の段階、ないしは展開した状態の分割金型に充填された繊維集合体を加熱途中又は加熱後に成形品に付属させる各種部品を前記分割金型内に組み込む請求項1に記載の繊維集合体の成形方法。
  15. 前記各種部品が針金、金属棒、プラスチック材料、金属金網、合成繊維織物又は編物からなるネット状物、不織布塊、不織布シート、又は織編物のうちの少なくとも一つの材料と、これらを設置するための支持部材とからなる請求項14に記載の繊維集合体の成形方法。
  16. 繊維集合体を分割金型へ充填中に、充填した繊維集合体を前記分割金型内へ押し込むか、あるいは繊維集合体の塊を追加充填することによって、決められたキャビティ部位に充填される繊維集合体の充填密度が所定の密度となるよう充填密度の調整を行う請求項1に記載の繊維集合体の成形方法。
  17. 充填した前記繊維集合体を前記分割金型内へ押し込む際に、圧縮空気又は加熱風を吹付けて、決められた前記分割金型の各キャビティ部位に充填される繊維集合体の充填密度が所定の密度となるよう充填密度の調整を行う請求項16に記載の繊維集合体の成形方法。
  18. 前記繊維集合体の前記分割金型への充填前に前記表意匠面金型と前記裏意匠面金型とを金型に密着させた表皮材で覆って繊維集合体の型詰めを行い、
    前記表意匠面金型と前記裏意匠面金型とを一つに合体させて熱成形を行い、
    前記表意匠面金型及び前記裏意匠面金型にセットした表皮材同士を型締め面にて接着する請求項9に記載の繊維集合体の成形方法。
  19. 前記分割金型に付設された穴あけ冶具によって、前記分割金型を合体させた時に前記キャビティに充填された繊維集合体に穴あけ加工を施す請求項1に記載の繊維集合体の成形方法。
  20. 前記一体金型の型締め状態において、前記成形品への穴あけ用の雄冶具と雌冶具とを正確に位置決めした状態に維持しながら前記雄冶具を前記雌冶具内に嵌合して挿入することにより、繊維集合体を熱成形した成形品に熱成形と同時に穴あけ加工を施すか、又は
    前記雄冶具と前記雌冶具とを互いに対向して設けて、前記一体金型の型締め前に前記二つの冶具の各中心線が互いに一致するように位置決めし、前記一体金型の型締め後に、前記二つの穴あけ冶具の先端が突き合わされた状態で熱成形し、熱成形と同時に前記成形品に穴あけ加工を施す請求項19に記載の繊維集合体の成形方法。
  21. 前記穴あけ冶具自体を加熱するか、または前記冶具に加熱手段を付設して、穴あけ加工を行う際に穴あけ部位にある繊維集合体を溶融させる請求項19に記載の繊維集合体の成形方法。
  22. 型締め状態にある前記分割金型が合体した状態で一体となって独立に移動自在である請求項1に記載の繊維集合体の成形方法。
  23. 請求項22に記載の移動自在の一体金型を、熱処理装置に移して熱成形に供する繊維集合体の成形方法。
  24. 前記表意匠面金型と前記裏意匠面金型とからなる、型締め後の一体金型あるいは型締め前の展開状態の金型に対して加熱風又は冷却風を貫流させて加熱又は冷却するに当たって、前記加熱風又は冷却風の貫流方向を少なくとも1回反転させて繊維集合体を加熱成形する請求項9に記載の繊維集合体の成形方法。
  25. 前記一体又は展開金型の上下方向を変えることによって、金型内へ貫流させる加熱風又は冷却風の流れ方向を反重力方向に固定し、それぞれ少なくとも1回加熱風又は冷却風を繊維集合体中に貫流させる請求項24に記載の繊維集合体の成形方法。
  26. 突起を有する成形品を成形するのに際して、前記一体金型内へ貫流させる加熱風の流れ方向を反重力方向とし、かつ突起を有する突起面を下面にした状態で前記金型内に加熱風を貫流させる請求項25に記載の繊維集合体の成形方法。
  27. 前記分割金型への前記繊維集合体の充填時又は前記繊維集合体の合体時に機能性材料を前記繊維集合体へ散布又は塗布する請求項1に記載の繊維集合体の成形方法。
  28. 合成繊維の捲縮短繊維からなるマトリックス繊維中に該短繊維より低い融点を有するバインダー繊維が分散混入された繊維集合体を通気性金型のキャビティに充填し、次いで金型内に加熱風と冷却風を貫流させて熱成形する成形装置において、
    前記繊維集合体を展開状態で充填する複数の分割金型を有し、更に前記分割金型は全体又はグループとして展開状態から合体して合体金型を形成することを特徴とする繊維集合体の成形装置。
  29. 前記分割金型が有する開口部を塞ぐための補助金型を具備する請求項28に記載の繊維集合体の成形装置。
  30. 前記繊維集合体を前記分割金型へ充填する充填手段と、
    前記充填手段を前記分割金型の各部へ移動自在とする移動手段と、
    予め決められたプログラムによって前記移動手段を所定の位置に所定の時間だけ滞在させる制御手段とを有する請求項28に記載の繊維集合体の成形装置。
  31. 前記充填手段が、
    搬送空気流と共に小塊とされた前記繊維集合体を所定の位置へ搬送するための搬送ダクトと、
    該搬送ダクトに接続され、前記分割金型のそれぞれへ小塊とされた前記繊維集合体を吹き込む充填ノズルとからなる請求項30に記載の繊維集合体の成形装置。
  32. 空気搬送に可能な各種材料を前記分割金型のキャビティへ充填するための分岐ダクトを前記搬送ダクトの上流側に設けた請求項31に記載の繊維集合体の成形装置。
  33. 加熱風を吹出すための加熱風吹出手段を前記充填手段と併設した請求項30に記載の繊維集合体の成形装置。
  34. 前記制御手段が、前記分割金型のキャビティ形状と前記移動手段の移動経路とがプログラムされ、前記繊維集合体を前記分割金型内へ充填する高さ又は金型各部位の吸引差圧情報に基づいて、繊維集合体の充填状態を制御する制御手段である請求項30に記載の繊維集合体の成形装置。
  35. 前記制御手段が、分割金型各部の通気量を変更して前記繊維集合体の充填状態を制御する制御手段である請求項30に記載の繊維集合体の成形装置。
  36. 霧状又は粉末状機能性材料を吹出す吹出手段を前記充填手段と併設した請求項30に記載の繊維集合体の成形装置。
  37. 前記分割金型を展開した状態から合体した状態へと移行する間に前記分割金型に充填された繊維集合体をキャビティ内に保持する補助金型壁を設けた請求項28に記載の繊維集合体の成形装置。
  38. 前記補助金型壁が、展開状態から合体状態へと移行する前記分割金型を合体位置まで案内する合体案内手段を兼ねる請求項37に記載の繊維集合体の成形装置。
  39. 前記合体金型の型締め時に前記合体金型を構成する一部の金型壁を型締め方向へ移動自在とする型締案内部材を具備する請求項28に記載の繊維集合体の成形装置。
  40. 前記型締案内部材が着脱自在である請求項39に記載の繊維集合体の成形装置。
  41. 前記分割金型の背面から空気を吸引するための吸引装置を有する請求項28に記載の繊維集合体の成形装置。
  42. 前記吸引装置が前記分割金型の各部分に対して、局部的に吸引力を調整自在とした請求項41に記載の繊維集合体の成形装置。
  43. 前記吸引装置と前記分割金型とが可撓性を有するダクトによって接続されている請求項41に記載の繊維集合体の成形装置。
  44. 前記分割金型が表意匠面金型と裏意匠面金型から構成され、これら金型が折り重ね又は折り曲げ自在の構造を有する請求項28に記載の繊維集合体の成形装置。
  45. 合体状態で前記の表意匠面金型と裏意匠面金型とにそれぞれに充填された繊維集合体を所定の嵩高密度に圧縮自在である請求項44に記載の繊維集合体の成形装置。
  46. 意匠面に深絞り形状を形成するために、繊維集合体を圧縮して押し込む押込み手段又は繊維集合体などの塊を追加充填するための補助充填手段を具備する請求項45に記載の繊維集合体の成形装置。
  47. 前記押込み手段又は補助充填手段に、圧縮空気を吹出す圧縮空気吹出装置を付設した請求項46に記載の繊維集合体の成形装置。
  48. スライバー状にした前記繊維集合体、または開繊した繊維集合体をスライバー状にするカード機によってスライバー状の繊維集合体を金型キャビティへ連続的に定量送りする定量送り手段を有する請求項28に記載の繊維集合体の成形装置。
  49. 前記定量送り手段に引き続いてスライバー状繊維集合体を開繊する開繊装置と、前記開繊装置によって開繊された繊維集合体を金型キャビティへ充填する前記充填手段とを設けた請求項48に記載の繊維集合体の成形装置。
  50. 互いに対向して設けられた雄冶具と雌冶具とを有し、前記分割金型を位置決めして一体に組み込んだ型締め状態において前記雄冶具が雌冶具に嵌合挿入される穴あけ用冶具を備えた請求項28に記載の繊維集合体の成形装置。
  51. 前記分割金型を位置決めして一体に組み込んだ状態において、その先端が互いに突き合わされ、且つそれぞれの中心線が互いに重なるように対向して設けられた二つの突起を有する穴あけ冶具を備えた請求項28に記載の繊維集合体の成形装置。
  52. 前記穴あけ用治具に加熱手段を付設した請求項50に記載の繊維集合体の成形装置。
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