JP4018706B2 - 油圧シリンダ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ピストンに内蔵させた常閉の制御弁をストローク端で開放して作動油を流通させることによりシリンダの冷却や空気抜きを行わせる油圧シリンダ装置に係り、特に制御弁を開放する際のチャタリングの発生を防止するための制御弁の構造に関する。
ダイカストマシンでは、キャビティに金型とその駆動用油圧シリンダを組み込んでおき、キャビティを閉じた状態で溶湯又は半溶融合金を注入し、油圧シリンダで金型を圧入して鋳込む方法が採用されている。
そして、自動車用のフレーム部品等のように複雑な形状で比較的大きな成形品を製造するためのダイカストマシンになると、キャビティには多数の金型と油圧シリンダが複雑な機構で組み込まれる。
その場合、ダイカストでは溶湯や半溶融合金の温度が数百度であり、当然に金型と油圧シリンダの温度もそれに近い温度に加熱されるため、油圧シリンダは苛酷な高温環境下での使用に耐えるものでなければならず、その設計に際しては常に温度条件が考慮される。
しかし、油圧シリンダの本体材料や作動油は耐高温性を備えていても、シリンダの各所に適用されるシール部材はゴム製や樹脂製であり、耐熱性に優れた素材のものが使用されるものの、装置の稼動時には高温での温度サイクルを受け、また非稼動時には常温に戻るという過酷な温度環境の下では如何にしてもその劣化が進行する。
特に、ロッドカバーは溶湯側からの輻射熱を直接的に受けるためにロッドカバーとロッドやシリンダチューブとの間のシール部材の劣化の進行が著しく、それらシール箇所での油漏れが発生し易く、メンテナンス上でも比較的短期間での交換を余儀なくされることになる。尚、油圧シリンダ自体を水冷構造にすることも考えられるが、当然にシリンダが大型化し、前記のように多数のシリンダが複雑な機構で組み込まれるダイカストマシンには不適な場合が多く、水漏れ事故も発生し易いことから水冷方式は採用し難い。
また、前記のシール部材の問題点とは別に、キャビティに金型とその駆動用油圧シリンダを組み込んで初期駆動させる際や修理後に再駆動させる際にはシリンダ内に空気が存在するため、それを完全に排出させるための空気抜き工程が不可欠である。
従来から、この空気抜き工程は、予め油圧シリンダのシリンダ室から外部へ通じた空気抜き弁を設けておき、初期駆動や再駆動の際に作動油を注入した時にその空気抜き弁を通じて排気させるものであるが、空気抜き弁を設けることは当然に部品点数の増加となってコスト高になると共に、空気抜き弁の部分が油漏れの原因なることも多く、油圧シリンダの信頼性の低下要因ともなる。
以上のようなことから、本願出願人は、下記特許文献1において、『複動シリンダ装置のピストンの内部にリリーフ弁を介在させて前方シリンダ室と後方シリンダ室を接続する内蔵回路を構成すると共に、前記リリーフ弁のクラッキング圧力をロッドの後退時における最大負荷状態での前方シリンダ室の圧力よりも大きく設定しておき、ピストンの後退限において、前方シリンダ室の圧力を前記クラッキング圧力よりも大きくして前記リリーフ弁を開状態とし、前方シリンダ室の作動流体の全部又は一部を前記内蔵回路を通じて後方シリンダ室からドレイン側へ流出せしめることを特徴としたシリンダ装置の冷却方法。』を提案している。
また、下記特許文献2及び3においては、ピストンに制御弁を内蔵させる方式やシリンダチューブ内にバイパス流路を構成して制御弁を介在させる方式による空気抜き機能を備えたシリンダの構成が提案されている。
特に、特許文献3における第5実施例では、図8に示すような構成でピストン101内に制御弁を構成している。
具体的には、ピストン101に形成された収納孔102の内部に、2つのボール状弁体103,104の中間にコイルばね105を介在させた連結体を内設して2つの逆向きチェック弁を構成し、一方のボール状弁体104には棒状部106が一体的に形成されており、その棒状部106が連通孔107を通じてピストン101の側面108より突出せしめられている。
従って、ピストン101がストローク端に達すると棒状部106の先端がシリンダ室109の壁面110と当接し、ボール状弁体104がコイルばね105の付勢力に抗して強制的に移動せしめられることにより、連通孔107における収納孔102側の角部に相当するシート部111からボール状弁体104が離脱する。
そして、その段階ではシリンダ室109はドレイン側に接続され、他方のシリンダ室112には作動油が供給され続けるために、ボール状弁体103も栓部材113における収納孔102側の角部に相当するシート部114から離脱し、栓部材113の貫通孔115−収納孔102−連通孔107の連通路が構成されることにより、シリンダ室112側からシリンダ室109側へ作動油を流通させて空気抜きが行える。
特開2002−31101号公報(第6−7頁、図4、図5) 特開平2−186108号公報 特開平8−312609号公報
ところで、特許文献1のようにリリーフ弁を用いた場合には、実際の動作時にピストン・ロッドに対して想定外の大きな変動負荷が作用することを考慮して、リリーフ弁のクラッキング圧力をロッドの最大負荷よりも十分に大きく設定しておかねばならず、弁体をシート部側へ付勢するばねには大きなバネ定数を有したものが適用される。
従って、シリンダ冷却時にリリーフ弁を開放して作動流体を流通させる状態では、大きな全量圧力を維持して流量を確保させるが、それだけ圧力オーバライド(全量圧力とクラッキング圧力の差)が大きくなるためにリリーフ弁の動作が不安定化してチャタリングが発生し易くなる。
また、図8に示した特許文献3の制御弁では、2つの逆向きチェック弁の一方を機械的に開放させて他方を開放する方式であるため、特許文献1のリリーフ弁の場合のようにクラッキング圧力と最大負荷の関係を考慮する必要はないが、ボール状弁体103がシート部114から離脱して作動油が流通すると、収納孔102内へ流入した作動油はボール状弁体103の前面から背後に回り込む際に乱流を発生させながら流れるため、ボール状弁体103に作用する圧力が不安定化して、前記と同様にチャタリングが発生し易くなる。
特に、この場合は空気抜きを行うことを目的としており、作動油に気泡が混在していると前記現象を更に助長することになる。尚、この弁体の背後への作動油の回り込みに関する問題は特許文献1のリリーフ弁の場合も同様である。
そして、チャタリングの発生は、弁体が弁座側のシート部を激しく叩いて騒音を発生させると共に弁を破損させる原因となり、また作動油の流通効率が低下するためにシリンダの冷却や空気抜きを効率的に行えなくなる。
そこで、本発明は、ピストンに常閉の制御弁を内蔵させてシリンダの冷却機能や空気抜き機能をもたせている油圧シリンダ装置において、制御弁でのチャタリングの発生を防止して前記機能を効率的に発揮させることを目的として創作された。
本発明は、複動シリンダのピストンに常閉の制御弁を内蔵せしめ、前記ピストンがストローク端に達した状態で前記制御弁を開放して両シリンダ室を連通させ、その連通状態で作動油を継続的に供給して前記複動シリンダを冷却する工程、又は前記シリンダ室や作動油の給排回路に混入している空気を排出させる工程を実行する油圧シリンダ装置において、前記ピストンには前記連通状態で作動油供給側となるシリンダ室側から順に流入孔とその流入孔の孔径よりも大きい径の弁内設用孔が形成されており、前記制御弁は前記弁内設用孔にチェック弁部と作動部とを連結させて内設したものであって、前記チェック弁部は、中空筒体の両端部に内嵌させた各弁体を一方の端部が前記中空筒体内の中間位置に形成された係止部によって係止されている各コイルばねでそれぞれ内側から外側へ付勢することにより、一方の弁体を前記流入孔の角部に相当するシート部に、他方の弁体を前記作動部側の連結面に形成された連結孔の角部に相当するシート部にそれぞれ押圧せしめると共に、前記中空筒体の外面と前記弁内設用孔の内面との間に筒軸と平行な方向へ隙間流路が形成されており、前記中空筒体における前記各シート部近傍に前記各弁体の内嵌側から前記隙間流路へ通じる各孔が形成された構成からなり、また、前記作動部は、プランジャをコイルばねで前記チェック弁部とは反対側の方向へ付勢した状態で、前記プランジャの後端部を前記ピストンの側面より突出させて摺動自在に支持すると共に、前記プランジャの内部に前記チェック弁部側の空間前記連通状態で作動油排出側となるシリンダ室とを連通させる内部流路が形成された構成からなり、前記ピストンがストローク端に達した状態で前記プランジャがシリンダ室の壁面で押圧されて移動することにより前記制御弁が開放されることを特徴とする油圧シリンダ装置に係る。
この発明の油圧シリンダ装置に適用されている制御弁によると、プランジャがシリンダ室の壁面で押圧されて移動することにより、作動部側の連結孔のシート部に押し付けられている弁体が強制的に開放され、それによって流入孔側のシート部に押し付けられている弁体が開放される。
その段階で制御弁は開放状態となって、作動油が[流入孔→中空筒体の孔→隙間流路→中空筒体の孔→連結孔→作動部内→プランジャの内部流路]の順に流れるが、チェック弁部側では[中空筒体の孔→隙間流路→中空筒体の孔]のバイパス流路が構成されており、作動油が各弁体の背後に回り込んで流れることはない。
また、各弁体は中空筒体の両端部に内嵌した状態でコイルばねの付勢力によってそれぞれ各シート部に押し付けられているが、2つの逆向きチェック弁を構成しているために、リリーフ弁の場合のようにクラッキング圧力をロッドの最大負荷より大きくしておく必要はなく、コイルばねの付勢力は各弁体をそれぞれのシート部に保持させる程度であればよく、小さなバネ定数のコイルばねによって付勢力を得ていればよい。
そして、制御弁における[流入孔→中空筒体の孔→隙間流路→中空筒体の孔]の流路部分及びプランジャの内部流路はオリフィスを構成するために、各弁体が開放された後も流入孔側に大きな圧力が維持され、前記のようにコイルばねのバネ定数を小さく設定できること(即ち、圧力オーバライドを小さくできること)と併せて、流入孔側の弁体を安定した状態で中空筒体の中央側へ押し込んでおくことができる。
従って、チャタリングの発生を合理的に防止できる。
前記発明においては、ピストンに形成する弁内設用孔を円孔とし、チェック弁部の中空筒体を中空円筒体の外周面の一部を筒軸と平行な方向へ切り欠いた形状としておき、弁内設用孔に中空筒体を内嵌させた状態で前記切り欠き部に相当する空間を隙間流路として用いることにより、より簡単な機構で制御弁のバイパス流路を構成することができる。
本発明は、ピストンに内蔵させた常閉の制御弁をストローク端で開放した状態で作動油を流通させてシリンダの冷却及び/又は空気抜きを行わせる油圧シリンダ装置において、制御弁にチャタリングが発生することを防止して、前記の冷却工程及び/又は空気抜き工程を安定的且つ効率的に実行できるようにする。
以下、本発明の油圧シリンダ装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
先ず、図1の(A)はシリンダ冷却機能と空気抜き機能を備えた油圧シリンダ装置の断面図であり、(B)は(A)におけX-X矢視断面図である。
同図において、11はロッド、12はピストン、13はロッドカバー、14はシリンダチューブ、15はヘッドカバー(シリンダチューブ14と一体成形)、16は第1ポート、17は第2ポートであり、全体としては通例の複動形の油圧シリンダ10としての構成を有している。
また、20は前記油圧シリンダ10に対する駆動系油圧回路であって、油圧シリンダ10の各ポート16,17はそれぞれメータイン回路21,22を介在させて4ポート3位置切換え弁23に接続されており、その切換え弁23には油圧ポンプ24とドレイン25が接続されている。
そして、この油圧シリンダ10のピストン12は次のような構成を有している。
・ピストン12におけるロッド11の連結側が、シリンダチューブ14に対する嵌合面の外径よりも僅かに小さい外径を有する短い筒部31として突出形成されている。
・筒部31にはその一方の外周面からピストン12の中心軸を通過して他方の外周面へ達する4本の流路32-1〜4が45度の中心角をなして形成されている。
・ピストン12の中心軸に沿って後端面側から形成された座グリ穴内に制御弁40が内蔵せしめられており、その制御弁40の入力側と各流路32-1〜4の交差部32-0が連通させてある。
・筒部31の端面から筒部31の内部に形成されているそれぞれの流路32-1〜4へ連通する8個の孔33-1〜8がロッド11の連結部の近傍に形成されている。
尚、筒部31と流路32-1〜4と孔33-1〜8は空気抜き工程を行う際に気泡が円滑に吸収されるようにするためのものであり、シリンダ冷却機能だけの場合には必要ではなく、単にシリンダ室から制御弁40に連通する孔が形成されているだけで足りる。
ところで、制御弁40は、図2[(A)は断面図、(B)は(A)におけるZ-Z矢視断面図]に示すように、ピストン12に形成した座グリ孔12a内に中空円筒体である弁体ホルダ41とシートリング42とプランジャケース43とを直列に連結させて内嵌・固定した構造を有している。
ここに、弁体ホルダ41はその前端側と後端側にそれぞれ鋼球44,45を軸方向へ可動な状態で内嵌させ、各鋼球44,45をコイルばね46a,46bによって軸方向外側へ付勢している。但し、各コイルばね46a,46bの一端は弁体ホルダ41の内面の中央位置に突出形成されている係止部41aによって係止されている。
そして、前端側の鋼球44がコイルばね46aの付勢力によってピストン12の座グリ孔12aと筒部31の流路32-1〜4の交差部32-0とを連通する流入孔12bのシート部に圧接せしめられていることにより前方チェック弁機構を構成し、また後端側の鋼球45がコイルばね46bの付勢力でシートリング42の前端側に形成されている連結孔47のシート部に圧接せしめられていることにより後方チェック弁機構を構成している。
一方、シートリング42とプランジャケース43の部分は、前記の後方チェック弁機構を開放するためのプランジャ48を摺動自在に抱持する機構を構成している。
具体的には、プランジャケース43の後端壁部の孔にプランジャ48の後部側筒部48aを摺動自在に内嵌せしめると共に、プランジャ48の中間フランジ部48bもプランジャケース43の内側に摺動自在に内嵌されており、プランジャケース43の後端壁部は中間フランジ部48bを係止するようになっている。
また、プランジャ48全体はシートリング42の前端側壁部とプランジャ48の中間フランジ部48bとの間に介装されたコイルばね49によって後方へ付勢されており、その付勢された状態でプランジャ48の後部側筒部48aの後端はピストン12の端面より突出させてある。尚、プランジャケース43はその後端面が止め輪43aによって係止されて抜け止めがなされている。
この制御弁40において、弁体ホルダ41の前方チェック弁機構と後方チェック弁機構との間の流路は、弁体ホルダ41の外周の上下一部が平坦面として軸方向にわたって切り欠かれており、その平坦面と座グリ孔12aの内周壁面との間に構成される隙間50a,50bと各鋼球44,45の内嵌空間とを孔51a,51b,52a,52bで連通させることにより確保されている。但し、孔51a,51bは鋼球44の中心より前方寄りで流入孔12bのシート部の近傍に形成されており、孔52a,52bは鋼球45の中心より後方寄りで連通孔47のシート部の近傍に形成されている。
また、弁体ホルダ41の後方チェック弁機構とピストン12の後端面側のシリンダ室(後方シリンダ室)との間の流路はプランジャ48に形成した内部流路53により確保されている。即ち、シートリング42とプランジャケース43とが連結して構成している内部空間と前記後方シリンダ室とはプランジャ48の内部流路53によって常に連通せしめられている。
この制御弁40は、コイルばね46a,46bの付勢力で前方及び後方のチェック弁機構が常閉になっているが、ピストン12が図1の状態から図3に示すような後退限のストローク端へ達すると、次のような動作手順で強制的に開放される。
(1) ピストン12がストローク端へ達すると、プランジャ48の後部側筒部48aがヘッドカバー15の内壁面に当接し、プランジャ48がコイルばね49の付勢力に抗して前進せしめられ、その先端部で後方チェック弁機構の鋼球45を押圧する。
(2) プランジャ48の押圧力によって鋼球45がコイルばね46bの付勢力に抗して前進せしめられると、図4に示すように、鋼球45はシートリング42の連結孔47のシート部から離脱する。
(3) 鋼球45の離脱によって、[鋼球44の内嵌空間−孔51a,51b−隙間50a,50b−孔52a,52b−鋼球45の内嵌空間−シートリング42とプランジャケース43とが構成する内部空間−プランジャ48の内部流路53−後方シリンダ室19]の連通路が構成され、後方シリンダ室19がドレイン25に接続されていると鋼球44の内嵌空間もドレイン圧となる。
(4) 一方、シリンダ冷却工程や空気抜き工程においては、ピストン12がストローク端に達した後もピストン12の前端面側のシリンダ室(前方シリンダ室18)に作動油を供給し続ける。従って、鋼球44の内嵌空間がドレイン圧であり、前方シリンダ室18からピストン12の筒部31の流路32-1〜4を介して作動油圧がかかっていると、その差圧によって鋼球44がコイルばね46aの付勢力に抗して後退し、鋼球44が流入孔12bのシート部から離脱して前方シリンダ室18と鋼球44の内嵌空間とが前記流路32-1〜4を介して連通することになる。
(5) その結果、前方シリンダ室18と後方シリンダ室19が連通した状態となり、図5の矢印で示すように作動油が流れる。即ち、前方シリンダ室18→筒部31の流路32-1〜4→鋼球44の内嵌空間→孔51a,51b→隙間50a,50b→孔52a,52b→鋼球45の内嵌空間→シートリング42とプランジャケース43とが構成する内部空間→プランジャ48の内部流路53→後方シリンダ室19の経路で作動油が流れ、シリンダ冷却工程の場合には両シリンダ室の作動油を外部から供給されたものに入れ替えることによって油圧シリンダ10自体を冷却でき、また空気抜き工程の場合にはシリンダ室内や油圧回路の作動油に混入している空気をドレイン25側へ排出させることができる。
ところで、前記動作(4)において、鋼球44が流入孔12bのシート部から離脱して作動油が流れる際には、鋼球44に作用する圧力とコイルばね46aの反発力との関係等によってはチャタリングの発生条件が成立する可能性がある。
しかし、この実施形態で適用されている制御弁40によれば、前方と後方の各チェック弁機構が逆向きのチェック弁を構成しており、各鋼球44,45が弁体ホルダ41の両端区間にそれぞれ内嵌した状態になっているために、各コイルばね46a,46bは各鋼球44,45をシート部に小さい付勢力で押し当てているだけでよく、ばね定数も小さなものが適用できることから、弁体である鋼球44に係る圧力オーバライドは通常のチェック弁の場合と比較して遥かに小さい値となる。
また、図5に示したように、作動油は鋼球44の背後に回り込むことなく、バイパス流路[孔51a,51b→隙間50a,50b→孔52a,52b]へ流れるため、鋼球44の背後側に乱流を発生させて圧力の変動を生させるようなことはない。
更に、この制御弁40を油圧回路として示すと、図6に示すように、前方チェック弁機構C1と、バイパス流路[孔51a,51b→隙間50a,50b→孔52a,52b]に対応するオリフィスD1と、後方チェック弁機構C2と、シートリング42とプランジャケース43とが構成する内部空間及びプランジャ48の内部流路53に対応するオリフィスD2とからなり、前記動作(5)の段階で前方チェック弁機構C1の開放により前方シリンダ室と後方シリンダ室が連通して油圧ポンプ24の定格供給量に応じた作動油が流通した際には、オリフィスD1,D2の介在により鋼球44の前面側の圧力が高く保持される。
そして、前記のようにコイルばね46aの鋼球44に対する付勢力は弱く、またばね定数も小さなものであることから、前記動作(5)で作動油が流通すると鋼球44は前面側に発生する作動油の強い圧力によって完全に後方へ押し込まれた状態になり、図5に示したように弁体ホルダ41の段差部41bに押し付け固定されたまま安定的に保持される。
従って、この制御弁40によれば、チャタリングを発生させることなく、シリンダ冷却工程や空気抜き工程を実行することができる。特に、空気抜き工程では作動油中に気泡が混在しているために鋼球44の前面側に圧力変化が生じ易いが、前記各構成によりチャタリングの発生を有効に防止できる。
その結果、図1の油圧シリンダ装置において、シリンダの冷却工程及び/又は空気抜き工程を安定的且つ効率的に実行させることが可能になる。
尚、以上の実施形態では、制御弁40をピストン12の中心軸に沿って内蔵させているが、中心からずれた位置に設けてもよく、また制御弁40は流路32-1〜4に連通していれば複数本内蔵させてもよい。
また、制御弁40の弁体には鋼球44,45が用いられているが、図7に示すようにポペット状弁体61,62を用いてもよい。但し、図7においてアポロストロフィ付きの符号が示す要素又は部分は、図2において同一の符号が付されている要素又は部分に準じたものである。同図においては、ポペット状弁体61,62に対応した弁体ホルダ41'が用いられ、コイルばね46a',46b'がポペット状弁体61,62の内側に嵌装された態様になっていること、及び弁体ホルダ41'における係止部41a'に各ポペット状弁体61,62の間の空間と隙間50a,50bを連通させる孔63,64が形成されていることを除いて、基本的構成は図2に示したものと同様である。ここで、孔63,64はポペット状弁体61がプランジャ48によって押し込まれた際に各ポペット状弁体61,62の間の作動油を隙間側へ逃す役割を果たす。
更に、この実施形態では前方チェック弁機構と後方チェック弁機構の各鋼球44,45を2つのコイルばね46a,46bでそれぞれ独立に付勢しているが、図8に示した構成と同様に単一のコイルばねで各鋼球44,45をそれぞれ前方と後方へ付勢してもよい。但し、プランジャ48によって鋼球45が前方へ移動した際に、鋼球44に係る圧力オーバライドが大きくなって前方チェック弁機構の動作状態を不安定化させないことが必要であり、バネ定数の範囲に制約が伴う。
本発明は、ピストンに内蔵させた常閉の制御弁をストローク端で開放して作動油を流通させることでシリンダの冷却や空気抜きを行わせる油圧シリンダ装置に適用できる。
(A)は本発明の実施形態1に係る油圧シリンダ装置の断面図及び駆動系油圧回路であり、(B)は(A)におけるX-X矢視断面図である。 (A)は制御弁の断面図であり、(B)は(A)におけるZ-Z矢視断面図である。 ピストンがストローク端に達した状態での油圧シリンダ装置の断面図である。 制御弁の動作状態(後方チェック弁機構が開放された状態)を示す断面図である。 制御弁の動作状態(後方チェック弁機構が開放された後、前方チェック弁機構も開放された状態)を示す断面図である。 制御弁の油圧回路図である。 他の実施形態に係る制御弁の断面図である。 従来技術の制御弁の断面図である。
符号の説明
10…油圧シリンダ、11…ロッド、12…ピストン、12a…座グリ孔、12b…流入孔、13…ロッドカバー、14…シリンダチューブ、15…ヘッドカバー、16…第1ポート、17…第2ポート、18…前方シリンダ室、19…後方シリンダ室、20…駆動系油圧回路、21,22…メータイン回路、23…4ポート3位置切換え弁、24…油圧ポンプ、25…ドレイン、31…筒部、32-1〜4…流路、33-1〜8…孔、40…制御弁、41…弁体ホルダ、41a…係止部、41b…段差部、42…シートリング、43…プランジャケース、43a…止め輪、44,45…鋼球、46a,46b…コイルばね、47…連結孔、48…プランジャ、48a…後部側筒部、48b…中間フランジ部、49…コイルばね、50a,50b…隙間、51a,51b,52a,52b…孔、53…内部流路、61,62…ポペット状弁体、63,64…孔、101…ピストン、102…収納孔、103,104…ボール状弁体、105…コイルばね、106…棒状部、107…連通孔、108…ピストンの側面、109…シリンダ室、110…シリンダ室の壁面、111…シート部、112…シリンダ室、113…栓部材、114…シート部、115…栓部材の貫通孔。

Claims (2)

  1. 複動シリンダのピストンに常閉の制御弁を内蔵せしめ、前記ピストンがストローク端に達した状態で前記制御弁を開放して両シリンダ室を連通させ、その連通状態で作動油を継続的に供給して前記複動シリンダを冷却する工程、又は前記シリンダ室や作動油の給排回路に混入している空気を排出させる工程を実行する油圧シリンダ装置において、
    前記ピストンには前記連通状態で作動油供給側となるシリンダ室側から順に流入孔とその流入孔の孔径よりも大きい径の弁内設用孔が形成されており、
    前記制御弁は前記弁内設用孔にチェック弁部と作動部とを連結させて内設したものであって、
    前記チェック弁部は、中空筒体の両端部に内嵌させた各弁体を一方の端部が前記中空筒体内の中間位置に形成された係止部によって係止されている各コイルばねでそれぞれ内側から外側へ付勢することにより、一方の弁体を前記流入孔の角部に相当するシート部に、他方の弁体を前記作動部側の連結面に形成された連結孔の角部に相当するシート部にそれぞれ押圧せしめると共に、前記中空筒体の外面と前記弁内設用孔の内面との間に筒軸と平行な方向へ隙間流路が形成されており、前記中空筒体における前記各シート部近傍に前記各弁体の内嵌側から前記隙間流路へ通じる各孔が形成された構成からなり、
    また、前記作動部は、プランジャをコイルばねで前記チェック弁部とは反対側の方向へ付勢した状態で、前記プランジャの後端部を前記ピストンの側面より突出させて摺動自在に支持すると共に、前記プランジャの内部に前記チェック弁部側の空間前記連通状態で作動油排出側となるシリンダ室とを連通させる内部流路が形成された構成からなり、
    前記ピストンがストローク端に達した状態で前記プランジャがシリンダ室の壁面で押圧されて移動することにより前記制御弁が開放されることを特徴とする油圧シリンダ装置。
  2. 前記弁内設用孔を円孔とし、前記チェック弁部の中空筒体を中空円筒体の外周面の一部を筒軸と平行な方向へ切り欠いた形状とし、前記弁内設用孔に前記中空筒体を内嵌させた状態で前記切り欠き部に相当する空間を前記隙間流路として用いることとした請求項1に記載の油圧シリンダ装置。
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