JP4018028B2 - 筋肉の疾患または障害の治療または予防のための医薬品 - Google Patents

筋肉の疾患または障害の治療または予防のための医薬品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脊椎動物種において見出された、筋細胞のための成長、分化および生存因子であるポリペプチドを投与することによる、筋組織の疾患および障害の予防的または肯定的(affirmative)治療法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
成長した(adult)脊椎動物における筋組織は付随細胞(satellite cells)と呼ばれる予備の筋芽細胞から再生するであろう。付随細胞は筋組織全体に分布しており、損傷または疾患がなければ有糸分裂的に静止している。筋肉損傷ののち、または疾患からの回復の間に、付随細胞は細胞周期に再び入り、増殖して1)既存の筋線維に入るか、2)新しい筋線維を形成する多角性筋管に分化するであろう。筋芽細胞は最終的に既存の筋線維に置きかわる筋線維を生じるか既存の筋線維と融合し、これによって収縮装置成分の合成による線維帯径(girth)が増す。この過程は、たとえば誘導された筋線維変性(degradation)に続くホ乳動物において起こるほぼ完全な再生によって例証される;前筋細胞(muscle progenitor cells)は増殖し再生する筋線維とともに融合する。
【0003】
成長した(および未成長の(embryonic))筋芽細胞のインビトロの増殖および分化を制御するいくつかの成長因子が同定されている。線維芽細胞成長因子(FGF)は筋細胞に対して分裂促進性(mitogenic)であり、筋肉分化の阻害剤である。トランフォーミング成長因子β(TGFβ)は筋芽細胞の増殖には効果がないが、筋肉分化の阻害材である。インスリン様成長因子類(IGFs)は齧歯動物における筋芽細胞の増殖および分化の両方を刺激することが示されている。血小板由来成長因子(PDGF)もまた筋芽細胞に対して分裂促進性であり、筋細胞の分化の有力な阻害剤である(参照:FloriniおよびMagri, 1989:256:C701〜C711)。
【0004】
脊椎動物種において筋組織およびニューロンのいずれもが筋芽細胞の増殖および分化を刺激する因子の有力なソースである。起源が神経系(すなわち、神経原性)である神経筋システムを冒す疾患において、冒された神経が分布する(innervate)筋組織は麻痺し進行性で衰える。末梢神経の再生と神経学的およびミオパシャー性(myopathic)の疾患からの回復の間に、ニューロンは前記の筋肉の再生を誘い出す成長因子のソースを提供するかもしれず、衰弱と萎縮からの筋肉の修復のメカニズムを提供しうる。
【0005】
最近記載された成長因子のファミリー、ニューレグリン(neuregulin)類は駆動ニューロン(motor neurons)(Marchioniら、Nature 362:313, 1993)および炎症性細胞(Tarakhovskyら、Oncogene 6:2187-2196(1991))によって合成される。ニューレグリン類および関連のp185erbB2結合因子は精製され、クローン化され、発現されている(Benvenisteら、PNAS 82:3930-3934、1985;Kimuraら、Nature 348:257-260、1990;DavisおよびStroobant、J. Cell. Biol. 110:1353-1360、1990;Wenら、Cell 69:559、1992;YardenおよびUllrich、Ann. Rev. Biochem. 57:443、1988;Holmesら、Science 256:1205、1992;Dobashiら、Proc. Natl. Acad. Sci. 88:8582、1991;Lupuら、Proc. Natl. Acad. Sci. 89:2287、1992)。組換えニューレグリン類は末梢グリアに対して分裂促進性であることが示され(Marchionniら、Nature 362:313、1993)、神経筋接合(junction)の形成に影響を与えることが示されている(Fallsら、Cell 72:801、1993)。したがって再生するニューロンと神経原性疾患および神経損傷からの修復に関係する炎症性細胞により駆動ニューロン(motor neurons)の再ミエリン化(remyelination)およびそれらのターゲットとの適当な連結(connection)を形成する能力を調整する因子のソースを提供する。筋肉が再度分布した(reinnervated)のち、駆動ニューロンは筋肉の成長および生存を刺激する、筋肉に対する因子を提供するかもしれない。
【0006】
現在、筋肉の分化および生存を促進する有用な治療法はない。このような治療法は色々な神経性および筋肉の疾患および障害の治療に有用であろう。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
我々は筋細胞の増大された分裂促進分化および生存が、グリア成長因子、活性を誘導するアセチルコリン受容体(ARIA)、ヘレグリン(heregulin)類、ニュー分化因子(neu differentiation factor)およびより一般的なニューレグリン類などの前記したタンパク質を用いて達成されうることを発見した。我々はこれらの化合物が筋細胞の増殖および筋管の分化と生存の両方を誘導しうることを発見した。これらの現象は骨格筋組織に加えて心臓組織および平滑筋組織において起こりうる。したがって、先の化合物、これらの化合物の合成を誘導する制御化合物および筋肉上の受容体に結合することによってまたはリガンド−受容体複合体によって活性化される第2のメッセンジャーシステムをほかの手段によって刺激することによりこれらの化合物をまねる小さな分子は、すべて筋肉疾患のための予防的または肯定的治療法として極めて有用である。
【0008】
本発明の新規な観点は筋細胞の分裂促進、生存、成長および分化を誘導する成長因子として先に挙げたタンパク質の使用を包含する。これらの効果を達成するための筋細胞の治療はここに記載されたポリペプチドに筋細胞を接触させることによって達成されうる。治療は正味の筋肉の損失を遅らせるまたは停止する、ないしは脊椎動物中にプレウエント(prewent)な筋肉の量または質を増大するために提供されうる。
【0009】
これらの因子は、脊椎動物に有効量のポリペプチドまたは関連化合物を投与することにより脊椎動物(好ましくはホ乳動物、より好ましくはヒト)において筋細胞の分裂促進、分化、および生存を生じるために用いうる。筋肉に対するニューレグリンの効果は、たとえばミオシンの重鎖の緩徐なおよび早いアイソフォームなどの収縮装置の特別のアイソフォームの合成を誘導することによって筋肉のパフォーマンスにおける増加を引き起こすことにより、これに限定されないがジストロフィン(dystrophin)などの保護分子の合成を誘導することによって筋線維の生存を促進することにより;および/またはたとえば神経筋接合でアセチルコリン受容体分子を増加することによって筋肉への神経の分布(innervation)を増大することにより発生しうる。
【0010】
ここで用いられる筋細胞という用語は筋組織に寄与するいかなる細胞をも意味する。菌筋細胞、付随細胞、筋管、および筋原線維組織はすべて「筋細胞」という用語に包含され、すべて本発明の方法を用いて治療されうる。筋細胞効果は骨格筋、心筋および平滑筋に誘導されうる。
【0011】
分裂促進は骨格筋、平滑筋または心筋の、筋芽細胞または付随細胞を包含する筋細胞に誘導されうる。ここで用いられる分裂促進とは患者の新しい筋細胞の産生が結果としておこるいかなる細胞分裂をも意味する。さらに詳しくは、インビトロの分裂促進は2つの倍加時間と等しい時間、標識試薬に細胞がさらされるとき、処理されていない細胞の50%、より好ましくは100%、もっとも好ましくは300%と比較した分裂指数における増加として定義される。分裂指数はS期(すなわち、BrdU)の間にのみ取込まれるトレーサーの存在において成長するとき、標識された核をもつ培養物中の細胞の分数(fraction)であり倍加時間は培養物中の細胞数が2倍に増加するのに必要な平均時間として定義される。
【0012】
インビボの分裂促進に対する効果は、S期(すなわち、BrdU)の間にのみ取込まれるトレーサーにさらされたホ乳動物の筋組織における標識された付随細胞の外観により測定されるような付随細胞活性化における増加として定義される。有用な治療薬において、ホ乳動物が15分間よりも長い期間標識試薬にさらされ、治療用量の分裂促進剤を投与したのち10時間から24時間の間に組織をアッセイするばあい、コントロールのホ乳動物と比較して少なくとも10%、より好ましくは少なくとも50%およびもっとも好ましくは200%よりも多く付随細胞の活性化を増大する化合物としてインビボで定義される。または、インビボの付随細胞活性化は免疫学的またはRNA分析方法によって中間体のフィラメント ビメンチン(filament vimentin)の外観をモニターすることによって検出しうる。ビメンチンがアッセイされるとき、有用な分裂促進剤は治療上有用な投薬用量が与えられたばあい筋組織におけるビメンチンの検出可能なレベルの発現を引き起こすものとして定義される。
【0013】
ここで用いる筋発生は筋管を生じる筋芽細胞のいかなる融合をも意味する。もっとも好ましくは筋発生に対する効果は筋芽細胞の融合および筋肉の分化プログラムの実施可能性における増大として定義される。有用な筋原性治療薬はインビトロの融合指数におけるいずれかの増加を授与する化合物として定義される。さらに好ましくは、化合物はコントロールと比較して融合指数における少なくとも2.0倍の増加を授与し、もっとも好ましくは、化合物は3倍またはそれより大きい増加を授与する。融合指数は培養物中に存在する核の総数と比較した培養物中の多核化された細胞(multinucleated cells)に存在する核の分数として定義される。先によって与えられた割合は筋原性化合物に6日間さらされたのちにアッセイした細胞についてであり処理されていないコントロールと比較する。筋発生はまた筋管における面積あたりの核数をアッセイすることによりまたはウエスタン分析による筋肉に特異的なタンパク質のレベルを測定することによっても決定しうる。好ましくは、化合物はたとえばここで与えられたアッセイを用いて筋管の密度において少なくとも2.0倍の増加を授与し、もっとも好ましくは化合物は3倍またはそれより多くの増加を授与する。
【0014】
筋肉の成長は線維サイズにおける増大および/または線維の数の増加によって生じうる。ここで用いる筋肉の成長とはA)湿重量における増加、B)タンパク質含有量の増加、C)筋線維数の増加、またはD)筋線維の直径における増加によって測定しうる。筋線維の成長における増加は断面のエリプシス(elipsis)のマイナーな軸として定義されるとき直径における増加として定義することができる。有用な治療薬として同様に処理されたコントロール動物(すなわち、筋肉成長化合物で処理されていない変性した筋組織を持つ動物)と比較して、筋肉がすでに少なくとも10%変性している動物の10%またはそれより多く、より好ましくは50%よりも多く、もっとも好ましくは100%より多く、湿重量、タンパク質含有量および/または直径を増大するものである。筋線維の数を増加することにより成長を増大する化合物は、少なくとも1%、より好ましくは少なくとも20%、およびもっとも好ましくは少なくとも50%病んだ組織における線維の数を増加するばあい治療薬として有用である。これらの百分率は化合物が投与され局所的に作用するときの比較しうる処理されておらず病んでいないホ乳動物におけるまたは対側性(contralateral)の病んでいない筋肉におけるベーサルレベルと比較して決定される。
【0015】
ここで用いられる筋線維の生存とは壊疽またはアポプトーシス(apoptosis)によって証明されるような筋線維の損失の防止(prevention)または筋線維の損失のほかのメカニズムの防止を意味する。ここで用いられる生存とは処理されていないコントロールと比較して少なくとも10%、より好ましくは少なくとも50%、およびもっとも好ましくは少なくとも300%の細胞死の割合(rate)における減少を示す。生存の割合は、細胞が分化8日後(すなわち培地を20%から0.5%血清のものに変えて8日後)に培養物中の死んだ細胞に特異的な染料(たとえばプロピジウムイオダイドなど)で染色されうる細胞をカウントすることにより測定しうる。
【0016】
ここで用いられる筋肉の再生とはそれにより前筋細胞から新しい筋線維を形成する過程を意味する。再生に有用な治療薬は前記のように、少なくとも1%、より好ましくは少なくとも20%、およびもっとも好ましくは少なくとも50%の新しい線維の数における増加を意味する。
【0017】
ここで用いられる筋細胞の分化とはたとえば収縮装置などの筋線維の成分(筋原線維)を特定する筋の発達プログラムの誘導を意味する。分化に有用な治療薬は同様に処理されたコントロール動物における等価な組織と比較して少なくとも10%またはそれより多く、より好ましくは50%またはそれより多く、およびもっとも好ましくは100%よりも多く病んだ組織における筋線維のいずれかの成分の量を増加する。
【0018】
ここで用いられる筋肉の萎縮とは筋線維帯径における重大な損失を意味する。重大な萎縮によって病んでいない、損傷されていないまたは正常に利用される組織と比較して少なくとも10%の病んだ損傷されているまたは用いられていない筋組織における筋線維の直径の減少が意味される。
【0019】
ここに記載されたポリペプチドまたはほかの化合物を用いる疾患または障害の治療方法もまた本発明の一部である。治療されうる筋障害の例にはたとえばミオパシー、ジストロフィー、神経筋の伝導性疾患(myoneural conductive diseases)、外傷性筋損傷、および神経損傷などの骨格筋疾患および障害が含まれる。たとえば心筋症、虚血性のダメージ、先天性疾患、および外傷性損傷などの心筋病理も、たとえば動脈硬化、血管病変、および先天性血管疾患などの平滑筋疾患および障害が治療されうるように、本発明の方法を用いて治療されうる。たとえば、デュシェーヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型ジストロフィー、および重症筋無力症はしかし本発明の方法を用いて治療されうる3種の疾患である。
【0020】
また本発明はたとえば横紋筋肉種などの筋細胞起源の腫瘍の予防または治療のための方法を包含する。これらの方法はここに記載された1つまたはそれより多くのポリペプチドの結合を阻害し、腫瘍に寄与する細胞の増殖を阻害する物質を有効量で投与することを包含する。
【0021】
本発明の方法はまた神経親和性因子の欠除によって引き起こされる疾患にかかった患者を治療するためにも用いうる。神経親和性因子の欠除によって意味されることは神経筋接合および/または筋肉強度における検出しうる減少を生じるに足る影響を受けない個体と比較して神経親和性因子の減少した量である。神経親和因子は影響を受けない個体に認められるものよりも10%より低いレベルで存在しうる。より好ましくは、前記因子は影響を受けない個体にみとめられるものよりも20%低いレベルで存在し、もっとも好ましくは同様の状況下で影響を受けない個体と比較して80%レベルが下げられる。
【0022】
本発明の方法はニューレグリンタンパク質が同じ遺伝子によってコードされるという事実を利用する。メッセンジャーRNAスプライシング変異体(およびそれらの結果として生じるタンパク質の変種)はこの遺伝子に由来しこれらの産物の多くはp185ergB2への結合およびその活性化を示す。この遺伝子の産物は筋細胞分裂促進活性(以下の実施例1および2参照)、分化(実施例3および6)、および生存(実施例4および5)を示すために用いられている。本発明は筋細胞分裂促進剤、分化因子、および生存因子のような記載された活性をもつニューレグリン遺伝子の既知の産物(ここおよび先に挙げた文献に記載された)のすべてに対する使用を提供する。もっとも好ましくは組換えヒトGGF2(rhGGF2)はこれらの方法に用いられる。
【0023】
本発明はまたほかのまだ天然には単離されていない、ニューレグリン遺伝子のスプライシング変異体の使用に関する。図29はスプライシングの既知のパターンを示す。これらのパターンはポリメラーゼチェーン反応実験(polymerase chain reaction experiments)(逆転写されたRNAについて)、cDNAクローン(その中で表わされたような)の分析、およびニューレグリン類をコードする公開された配列の分析(Pelesら、Cell 69:205(1992)およびWenら、Cell 69:559(1992))に由来する。ここに開示された追加のパターンと同様に、これらのパターンは存在する考えられるスプライシング変異体を表わす。スプライシング変異体は、ここにリファレンスにより組込まれる1993年3月24日に出願された、USSN 08/036,555、Goodearlらに充分に記載される。
【0024】
さらに詳しくは、筋細胞の細胞分裂、生存、分化および増殖は、式
WBAZCX
(式中、WBAZCXは図30で示されるポリペプチドセグメント(配列番号132、134、135、137〜139、156)から構成され、式中、WはポリペプチドセグメントFからなるかまたは存在せず、式中、ZはポリペプチドセグメントGからなるかまたは存在せず、そして式中、XはポリペプチドセグメントC/D HKL、C/D H、C/D HL、C/D D、C/D′ HL、C/D′ HKL、C/D′ H、C/D′ D、C/D C/D′ HKL、C/D C/D′ H、C/D C/D′ HL、C/D C/D′ D、C/D D′ H、C/D D′ HL、C/D D′ HKL、C/D′ D′ H、C/D′ D′ HL、C/D′ D′ HKL、C/D C/D′ D′H、C/D C/D′ D′ HL、またはC/D C/D′ D′ HKLからなる)によって定義されるポリペプチドと筋細胞とを接触させること、および(または)式
YBAZCX
(式中、YBAZCXは図30で示されるポリペプチドセグメント(配列番号133〜135、156、159)から構成され、式中、YはポリペプチドセグメントEからなるかまたは存在せず、式中、ZはポリペプチドセグメントGからなるかまたは存在せず、そして式中、XはポリペプチドセグメントC/D HKL、C/D H、C/D HL、C/D D、C/D′ HL、C/D′ HKL、C/D′ H、C/D′ D、C/D C/D′ HKL、C/D C/D′H、C/D C/D′ HL、C/D C/D′ D、C/D D′ H、C/D D′ HL、C/D D′ HKL、C/D′ D′ H、C/D′ D′ HL、C/D′ D′ HKL、C/D C/D′ D′ H、C/D C/D′ D′ HL、またはC/D C/D′ D′ HKLからなる)によって定義されるポリペプチドと筋細胞とを接触させることによって達成される。
【0025】
一般に、前記ポリペプチドのN−末端はFまたはEポリペプチドセグメントメントではじまる。Fポリペプチドが存在するときタンパク質の成熟(maturation)により開裂し成熟したポリペプチドを生じうる。E配列が存在するときN末端のシグナル配列を表わすはじめの50アミノ酸がポリペプチドからなくなりうる。
【0026】
さらに、本発明は、リファレンスによりここに組込まれる、1992年8月17日に出願された米国特許出願SN07/931,041の
−MDA−MB231ヒト胸部細胞系(human breast cell line)から単離された30kDのポリペプチド因子、または
−グリア細胞に対する形質転換されたラット、I−EJ線維芽細胞系から単離された35kDのポリペプチド因子、または
−SKBR−3ヒト胸部細胞系から単離された75kDのポリペプチド因子、または
−ラットI−EJ形質転換された線維芽細胞系から単離された44kDのポリペプチド因子、または
−活性化されたマウス腹膜マクロファージから単離された25kDのポリペプチド因子、または
−MDA−MB231ヒト胸部細胞から単離された45kDのポリペプチド因子、または
−グリア細胞に対するATL−2ヒトT細胞系から単離された7〜14kDのポリペプチド因子、または
−ウシ腎臓細胞から単離された25kDのポリペプチド因子、または
−脳から単離された42kD ARIAポリペプチド因子;0〜2Aの前グリア細胞(glial progenitor cells)を刺激する46〜47kDのポリペプチド因子;または
−43〜45kDのポリペプチド因子、GGFIII、175の筋細胞への適用により筋細胞を治療する方法を包含する。
【0027】
本発明はさらに、インビボおよびインビトロの筋細胞の治療に、EGFL1、EGFL2、EGFL3、EGFL4、EGFL5、およびEGFL6ポリペプチド、図37から42および配列含号150から155をそれぞれ用いる方法を包含する。
【0028】
また本発明には筋細胞の治療のための図44に示される配列のGGF2ポリペプチドの投与が包含される。
【0029】
本発明の追加の重要な観点は、
(a)約30kDから約36kDの分子量で、および1つまたはそれより多くの以下のペプチド配列をそのアミノ酸配列中に含む、胎児子ウシ血漿の存在下、グリア細胞分裂促進活性をもつことも知られているベーシックなポリペプチド因子:
Figure 0004018028
(b)約55kDから約63kDの分子量をもち、1つまたはそれより多くの以下のペプチド配列をそのアミノ酸配列中に含む、胎児子ウシ血漿の存在下グリア細胞分裂促進を刺激することも知られている筋細胞を治療するのに用いられるベーシックなポリペプチド因子:
Figure 0004018028
を用いる筋細胞の治療方法である。
【0030】
より小さな分子量のポリペプチド因子に、およびより大きな分子量のポリペプチド因子に由来する、前記したペプチド配列の使用のための方法はまた本発明の観点である。前記ペプチドに対するモノクローナル抗体はそれ自体有用な研究道具および治療薬である。
【0031】
したがって、本発明はさらに筋細胞を治療するのに有用な活性をもち、
(a)それぞれ図27A、27Bまたは27C、配列番号129〜131のいずれか1つに示されるDNA配列;
(b)図21、配列番号85に示されるDNA配列;
(c)図27A、配列番号129に示される配列のヌクレオチド281〜557によって示されるDNA配列;または
(d)(a)、(b)または(c)によるDNA配列のいずれか1つとハイブリダイズしうるDNA配列
によってコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチド因子を用いる方法を含む。
【0032】
筋細胞分裂促進剤としての以下の因子:
(a)ウシ脳下垂体材料からえられたばあい、還元コンディションであってもなくても、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動上で約30kDから約36kDのみかけ上の(observed)分子量をもち、筋細胞の分裂を刺激することを含む筋細胞分裂促進活性をもち、逆相HPLCを用いて単離されたばあい4℃で0.1%トリフルオロ酢酸における10週間のインキュベーションののち該活性の少なくとも50%を保つベーシックなポリペプチド因子;および
(b)ウシ脳下垂体材料からえられたばあい、非還元コンディション下、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動上約55kDから約63kDのみかけ上の分子量をもち、そのヒトの等価物がDNAクローンGGF2HBS5によってコードされ筋細胞分裂促進活性をもち逆相HPLCを用いて単離されたときに4℃ 0.1%トリフルオロ酢酸において4日間インキュベーションしたのち活性の少なくとも50%を保つベーシックなポリペプチド因子。
【0033】
したがって本発明のほかの重要な観点は以下の使用である:
(a)筋細胞の分裂を刺激することを含む細胞分裂促進活性をもつ一連のヒトおよびウシポリペプチド因子。これらのペプチド配列はそれぞれ図30、31、32および33、配列番号132〜133に示される。
(b)筋細胞の分裂を刺激することを含む細胞分裂促進活性をもち、Lupuら、Science 249:1552(1990);Lupuら、Proc.Natl.Acad.Sci USA 89:2287(1992);Holmesら、Science 256:1205(1992);Pelesら、69:205(1992);YardenおよびPeles Biochemistry 30:3543(1991);Dobashiら、Proc.Natl.Acad.Sci.88:8582(1991);Davisら、Biochem.Biophys.Res.Commun.179:1536(1991);Beaumontら、特許出願PCT/US91/03443(1990);Bottenstein、1/4/94に発行された、米国特許第5,276,145号;およびGreeneら、特許出願PCT/US91/02331(1990)に概説された手順にしたがい精製および特徴づけられた一連のポリペプチド因子。
(c)筋細胞の分裂を刺激することを含むグリア細胞分裂促進活性をもつポリペプチド因子(GGFBPP5)。アミノ酸配列は図31、配列番号144に示される。
【0034】
筋芽細胞をインビボまたはインビトロの筋細胞分裂促進剤として前記のポリペプチドに接触させることにより筋芽細胞の分裂促進を刺激する方法は本発明の特徴として包含される。
【0035】
また筋細胞治療は、発現しうる遺伝子構築物における前記のポリペプチド化合物をコードするDNAを投与することによっても達成しうる。ポリペプチドをコードするDNAは細胞へDNAを送達するための当該技術分野において知られている技術を用いて患者に投与されうる。たとえばレトロウイルスベクター、電気内孔法またはリポソームはDNAを送達するために用いうる。
【0036】
本発明は天然のソース(組織または細胞系)から抽出されたようなまたは組換え手段により調製されたようなタンパク質の先に挙げたファミリーの使用を包含する。
【0037】
特異的にp185erbB2受容体に結合する、ほかの化合物、とくにペプチドもまた筋細胞分裂促進剤として本発明にしたがって用いることができる。候補の化合物をルーチンにp185erbB2結合についてスクリーニングすることができ、もしそれが結合すれば、つぎにここに記載された方法を用いてグリア細胞分裂促進活性についてスクリーニングすることができる。
【0038】
本発明は重大な活性の低下を示さない先のポリペプチド因子のいかなる改変物または等価物の使用を包含する。たとえば、アミノ酸含有量(content)または配列が活性に実質的な悪影響なしに変更される改変は含まれる。よってここに含まれる効果および使用は、したがって本発明の一部である。改変されたまたは等価の因子を用いてこのような使用および効果をともなって組立てられるために記載される。
【0039】
先に記載されそれぞれ図30、31、32および33、配列番号132〜146に示されたヒトペプチド配列は、天然のソース(適当な組織から調製されたcDNAライブラリー)から全長の相補的DNA(cDNAS)として単離することができる、または当業者によって個々のエクソン(たとえば、別個のエクソンとして誘導された)をともなうDNA構築物として組立てることができる一連のスプライシング変異体を示す。
【0040】
本発明はまた先に定義されたようなポリペプチドを有効量投与することによる、筋細胞を治療するための、すなわち筋肉の分裂促進、筋発生、分化、または生存を誘導するための、医薬品を製造する方法を包含する。このような医薬品はポリペプチドを薬学上有効な担体とともに投与することによって製造される。
【0041】
本発明の別の観点は、それぞれ薬学的または獣医学的(veterinary)使用のために製剤化された先に定義された因子のいずれかからなる、適宜許容しうる希釈剤、担体または賦形剤(excipient)および/または単位投薬用量形態をともなう薬学上または獣医学上の製剤の使用である。本発明の因子を用いるばあい、通常の薬学的または獣医学上のプラクティスが適切な製剤または組成物を提供するために用いられうる。
【0042】
したがって、本発明の一部として用いるべき製剤は、非経口投与、たとえば静脈内、皮下、筋肉、眼窩内、眼科用、脳室内(intraventricular)、頭蓋内、嚢内、脊椎内(intraspinal)、槽内(intracisternal)、腹腔内、局所、鼻内、エアロゾル、乱切(scarification)投与、およびまた経口、頬側、直腸または腟投与に適用できる。
【0043】
また本発明の製剤は、本発明の方法に効果のあるポリペプチドをコードするDNAを発現する宿主細胞の患者への移植により、または本発明の製剤を放出する外科的インプラントの使用により投与されうる。
【0044】
非経口製剤は液体溶液(liquid solution)または懸濁液の形態であってもよく;経口投与のために、製剤は錠剤またはカプセル剤の形態であってもよく;鼻内製剤として粉末、点鼻液、またはエアロゾルの形態であってもよい。
【0045】
製剤を製造するために当該技術分野において公知の方法は、たとえば「Remington's Pharmaceutical Sciences」において知られている。非経口投与用の製剤は、たとえば賦形剤として滅菌水または滅菌生理食塩水、たとえばポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、野菜起源の油、または水素化されたナフタレンを含有してもよく、生体適合性、生体分解性の(biodegradable)のラクチドポリマー、またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマーを本因子の放出をコントロールするために用いてもよい。因子のためのほかの可能性のある非経口の送達システムはエチレン−ビニルアセテートコポリマー粒子、浸透ポンプ、インプラントできる注入システム、およびリポソームを含む。吸入用製剤は賦形剤として、たとえばラクトースを含んでもよく、またたとえばポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリコール酸塩およびデオキシコール酸塩を含有する水性溶液であってもよく、また点鼻液の形態、または鼻内に適用されるゲルとして投与するための油状溶液であってもよい。また非経口投与製剤も頬側投与のためにグリコール酸、直腸投与用にメトキシサリチル酸、または腟投与用にクエン酸を含有してもよい。
【0046】
本因子は単独の活性試薬として用いてもよく、またほかの活性成分、たとえば、神経学上の疾患においてニューロンの生存を容易にしうるであろうほかの成長因子、またはペプチダーゼまたはプロテアーゼ阻害剤と組合せて用いることができる。
【0047】
本発明の製剤における本因子の濃度は、投与される投薬量、および投与経路を含む、多数の問題に依存して変わるであろう。
【0048】
一般的な用語として、本発明の因子は、非経口投与のために約0.1から10%w/vの化合物を含有する水性生理学的緩衝液に提供されてもよい。一般的な用量範囲は1日あたり約1mg/kg体重から約1g/kg体重であり;好ましい用量範囲は1日あたり0.01mg/kg体重から約100mg/kg体重である。投与されるべき好ましい投薬量(dosage)は、取りくまれる(addressed)病理学的コンディションの進行のタイプと程度、患者の全身の健康、製剤の調合および投与経路に依存するであろう。
【0049】
本発明の方法に利用されるポリペプチド因子はまた標準的な技術につづく、たとえばモノクローナル抗体などの抗体を作製するために免疫原として用いることもできる。これらの抗体は、代って治療または診断目的で用いることができる。したがって、因子の正常でないレベルに起因する筋疾患に関係するであろうコンディションがこのような抗体を用いることにより追跡されうる。
【0050】
標準的な方法を用いる単離されたサンプルについてのアッセイを用いるときにインビトロの技術を用いることができる。抗体に、たとえば腫瘍のイメージングの当該技術分野のための技術を用いる体外にイメージされうる放射性アイソトープがつけられるイメージング方法も用いうる。
【0051】
本発明のさらなる一般的な観点は、好ましくは筋肉の疾患または障害の治療のための、医薬品の製造における本発明の因子の使用である。「GGF2」という名称はGGF−IIタンパク質に由来するペプチド配列データを用いてすでに単離されたすべてのクローン(すなわち、GGF2HBS5、GGF2BPP3)のために用いられ、単独で存在するとき(すなわちGGF2またはrhGGF2)、GGF−IIタンパク質に由来するペプチド配列データを用いて単離されるプラスミドによりコードされる組換えヒトタンパク質(すなわち、プラスミドHBS5からの昆虫細胞において生産されるような)を示すために用いられる。GGFHBS5クローンからの組換えヒトGGFをGGF2、rhGGF2およびGGF2HBS5ポリペプチドとよぶ。
【0052】
ここで用いられる治療(treating)とは筋細胞の分裂促進、生存および/または分化を増大する、および/または筋肉の委縮および変性を減らす目的でここに記載された化合物のいかなる投与も意味する。もっとも好ましくは治療は筋細胞の疾患または障害の徴症または進行を減少または衰えさせるためである。またここで用いられる治療は健康な個体における筋細胞を増加するまたは変えるために化合物を投与することを意味する。治療は前記のように、ここに記載された化合物に感受性のあるまたは反応する筋細胞の有効量の化合物との接触により成し遂げられうる。ここに記載された化合物の阻害剤も筋細胞増殖の疾患を停止するまたは遅らせるためにも用いうる。
【0053】
詳細な説明
本発明は、単離され精製されたニューレグリン因子およびこれらの因子をコードするDNA配列、これらの因子の筋肉外濃度を増加する制御化合物、およびインビボおよびインビトロの筋細胞の生存、分化および筋細胞分裂促進を誘導するこれらの因子の擬態(mimetics)である化合物の使用に適している。GGF/p185erbB2と結合するニューレグリンタンパク質をコードする遺伝子は多数の可変的にサイズ化され(variably-sized)、特異的にスプライスされる(differentially-spliced)RNA転写物を産生し、これらにより一連のタンパク質の増加(rise)が与えられるということは明らかである。これらのタンパク質は異なる長さのものであり、いくつかの共通のペプチド配列といくつかの独自のペプチド配列を含む。これらの因子が単一の遺伝子によってコードされるという結論は、ウシ下垂体後葉およびヒト胸部癌細胞(MDA−MB−231))から回収可能な特異的にスプライシングされたRNA配列によって支持される。この結論のさらなる支持は筋組織のための両分裂促進剤(ここに開示されたような)としておよびp185erbB2受容体のリガンド(以下参照)として作用するタンパク質のサイズ範囲から導き出される。
【0054】
GGF/p185erbB2結合タンパク質をコードする遺伝子は相同であるという事実を支持するさらなる証拠はヌクレオチド配列の比較からくる。Holmesら、(Science 256:1205-1210,1992)は受容体タンパク質p185erbB2と特異的に相互に作用する45キロダルトンのヒトタンパク質(ヘレグリン−α)の精製を論証する。Pelesら(Cell 69:205(1992))およびWenら(Cell 69:559(1992))は「ニュー分化因子(neu differentiation factor)」(NDF)と呼ばれるタンパク質をコードするラット細胞から単離された相補的DNAを記載する。NDFcDNAの翻訳産物はp185erbB2結合活性をもつ。いくつかのほかのグループがp185erbB2結合活性をもつ種々の分子量のタンパク質の精製を報告している。これらのグループはLupuら((1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:2287);YardenおよびPeles((1991) Biochemistry 30:3543);Lupuら((1990) Science 249:1552));Dobashiら((1991) Biochem. Biophys. Res. Comm. 179:1536);およびHuangら((1992) J. Biol. Chem. 257:11508-11512)を含む。
【0055】
我々はp185erbB2受容体結合タンパク質は筋細胞分裂促進を刺激し、したがって筋管形成(筋発生)を刺激することを見出した。この刺激により結果として筋芽細胞の形成の増大および筋管(筋発生)の形成の増大が起こる。ここに記載された化合物も筋肉の成長、分化、および筋細胞の生存の増大を刺激する。しかしながら、これらのリガンドは限定されないが、GGFの(GGF's)ニューレグリン、ヘレグリン、NDF、およびARIAを含む。この分裂促進活性の結果として、これらのタンパク質、これらのタンパク質をコードするDNA、および関連化合物は筋組織の外傷性のダメージまたは疾患にかかっている患者に投与されうる。分裂促進の目的で提供されるすべての方法は筋発生のために有用であると理解される。これらのリガンド(たとえば抗体またはペプチドフラグメントなど)の阻害剤は筋肉に由来する腫瘍の治療のために投与されうる。
【0056】
これらの化合物はここ(実施例9〜17)におよびHolmesら、Science 256:1205(1992);Pelesら、Cell 69:205(1992);Wenら、Cell 69:559(1992);Lupuら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:2287(1992);YardenおよびPeles、Biochemistry 30:3543(1991);Lupuら、Science 249:1552(1990);Dobashiら、Biochem. Biophys. Res. Comm. 179:1536(1991);Huangら、J. Biol. Chem. 257:11508-11512(1992);Marchionniら、Nature 362:313,(1993)に;およびここにリファレンスにより組込まれるすべてのGGF−III特許に記載されたプロトコルを用いてえることができる。これらの化合物の多くについて配列が提供され特徴が記載される。配列については図8〜11、20〜27C、29〜34、36〜44、および46を参照。タンパク質の特徴については図12〜19、28 35、45Aおよび45Bを参照。
【0057】
化合物は以下の実施例に提供された方法を用いてインビトロのそれらの有用性についてアッセイしうる。インビボの試験は実施例1およびSklarら、In Vitro Cellular and Developmental Biology 27A:433-434,1991に記載されたように行ないうる。
【0058】
ほかの実施の形態
本発明は、筋肉の分裂促進を誘導するためのほかの天然に生じるGGFポリペプチドに加えて図30(配列番号132〜143、156、1576〜147、160、および161)のコーディングセグメントと実質的に相同なタンパク質のいずれかの使用のための方法をも包含する。また対立遺伝子のアレル変異体(allelic variations);天然の突然変異体(mutants);誘導された突然変異体;天然に生じる核酸と高いまたは低いストリンジェンシーコンディション(stringency conditions)の下、ハイブリダイズするDNAによってコードされるタンパク質(高いおよび低いストリンジェンシーの定義については、リファレンスによりここに組込まれる、Current Protocols in Molecular Biology. John Wiley & Sons、New York、1989、6.3.1-6.3.6を参照)の使用;およびGGFポリペプチドに対する抗血清により特異的に結合されるポリぺプチドまたはタンパク質の使用が包含される。用語はまた筋肉の分裂促進の誘導のために図28からの配列からなるGGFポリペプチドを含むキメラポリペプチドの使用も含む。
【0059】
以下の、実施例8からわかるであろうように、本因子は細胞のタイプのある範囲に分裂促進活性を示す。製剤および/または医薬品またはそれらの製造に関連する先の本発明の一般的な記述は明確に適当な生産物および使用を包含するために組立てられるべきである。
【0060】
ここに記載される請求の範囲の追加の根拠を提供する一連の実験が続く。本発明に関連する以下の実施例は本発明を特定的に限定されるように組立てられるべきではなく、また本発明のこのような変異は現在知られておりのちに開発される。
【0061】
【実施例】
実施例は組換えヒトGGF2(rhGGF2)が第1代ヒト筋肉培養物に数種の効果を授与するという我々の発見を例証する。rhGGF2は筋肉培養物に対する3つの独立した生物学的活性アッセイにおける重大な効果をもつ。ポリペプチドはサブコンフルエントの静止した筋芽細胞の増殖により測定されるような分裂促進を増大し、成長因子の存在下コンフルエントの筋芽細胞により分化を増大し、染色除外の損失により測定されるような分化された筋管の生存を増大し、アセチルコリン受容体合成を増大した。これらの活性は、筋肉修復、再生、および筋肉変性に対する予防的効果を誘導する際のGGF2およびほかのニューレグリン類の有効性(efficacy)を示す。
【0062】
実施例1
筋芽細胞に対するrhGGFの分裂促進活性
クローンGGF2HBS5を、実施例14に記載したごとくに、組換えバクロウイルス感染昆虫細胞で発現させ、得られた組換えヒトGGF2を培養(40μl/mlで添加したならし培地)中の筋芽細胞に添加した。筋芽細胞(057A細胞)を24ウェル・ディッシュ中で前密集まで増殖させた。培地を除去し、40μl/mlの濃度にて、GGF2ならし培地と共にあるいはそれ無くして、0.5%胎児子ウシ血清を含有するDMEMで置き換えた。培地を2日後に交換し、細胞を固定し、5日後に染色した。合計核を、筋芽細胞における核数として計数した(表1)。
【0063】
【表1】
Figure 0004018028
【0064】
GGF処理した筋芽細胞は、分裂促進活性を示す未処理対照(395核)よりも増加した数の合計核(636核)を示した。rhGGF2処理した筋芽細胞は、未処理対照(204核)よりもかなり大きい数の核(381核)を有していた。かくして、rhGGF2は、増殖および細胞生存の増大を通じて、合計核数を増大させる。また、rhGGF2は筋管の形成も増強するようである。
【0065】
rhGGF2の分裂促進活性は、浸透圧ミニポンプを介してGGF2および[3H]チミジンをラット筋肉に継続的に供給することによってin vivoで測定することができる。筋肉のバルクは、処理の1および2週間後の湿重量によって決定される。DNA複製は、ShamおよびrhGGF2−処理筋肉におけるオートラジオグラフィー(Sklar et al., In Vitro Cellular and Developmental Biology 27A:433-434, 1991)のためにコーティングした後にセクション中の標識核を計数することによって測定される。また、脱神経筋をこれらの方法を介してこのラット動物モデルで調べたが、この方法は、筋肉の萎縮および修復におけるrhGGF2の役割の評価を可能とする。また、平均線維径を、萎縮の防止に対するFGFの効果を評価するのに使用することができる。
【0066】
実施例2
筋細胞分裂促進に対するrhGGF2の効果
休止初代クローン・ヒト筋芽細胞は前記したごとくに調製した(Sklar, R., Hudson, A., Brown, R., In vitro Cellular and Developmental Biology 1991; 27A:433-434)。休止細胞を、DMEM中の10μM BrdU、0.5%FCSの存在下で、示した試薬(rhGGF2ならし培地、メチルプレドニソロンを含むあるいは含まないPDGF、および対照培地)で処理した。2日後、細胞をPBS中の4%パラホルムアルデヒドで30分間固定し、70%エタノールで洗浄した。次いで、細胞を抗−BrdU抗体と共にインキュベートし、洗浄し、抗体結合をペルオキシダーゼ反応で可視化した。次いで、染色核の数を領域当たりにつき定量した。結果は、GGF2は対照よりも大きい、領域当たりの標識核の数の増大を誘導することを示す(表2参照)。
【0067】
【表2】
Figure 0004018028
【0068】
血小板由来成長因子(PDGF)を陽性対照として用いた。また、rhGGF2の他に、メチルプレドニソロン(コルチコステロイド)を用いたが、DNAの標識に有意な増加は示さなかった。
【0069】
また、均質(>95%純度)まで精製したrhGGF2は、ヒト筋芽細胞に対して分裂促進を示す(図1)。
【0070】
また、組換えヒトGGF2は、初代ヒト筋芽細胞の分裂促進を引き起こす(表2および図1参照)。分裂促進アッセイは前記したごとくに行う。次いで、BrdU陽性細胞の数を細胞の合計数で割ることによって有糸分裂指標が計算される。
【0071】
実施例3
筋細胞分化に対するrhGGF2の効果
筋肉培養分化に対する精製rhGGF2(95%純度)の効果を調査した(図2)。培地の血清含量を20%から0.5%まで低下させることによって、密集筋芽細胞培養を誘導して分化させた。テスト培養を、6日間、示した濃度のrhGGF2で処理し、培地を2日毎に新鮮なものとした。次いで、培養を固定し、染色し、核の数を1ミリリットル当たりで計数した。図2におけるデータは、対照に対する、rhGGF2が存在した場合における、筋管中の核数の大きな増加を示す。
【0072】
実施例4
分化した筋管の生存に対するrhGGF2の効果
分化した筋管の生存は、rhGGF2処理によって有意に増加した。筋肉培養をrhGGF2の存在下で分化させ、種々の時間において、死んだ筋管の数をヨウ化プロピジウム染色法によって計数した。図3から分かるように、死んだ筋管の数は、分化4、5、6および8日において、rhGGF2処理培養ではより低かった。筋管における核の数は、分化8日後、非処理培養と比較して、GGF2処理によって有意に増加した。特に、ギムザ染色の後に同一プレートで計数した場合、対照は8.6筋核/mm2を示したのに対し、rhGGF2処理培養は57.2筋核/mm2(P=0.035)を示した。
【0073】
また、筋肉培養に対して公知の効果を有する他の成長因子で生存アッセイを行った。rhGGF2効果は、テストした成長因子の中でユニークであった(図4)。この実験において、種々の成長因子の示した濃度にて、培養を、rhGGF2処理プレートと平行して処理した。筋管の生存は、057A筋芽細胞の分化8日後において前記したごとくに測定した。因子の濃度は以下の通りであった:
rhGGF2:100ng/ml;ヒト血小板由来成長因子;20ng/ml;ヒト塩基性線維芽細胞成長因子:25ng/ml;ヒト上皮成長因子:30ng/ml;ヒト白血球阻害因子:10ng/ml;ヒト・インスリン様成長因子I:30ng/ml;ヒト・インスリン様成長因子II:25ng/ml。
【0074】
分化した筋管の死滅からの観察された保護は、多数の筋疾患によって特徴付けられる筋肉の変性の関与に対する治療として希望が持てるものである。かくして、ニューレグリンの筋肉外濃度を増大させる薬剤は予防効果を有し得るか、あるいは筋肉消耗性障害の進行を遅延させ、および筋肉の分化、修復、コンディショニング、および再生の速度を増大させる。
【0075】
実施例5
rhGGF2は、 Duchenne 型筋ジストロフィー遺伝子座における遺伝欠陥を持つ分化筋管の生存を促進する
筋管生存に対するrhGGF2の陽性効果は、変性障害における可能な効力を反映し得た。筋管生存に対するこれらの効果を、クローン化に由来する初代デュシェーヌ(Duchenne)型筋芽細胞についてテストして、正常な筋肉培養で観察される応答が疾患に対する個体に由来する培養でも示され得るか否かを判断した。図5に示すデータは、正常個体で用いる同一筋肉培養条件(前記実施例4)を用いて得られた。rhGGF2は、対照と比較して、分化したDuchenne型筋肉培養において、死滅した筋管の数を有意に低下させた(p=0.032)。濃度は以下の通りであった:GGF2:100ng/ml;ヒト血小板由来成長因子:20ng/ml;ヒト・インスリン様成長因子I:30ng/ml。
【0076】
本実施例は、rhGGF2は分化したDuchenne型筋管の生存も促進し、rhGGF2はホ乳動物における筋肉の変性および消耗の進行を遅延しもしくは防止し得るという強力な証拠を提供する。
【0077】
実施例6
分化プログラムに対するrhGGF2効果:MHC slow およびジストロフィンタンパク質の誘導
培養溶解物のウェスタン分析によって、筋肉培養分化に対する精製rhGGF2の効果も調べた。筋特異的タンパク質のレベルを、三連処理および未処理培養で測定した。これらの培養を調製し、プレートのサイズを150mmまで増大し、筋肉培養層をSklar, R., およびBrown, R.(J. Neurol. Sci. 101:73-81, 1991)に記載されているごとくにウェスタン分析用に掻き落とした以外は前記したごとくに処理し、テストした。表Aに提示する結果は、rhGGF2処理が、ジストロフィン、ミオシン重鎖(MHC、成人スロー(slow)およびファスト(fast)アイソフォーム)を含めたいくつかの筋肉特異的タンパク質のレベルを増大させるが、HSP72またはMHCネオネイト(neonate)アイソフォームのレベルを、ウェスタンに負荷したタンパク質の量当たり同様のレベルまでは増大させないことを示す。rhGGF2によって誘導された筋肉特異的タンパク質のレベルは、筋核/mm2の数の定量的増加と同様であった(表3)。
【0078】
【表3】
Figure 0004018028
【0079】
成人ミオシン重鎖アイソフォーム(スローはタイプIヒト筋線維で見出され;ファストはタイプ2Aおよび2Bヒト筋線維で見出される)におけるrhGGF2依存性増加は、ネオネイタル(neonatal)アイソフォームがrhGGF2処理によって有意に増加されなかったので、筋管の成熟を表すであろう。ラット筋の発生の間に、MHCアイソフォームはフェイタル(fatal)形態からネオネイタルアイソフォームにスイッチし、続いて、成熟成人スローおよびファストMHCアイソフォームにスイッチする(Periasamy et al. J. Biol. Chem. 259:13573-13578, 1984; Periasamy et al., J. Biol. Chem. 260:15856-15862, 1985;Wieczorek et al. J. Cell Biol. 101:618-629, 1985)。筋肉は、神経細胞もしくは組織の不存在下で、これらのアイソフォームの変換のうちのいくつかを自律的に受け得るが、マウス筋外植体はマウス脊髄の存在下で培養した場合のみ成人ファストMHCアイソフォームを発現する(Ecob-Prince et al. J. Cell Biol. 103:995-1005, 1986)。MHCアイソフォーム変換が神経によって影響されるというさらなる証拠がWhalen et al.(Deve. Biol. 141:24-40, 1990)によって確立され;ノテキシン処理ラットヒウメ筋の再生の後、成人ファストMHCアイソフォームの変換が新しい脱神経筋で産生されたが、神経支配再生筋はファストおよびスロー成人MHCアイソフォームを共に産生した。かくして、rhGGF2は成人MHCアイソフォームの合成を増加させるという表3における証拠は、rhGGF2が、ニューロン神経支配を模擬し得る筋肉の発生的成熟を誘導し得ることを示す。
【0080】
実施例7
rhGGF2を含めたニューレグリンは筋肉におけるアセチルコリン受容体の合成を誘導する
アセチルコリン受容体(AchR)サブユニットタンパク質の発現は筋細胞をニューレグリンに暴露することによって誘導できる。より詳しくは、本発明者らは、筋細胞をrhGGF2と接触させることはAchRサブユニットタンパク質の合成を誘導できることを示した。rhGGF2暴露に続くこの誘導は、2つの方法で観察された:まず、本発明者らは、レポーター遺伝子構築物の産物を介してヒト成長ホルモンの発現の増加を検出し、第2に、本発明者らは、アルファ−ブンガロトキシンの細胞への結合の増加を検出した。
【0081】
以下の例では、マウス筋芽細胞系C2を用いた。C2細胞は、ヒト成長ホルモン全長cDNAに連結したマウスのAChRデルタサブユニット遺伝子の5’調節配列を含有するトランスジーンでトランスフェクトした(Baldwin and Burden, 1988. J. Cell Biol. 107:2271-2279)。このレポーター構築物は、培地に分泌された成長ホルモンの量をアッセイすることによってAChRデルタ遺伝子の発現の誘導の測定を可能とする。該系は、培地中の血清濃度を20%から0.5%に低下させることによって誘導して筋管を形成することができる。
【0082】
特に、AChR−ヒト成長ホルモンレポーター構築物でトランスフェクトしたマウスC2筋芽細胞を、rhGGF2での処理に続くhGHの発現につきアッセイした。2つの別々の実験の結果を表4ならびに図6(hGH発現)および7(hGH発現およびアルファ−ブンガロトキシン結合)にまとめる。示したのは、分泌されたヒト成長ホルモンについての、およびrhGGF2で処理した筋肉培養からのブンガロトキシン結合についての、用量応答曲線である。
【0083】
【表4】
Figure 0004018028
【0084】
C2筋管を37℃にて1時間、冷したα−BTX(20nM)で処理し、培地で2回洗浄し、次いで、GGF2で処理した。培地を1mg/mlの濃度のウシ血清アルブミンで調整した。24時間後、培地を取り出し、hGHアッセイのために保存した。37℃にて、筋肉培養を125I−α−BTX(20nM)で1時間処理し、洗浄し、1%SDSを含有するPBS中に掻き入れた。非特異的結合は冷したα−BTX(40nM)の存在下で測定した。細胞ホモジネートを放射能につき計数し、合計タンパク質量についてアッセイした。
【0085】
rhGGF2の存在は、hGH遺伝子発現の増加を2倍以上に導き、それにより、rhGGF2はアセチルコリン受容体のデルタサブユニットの合成を誘導したことが示される。さらに、増大したブンガロトキシン結合は、これらのサブユニットタンパク質の機能的アセチルコリン受容体への取込みと一致する。これらのデータの解釈を補強するために、rhGGF2に応答するはずのない、メタロチエン・プロモーターに連結されたhGHレポーターを有する培養で、分析を繰り返した。その対照実験の結果は、hGH応答はAchRデルタサブユニット遺伝子対照エレメントの転写活性化を通じて媒介されることを示した。
【0086】
これらの結果は、rhGGF2が、自己免疫疾患重症筋無力症のための治療の一部としてAchRsを補給するのに有用であり得ることを示す。また、この活性は、筋肉の再神経支配の鍵となる工程を刺激することによって末梢神経再生およびニューロパシーの治療に有用であり得る。
【0087】
実施例8
精製されたGGF−IおよびGGF− II のさらなる分裂促進活性
単一のミクロ培養をDNA合成、細胞形態学、細胞数および細胞抗原の発現について調査されるのを可能とする定量的方法を用いて、GGFIおよびIIを共に含有する高度に精製された試料の分裂促進活性を実験した。この技術はMuir et al.,(Analytical Biochemistry 185, 377-382, 1990)によって従前に報告されている方法を改変した。主な改変は、1)未被覆マイクロタイタープレートの使用、2)ウェル当たりの細胞数、3)10%子ウシ血清(FCS)の代わりの5%子ウシ血漿(FBP)の使用、および4)同時に培養に添加した、分裂促進剤およびブロモデオキシウリジン(BrdU)の存在下におけるインキュベーション時間である。加えて、固定前に細胞単層を洗浄しないで、細胞の喪失を回避し、マウス抗−BrdUモノクローナル抗体およびペルオキシダーゼ結合ヤギ抗−マウス免疫グロブリン(IgG)抗体のインキュベーション時間を2倍にしてアッセイの感度を増大させた。細胞培養条件に対して適当な改変を加えた後、ラット坐骨神経シュワン細胞について最適化したアッセイもいくつかの細胞系で用いた。
【0088】
I.分裂促進テストの方法
第1日目に、精製したシュワン細胞を、5%FBP/ダルベッコの改良イーグル培地(DMEM)(5,000細胞/ウェル)中の未被覆96ウェルプレートに平板培養した。第2日目に、GGFまたは他のテスト因子、ならびに最終濃度10μmのBrdUを培養に添加した。48時間後(第4日)に、培地にアスピレーターをかけることによってBrdUの取込みを停止させ、室温にて70%エタノールの200μl/ウェルで20分間細胞を固定した。次に、細胞を水で洗浄し、37℃にて2N HCl 100μlで10分間インキュベートすることによってDNAを変性させた。アスピレーションに続き、ウェルに0.1Mホウ酸緩衝液(pH9.0)を満たすことによって残存する酸を中和し、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。次いで、細胞を50μlのブロッキング緩衝液(0.1%トリトンX 100および2%正常ヤギ血清を含有するPBS)で37℃にて15分間処理した。アスピレーションの後、マウス抗−BrdUモノクローナル抗体(Dako Corp., Santa Barbara, CA)(50μl/ウェル、ブロッキング緩衝液に希釈した1.4μg/ml)を添加し、37℃で2時間インキュベートした。0.1%トリトンX−100を含有するPBS中で3回洗浄することによって未結合抗体を除去し、ペルオキシダーゼ−結合ヤギ抗−マウスIgG抗体(Dako Corp., Santa Barbara, CA)(50μl/ウェル、ブロッキング緩衝液に希釈した2μg/ml)を添加し、37℃で1時間インキュベートした。PBS/トリトン中で3回洗浄し、PBS中で最後に濯いだ後、0.05%可溶性クロモゲンo−フェニレンジアミン(OPD)および0.02%H22を含有する50mMリン酸/クエン酸緩衝液(pH5.0)の100μl/ウェルをウェルに与えた。各ウェルからの80μlを、2N硫酸の40μl/ウェルを含有する清浄なプレートにピペットで加えることによって、室温にて5〜20分後に反応を停止させた。プレートリーダー(Dynatech Labs)を用い、490nmで吸光度を記録した。細胞単層を含有するアッセイプレートをPBSで2回洗浄し、基質ジアミノベンジジン(DAB)の100μl/ウェルおよび0.02%H22を添加して不溶性生成物を生じさせることによってBrdU−DNAについて免疫細胞化学的に染色した。10〜20分後、水で洗浄することによって染色反応を停止させ、倒立顕微鏡を用いてBrdU−陽性核を観察し、計数した。場合によっては、陰性核が0.001%トルイジンブルーでカウンター染色され、前記したごとくに計数した。
【0089】
II .分裂促進アッセイで用いた細胞系
スウィス(Swiss) 3T3 線維芽細胞:空気中10%CO2の湿潤雰囲気中、37℃にて、フロー・ラブズ(Flow Labs)からの細胞を、10%FCS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを補足したDMEM中で維持した。細胞に栄養を与え、2日毎に継代培養した。分裂促進アッセイのために、完全培地中5,000細胞/ウェルの密度にて細胞を平板培養し、細胞が密集し休止するまで1週間インキュベートした。血清含有培地を取り出し、細胞単層を無血清培地で2回洗浄した。分裂促進剤および10μMのBrdUを含有する無血清培地100μlを各ウェルに添加し、48時間インキュベートした。GGFおよび血清またはPDGF(陽性対照として)に対する用量応答を行った。
【0090】
BHK(ベビーハムスター腎臓)21 C13線維芽細胞:空気中5%CO2の湿潤雰囲気中、37℃にて、5%トリプトーゼホスフェートブロス、5%FCS、ペンシリンおよびストレプトマイシンを補足したグラスゴウ改良イーグル培地(GMEM)中で、ユーロピーアン・コレクション・オブ・アニマル・セル・カルチャーズ(European Collection of Animal Cell Cultures)(ECACC)からの細胞を維持した。細胞に栄養を与えるか、あるいは2日ないし3日毎に継代培養した。分裂促進アッセイのために、完全培地中2,000細胞/ウェルの密度で細胞を24時間平板培養した。次いで、血清含有培地を取り出し、無血清培地で洗浄した後、0.1%FCS含有GMEMまたはGMEM単独100μlで置き換えた。GGFおよびFCSまたはbFGF(陽性対照として)を添加し、10μM BrdUと一致させ、48時間インキュベートした。次いで、細胞培養をシュワン細胞について前記したごとく加工した。
【0091】
C6ラット膠腫細胞系:空気中10%CO2の湿潤雰囲気中、37℃にて、5%FCS、5%ウマ血清(HS)、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含有するDMEM中で、39継代で得られた細胞を維持した。細胞に栄養を与えるか、あるいは3日毎に継代培養した。分裂促進アッセイのために、完全培地中2,000細胞/ウェルの密度で細胞を平板培養し、24時間インキュベートした。次いで、無血清培地中で洗浄した後、1:1のDMEMおよび0.1%FCS含有F12培地の混合物で置き換えた。次いで、GGF、FCSおよびαFCFに対する用量応答を行い、他の細胞型について前記したごとくに細胞をELISA法により加工した。
【0092】
PC12(ラット副腎クロム親和性細胞腫細胞):空気中5%CO2の湿潤雰囲気中、37℃にて、コラーゲン被覆フラスコ中、10%HS、5%FCS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを補足したRPMI 1640中で、ECACCからの細胞を維持した。培地の80%を置き換えることによって、3日毎に細胞を栄養を与えた。コラーゲン被覆プレート(50μl/ウェルコラーゲン、Vitrogen Collagen Corp.、1:50希釈、37℃で30分間)上、完全培地中3,000細胞/ウェルの密度にて細胞を平板培養し、24時間インキュベートした。次いで、新鮮なRPMI単独または1mMインスリンもしくは1%FCSを含有する新鮮なRPMIで培地を置き換えた。陽性対照としてのFCS/HS(1:2)に対するおよびGGFに対する用量応答を前記したごとくに行った。48時間後、細胞を固定し、前記したごとくELISA法を行った。
【0093】
III .分裂促進アッセイの結果
本実施例に示したすべての実験は、GGF−IおよびGGF−II(GGFs)の混合物を含有するセファロース12クロマトグラフィー精製工程からの高度に精製した試料を用いて行った。
【0094】
まず、BrdU取込みアッセイで得られた結果を、J. P. Brockes(Methods Enzymol. 147:217, 1987)によって記載されている、分裂細胞のDNAへの[125]I−UdR取込みに基づいてシュワン細胞についての古典的分裂促進アッセイと比較した。
【0095】
図12は、同一細胞培養条件(5,000細胞/ウェル、5%FBP/DMEM中、GGFの存在下で48時間インキュベート)で行った、2つのアッセイで得られたデータの比較を示す。明らかに示されるごとく、結果は同等であるが、グラフの左側、すなわちGGFの低濃度への曲線のシフトによって示されるごとく、BrdU取込みアッセイは、わずかにより感度が良好のようである。
【0096】
「分裂促進テスト方法」のセクションで述べたごとく、OPDペルオキシダーゼ反応の可溶性生成物の強度を読むことによって免疫反応性BrdU−DNAを定量した後、細胞単層を含有するオリジナルのアッセイプレートは第2の反応を受けて不溶性DAB生成物が生じ、これはBrdU陽性核を染色する。次いで、ミクロ培養を倒立顕微鏡で調査でき、細胞の形態学およびBrdU−陽性および陰性核の数を観察できる。
【0097】
図13Aおよび図13Bにおいて、490nmにおける吸光度を読むことによって評価したBrdU−DNA免疫反応性を、同一培養で計数した、BrdU−陽性核の数に対して、ウェル当たりの細胞の合計数に対するBrdU−陽性核のパーセンテージに対して比較する。標準偏差は10%未満であった。2つの評価方法は非常に良好な相関を示し、最高用量のGGFにおける値間の矛盾は、BrdU−陽性として検出された細胞におけるDNA合成の異なる程度によって説明できる。
【0098】
従って、BrdU取込みアッセイは、(125)I−UdR取込みアッセイと比較した場合、シュワン細胞上のポリペプチドの生物学的活性についてのさらなる有用な情報を提供できる。例えば、図15に報告するデータは、GGFはシュワン細胞に作用してDNA合成を誘導できるが、より低用量では、48時間後にミクロ培養中に存在する陰性細胞の数を増加させることができることを示す。
【0099】
該アッセイを異なる起源のいくつかの細胞系に用いた。図15において、GGFに対するシュワン細胞およびSwiss 3T3線維芽細胞の分裂促進応答を比較した;3T3線維芽細胞で得られた弱い応答にも拘わらず、いくつかの明瞭にBrdU−陽性の核がこれらの培養で検出された。FCSまたはヒト組換えPDGFのいくつかの用量の存在下で、対照培養を平行して行い、細胞は適当な刺激に対して応答し得ることが示された(図示せず)。
【0100】
BHK21 C13細胞系を用いて、GGFに応答する線維芽細胞の能力をさらに調べた。腎臓由来のこれらの線維芽細胞は接触阻止を示さないか、あるいは密集した場合には休止状態に達する。従って、細胞活性を危うくすることなく非常に低いバックグラウンド増殖を有するように実験条件を設計した。図16および図17によって示されるごとく、GGFは、BHK21 C13細胞に対する有意な分裂促進活性を有する。図16は、0.1%FCSの存在下でGGFによって刺激されたBHK 21 C13細胞によるBrdUのDNAへの取込みを示す。FCSに対する良好な分裂促進応答は、細胞培養条件が限定的でないことを示す。図17において、GGFの分裂促進効果は、ウェル当たりの、BrdU−陽性およびBrdU−陰性の数として、および計数した細胞の合計数として表す。データは、二連で行った2つの実験の代表であり;ウェル当たり少なくとも3つのフィールドを計数した。低用量における増殖効果に加えてシュワン細胞で観察されたごとく、GGFはまた非応答性細胞の生存数を増加させる。BrdU陽性細胞のパーセンテージは培地に添加したGGFの増加する量に比例する。高濃度のGGFの存在下における48時間後における細胞の合計数は少なくとも2倍となり、GGFはBHK21 C13細胞でDNA合成および増殖を誘導することが確認される。同一条件下、2%FCSの存在下で48時間維持した細胞は約6倍の増加を示した(図示せず)。
【0101】
C6膠腫細胞は、グリア細胞特性を研究する有用なモデルを提供した。発現された表現型は、細胞の継代に依存するらしく、細胞は初期段階における星状膠細胞の表現型、および後の段階における(継代70を超える)稀突起膠細胞の表現型によく似ている。これらの実験で用いたC6細胞は継代39ないし継代52のものであった。C6細胞は高度に増殖性の集団であり、従って、BrdU取込みの非常に低いバックグラウンドを有するように実験条件を最適化した。FCSに対する用量応答によって示されるごとく(図18)、分裂促進応答に有意に影響することなく、細胞活性を維持するのに0.1%の血清の存在が必要であった。
【0102】
図19において、aFGF(酸性線維芽細胞成長因子)およびGGFに対する分裂促進応答は、FCS(8%)の存在下で得られた最大BrdU取込みのパーセンテージとして表す。値は、二連で行った2つの実験の平均である。GGFの効果はaFGFの純粋な調製物のそれに匹敵するものであった。aFGFはC6細胞に特異的な成長因子として記載され(Lim R. et al., Cell Regulation 1:741-746,1990)、その理由で、それは陽性対照として用いられた。BrdU陽性および陰性細胞の直接計数は、ミクロ培養における高細胞密度のため可能ではなかった。これまで報告した細胞系とは対照的に、PC12細胞は、PC12が血清(細胞の維持にルーチン的に使用されるFCSまたはHSの混合物)に応答できる培養条件下で処理する場合、GGFSに対するいずれの明らかな応答性も示さなかった。それにも拘わらず、ウェル当たりの平板培養した細胞の数はPC12細胞の挙動に影響を与えるらしく、従って、さらなる実験が必要である。
【0103】
実施例9
精製したGGF−IおよびGGF− II のアミノ酸配列
アミノ酸配列分析実験は、高度に精製したウシ下垂体GGF−IおよびGGF−IIを用いて行った。配列を記載するのに通常の一文字コードを用いた。ペプチドは、11%SDS−PAGEの55−65RD領域から流出(前記したマーカーに対するMW)した物質について行ったGGF−IIのリシルエンドペプチダーゼ消化を用い、還元しカルボキシメチル化した試料につき行った、リシルエンドペプチダーゼおよびプロテアーゼV8消化によって得られた。
【0104】
合計21のペプチド配列(図8、配列番号1〜20、165参照)がGGF−Iにつき得られ、そのうち12のペプチド(図9、配列番号1、22〜29、17、19および32参照)が現在のタンパク質データベースには存在せず、従って、ユニークな配列を表す。合計12のペプチド配列(図10、配列番号42〜50および161−163)がGGF−IIについて得られ、そのうち10のペプチド(図11、配列番号42〜50)が現在のタンパク質データベースに存在せず、従って、ユニークな配列を表す(例外は、少数の残基であれば恐らくは重要でない多くのタンパク質において同一の配列を示すペプチドGGF−II 06である)。これらの新規な配列は、GGFIおよびIIの真実のアミノ酸配列の一部に極めて対応しているようである。
【0105】
明らかに高度に関連する、GGF−I 07およびGGF−II 12の配列に特別の注意を払うことができる。類似性は、これらのペプチドの配列は、ほとんど確かに割り当てられたGGF種のものであり、汚染タンパク質に由来するものではほとんどないようであることを示す。
【0106】
加えて、ペプチドGGF−II 02において、配列X S Sは、Xで示される位置のアスパラギン上のN結合カルボヒドレート残基の存在と合致する。
【0107】
一般に、図8および10において、Xは未知の残基を表し、これは、配列決定サイクルには同等のサイズの1を超えるシグナルがあるか、あるいはシグナルが存在しないので、単一の位置が確実性を持って呼ばれない配列決定サイクルを示す。星印は、最後であると考えられるアミノ酸がそのペプチドに存在する最後のアミノ酸であるペプチド示す。残りのペプチドにおいて、最後であると考えられるアミノ酸の後のシグナル強度は、配列の命名をそのペプチド末端まで継続するのに不十分であった。右側のカラムは、NBRFおよびEMBL配列データベースを分析するためのGCGパッケージFASTAおよびTFASTAプログラムを用いたコンピューターデータベースサーチの結果を示す。このカラムにおけるタンパク質の名称は、その配列の一部の、最大2つのミスマッチを可能とすると考えられるペプチドアミノ酸配列との同一性を示す。疑問符は3つの可能なミスマッチを示す。用いた略字は以下の通りである。
HMG−1 高移動性群タンパク質−1
HMG−2 高移動性群タンパク質−2
LH−アルファ 黄体形成ホルモンアルファサブユニット
LH−ベータ 黄体形成ホルモンベータサブユニット
【0108】
実施例10
GGF−IおよびGGF− II ペプチドを含有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列の単離およびクローニング
GGF−IIヌクレオチド配列の単離およびクローニングは、ペプチド配列情報およびライブラリースクリーニングを用い、ここに概略を述べるごとく行い、また、後記するごとくに行った。図10および11のペプチドは、GGF−I配列の単離およびクローニング、続いてのここに記載する技術についての出発点として用いることができるのが認識されよう。事実、図20、配列番号51〜84は、この目的のための可能な変性オリゴヌクレオチドプローブを示し、図22、配列番号86〜115は、可能なPCRプライマーをリストする。DNA配列およびポリペプチド配列はGGF−IIに関しこの手段によって得られるはずであり、また、DNA構築物およびかかるDNA配列を一体化させる発現ベクター、かかる構築物/ベクターを一体化させることによって遺伝的に改変された宿主細胞、およびかかる宿主細胞を培養することによって得られるタンパク質も同様である。本発明はかかる主題にも関する。
【0109】
I.オリゴヌクレオチドプローブおよびプライマーの設計および合成
変性DNAオリゴマープローブは、(精製GGFタンパク質から生成したペプチドに由来する)アミノ酸配列をヌクレオチド配列に逆翻訳することによって設計した。オリゴマーは、DNA配列のコーディング鎖または非コーディング鎖いずれかを表す。セリン、アルギニンまたはロイシンがオリゴマー設計に含まれる場合、2つの別々の合成物を調製して不明確さを回避した。例えば、セリンは537および538または609および610におけるごとくTCNまたはAGYによってコードされた。同様のコドン分裂がアルギニンまたはロイシンでなされている(例えば、544、545)。DNAオリゴマーは、0.2マクイロモル規模の合成で働くβ−シアノエチル化学を用い、バイオサーチ(Biosearch)8750 4−カラムで合成した。オリゴマーをカラム(500オングストロームCpG樹脂)から切断し、55〜60℃で6〜24時間濃水酸化アンモニウム中で脱保護した。脱保護オリゴマーを真空下(Speedvac)で乾燥し、15%アクリルアミド(20モノ:1ビス)のゲル、7M尿素を含有する50mMトリス−EDTA緩衝液にての電気泳動によって精製した。UVシャドウイングによって、ゲル中にて全長オリゴマーを検出し、次いで、バンドを切り出し、振とうしつつ4〜16時間、DNAオリゴマーを1.5mlずつの水に溶出させた。溶出物を乾燥し、0.1mlの水に再溶解させ、吸光度測定を260nmで行った。
【0110】
濃度は以下の式に従って求めた。
(A260xユニット/ml)(60.6/長さ=xμM)
【0111】
すべてのオリゴマーを水の添加によって50μM濃度に調整した。
【0112】
前記のごとく設計した変性プローブを図20、配列番号54〜88に示す。
【0113】
PCRプライマーは、以下の改変を施した、プローブで用いたものと実質的に同一の方法によって調製した。制限部位を含有する13のヌクレオチドのリンカーを、ベクターにクローニングするのに用いるため縮重オリゴマーの5’末端に含ませた。DNA合成は、1,000オングストロームCpG樹脂を用いて1マイクロモルの規模で行い、すべての4種のヌクレオチドが通常は縮重プローブに一体化される位置でイノシンを用いた。PCRプライマーの精製は、ゲル電気泳動精製に続いてのエタノール沈殿を含むものであった。
【0114】
II .ライブラリー構築およびスクリーニング
ウシゲノムDNAライブラリーはStratagene(カタログ番号:945701)から購入した。該ライブラリーはベクターラムダDashIIにクローン化した2×10615〜20kb Sau3Al部分ウシDNA断片を含有するものであった。ウシ全脳cDNAライブラリーはClonetech (カタログ番号:BL10139)から購入した。相補DNAラブラリーは、ウシ全脳、ウシ下垂体およびウシ下垂体後葉から調製したmRNAから構築した(ヴァイトロジェン(Vitrogen)中:ストラタジーン(Stratagene))。Vitrogen調製した2つのcDNAライブラリーにおいて;1のライブラリーはベクターラムダg10におけるものであり、他のライブラリーはベクターpcDNAIにおけるものであった(プラスミドライブラリー)。ストラタジーン(Stratagene)ライブラリーはベクターラムダ ユニザップ(unizap)にて調製した。集合的に、cDNAライブラリーは1400万の一次組換えファージを含有するものであった。
【0115】
プレート当たり150,000ないし200,000ファージプラークにて、ウシゲノムライブラリーを23×23cmのプレート(Nunc)上の大腸菌K12宿主株LE392に平板培養した。各プレートは、約1のウシゲノム当量を示した。37℃における一晩のインキュベーションの後、該プレートを冷却し、Maniatis et al.(2:60-81)の手法に従って複製フィルターを調製した。4つのプラークリフトを各プレートから非荷電ナイロン膜(Pall Biodyne A またはMSI Nitropure)に調製した。UV光の下で5分間架橋させるか、あるいは80℃、真空下で2時間加熱することによってDNAを該膜に固定化した。供給業者の仕様に従い、ガンマ32P ATP(New England Nuclear:6500Ci/ミリモル)と共にT4ポリヌクレオチドキナーゼ(New England Biolabs)を用いてDNAプローブを標識した。略言すれば、37℃にて、600μCiガンマ32P−ATPおよび5ユニットのT4ポリヌクレオチドキナーゼの存在下で、50ピコモルの縮重DNAオリゴマーを30分間インキュベートした。反応を終結させ、ゲル電気泳動負荷緩衝液を添加し、次いで、電気泳動によって放射性同位体標識プローブを精製した。32P標識プローブをゲルスライスから切り出し、水中に溶出させた。別法として、SchowalterおよびSommer, Anal. Biochem 177:90-94 (1989)のプロトコルに従ってα−32P−dATPまたはα−32P dCTPを一体化することによって、DNAプローブをPCR増幅を介して標識した。PCR反応で標識したプローブを、セファデックスG−150カラムで脱塩することによって精製した。
【0116】
GMC緩衝液(0.52M NaPi、7%SDS、1%BSA、1.5mM EDTA、0.1M NaCl 10mg/ml tRNA)中でプレハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーションを行った。洗浄は、オリゴウォッシュ(oligowash)(160ml 1M Na2HPO4、200ml 20%SDS、8.0ml 0.5M EDTA、100ml 5M NaCl、3632ml H2O)中で行った。典型的には、10のウシゲノム当量の複製コピーを表す20のフィルター(各々400sq.センチメーター)を、100ピコモルの縮重オリゴヌクレオチドプローブ(128〜512倍縮重)を含む200mlのハイブリダイゼーション溶液中でインキュベートした。ハイブリダイゼーションは、縮重プローブについて計算した最小融解温度の5℃以下で一晩起こさせた。最小融解温度の計算は、AT対につき2℃を、GC対につき4℃を見積もっている。
【0117】
フィルターは、ハイブリダイゼーション温度で反復して交換したオリゴウォッシュ中で4ないし5時間、および最後には、DNAプローブ長に応じた温度にて1%SDS中、3.2M塩化テトラメチルアンモニウムで30分間2回洗浄した。20量体については、最終洗浄温度は60℃であった。フィルターを取り付け、次いで、増感スクリーン(Dupont Cronex Lightening Plus)を用いてX−線フィルム(Kodak XAR5)に暴露した。通常、−80℃における3日ないし5日間のフィルム暴露が、これらのライブラリースクリーンにおける二連シグナルを検出するのに十分であった。結果の分析に続き、フィルムをストリップし、再プローブできる。フィルターは、10mM EDTA(pH8)を含有する1%SDSの溶液中、フルパワーのマイクロ波オーブン中での15分間の2回の連続的サイクルを通じてインキュベートすることによってストリップした。少なくとも3ないし4サイクルのストリッピングおよび種々のプローブでの再プロービングによりフィルターを採取した。
【0118】
III .組換えファージの単離、増殖およびDNA調製
これらの手法は組換えDNA法で記載されている標準的なプロトコルに従うものであった(Maniatis et al 2:60-2:81)。
【0119】
IV .DNA消化およびサザーンブロットを用いる単離したクローンの分析
制限エンドヌクレアーゼ供給業者(New England Biolabs)によって推奨される条件に従い、組換えファージDNA試料(2マイクログラム)を消化した。37℃における4時間のインキュベーションに続き、0.1M酢酸ナトリウムおよび3容量のエタノールの存在下で、反応生成物を沈殿させた。沈殿させたDNAを遠心によって収集し、75%エタノール中で濯ぎ、乾燥した。すべての懸濁した試料をアガロースゲルに負荷した(典型的には、TAE緩衝液;0.04Mトリスアセテート、0.002M EDTA中1%)。1センチメーター当たり1ボルトにて4ないし20時間、ゲルを泳動させた。マーカーはラムダHind III DNA断片および/またはφX174HaeIII DNA(New England Biolabs)を含むものであった。ゲルを0.5マイクログラム/mlの臭化エチジウムで染色し、写真を撮った。サザーンブロッティングについては、0.125N HClでの処理によってDNAをまずゲル中で脱プリン化し、0.5N NaOHで変性し、20×SSC(3M塩化ナトリウム、0.03Mクエン酸ナトリウム)中にて非荷電ナイロン膜に移した。ブロッティングは6時間から24時間まで行い、次いで、0.5トリスHCl pH7.5、0.15M塩化ナトリウム中で中和し、次いで、50mMトリス−ホウ酸EDTA中で簡単に濯いだ。
【0120】
架橋については、フィルターをまず透明プラスチックラップに包み、次いで、DNA側を紫外光に5分間暴露した。ハイブリダイゼーションおよび洗浄はライブラリーのスクリーニングについて記載したごとくに行った(本実施例のセクション2参照)。同様の遺伝子が他の種に存在するか否かを判断するためのハイブリダイゼーションのためにわずかに修飾を施した。DNAフィルターはコロネテック(Clonetech)(カタログ番号7753−1)から購入し、それは、レーン当たり種々の種からのEcoRI消化DNAを5マイクログラムを含有するものであった。前記したセクション2に記載したごとくPCR増幅反応によってプローブを標識し、ハイブリダイゼーションは、10%硫酸デキストランを含有する80%緩衝液B(2gのポリビニルピロリドン、2gのFicoll−400、2gのウシ血清アルブミン、50mlの1Mトリス−HCl(pH7.5)、58gのNaCl、1gのピロリン酸ナトリウム、10gのドデシル硫酸ナトリウム、950mlのH2O)中で行った。プローブは、10分間煮沸し、次いで、氷水中で迅速に冷却することによって変性した。プローブを、1ml当たり106dpm32Pのハイブリダイゼーション緩衝液に添加し、60℃で一晩インキュベートした。フィルターを、60℃でまず緩衝液B中で、続いて2×SSC、0.1%SDS、次いで1×SSC、0.1%SDS中で洗浄した。高ストリンジェンシーについては、実験、最終洗浄を0.1×SSC、1%SDS中で温度を65℃まで上昇させて行った。
【0121】
サザーンブロットデータを用いて、ゲノムクローンの制限地図を作成し、いずれのサブ断片がGGFプローブにハイブリダイズしたかを示した(サブクローニングのための候補)。
【0122】
V.ハイブリダイゼーションプローブに相同なDNAのセグメントのサブクローニング
DNA消化物(例えば、5マイクログラム)を1%アガロースゲルに負荷し、次いで、適当な断片を染色後のゲルから切り出した。ガラスビーズへの吸着および供給業者(Bio 101)によって記載されているプロトコルを用いる溶出によってDNAを精製した。回収したDNA断片(100〜200ng)を、T4リガーゼ(New England Biolabs)を用い、pCU18の誘導体である線状化脱リン酸化ベクター、例えばpT3T7(Ambion)に連結した。このベクターは大腸菌βラクタマーゼを担持し、よって、形質転換体はアンピシリンを含有するプレートで選択できる。また、該ベクターは、β−ガラクトシダーゼ相補性を宿主細胞に供給し、従って、非組換体(ブルー)はイソプロピルチオガラクトシダーゼおよびBluogal(Bethesda Research Labs)を用いて検出できる。連結反応の一部を用いて、大腸菌K12 XLl blueコンピテント細胞(ストラタジーン(Stratagene)カタログ番号:200236)を形質転換し、次いで、アンピシリン1ml当たり50マイクログラムを含有するLBプレートで形質転換体を選択した。白色コロニーを選択し、プラスミドミニプレプ(preps)をDNA消化およびDNA配列分析のために調製した。選択したクローンを再テストして、そのインサートDNAがGGFプローブにハイブリダイズするか否かを判断した。
【0123】
VI .DNA配列決定
標準的なプロトコルに従い、5ml培養から二本鎖プラスミドDNA鋳型を調製した。配列決定は、製造業者のプロトコル[Sanger et al. PNAS;USA 74:5463 (1977)]に従い、セクエナーゼ(Sequenase)2.0およびジデオキシヌクレオチド配列決定キット(US Biochemical)を用いてジデオキシ鎖停止法によって行った。別法として、配列決定は、サイクル配列決定キット(New England Biolabs; Bethesda Research Laboratories)を用いてDNAサーマルサイクラー(Perkin Elmer, モデル4800)で行い、5’末端標識プライマーを用い、製造業者の指示に従って行った。配列プライマーは配列キットで供給されたものか、あるいはクローンから決定された配列に従って合成したものであった。6%ポリアクリルアミドの0.4mm厚配列決定用ゲルに配列決定反応物を負荷し、解像した。ゲルを乾燥し、X−線フイルムに暴露した。典型的には、標準的な配列決定キットを用いる場合、35Sを取り込み、サイクル配列決定反応のために32P末端標識プライマーを用いた。ゲルの底部から頂部まで(5’方向から3’)の配列をDNA配列エディターに読み込み、ジェネティクス・コンピュータ・グループ(Genetics Computer Group)(GCG、ウィスコンシン大学)によって供給されているプログラムを用いてデータを解析した。
【0124】
VII .RNA調製およびPCR増幅
ゲノムDNA中に検出され、かつGGFペプチドをコードする配列を含有するオープンリーディングフレームを下垂体RNAのPCR増幅を介して延長した。RNAは、グアニジン中性−CsCl手法(Chirgwin et al. Biochemistry 18:5294 (1979))に従い凍結ウシ組織(Pelfreeze)から調製した。ポリアデニル化RNAはオリゴ−dTセルロースカラムクロマトグラフィー(Aviv and Leder PNAS (USA) 69:1408 (1972))によって選択した。
【0125】
パーキン・エルマー社製PCR/RNAキット番号:N808−0017を用いてcDNAに変換された全RNAまたはポリアデニル化RNA試料いずれかで開始して、特異的DNA標的配列を増幅した。第1鎖逆転写反応は1μgの鋳型RNAと、制限酵素認識部位リンカーを付加したオリゴdTのプライマーまたは制限部位が付加したクローン化配列から決定した特異的アンチセンスプライマーいずれかとを用いた。第2鎖を生成するには、プライマーは、3’RACE反応で用いたプラス鎖ユニーク配列(Frohman et. al. PNAS (USA) 85:8998 (1988))であるか、あるいは第1鎖反応生成物をdATPでターミナルトランスフェラーゼテーリングすることによって第2の標識部位が付加されている場合には制限部位が付加されたオリゴdTプライマーであった(例えば、5’race反応、Frohman et al.、前掲)。別法として、アンカードPCR反応においては、第2鎖プライマーは縮重し、従って、個々のペプチド配列を表す。
【0126】
増幅プロフィールは以下の一般的スキームの通りである:1)95℃における5分間の浸漬ファイル;2)95℃、1分間の加熱サイクルファイル;1分間、45℃、50℃または55℃のアニーリング温度に下げる;1分間アニーリング温度に維持する;1分間にわたって72℃まで上げる;72℃で1分間または1分間プラス10秒間の自己延長にて延長させる;3)72℃、5分間の延長サイクル、および4)有限時間での4℃における浸漬ファイル。加熱サイクルファイル(#2)は、通常、30サイクル行った。1センチメーター当たり4ボルトにて、3時間の、TAE緩衝液中における、2%Nusieve1%アガロースゲルでの電気泳動によって、各100μlの増幅反応の16μlの試料を分析した。ゲルを染色し、次いで、非荷電ナイロン膜にブロットし、これを、プライマーに対して内部にある標識DNAプローブでプローブした。
【0127】
DNA増幅産物の特異的セットはブロッティング実験で同一であり得、その位置を精製および再増幅のガイドとして用いた。適当には、選択した試料の残存部分を分取用ゲルに負荷し、続いて、電気泳動の後に、0.5mm厚の4ないし5のスライス(特異的産物の予測される位置を括弧に入れる)をゲルから採取した。アガロースを潰し、次いで、40℃にて、0.5mlの電気泳動緩衝液に2〜16時間浸漬した。潰したアガロースを2分間遠心し、水性相を新しい試験管に移した。
【0128】
元の反応と同一セットのプライマーおよび反応プロフィールを用い、溶出した物質5マイクロリットル(生成物の概略1%)について再増幅を行った。再増幅反応が完了すると、クロロホルムで試料を抽出し、新しい試験管に移した。濃縮した制限酵素緩衝液および酵素を反応に添加して、リンカー中に存在する制限部位にて切断した。消化したPCR産物を電気泳動によって精製し、次いで、サブクローニングのセクションで前記したごとくにベクターにサブクローニングした。DNA配列決定は前記したごとくに行った。
【0129】
VIII .DNA配列分析
断片組立てプログラムを用いてDNA配列を組み立て、GCGプログラム ゲルアセンブル(GelAssemble)、地図およびトランスレート(Translate)によってアミノ酸配列を推定した。推定したタンパク質配列を疑問配列として用いて、ワードサーチ(WordSearch)を使用してタンパク質配列データベースをサーチした。分析は、VMS5.1下で操作するVAX Station 3100 ワークステーションで行った。データベースサーチは、GCGバージョン7.0を用いてスウィスプロット(SwissProt)リリース番号21で行った。
【0130】
IX .GGF−IおよびGGF− II をコードする遺伝子のクローニングおよび配列決定の結果
示したごとく、ウシGGF−IIをコードするDNA配列を同定するために、縮重オリゴヌクレオチドプローブをGGF−IIペプチド配列から設計した。GGF−II 12(配列番号44)、すなわち、精製したGGF−II調製のリシルエンドペプチダーゼ消化を介して生成したペプチドは(図16および12参照)、GGF−I 07(配列番号39)、すなわち、精製したGGF−I調製から生成したトリプシンペプチドと強いアミノ酸配列相同性を示した。かくして、GGF−II 12を用いて10の縮重オリゴヌクレオチドプローブを得た(各々、図20中のオリゴ609、610および649ないし656、配列番号66、67、68および75参照)。フィルターの二連セットを、GGF−II 12の2つの重複部分をコードするプローブの2つのセット(セット1=609、610;セット2=649〜5656)でプローブした。ハイブリダイゼーションシグナルは観察されたが、1つのクローンのみが両プローブセットにハイブリダイズした。クローン(GGF2BG1と命名)を精製した。
【0131】
ファージクローンGGF2BG1からのDNAのサザーンブロット分析により、両プローブセットはそのウシDNA配列にハイブリダイズすることが確認され、さらに、両プローブはクローン内の同一セットのDNA断片と反応することが示された。これらの実験に基づき、元のクローンの4kb EcoRIサブ断片を同定し、サブクローンし、部分的に配列決定した。図21は、ヌクレオチド配列(配列番号89)、ならびにプローブ609および650のハイブリダイゼーション部位を包む最初のDNA配列のリーディングの推定アミノ酸配列を示し、このウシゲノムDNAの一部がペプチド12(KASLADSGEYM)をコードすることが確認された。
【0132】
さらなる配列分析は、GGF−II 12は、推定ウシGGF−II遺伝子およびcDNAを表す重複配列の単離の出発点となった66アミノ酸オープンリーディングフレーム(後記参照)に存在することを示した。
【0133】
いくつかのPCR方法を用いて、推定ウシGGF−II遺伝子についてのさらなるコーディング配列を得た。全RNAおよびオリゴdT−選択(ポリA含有)RNA試料は、ウシ全下垂体、下垂体前葉、下垂体後葉、および視床下部から調製した。図22、配列番号109−119に示したリストからのプライマーを用い、片側PCR反応(RACE)を用いて、3’および5’両方向でcDNA末端を増幅し、アンカードPCR反応はさらなるGGF−IIペプチドを表す縮重オリゴヌクレオチドプライマーで行った。図29は、それらの実験で得られた隣接DNA構造および配列をまとめる。3’RACE反応から、3つの別のスプライスしたcDNA配列が得られ、これをクローン化し、配列決定した。5’RACE反応は、少なくとも52アミノ酸のコーディング配列を含有するさらなるエクソンの発見に導いた。その推定アミノ酸配列の分析により、ペプチドGGF−II−6、およびGGF−I−18(後記参照)に類似の配列が明らかにされた。アンカードPCR反応は、300bpのさらなるcDNAセグメント内に含まれるペプチドGGF−II−1、2、3および10の(cDNA)コーディング配列の同定に導いた。このセグメント(すなわち、セグメントE、図30参照)の5’リミットは、ペプチドGGF−II−1をコードし、かつPCR反応で用いられたオリゴヌクレオチドによって定義される(さらなる5’配列データは、実施例11におけるヒト・クローンについて記載したごとく存在する)。かくして、このクローンは存在する合計して9つの新規なGGF−IIペプチド配列のうちの6つをコードするヌクレオチド配列を含有する。
【0134】
クローン化遺伝子は、見い出されたコーディング配列(後記、図30参照)の本発明者による位置決めを可能としたGGF2BG1の物理的地図を構築することによってまず特徴付けられた。前記したコーディング配列からのDNAプローブは、このファージクローン上のエクソンを含有するさらなるDNA断片を同定するのに、また、両方向で重複するクローンを同定するのに用いられた。推定ウシGGF−II遺伝子は少なくとも5つのコーディングセグメントに分割される。コーディングセグメントは、普遍的な遺伝暗号を用いてポリペプチド配列に翻訳できる不連続長さのDNA配列と定義される。図36に記載し、本出願で言及したコーディングセグメントは、1)GGF遺伝子内に存在する特定のエクソン(例えば、コーディングセグメントa)、または2)mRNAの特異的サブグループに出現する2以上のエクソンのセットに由来するものであり、ここに、各セットは、示した遺伝子産物におけるごとく特異的ポリペプチドセグメントに翻訳できる。請求の範囲で言及するポリペプチドセグメントは同種DNAコーディングセグメントの翻訳産物である。コーディングセグメントAおよびBのみが、これまでにエクソンとして定義されており、配列決定され、マッピングされている。同定された隣接コーディング配列の要約は図31に示す。エクソンはその発見の順に(アルファベット順にて)リストする。イントロン/エクソン境界より、エクソンBは、コーディングセグメントEおよびコーディングセグメントAを結合するcDNA中に包含され得ることが明らかである。すなわち、エクソンBは、リーディングフレームを損なうことなくスプライシングできない。従って、本発明者らは、3つの別のスプライシングパターンが推定ウシGGF−II cDNA配列1、2および3を生じ得ることを示す。各々GGF2BPP1.CDS、GGF2BPP2.CDSおよびGGF2BPP3.CDSと命名されたこれらのコーディング配列を、各々、図27A(配列番号129)、27B(配列番号130)、および27C(配列番号131)に示す。3つのcDNAの推定されるアミノ酸配列も図27A(配列番号129)、27B(配列番号130)、および27C(配列番号131)に示す。
【0135】
3つの推定構造は長さ206、281および257アミノ酸のタンパク質をコードする。推定タンパク質配列の第1の183残基はすべての3つの遺伝子産物で同一である。184位において、クローンはかなり異なる。また、GGF2BPP1におけるグリシンについてのコドンGGTは、GGF2BPP2およびGGF2BPP3のためのスプライスドナーとして働き、これは別々に、各々、エクソンC、C/D、C/D’およびDまたはC、C/DおよびDに付加され、図32(配列番号145)に示す。GGFIIBPP1は、コーディングセグメントAスプライス連結部を次の介在配列(イントロン)まで読み過ごすことによって生じる切形(truncated)遺伝子産物である。これは、図30(配列番号136)におけるコーディングセグメントA’を表す。転写体はカノニカルAATAAAポリアデニル化配列に隣接して終わり、本発明者らは、この切形遺伝子産物がボナ・ファイド(bona fide)成熟転写体を表すことを示す。他の2つのより長い遺伝子産物は同一の3’非翻訳配列およびポリアデニル化部位を共に有する。
【0136】
すべての3つのこれらの分子は、9つの新規なGFF−IIペプチド配列(図11参照)のうちの6つを含有し、他のペプチドはGGF−I−18(図26参照)に対し高度に相同である。この知見は、この組換え分子がウシGGF−IIの少なくとも一部をコードする高い確率を与える。さらに、3つのペプチドについての計算された等電点はGGF−IおよびIIの物理的特性に合致する。GGF−IIの分子サイズは大まか60kDであるので、3つのDNAのうち最大のものは、予測されるアミノ酸数のほとんど半分を持つタンパク質をコードする。
【0137】
BおよびAエクソンを含むプローブをPCR増幅を介して標識し、ウシ下垂体後葉から単離されたRNAから作製されたcDNAライブラリーをスクリーニングするのに用いた。1のクローン(GGF2BBP5)は図29に示したパターンを示し、コーディングセグメントAおよびCの間にさらなるDNAコーディングセグメント(G)を含有する。全核酸配列を図31に示す(配列番号144)。最長オープンリーディングフレームからの予測される翻訳産物は241アミノ酸である。また、前記したプローブを用い、ウシ下垂体後葉ライブラリーから第2cDNAの一部(GGF2BPP4)を単離した。このクローンは、図29に示すパターンを示した。このクローンは5’末端が不完全であるが、コーディングセグメントGおよびDを欠くという意味でスプライシング変異体である。また、BPP4は領域C/Dを超えて領域H、KおよびLを持つ新規な3’末端を示す。BPP4の配列は図33に示す(配列番号146)。
【0138】
実施例11
種々の種におけるGGF配列
GGFタンパク質はタンパク質の新しいスーパーファミリーのメンバーである。他のホ乳動物DNAに関しての高ストリンジェンシイ・クロスハイブリダイゼーション実験(DNAブロッティング実験)において、本発明者らは、このウシ組換え分子からのDNAプローブはテストした種々の試料において特異的配列を容易に検出できることを明らかに示した。また、高度に相同性の配列がヒトゲノムDNAで検出される。オートラジオグラフィーは図28に示す。ラットおよびヒトDNAを含有するレーンにおけるシグナルは、GGF遺伝子のラットおよびヒト同等物を表し、この遺伝子によってコードされるいくつかのcDNAの配列は最近Holems et al.(Science 256: 1205 (1992))およびWen et al.(Cell 69:559 (1992))によって報告されている。
【0139】
実施例12
ヒトGGF2をコードするヒト配列の単離
脳幹から調製したヒトcDNAライブラリー(ストラタジーンカタログ番号935206)をスクリーニングすることによって、ウシGGFIIコーディングセグメントEからの配列を含有するいくつかのヒト・クローンを単離した。この戦略は、GGF2ペプチド(GGF2に対してユニーク)のほとんどおよびウシEセグメントを含有するクローンからの予測されるペプチド配列の間の強力なリンクに基づいて追求されたものであった。このライブラリーは、以下にリストするオリゴヌクレオチド914〜919を用いて、実施例8、セクションIIに記載されたごとくにスクリーニングした。
【0140】
【外1】
Figure 0004018028
【0141】
これらのプローブで検出されたクローンをハイブリダイゼーションによってさらに分析した。また、セグメントAからのポリメラーゼ鎖反応(PCR)産物を標識することによって産生された、コーディングセグメントA(図30参照)に由来するプローブを用いて初代ライブラリーをスクリーニングした。AおよびE由来プローブの双方にハイブリダイズするいくつかのクローンを選択し、特定クローンGGF2HBS5をさらなる分析のために選択した。このクローンはコーディングセグメントのパターン(図30に示すごとくEBACC/D’D)によって表される。このクローンにおけるEセグメントは図30で示したEの切形ウシバージョンのヒト同等物である。GGF2HBS5が、記載したすべての「推定」GGF−II候補のうちGGF−IIをコードする最もそうであろう候補である。コーディング配列セグメントEの長さは786ヌクレオチドプラス非翻訳配列の264塩基対である。GGF2HBS5によってコードされたタンパク質の予測されるサイズはほぼ423アミノ酸(ほぼ45キロダルトン、図44参照、配列番号:21)であり、これは、GGF−IIからの脱グリコシル化された形態のサイズと同様である(実施例20参照)。加えて、図26にリストしたGGF−IIペプチドの7つは、領域Eから予測されるタンパク質配列の範囲内にある同等配列を有する。ペプチドII−6およびII−12は例外であり、各々、コーディングセグメントBおよびコーディングセグメントAの範囲内である。GGF2HBS5タンパク質をコードするRNAは、GGF2HBS5インサートを含有するベクター(Bluescript SK [Stratagene Inc.] 図47参照)に存在するバクテリオファージT7プロモーターによって駆動されるin vitro転写系で産生された。このRNAは無細胞(ウサギ網状赤血球)転写系で転写され、タンパク質産物のサイズは45kdであった。加えて、無細胞タンパク質をシュワン細胞分裂促進アッセイで検定して、生物学的活性を確認した。ならし培地で処理したシュワン細胞は、125I−ウリジンの取込みで測定して増加した増殖、および185キロダルトン範囲におけるタンパク質のチロシン上のリン酸化の双方を示した。
【0142】
かくして、GGF2HBS5によってコードされる産物のサイズおよび図11に示したウシペプチドに対して高度に相同性のヒトペプチドをコードするDNA配列の存在により、GGF2HBS5がウシGGF2のヒト同等物をコードすることが確認された。このクローンで形質転換された細胞から調製したならし培地はシュワン細胞分裂促進活性を誘導するという事実により、(BPP5遺伝子産物とは異なり)GGFIIHBS5遺伝子産物が分泌されることが確認された。加えて、GGFBIIBPP5遺伝子産物は、p185erbB2のごとき受容体チロシンキナーゼまたは密接に関連する受容体を介するシュワン細胞増殖応答を媒介するらしい(実施例19参照)。
【0143】
実施例13
ホ乳動物および昆虫細胞におけるヒト組換えGGF2の発現
(実施例12に記載し、またHBS5として言及した)ヒトGGF2をコードするGGF2HBS5 cDNAクローンをベクター pcDL−SRα296にクローン化し、COS−7細胞をDEAE−デキストラン法によって100mmディッシュにトランスフェクトした。細胞溶解物および一時的に発現するCOS細胞からのならし培地をトランスフェクション後3および4日に収穫した。溶解物を調製するには、細胞単層をPBSで洗浄し、3回の凍結/解凍のサイクルによって溶解したディッシュから0.25Mトリス−HCl、pH8の150μm中に掻き取った。細胞夾雑物をペレット化し、上清を回収した。ならし培地試料(7mls.)を収集し、次いで、濃縮し、製造業者(Amicon, Beverly, MA)によって記載されているごとくセントリプレップ(Centriprep)-10およびセントリコン(Centricon)-10ユニットを用い、緩衝液を10mMトリス、pH7.4と取り替えた。ラット神経シュワン細胞を、前記したごとくに、DNA合成前駆体の取込みについてアッセイした。ならし培地および細胞溶解物試料をMarchionni et al., Nature 362:313 (1993)に記載されているごとくシュワン細胞増殖アッセイでテストした。GGF2をコードするcDNAであるGGF2HBS5は、タンパク質産物の分泌を培地に向けた。細胞溶解物を用いるアッセイによって測定して、最小活性が細胞内部で検出可能であった。GGF2HFB1およびGGFBPP5 cDNAは、産物の分泌を細胞外培地に向けなかった。これらのクローンからのGGF活性は細胞溶解物でのみ検出可能できた。
【0144】
また、組換えGGF2をCHO細胞で発現させた。GGF2をコードするGGF2HBS5 cDNAをベクターpcdhfrpolyAのEcoRI部位にクローン化し、リン酸カルシウム共沈法によって、DHFR陰性CHO細胞系(GG44)にトランスフェクトした。96−ウェルプレートにおいてヌクレオチドおよびヌクレオシドのないα培地(Gibco)でクローンを選択した。3週間後、個々のクローンからのならし培地試料を、Marchionni et al., Nature 362:313 (1993)に記載されているごとくシュワン細胞増殖アッセイによってGGFの発現についてスクリーニングした。有意なレベルのGGF活性を培地に分泌した安定クローンを同定した。CHO細胞ならし培地の異なる容量アリコートからのシュワン細胞増殖活性を用いて、図46に示す用量応答曲線を得た(GrahamおよびVan Der Eb, Virology 52:456、1973)。この物質を、GGF2特異的ペプチドに対して生起されたポリクローナル抗血清でプローブしたウェスタンブロットで分析した。ほぼ65Kd(下垂体から抽出したGFG2の予測サイズ)のバンドが特異的に標識された(図48、レーン12)。
【0145】
また、バクロウイルス発現を用いて、組換えGGF2をインサート細胞中で発現させた。3〜5の多重度(106細胞/ml)にて、Sf9インサート細胞を、GGF2HBS5 cDNAクローンを含有するバクロウイルスで感染させ、Sf900−II培地で培養した。シュワン細胞分裂促進活性が細胞外培地に分泌された。フォルスコリンの不存在下、異なる容量の昆虫細胞ならし培地をシュワン細胞増殖アッセイでテストして、用量応答曲線を得た。
【0146】
また、この物質を、前記したGGFII特異的抗体でプローブしたウェスタンブロット(図45B)で分析した。
【0147】
本実施例で用いた方法は以下の通りである。
【0148】
組換えヒトおよびウシ・グリア成長因子のシュワン細胞分裂促進活性は以下のように測定した:一時的ホ乳動物発現実験から得られた粗組換えGGF調製を用い、培養したシュワン細胞の分裂促進応答を5μMフォルスコリンの存在下で測定した。[125I]−Urdの取込みは、「方法(Methods)」に記載したごとくトランスフェクトしたまたはモックトランスフェクトしたCOS細胞から得られた物質に18〜24時間暴露した後に測定した。4セットの平均値および標準偏差のデータを示す。部分的に精製された天然ウシ下垂体GGF(カルボキシメチルセルロース画分;Goodearl et al., 提出)に対する分裂促進応答は、100パーセント活性の標準として示す(GGF)。
【0149】
cDNA(図46、配列番号166〜168)をpcDL−SRα296(Takebe et al., Mol. Cell Biol. 8:466-472 (1988))にクローン化し、COS−7細胞をDEAE−デキストラン法(Sambrook et al., In Molecular Cloning. A Laboratory Manual, 第2版(Cold Spring Harbor Laboratoey Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989))によって100mmディッシュにトランスフェクトした。トランスフェクション後3または4日に、細胞溶解物またはならし培地を収穫した。溶解物を調製するには、細胞単層をPBSで洗浄し、ディッシュから掻き取り、0.25Mトリス−HCl、pH8の150μl中、3回の凍結/解凍サイクルによって溶解させた。細胞夾雑物をペレット化し、上清を回収した。ならし培地試料(7mls)を収集し、次いで、濃縮し、製造業者(Amicon, Beverly, MA)によって記載されているごとくセントリプレップ-10およびセントリコン-10ユニットを用い、緩衝液を10mMトリス、pH7.4と取り替えた。ラット坐骨神経シュワン細胞を、記載されているごとく(Davis and Stroobant, J. Cell Biol. 110:1353-1360 (1990)); Brockes et al., Brain Res. 165:105-118 (1979))、DNA合成前駆体の取込みについてアッセイした。
【0150】
組換えCHO細胞ならし培地のウェスタンブロットは以下のごとくに行った:組換えCHOクローンをMCDB302無タンパク質中で3日間培養した。ならし培地2mlを収穫し、濃縮し、10mMトリス−HCl、pH7.4に関して緩衝液を交換し、凍結乾燥した。ペレットをSDS−PAGE試料緩衝液に再懸濁し、還元性SDSゲル電気泳動に付し、GGFペプチド抗体でのウェスタンブロッティングによって分析した。CHO対照は、未トランスフェクトCHO−DG44宿主からのならし培地を用いてなし、CHO HBS5レベルは、組換えクローンからのならし培地を用いてアッセイした。
【0151】
実施例14
GGFの機能的エレメントの同定
GGF配列のファミリーの推定構造は、(GGF2BPP4によって表される)最長形態が、細胞外部分が上皮成長因子に似たドメインを含有する膜貫通タンパク質をコードすることを示す(CarpenterおよびWahl, in Peptide Growth FactorsおよびTheir Receptors I, pp. 69-133, Springer-Verlag, NY 1991参照)。コーディングセグメントCおよびC/DまたはC/D’ペプチド配列に存在するシステインの位置は上皮成長因子(EGF)ペプチド配列中の相同残基に関して保存されている(図32、配列番号147〜149参照)。これは、細胞外ドメインが受容体認識部位および生物学的活性化部位として働くことを示す。変異体形態のうちいくつかはH、K、およびLコーディングセグメントを欠き、かくして、分泌される拡散可能な生物学的活性タンパク質として発現され得る。EGF−様ドメイン(EGFL)を含むポリペプチドをコードするGGF DNA配列は、グリア細胞分裂促進活性を刺激する十分な生物学的活性を有し得る。
【0152】
このタンパク質の膜結合バージョンは、胚形成の間にまたは神経再生の間にニューロンの表面で発現されれば(ここに、ニューロンの表面は増殖するシュワン細胞の表面に親和性である)、シュワン細胞の増殖を誘導し得る。
【0153】
分泌された(非膜結合)GGFは分泌地点からいくらかの距離にてシュワン細胞と相互反応できる古典的に拡散可能な因子として働き得る。他の形態は、組織の損傷および細胞の破壊を介して源により細胞内から放出され得る。分泌されるGGFの例はGGF2HBS5によってコードされるタンパク質であり;これは、細胞の外部に向けられることが判明している唯一の公知GGFである。分泌は、恐らくは、GGF2HBS5によってコードされた組換えGGF2内に含有されるN−末端ドメインである、領域Eにのみ見出されるN−末端疎水性配列を介して媒介される。
【0154】
他のGGF類はスクリーニングされないようである。これらGGF類は、筋肉の損傷の結果として放出される損傷性反応体(injury response forms)でありうる。
【0155】
(GGF2HBS5によってコードされる)GGF2の予測されるタンパク質構造ならびに領域BおよびAを含有する他のタンパク質の他の領域はヒト基底膜硫酸ヘパリンプロテオグリカンコアタンパク質に対する類似性を示す。これらのGGF中に畳み込まれたC2免疫グロブリンの第2システインの隣に位置するペプチドADSGEYは、その基底膜ラミナタンパク質で見い出される22のC−2リピートのうち9つで生じる。この証拠は、これらのタンパク質は、ニューロンおよびグリアに関連するもののごときマトリックスタンパク質と関連し得ることを強く示し、標的部位におけるグリア成長因子の隔離方法を示唆し得る。
【0156】
実施例15
組換え細胞からのGGFの精製
生物学的活性をアッセイするためにGGFの全長または部分を得るには、クローン化DNAを用いてタンパク質を過剰生産させることができる。いくつかのアプローチを用いることができる。前記配列を含有する組換え大腸菌を構築することができる。pNH8aまたはpHH16a(Stratagene, Inc.)のごとき発現系を以下の製造方法によってこの目的で用いることができる。別法として、これらの配列をホ乳動物発現ベクターに挿入し、過剰生産細胞系を構築することができる。例として、この目的では、GGFをコードするDNA、クローンGGF2BPP5がCOS細胞で発現されており、pMSXND発現ベクター(Lee and Nathans, J. Biol. Chem. 263, 3521-3527, (1981))を用いチャイニーズハムスター卵巣細胞で発現させることができる。GGF DNA配列を含有するこのベクターは確立された手法を用いて宿主細胞にトランスフェクトすることができる。
【0157】
一時的発現を調べることができるか、あるいはメトトレキセートの存在下でG418−耐性クローンを増殖させて、(pMSXNDベクターに含有される)dhfr遺伝子を増幅させ、該過程において、隣接するGGFタンパク質コーディング配列を同時増幅させる細胞について選択することができる。CHO細胞は全くタンパク質の無い培地(Hamilton and Ham, In Vitro 13, 537-547 (1977))で維持することができるので、所望のタンパク質は培地から精製することができる。実施例17で産生された抗血清を用いるウェスタン分析を用いて、過剰生産細胞のならし培地中で所望のタンパク質の存在を検出することができる。
【0158】
所望のタンパク質(rGGF2)は、以下のごとくCOS細胞を一時的に発現させることによってならし培地から精製することができる。rGGFIIをならし培地から収穫し、陽イオン交換クロマトグラフィー(POROS−HS)を用いて部分的に精製した。カラムは33.3mM MES、pH6.0で平衡化した。ならし培地は10ml/分の流速で負荷した。シユワン細胞増殖活性および(前記したGGFペプチドに対するポリクローナル抗血清を用いる)免疫反応性を含有するピークを50mMトリス、1M NaCl、pH8.0で溶出させた。
【0159】
また、安定したチャィニーズハムスター卵巣細胞系を用いてrhGGF2を発現させる。ならし培地から収穫したrGGF2を、陽イオン交換クロマトグラフィー(POROS−HS)を用いて部分的に精製した。カラムはPBS、pH7.4で平衡化させた。ならし培地は10ml/分で負荷した。シュワン細胞増殖活性および(GGF2ポリクローナル抗血清を用いる)免疫反応性を含有するピークを50mM Hepes、500mM NaCl、pH8.0で溶出させた。増殖ならびに免疫反応性双方に関し、さらなるピークが50mM Hepes、1M NaCl、pH8.0で観察された(図45)。
【0160】
rhGGF2は、高分解工程としての疎水性相互作用クロマトグラフィー;陽イオン交換/逆相クロマトグラフィー(第2の高分解工程として必要であれば);ウイルス不活化工程および陰イオン交換クロマトグラフィーのごときDNA除去工程を用いてさらに精製することができる。
【0161】
陽イオン交換カラムから溶出させた組換えGGF2ピークのシュワン細胞増殖活性は以下のように測定した:培養したシュワン細胞の分裂促進応答を、50mMトリス 1M NaCl、pH8.0によって溶出させたピークを用い、5Mフォルスコリンの存在下で測定した。ピークは20 1、10 1(1:10)および(1:100)10 1で添加した。125I−ウリジンの取込みを測定し、18〜24時間の暴露の後に(CPM)として測定し、表した。
【0162】
GGF2のペプチドに対して生起したポリクローナル抗体を用いるイムノブロットは以下のごとくに行った:10 1の異なる画分を4〜12%のグラジエントゲルで泳動させた。該ゲルをニトロセルロースペーパーに移し、ニトロセルロースブロットを5%BSAでブロックし、GGF2−特異的抗体(1:250希釈)でプローブした。125IプロテインA(1:500希釈、比活性=9.0/Ci/g)を第2抗体として用いた。イムノブロットをコダック社製X−線フィルムに6時間暴露した。1M NaClで溶出させたピーク画分は69Kで免疫反応性バンドを示した。
【0163】
陽イオン交換カラムでのGGF2精製は以下のごとくに行った:rGGFIIを発現するCHO細胞ならし培地を10ml/分で陽イオン交換カラムに負荷した。該カラムをPBS、pH7.4で平衡化した。溶出は各々50mM Hepes, 500mM NaCl、pH8.0および50mM Hepes,1M NACl、pH8.0で達成した。前記したシュワン細胞増殖アッセイ(CPM)を用いてすべての画分を分析した。タンパク質濃度(mg/ml)は、標準としてBSAを用いるブラッドフォード(Bradford)アッセイによって測定した。
【0164】
各画分10 lを用いるウェスタンブロットを行い、免疫反応性およびシュワン細胞活性は共移動するのが観察された。
【0165】
ウェスタンブロットアッセイを用い、タンパク質を手法の種々の時点でアッセイすることができる。別法として、前記したシュワン細胞分裂促進アッセイを用いて、全長クローンまたはそのいずれかの生物学的活性タンパク質の発現産物をアッセイすることができる。全長クローンGGF2HBS5はCOS細胞で一時的に発現される。トランスフェクトされたCOS細胞の細胞内抽出物は、実施例8に記載したシュワン細胞増殖アッセイ法でアッセイした場合、生物学的活性を示す。加えて、GGF2BPP5をコードする全長クローンをCOS細胞で一時的に発現させた。この場合、細胞抽出物およびならし培地は共に、実施例8に記載したシュワン細胞増殖アッセイで生物学的活性を示す。(ヘレグリンを包含する)GGF遺伝子に由来するスプライシング変異体相補的DNAのファミリーのいずれのメンバーもこのようにして発現させることができ、当業者がシュワン細胞増殖アッセイでアッセイすることができる。
【0166】
別法として、スプライシング変異体Neu分化因子(NDF)をCOS−7細胞で発現させたWen et al.(Cell 69:559 (1992))に従い、他の変異体から組換え物質を単離することができる。pJT−2真核生物プラスミドベクターに挿入されたcDNAクローンはSV40初期プロモーターの制御下にあり、SV40終結およびポリアデニル化シグナルで3’がフランクされている。COS−7細胞を、エレクトロポレーションによって以下のごとくにpJT−2プラスミドDNAでトランスフェクトした:6×106細胞(DMEMおよび10%FEBSの0.8ml中)を0.4cmのキュベットに移し、TE溶液(10mMトリス−HCl(pH8.0))、1mM EDTA)10μl中、プラスミドDNA20μgと混合した。200ohmに設定したパルスコントローラーユニットを装備したBio-Rad Gene パルサー装置を用い、1600Vおよび25μFにてエレクトロポレーションを室温で行った。次いで、細胞をDMEM、10%FBSの20mlに希釈し、T75フラスコ(Falcon)に移した。37℃におけるインキュベーションの14時間後、培地をDMEM、1%FBSで置き換え、インキュベーションをさらに48時間継続した。細胞から収穫した組換えタンパク質を含有するならし培地は、このタンパク質についての受容体を発現する細胞系において生物学的活性を示した。この細胞系(培養したヒト胸カルシノーマ細胞系AU565)を組換え物質で処理した。処理した細胞は、erbB2受容体の活性化に特徴的な形態学的変化を示した。また、このタイプのならし培地をシュワン細胞増殖アッセイでテストすることもできる。
【0167】
実施例16
N−末端配列分析
hGGF2をコードするcDNAを増幅可能なベクーpcdhfrpolyAにクローン化し、安定な発現のためにCHO−DG44細胞にトランスフェクトした。rhGGF2がならし培地に分泌された。組換えGGF2の分泌される能力は、恐らくは、N−末端疎水性ストレッチ(シグナル配列)により媒介される。一旦粗小胞体を横切って成長するタンパク質の輸送を開始したならば、シグナル配列は特異的部位において成熟タンパク質から切断される。発現され精製されたrhGGF2のN−末端配列分析は後記にて示す切断部位を示す。タンパク質のN−末端における最初の50のアミノ酸残基の配列は、後記するN−末端配列分析によって確認された(表5)。
【0168】
【表5】
Figure 0004018028
【0169】
以下の配列(配列番号:185)は、hGGF2のアミノ酸配列を表す。影を付けた領域は切断されたシグナル配列を示す。
【0170】
【外2】
Figure 0004018028
【0171】
影を付けた領域は、rhGGF2のN−末端における実験的に決定した15のアミノ酸残基を表し、A50−G51結合がシグナル配列の切断部位であることを示す。
【0172】
実施例17
さらなるスプライシング変異体の単離
ここに引用して本明細書の一部とみなす、1992年10月23日付け出願の米国特許出願07/965,173号に記載されている他のニューレグリンを更新する(updating)方法により、スプライシング変異の結果として生じる4つの密接に関連する配列(ヘレグリンα、β1、β2、β3)が産生されている。Peles et al.(Cell 69:205 (1992))、およびWen et al. (Cell 69:559 (1992))は、p185erbB2に結合するタンパク質に関与する実施例1〜9および11に記載されたものと同様の精製およびクローニングアプローチを用いてもう1つのスプライシング変異体を(ラットから)単離している。cDNAクローンは、(形質転換ラット線維芽細胞系からp185erbB2結合タンパク質を精製し配列決定することにより)以下のようにして得られた。p185erbB2結合タンパク質はならし培地から以下のごとくに精製された。500ローラーボトル(合計120リットル)の3つの収穫物からのプールされたならし培地を0.2μフィルターを通す濾過によって清澄化し、20kd分子量カットオフの膜を用い、ペリコン(Pelicon)限外濾過系にて31倍濃縮した。すべての精製工程は、ファルマシア社製のファストタンパク質液体クロマトグラフィーシステムを用いることによって行った。濃縮した物質をヘパリン−セファロースのカラム(150ml、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で予め平衡化)に直接負荷した。280nm波長での吸光度が検出されなくなるまで、0.2M NaClを含有するPBSでカラムを洗浄した。次いで、結合タンパク質をNaClの連続的グラジエント(0.2Mから1.0M)(250ml)で溶出し、5mlずつの画分を収集した。試料(収集した画分からの0.01ml)をキナーゼ刺激活性の定量アッセイで用いた。3回カラムを流して(合計容量=360ml)活性画分をプールし、YM10限外濾過膜(Amicon, Danvers, MA)を用いることによって濃縮し、硫酸アンモニウムを濃度1.7Mに到達するまで添加した。遠心(10,000×g、15分)によって清澄化した後、プールした物質をフェニル−セファロースカラム(HR10/10、ファルマシア社製)に負荷した。該カラムを0.1M Na2PO4(pH7.4)中の(NH42SO4のグラジエント(1.7Mないし無塩)45mlで展開し、2mlずつの画分を収集し、(実施例19に記載した)キナーゼ刺激につきアッセイした(試料当たり0.002ml)。活性の主要ピークをプールし、50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.3)に対して透析した。モノ−S陽イオン交換カラム(HR5/5、ファルマシア社製)を50mMリン酸ナトリウムで予め平衡化した。活性物質(タンパク質0.884mg;35ml)を負荷した後、カラムを出発緩衝液で洗浄し、次いで、NaClのグラジエントにて、1ml/分の液速で展開した。キナーゼ刺激活性物を0.45〜0.55M塩にて回収し、各2mlずつの4つの画分にわたって展開した。これらをプールし、Cu2+キレート化カラムに直接負荷した(1.6ml、HR2/5キレート化セファロース、ファルマシア社製)。タンパク質のほとんどは樹脂に吸着したが、それらは、塩化アンモニウムの30ml直線グラジエント(0〜1M)で徐々に溶出した。活性は0.05ないし0.2M NH4Clの範囲で、タンパク質の単一ピークにて溶出した。精製の種々の工程からの試料を、ゲル電気泳動、続いてのICNからのキット(Costa Mesa, CA)を用いる銀染色によって分析し、そのタンパク質含量をバイオ−ラド(Bio-Rad)(Richmond, CA)からのキットを用いるクーマシーブルー染料結合アッセイで測定した。
【0173】
p44タンパク質(10μg)を0.1M炭酸水素アンモニウム緩衝液(pH7.8)200μl中で復元した。1:10の酵素−対−基質の比にて、37℃で、L−1−トシル−アミド 2−フェニルエチルクロロメチルケトン−処理トリプシン(Serva)で18時間消化を行った。得られたペプチド混合物を逆相HPLCによって分離し、ヴィダック(Vydac)C4ミクロカラム(2.1mm i.d.×15cm、300Å)およびダイオード−アレイ検出器およびワークステーションを装備したHP 1090液体クロマトグラフィーシステムを用いて215nmでモニターした。カラムを0.1%トリフルオロ酢酸(移動相A)で平衡化し、溶出は70分間にわたる0%〜55%移動相B(0.1%トリフルオロ酢酸中の90%アセトニトリル)からの直線グラジエントで行った。液速は0.2ml/分であり、カラム温度は25℃で制御した。HPLC系から手動で収集したペプチドピークの1/3アリコートを、エドマン分解によるN−末端配列分析によって特徴付けた。27.7分(T27.7)後に溶出した画分は混合されたアミノ酸配列を含有し、還元の後に以下のごとくさらに再クロマトグラフィーに付した:ペプチド画分の70%アリコートを真空中で乾燥し、0.2M炭酸水素アンモニウム緩衝液(pH7.8)100μl中で復元した。DTT(終濃度2mM)を溶液に添加し、これを、次いで、37℃で30分間インキュベートした。次いで、ヴィダックカラム(2.1mm i.d.×15cm)を用い、還元したペプチド混合物を逆相HPLCによって分離した。溶出条件および液速は前記と同じである。ペプチドのアミノ酸配列分析は、オン−ラインのフェニルチオヒダントイン(PTH)アミノ酸アナライザーおよびモデル900データ解析システム(Hunkapiller et al. (1985) Methods of Protein Microcharacterization, J.E. Shively編(Clifton, New Jersey: Humana Press, p. 223-247))を備えたモデル477タンパク質シーケンサー(Applied Biosystems, Inc., Foster City, CA)で行った。予めポリブレンおよびNaClでサイクルを行ったトリフルオロ酢酸処理したガラス繊維ディスクにタンパク質を負荷した。PHT−アミノ酸分析は、デュアルシリンジポンプおよび逆相(C−18)の狭い孔のカラム(Applied Biosystems, 2.1mm×250mm)を用いてミクロ液体クロマトグラフィーシステム(Model 120)で行った。標準的な手法(Maniatis et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manial (Cold Spring Harbor, New York (1982)))によってRNAをラット1−EJ細胞から単離し、mRNAセパレータキット(Clontech Lab, Inc., Palo Alto, CA)を用いてポリ(A)+を選択した。(BRL Life Technologies, Inc., Bethesda, MDからの)スーパースクリプト(Superscript)キットでcDNAを合成した。カラム分画した二本鎖cDNAをSal1−およびNot1−消化のpJT−2プラスミドベクター、すなわちpCD−Xベクター(Okayama およびBerg, Mol. Cell Biol. 3:280 (1983))の誘導体に連結し、エレクトロポレーション(Dower et al., Nucl. Acids. Res., 16:6127 (1988))によってDH10B大腸菌細胞に形質転換した。NDFのN−末端のタンパク質配列(残基5〜24)およびT40.0トリプテック(tryptic)ペプチド(残基7〜12)に由来する2つのオリゴヌクレオチドプローブで、ほぼ5×105初代形質転換体をスクリーニングした。その各配列は以下の通りである(Nはすべての4つのntを示す):
【外3】
Figure 0004018028
【0174】
T4ポリヌクレオチドキナーゼと共に[γ−32P]ATPで、合成オリゴヌクレオチドを末端標識し、ニトロセルロースフィルターの複製セットをスクリーニングするのに用いた。ハイブリダイゼーション溶液は、6×SSC、50mMリン酸ナトリウム(pH6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、2×デンハート溶液、50μg/mlサケ精子DNA、および20%ホルムアミド(プローブ1につき)またはホルムアミド無し(プローブ2につき)を含有するものであった。50℃で、0.5×SSC、0.2%SDS、2mM EDTA(プローブ1につき)でフィルターを洗浄するか、あるいは37℃で、2×SSC、0.2%SDS、2mM EDTA(プローブ2につき)でフィルターを洗浄した。フィルターのオートラジオグラフィーは両プローブにハイブリダイズする10のクローンを与えた。これらのクローンを、前記したごとき再平板培養およびプローブハイブリダイゼーションによって精製した。製造業者の指示に従い、アプライド・バイオシステムズ(Appied Biosystems)373A自動DNAシーケンサーおよびアプライド・バイオシステムズ・タック・ダイデオキシ(Taq DyeDeoxy)(商品名)ターミネーターサイクル配列決定キットを用いて、cDNAクローンを配列決定した。いくつかの場合、製造業者の指示に従い、米国バイオケミカルズ社(Biochemicals)からの[35S]dATP(Amersham)およびセクエナーゼ(Sequenase)(商品名)キットを用いて配列を得た。cDNAクローン44の両鎖は、プライマーとして合成オリゴヌクレオチドを用いることによって配列決定した。最も5’の350ntの配列は、7つの独立したcDNAクローンで決定された。得られたクローンは、図27(NDF)に示したパターンを示した。
【0175】
実施例19
p185 erbB2 受容体に結合する他のタンパク質の精製およびアッセイ
I.gp30およびp70の精製
Lupe et al. (Science 249, 1552 (1990))およびここに引用して本明細書の一部とみなすLippmanおよびLupe(国際出願PCT/US91/03443(1990))は、ヒト胸癌細胞系MDA−MB−231のならし培地からタンパク質を精製している。
【0176】
Lupe et al.(Proc. Natl. Acad. Sci. 89, 2287 (1992))は、p185erbB2受容体に結合するもう1つのタンパク質を精製している。この特定のタンパク質p75は、10%子ウシ血清(GIBCO)を補足した改良イーグル培地(IMEM:GIBCO)中で増殖したSKBr−3(ヒト胸癌細胞系)の増殖で用いたならし培地から精製された。
【0177】
II .他のp185 erbB2 リガンド
また、Pelesら(Cell 69,205(1992))は、ラット細胞から185erbB2刺激リガンドを精製している。Holmesら(Science 256, 1205 (1992))は、p185erbB2に結合しそれを刺激するヒト細胞からヘレグリンαを精製している。Tarakovsky et al., Oncogene 6:218 (1991)は、活性化マクロファージから単離された25kDのポリペプチドのNeu受容体への結合、p185erbB2相同性を示しており、ここに引用して本明細書の一部とみなす。
【0178】
III .NDF単離
YardenおよびPeles (Biochemistry 30, 3543 (1991))は185erbB2受容体を刺激する35キロダルトンの糖タンパク質を同定している。
【0179】
他の文献において、Davisら(Biochem. Biophys. Res. Commun. 179, 1536 (1991)),Proc. Natl. Acad. Sci. 88, 8582 (1991)) およびGreeneら(国際出願PCT/US91/02331(1990))は、ヒトT−細胞(ATL−2)細胞系のならし培地からのタンパク質の精製を記載している。
【0180】
ここに引用して本明細書の一部とみなす、Huangら(1992, J. Biol. Chem. 257:11508-11512)は、ウシ腎臓からさらなるneu/erb B2リガンド成長因子を単離している。25kDポリペプチド因子は、カラム分画、続いてのDEAE/セルロース(DE52)、スルファデックス(Sulfadex)(硫酸化セファデックスG-50)、ヘパリン-セファロース4B、およびスーパーデックス(Superdex) 75(ファストタンパク質液体クロマトグラフィー)の連続的カラムクロマトグラフィーによって単離された。因子NEL−GFはneu/erb B2遺伝子産物のチロシン特異的自己リン酸化を刺激する。
【0181】
IV .アセチルコリン受容体誘導活性(ARIA)の精製
ARIA、アセチルコリン受容体合成を刺激する42kDタンパク質は、ジェラルド・フィッシュバッハ(Gerald Fischbach)(Falls et al., (1993) Cell 72:801-815)の研究所で単離されている。ARIAは185erbB2に類似する185Kda筋肉膜貫通タンパク質のチロシンリン酸化を誘導し、培養した胚性筋管でアセチルコリン受容体合成を刺激する。ARIAはまずはGGF/erbB2リガンド群タンパク質のメンバーであるらしく、これは、グリア細胞分裂促進刺激および本明細書に記載した例えばGGF2の適用で潜在的に有用である。
【0182】
実施例19
GGFによって媒介されるタンパク質チロシンリン酸化
増殖を誘導する十分なレベルのグリア成長因子での処理に続き、ラット・シュワン細胞は、タンパク質チロシンリン酸化の刺激を示す。実施例9に概略を示した手法に従い、種々の量の部分的に精製したGGFをラット・シュワン細胞の初代培養に適用した。シュワン細胞は、ポリD−リシン被覆した24ウェルプレート中、DMEM/10%子ウシ血清/5μMフォルスコリン/GGF−CM1mL当たり0.5μg(ウェル当たり0.5mL)で増殖させた。密集したら、DMEM/ウェル当たり0.5mLの10%子ウシ血清を細胞に与え、休止するまでインキュベーター中に一晩放置した。翌日、細胞にDMEM/10%子ウシ血清の0.2mLを与え、インキュベーター中に1時間放置した。次いで、テスト試料を、要求される異なる濃度および異なる時間にて直接培地に添加した。次いで、細胞を、沸騰する溶解緩衝液(リン酸ナトリウム、5mM、pH6.8;SDS,2%,β−メルカプトエタノール,5%;ジチオスレイトール,0.1M;グリセロール,10%;ブロモフェノールブルー,0.4%;バナジン酸ナトリウム,10mM)中で溶解し、沸騰する水浴中で10分間インキュベートし、次いで、直接分析するか、あるいは−70℃で凍結した。7.5%SDS−PAGEゲル上で泳動させ、次いで、Towbin et al. (1979) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76:4350-4354によって記載されている標準的な手法を用いてニトロセルロースに電気ブロッティングすることによって、試料を分析した。ブロットしたニトロセルロースを、KampsおよびSelton (1988) Oncogene 2:305-315に記載されている標準的な方法を用いて抗ホスホチロシン抗体でプローブした。プローブしたブロットをオートラジオグラフィーフィルムに一晩暴露し、標準的な実験方法を用いて展開した。デンシトメトリー測定は、ウルトラスキャン(Ultrascan)XL増強レーザーデンシトメーター(LKB)を用いて行った。分子量の測定は、予め染色した高分子量のスタンダード(Sigma)に対して行った。タンパク質リン酸化およびシュワン細胞増殖の用量応答は非常に似ている(図33)。リン酸化バンドの分子量はp185erbB2の分子量に非常に近い。GGF2HBS5クローンでCOS細胞翻訳体から調製したならし培地でシュワン細胞を処理した場合、同様の結果が得られた。これらの結果は、GGFと、185erbB2の活性化との予測される相互作用とよく相関する。
【0183】
この実験を組換えGGF2で反復した。GGF2クローン(GGF2HBS5)で安定に形質転換したCHO細胞系に由来するならし培地は、前記したアッセイを用いると、タンパク質チロシンリン酸化を刺激する。モックトランスフェクトしたCHO細胞はこの活性を刺激しない。
【0184】
実施例20
GGFのN−グリコシル化
GGF−II候補クローンGGF2BPP1、2および3のcDNA配列から予測されるタンパク質配列は、多数のコンセンサスN−グリコシル化モチーフを含有する。GGFII02ペプチド配列におけるギャップは、これらのモチーフのうちの1つにおけるアスパラギン残基に合致し、これは、炭水化物は恐らくはこの部位にて結合していることを示す。
【0185】
GGFのN−グリコシル化は、N−グルカナーゼ、すなわち、炭水化物とタンパク質におけるアスパラギン残基との間の共有結合を切断する酵素と共にインキュベーションした後、SDS−PAGEにおける移動度変化を観察することによって調べた。
【0186】
GGF−IIのN−グルカナーゼ処理により、MW40〜42kDの主たるバンドおよび45〜48kDaの従たるバンドが生じた。
【0187】
活性 約45〜50kDaにおける単一の脱グリコシル化種
また、GGF−Iでの活性溶出実験は、N−グルカナーゼで処理した場合に電気泳動移動度の増大を示し、これは、MW26〜28kDaの活性種を与える。用いた試料におけるバックグラウンド染色のためN−脱グリコシル化バンドは割り当てできないにも拘わらず、銀染色により、移動度のシフトがあることが確認された。
【0188】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】筋芽細胞の分裂促進アッセイにおけるrhGGF2の結果を示すグラフである。
【図2】筋管中の核数に対するrhGGF2の効果を示すグラフである。
【図3】分化された筋管の生存に対するrhGGF2の効果を示す生存アッセイのグラフである。
【図4】ヒト血小板由来成長因子、ヒト線維芽細胞成長因子、ヒト上皮成長因子、ヒト白血球阻害因子、およびヒトインシュリン様成長因子IおよびIIと比較した分化された筋管に対するrhGGF2の効果を示す生存アッセイのグラフである。
【図5】rhGGF2の存在下デュシェーヌ型ジストロフィー細胞の増加した生存を示すグラフである。
【図6】AchRデルタサブユニット転写コントロール要素のコントロール下hGH受容体遺伝子からのC2細胞におけるヒト成長ホルモン(hGH)発現の増加のグラフである。この増加は培地へのGGF2の添加に結びつく。
【図7】C2細胞にGGF2の量を増加して添加したのちのhGH受容体合成およびAchRsへのバンガロトキシン(bungarotoxin)(BTX)の結合の増加のグラフである。
【図8】GGF−I、配列番号1〜20および165に由来するペプチド配列である(以下の実施例11〜13参照)。
【図9】パネルAは変性オリゴヌクレオチドプローブを設計するために用いたGGF−Iペプチドの配列であり、変性PCRプライマーを示す(配列番号1、17および22〜29)。パネルAの配列のうちのいくつかは合成ペプチドを設計するためにも用いられた。パネルBは変性プローブまたは変性PCRプライマーの設計のためには短すぎた(6アミノ酸より少ない)新規なペプチド(配列番号17および32)の表である。
【図10】GGF−II、配列番号42〜50および165に由来するペプチド配列である(以下の実施例11〜13参照)。
【図11】パネルAに、変性オリゴヌクレオチドプローブおよび変性PCRプライマーを設計するために用いられたGGF−IIペプチドの配列を列挙する(配列番号42〜49)。パネルAの配列のうちのいくつかは合成ペプチドを設計するために用いられた。パネルBは変性プローブまたは変性PCRプライマーの設計のためには短すぎた(6アミノ酸より少ない)新規なペプチド(配列番号50)を示す。
【図12】実施例8に関連し、本発明の因子の分裂促進活性を示す。
【図13】図13A、13Bは実施例8に関連し、本発明の因子の分裂促進活性を示す。
【図14】実施例8に関連し、本発明の因子の分裂促進活性を示す。
【図15】実施例8に関連し、本発明の因子の分裂促進活性を示す。
【図16】実施例8に関連し、本発明の因子の分裂促進活性を示す。
【図17】実施例8に関連し、本発明の因子の分裂促進活性を示す。
【図18】実施例8に関連し、本発明の因子の分裂促進活性を示す。
【図19】実施例8に関連し、本発明の因子の分裂促進活性を示す。
【図20】実施例10に関連し、以下に簡単に説明する。図20は図7、パネルAおよび図9、パネルAの新規なペプチド配列から設計された変性オリゴヌクレオチドプローブ(配列番号51〜84)を列挙する。
【図21】実施例10に関連し、以下に簡単に説明する。図21(配列番号85)は組換えウシゲノムファージGGF2BG1からの推定される(putative)一続きのウシGGF−II遺伝子配列を示し、これは変性オリゴヌクレオチドプローブ609および650(図18、それぞれ配列番号66および69)の結合部位を含む。図は第3リーディングフレーム内のDNA配列のコーディングストランドおよび推定された(deduced)アミノ酸配列である。因子2からのペプチド12の配列(ボールド(bold))は、66アミノ酸のオープンリーディングフレーム(ヌクレオチド75272)の一部である。
【図22】実施例10に関連し、以下に簡単に説明する。図22は変性PCRプライマー(パネルA、配列番号86〜104)および下垂体前葉からのRNA中に存在するウシGGF−IIをコードする配列のセグメントを単離するための実験において用いられた独自なPCRプライマー(パネルB、配列番号105〜115)を列挙する。
【図23】実施例10に関連し、以下に簡単に説明する。図23に、PCR増幅実験でえられた9個の別個の隣接する(contiguous)ウシGGF−II cDNA構造および配列を示す。図の上に付した線は特徴付けがなされたcDNA構造に寄与するコーディング配列の図解を示す。
【図24】実施例10に関連し、以下に簡単に説明する。図24はGGF2BG1のウシ組換えファージの物理的地図(physical map)である。ウシフラグメントはおおよそ20kbの長さでウシGGF−II遺伝子の2つのエクソン(ボールド)を含む。酵素Xbal、Spel、Ndel、EcoRI、Kpnl、およびSstIに対する制限部位をこの物理的地図に記している。影を付した部分は配列決定のためにサブクローン化されたフラグメントに対応する。
【図25】実施例10に関連し、以下に簡単に説明する。図25は推定されるウシGGF−II遺伝子の3つの副遺伝子産物(alternative gene products)の構造を図式的に示す。エクソンはAからEまでそれらの発見の順に列挙する。選択的スプライシングパターン1、2および3は、3つのオーバーラップする推定されたタンパク質構造(GGF2BPP1、2、および3)をつくり、それらを種々の図27A、27B、27C(後記)に表わす。
【図26】実施例10に関連し、以下に簡単に説明する。図26(配列番号116〜128)では、図9および図11に列挙された新規なペプチド配列をもつ、図27A、図27Bおよび図27Cに示す推定されたタンパク質の配列(後記)において同定されるGGF−IおよびGGF−II配列を比較する。図によって9つの新規なGGF−IIペプチド配列のうち6つがこれら推定されたタンパク質の配列に対することが示される。GGF−I配列と類似の2つのペプチド配列もまた見出された。
【図27】実施例10に関連し、以下に簡単に説明する。図27(配列番号129)は図25のスプライシングパターン番号1からえられるcDNAのコーディングストランドDNA配列および推定されたアミノ酸配列を示す。この推定されるウシGGF−II遺伝子の部分的なcDNAは、206アミノ酸長のタンパク質をコードする。ボールドで示すペプチドは図9および図11に示すリストから同定されたものである。潜在的なグリコシル化部位に下線を付す(ポリアデニル化シグナルAATAAAに加えて);図27(配列番号130)は図25におけるスプライシングパターン番号3からえられるcDNAのコーディングストランドDNA配列および推定されたアミノ酸配列を示す。この推定されるウシGGF−II遺伝子の部分的なcDNAは、257アミノ酸長のタンパク質をコードする。ボールドで示すペプチドは図9および図11におけるリストから同定されたものである。潜在的なグリコシル化部位に下線を付す(ポリアデニル化シグナルAATAAAに加えて)。
【図28】実施例16に関連し、サザンブロット上での種々のホ乳動物DNAへの推定されるウシGGF−II遺伝子配列の交差ハイブリダイゼーション分析のオートラジオグラムを示す。フィルターは図に列挙する種からのEcoRIで消化されたDNA(レーンあたり5μg)のレーンを含む。図24中の物理的地図により予想されるようにウシDNA中の4kbフラグメントを含めて、プローブは各DNAサンプル中に強い単一バンドを検出する。比較的小さい強度のバンドもまた観察され、これらは関連するDNA配列を示しうる。他のホ乳動物DNAサンプルのそれぞれからの強くハイブリダイズするバンドは、おそらくはこれらの種のGGF−II相同物を示す。
【図29】代表的なスプライシング変異体のダイアグラムである。コーディングセグメントはF、E、B、A、G、C、C/D、C/D′、D、D′、H、KおよびLで示される。精製されたタンパク質に由来したペプチド配列の位置を「○」によって示す。
【図30A】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30B】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30C】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30D】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30E】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30F】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30G】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30H】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30I】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30J】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30K】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30L】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30M】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30N】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図30O】図30(配列番号136〜143、156、157、169〜178)は、GGFのコーディングセグメントのDNA配列および予測されるペプチド配列を示す。列1はウシGGFの予測されるアミノ酸配列を表わし、列2はウシGGFのヌクレオチド配列を表わし、列3はヒトGGF(ヘレグリン)のヌクレオチド配列を表わし(ヌクレオチドの塩基のマッチ(matches)を垂直線で示す)また列4はヒトGGF/ヘレグリンの予測されるアミノ酸配列を表わし、この配列は予測されるウシの配列とは異なる。コーディングセグメントE、A′およびKはウシの配列のみを示す。コーディングセグメントD′はヒト(ヘレグリン)の配列のみを示す。
【図31】図31(配列番号144)は、BPP5の予測されるGGF2アミノ酸配列およびヌクレオチド配列である。上側の列はヌクレオチド配列を表わし、下側の列は予測されるアミノ酸配列を表わす。
【図32】図32(配列番号145)は、GGF2BPP2の予測されるアミノ酸配列およびヌクレオチド配列である。上側の列はヌクレオチド配列を表わし、下側の列は予測されるアミノ酸配列を表わす。
【図33】図33(配列番号146)は、GGF2BPP4の予測されるアミノ酸配列およびヌクレオチド配列である。上側の列はヌクレオチド配列を表わし、下側の列は予測されるアミノ酸配列を表わす。
【図34】図34(配列番号147〜149)は、2つのGGFペプチド配列(GGF2BPP4およびGGF2BPP5)のヒトEGF(hEGF)とのアラインメントを記す。星印は保存されたシステインの位置を示す。
【図35】GGFの量の増加に応じたGGF活性(シュワン細胞分裂促進能アッセイ)および約200kDタンパク質のチロシンリン酸化(抗ホスホチロシンポリクローナル抗体とともに展開されたウェスタンブロットのオートラジオグラム上での200kDのバンドの強度)のレベルを記す。
【図36】図30に示す配列に由来するスプライシング変異体のリストである。
【図37】EGFL1の予測されるアミノ酸配列、下部、およびヌクレオチド配列、上部である(配列番号150)。
【図38】EGFL2の予測されるアミノ酸配列、下部、およびヌクレオチド配列、上部である(配列番号151)。
【図39】EGFL3の予測されるアミノ酸配列、下部、およびヌクレオチド配列、上部である(配列番号152)。
【図40】EGFL4の予測されるアミノ酸配列、下部、およびヌクレオチド配列、上部である(配列番号153)。
【図41】EGFL5の予測されるアミノ酸配列、下部、およびヌクレオチド配列、上部である(配列番号154)。
【図42】EGFL6の予測されるアミノ酸配列、下部、およびヌクレオチド配列、上部である(配列番号159)。
【図43】クローンのスケールコーディングセグメント地図である。T3はクローンからmRNAをつくるために用いられたバクテリオファージプロモーターのことである。R=フランキングするEcoRI制限酵素部位。5′UTは5′非翻訳領域のことである。E、B、A、C、C/D′およびDはコーディングセグメントのことである。O=翻訳開始部位。Λ=ウシEセグメントと相同な領域の5′限界(実施例17参照)また3′UTは3′非翻訳領域のことである。
【図44】GGF2HBS5の予測されるアミノ酸配列(中部)およびヌクレオチド配列(上部)である(配列番号21)。下部(間欠(intermittent)配列)は、GGF−II調製物に由来したペプチド配列を表わす(図8、9参照)。
【図45A】分画による陽イオン交換カラム上のrGGFの精製を示すグラフである。
【図45B】図45Aに示された画分とGGFIIに特異的な抗体を用いたウェスタンブロットの写真である。
【図46】GGFHBS5、GGFHFB1およびGGFBPP5ポリペプチドの配列を示す(配列番号:166、167、および168)。
【図47】プラスミドpcDHRFpolyAの地図である。

Claims (22)

  1. 筋細胞上の受容体と結合するかまたは筋細胞の第2のメッセンジーシステムを活性化するポリペプチドまたは化合物を含有してなる、筋細胞の分裂促進、成長、分化または生存を誘導することによって筋組織の疾患または障害を治療または予防するための医薬品であって、該ポリペプチドまたは化合物が、
    a)配列番号133または159に記載される核酸配列によってコードされるE配列からなるポリペプチド;
    b)配列番号132に記載される核酸配列によってコードされるF配列からなるポリペプチド;
    c)式
    YBAZCX
    (式中、YBAZCXは図30に示されるポリペプチドセグメント(配列番号133〜135、137〜143、146、156および159)から構成され、式中、YはポリペプチドセグメントE(配列番号133および159)からなるかまたは存在せず、式中、ZはポリペプチドセグメントG(配列番号137)からなるかまたは存在せず、そして式中、XはポリペプチドセグメントC/D HKL、C/D H、C/D HL、C/D D、C/D′ HL、C/D′ HKL、C/D′ H、C/D′ D、C/D C/D′ HKL、C/D C/D′ H、C/D C/D′ HL、C/D C/D′ D、C/D D′ H、C/D D′ HL、C/D D′ HKL、C/D′ D′ H、C/D′ D′ HL、C/D′ D′ HKL、C/D C/D′ D′ H、C/D C/D′ D′ HL、またはC/D C/D′ D′ HKLからなる;ここで、前記ポリペプチドセグメントは、Aが配列番号135、Bが配列番号134、Cが配列番号156、C/Dが配列番号138、C/D′が配列番号139、Dが配列番号140、D′が配列番号141、Hが配列番号146、Kが配列番号142、Lが配列番号143で示される)によって定義されるポリペプチド;
    d)式
    WBAZCX
    (式中、WBAZCXは図30に示されるポリペプチドセグメント(配列番号132、134、135、137〜143、146および156)から構成され、式中、WはポリペプチドセグメントF(配列番号132)からなるかまたは存在せず、式中、ZはポリペプチドセグメントG(配列番号137)からなるかまたは存在せず、そして式中、XはポリペプチドセグメントC/D HKL、C/D H、C/D HL、C/D D、C/D′ HL、C/D′ HKL、C/D′ H、C/D′ D、C/D C/D′ HKL、C/D C/D′ H、C/D C/D′ HL、C/D C/D′ D、C/D D′ H、C/D D′ HL、C/D D′ HKL、C/D′ D′ H、C/D′ D′ HL、C/D′ D′ HKL、C/D C/D′ D′ H、C/D C/D′ D′ HL、またはC/D C/D′ D′ HKLからなる;ここで、前記ポリペプチドセグメントは、Aが配列番号135、Bが配列番号134、Cが配列番号156、C/Dが配列番号138、C/D′が配列番号139、Dが配列番号140、D′が配列番号141、Hが配列番号146、Kが配列番号142、Lが配列番号143で示される)によって定義されるポリペプチド;
    e)筋細胞のp185erbB2受容体と特異的に結合する化合物;
    f)上皮成長因子様(EGF−様)ドメインからなるポリペプチドであって、該上皮成長因子様ドメインが
    i)配列番号150(EGFL1);
    ii)配列番号151(EGFL2);
    iii)配列番号152(EGFL3);
    iv)配列番号153(EGFL4);
    v)配列番号154(EGFL5);および
    vi)配列番号155(EGFL6);
    からなる群から選択される核酸配列によってコードされるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
    g)
    i)ラットI−EJ形質転換された線維芽細胞系から単離された35kDポリペプチド因子;
    ii)SKBR−3 ヒト胸部細胞系から単離された75kDポリペプチド因子;
    iii)ラットI−EJ形質転換された線維芽細胞系から単離された44kDポリペプチド因子;
    iv)MDA−MB231 ヒト胸部細胞系から単離された45kDポリペプチド因子;
    v)ATL−2ヒトT細胞系から単離された7〜14kDポリペプチド因子;
    vi)活性化されたマウス腹腔マクロファージから単離された25kDポリペプチド因子;
    vii)ウシ腎臓から単離された25kDポリペプチド因子;
    viii)ARIAポリペプチド; および
    ix)0〜2A前グリア細胞を刺激する46〜47kDポリペプチド因子
    からなる群から選択されるポリペプチド;および
    h)GGF−IIIからなるポリペプチド;
    からなる群から選択される医薬品。
  2. 前記ポリペプチドが配列番号133または159に記載される核酸配列によってコードされるE配列からなる請求項1記載の医薬品。
  3. 前記ポリペプチドが配列番号132に記載される核酸配列によってコードされるF配列からなる請求項1記載の医薬品。
  4. 前記ポリペプチドが、式
    YBAZCX
    (式中、YBAZCXは図30に示されるポリペプチドセグメント(配列番号132〜143、156、157、159)から構成され、式中、YはポリペプチドセグメントEからなるかまたは存在せず、式中、ZはポリペプチドセグメントGからなるかまたは存在せず、そして式中、XはポリペプチドセグメントC/D HKL、C/D H、C/D HL、C/D D、C/D′ HL、C/D′ HKL、C/D′ H、C/D′ D、C/D C/D′ HKL、C/D C/D′ H、C/D C/D′ HL、C/D C/D′ D、C/D D′ H、C/D D′ HL、C/D D′ HKL、C/D′ D′ H、C/D′ D′ HL、C/D′ D′ HKL、C/D C/D′ D′ H、C/D C/D′ D′ HL、またはC/D C/D′ D′ HKLからなる)によって定義されるポリペプチドからなる請求項1記載の医薬品。
  5. 前記ポリペプチドが、式
    WBAZCX
    (式中、WBAZCXは図30に示されるポリペプチドセグメント(配列番号132〜143、156、157、159)から構成され、式中、WはポリペプチドセグメントFからなるかまたは存在せず、式中、ZはポリペプチドセグメントGからなるかまたは存在せず、そして式中、XはポリペプチドセグメントC/D HKL、C/D H、C/D HL、C/D D、C/D′ HL、C/D′ HKL、C/D′ H、C/D′ D、C/D C/D′ HKL、C/D C/D′ H、C/D C/D′ HL、C/D C/D′ D、C/D D′ H、C/D D′ HL、C/D D′ HKL、C/D′ D′ H、C/D′ D′ HL、C/D′ D′ HKL、C/D C/D′ D′ H、C/D C/D′ D′ HL、またはC/D C/D′ D′ HKLからなる)によって定義されるポリペプチドからなる請求項1記載の医薬品。
  6. 前記化合物が筋細胞のp185erbB2受容体と特異的に結合する化合物からなる請求項1記載の医薬品。
  7. 前記ポリペプチドが上皮成長因子様(EGF−様)ドメインからなる医薬品であって、該上皮成長因子様ドメインが
    i)配列番号150(EGFL1);
    ii)配列番号151(EGFL2);
    iii)配列番号152(EGFL3);
    iv)配列番号153(EGFL4);
    v)配列番号154(EGFL5);および
    vi)配列番号155(EGFL6);
    からなる群から選択される核酸配列によってコードされるアミノ酸配列からなる請求項1記載の医薬品。
  8. 前記ポリペプチドが
    i)ラットI−EJ形質転換された線維芽細胞系から単離された35kDポリペプチド因子;
    ii)SKBR−3 ヒト胸部細胞系から単離された75kDポリペプチド因子;
    iii)ラットI−EJ形質転換された線維芽細胞系から単離された44kDポリペプチド因子;
    iv)MDA−MB231 ヒト胸部細胞系から単離された45kDポリペプチド因子;
    v)ATL−2ヒトT細胞系から単離された7〜14kDポリペプチド因子;
    vi)活性化されたマウス腹腔マクロファージから単離された25kDポリペプチド因子;
    vii)ウシ腎臓から単離された25kDポリペプチド因子;
    viii)ARIAポリペプチド; および
    ix)0〜2A前グリア細胞を刺激する46〜47kDポリペプチド因子
    からなる群から選択されるポリペプチドからなる請求項1記載の医薬品。
  9. 前記ポリペプチドがGGF−IIIからなる請求項1記載の医薬品。
  10. 前記E配列からなるポリペプチドが配列番号185からなる請求項1記載の医薬品。
  11. 50 N−末端アミノ酸が、前記E配列からなる前記ペプチドから開裂される請求項1または2記載の医薬品。
  12. 前記F配列からなるポリペプチドが、図30に示されるアミノ酸配列(配列番号132、134、135)を有するFBAポリペプチドセグメント、図30に示されるアミノ酸配列(配列番号132、134、136)を有するFBA′ポリペプチドセグメント、図30に示されるアミノ酸配列(配列番号132、135、159)を有するFEBAポリペプチドセグメント、または図30に示されるポリペプチドセグメントに対応するアミノ酸配列(配列番号132〜134、136、159)を有するFEBA′ポリペプチドセグメントからなる請求項1記載の医薬品。
  13. 前記ポリペプチドが組換えヒトGGF2である請求項2記載の医薬品。
  14. 前記ポリペプチドが発現可能な遺伝子構造にあるDNA配列によってコードされる請求項1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12または13記載の医薬品。
  15. 前記治療または予防がホ乳動物の筋組織の病理学的コンディションの治療または予防であって、該コンディションが前記ポリペプチドまたは化合物、もしくは該ポリペプチドをコードするDNAに対して感受性であるかまたは反応性である筋細胞タイプを含む請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の医薬品。
  16. 前記治療または予防がホ乳動物の筋ダメージを含むコンディションの治療または予防である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の医薬品。
  17. 前記治療または予防が前記筋細胞の萎縮を減少させるためのものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の医薬品。
  18. 前記治療または予防が前記ホ乳動物に存在する筋繊維を増加させるためのものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の医薬品。
  19. 前記治療または予防が前記ホ乳動物での筋再生を増進させるためのものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の医薬品。
  20. 前記治療が神経親和性因子を欠く患者を治療するためのものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14記載の医薬品。
  21. 筋細胞増殖の疾患または障害の治療または予防のための医薬品であって、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14に定義されたポリペプチドまたは化合物と結合する抗体を含有してなる医薬品。
  22. 前記治療または予防がヒトの治療または予防である請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20または21記載の医薬品。
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