JP5743898B2 - ニューレグリンペプチド及びその使用 - Google Patents

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Description

(1.発明の分野)
本発明は、全般に、様々な心臓病又は障害を治療するための、ErbB2受容体について増強された親和性を有するニューレグリンペプチド及びその使用に関する。
(2.本発明の背景)
心(心室)肥大は、心仕事量に対するストレス又は需要の増加に応答しての重要な適応生理反応である。肥大のための刺激後に発生する初期の細胞変化の1つは、個々の細胞のサイズの比例増加を伴うミトコンドリアの合成及び筋原線維質量の増加(壁肥厚化)であるが、細胞数の増加はない(又は最小限である)。
心室がストレスにさらされた場合において、初期応答は、筋節長の増大である。この後に、全筋質量の増加が続く。過負荷が激しい場合、心筋収縮性は抑制される。その最も軽度の形態において、この抑制は、負荷がなくなった心筋を短縮する速度の減少によって、又は等尺性収縮の間の力の発生速度の減少によって、顕在化される。心筋収縮性が更に抑制されるにつれて、負荷がなくなった心筋を短縮させる速度のより広範囲な減少が発生し、そこにおいて等尺性の力の発生の低下及び短縮化を伴う。この点において、循環の補償は心拡張及び筋質量の増加によってさらに提供でき、これは壁応力を正常レベルに維持する傾向がある。収縮性が更に減少するにつれて、心拍出及び仕事の抑制及び/又は安静時の心室拡張終期容積及び圧力の増加に反映される明白なうっ血心不全が続発する。
肥大から心不全への移行は、細胞組織のいくつかの変化によって特徴づけられる。例えば、通常の肥大性細胞は大型であり、増加し、かつよく組織化された収縮単位、及び強い細胞-細胞接着を伴う。対照的に、大型でかつタンパク質の蓄積も有する病理学的に肥大性の細胞は、収縮性タンパク質の脱組織化(筋節構造の乱れ)及び劣った細胞-細胞接着(筋線維の乱れ)を示す。それゆえ、病理学的肥大において、サイズの増加及び収縮性タンパク質の蓄積は、筋節構造の脱組織化された会合、及び頑強な細胞間相互作用の欠如に関連する。
心不全は約5,000,000人のアメリカ人が罹患し、毎年550,000人超の新規患者が該状態と診断される。心不全のための現在の薬剤療法は主に、血管を拡大させ、血圧を下げ、心臓の作業負荷を減少させる血管拡張剤であるアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤に向けられる。死亡率割合の減少は顕著であるが、ACE阻害薬を用いての死亡率の実際の減少は平均で3%〜4%のみであり、いくつかの潜在的副作用がある。
また、ACE阻害剤は、他の薬剤、例えば心臓の収縮力を増加させるジギタリス、並びに/又は腎臓が血流からより多くのナトリウム及び水を取り除くようにさせることにより心臓の作業負荷の緩和を補助する利尿剤と組み合わせても投与される。しかしながら、少なくとも一つの研究は、クラスII-III心不全患者のプラセボと比較して、ジギタリスの使用に関連する生存の違いを示さなかった。加えて、利尿剤は、心不全のいくつかの症状を改善できるが、これは唯一の治療として適切でない。
さらなる制限は、心不全を予防又は治療するための他の選択肢に関連する。例えば、心臓移植は薬剤治療よりも明らかにより高価でかつ侵襲的であり、これはドナー心臓の入手可能性によって更に制限される。両室ペースメーカなどの機械装置の使用は、同様に侵襲的かつ高価である。それゆえ、現在の療法における不備により与えられる新規な療法の必要があった。
有望な新規療法の一つには、心不全に罹患し、又は心不全を発症する危険のある患者へのニューレグリン(以下「NRG」という。)の投与を含む。NRGには、構造的に関連した増殖因子及び分化因子のファミリーを含み、これにはNRG1、NRG2、NRG3及びNRG4並びにこれらのアイソフォームを含む。例えば、15を超えるNRG1の異なるアイソフォームが確認されており、それらに必須の上皮成長因子(EGF)様ドメインの配列における差異に基づいてα-及びβ-型として公知の2つの大きな群に分けられる。NRG-1は、例えば、以下に記載されている:米国特許番号5,530,109、5,716,930及び7,037,888;Lemkeの文献, Mol. Cell. Neurosci. 1996, 7:247-262; Peles及びYardenの文献, 1993, BioEssays 15:815-824, 1993; Pelesらの文献, 1992, Cell 69, 205-216; Wenらの文献, 1992, Cell 69, 559-572, 1992, Holmesらの文献, 1992, Science 256: 1205-1210, Fallsらの文献, 1993, Cell 72:801 -815, Marchionniらの文献, 1993, Nature 362:312-8。当該内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。NRG-2は、例えば以下に記載されている:Changらの文献, 1997, Nature 387:509-512; Carrawayらの文献, 1997, Nature 387:512-516; Higashiyamaらの文献, 1997, J. Biochem. 122:675-680, Busfieldらの文献, 1997, Mol. Cell. Biol. 17:4007-4014及び国際公開公報WO 97/09425号。当該内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。NRG-3は、例えばHijaziらの文献, 1998, Int. J. Oncol. 13: 1061 -1067に記載され、当該内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。NRG-4は、例えばHarariらの文献, 1999 Oncogene. 18:2681-89に記載され、当該内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。
NRGは、EGF受容体ファミリーと結合し、該ファミリーにはEGFR、ErbB2、ErbB3及びErbB4を含み、そのそれぞれは、細胞増殖、分化及び生存などの複数の細胞機能において重要な役割を果たす。これらはタンパク質チロシンキナーゼ受容体であり、細胞外リガンド結合ドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞質チロシンキナーゼドメインから構成されている。NRGがErbB3又はErbB4の細胞外ドメインと結合した後、これはErbB3、ErbB4及びErbB2間のヘテロダイマー形成、又はErbB4自身間のホモダイマー形成を導く構造変化を誘発し、これは細胞膜内部での該受容体のC末端ドメインのリン酸化を結果的に生じる。リン酸化された細胞内ドメインはそれから細胞内の追加的シグナルタンパク質を結合し、対応する下流のAKT又はERKシグナル伝達経路を活性化させ、細胞増殖、細胞分化、細胞アポトーシス、細胞移動若しくは細胞接着の刺激又は抑制などの一連の細胞反応を誘発する。これらの受容体のうち、主にErbB2及びErbB4が心臓で発現している。
大きさが50〜64アミノ酸のNRG1のEGF様ドメインは、これらの受容体に結合し、活性化させるのに十分であることが示されている。以前の研究は、ニューレグリン-1β(NRG-1β)が高親和性でErbB3及びErbB4に直接結合できることを示した。オーファン受容体(ErbB2)は、ErbB3又はErbB4とヘテロダイマーを形成でき、これはErbB3又はErbB4ホモダイマーより高い親和性を有する。神経発生における研究は、交感神経系の形成が完全なNRG-1β、ErbB2及びErbB3シグナル伝達系を必要とすることを示した。NRG-1β又はErbB2又はErbB4の標的化破壊は、心発生欠損により胚性致死をもたらした。最近の研究も、心血管発生並びに成人の正常な心機能の維持におけるNRG-1β、ErbB2及びErbB4の役割を強調した。NRG-1βは、成体心筋細胞の筋節組織を強化することを示した。組換えNRG-1βのEGF様ドメインの短期投与は、心不全の3つの異なった動物モデルにおける心筋性能の悪化に対し、顕著な改善又は保護を与える。さらに重要なことに、NRG-1βは、心不全動物の生存を著しく延長させる。これらの効果は、NRG-1βを、様々な通常の疾患による心不全のための広範な療法又はリード化合物として有望にさせる。しかしながら、心不全及び/若しくは心肥大の予防、治療又は遅延のための臨床設定において使用し得る、より有効なNRGペプチドの必要性が依然として存在する。
(3.本発明の要旨)
本発明は、ErbB受容体に対し、増強された親和性を有するニューレグリンペプチドを提供する。いくつかの実施態様において、本発明のニューレグリンペプチドは、ニューレグリンのEGFドメインを含む。いくつかの実施態様において、本発明のニューレグリンペプチドは、ヒトニューレグリンβ2アイソフォームのEGFドメインを含む。いくつかの実施態様において、ErbB受容体に対し増強された親和性を有するニューレグリンペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列を含む。
本発明のニューレグリンペプチドは、野生型完全長ニューレグリンの親和性と比較して、ErbB受容体に対し増強された親和性を有する。ErbB受容体結合に加え、本発明のニューレグリンペプチドは、天然ヘレグリンの1以上の他の生物活性を有し得る。
本発明のニューレグリンペプチドは、当業者に明らかな任意の技術に従って調製できる。本発明のニューレグリンペプチドの調製のための例示的な技術は、本明細書に記載されている。いくつかの実施態様において、本発明のニューレグリンペプチドは、組換え的に調製できる。ある種の実施態様において、本発明のニューレグリンペプチドは、合成的に、例えば液相又は固相ペプチド合成により、調製できる。
本発明は、本発明のニューレグリンペプチドに関連する核酸分子、ベクター及び宿主細胞も提供する。本発明の核酸分子は、本発明のニューレグリンペプチド若しくはその断片をコードし、又はこれらをコードする核酸分子に相補的である。核酸分子は、二本鎖若しくは一本鎖のDNA又はRNAであり得る。本発明の核酸分子は、コードされたニューレグリンペプチドの増殖及び/又は発現のために適切なベクターに挿入できる。当該ベクターは、例えば、ニューレグリンペプチドの組換え産生を可能にする適切な宿主に導入される。
本発明のニューレグリンペプチドは、様々な治療的及び非治療的用途に有用である。特に、ニューレグリンペプチドは、様々な心臓の疾患又は障害を予防し、治療し、又は遅延させるための治療受容体に使用できる。したがって、本発明には、ニューレグリンペプチドを含む医薬組成物及び関連する治療方法を包含する。
別の態様において、本発明は、哺乳動物において心不全を治療するための方法を提供する。特定の実施態様において、本発明の方法は、本発明のニューレグリンペプチドを、その必要のある哺乳動物に投与する工程を含む。
別の態様において、本発明は、細胞におけるErbB受容体のリン酸化を誘発する方法を提供する。特定の実施態様において、本発明の方法は、細胞を、本発明のニューレグリンペプチドと接触させる工程を含む。
別の態様において、本発明は、心臓細胞のERKシグナル伝達経路の活性化を誘発し、又は維持するための方法を提供する。特定の実施態様において、本発明の方法は、心臓細胞を、本発明のニューレグリンペプチドと接触させる工程を含む。
別の態様において、本発明は、心臓細胞のERKシグナル伝達経路の活性化を誘発し、又は維持するための方法を提供する。特定の実施態様において、本発明の方法は、心臓細胞を、本発明のニューレグリンペプチドと接触させる工程を含む。
(4.図面の簡単な説明)
心筋細胞におけるAKTのリン酸化について、異なる濃度でのNRG55、NRG57及びNRG59の効果を示す。GAPDHは、各サンプルにおけるタンパク質量を比較するために示した。
(5.発明の詳細な説明)
(5.1定義)
他に定義がない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属している技術分野の当業者によって一般に理解されているのと同じ意味を有する。本明細書において参照される全ての特許、出願、公開された出願及び他の刊行物は、引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。この節に記載される定義が、引用により本明細書に組み込まれる特許、出願、公開された出願及び他の刊行物に記載される定義と反対又はそうでなければ矛盾する場合、この節に記載される定義は、引用により本明細書に組み込まれる定義を超えて優先する。
本明細書で使用される単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈が他に明示しない限り、「少なくとも1の」又は「1以上」を意味する。
本明細書で使用される「上皮成長因子様ドメイン」又は「EGF様ドメイン」とは、ErbB2、ErbB3、ErbB4又はそれらの組み合わせに結合して活性化させるニューレグリン遺伝子によってコードされるペプチドモチーフをいい、以下に記載されるEGF受容体結合ドメインに構造的相同性を有する:WO 00/64400, Holmesらの文献, Science, 256:1205-1210 (1992); 米国特許第5,530,109号及び第5,716,930号; Hijaziらの文献, Int. J. Oncol., 13:1061 -1067 (1998); Changらの文献, Nature, 387:509-512 (1997); Carrawayらの文献, Nature, 387:512-516 (1997); Higashiyamaらの文献, J. Biochem., 122:675-680 (1997);及びWO 97/09425。当該内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。ある種の実施態様において、EGF様ドメインは、ErbB2/ErbB4ヘテロダイマー又はErbB2/ErbB3ヘテロダイマーに結合して活性化させる。ある種の実施態様において、EGF様ドメインは、NRG-1の受容体結合ドメインのアミノ酸配列を含む。いくつかの実施態様において、EGF様ドメインは、NRG-1のアミノ酸残基177-226、177-237又は177-240に対応するアミノ酸配列を含む。ある種の実施態様において、EGF様ドメインは、NRG-2の受容体結合ドメインのアミノ酸配列を含む。ある種の実施態様において、EGF様ドメインは、NRG-3の受容体結合ドメインのアミノ酸配列を含む。ある種の実施態様において、EGF様ドメインは、NRG-4の受容体結合ドメインのアミノ酸配列を含む。ある種の実施態様において、EGF様ドメインは、米国特許第5,834,229号に記載される
Figure 0005743898
のアミノ酸配列を含む。
本明細書で使用される、特定の疾患を治療するための活性薬剤の「有効量」は、疾患に関連する症状を寛解させる、又はいくつかの様式においては軽減させるのに十分である量である。当該量は、疾患を治療できるが、典型的には疾患の症状を寛解させるために投与される。
本明細書で使用される「活性薬剤」は、ヒト及び他の動物における疾患の診断、治癒、緩和、治療若しくは予防のために、又はさもなければ肉体的及び精神的健康を強化するのに意図される任意の物質を意味する。
本明細書で使用される、特定の活性薬剤の投与による特定の障害の症状の「寛解」とは、該薬剤の投与に起因し、若しくは関連し得る、永続的か一時的かに関わらない任意の減少、持続又は一過性をいう。
本明細書で使用される「治療する」、「治療」及び「治療すること」とは、状態、障害又は疾患の症状が寛解されるか又はそうでなければ有益に変えられる任意の様式をいう。当該効果は、疾患若しくはその症状を完全に若しくは部分的に予防する観点から予防的であり得、並びに/又は疾患及び/若しくは該疾患に起因し得る副作用に対する部分的若しくは完全な治癒の観点から治療的であり得る。また、治療は、本明細書において組成物の任意の医薬的使用を包含する。
本明細書で使用される「ベクター(又はプラスミド)」とは、発現又はその複製のために異種性DNAを細胞に導入するために使用される個別的要素をいう。当該媒体の選択及び使用は、当業者に周知である。発現ベクターには、当該DNAフラグメントの発現を遂行できる、プロモータ領域などの制御配列に機能的に連結されたDNAを発現し得るベクターを含む。それゆえ、発現ベクターとは、適当な宿主細胞への導入に応じて、クローン化DNAの発現を生じるプラスミド、ファージ、組換えウイルス又は他のベクターなどの組換えDNA又はRNA構築物をいう。適当な発現ベクターは、当業者に周知であり、真核細胞及び/若しくは原核細胞において複製可能なものを含み、かつエピソームのままであるもの、又は宿主細胞ゲノムに組み込まれるものを含む。
本明細書で使用される「心筋細胞分化」は、10%超のDNA合成の減少、10%超の他の因子で刺激されたDNA合成の阻害、よく組織化された筋節構造及び細胞細胞接着、MAPキナーゼ持続的活性化、及びp21C1P1の発現増強によって特徴づけられる状態を意味する。更なる考察はWO00/37095に提供され、その内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される「駆出率」又は「EF」は、心拍の結果として充満した心室から拍出される血液の分量を意味する。これは、以下の式により定義できる:(LV拡張期容積−LV収縮期容積)/LV拡張期容積。
本明細書で使用される「短縮率」又は「FS」は、収縮状態と弛緩状態との間における左心室径の変化率を意味する。これは、以下の式により定義できる:(LV弛緩終期径−LV収縮終期径)/ LV弛緩終期径。
本明細書で使用される「心不全」は、心臓が代謝組織の要求に対して必要とされる速度で血液を拍出しない心機能の異常を意味する。心不全には、例えば、うっ血心不全、心筋梗塞、頻拍性不整脈、家族性肥大型心筋症、虚血性心疾患、特発性拡張型心筋症、心筋炎などの広範囲の疾患状態を含む。心不全は、虚血性、先天性、リウマチ性、又は特発性の形態を含むがこれらに限定されるものではない任意の数の因子に起因し得る。慢性心肥大は著しい病的状態であり、これはうっ血心不全及び心停止の前兆である。
本明細書で使用される「心筋梗塞」とは、重篤かつ持続的な虚血に起因する心筋の一部の局所的壊死をもたらす冠状動脈の遮断又は血流障害をいう。
本明細書に使用される「筋節若しくは筋節構造の組織化又は強化された組織化」は、心筋細胞のα-アクチニンの免疫蛍光染色により現される収縮性タンパク質の直線状配列によって特徴づけられる状態を意味する。細胞におけるα-アクチニンタンパク質の直線状配列は、鏡検及びその連結写真撮影によって識別可能である。本明細書で使用される「筋節若しくは筋節構造の脱組織化又は乱れ」は、「筋節若しくは筋節構造の組織化又は強化された組織化」の反対を意味する。
本明細書に使用される「細胞骨格構造の組織化又は強化された組織化」は、心筋細胞のファロイジン染色により現される直線状アクチン線維によって特徴づけられる状態を意味する。細胞の直線状アクチン線維は、本明細書の図において例示されるように、鏡検及びその連結写真撮影により識別可能である。本明細書で使用される「細胞骨格構造の脱組織化又は乱れ」は、「細胞骨格構造の組織化又は強化された組織化」の反対を意味する。
本明細書で使用される「タンパク質」は、文脈が他に明示しない限り、「ペプチド」又は「ペプチド」と同義である。
本明細書で使用される「MAPキナーゼの持続的活性化」は、MAPキナーゼであるp42/44のリン酸化状態が、細胞において少なくとも21時間維持されることを意味する。更なる考察はWO00/37095において提供され、その内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。
用語「相乗的」、「相乗効果」及びその類義語は、本明細書において、1以上の治療剤を1以上のレチノイン酸化合物と組み合わせることによって得られる治療効果の向上を記述するために使用される。一部の分野における相乗効果は加法的効果(例えば、1+1=3)を上回る効果を意味するが、医療分野においては、加法的効果(1+1=2)又は加法的未満の効果(1+1 = 1.6)が相乗的であり得る。例えば、2つの薬剤の各々が個々に与えられる場合に50%心室筋細胞肥大の発現を阻害する場合、該2つの薬剤を組み合わせても心室筋細胞肥大の発現を完全に停止させるとは予測されないであろう。多くの場合において、容認できない副作用により、2つの薬剤は一緒に投与できない。他の場合において、薬剤は、一緒に投与された場合に互いに無効化し、50%未満で心室筋細胞肥大の発現を遅延させる。それゆえ、相乗効果は、該2つの薬剤が50%超で心室筋細胞肥大の発現を遅延させるが、有害な副作用の容認できない増加をもたらさない場合に得られるといわれている。
本明細書で使用される「心肥大」は、個々の心筋細胞サイズの増加によって特徴づけられる状態であって、患者の臨床診断が生じるのに十分な、又は細胞をより大きい(例えば、非肥大細胞より2倍以上大きい)と決定するのに十分な細胞サイズの増加を意味する。これは、個々の心臓細胞における収縮性タンパク質の蓄積、及び胚性遺伝子発現の活性化を伴うものであり得る。
心室筋細胞肥大の存在を決定するためのインビトロ及びインビボでの方法は公知である。心室筋細胞肥大のためのインビトロアッセイには、WO00/37095に記載された方法、例えば、心房性ナトリウム利尿因子(ANP)の細胞サイズの増大及び発現増加を含む。細胞サイズの変化は、肥大の範囲を決定するための評価系に使用される。これらの変化は、逆相顕微鏡で見ることができ、7〜0の任意目盛りによりスコア化される肥大の程度あってよく、完全肥大細胞は7のスコア、及び非刺激細胞は3のスコアである。該3及び7の状態は、それぞれ、Simpsonらの文献, (1982) Circulation Res. 51 : 787-801における図2のA及びBにみることができる。肥大スコアと細胞表面積(μm2)との間の相関は、線形であると決定された(相関係数= 0.99)。フェニルエフリン誘導性肥大において、非曝露(正常)細胞は肥大スコア3及び581μm2の表面積/細胞を有し、完全肥大細胞は肥大スコア7及び1811μm2の表面積/細胞又は正常の約200%を有する。肥大スコア4を有する細胞は、771μm2の表面積/細胞又は非曝露細胞よりも約30%大きなサイズを有し;肥大スコア5を有する細胞は、1109μm2の表面積/細胞又は非曝露細胞よりも約90%大きなサイズを有し;かつ、肥大スコア6を有する細胞は、1366μm2の表面積/細胞又は非曝露細胞よりも約135%大きなサイズを有する。心室筋細胞肥大の存在には、好ましくは、約15%(肥大スコア3.5)以上のサイズ増大を呈する細胞を含む。肥大の誘導因子は、上記のアッセイによりスコア化される最大肥大性反応を誘導するそれらの能力において変化する。例えば、エンドセリンにより誘導される細胞サイズの最大増加は、約5の肥大スコアである。
本明細書で使用される「心肥大の抑制」は、肥大状態に関連して肥大を示すパラメータの1つにおける減少、又は正常状態に関連して肥大を示すパラメータの1つにおける増加の阻止を意味する。例えば、心室筋細胞肥大の抑制は、肥大状態に関連する細胞サイズの減少として測定できる。心室筋細胞肥大の抑制は、肥大状態において観察されるものに関連する10%以上の細胞サイズの減少を意味する。より好ましくは、肥大の抑制は、30%以上の細胞サイズの減少を意味し;最も好ましくは、肥大の抑制は、50%以上の細胞サイズの減少を意味する。フェニルエフリンが誘導剤として使用される場合の肥大スコアアッセイに関連し、これらの減少はそれぞれ約6.5以下、5.0〜5.5及び4.0〜5.0の肥大スコアと相関するであろう。異なる薬剤が誘導剤として使用される場合、抑制は、該誘導因子存在下で測定される最大細胞サイズ(又は肥大スコア)に関連して検討される。
心室筋細胞肥大の予防は、肥大を完全に誘導するのに十分な誘導因子濃度存在下において、正常細胞に対し相対的な細胞サイズの増加を予防することにより測定される。例えば、肥大の予防は、誘導因子の最大刺激濃度存在下において、非誘導細胞より200%未満の範囲で大きいという細胞サイズの増加を意味する。好ましくは、肥大の予防は、非誘導細胞より135%未満の範囲で大きいという細胞サイズの増加を意味し;及び最も好ましくは、肥大の予防は、非誘導細胞より90%未満の範囲で大きいという細胞サイズの増加を意味する。フェニルエフリンが誘導剤として使用される場合の肥大スコアアッセイに関連し、フェニルエフリンの最大刺激濃度存在下における肥大の予防は、それぞれ約6.0〜6.5、5.0〜5.5及び4.0〜4.5の肥大スコアを意味する。
肥大のインビボ測定には、血圧、心拍数、全身血管抵抗、収縮性、心拍力、収縮型又は拡張型肥大、左心室収縮期圧、左心室平均圧、左心室拡張終期圧、心拍出量、一回拍出係数、組織学的パラメータ、並びに心室サイズ及び壁厚などの心血管パラメータの測定を含むことができる。インビボでの心室筋細胞肥大の発現及び抑制の測定に有用な動物モデルには、圧過負荷マウスモデル、RV機能不全マウスモデル、トランスジェニックマウスモデル、及び心筋梗塞後ラットモデルを含む。ヒト患者における心室筋細胞肥大の存在、発現及び抑制を評価する医学的方法は周知であり、例えば、拡張期及び収縮期パラメータの測定、心室質量及び肺静脈流の評価を含む。
肥大は、先天的なウイルス性、特発性、心臓栄養性若しくは筋栄養性の原因を含む、レチノイン酸に応答する任意の原因に由来する可能性があり、又は心筋梗塞などの虚血若しくは虚血性発作の結果であり得る。典型的には、治療は、特に、虚血由来のものなどの心臓損傷後に起こる肥大の進行を停止させ、又は遅延させるために実施される。好ましくは、心筋梗塞の治療について、肥大を予防又は低減するための薬剤が心筋梗塞の直後に与えられる。
本明細書で使用される「活性単位」又は「1U」は、50%の最大反応を誘導し得る規格品の量を意味する。換言すれば、所与の活性薬剤の活性単位を決定するためには、EC50を測定しなければならない。例えば、製品のバッチのEC50が0.067μg/mlである場合、1単位であり得る。更に、その製品1μgが使用される場合、14.93U(1/0.067)が使用される。EC50は、当該技術分野において公知の任意の方法により決定でき、下記実施例において発明者により利用された方法を含む。活性単位のこの決定は、遺伝子工学製品及び臨床使用薬剤の品質管理に重要であり、別個の医薬及び/又は異なるロット番号からの製品を均質な基準により定量化することを可能にする。
ある種の実施態様において、ニューレグリンの単位は、キナーゼ受容体活性化酵素結合免疫吸着検定法(KIRA-ELISA)によるニューレグリンの活性測定により決定され、これはWO03/099300及びSadickらの文献, 1996, Analytical Biochemistry, 235:207-14において詳細に記載されており、当該内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。簡潔いうと、該アッセイは、接着乳癌細胞株(MCF-7)におけるニューレグリン誘導性ErbB2の活性化及びリン酸化を測定する。膜タンパク質はトリトンX-100溶解を経て可溶化され、該受容体は、ErbB2特異抗体(例えば、H4)で被覆されたELISAウェルにおいて、ErbB3又はErbB4に対する交叉反応なく捕捉される。受容体リン酸化の程度はその後、抗ホスホチロシンELISAにより定量化される。
(5.2 本発明のニューレグリンペプチド)
本発明は、ErbB受容体を結合し得るニューレグリンペプチドを提供する。いくつかの実施態様において、本発明のニューレグリンペプチドは、ErbB受容体に対し増強された親和性を有する。いくつかの実施態様において、本発明のニューレグリンペプチドは、ニューレグリンのEGFドメインを含む。いくつかの実施態様において、本発明のニューレグリンペプチドは、ヒトニューレグリンβ2アイソフォームのEGFドメインを含む。いくつかの実施態様において、ニューレグリンペプチドは、配列番号3、5、7及び9から選択されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施態様において、ニューレグリンペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列を含む。好ましい実施態様において、ニューレグリンペプチドは、配列番号3のアミノ酸配列から構成される。
いくつかの実施態様において、ニューレグリンペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列を含む。好ましい実施態様において、ニューレグリンペプチドは、配列番号5のアミノ酸配列から構成される。
いくつかの実施態様において、ニューレグリンペプチドは、配列番号7のアミノ酸配列を含む。好ましい実施態様において、ニューレグリンペプチドは、配列番号7のアミノ酸配列から構成される。
本発明のニューレグリンペプチドは、野生型完全長ニューレグリンの親和性に比較して、ErbB受容体に対し増強された親和性を有する。ErbB受容体結合に加え、本発明のニューレグリンペプチドは、天然ヘレグリンの1以上の他の生物活性を有し得る。
(5.2.1 本発明のニューレグリンペプチドの調製)
本発明のニューレグリンペプチドは、当業者にとって明らかな任意の技術に従って調製できる。ニューレグリン調製の例示的技術は、例えば、米国特許第7,226,907号、米国特許第5,367,060号、WO 94/026298、WO 03/099300に記載され、当該内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。
本発明のニューレグリンペプチドは、当業者にとって明らかな任意の技術に従って調製できる。ある種の実施態様において、本発明のニューレグリンペプチドは、合成的に、例えば液相又は固相ペプチド合成により、調製できる。Merrifield, 1963, J. Am. Chem. Soc. 85:2149; Fieldsらの文献, 1990, Int J Pept Protein Res. 35: 161-214; Fieldsらの文献, 1991 , Pept Res. 4:95-101;を参照されたく、これらの内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。
更なる実施態様において、本発明のニューレグリンペプチドは、天然供給源、組換え供給源又は商業的供給源から得ることができる。いくつかの実施態様において、本発明のニューレグリンペプチドは、組換え発現させた後、該ニューレグリンペプチドを精製することによって得ることができる。
本発明のニューレグリンペプチドは、例えば、高性能液体クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、ゲル電気泳動、アフィニティークロマトグラフィなどの当該技術分野に公知の任意の技術により精製できる。特定のニューレグリンを精製するために使用される実際の状態は、当業者に明らかであろう。
(5.3 本発明のニューレグリンペプチドの使用)
本発明のニューレグリンペプチドは、当業者の判断に従って使用できる。例示的使用は、例えば米国特許第7,226,907号、米国特許第5,367,060号、WO 94/026298、WO 03/099300に記載され、それぞれの内容は引用によりその全てが本明細書に組み込まれる。
本発明のニューレグリンペプチドは、広範囲の疾患又は障害を治療することに有用である。例示的な疾患又は障害には、心不全、ウイルス性心筋炎若しくは拡張型(うっ血性)心筋症(DCM)、心臓毒性又は心筋梗塞などの心血管疾患を含む。
いくつかの実施態様において、本発明は、その必要のある対象における心不全を治療するための方法であって、本発明のニューレグリンペプチドの有効量を該対象に投与することを含む前記方法を提供する。
本発明のニューレグリンペプチドは、医薬組成物の形態で対象に投与できる。
本発明のニューレグリンペプチドは当業者の判断に従って任意の経路で投与でき、該経路には、経口、静脈内、胃内、十二指腸内、腹腔内、又は脳室内を含むがこれらに限定されない。
好ましい実施態様において、投与のための組成物は、医薬組成物である。医薬組成物は、1以上の予防剤若しくは治療剤(例えば、ニューレグリン又は他の予防剤若しくは治療剤を含む共複合体)の予防的有効量又は治療的有効量、及び典型的には1以上の医薬として許容し得る担体又は賦形剤を含み得る。具体的実施態様において及びこの文脈において、用語「医薬として許容し得る」は、連邦若しくは州政府の規制当局の承認を得ているか、又は動物、より具体的にはヒトにおける使用について米国局方又はその他の一般に認知される局方に収載されていることを意味する。用語「担体」とは、希釈剤、補助剤(例えば、フロイントアジュバント(完全及び不完全))、賦形剤、又は該治療剤を投与するのに用いる媒体をいう。このような医薬担体は、水及び油などの滅菌液であり得、石油、動物、植物又は合成起源のもの、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、ごま油等を含む。水は、医薬組成物を静脈内に投与するときの好ましい担体である。食塩水並びに水性デキストロース溶液及びグリセロール溶液も、液体担体として、特に注射可能溶液に利用できる。適切な薬剤担体の例は、E.W. Martinによる「レミントンの薬学」に記載されている。
典型的な医薬組成物及び剤形は、1以上の賦形剤を含む。適切な賦形剤は薬学分野の当業者に周知であり、適切な賦形剤の非限定的な例には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、モルト、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどを含む。特定の賦形剤が医薬組成物又は剤形への組込みに適しているかどうかは、該剤形が患者に投与される方法及び該剤形の具体的な活性成分を含むがこれらに限定されない当該技術分野に周知の様々な因子に依存する。組成物又は単一単位剤形は、必要に応じて、少量の湿潤剤若しくは乳化剤又はpH緩衝剤を含むこともできる。
本発明の医薬組成物は、当該技術分野に周知の賦形剤を含むことができ、これは例えば、米国局方(USP)SP(XXI)/NF(XVI)に収載されている。一般に、ラクトース不含組成物は、医薬適合性でかつ医薬として許容し得る量の活性成分、結合剤/充填剤、及び潤滑剤を含む。例示的なラクトース不含剤形は、活性成分、微結晶性セルロース、アルファ化デンプン、及びステアリン酸マグネシウムを含む。
本発明は、更に、活性成分が分解する速度を減少させる1以上の化合物を含む医薬組成物及び剤形の投与を包含する。本明細書において「安定剤」と称されるこのような化合物には、アスコルビン酸、pH緩衝剤又は塩緩衝剤などの抗酸化剤を含むがこれらに限定されない。
医薬組成物及び単一単位剤形は、溶液、懸濁液、乳剤、錠剤、ピル、カプセル、粉、持効性製剤などの形態をとることができる。経口製剤には、例えば、医薬等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどの標準担体を含み得る。当該組成物及び剤形は、好ましくは精製形態の治療剤若しくは予防剤の予防的又は治療的有効量を、患者への投与に適当な形態を提供するための適切な担体と共に含む。製剤は、投与様式に適合させるべきである。好ましい実施態様において、医薬組成物又は単一単位剤形は、無菌であり、対象、好ましくは動物対象、より好ましくは哺乳動物対象、及び最も好ましくはヒト対象への投与に適切な形態である。
ニューレグリンを含む医薬組成物は、その意図した投与経路に適合性であるように製剤化される。投与経路の例には、非経口投与、例えば、静脈内投与、皮内投与、皮下投与、筋肉内投与、皮下投与、経口投与、頬投与、舌下投与、吸入投与、鼻腔内投与、経皮投与、局所投与、経粘膜投与、腫瘍内投与、滑膜内投与、及び直腸投与を含むが、これらに限定されるものではない。具体的実施態様において、組成物は、ルーチン手順に従い、ヒトへの静脈投与、皮下投与、筋肉内投与、経口投与、鼻腔内投与又は局所投与に適合する医薬組成物として製剤化される。実施態様において、医薬組成物は、ルーチン手順に従い、ヒトへの皮下投与用に製剤化される。典型的には、静脈内投与用組成物は、無菌の等張水性緩衝剤の溶液である。必要な場合、組成物は、可溶化剤、及び注入の部位で苦痛を和らげるリグノカイン(lignocamne)などの局所麻酔剤を含むこともできる。
剤形の例には、以下を含むがこれらに限定されない:錠剤;カプレット;軟弾性ゼラチンカプセルなどのカプセル;カシェ剤;トローチ剤;ロゼンジ剤;分散剤;坐薬;軟膏;パップ剤(湿布);ペースト;粉末剤;包帯;クリーム;絆創膏;溶液;パッチ;エアロゾル(例えば、鼻内噴霧又は吸入器);ゲル;懸濁液(例えば、水溶又は非水性液体の懸濁液、水中油型乳剤又は油中水型液状乳剤)、溶液、及びエリキシルを含む、患者への経口又は経粘膜投与に適した液体剤形;患者への非経口投与に適した液体剤形;及び、再構成して患者への非経口投与に適した液体剤形を提供できる無菌固体(例えば、結晶又は非晶質固体)。
本発明のニューレグリンペプチドの組成物、形状及び剤形の種類は、典型的にはその使用に応じて変更する。例えば、障害の緊急治療において使用される剤形は、同疾患の慢性治療において使用される剤形よりも多量の1以上のニューレグリンを含み得る。また、治療的に有効な剤形は、異なる型の癌の間で変更できる。同様に、非経口剤形は、同疾患又は障害を治療するために使用される経口剤形よりも少量の1以上の活性成分を含み得る。本発明に包含される具体的剤形が互いに変更されるであろうこれらの及びその他の方法は、当業者に直ちに明らかであろう。例えば、レミントンの薬学、第18版、Mack Publishing, Easton PA (1990)を参照されたい。
ニューレグリンペプチドは、当業者の判断に従って任意の経路により投与でき、該経路には経口、静脈内、胃内、十二指腸内、腹腔内、又は脳室内を含むがこれらに限定されない。
(5.3.1 投与量及び投与経路)
本発明において使用するニューレグリンペプチドの量は、当該性質及び疾患若しくは状態の重篤度、及び当該活性成分が投与される経路により、変更する。頻度及び投与量は、投与される具体的な療法(例えば、治療剤又は予防剤)、障害、疾患若しくは状態の重篤度、投与経路、並びに患者の年齢、身体、体重、応答性及び過去の医療履歴に応じて、各患者に特異的な因子に従っても変更する。有効用量は、インビトロ又は動物モデル試験系に由来する用量反応曲線から推定してもよい。
本発明のニューレグリンペプチドの例示的な用量には、対象又はサンプルの重量のキログラム当たりのニューレグリンのミリグラム又はマイクログラム量(例えば、約1μg/kg〜約500mg/kg、約100μg/kg〜約5mg/kg、又は約1μg/kg〜約50μg/kg)を含む。例えば、患者に投与される投与量は、典型的には、活性ペプチドの重量に基づき、患者の体重につき0.001mg/kg〜15mg/kgである。好ましくは、患者に投与される投与量は、患者の体重につき、0.001mg/kg〜15mg/kg、0.005mg/kg〜10mg/kg、0.01mg/kg〜5mg/kg、0.001mg/kg〜4mg/kg、0.005mg/kg〜3mg/kg、0.01mg/kg〜2mg/kg、0.001mg/kg〜1mg/kg、0.005mg/kg〜0.5mg/kg、0.010mg/kg〜0.2mg/kg、0.005mg/kg〜0.050mg/kgである。
また、本発明のニューレグリンペプチドの例示的な用量には、対象又はサンプルの重量のキログラム当たりのニューレグリンの単位(U)又は単位量(例えば、1 U/kg〜約5000 U/kg、約10 Uμg/kg〜約1000/kg、又は約100 U/kg〜約500 U/kg)を含む。本発明のニューレグリンペプチドについて、患者に投与される投与量は、典型的には、活性ペプチドの重量に基づき、患者の体重につき10U/kg〜1000U/kgである。好ましくは、患者に投与される投与量は、患者の体重につき、1U/kg〜10,000U/kg、1U/kg〜5000U/kg、10U/kg〜5000U/kg、10U/kg〜1000U/kg、50U/kg〜2000U/kg、50U/kg〜1000/kg、50U/kg〜500U/kg、100U/kg〜1000U/kg、100U/kg〜500U/kg、100U/kg〜200U/kgである。
一般に、本明細書に記載される状態についての本発明の方法におけるニューレグリンペプチドの推奨される1日用量範囲は、約0.001mg〜約1000mg/日の範囲にある。具体的には、合計1日用量範囲は、0.001mg/日〜15mg/日、0.005mg/日〜10mg/日、0.01mg/日〜5mg/日、0.001mg/日〜4mg/日、0.005mg/日〜3mg/日、0.01mg/日〜2mg/日、0.001mg/日〜1mg/日、0.005mg/日〜0.5mg/日、0.010mg/日〜0.2mg/日とすべきである。患者の管理において、該療法は、比較的低用量で、おそらくは約0.1μg 〜1μgで開始し、患者の全体反応に応じて、必要に応じ単用量又は分割用量として約20μg〜約1000μg/日まで増加させることができる。場合によっては本明細書に開示される範囲外にある活性成分の投与量を使用することが必要であり得、これは当業者に明らかであろう。さらに、臨床医又は治療医は、個々の患者反応に関連して、どのように及びいつ療法を中断し、調整し、又は終了するのかを知っているであろうことに留意されたい。ある種の実施態様において、ニューレグリンは、約1U/日〜約10,000U/日の量で投与される。いくつかの実施態様において、ニューレグリンは、約1U/日〜約5000U/日の量で投与される。いくつかの実施態様において、ニューレグリンは、約10U/日〜約2000U/日の量で投与される。いくつかの実施態様において、ニューレグリンは、約10U/日〜約1000U/日の量で投与される。いくつかの実施態様において、ニューレグリンは、約100U/日〜約200U/日の量で投与される。
本発明のニューレグリンペプチドは、投与スケジュール又は「治療サイクル」で投与することもできる。治療サイクルにおけるニューレグリンの1日投与量は、先に詳細に記載されている。治療サイクルは、2日、5日、7日、10日、2週、3週、4週、5週又は6週継続できる。
ある種の実施態様において、ニューレグリンは、治療サイクルの各日に毎日投与される。ある種の実施態様において、ニューレグリンは、治療サイクルの3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12日間、継続的に投与される。ある種の実施態様の治療サイクルにおいて、ニューレグリンは、サイクルの1日目に投与され、該サイクルは、1日以上ニューレグリンを投与しない。いくつかの実施態様において、ニューレグリンは、治療サイクルにおいて、3、5、7又は10日間毎日投与された後、休止期を有する。
(6. 実施例)
(6.1 実施例1:ニューレグリンペプチドの化学合成)
5つのニューレグリンペプチド、すなわちNRG53(配列番号3)、NRG55(配列番号4)、NRG57(配列番号5)、NRG59(配列番号6)、NRG61(配列番号1)は、GL Biochem(上海)社により合成された。
NRG61は、以下のアミノ酸配列を含み:
Figure 0005743898
当該配列は、ヒトNRG-1のアミノ酸177-237に相当する。
該断片をコードしているヒト核酸配列は、以下の通りである:
Figure 0005743898
ニューレグリンペプチドEGF53は、以下のアミノ酸配列を有する:
Figure 0005743898
該断片をコードしているヒト核酸配列は、以下の通りである:
Figure 0005743898
ニューレグリンペプチドNRG55は、以下のアミノ酸配列を含む:
Figure 0005743898
該断片をコードしているヒト核酸配列は、以下の通りである:
Figure 0005743898
ニューレグリンペプチドNRG57は、以下のアミノ酸配列を含む:
Figure 0005743898
該断片をコードしているヒト核酸配列は、以下の通りである:
Figure 0005743898
ニューレグリンペプチドNRG59は、以下のアミノ酸配列を含む:
Figure 0005743898
該断片をコードしているヒト核酸配列は、以下の通りである:
Figure 0005743898
各ペプチドは、緩衝液1(0.1M Na2HPO4、0.1M クエン酸、6M 尿素、1mM EDTA-Na2、5mM DTT、pH 8.0)に1mg/mlでそれぞれ溶解させ、該ペプチド溶液をそれから室温に1時間おいた。1mlのサンプル溶液は、最終タンパク質濃度が0.1mg/mlとなるよう、9mlの緩衝液2(0.01M Na2HPO4、0.01M クエン酸、1mM EDTA-Na2、0.5mM GSSG、0.5mM GSH、pH 8.0)と混合した。該溶液をそれから室温で90分間撹拌した後、4℃に16時間おいた。該サンプルをそれからG25カラムに供し、緩衝液3(20mM Na2HPO4、20mM NaH2PO4、pH 6.0)に回収した。
(6.2 実施例2:化学合成された5つのニューレグリンペプチドの受容体結合)
MCF-7細胞を回収し、計数し、ペレット化し、5×104細胞/mlでDMEM(10% 血清及び9μg/mlインスリン含有)に再懸濁した。100μlの細胞懸濁液を96穴プレートの各ウェルに加え、該プレートを37℃で終夜インキュベートした。該細胞をそれからPBSで3回洗浄し、無血清DMEMにおいてさらに24時間培養した。
ErbB2抗体H4(Zensun、抗ErbB2モノクローナル抗体)を被覆緩衝液(50mM Na2CO3-NaHCO3、pH9.6)で6μg/mlに希釈し、96穴プレートに50μl/ウェルで添加した。該プレートは、4℃で終夜、抗体で被覆したままにした。
DMEMを飢餓MCF-7細胞から吸引し、DMEM中のNRG、NRG53、NRG55、NRG57、NRG59又はNRG61の100μl の希釈系列を各ウェルに別々に添加した。DMEMは、ブランクとして2つのウェルに添加した。該プレートは、37℃で20分間インキュベートした。該細胞をPBSで1回洗浄した後、100μl/ウェルの溶解緩衝剤(50mM Hepes、pH 8.0、150mM NaCl、2mM オルトバナジウム酸ナトリウム、0.01% チメロサール、1% トリトンX-100、及び25ml溶液当たり1錠のプロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤)を加え、4℃で30分間溶解した。該プレートをそれから穏やかに振盪して完全に溶解させて該プレートから細胞を除去し、15000rpmで15分間遠心分離した。
被覆抗体を有するプレートを洗浄緩衝液(10mM PBS、pH7.4、0.05% Tween 20)で5回洗浄した後、200μl/ウェルの5% 脱脂乳含有洗浄緩衝液を添加した。該プレートを37℃で2時間インキュベートした後、さらに洗浄緩衝液で3回洗浄した。
培養プレートの各ウェルから90μlの溶解細胞溶液を吸引し、被覆プレートの対応するウェルに移した。37℃で1時間の培養後、細胞溶解液を有する被覆プレートを洗浄緩衝液でさらに5回洗浄し、100μlの適切な濃度の西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)抱合抗ホスホチロシンモノクローナル抗体(Santa Cruz Biotechnology)で37℃にて1時間処理した。該プレートを洗浄緩衝液でさらに5回洗浄した後、100μl の新規に調製したHRP基質溶液[50mMクエン酸、100mM Na2PO4、pH 5.0、0.2mg/mlの3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン(TMB)、0.003% H2O2]を各ウェルに添加し、その後、該プレートを37℃で10分間インキュベートした。最後に、50μl の2N H2SO4を各ウェルに添加し、HRP活性を破壊した。各ウェルの450nmでのOD値をマイクロプレートリーダー(BIO- RAD Model 550)で読み、EC50は最大OD値の50%を達成するニューレグリンペプチドの濃度であった。EC50がより低いほど、ニューレグリンペプチドの受容体結合能はより高い。
NRG(完全長野生型ニューレグリンβ2ペプチド)NRG53、NRG55、NRG57、NRG59及びNRG61のEC50を表1に示した。
Figure 0005743898
表1に示すように、NRG55のEC50は、NRGのEC50よりかなり低い。
(6.3 実施例3:心筋細胞内のAKTのリン酸化における化学合成されたニューレグリンペプチドの効果)
心筋細胞内のErbB2及びErbB4シグナル伝達における合成ペプチドの効果を調査するために、新生仔マウスの左心室から抽出された心臓細胞を使用した。
心臓細胞は、血清含有培地で2日間培養した。該細胞が約80%コンフルエントに達した後、培地を無血清培地に変えた。さらに24時間後、異なる量の合成ニューレグリンペプチド又はニューレグリンを、20分間、該細胞を含んでいる別々のウェルに添加した。該培地をそれから吸引し、ゲルローディング緩衝液を添加して細胞を溶解した。サンプルをそれから回収し、泳動及びウェスタンブロット解析のためにゲルの別々のウェルに充填した。
図1は、AKTリン酸化における様々な濃度のニューレグリンペプチドの効果を示す。図1に示すように、NRG57及びNRG59はNRGと同等の効果を有し、NRG55はNRGよりかなり強い効果を有する。当該結果は、NRG55が、心血管疾患を治療するためのより有効なペプチドであり得ることを示唆する。
本発明の範囲は、本実施例の説明によっては制限されない。本発明の修飾及び変更は、本発明の範囲及び趣旨を逸脱しない範囲で、当業者に明らかであろう。それゆえ、本発明の範囲が、例証として示された具体的実施例によってというよりむしろ、添付の請求の範囲により定義されることは、明らかであろう。

Claims (4)

  1. 配列番号5のアミノ酸配列から構成されるニューレグリンペプチド。
  2. 配列番号5のアミノ酸配列から構成されるニューレグリンペプチド、及び医薬として許容し得る担体、賦形剤又は希釈剤を含む、医薬組成物。
  3. 配列番号5のアミノ酸配列から構成されるニューレグリンペプチドの有効量を含む、その必要のある対象における心不全を治療するための請求項2記載の医薬組成物
  4. 静脈内投与用に製剤化されている、請求項2又は3記載の医薬組成物
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