JP4017205B2 - トリアジン誘導体及びそれを用いた記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なトリアジン誘導体および該誘導体を含有する発色画像の保存安定性の優れた記録材料に関する。
【0002】
【従来技術】
発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した記録材料は現像定着等の煩雑な処理を施すことなく、比較的簡単な装置で短時間に記録できることから、ファクシミリ、プリンター等の出力記録のための感熱記録紙または数枚を同時複写する帳票のための感圧複写紙などで広く使用されている。
これらの記録材料としては、速やかに発色し、未発色部分(以下「地肌」と言う)の白度が保持され、また発色した画像および地肌の堅牢性の高いものが要望されている。更に近年に至ってはラベル等記録画像の信頼性の重視される分野で多量に使用されるようになり、包装に使用される有機高分子材料に含まれる可塑剤や油脂類等に対して保存安定性の高い発色画像を有する記録材料が強く要望されてきた。その為に、発色性染料および顕色剤はもとより、保存安定剤等種々の助剤の開発等多方面から問題解決の検討がなされているが、十分満足できるものは未だ見いだされていない。
【0003】
本発明の化合物に類似するものとしては、ジフェニルスルホン誘導体が挙げられる。これらは記録材料用の顕色剤で知られており、一方がアルコキシ基またはアラルキルオキシ基であり、他方がヒドロキシ基であるジフェニルスルホン誘導体が特開昭57−210886号、特開昭58−20493号、特開昭58−82788号、特開昭58−132593号、特開昭60−13852号、国際公開WO84/02882号等で提案されている。しかし、いずれにしても上述した画像の保存安定性の点で未だ充分であるとはいいがたい。
また、最近では上述した保存性を改良する方法として、ノボラック型エポキシ樹脂あるいはグリシジル化合物等のエポキシ基を含有する記録材料の出願が多く出されており、本出願人も4−ヒドロキシ−4′−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン(国際公開WO93/06074号)やフェネチルアルコール誘導体(国際公開WO94/07832号)などを出願しているが地肌汚れや保存安定性の点で実用化には尚、不十分な部分がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
記録材料においては、発色した画像の保存安定性、特に近年では耐可塑剤性の改良が待たれている。本発明の目的は、この様な問題を解決する発色画像の保存安定性が優れた記録材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(I)
【0006】
【化6】
【0007】
〔式中、Rは水素原子、C1 〜C4 アルキル基を表し、R1 ,R2 は同一または異なってもよく水酸基、ハロゲン原子、C1 〜C6 のアルキル基、C2 〜C4 のアルケニル基、n,mは0〜4の整数、n,mが2以上の時はR1 ,R2 は異なっていてもよい、wは0,1,2を表し、
Y,Zは同一または異なってよく
【0008】
【化7】
【0009】
(R’は水素原子、C1〜C4アルキル基を表し、R7,R8は同一または異なってもよく水酸基、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C2〜C4のアルケニル基を表し、u,vは0〜4の整数、u,vが2以上の時、R7,R8は異なっていてもよい、wは0,1,2を表し、Aはエーテル結合を有するC2〜C8のアルキレン基を表す)または水酸基、水素原子、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ基、エーテル結合を有するアルコキシ基、エーテル結合を有するアルキルチオ基、チオエーテル結合を有するアルコキシ基、チオエーテル結合を有するアルキルチオ基、ヒドロキシアルコキシ基、ヒドロキシアルキルチオ基、1級または2級のC1〜C6アルキルアミノ基、1級または2級のC1〜C6ヒドロキシアルキルアミノ基、(水酸基、C1〜C4アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールオキシ基、(水酸基、C1〜C4アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールチオ基、(水酸基、C1〜C4アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールアミノ基、(水酸基、C1〜C4アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアラルキルオキシ基を表す〕で表されるトリアジン誘導体であり、特に、一般式(II)
【0010】
【化8】
【0011】
〔式中、R1 〜R6 は同一又は異なってもよく、水酸基、ハロゲン原子、C1 〜C6 のアルキル基、C2 〜C4 アルケニル基を示す。またm,n,p,q,r,tは0〜4までの整数を表し、2以上の時はR1 〜R6 はそれぞれ異なっていてもよい。aは0〜10の整数を表す。
Zは
【0012】
【化9】
【0013】
(R7 〜R8 は同一又は異なってもよく、水酸基、ハロゲン原子、C1 〜C6 のアルキル基、C2 〜C4 アルケニル基を示す。またu,vは0〜4までの整数を表し、2以上の時はR7 〜R8 はそれぞれ異なっていてもよい。)
またはハロゲン原子、水酸基、水素原子、C1 〜C6 アルコキシ基、C1 〜C6 アルキルチオ基、エーテル結合を有するアルコキシ基、エーテル結合を有するアルキルチオ基、チオエーテル結合を有するアルコキシ基、チオエーテル結合を有するアルキルチオ基、ヒドロキシアルコキシ基、ヒドロキシアルキルチオ基、1級または2級のC1 〜C6 アルキルアミノ基、1級または2級のC1 〜C6 ヒドロキシアルキルアミノ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールオキシ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールチオ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールアミノ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアラルキルオキシ基を表す〕
で表されるトリアジン誘導体である。
【0014】
また、本発明は、発色性染料を含有する記録材料において、上記本発明のトリアジン誘導体の少なくとも一種を含有することを特徴とする記録材料である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のトリアジン誘導体はトリアジン骨格とそれに結合する一つのS含有ジフェニル化合物が必須の構造である。
【0018】
必須のS含有ジフェニル化合物の置換基であるR1 、R2 は具体的には水酸基、塩素、臭素、フッ素、ヨードなどのハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基などのC1 〜C6 のアルキル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基などC2 〜C4 のアルケニル基などが挙げられる。Rとしては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのC1 〜C4 のアルキル基である。
【0019】
必須のS含有ジフェニル化合物の具体的な例としては、以下のものが代表的に挙げられる。
【0020】
【化11】
【0021】
【化12】
【0022】
【化13】
【0023】
【化14】
【0024】
Y、Zとして挙げられる基としては、
【0025】
【化15】
【0026】
を挙げることができ、R′は水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのC1 〜C4 のアルキル基を具体的に例示できる。また、置換基であるR7 、R8 は具体的には水酸基、塩素、臭素、フッ素、ヨードなどのハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基などのC1 〜C6 のアルキル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基などC2 〜C4 のアルケニル基などが挙げられる。Aはエチレンオキシエチレン基、テトラメチレンオキシテトラメチレン基、エチレンオキシエチレンオキシエチレン基、エチレンオキシメチレンオキシエチレン基などのエーテル結合を有するC2 〜C8 のアルキレン基を挙げることができる。
【0027】
このジフェニル化合物をY、Zに使用すると一般式(I)は一般式(III)や(IV)になる。
【0028】
【化16】
【0029】
前記した必須のS含有ジフェニル化合物もこのY、Zとして好ましく用いることができる。
【0030】
特に合成的には、一般式(V)、(VI)が簡便である。
【0031】
【化17】
【0032】
Y、Zとしては、上記ジフェニル化合物以外に、
水素原子、水酸基、
塩素、臭素、フッ素、ヨードなどのハロゲン、
メトキシ,エトキシ,n−プロポキシ,イソプロポキシ,n−ブトキシ,sec−ブトキシ,tert−ブトキシ,n−ペンチルオキシ,イソペンチルオキシ,ネオペンチルオキシ,tert−ペンチルオキシ,n−ヘキシルオキシ,イソヘキシルオキシ,1−メチルペンチルオキシ,2−メチルペンチルオキシなどのC1 〜C6 のアルコキシ基、
メチルチオ,エチルチオ,n−プロピルチオ,イソプロピルチオ,n−ブチルチオ,sec−ブチルチオ,tert−ブチルチオ,n−ペンチルチオ,イソペンチルチオ,ネオペンチルチオ,tert−ペンチルチオ,n−ヘキシルチオ,イソヘキシルチオ,1−メチルペンチルチオ,2−メチルペンチルチオなどのC1 〜C6 のアルキルチオ基、
メトキシエチレンオキシなどのエーテル結合を有するアルコキシ基、
メトキシエチレンチオなどのエーテル結合を有するアルキルチオ基、
メチルチオエチレンオキシなどのチオエーテル結合を有するアルコキシ基、
メチルチオエチレンチオなどのチオエーテル結合を有するアルキルチオ基、
ヒドロキシエチレンオキシなどのヒドロキシアルコキシ基、
ヒドロキシエチレンチオなどのヒドロキシアルキルチオ基、
メチルアミノ,エチルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノなどの1級または2級のC1 〜C6 アルキルアミノ基、
ヒドロキシエチルアミノ,ジ(ヒドロキシエチル)アミノなどの1級または2級のC1 〜C6 ヒドロキシアルキルアミノ基、
フェノキシ,p−ヒドロキシフェノキシ,p−メチルフェノキシ,p−クロロフェノキシなどの(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールオキシ基、
フェニルチオ,p−ヒドロキシフェニルチオ,p−メチルフェニルチオ,p−クロロフェニルチオなどの(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールチオ基、
アニリノなどの(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールアミノ基、
ベンジロキシ,p−メチルベンジロキシ,フェネチルオキシなどの(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアラルキルオキシ基
を具体的に挙げることができる。上記置換基中のC1 〜C4 アルキル基とはメチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,sec−ブチル,tert−ブチルなどを表し、ハロゲン原子とは塩素,臭素,フッ素,ヨードを表す。
【0033】
一般式(I)で表される化合物は次に示される反応式によって製造できる。
【0034】
【化18】
【0035】
式(I)で表されるトリアジン誘導体の製造方法は、塩基性物質の存在下、有機溶媒系で行うのが好ましい。例えばアセトニトリル、ジメチルスルホキサイド、ジメチルホルムアミドのような水溶性有機溶媒、あるいはベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系有機溶媒、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系有機溶媒、酢酸エチル等のエステル系有機溶媒などの非水溶性有機溶媒中で、アルカリ性物質、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸塩、あるいは炭酸水素塩、具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等無機物質、あるいはアミン類具体的にはトリエチルアミン、ピリジン、キノリン等有機物質の存在下、反応温度−20℃〜100℃で数時間から十数時間反応して行われる。この後、溶媒で選択抽出することにより純度の高い単一化合物を得ることができる。
【0036】
本発明の化合物はさらに、一般式(II)で表される化合物である。
この化合物は一般式(I)で表されるSを含有するジフェニル化合物とトリアジン骨格をユニットとしてもつトリアジン誘導体である。
【0037】
【化19】
【0038】
〔式中、R1 〜R6 は同一又は異なってもよく、水酸基、ハロゲン原子、C1 〜C6 のアルキル基、C2 〜C4 アルケニル基を示す。またm,n,p,q,r,tは0〜4までの整数を表し、2以上の時はR1 〜R6 はそれぞれ異なっていてもよい。aは0〜10の整数を表す。
Zは
【0039】
【化20】
【0040】
(R7 〜R8 は同一又は異なってもよく、水酸基、ハロゲン原子、C1 〜C6 のアルキル基、C2 〜C4 アルケニル基を示す。またu,vは0〜4までの整数を表し、2以上の時はR7 〜R8 はそれぞれ異なっていてもよい。)
またはハロゲン原子、水酸基、水素原子、C1 〜C6 アルコキシ基、C1 〜C6 アルキルチオ基、エーテル結合を有するアルコキシ基、エーテル結合を有するアルキルチオ基、チオエーテル結合を有するアルコキシ基、チオエーテル結合を有するアルキルチオ基、ヒドロキシアルコキシ基、ヒドロキシアルキルチオ基、1級または2級のC1 〜C6 アルキルアミノ基、1級または2級のC1 〜C6 ヒドロキシアルキルアミノ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールオキシ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールチオ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールアミノ基、(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアラルキルオキシ基を表す〕
で表されるトリアジン誘導体である。
【0041】
R1 〜R8 は具体的には水酸基、塩素、臭素、フッ素、ヨードなどのハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基などのC1 〜C6 のアルキル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基なC2 〜C4 のアルケニル基などが挙げられる。
【0042】
Zとしては、上記ジフェニルスルホン化合物以外に、
水素原子、水酸基、
塩素、臭素、フッ素、ヨードなどのハロゲン、
メトキシ,エトキシ,n−プロポキシ,イソプロポキシ,n−ブトキシ,sec−ブトキシ,tert−ブトキシ,n−ペンチルオキシ,イソペンチルオキシ,ネオペンチルオキシ,tert−ペンチルオキシ,n−ヘキシルオキシ,イソヘキシルオキシ,1−メチルペンチルオキシ,2−メチルペンチルオキシなどのC1 〜C6 のアルコキシ基、
メチルチオ,エチルチオ,n−プロピルチオ,イソプロピルチオ,n−ブチルチオ,sec−ブチルチオ,tert−ブチルチオ,n−ペンチルチオ,イソペンチルチオ,ネオペンチルチオ,tert−ペンチルチオ,n−ヘキシルチオ,イソヘキシルチオ,1−メチルペンチルチオ,2−メチルペンチルチオなどのC1 〜C6 のアルキルチオ基、
メトキシエチレンオキシなどのエーテル結合を有するアルコキシ基、
メトキシエチレンチオなどのエーテル結合を有するアルキルチオ基、
メチルチオエチレンオキシなどのチオエーテル結合を有するアルコキシ基、
メチルチオエチレンチオなどのチオエーテル結合を有するアルキルチオ基、
ヒドロキシエチレンオキシなどのヒドロキシアルコキシ基、
ヒドロキシエチレンチオなどのヒドロキシアルキルチオ基、
メチルアミノ,エチルアミノ,ジメチルアミノ,ジエチルアミノなどの1級または2級のC1 〜C6 アルキルアミノ基、
ヒドロキシエチルアミノ,ジ(ヒドロキシエチル)アミノなどの1級または2級のC1 〜C6 ヒドロキシアルキルアミノ基、
フェノキシ,p−ヒドロキシフェノキシ,p−メチルフェノキシ,p−クロロフェノキシなどの(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールオキシ基、
フェニルチオ,p−ヒドロキシフェニルチオ,p−メチルフェニルチオ,p−クロロフェニルチオなどの(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールチオ基、
アニリノなどの(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアリールアミノ基、
ベンジロキシ,p−メチルベンジロキシ,フェネチルオキシなどの(水酸基、C1 〜C4 アルキル基、ハロゲン原子)で置換されてもよいアラルキルオキシ基
を具体的に挙げることができる。上記置換基中のC1 〜C4 アルキル基とはメチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,sec−ブチル,tert−ブチルなどを表し、ハロゲン原子とは塩素,臭素,フッ素,ヨードを表す。
【0043】
一般式(II)で表されるトリアジン誘導体の製造は塩基性物質の存在下、有機溶媒または水と有機溶媒の二層系で行うのが好ましく、次の反応式が示す方法で製造できる。原料としては4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン誘導体または2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン誘導体が入手しやすく好ましい。
【0044】
【化21】
【0045】
有機溶媒系での反応では、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドのような水溶性有機溶媒中で、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、キノリン、ピコリン等の有機アミン存在下、反応温度0〜120℃で数時間〜十数時間反応が行われる。
また、水と有機溶媒の二層系での反応では、例えばベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系有機溶媒、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン系の有機溶媒、酢酸エチル等のエステル系有機溶媒などの非水溶性有機溶媒中で、アルカリ性物質、例えばアルカリ金属やアルカリ土類金属類の水酸化物、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の存在下、反応温度−20℃〜150℃、好ましくは30℃〜120℃で数時間から十数時間反応が行われる。
反応後、溶媒で選択抽出し、カラムクロマトグラフィーで単離精製することにより純度の高い単一化合物を得ることができる。
【0046】
本発明はさらに、一般式(II)
【0047】
【化22】
【0048】
〔式中、R1 〜R6 、m,n,p,q,r,t、a、Zは前記と同じ〕で表されるトリアジン誘導体の二種以上を含有することを特徴とする組成物である。
【0049】
この二種以上の含有率は任意であるが、一般式(II)中のa=0の場合の化合物とa=1以上の化合物の比率において、a=1以上の化合物は、その合計が0.05〜99重量%であることが好ましい。さらに、1〜90重量%であること、詳細には5〜80重量%であることが特に好ましい。
【0050】
特に好ましい組成物としては、一般式(VII)のような化合物においてaの値のみが異なる二種以上を含有するものであり、さらには、その内の一種としてa=0の化合物が含有されている場合が特に好ましい。
【0051】
本発明の組成物は、それぞれの化合物を粉体で混合、溶融混合、合成晶析時添加混合、あるいは、a値のみが異なる二種以上の場合には製造時に、その条件を変化させることにより同時に複数個の化合物を生成含有させることにより製造できる。この製法は簡便であり、原料の反応比率を変えることで二種以上の化合物の含有比率を任意に変えることができる。
【0052】
【化23】
【0053】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明化合物を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
化合物はNMR,IRにより同定した。また、本発明の化合物や組成物は結晶を析出させる際の条件、例えば溶媒の種類、析出温度などによって結晶形が異なったり、アモルファス状になったり、あるいは溶媒と付加体を形成する場合がある。これらは、結晶の融点、赤外分光分析、熱分析あるいはX線回折分析等で明らかにすることができ、本発明に属する。
【0054】
実施例1
アセトニトリル100ml中に、4,4′−ジヒドロキシ−ジフェニルスルホン(以下、「BPS」と略す)10.0g(0.04モル)を加えた。次いで、炭酸カリウム2.8g(0.02モル)を加え、次いで2,4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン1.8g(0.01モル)を加え、25℃で6時間反応させた。反応終了後、反応液にメチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」と略す)100ml、及び水200mlを加えてから水層を分離した。有機溶媒層を1%NaOH水溶液で洗浄して未反応のBPSを回収した後、MIBK層を濃縮除去して無色オイル2.6gを得た。高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的化合物である2,4−ジ[4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ−6−メトキシ]−1,3,5−トリアジンの濃度は44.4%であった。このオイルをカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物の白色結晶1.0g、融点217〜218℃を得た。高速液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ98.8%であり、2,4−ジクロル−6−メトキシ−1,3,5−トリアジンからの収率は16%であった。
【0055】
実施例2
実施例1と同様にして、2,4−ジクロル−6−メトキシ−1,3,5−トリアジンの代わりに2,4−ジクロル−6−フェノキシ−1,3,5−トリアジン2.4g(0.01モル)を加え25℃で4時間反応させた。反応終了後、反応液にMIBK100ml、及び水200mlを加えてから水層を分離した。有機溶媒層を1%NaOH水溶液で洗浄して未反応のBPSを回収した後、MIBK層を濃縮除去して無色オイル2.7gを得た。高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的化合物である2,4−ジ[4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ−6−フェノキシ]−1,3,5−トリアジンの濃度は44.8%であった。このオイルをカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物の白色結晶1.6g、融点230〜232℃を得た。高速液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ95.4%であり、2,4−ジクロル−6−フェノキシ−1,3,5−トリアジンからの収率は24%であった。
【0056】
実施例3
実施例1と同様にして、2,4−ジクロル−6−メトキシ−1,3,5−トリアジンの代わりに2−アニリノ−4,6−ジクロル−1,3,5−トリアジン2.4g(0.01モル)を加え40℃で7時間反応させた。反応終了後、反応液にMIBK100ml、及び水200mlを加えてから水層を分離した。有機溶媒層を1%NaOH水溶液で洗浄して未反応のBPSを回収した後、MIBK層を濃縮除去して無色オイル4.6gを得た。高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的化合物である2−アニリノ−4,6−ジ[4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ]−1,3,5−トリアジンの濃度は62.5%であった。このオイルをカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物の白色結晶1.8g、融点211〜214℃を得た。高速液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ96.3%であり、2−アニリノ−4,6−ジクロル−1,3,5−トリアジンからの収率は27%であった。
【0057】
実施例4
アセトニトリル100ml中に、4−メルカプトフェノール5.6g(0.044モル)を加えた。次いで、炭酸ナトリウム4.2g(0.04モル)を加え、次いでCC7.4g(0.04モル)を加え、0〜5℃で1時間反応させた。この反応液にBPS40.0g(0.16モル)、及びアセトニトリル100mlを加え、次いで炭酸カリウム11.0g(0.08モル)を加え40℃で5時間反応させた。反応終了後、反応液にMIBK200ml、及び水200mlを加えてから水層を分離した。有機溶媒層を1%NaOH水溶液で洗浄して未反応のBPSを回収した後、MIBK層を濃縮除去して淡黄色オイル6.2gを得た。高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、目的化合物である2,4−ジ[4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ]−6−(4−ヒドロキシフェニル)チオ−1,3,5−トリアジンの濃度は79.7%であった。このオイルをカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物の白色結晶2.3g、融点123〜125℃を得た。高速液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ93.9%であり、CCからの収率は8%であった。
【0058】
次いで、本発明の一般式(I)で表されるトリアジン誘導体の代表例を実施例を含め第1表に示した。
【0059】
【表101】
【0060】
【表102】
【0061】
【表103】
【0062】
【表104】
【0063】
【表105】
【0064】
【表106】
【0065】
【表107】
【0066】
実施例5 4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンの合成
アセトニトリル200ml中に、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン(以下BPSと略す)30.0g(0.12モル)を加えた。次いで、2,4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン 5.4g(0.03モル)を加えた後、アセトニトリル 50mlに溶解したトリエチルアミン 6.1g(0.06モル)をゆっくり滴下し、25℃で2時間反応させた。反応終了後、反応液にメチルイソブチルケトン(以下MIBKと略す)300ml、及び水200mlを加えてから水層を分離した。有機溶媒層を1%NaOH水溶液で洗浄して未反応のBPSを回収した後、MIBK層を濃縮除去して淡黄色オイル 14.7gを得た。このオイルをカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物の白色結晶 1.3g(融点180〜182℃)を得た。高速液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ 97.9%であり、2,4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジンからの収率は5%であった。
【0067】
本発明の一般式(II)で表わされる化合物として具体的に、実施例を含め以下に例示することができる。
【0068】
(2−1)4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン 融点(℃)180〜182
(2−2)4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ジエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン 融点(℃)169〜175
(2−3)4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−4)4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−5)4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−6)4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−プロポキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−7)4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ブトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−8)4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ヘキシルオキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−9)4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−フェノキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−10)4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−11)4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−(4−ヒドロキシフェニル)チオ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−12)4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン 融点(℃)198〜204
(2−13)4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチルアミノ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−14)4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−プロピルアミノ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン 融点(℃)201〜207
(2−15)4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−16)4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン 融点(℃)179〜184
(2−17)4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−18)2,4′−ビス〔2−(2−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−19)2,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−20)4,4′−ビス〔3,5−ジメチル−2−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
(2−21)4,4′−ビス〔3−アリル−2−(3−アリル−4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン
【0069】
実施例6
水酸化ナトリウム 4.8g(0.12モル)を溶解した水 300mlにBPS 30.0g(0.12モル)を加え、ついで2,4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン 7.2g(0.04モル)をゆっくり加えた後、30℃で12時間反応させた。反応後、未反応のBPSを除去するため、更に水酸化ナトリウム 1.0g(25ミリモル)を加え濾過を行った。得られた粗結晶を酢酸エチル 600mlに溶解、水洗濃縮後、トルエン 100ml、酢酸エチル 100mlを加え、再結晶精製を行い、白色結晶 18.0gを得た。高速液体クロマトグラフィーで純度を測定したところ6−メトキシ−2,4−ジ〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−1,3,5−トリアジン濃度92.0%、4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン濃度3.5%であり、2,4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジンからの収率は74%であった。
【0070】
実施例7
BPS 75.0g(0.3モル)と6−ジメチルアミノ−2,4−ジクロロ−1,3,5−トリアジン 19.3g(0.1モル)をアセトニトリル 200mlに溶解し、トリエチルアミン 30.3g(0.3モル)を25℃で加え、75〜80℃で8時間反応させた。反応終了後、反応液をMIBK 300ml/水 300mlにあけ、MIBK層を0.5%NaOH水溶液で数回洗浄し、BPSを除去した。MIBK層を濃縮して下記組成物 46.5gを得た。この物の融点は121〜127℃であった。
2,4−ジクロロ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジンからの収率は75%であった。
【0071】
【化24】
【0072】
高速液体クロマトグラフィーにより次のような組成であった。但し、カラムは、Mightysil RP−18(関東化学製)、移動相はCH3 CN:H2 O:1%H3 PO4 =750:250:5、UV波長は260nmである。
【0073】
a=0:保持時間 2.0分:面積% 47.8%
a=1:保持時間 2.5分:面積% 21.0%
a=2:保持時間 3.3分:面積% 12.4%
a=3:保持時間 4.6分:面積% 7.4%
a=4:保持時間 6.7分:面積% 4.5%
a=5:保持時間 9.9分:面積% 2.3%
a=6:保持時間 14.8分:面積% 1.5%
【0074】
実施例8
BPS 37.5g(0.15モル)と2,4−ジクロロ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン 19.3g(0.1モル)をアセトニトリル 200mlに溶解し、トリエチルアミン 25.3g(0.25モル)を25℃で加え、75〜80℃で8時間反応させた。反応終了後、反応液をMIBK 300ml/水 300mlにあけ、MIBK層を0.5%NaOH水溶液で数回洗浄し、BPSを除去した。MIBK層を濃縮して下記組成物 40.3gを得た。この物の融点は123〜132℃であった。
2,4−ジクロロ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジンからの収率は65%であった。
【0075】
【化25】
【0076】
高速液体クロマトグラフィーにより次のような組成であった。但し、カラムは、Mightysil RP−18(関東化学製)、移動相はCH3 CN:H2 O:1%H3 PO4 =750:250:5、UV波長は260nmである。
【0077】
a=0:保持時間 2.0分:面積% 22.6%
a=1:保持時間 2.5分:面積% 23.1%
a=2:保持時間 3.3分:面積% 17.4%
a=3:保持時間 4.6分:面積% 12.6%
a=4:保持時間 6.7分:面積% 8.6%
a=5:保持時間 9.9分:面積% 5.6%
a=6:保持時間 14.8分:面積% 3.8%
【0078】
実施例9
2,4−ジクロロ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジンを2,4−ジクロロ−6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン 17.9g(0.1モル)に変えた以外は実施例7と同様にして下記の組成物 42.4gを得た。この物の融点は195〜205℃であった。
2,4−ジクロロ−6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジンからの収率は70%であった。
【0079】
【化26】
【0080】
高速液体クロマトグラフィーにより次のような組成であった。但し、カラムは、Mightysil RP−18(関東化学製)、移動相はCH3 CN:H2 O:1%H3 PO4 =750:250:5、UV波長は260nmである。
【0081】
a=0:保持時間 2.5分:面積% 44.4%
a=1:保持時間 2.9分:面積% 19.6%
a=2:保持時間 3.4分:面積% 13.0%
a=3:保持時間 4.0分:面積% 8.9%
a=4:保持時間 4.9分:面積% 5.6%
a=5:保持時間 5.9分:面積% 2.4%
a=6:保持時間 7.1分:面積% 1.0%
【0082】
実施例10
2,4−ジクロロ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジンを2,4−ジクロロ−6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン 17.9g(0.1モル)に変えた以外は実施例8と同様にして下記の組成物 32.1gを得た。この物の融点は195〜205℃であった。
2,4−ジクロロ−6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジンからの収率は53%であった。
【0083】
【化27】
【0084】
高速液体クロマトグラフィーにより次のような組成であった。但し、カラムは、Mightysil RP−18(関東化学製)、移動相はCH3 CN:H2 O:1%H3 PO4 =750:250:5、UV波長は260nmである。
【0085】
a=0:保持時間 2.5分:面積% 24.9%
a=1:保持時間 2.9分:面積% 32.1%
a=2:保持時間 3.4分:面積% 19.0%
a=3:保持時間 4.0分:面積% 11.1%
a=4:保持時間 4.9分:面積% 6.0%
a=5:保持時間 5.9分:面積% 2.9%
a=6:保持時間 7.1分:面積% 1.5%
【0086】
一般式(II)で表される化合物の二種以上を含有した組成物の組み合わせ例を示した。
【0087】
(3−1)4−メトキシ−2,4−ジ〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−1,3,5−トリアジンと4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンの組み合わせ
(3−2)4−フェノキシ−2,4−ジ〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−1,3,5−トリアジンと4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−フェノキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンの組み合わせ
(3−3)2−アニリノ−4,6−ジ〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−1,3,5−トリアジンと4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−アニリノ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンの組み合わせ
(3−4)6−(4−ヒドロキシフェニル)チオ−2,4−ジ〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−1,3,5−トリアジンと4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−(4−ヒドロキシフェニル)チオ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンの組み合わせ
(3−5)2−ジエチルアミノ−4,6−ジ〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−1,3,5−トリアジンと4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ジエチルアミノ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンの組み合わせ
(3−6)6−メトキシ−2,4−ジ〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−1,3,5−トリアジンと4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン及び、6−メトキシ−2,4−ジ〔4−{2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ}フェニルスルホニル〕フェノキシ−1,3,5−トリアジンの組み合わせ
【0088】
本発明は、発色性染料を含有する記録材料において、一般式(I)または一般式(II)で表されるトリアジン誘導体の少なくとも一種を含有することを特徴とする記録材料である。
【0089】
【化28】
【0090】
【化29】
【0091】
(式中、R1 〜R6 、m,n,p,q,r,t、a、R、Y、Zは前記と同じ)
【0092】
本発明の化合物は発色性染料を使用する記録材料ならばどの様な用途にでも使用でき、例えば感熱記録材料または感圧複写材料等に利用することができる。
【0093】
本発明の化合物において注目すべきことは、耐可塑剤性に優れた顕色剤または耐可塑剤性を有する画像保存安定剤として使用できることである。
【0094】
発色性染料を含む記録材料の製造方法は一般的に行われている方法でよく、例えば、画像保存安定剤としての用途の場合には他の顕色剤と増感剤等各種助剤類と一緒に使用し、顕色剤としての用途の場合には増感剤等各種助剤類と一緒に使用して製造する。勿論、本発明の化合物を組み合わせて、一方を画像保存安定剤、他方を顕色剤として使用することも可能である。また本発明の化合物と同じ用途の化合物を併用して、発色特性に特徴を持たせた記録材料を製造することも可能である。
【0095】
この様に本発明の化合物のように画像保存安定剤と顕色剤の両用途の特性を有することは、発色性染料に対する画像保存安定剤と顕色剤の相対的な使用量を相互に減じることでより安価に記録材料を製造することができ、極めて有利である。
【0096】
本発明の化合物を感熱記録紙に使用する場合には、既知の画像保存安定剤、顕色剤の使用方法と同様に行えばよく、例えば、本発明の化合物の微粒子および発色性染料の微粒子のそれぞれをポリビニルアルコールやセルロールなどの水溶性結合剤の水溶液中に分散させた懸濁液を混合して紙等の支持体に塗布して乾燥することにより製造できる。
【0097】
発色性染料に対する本発明の化合物の使用割合は、画像保存安定剤として使用する場合には、発色性染料1重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜2重量部であり、顕色剤として使用する場合には、発色性染料の1重量部に対し1〜10重量部、好ましくは1.5〜5重量部の割合である。
【0098】
ここで、本発明の一般式(II)で表される化合物においてa=0の化合物とa=1以上の化合物の少なくとも一種を併用すると効果的である。この場合、a=0の化合物とa=1以上の化合物は通常の顕色剤と画像安定剤の関係の様な使用方法でも構わないが、a=0の化合物にa=1以上の化合物を添加する程度の割合でも飛躍的に効果が増大する特色を有している。
【0099】
a=0の化合物とa=1以上の化合物の含有比率は重量比で100:0.05〜1:99であり、好ましくは99:1〜10:90である。特に95:5〜20:80である。また特により高保存性が要求される場合は50:50〜20:80が好ましく、高い感度も要求される場合は95:5〜50:50が好ましい。
a=1以上の化合物が複数である場合は、上記重量比の数値はそれぞれの化合物の重量の合計である。
【0100】
一般式(II)の化合物を二種以上使用する時の混合方法は、粉体として混合しても、塗布液の調製分散時に添加しても、分散液の状態で添加してもよい。また化合物の製造方法を選択することにより、二種以上の化合物が同時に含有した組成物を使用してもよい。特にこの組成物を顕色剤として用いた場合、非常に効果的である。
【0101】
本発明の化合物、組成物の中には前記したように同じ化合物でも結晶化度や結晶形が異なったもの、アモルファス状のもの、溶媒の付加物などが含まれるがこれらの化合物を使用した場合、記録材料の地肌や感度が改善される場合がある。また塗布液中のこれらの化合物の粒径を細かくすると感度が改善される場合がある。特に結晶化度の高いものはアモルファスのものに比べて地肌の白色度、地肌の耐熱性に優れている。
【0102】
上記分散液中には更に他の顕色剤、他の画像安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、消泡剤、光安定剤、蛍光増白剤等を必要に応じ含有させることができる。
【0103】
これらの薬剤は、発色層中に含有せしめてもよいが、多層構造からなる場合には、例えば保護層等任意の層中に含有せしめてもよい。特に、発色層の上部および/または下部にオーバーコート層やアンダーコート層を設けた場合、これらの層には酸化防止剤、光安定剤などを含有することができる。さらに、酸化防止剤、光安定剤は必要に応じマイクロカプセルに内包するかたちで、これらの層に含有させることができる。
【0104】
本発明の記録材料に使用される発色性染料としては、フルオラン系、フタリド系、ラクタム系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系等のロイコ染料を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、酸性物質である顕色剤と接触することにより発色する発色性染料であれば使用できる。また、これらの発色性染料は単独で使用し、その発色する色の記録材料を製造することは勿論であるが、それらの2種以上を混合使用することができる。例えば赤色、青色、緑色の3原色の発色性染料または黒発色染料を混合使用して真に黒色に発色する記録材料を製造することができる。
【0105】
これらの染料のうち、フルオラン系のものを例示すれば、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジメチルアミノ−7−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−ジブチルアミノ−7−(o−フロロアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノベンゾ〔a〕フルオラン、
3−ジメチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−5−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−(N,N’−ジベンジルアミノ)フルオラン、
3,6−ジメトキシフルオラン
2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノフルオラン等が挙げられる。
また、近赤外吸収染料としては、
3−(4−(4−(4−アニリノ)−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3,3−ビス(2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、
3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ〔フルオレン−9,3’−フタリド〕等が挙げられる。
その他、3,3−ビス(4′−ジエチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリドなども挙げられる。
【0106】
本発明の化合物、組成物を画像保存安定剤として使用する場合あるいは更に他の顕色剤と組み合わせて使用する場合の感熱記録紙の顕色剤としてその代表的なものを例示すると、
ビスフェノールA、4,4’-sec- ブチリデンビスフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2−ジメチル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、2,2−ジメチル−3,3−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン等のビスフェノール化合物、4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)ジエチルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルチオエーテル等の含硫黄ビスフェノール化合物、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸ジフェニルメチル等の4−ヒドロキシ安息香酸エステル類、安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安息香酸金属塩、4−(2−(4−メトキシフェニルオキシ)エチルオキシ)サリチル酸などのサリチル酸類、サリチル酸亜鉛、ビス{4−(オクチルオキシカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸}亜鉛等のサリチル酸金属塩、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン等のヒドロキシスルホン類、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシクロヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類、2−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエ酸のエステル類、ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p−ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジルエーテル、更にトリブロモメチルフェニルスルホン等のトリハロメチルスルホン類、4,4’−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等のスルホニルウレア類、テトラシアノキノジメタン類、2,4−ジヒドロキシ−2′−メトキシベンズアニリドなどを挙げることができる。
【0107】
本発明の化合物、組成物を顕色剤として使用する場合あるいは更に他の画像保存安定剤と組み合わせて使用する場合の感熱記録紙の画像保存安定剤としてその代表的なものを例示すると、
4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)−ジフェニルスルホン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、などのエポキシ基含有ジフェニルスルホン類、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4−(α−(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−プロパノール誘導体、サリチル酸誘導体、オキシナフトエ酸誘導体の金属塩(特に亜鉛塩)、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)フォスフェイトの金属塩、その他水不溶性の亜鉛化合物等を挙げることができる。
【0108】
増感剤としては例えば、ステアリン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド、ベンズアミド、ステアリン酸アニリド、アセト酢酸アニリド、チオアセトアニリド、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、フタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、イソフタル酸ジベンジル、ビス(tert−ブチルフェノール)類、ジフェニルスルホンおよびその誘導体、4、4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフトールベンジルエーテル、ジフェニルアミン、カルバゾール、2,3−ジ− m−トリルブタン、4−ベンジルビフェニル、4,4’−ジメチルビフェニル、m-ターフェニル、ジ−β−ナフチルフェニレンジアミン、1−ヒドロキシ−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエーテル、4−メチルフェニル−ビフェニルエーテル、2,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6−テトラメチル−4’−メチルジフェニルメタン、炭酸ジフェニル等を挙げることができる。好ましくは、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチルベンジルエーテルなどのエーテル類、m-ターフェニル、4−ベンジルビフェニル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、などの芳香族炭化水素類を挙げることができる。さらに好ましくは、ジフェニルスルホンおよびその誘導体、特に4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類および2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類が好ましく、4,4’−ジメトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジエトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、4,4’−ジブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジイソブトキシジフェニルスルホン、4,4’−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン、2,4’−ジメトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジエトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、2,4’−ジブトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジイソブトキシジフェニルスルホン、2,4’−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン等を例示することができる。
【0109】
填料としては、シリカ、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、サテンホワイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、プラスチックピグメントなどが使用できる。特に本発明の記録材料ではアルカリ土類金属の塩が好ましい。さらに炭酸塩が好ましく、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが好適である。填料の使用割合は、発色染料1重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは1〜10重量部である。また、上記その他の填料を混合して使用することも可能である。
【0110】
分散剤としては、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩等を挙げることができる。
【0111】
酸化防止剤としては2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−プロピルメチレンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4−〔4−{1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル}−α,α−ジメチルベンジル〕フェノール等を挙げることができる。
【0112】
減感剤としては脂肪族高級アルコール、ポリエチレングリコール、グアニジン誘導体等を挙げることができる。
【0113】
粘着防止剤としてはステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等を例示することができる。
【0114】
光安定剤としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ウンデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ウンデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−トリデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−テトラデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ペンタデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ヘキサデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2″−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2″−エチルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2″−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2″−プロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2″−プロピルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2″−プロピルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(1″−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(1″−エチルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(1’−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(1″−プロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(1″−プロピルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(1″−プロピルヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)〕フェノール、ポリエチレングリコールとメチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとの縮合物などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2’−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−tert−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステルなどのヒンダードアミン系紫外線吸収剤、1,8−ジヒドロキシ−2−アセチル−3−メチル−6−メトキシナフタレンおよびその関連化合物などを挙げることができる。
【0115】
蛍光染料としては、以下のものが例示できる。
4,4′−ビス〔2−アニリノ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−アニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−メトキシ−4−(2−ヒドロキシプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=二ナトリウム塩
4−〔2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕−4′−〔2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−フェノキシアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−(p−メトキシカルボニルフェノキシ)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(p−スルホフェノキシ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=四ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ホルマリニルアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
4,4′−ビス〔2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ〕スチルベン−2,2′−ジスルホン酸=六ナトリウム塩
【0116】
本発明の化合物、組成物を感圧複写紙に使用するには既知の画像保存安定剤、顕色剤あるいは増感剤を使用する場合と同様にして製造できる。例えば、公知の方法によりマイクロカプセル化した発色性染料を適当な分散剤によって分散し、紙に塗布して発色剤シートを作製する。また、顕色剤の分散液を紙に塗布して顕色剤シートを作製する。その際、本発明の化合物を画像保存安定剤として使用する場合には発色剤シートあるいは顕色剤シートのいずれの分散液中に分散して使用してもよい。このようにして作製された両シートを組合せて感圧複写紙が作製される。感圧複写紙としては、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルを下面に塗布担持している上用紙と顕色剤( 酸性物質) を上面に塗布担持している下用紙とからなるユニットでも、あるいはマイクロカプセルと顕色剤とが同一の紙面に塗布されているいわゆるセルフコンテントペーパーであってもよい。
その際使用する顕色剤または本発明化合物と混合して使用する顕色剤としては従来既知のものが用いられ、例えば酸性白土、活性白土、アパタルジャイト、ベントナイト、コロイダルシリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸亜鉛、珪酸錫、焼成カオリン、タルク等の無機酸性物質、蓚酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸等の脂肪族カルボン酸、安息香酸、p- tert-ブチル安息香酸、フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、3−フェニル−5−(2,2−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−(2−メチルベンジル)サリチル酸、2−ヒドロキシ−1−ベンジル−3−ナフトエ酸等の芳香族カルボン酸、これら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、チタン等の金属塩、p−フェニルフェノール−ホルマリン樹脂、p−ブチルフェノール−アセチレン樹脂等のフェノール樹脂系顕色剤、これらフェノール樹脂系顕色剤と上記芳香族カルボン酸の金属塩との混合物等を挙げることができる。
【0117】
【実施例】
以下、本発明の記録材料について実施例を挙げて詳細に説明するが、必ずしもこれだけに限定されるものではない。
【0118】
実施例11
染料分散液(A液)
2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン 7.0g
ポリビニルアルコール15%水溶液 30.0g
填料(炭酸カルシウム) 13.5g
純水 49.5g
顕色剤分散液(B液)
本発明化合物(実施例1化合物番号1) 7.0g
ポリビニルアルコール15%水溶液 30.0g
填料(炭酸カルシウム) 13.5g
純水 49.5g
填料分散液(C液)
ポリビニルアルコール15%水溶液 30.0g
填料(炭酸カルシウム) 20.5g
純水 49.5g
上記組成の混合物をそれぞれサンドグラインダーで十分に摩砕して、A液、B液及びC液の各分散液を調製し、A液1重量部、B液2重量部及びC液1重量部を混合して塗布液を調製した。この塗布液をワイヤーロッド(No.12 )を使用して白色紙に塗布・乾燥した後、カレンダー掛け処理をして、感熱記録紙を作製した。
【0119】
比較例1
実施例11の顕色剤分散液の本発明の化合物の代わりに、4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホンを使用し、他は実施例11と同様にして、感熱記録紙を作製した。
【0120】
実施例12〜16
実施例11の顕色剤分散液の本発明の化合物1の代わりに、
6−フェノキシ−2,4−ジ[4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ]−1,3,5−トリアジン(実施例2化合物番号8の化合物)
2−アニリノ−4,6−ジ[4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ]−1,3,5−トリアジン(実施例3化合物番号24の化合物)
6−(4−ヒドロキシフェニル)チオ−2,4−ジ[4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ]−1,3,5−トリアジン(実施例4化合物番号19の化合物)
2−エトキシ−4,6−ジ[4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ]−1,3,5−トリアジン(化合物番号2の化合物)
2−イソプロポキシ−4,6−ジ[4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ]−1,3,5−トリアジン(化合物番号4の化合物)
を使用し、他は実施例11と同様にして、感熱記録紙を作製した。
【0121】
実施例17
顕色剤分散液の本発明の化合物1の代わりに、
6−フェノキシ−2,4−ジ[4−(4−ヒドロキシフェニルスルフォニル)フェノキシ]−1,3,5−トリアジン(実施例2化合物番号8の化合物)、
填料分散液(C液)を
シュウ酸ジ(4−メチルベンジル) 7.0g
ポリビニルアルコール15%水溶液 30.0g
填料(クレー) 13.5g
純水 49.5g
の組成に変えた以外は実施例11と同様にして感熱記録紙を作製した。
【0122】
【0123】
上記組成の混合物をそれぞれサンドグラインダーで十分に摩砕して、A液、B液、C液及びD液の各分散液を調製し、A液1重量部、B液2重量部、C液1重量部及びD液4重量部、及びステアリン酸亜鉛分散液(中京油脂製のハイドリンZ−7−30)0.5重量部を混合して塗布液を調製した。この塗布液をワイヤーロッド(No.12 )を使用して白色紙に塗布・乾燥した後、カレンダー掛け処理をして、感熱記録紙を作製した(塗布量は乾燥重量で約5.5g/m2 )。
【0124】
実施例19
実施例18のB液において4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンのかわりに4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン(化合物2−12)を使用し、他は実施例18と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0125】
実施例20
実施例18のB液において4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンのかわりに4,4′−ビス〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−2−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホン(化合物2−16)を使用し、他は実施例18と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0126】
実施例21
実施例18のB液において4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンのかわりに4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンを2.2重量%含有した6−メトキシ−2,4−ジ〔4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕−1,3,5−トリアジンを使用し、他は実施例18と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0127】
実施例22
実施例18のB液において4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンのかわりに実施例7で製造した組成物を使用し、他は実施例18と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0128】
実施例23
実施例18のB液において4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンのかわりに実施例8で製造した組成物を使用し、他は実施例18と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0129】
実施例24
実施例18のB液において4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンのかわりに実施例9で製造した組成物を使用し、他は実施例18と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0130】
実施例25
実施例18のB液において4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンのかわりに実施例10で製造した組成物を使用し、他は実施例18と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0131】
比較例2
実施例18のB液において4,4′−ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ−4−メトキシ−1,3,5−トリアジン−6−イルオキシ〕ジフェニルスルホンのかわりに、4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンを使用し、他は実施例18と同様にして感熱記録紙を作成した。
【0132】
試験例1(感熱記録紙の耐可塑剤性試験)
実施例11〜25および比較例1、2で作製した感熱記録紙について、感熱紙発色試験装置(大倉電機製 TH−PMD型)を使用し、印字電圧26v、パルス幅1.8msの条件で市松模様に発色させ、その発色面に塩化ビニルラップフィルムを密着させた。その状態で40℃雰囲気下8時間、耐可塑剤性試験を行った。試験前後の発色濃度をマクベス反射濃度計RD−514(使用フィルター:#106)で測定した。その結果を第2表に示した。
【0133】
【表2】
【0134】
第2表における測定値は、大きい数値ほど発色濃度が高いことを表している。また残存率は大きい数値ほど褪色が少ないことをしめしている。
【0135】
試験例2(感熱記録紙の耐油性試験)
実施例18〜25及び比較例2で作製した感熱記録紙について、試験例1と同様にして発色させた。その発色画像をサラダ油に浸漬したまま、25℃で24時間放置し、耐油性試験を実施した。それぞれ試験前後の画像の光学濃度をマクベス反射濃度計RD−514(使用フィルター:#106)で測定した。その結果を第3表に示した。
【0136】
【表3】
【0137】
第3表における測定値は、大きい数値ほど発色濃度が高いことを表している。また残存率は大きい数値ほど褪色が少ないことをしめしている。
【0138】
【発明の効果】
本発明のトリアジン誘導体を含有する記録材料は発色画像の保存安定性に優れ、特に耐油性、耐可塑剤性に優れている。
Claims (3)
- 一般式(I)
- 一般式(II)
- 発色性染料を含有する記録材料において、請求項1または2記載のトリアジン誘導体の少なくとも一種を含有することを特徴とする記録材料。
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-
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