JP3936802B2 - 置換ジフェニルスルホン架橋型化合物及びそれを用いた記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なジフェニルスホン架橋型化合物及びそれを含有する耐可塑剤性、耐油性、耐水性、耐熱性等画像保存安定性に優れた記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
発色性染料と顕色剤との反応による発色を利用した記録材料は、現像定着等の煩雑な処理を施すことなく比較的簡単な装置で短時間に記録できることから、ファクシミリ、プリンター等の出力記録のための感熱感光紙又は数枚同時に複写する帳票の感圧複写紙等に広く使用されている。これらの記録材料としては、速やかに発色し、未発色部分(以下地肌という。)の白度が保持され、又発色した画像及び地膚の堅牢性の高いものが要望されている。更に近年に至ってはラベル等記録画像の信頼性の重視される分野でかかる記録材料が多量に使用されるようになり、包装等に使用される有機高分子材料に含有される可塑剤や油脂等に対して高い保存安定性を示す材料が求められている。そのために、発色染料や顕色剤の他、保存安定剤等種々の助剤の開発努力がなされているが、充分に満足できるものは未だ見出されてはいない。
【0003】
本発明の化合物に類似するジフェニルスルホン架橋型の化合物の骨格を有するする化合物は、特公平5−194368号公報、特公平5−310683号公報、特開平7−149713号公報、国際公開WO93/06074号、WO95/33714号、ヨーロッパ公開特許公報第706997号等に開示されているが、これらの化合物についても画像の高保存性という点では未だ充分とは言い難い。また、国際公開WO97/16420号において画像の耐可塑剤性に優れているジフェニルスルホン架橋型の化合物が開示されているが、耐水性及び耐熱性の点については充分とは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、記録材料においては発色画像の保存安定性、特に近年では、耐可塑剤性、耐油性、耐光性、耐水性、耐乾熱性、耐湿熱性等の改良が待たれている。本発明の課題は、耐可塑剤性、耐油性、耐水性、耐熱性等の発色画像の保存安定性に優れた記録材料、並びに該記録材料に画像保存安定剤及び/又は顕色剤として用いられる新規なジフェニルスルホン架橋型化合や該化合物を少なくとも2種以上含有する組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】
[式中、Xは、分枝を有していてもよく、またエーテル結合を有してもよいC1 〜C12の飽和もしくは不飽和の炭化水素基、又は、
【0008】
【化4】
【0009】
(Rはメチレン基又はエチレン基を示し、Tは水素原子又はC1〜C4のアルキル基を示す)を表し、R1〜R8は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基、C1〜C4のアルケニル基を表し、m,n,p,qはそれぞれ0〜5までの整数を、r,t,u,wはそれぞれ0〜3まで整数を表し、m,n,p,q,r,t,u,wのそれぞれが2以上のときにはR1〜R8はそれぞれ異なっていてもよく、aは1〜10の整数を表す。]で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物に関する。
【0010】
また本発明は、一般式(I)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を少なくとも2種以上含有する組成物や、発色性染料を含有する記録材料において一般式(I)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の少なくとも一種を含有する記録材料に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
上記一般式(I)におけるXとして、具体的には、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、メチルエチレン基、エチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基、1−メチルトリメチレン基、1−メチルテトラメチレン基、1,3−ジメチルトリメチレン基、1−エチル−4−メチルテトラメチレン基、ビニレン基、プロピニレン基、2−ブテニレン基、エチニレン基、2−ブチニレン基、1−ビニルエチレン基、エチレンオキシエチレン基、テトラメチレンオキシテトラメチレン基、エチレンオキシエチレンオキシエチレン基、エチレンオキシメチレンオキシエチレンオキシ基、1,3−ジオキサン−5,5−ビスメチレン基、1,2−キシリル基、1,3−キシリル基、1,4−キシリル基、2−ヒドリキシトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−メチルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−エチルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−プロピルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−イソプロピルトリメチレン基、2−ヒドロキシ−2−ブチルトリメチレン基などを例示することができる。
【0012】
上記一般式(I)におけるR1〜R8基としては、具体的に、塩素、臭素、フッ素、ヨウ素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、2−メチル−2−プロペニル基などを例示することができる。
【0013】
本発明の一般式(I)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物は、下記反応式に従って製造することができる。原料としては4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−置換もしくは無置換フェニルスルホニル−ジフェニルスルホン誘導体が入手しやすいため好ましく、かかる4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−置換もしくは無置換フェニルスルホニル−ジフェニルスルホン誘導体は、入手容易な4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンを塩化第一鉄等のルイス酸存在下、置換もしくは無置換フェニルスルホニルクロライドとのフリーデルクラフツ反応を行うことにより容易に得ることができる。
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
上記反応式(化5)及び(化6)に示されているように、一般式(I)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の製造は、塩基の存在下、水溶媒又は水と有機溶媒の二層系で行うのが好ましい。水と有機溶媒の二層系での反応では、例えばベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のベンゼン系溶媒ジエチルケトン、メチルブチルケトン(MIBK)等のケトン系の有機溶媒、酢酸エチル等のエステル系有機溶媒などの非水溶性溶媒中で、アルカリ性物質、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の存在下、反応温度−20℃〜150℃、好ましくは30℃〜120℃で数時間から十数時間反応が行われ、水溶媒での反応では、水溶媒中、上記アルカリ性物質存在下、反応温度0〜20℃で数時間から十数時間反応が行われる。また、用いるジハロゲン化合物とジフェニルスルホン化合物のモル比を適当に調節することで所望の鎖長の化合物を単一化合物として得ることができる。反応後、溶媒で選択抽出することにより純度の高い単一化合物を得ることができる。
【0017】
一般式(I)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物のうち、ブテニルオキシ型の化合物は、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−置換もしくは無置換フェニルスルホニル−ジフェニルスルホンと、例えば1,4−ジハロブテン類をアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)又は炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等)などの存在下、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒、アセトン、MIBK等のケトン系溶媒中、もしくはそれら有機溶媒と水の二層系中にて反応させることによって得られる。
【0018】
一般式(I)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物のうち、アルキレン架橋型の化合物は、例えば4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−置換もしくは無置換フェニルスルホニル−ジフェニルスルホンと例えば1−ブロモ−4−クロロブタンをアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)又は炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等)などの存在下トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン等の芳香系溶媒、アセトン、MIBK等のケトン系溶媒中もしくは、それら有機溶媒と水の二層系中にて反応させることによって得られた生成物と、上記4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−置換もしくは無置換フェニルスルホニル−ジフェニルスルホンをアルカリ金属やアルカリ土類金属もしくはそれらの炭酸塩等の存在下にジメチルスルホキサイド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、MIBK、メチルセルソルブ等のエチレングリコール系の溶媒中にて反応せしめることによって得られる。
【0019】
次に、本発明の組成物は、上記一般式(I)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の少なくとも2種を含有するものであり、その含有比率は任意であるが、一般式(I)(a=1)で表されるジフェニルスホン架橋型化合物が0.05〜99重量%、好ましくは1〜90重量%、特に好ましくは5〜80重量%含有されているものが望ましい。また、好ましい本発明の組成物としては、一般式(I)で表される化合物のaの値のみが異なる2種以上を含有するものであり、かかる好ましい組成物として、具体的に(化7)の組成物(式中、X、R1、R5、m、rは前記と同じ)を挙げることができる。
【0020】
【化7】
【0021】
本発明の組成物は、粉体での混合、溶融混合、一般式(I)の化合物の誘導体の合成晶析出時添加混合、あるいは一般式(I)の化合物の製造条件を変えることなどにより製造することができるが、製造条件を変えることにより製造する方法が簡便であり好ましい。例えば、原料の反応比率を変えることで一般式(I)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の含有比率を任意に変えることができる。原料の反応比率を変える本発明の組成物の製造例を以下に示す。
【0022】
【化8】
【0023】
本発明の一般式(I)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物は、一般式(I)におけるaが1〜10の整数のものであるが、一般式(I)においてa=0で表される化合物は、前記ヨーロッパ公開特許公報706997号に開示されており、その代表的なものとしては、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ビス(4−ブロモフェニルスルホニル)ジフェニルスルホンを挙げることができる。
【0024】
一般式(I)においてaが1〜10の本発明のジフェニルスルホン架橋型化合物としては、具体的に以下の化合物を例示することができる。
(1−1)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(フェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(フェニルスルホニル)フェノキシ]エタン
(1−2)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−メチルフェニルスルホニル)フェノキシ]エタン
(1−3)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェノキシ]エタン
(1−4)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−クロロフェニルスルホニル)フェノキシ]エタン
(1−5)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(2,4−ジメチルフェニル)スルホニルフェノキシ]エタン
【0025】
(1−6)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(3,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]エタン
(1−7)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(2,5−ジメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(2,5−ジメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]エタン
(1−8)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホニルフェノキシ]エタン
(1−9)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−エチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−エチルフェニルスルホニル)フェノキシ]エタン
(1−10)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−イソプロピルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−イソプロピルフェニルスルホニル)フェノキシ]エタン
【0026】
(1−11)2,2′−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−(フェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル
(1−12)2,2′−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−メチルフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル
(1−13)2,2′−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル
(1−14)2,2′−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−クロロフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル
(1−15)2,2′−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル
【0027】
(1−16)2,2′−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(3,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル
(1−17)2,2′−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(2,5−ジメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(2,5−ジメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル
(1−18)2,2′−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル
(1−19)2,2′−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−エチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−エチルフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル
(1−20)2,2′−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−イソプロピルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−イソプロピルフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル
【0028】
(1−21)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−フェニルスルホニルフェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルスルホン
(1−22)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−メチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス[(4−メチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−23)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス[(4−ブロモフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−24)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−クロロフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス[(4−クロロフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−25)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス[(2,4−ジメチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
【0029】
(1−26)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(3,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス[(3,4−ジメチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−27)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(2,5−ジメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(2,5−ジメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス[(2,5−ジメチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−28)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス[(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−29)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−エチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−エチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス[(4−エチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−30)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−イソプロピルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−イソプロピルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス[(4−イソプロピルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
【0030】
(1−31)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−フェニルスルホニルフェノキシ]−2−エチレンオキシエトキシ]−3,3′−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルスルホン
(1−32)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−メチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチレンオキシエトキシ]−3,3′−ビス[(4−メチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−33)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−ブロモフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチレンオキシエトキシ]−3,3′−ビス[(4−ブロモフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−34)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−クロロフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−クロロフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチレンオキシエトキシ]−3,3′−ビス[(4−クロロフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−35)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチレンオキシエトキシ]−3,3′−ビス[(2,4−ジメチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
【0031】
(1−36)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(3,4−ジメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチレンオキシエトキシ]−3,3′−ビス[(3,4−ジメチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−37)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(2,5−ジメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(2,5−ジメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチレンオキシエトキシ]−3,3′−ビス[(2,5−ジメチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−38)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチレンオキシエトキシ]−3,3′−ビス[(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−39)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−エチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−エチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチレンオキシエトキシ]−3,3′−ビス[(4−エチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
(1−40)4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−イソプロピルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−イソプロピルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチレンオキシエトキシ]−3,3′−ビス[(4−イソプロピルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホン
【0032】
(1−41)2,2′−ビス[4−[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−フェニルスルホニルフェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ]−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル]−2−フェニルスルホニルフェノキシ]ジエチルエーテル
(1−42)2,2′−ビス[4−[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−メチルフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ]−3−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル]−2−(4−メチルフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテル
(1−43)2,2′−ビス[4−[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−フェニルスルホニルフェノキシ−2−エトキシ]−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル]−2−フェニルスルホニルフェノキシ]エタン
【0033】
次に、一般式(I)の化合物を2種以上含有する本発明の組成物の具体例を以下に示す。
(2−1)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(フェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(フェニルスルホニル)フェノキシ]エタンと、4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−フェニルスルホニルフェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルスルホンとを含有する組成物
(2−2)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(フェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(フェニルスルホニル)フェノキシ]エタンと、4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−フェニルスルホニルフェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルスルホンと、2,2′−ビス[4−[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−フェニルスルホニルフェノキシ−2−エトキシ]−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル]−2−フェニルスルホニルフェノキシ]エタンとを含有する組成物
(2−3)2,2′−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−(フェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテルと、4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−フェニルスルホニルフェノキシ]−2−エチレンオキシエトキシ]−3,3′−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルスルホンとを含有する組成物
【0034】
(2−4)2,2′−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−(フェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテルと4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−フェニルスルホニルフェノキシ]−2−エチレンオキシエトキシ]−3,3′−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルスルホンと、2,2′−ビス[4−[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル)−2−フェニルスルホニルフェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ]−3−フェニルスルホニルフェニルスルホニル]−2−フェニルスルホニルフェノキシ]ジエチルエーテルとを含有する組成物
(2−5)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−メチルフェニルスルホニル)フェノキシ]エタンと、4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−メチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス[(4−メチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホンとを含有する組成物
(2−6)1,2−ビス[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−メチルフェニルスルホニル)フェノキシ]エタンと、4,4′−ビス[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−メチルフェニルスルホニル)フェノキシ]−2−エチルオキシ]−3,3′−ビス[(4−メチルフェニル)スルホニル]ジフェニルスルホンと、2,2′−ビス[4−[4−[4−(4−ヒドロキシ−3−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル)−2−(4−メチルフェニルスルホニル)フェノキシ−2−エチレンオキシエトキシ]−3−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルスルホニル]−2−(4−メチルフェニルスルホニル)フェノキシ]ジエチルエーテルとを含有する組成物
【0035】
本発明の記録材料は、発色性染料と前記一般式(I)で表される本発明のジフェニルスルホン架橋型化合物の少なくとも1種とを含有する。本発明の記録材料としては、発色性染料を使用する記録材料であれば、感熱記録材料、感圧複写材料等どのようなものものでもよい。そして、本発明の記録材料に、一般式(I)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の少なくとも1種と含有させることにより、耐可塑剤性、耐油性、耐水性、耐熱性等の発色画像の保存安定性に優れた記録材料とすることができる。また、一般式(I)で表される本発明のジフェニルスルホン架橋型化合物は、画像保存安定剤として使用できるばかりでなく、顕色剤としても使用することができる。
【0036】
発色性染料を含む記録材料の製造は、一般的に行われている従来公知の方法を用いればよく、例えば本発明のジフェニルスルホン架橋型化合物を画像保存安定剤として用いる場合は他の顕色剤と増感剤等各種助剤類と一緒に使用し、顕色剤として用いる場合は増感剤等各種助剤類と一緒に使用して製造することができる。また、本発明のジフェニルスルホン架橋型化合物を組み合わせて用い、一方を画像保存安定剤、他方を顕色剤として使用することもできる他、本発明のジフェニルスルホン架橋型化合物と同じ用途の化合物を併用して、発色特性に特徴を持たせる記録材料を製造することもできる。このように、本発明のジフェニルスルホン架橋型化合物は、画像保存安定剤の他、顕色剤としても使用することができるという特性を有することから、発色性染料に対する画像保存安定剤と顕色剤の相対的使用量を相互に減じることができ、より安価に記録材料を製造することができる。
【0037】
本発明のジフェニルスルホン架橋型化合物を感熱記録紙に使用する場合には、既知の画像保存安定剤、顕色剤の使用方法と同様に行えばよく、例えば、本発明の化合物の微粒子及び発色性染料の微粒子のそれぞれをポリビニルアルコールやセルロースなどの水溶性結合剤の水溶液中に分散させた懸濁液を混合して紙等の支持体に塗布して乾燥することにより記録材料を製造することができる。
【0038】
発色性染料に対する本発明のジフェニルスルホン架橋型化合物の使用割合は、画像保存安定剤として使用する場合には、発色性染料1重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜2重量部であり、顕色剤として使用する場合には、発色性染料の1重量部に対して1〜10重量部、好ましくは1.5〜5重量部の割合である。
【0039】
本発明の記録材料に、本発明のジフェニルスルホン架橋型化合物を2種以上併用することが好ましい。例えば、一般式(I)で示される2種の化合物のうち、一方を画像保存安定剤、他方を顕色剤として使用することもできるが、画像保存安定剤、あるいは顕色剤として本発明のジフェニルスルホン架橋型化合物を2種以上併用しても、その効果が飛躍的に増大する。かかる2種以上の化合物として前記本発明の組成物を有利に使用することができるが、これに限らず使用に際して混合してもよい。また、発色性染料等との混合方法としては粉体として混合しても、塗布液の調製分散時に添加しても、分散液の状態で添加してもよい。特に、本発明の組成物を顕色剤として用いた場合、非常に効果的である。
【0040】
また、一般式(I)で示される本発明の化合物や組成物には、二重結合を含む化合物のように異性体をもつものや、同じ化合物でも結晶を析出させる際の条件、例えば溶媒の種類、析出温度などによって結晶形が異なったり、アモルファス状になったり、あるいは溶媒と付加体を形成したものなどもあるが、これらは全て本発明の化合物に属する。そして、これらは、その結晶の融点、赤外分光分析あるいはX線回折分析等で明らかにすることができる。また、これら化合物を使用した場合、記録材料の地肌や感度が改善される場合がある。特に結晶化度の高いものはアモルファスのものに比べて地肌の白色度、地肌の耐熱性に優れている。
【0041】
本発明の記録材料には、さらに他の顕色剤、他の画像保存安定剤、増感剤、填料、分散剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止剤、消泡剤、光安定剤、蛍光増白剤等を必要に応じ含有させることができ、これらの薬剤は、発色層中に含有せしめてもよいが、多層構造からなる場合には、例えば保護層等任意の層中に含有せしめてもよい。特に発色層の上部及び又は下部にオーバコート層やアンダーコート層を設けてた場合、これらの層には酸化防止剤、光安定剤などを含有することができる。更に、酸化防止剤、光安定剤は必要に応じマイクロカプセルに内包する形で、これらの層に含有させることができる。
【0042】
本発明の記録材料に用いられる発色性染料としては、フルオラン系、フタリド系、ラクタム系、トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラン系等のロイコ染料を挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、酸性物質と接触することにより発色する発色性染料であればどのようなものでも使用できる。また、これらの発色性染料は単独で使用し、その発色する色の記録材料を製造することは勿論であるが、それらの2種以上を混合使用することができる。例えば、赤色、青色、緑色の3原色発色性染料又は黒発色染料を混合使用して真に黒色に発色する記録材料を製造することができる。
【0043】
これらの染料のうち、フルオラン系のものを例示すれば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロオアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノ−フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノベンゾ[a]フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロオフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロオフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−(N,N′−ジベンジルアミノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノフルオラン等を挙げることができる。
【0044】
また、近赤外吸収染料としては、3−(4−(4−アニリノ)−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3,3′−ビス(2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)ビニル)−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3,6,6′−トリス(ジメチルアミノ)スピロ(フルオレン−9,3′−フタリド)等を例示することができる。
その他、3,3−ビス(4′−ジエチルアミノフェニル)−6−ジエチルアミノフタリドなども挙げられる。
【0045】
本発明の化合物又は組成物を画像保存安定剤として使用する場合、あるいは本発明の化合物又は組成物を他の顕色剤と組み合わせて顕色剤として使用する場合に用いられる顕色剤としては、ビスフェノールA、4,4′−sec−ブチリデンビスフェノール、4,4′−シクロヘキシリデンビスフェノール、2,2′−ジメチル−3,3′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2′−ジヒドロキシジフェニル、ペンタメチレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、2,2′−ジメチル−3,3′−ジ(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2′−ジ(4−ジヒドロキシフェニル)ヘキサン等のビスフェノール化合物、4,4′−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,7−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン、2,2′−ジ(4−ヒドロキシフェニルチオ)ジエチルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルチオエーテル等の含硫黄ビスフェノール、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒドロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル、4−ヒドロキシ安息香酸クロベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸ジフェニルメチル等の4−ヒドロキシ安息香酸エステル類、安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安息香酸金属塩、4−(2−(4−メトキシフェニルオキシ)サリチル酸などのサリチル酸類、サリチル酸亜鉛、ビス(4−(オクチルカルボニルアミノ)−2−ヒドロキシ安息香酸)亜鉛等のサリチル酸金属塩、4,4′−ジヒドロキジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−ブトキシジュフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−フェニルスルホニルオキシ−3,3′−フェニルスルホニルジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジアリルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4′−メチルジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′、5,5′−テトラブロモジフェニルスルホン等のヒドロキシスルホン類、4−フェニルスルホニルフェノキシ亜鉛マグネシウム、アルミニウム、チタン等のヒドロキシスルホン類の多価金属塩類、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシクロヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類、2−ヒドロキシ−6−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエン酸エステル類、ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p−ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジルエーテル、トリハロメチルスルホン類、スルホニルウレア類、テトラシアノキノジメタン類、2,4−ジヒドロキシ−2′−メトキシベンズアニルド等を例示することができる。
【0046】
本発明の化合物又は組成物を顕色剤として使用する場合、あるいは本発明の化合物又は組成物を他の画像保存安定剤と組み合わせて画像保存安定剤として使用する場合に用いられる画像保存安定剤としては、4−ベンジルオキシ−4−(2−メチルグリジルオキシ)−ジフェニルスルホン、4−4′−ジグリジルオキシジフェニルスルホン、などのエポキシ基含有ジフェニルスルホン類、1,4−ジグリジルオキシベンゼン、4−(α−(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)−4′−ヒドロキシジフェニルスルホン、2−プロパノール誘導体、サリチル酸誘導体、オキシナフトエン酸誘導体の金属塩(特に亜鉛塩)、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)フォスフェイトの金属塩、その他水不溶性の亜鉛化合物等を挙げることができる。
【0047】
また、増感剤としては、例えば、ステアリン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド、ベンツアミド、ステアリン酸アニリド、アセト酢酸アニリド、チオアセトアニリド、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、フタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベンジル、イソフタル酸ジベンジル、ビス(tert−ブチルフェノール)類、ジフェニルスルホン及びその誘導体、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類、2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフトールベンジルエーテル、ジフェニルアミン、カルバゾール、2,3−ジ−m−トリルブタン、4−ベンジルビフェニル、4,4′−ジメチルビフェニル、m−ターフェニル、ジ−β−ナフチルフェニレンジアミン、1−ヒドロキシ−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジイルエーテル、4−メチルフェニル−ビフェニルエーテル、2,2′−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、2,3,5,6−テトラメチル−4′−メチルジフェニルメタン、炭酸ジフェニル等を挙げることができる。
【0048】
好ましくは、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフトールベンジルエーテルなどのエーテル類、m−ターフェニル、4−ベンジルフェニル、シュウ酸ジ(4−メチルベンジル)、などの芳香族炭化水素類を挙げることができ、さらに好ましくは、ジフェニルスルホン及びその誘導体、特に4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類及び2,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンのジエーテル類が好ましく、4,4′−ジメトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジエトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジプロポキシジフェニルスルホン、4,4′−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、4,4′−ジブトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジイソブトキシジフェニルスルホン、4,4′−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヘキシルフェニルスルホン、2,4′−ジメトキシジフェニルスルホン、2,4′−ジエトキシジフェニルスルホン、2,4′−ジプロポキシジフェニルスルホン、2,4′−ジイソプロポキシジフェニルスルホン、2,4′−ジブトキシジフェニルスルホン、2,4′−ジペンチルオキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヘキシルオキシジフェニルスルホン等を挙げることができる。
【0049】
填料としては、シリカ、クレー、カオリン、焼成カオリン、タルク、サテンホワイト、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、プラスチックピグメント等が使用できる。特に本発明の記録材料ではアルカリ土類金属の塩が好ましい。更に炭酸塩が好ましく、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが好適である。填料の使用割合は、発色染料1重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは1〜10重量部である。また上記填料を混合して使用することも可能である。
【0050】
分散剤としては、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩等を挙げることができる。
【0051】
酸化防止剤としては、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)4,4′−プロピルメチレンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−tert−ブチルー5−メチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェノール)ブタン、4−[4−{1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル}−α、α′−ジメチルベンジル]フェノール等を挙げることができる。
【0052】
減感剤としては、脂肪族高級アルコール、ポリエチレングリコール、グアニジン誘導体等を挙げることができる。
【0053】
粘着防止剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等を例示することができる。
【0054】
光安定剤としては、フェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシー3′、5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3−tert−ブチルー5′−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3′−(3″、4″、5″、6″−テトラヒドロフタリイミドメチル)−5′−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−3′、5′−ビス(α、α′−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ウンデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−トリデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−テトラデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ペンタデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′ヘキサデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(1″−エチルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(1″−エチルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(1″−エチルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルオクチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘプチル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘキシル)オキシフェニル]ベンゾトリアゾール、2,2′−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、ポリエチレングリコールとメチル−3−[3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネートとの縮合物などのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2′−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリラート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セベケート,コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−tert−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステルなどのヒンダードアミン系紫外線吸収剤、1,8−ジヒドロキシー2−アセチル−3−メチル−6−メトキシナフタレン及びその関連化合物などを挙げることができる。
【0055】
蛍光染料としては、以下のものが例示できる。
4,4′−ビス[2−アニリノ−4−(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸二ナトリウム塩
4,4′−ビス[2−アニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸二ナトリウム塩
4,4′−ビス[2−メトキシ−4−(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸二ナトリウム塩
4,4′−ビス[2−アニリノ−4−(ヒドロキシプロピル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸二ナトリウム塩
4,4′−ビス[2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸二ナトリウム塩
4,−[2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]−4′−[2−m−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸四ナトリウム塩
4,4′−ビス[2−p−スルホアニリノ−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸四ナトリウム塩
4,4′−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−フェノキシアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸六ナトリウム塩
4,4′−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−(p−メトキシカルボニルフェノキシ)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸六ナトリウム塩
4,4′−ビス[2−(p−スルホフェノキシ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸六ナトリウム塩
4,4′−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ホルマニリルアミノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸六ナトリウム塩
4,4′−ビス[2−(2,5−ジスルホアニリノ)−4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノー1,3,5−トリアジニルー6−アミノ]スチルベン−2,2′−ジスルホン酸六ナトリウム塩
【0056】
本発明の化合物又は組成物を感圧複写紙に使用するには既知の画像保存安定剤、顕色剤あるいは増感剤を使用する場合と同様にして製造することができる。例えば、公知の方法によりマイクロカプセル化した発色染料を適当な分散剤によって分散し、紙に塗布して発色剤シートを作成する。また、顕色剤の分散液を紙に塗布して顕色剤シートを作成する。その際、本発明の化合物を画像保存安定剤として使用する場合には発色剤シートあるいは顕色剤シートのいずれの分散液中に分散して使用してもよい。このようにして作成された両シートを組み合わせて感熱複写紙が作成される。感熱複写紙としては、発色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルを下面に塗布坦持している上用紙と顕色剤(酸性物質)を上面に塗布坦持している下用紙とからなるユニットでも、あるいはマイクロカプセルと顕色剤とが同一の紙面に塗布されているいわゆるセルフコンテントペーパーであてっもよい。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
水9.6g中に水酸化ナトリウム6.4g(0.16モル)を加え溶解後、これにメチルセルソルブ25ml、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルスルホン42.4g(0.08モル)を加えた。100℃で1時間攪拌後、1,2−ジブロモエタン7.5g(0.04モル)を滴下し、100℃〜110℃で6時間反応させた。反応終了後反応液にメタノール200mlを加え、室温まで冷却後25%硫酸にて中和した析出晶を濾別、粗結晶を得た。この粗結晶を80%メタノールにて洗浄し、白色結晶18.9g、融点177℃〜200℃を得た。高速液体クロマトグラフィーにより次のような組成であった。ただし、カラムはMightsil RP−18(関東化学製)、移動相はCH3CN:H2O:1%H3PO4=650:350:5,UV波長は260nmである。
【0058】
a=1:保持時間 3.8分:面積%48.6%
a=2:保持時間 6.0分:面積%28.0%
a=3:保持時間10.5分:面積%10.8%
a=4:保持時間18.3分:面積% 4.1%
a=5:保持時間32.4分:面積% 1.5%
また、実施例1で得られた化合物の構造式を(化9)に示す。
【0059】
【化9】
【0060】
実施例2
実施例1と同様にして1,2−ジブロモエタンの代わりにビス−2−クロロエチルエーテル5.7g(0.04モル)を加え、100〜110℃で60時間反応させた。反応終了後メタノール200mlを加え、室温まで冷却後25%硫酸にて中和した析出晶を濾別、粗結晶を得た。この粗結晶を80%メタノールにて洗浄し、白色結晶34.6g、融点161℃〜174℃を得た。高速液体クロマトグラフィーにより次のような組成であった。ただし、カラムはMightsil RP−18(関東化学製)、移動相はCH3CN:H2O:1%H3PO4=700:300:5,UV波長は260nmである。
【0061】
a=1:保持時間 3.6分:面積%42.3%
a=2:保持時間 4.9分:面積%22.2%
a=3:保持時間 7.9分:面積%10.1%
a=4:保持時間13.2分:面積% 4.2%
a=5:保持時間21.8分:面積% 1.5%
また、実施例2で得られた化合物の構造式を(化10)に示す。
【0062】
【化10】
【0063】
実施例3
実施例1と同様にして4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ビス(フェニルスルホニル)ジフェニルスルホンの代わりに4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ビス(4−トルエンスルホニル)ジフェニルスルホン44.7g(0.08モル)を加え、100〜110℃で8時間反応させた。反応終了後メタノール200mlを加え、室温まで冷却後25%硫酸にて中和した析出晶を濾別、粗結晶を得た。この粗結晶を80%メタノールにて洗浄し、白色結晶21.7g、融点172℃〜182℃を得た。高速液体クロマトグラフィーにより次のような組成であった。ただし、カラムはMightsil RP−18(関東化学製)、移動相はCH3CN:H2O:1%H3PO4=700:300:5,UV波長は260nmである。
【0064】
a=1:保持時間 3.5分:面積%45.4%
a=2:保持時間 5.5分:面積%21.5%
a=3:保持時間 9.4分:面積%12.5%
a=4:保持時間16.7分:面積% 7.0%
a=5:保持時間29.7分:面積% 3.4%
また、実施例3で得られた化合物の構造式を(化11)に示す。
【0065】
【化11】
【0066】
以下、本発明の記録材料について説明するが、以下に示す部及び%はいずれも重量基準である。
実施例4(感熱記録紙の作成)
[染料分散液(A液)]
2−アニリノ−3−メチルー6−ジブチルアミノフルオラン 7.0g
ポリビニルアルコール15%水溶液 30.0g
填料(炭酸カルシウム) 13.5g
純水 49.5g
[顕色剤分散液(B液)]
実施例1により得られた化合物 7.0g
ポリビニルアルコール15%水溶液 30.0g
填料(炭酸カルシウム) 13.5g
純水 49.5g
[填料分散液(C液)]
ポリビニルアルコール15%水溶液 30.0g
填料(炭酸カルシウム) 20.5g
純水 49.5g
上記組成の混合物それぞれサンドグラインダーで充分に摩砕して、A液、B液及びC液の各分散液を調製し、A液1重量部、B液2重量部及びC液1重量部を混合して塗布液を調製した。この塗布液をワイヤーロッド(No12)を使用して白色紙に塗布、乾燥した後、カレンダー掛け処理して感熱記録紙を作成した(塗布量は乾燥重量で約5.5g/m2)。
【0067】
実施例5
実施例4の顕色剤分散液の本発明の化合物の代わりに、実施例2で得られた本発明化合物を使用する他は実施例4と同様にして、感熱記録紙を作製した。
【0068】
実施例6
実施例4の顕色剤分散液の本発明の化合物の代わりに、実施例3で得られた本発明化合物を使用する他は実施例4と同様にして、感熱記録紙を作製した。
【0069】
比較例1
実施例4の顕色剤分散液の本発明の化合物の代わりに、4−イソプロポキシ−4′−ヒドロキシジフェニルスルホンを使用する他は実施例4と同様にして、感熱記録紙を作製した。
比較例2
実施例4の顕色剤分散液の本発明の化合物の代わりに、4,4′−ビスー(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタンを使用する他は実施例4と同様にして、感熱記録紙を作製した。
【0070】
比較例3
実施例4の顕色剤分散液の本発明の化合物の代わりに、4、4′−ジヒドロキシ−3,3′−ビスフェニルスルホニルジフェニルスルホンを使用する他は実施例4と同様にして、感熱記録紙を作製した。
比較例4
実施例4の顕色剤分散液の本発明の化合物の代わりに、4、4′−ジヒドロキシ−3,3′−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジフェニルスルホンを使用する他は実施例4と同様にして、感熱記録紙を作製した。
比較例5
実施例4の顕色剤分散液の本発明の化合物の代わりに、次の(化12)で示される化合物を使用する他は実施例4と同様にして、感熱記録紙を作製した。
【0071】
【化12】
【0072】
試験例1(感熱記録紙耐可塑剤性試験)
実施例4〜6、比較例1〜5で作製した感熱記録紙について、感熱紙発色試験装置(大倉電機製 TH−PMD型)を使用し、印字電圧26V,パルス幅1.8msの条件で市松模様に発色させ、その発色面に塩化ビニールラップフィルムを密着させた。その状態で40℃雰囲気下144時間、耐可塑剤性試験を行った。試験前後の発色濃度をマクベス反射濃度計RD−514(使用フィルター:#106)で測定した。その結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
表1における「発色画像」の測定値は、大きい数値ほど発色濃度が高いことを示している。また「画像残存率(%)」は、発色画像濃度(試験後)÷発色画像濃度(試験前)×100により求められ、大きい数値ほど褪色が少ないことを示している。表1から、本発明の記録材料の方が比較例のものに比べて褪色が少なく、耐可塑剤性の点で優れていることがわかる。
【0075】
試験例2(感熱記録紙の耐油性試験)
実施例4〜6、比較例1〜5で作製した感熱記録紙について、試験例1と同様にして発色させた。その発色画像をサラダ油に浸漬したまま、25℃で8日間放置し、耐油性試験を実施した。それぞれ試験前後の画像の光学濃度をマクベス反射濃度計RD−514(使用フィルター:#106)で測定した。その結果を表2に示す。表2より、比較例1のものは著しく耐油性に乏しいことがわかる。
【0076】
【表2】
【0077】
試験例3(感熱記録紙の耐水性試験)
実施例4〜6、比較例1〜5で作製した感熱記録紙について、試験例1と同様にして発色させた。その発色画像を25℃で3日間純水に浸漬した後、この試験片を50℃で3分間乾燥し、画像の光学濃度を測定した。その結果を表3に示す。表3より、本発明の記録材料の方が比較例のものに比べて褪色が少なく、耐水性の点で優れていることがわかる。
【0078】
【表3】
【0079】
試験例4(感熱紙の耐熱性試験)
実施例4〜6及び比較例1〜5で作製した感熱記録紙について、これらの試験片を80℃、90℃、100℃で24時間加熱後、地肌の光学濃度を測定した。その結果を表4に示す。表4における光学濃度の測定値は、数値が大きいほど地肌の発色濃度が高いことを示しており、数値が小さいほど地肌の白度が保持されていることを示している。表4より、本発明の記録材料の方が比較例のものに比べて、80℃、90℃、100℃での24時間加熱における熱安定性において優れており、地肌の被りが少なく鮮明な画像が得られることがわかる。なお、比較例1のものは発色濃度が高く、測定不能であった。
【0080】
【表4】
【0081】
【発明の効果】
本発明のジフェニルスルホン架橋型化合物又はそれらを少なくとも2種以上含有する組成物を画像保存安定剤及び/又は顕色剤として用いる本発明の記録材料は、発色画像の保存安定性、特に耐可塑剤性、耐油性、耐水性、耐熱性、耐湿性等に優れている。
Claims (4)
- 下記一般式(I)
m,n,p,qはそれぞれ0〜5までの整数を、r,t,u,wはそれぞれ0〜3まで整数を表し、m,n,p,q,r,t,u,wのそれぞれが2以上のときにはR1〜R8はそれぞれ異なっていてもよく、
aは1〜10の整数を表す。]
で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物。 - 一般式(I)において、Xは、分枝を有してもよく、またエーテル結合を有してもよいC 1 〜C 12 の飽和もしくは不飽和の炭化水素基を表し、R 1 〜R 8 は、それぞれ独立に、ハロゲン原子又はC 1 〜C 6 のアルキル基を表し、その他は前記定義のとおりであることを特徴とする請求項1記載のジフェニルスルホン架橋型化合物。
- 一般式(I)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を少なくとも2種以上含有することを特徴とする記録材料用組成物。
- 発色性染料を含有する記録材料において、一般式(I)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物の少なくとも一種を含有することを特徴とする記録材料。
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